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「百年後のふるさとを守る」(小学校第5学年部会)(PDF:262KB)
第5学年○組 国語科学習指導案【3次案】 平成25年6月25日(火)第5校時 第5年○組教室 (在籍児童数○○名) 指導者 教諭 ○○ ○○ 1 単元名 伝記を読んで,自分の生き方について考えよう 「百年後のふるさとを守る」 2 児童の実態と本単元の意図 (1)児童について 【 略 】 (2)単元について 学習指導要領では,「伝記」について,「人物の生き方を描いているので,物語や詩のような 行動や会話,心情などを基軸に物語る文学的な描写が用いられることが多い。それと同時に人 物の生き方,考え方,その偉業などを意味づけるという点から事実の記述や説明の表現が用い られる。」とある。 本単元では,第5学年及び第6学年「B 書くこと」の指導事項「カ 書いたものを発表し合 い,表現の仕方に着目して助言し合うこと。 」に重点をおきながら,指導事項「イ 自分の考え を明確に表現するため,文章全体の構成の効果を考えること。」「ウ 事実と感想,意見などと 区別するとともに,目的や意図に応じて簡単に書いたり詳しく書いたりすること。」を取り上げ て指導する。その際,言語活動例「ウ 事物のよさを多くの人に伝えるための文章を書くこと。」 を具体化した「本のショーウィンドウを作る」という単元を貫く言語活動を通して指導しなが ら,伝記を読み,自分の生き方について考えていく。 本単元では,目的に応じて,本や文章を比べたり関連させたりして読み,考えたことを発表 し合って,自分の考えを広げたり深めたりすることを目標としている。そのため,単元を三つ の段階に区切り指導を行う。 第一次では,伝記を読んだ経験や感想を発表し合い,その特色について話し合い,伝記に対 する関心・意欲を高め, 「伝記を読んで本のショーウィンドウを作ろう」という単元を貫く言語 活動の見通しを持たせる。 第二次では, 「百年後のふるさとを守る」を読み,本のショーウィンドウで作りながら,儀兵 衛の生き方,筆者が考える儀兵衛の功績の意味について,事実を踏まえて,自分が考えたこと を書きまとめる。 第三次では,自分の選んだ伝記を本のショーウィンドウで紹介する活動を行う。 (3)指導について 第一に, 「自分の選んだ伝記について,本のショーウィンドウを作ろう」という単元を貫く学 習のめあてを理解させ,学習活動への関心・意欲を高めさせる。 第二に,伝記の読み方を理解させる。「百年後のふるさとを守る」の文章構成をとらえさせ, 「稲村の火」での文学的な描写,その後,実在した浜口儀兵衛という人物の生き方や考え方に 焦点を当て,事実の説明と筆者の考えを織り交ぜられた文章であること,伝記の特徴,児童が 自分のこととして自分の生活や考え方を振り返り,これからの生き方について考えられるきっ かけにすることを意識させる。 第三に,交流する際には,文章構成(はじめ・中・終わり)や事実と意見の区別,文末表現 を確認し,紹介したい偉人についてより伝わる表現を探させていく。 第四に,並行読書用の図書を十分に確保し,教室や教室前に並べておくことで,児童が手に 取りやすい環境を作る。また,読書の時間を十分確保したり,読書カードを推進したりするこ とで,読書量を増やすとともに,選択肢を広げられるようにしていく。 3 研究仮説に対する具体的な指導と手立て 本年度研究課題「言葉を通して的確に理解し,自分の考えを相手に分かりやすく表現する能力」を 育成するにあたり,以下のような仮説と手立てを設定し,取り組む。 【仮説1】自分の思いや考えを自分の言葉で表現する活動を工夫すれば,書く力を伸ばすことができ るであろう。 【仮説2】文章の構成の仕方を理解させ,書く活動の場を多く設定すれば,相手に分かりやすく表現 することができるであろう。 【手立て1】 ・本のショーウィンドウを作ることを通して,年表,功績,その功績の意味,自分と関連させ,生 き方を考え,まとめる方法で事実を整理し,スモールステップで思考を深めさせる。 ・朝の会や帰りの会にテーマに沿ったスピーチを行い,事前にメモを作って発表したり,友達から の質問を受けたりすることによって,相手に伝わる表現の仕方を考えさせる。 ・小グループで交流させることによって,自分の意見に自信を持てない児童に対して,自分の意見 を抵抗なく言えるようにさせる。 【手立て2】 ・スキルタイムや様々なテーマによる作文で自分の考えを繰り返し書かせる機会を設定することで, 文章を書くことに慣れさせる。 ・言葉について考えさせ,調べたり話し合わせたりして語彙を増やすことで,様々な表現方法を知 り,表現力を高めさせる。 ・メモや下書きを活用することで,全体の構成を考え,友達との交流によって,付け加えたり訂正 したりし,推敲しやすくさせる。 本校では「ふじみ野市学力向上定着プラン」に沿って,課題である書く力の育成を図るため,オール ライト(各教科のワークシート集)や作文の旅(小中連携)などを実践している。 4 単元の目標 (1) 「伝記」という文章や,そこに描かれた人物の人生に興味を持ち,読もうとしている。 (関心・意欲・態度) (2)目的に応じて,適切に表現を考えて書くことができる。 (書くこと) (3)本や文章を比べたり関連させたりして読み,考えたことを話し合って,自分の考えを広げたり深め たりすることができる。 (読むこと) (4)文章に様々な構成があることについて理解することができる。 (伝統的な言語文化と国語の特質に関わる事項) 5 単元の評価規準と学習活動に即した評価規準 ア 国語への関 ウ 書く能力 エ 読む能力 単元の評価規準 心・意欲・態度 オ 言語についての 知識・理解・技能 ・「伝記」という ・他者の文章を読ん 文章や,そこに で,優れた点(内 ・自分の経験や考え方と照らし合わせ 文章を読み, 「伝 描かれた人物 容・表現)を見つ て,描かれている人物や出来事,筆者 記」の持つ構成 の人生につい けて,伝えること のものの見方・考え方を読み取り,感 について気付い て興味を持ち, ができる。 想を持っている。 ている。 読もうとして いる。 ・伝記の特徴を理解している。 ・同じ種類の本や ・目的に応じて,適 ・友達の感じ方,考え方との共通点・相 切に表現を考えて 違点を確認している。 書 く こ と が で き ・同じ種類の本や文章から,目的に応じ, 学習活動に即した評価規準 る。 ① 伝記を読んだ ① 伝記から読み取 経験や感想を った事実と感 進んで発表し 想・意見を区別 ようとしてい し,目的や意図 る。 に応じて書いて ② 伝記を読み, いる。 より適切なものを選んでいる。 ① 大体の内容と文章構成を捉えてい る。 ② 行動や考え方についての描写を捉え ている。 ③ 功績について捉え,生き方を読み取 っている。 自分の生き方 ② 書く目的や意図 ④ 感想・意見を伝え合い,自分の生き について考え に応じた表現に 方についての考えを広げたり,深め ようとしてい なっているかど たりしている。 る。 うか助言し合っ ている。 ⑤ 伝記を選び, 『百年後のふるさとを守 る』の観点を意識して読んでいる。 ① 伝 記の特色 や 読 む意義に つ い て考えて い る。 ② 大 体の内容 と 文 章構成を 捉 えている。 6 指導と評価の計画(全10時間扱い) 朝読書・国語スキルの時間を使い,様々な伝記の本を並行読書させ,自分の言葉であらすじや感想 などを書く練習を行う。人物の生き方については,道徳・総合的な学習の時間と関連させる。 時 1 主な学習活動 学習内容 学習の見通しを持つ。〔第一次〕 ○伝記を読んだ経験や感想を発表し合 い,その特色や読む意義について話し 合う。 ○単元名・リード文から学習のねらいを つかみ,「伝記を読んで本のショーウ 評価規準・評価方法 アの① ○読書経験を発表・交流 オの① ○伝記の特色 〔発表〕 ・教師が作成した本のショーウィ ンドウの紹介を聞き,意欲を高め る。 ィンドウを作ろう」という学習課題を 設定し,学習計画を立てる。 2 「百年後のふるさとを守る」を読み,本 ○題名読み エの① のショーウィンドウでまとめる。〔第二 ○新出漢字・意味の確認 オの② 次〕 ○疑問の解決 〔ノート・ワークシ ○題名から生まれた疑問を基に,全文通 ・登場人物…五兵衛 読,文章構成を確認する。 ート〕 儀兵衛 広村の村人 銚子の店の人 ・大体の内容…「稲村の火」 大地震 堤防の完成 筆者の考え ・文章構成…出来事 事実の説明 筆者の考え (本のショーウィンドウ①) 3 ○儀兵衛がしたこととその考え方を書 き出し,話し合う。 ○地震の時の儀兵衛の行動と考え アの② 方 エの② ・時間を表す言葉,主人公の会話 〔話し合い・ワーク 文に注目し,内容・文章構成を 捉える。 ○大地震後,大堤防を完成させるま での儀兵衛の行動と思い ●守るのは店か村かで迷ってい る時→ 村を選んだ時 ○感想 ・すごいと思ったところ シート〕 (本のショーウィンドウ③) 4 ○筆者が考える儀兵衛の功績の意味を 書き出し,話し合う。 ○儀兵衛の功績の意味 ●百年後にも役立つ堤防を作っ たこと ●物質的な事業と住民の生活援 アの② エの③ 〔話し合い・ワーク シート〕 助を合わせて行ったこと ●自助の意識と共助の意識を持 つよう促したこと ・接続語に着目し,話し合う。 ○感想 ・すごいと思ったところ (本のショーウィンドウ④⑤) 5 ○儀兵衛の生き方,筆者が考える儀兵衛 ○考えをまとめる観点 アの② の功績の意味について,自分が考えた ●なるほどと思ったこと エの④ ことを書きまとめる。 ●今の自分と比べ,自分もこうあ 〔話し合い・ワーク りたいと思ったこと シート〕 ○グループで話し合う。 ・人物がしたこと・考えと自分が 普段考えていること・実生活で の体験・知識を関連させ,どん な自分になりたいか考える。 ○話し合いの観点 ●自分の考えとの共通点・相違点 ●自分の考えに取り入れられそ うなところ (本のショーウィンドウ⑥~⑧) 6 自分の選んだ伝記を本のショーウィン ドウで紹介する。〔第三次〕 ○自分が読みたい伝記を読み、読み取っ たことを書き出す。 ○伝記の特色 ・『百年後のふるさとを守る』の 読み取りと同じ観点で書き出 アの① エの⑤ 〔ワークシート〕 す。 ・生き方について読む。 ・自分の生活に生かせるところは 何かという観点で読む。 7 ○今の自分と関わらせながら,伝記を読 んで考えたことを書きまとめる。(下 書き) ○まとめかた ・人物がしたこと,その功績,印 アの② ウの① 象的な言葉,生き方・考え方, 〔ワークシート〕 自分が学んだことなどの観点 に沿って,書くことを整理し, 下書きする。 8 ○書いたものをグループで見せ合い,助 本時 言し合う。 ○助言を基にした推敲 アの② ・事実と感想・考えを区別して書 ○助言を基に推敲し,清書する。 く。 〔話し合い・ワーク ・自分の考えを中心に書く。 9 ウの② シート〕 ○本のショーウィンドウを完成させる。 ○推敲を基に完成 10 ○書いたものを読み合って感想を伝え 合う。 ○相互評価 ・良さを伝え合う。 ○学習を振り返り,その方法と価値をま とめる。 ○まとめかた ・伝記の読み方・選び方,自分の 生き方や考えを深める学び方 をまとめる。 7 本時の学習指導 (1)本時の目標 ・友達の助言を生かし,今の自分と関わらせながら考えたことを書きまとめることができる。 【書くこと】 (本のショーウィンドウ,ワークシート) (2)評価規準 ア ウ 国語への関心・意欲・態度 ②伝記を読み,自分の生き方に 書く能力 ① 伝記から読み取った事実と感想・意見を区別し,目的や意図に応じて書 ついて考えようとしている。 いている。 ② 書く目的や意図に応じた表現になっているかどうか助言し合っている。 (3)本時の展開(8/10時) 学習活動 1 前時まで 学習内容 ○既習内容の確認 指導と評価の創意工夫 時間 ・前時までの学習 3分 の学習を振り ・自分が読みたい伝記を選び, 「百年後のふるさとを守る」の を確認し,振り 返る。 返らせる。 読み取りと同じ観点で,メモを取りながら伝記を読む。 ・伝記を読んで思ったことや考えたことを自分の言葉で下書 きのワークシートに書きまとめる。 2 本時の学習 課題をつか む。 3 書いたもの ○課題の確認 2分 『友達のアドバイスを生かし,思ったことや考えたこと を本のショーウィンドウにまとめてみよう。 』 ○助言の仕方 ・肯定的な意見を をグループで ・友達の下書きを見て,よかったところ 見せ合い,助 ・その伝記が読みたくなるような表現 言し合う。 ・自分の考えと似ているところと違うところ。 見を分けて書か ・自分の考えに取り入れられそうなところ,参考にできそう れているか確認 なところ。 賞賛 ・事実と自分の意 ①事実 ・特徴的な出来 12 分 4 友達の意見 を参考に加除 修正する。 ○助言を基にした推敲 事・その人の業 18 ・自分の目標とする人物ができた。 績・生き方・考 分 目標に向かって努力したい。 ・自分もこうあるために,○○のような考えで行動していき たい。 ・これから生きていく上で,困難なことがあっても,○○と 評価場面 え方 ③ 意見 ・自分の生き方や 考え方 いう言葉や心を大切にしていきたい。 〈学習活動に即した評価規準〉ウの①② 〈評価方法〉机間指導による観察,ワークシート 〈手立て〉 ・書けない児童には友達のアドバイスを参考に,その人物のすばらしさを書くよう助言。 ・友達の助言を生かし,その人物のすばらしさについて書けている児童には,自分が感じたこと を書くよう助言。 ・その人物の生き方や自分の感想が書けている児童には,自分のこれからについて書くよう助言。 5 本時の振り 返りとまとめ をする。 ○友達の助言の活用・新しい発見や考えの深まり 7分 まとめ ○○さんのアドバイスを聞いて、 ・印象に残った出来事や言葉をわかりやすく書くことができた。 ・自分の意見をくわしく書くことができた。 ・これからの生き方を考え,書き足すことができた。 6 次時の予告 をする。 ○自己評価 ○書き表したものを読み合うこと 3分 (4)備考 ☆本のショーウィンドウ(例) ②選んだ ⑦キャッチフレーズ・人物画 理由 本のショーウィンドウ ①『人物名』 ③年表 (略歴) ⑥自分とその 人物 ④功績 (自分の生き 立派な取り組み 方につながる 出来事・場 ⑤おすすめしたいところ・知らせたいところ 面・言葉など) (その人物のすごいところ・考え方) 5年1組 名前 ☆板書計画 本のショーウィンドウを書いてみよう!~自分の選んだお気に入りの偉人編~ 『友達のアドバイスを生かし,思ったことや考えたことを 本のショーウィンドウにまとめてみよう。』 【書くポイント 参考:儀兵衛の本のショーウィンドウ】 ・自分と○○ ●自分の生き方につながる出来事・場面・言葉など ●事実と自分の意見の区別 【聞くポイント】 ・友達の下書きを見て,よかったところ ・その伝記が読みたくなるような表現 ・自分の考えと似ているところと違うところ。 ・自分の考えに取り入れられそうなところ,参考にできそうなところ。 【まとめ】