...

水産缶詰ワールド - 東京海洋大学附属図書館

by user

on
Category: Documents
7

views

Report

Comments

Transcript

水産缶詰ワールド - 東京海洋大学附属図書館
図書館常設展示 第 10 回 展示目録
水産缶詰ワールド
場所:東京海洋大学附属図書館(品川キャンパス)
期間:2014 年 10 月 26 日(日)~12 月 19 日(金)
主催:東京海洋大学附属図書館
表紙:「水産缶詰ワールド」展示ポスターより。協賛 7 社に依頼して、各社ご自慢の水
産缶詰の画像をいただきました。
はじめに
東京海洋大学海洋科学部の歴史は今から 126 年前の明治 21 年(1888 年)に設立さ
れた水産伝習所から始まります。水産伝習所は明治 30 年に水産講習所となり水産日本
を支える多くの卒業生を輩出し昭和 24 年に東京水産大学となりました。そして平成 15
(2003)年に東京商船大学と統合して東京海洋大学となり、今に至ります。
明治という変革の時代の中で水産を通して国を興すことを志した人々は、資源を有効
利用できる缶詰の研究に尽力し、水産講習所は水産缶詰製造技術の先進的教育・研究機
関としての役割を果たしました。
このたびの展示では水産缶詰にかける先人の熱意を紹介し、あわせて今の水産缶詰を
展示します。誰もが知っているけれど実は奥が深い水産缶詰ワールドの魅力をお楽しみ
ください。
トピックス 1
船上でカニ缶詰を作った最初の船
うんようまる
雲鷹丸
現在、本学品川キャンパス敷地内に保存されている雲鷹丸(444 トン)は明治 42
(1909)年に竣工し、水産講習所の第二代練習船として活躍しました。その主な功績
のひとつは、世界で最初に船上でカニ缶詰の製造試験に成功したことです。
1 雲鷹丸が活躍した当時の写真
2 最初に船上でのカニ缶詰製造試験に成功した時の記録と思われる航海日誌をタイプしたも
の。大正 3(1914)年(パネル)
3 缶詰製造実習 農商務省水産講習所第 22 回卒業紀念
4 現在の雲鷹丸
5 野村利兵衛
(大正 8 年)より。
(写真)
2014 年撮影(写真)
船舶を応用する缶詰製造の試験
水産界
1916, 410, p.954-958
大正 5 年(1916 年)7 月 15 日~8 月 15 日に雲鷹丸船上で海水を利用して蟹缶詰を製造し
た記録。蟹工船漁業の実用化のためには、船上で海水を用いて新鮮なカニを缶詰にする方
法が不可欠だった。船上で初めて海水を利用して蟹缶詰を製造したのは富山県水産講習所
の練習船呉羽丸というのが定説だが、この文献はそれ以前の記録である。
6 丸川久俊
伊谷先生を通じて振興漁業の発展を観る
楽水
1937, 32(7), p.33-36
海水利用の蟹缶詰製造について記述した記事
7 蟹罐詰發達史 / 蟹罐詰發達史編纂委員会編 ; 岡本正一編著
霞ケ関書房 , 1944.9
カニ缶詰研究の重要文献
8 母船式工船漁業 / 葛城忠男著
大日本水産会新聞部 , 1959
9 一齣(ひとこま)の歴史 : 工船漁業を拓いた水産練習船とともに / 竹嶋光男著
育委員会 , 1984.10
髙志丸(富山県水産講習所練習船)の海水利用でのカニ缶詰製造を記述
-1-
滑川市教
10 漁(すなど)り工(つく)る北洋 : 秘録・カムチャッカ漁場とサケ工船苦悩と栄光の軌跡 / 会
田金吾著
五稜出版社 , 1988.8
11 富山県北洋漁業のあゆみ / 山田時夫,広田寿三郎著
富山県北洋漁業史編纂委員会 ,
1989.1
髙志丸、呉羽丸の活躍を紹介
12 富水百年史 / 富山県立水産高等学校創立百周年記念誌編纂委員編
滑川 : 富山県立水産
高等学校創立百周年記念行事協賛会 , 1999.7
13 蟹工船興亡史 / 宇佐美昇三著
凱風社 , 2013.6
雲鷹丸から始まる蟹工船漁業について現在までの研究がわかる著作
14 文化財紹介絵葉書
東京都教育庁発行
15 船内にて蟹の罐詰製造の状況
水産局撮影(映像資料)
大正年間に撮影された呉羽丸(富山県水産講習所練習船)の蟹缶詰製造の映像
トピックス 2
缶詰製造の先進的研究教育機関
水産講習所
水産講習所は伊谷以知二郎を始めとする水産缶詰に関する人材を数多く輩出しまし
た。また、蟹缶詰のカニ肉の黒変など、産業界が抱える技術的問題を解決するための研
究を積極的に行い、その成果を業界に還元しました。
ここでは、水産講習所、星野佐紀、高椋栄吉、宮内喜市の資料を展示します。
16 第一回水産伝習所卒業生記念写真 明治 23 年 2 月 22 日
第一回卒業生として伊谷以知二郎が、また、当時動物学の講師の内村鑑三が写っている。
17 水産伝習所校舎
芝区三田四国町 明治 23 年頃(写真)
18 葦の原に立つ越中島校舎
明治 35 年 3 月完成(写真)
19 水産伝習所初代所長関澤明清のフィラデルフィア博覧会出張の辞令
明治 8 年、フィラデルフィア博覧会を視察した関澤明清は缶詰製造法を日本に持ち帰った。
20 第二回内国勧業博覧会場一覧之図 明治 14(1881)年
博覧会には、北海道ほか 10 の都府県から 66 種類(110 点)の缶詰が出品された。当時は
このような博覧会がしばしばあり、水産講習所の教官が審査員をつとめることが多かった。
21 罐詰製造術 : 全
22 鑵詰學 : 全
明治 29(1896)年
1800 年代発行
(水産傳習所講義筆記 )
(水産傳習所講義筆記 )
23 星野佐紀:日本缶詰史における重要人物(パネル)
明治 5(1872)年 6 月 30 日~昭和 18(1943)年 7 月 19 日
享年 72 歳
明治 27 年水産伝習所卒業。農商務省海外実業練習生として海外で缶詰に関する知識・技術
を習得した。帰国して大日本水産株式会社、株式会社中村組などに籍を置く。伊谷以知二
郎の要請により缶詰普及協会に入り運営にたずさわった。昭和 2 年、缶詰普及協会は社団
法人日本缶詰協会と改称、常務理事に就任した。缶詰と食味に関しては極めて熱心な研究
-2-
家であり、缶詰の生き字引といわれた氏は八面六臂の活躍をし、専務理事を経て同 14 年 7
月副会長に選任された。(
「楽水の人びと抄」参照)
*なお、品川キャンパス図書館は「星野文庫」として、星野佐紀氏の旧蔵書(水産製造学関
係資料)を所蔵しており、その文献リストをホームページに掲載している。
http://lib.s.kaiyodai.ac.jp/collection/hoshino/
24 The canning industry of Japan / by Saki Hoshino. [Tokyo] : The Foreign Relations
Council, The Japan Economic Federation , 1940. - (East Asia economic intelligence
series / by the Research Division of the Japan Economic Federation ; no. 5).
星野佐紀による日本の缶詰業を紹介した書籍
25 高椋榮吉:各地の水産振興に尽力(パネル)
明治 29 年水産伝習所卒業。青森、福井の水産学校を経て同 34 年から秋田・富山・新潟各
県の水産試験場長を歴任し、大正 3 年に樺太庁技師・同水産課長として北洋の水産振興に
尽力した。
26 水産伝習所第 9 回卒業写真 明治 29 年 9 月 29 日(1896 年)
卒業生として髙椋榮吉氏が、また農商務大臣として榎本武揚が写っている。
27 高椋栄吉
新潟県水産の現状
大日本水産会報
1914, 377, p.29-33
新潟県水産試験場長として県内の水産の報告。
28 伊谷以知二郎から樺太庁水産課髙椋栄吉宛て書状 3 通
29 宮内喜市:
蟹缶詰製造に尽力
大正 5~6(1916~1917)年
(パネル)
明治 34 年水産講習所缶詰専修卒業。函館生産合資会社で缶詰及び食料品の製造販売に従事。
同 37-38 年の日露戦争で糧秣廠の指定工場となり、翌 39 年指定解除となった工場の一部を
引き受け、蟹缶詰の製造を企画する。翌 40 年函館佐々木竹治と共同してオデコロ(追手)
に缶詰工場を設け、ホッキ及び鱒缶詰を製造すると共に試験的に蟹缶詰を製造し、41 年ノ
ダサンに蟹缶詰を主目的とする缶詰工場の建設同事業に着手した。
(「蟹缶詰発達史」参照)
30 宮内式缶詰法の特許明細書 明治 43 年 8 月 10 日出願、同 44 年 2 月 9 日特許(パネル)
水産講習所の缶詰専修出身の宮内氏による特許の明細書。カニ缶詰のカニ肉黒変の解決策と
して経木(きょうぎ)を利用するとしたもの。
31 宮内式缶詰法によるカニ缶詰ラベル 明治 44(1911)年
宮内式缶詰法は、当時カニ缶詰製造の課題であったカニ肉の黒変を、肉を経木で包むことに
より解決し特許を取得したもので、明治から大正にかけて樺太における様々なカニ缶詰製
作の試みの一端を示すものとして、水産缶詰の歴史を研究する上で貴重な資料である。ま
た、このラベルには、内容検査証明責任者の一人として水産講習所の伊谷以知二郎の名が
記され、水産缶詰製造技術開発に関して水産講習所が果たした役割を示すものとしても貴
重な資料である。
32 中島董一郎が北海道で宮内氏の工場に立ち寄った時のことを次のように書いている。
平原はこのあたりまでで、それから先は海にせまった山の中腹に作られた小径をたどって、
-3-
小さな湾を二つ三つ越え、やがて野田寒の町に入ろうとする所に、ややしっかりした罐詰
工場があり、日は既に没して灯火が明るくついていたので、戸を開けて入ったところ、そ
れが宮内さんの工場で、同氏は蟹罐詰に硫酸紙のかわりに、経木を使う特許を持っておら
れ、当時はなかなか有名でありました。そして宮内さんは鷲見さんの奥様のお父さんで、
私はこの時始めてお目にかかったのであります。お茶をよばれながら同地方における蟹罐
詰の状況など、いろいろ参考になるお話を承って、さらに二里(八キロ)ほどの道を急い
だのであります。(
「中島董一郎譜」 68 ページより)
トピックス 3
缶詰業界の実力者
いたに い
ち じろう
伊谷以知二郎
水産伝習所第一期生。水産講習所第三代所長。
水産缶詰の将来性に注目した伊谷は、卒業後に水産伝習所に職を得て研究者・教育
者・技術者として缶詰製造に携わり水産教育のみならず缶詰業界の発展に大きく貢献し
ました。特に缶詰業界では大御所、世話役、指導者として大きな足跡を残し、伊谷亡き
後伊谷なしと言われ、本展示でとりあげている高碕達之助、中島董一郎にも大きな影響
を与えました。常に水産教育と水産業界の発展をめざして粘り強い努力を続けた伊谷が
亡くなった時には 水産業界、缶詰業界、水産講習所同窓会のそれぞれの機関誌が追悼
号を出し、故人の死を悼みました。また、後に総理大臣となった鈴木善幸氏(水産講習
所卒)が伊谷の晩年に秘書として仕え、その志の高さに深い影響を受けたことも特筆に
値すると言えましょう。
33 水産蕃殖備考 水産傳習所 , 1892
水産伝習所が開所したときに伊谷以知二郎は、第一期生として入学した。在学中の明治 23
年に他の生徒 6 名と水産養殖について分担執筆した「水産蕃殖備考」を内國勧業博覽會に
出品し有効三等賞を受賞。展示書籍は後に、このときの著述を印刷出版したもの。
34 日清戦争の時、缶詰を献納。 明治 29(1896)年(パネル)
35
水産製造学
36
鰛油漬罐詰製造書
37
最新缶詰製造全書 : 実験応用
伊谷以知二郎著
1900 年代発行
伊谷以知二郎, 松尾霊彦共著
水産書院 , 1907
伊谷以知二郎, 今井次郎著
日本和洋酒缶詰新聞社 ,
1911
38
大日本洋酒罐詰沿革史:附載 洋酒、罐詰、乳製品登録商標 風戸弥太郎編
日本和洋酒罐詰
新聞社 , 1915
39 小田原実習場における缶詰製造実習
大正 5(1916 年)頃(写真)
小田原実習場は伊谷以知二郎と内村達次郎が設計した。
40 伊谷以知二郎と越中島校舎 第 22 回卒業記念アルバムより。大正 8(1919)年(写真)
41
最近水産製造講義
伊谷以知二郎ほか著
上巻・下巻
-4-
裳華房 , 1922
42 伊谷以知二郎の面倒見の良さがわかる一文
「財界」昭和 41 年 2 月 1 日号より(パネル)
43 伊谷以知二郎胸像除幕式記念絵葉書
この胸像は建設当時、越中島の水産講習所敷地内(現在、東京海洋大学越中島キャンパスが
あるところ)にあった。現在は品川キャンパスの中部講堂前に建っている。
【雑誌追悼号】
44 缶詰時報
45 水産界
16(5), 1937 日本缶詰協会発行
故伊谷会長追悼号
5 月号
654, 1937
伊谷翁追悼号
46 楽水 -故伊谷先生追悼号-
32(7), 1937
大日本水産会発行
水産講習所の同窓会
楽水会発行
【伝記】
47 伊谷以知二郎を語る 井舟萬金著
48 伊谷以知二郎伝
鈴木善幸著
日本食糧協会
, 1937
伊谷以知二郎伝刊行会 , 1969
大日本水産会で 3 年間、晩年の伊谷以知二郎の秘書として仕えた鈴木善幸による伝記。初
版は昭和 14 年刊。著者は水産講習所の卒業生で後に第 70 代内閣総理大臣となった。
トピックス 4
缶詰から政治へ
たかさき た つ の すけ
高碕達之助
水産講習所製造科卒。卒業後、渡米してメキシコで缶詰工場の建設に従事。この時に
後に第 31 代アメリカ大統領になるハーバート・フーバーの知遇を得ました。帰国して、
大正 6 年に、東洋製罐株式会社を発足させました。その後、満州重工業の総裁として終
戦に直面し、日本人会会長となって日本人引き揚げに尽力しました。
戦後、電源開発総裁として佐久間ダム、御母衣(みぼろ)ダム建設、昭和 29 年、経
済審議庁長官、翌年経済企画庁長官として、第一回アジア・アフリカ会議(インドネシ
ア・バンドン)に日本代表として出席し、周恩来とのパイプを作り、後の『日中覚書貿
易』昭和 47 年の『日中国交回復』に繋げました。衆議院議員当選後は、農水大臣、通
産大臣を歴任、日ソ漁業交渉で活躍するなど、水産の世界に留まることなく、世界規模
で大きな実績を残しました。
49 水産講習所一覽 / 水産講習所 [編]
自明治 42 年 7 月至明治 43 年 6 月, 1910
卒業生名簿の高碕達之助の名前には在学中の成績優秀を示す○印が付されている。
50 Hugh M. Smith. The French Sardine Industry.
Popular Science Monthly 1901, 59
pp.542-556
米国出張した指導教官・伊谷以知二郎先生が持って帰ったイワシ缶詰に関する文献。達之
助はこの文献に強く刺激を受けたと語っている。
51 高碕達之助
52
米國太平洋岸に於ける移民と水産業(一) 大日本水産会報
1912, 357, p. 6-9
東 洋 製 罐 株 式 會 社 營 業 報 告 書 9,30-33,61-42 回 . - [ 大 阪 ] : 東 洋 製 罐 株 式 會 社 ,
[1921-1938].
-5-
ハ ワ イ
53 布哇に於ける鳳梨罐詰事業
/ 高碕達之助著
罐詰普及協會, 1924
54 高碕達之助肖像 伊原宇三郎画伯による肖像画(写真)
55 アペール缶詰工場(フランス)における高碕達之助とアペール氏(中央)
缶詰の創始者ニコラス・アペールの 4 代目の子孫 シバリエ・アペール氏を昭和 5 年に日本
缶詰協会の代表として高碕達之助が訪問した時の写真 缶詰時報 9(11), 1930 より。
56 宝塚市の自宅温室でワニを飼育、ワニを愛でる高碕達之助(写真)
生来の動物好きでワニ、ニシキヘビ、ダチョウ、トカゲなどを飼った。1951 年より東京動
物園協会会長を務めた。
57 ダチョウの孵化、飼育に取り組む(写真)
58 私の履歴書
高碕達之助より
日本経済新聞社編
59 高碕達之助集 / 高碕達之助集刊行委員会編
60 高碕達之助伝 / 渋川哲三著
日本経済新聞社, 1957
上、下 東洋製罐, 1965
ダイヤモンド社, 1966
61 夕日に立つ / 榛葉英治著 日本経済新聞社, 1976
62 高碕達之助先生ご生誕百年を迎えて:ゆかりの写真 / 高清会編
63 日中をひらいた男高碕達之助 / 牧村健一郎著
トピックス 5
高清会, 1985
朝日新聞社, 2013 (朝日選書, 913)
キユーピーマヨネーズの創業者
なかしまとういちろう
中島董一郎
水産講習所製造科卒。卒業後 29 歳の時に農商務省海外実業練習生としてロンドン、
シアトルに渡り缶詰業について学びました。また、この時にマーマレードとマヨネーズ
に出会いました。帰国して大正 7 年、缶詰販売の中島商店を設立し、後に日本人の生活
が欧風化してきたことを見て、マヨネーズ事業を立ち上げました。厳選した材料で徹底
的に品質にこだわった製品を作り、一代で売り上げを伸ばして現在のキユーピー株式会
社を作りました。1 年先輩の高碕達之助は“同窓では中島さんが成功者のナンバーワン
だ”と絶賛したそうです。
64 水産講習所時代
中島董一郎(右)と実弟の石川辰二郎 明治 38 年 2 月(写真)
65 カムチャッカにおける中島董一郎(29 歳)伊原宇三郎画伯による肖像画 明治 44 年 9 月
66 農商務省海外実習生としてアメリカのシアトルに留学した時の写真 大正 4 年 11 月
67 中島董一郎
英國倫敦に於ける罐詰市況 大日本水産会報
1914, 379, p. 61-63
農商務省海外実業練習生としてロンドン滞在中に投稿した報告 大正 3(1914)年 1/30 日付
68 高碕達之助より贈られた金の兜を持つ中島董一郎
昭和 9 年 2 月(写真)
69 脱兜状の由来 昭和 9(1934)年 2 月(パネル)
高碕達之助から中島董一郎に「かぶとを脱ぎました」という意味で金の兜が贈られた。贈呈
式は恩師伊谷以知二郎も招待して丸ノ内ホテルで行われた。
70 昭和 20 年代初頭と思われる。西府農場。左から中島董一郎、高碕達之助。
(写真)
-6-
71 仙川工場視察 高碕達之助 71 歳
中島董一郎
73 歳
昭和 31 年 10 月(写真)
72 仙川工場にて。左から中島董一郎と高碕達之助 昭和 31 年 10 月(写真)
73 昭和 43 年頃 レストハウス:西府農場敷地内(現・キユーピー中河原工場)(写真)
高碕達之助への感謝の意を込めて建築したレストハウス。敷地内には多摩川の支流が流れて
おり、高碕達之助は鮎釣りを楽しんだようである。マントルピースがあるモダンな設計で昭
和 40 年後半以降はキユーピー研修センターとして使用された。現在はマントルピースが新
しい研修センターの正面玄関に残されている。
74 仙川工場にて。作業服姿の中島董一郎
75 中島董一郎譜 / 渋川哲三|編
東京 : 董友会 , 1975.5
76 中島董一郎譜 続/ 井上貴司著
77 中島董一郎譜 戦後編/
トピックス 6
東京 : 董友会 , 1993.12
井上貴司著
缶詰の祖
昭和 45 年(写真)
ニコラ
東京 : 董友会, 1995.8
アッペール
78 缶詰の祖 ニコラ アッペール(パネル)
79 The book for all households ; or, the art of preserving animal and vegetable substances
for many years / by Appert ; translated by K. G. Bitting --In-house reproduction. --18, [2],
[v]-xv, 113 p. : ill., port. ; 20 cm.
昭和 5 年に高碕達之助が日本缶詰協会を代表して、フランスに缶詰の祖ニコラ アッペール
の 4 代目の子孫を訪問した時に贈られたアッペールの著書の複製版。
*東洋製罐グループホールディングス株式会社より寄贈
その他
・
「食品生産学実習」のご紹介
本学海洋科学部食品生産科学科 3 年生必修の缶詰などの製造実習を写真で紹介
・海洋大生が選ぶ!缶詰レシピ TOP10
・製缶機
M-2 セミオートマティックシーマ(提供:東洋製罐グループホールディングス株式
会社)
-7-
■主な参考文献(上記及び展示ホームページ掲載文献リスト以外に参照した資料)
東京水産大学七十年史 東京 : 東京水産大学創立七十周年記念会 , 1961.5.
東京水産大学百年史 / 東京水産大学百年史編集委員会編
通史編, 資料編. - 東京 : 東京水産
大学 , 1989.4.
楽水外史 : 水産講習所東京水産大学八十年史東京 : 学校出版 , 1969.11. - (学校史シリーズ ;
4).
日本缶詰史 / 日本缶詰協会編 第 1 巻, 第 2 巻, 第 3 巻. - 東京 : 日本缶詰協会 , 1962-1977.
目で見る日本缶詰史 / 日本缶詰協会編 東京 : 日本缶詰協会 , 1987.10.
楽水の人びと抄 / 楽水の人びと抄編纂会
東京 : 生物研究社 , 2005.12.
■関連ホームページ
本展示
http://lib.s.kaiyodai.ac.jp/exhibition/slib10_seafoodcan/
雲鷹丸
http://lib.s.kaiyodai.ac.jp/library/tenji/unyomaru.html
http://lib.s.kaiyodai.ac.jp/library/digital/Unyo-maru/index.html
伊谷以知二郎 http://lib.s.kaiyodai.ac.jp/library/tenji/5itani/itani.html
■ご協力機関
後援:公益社団法人日本缶詰びん詰レトルト食品協会
協賛:いなば食品株式会社・株式会社極洋・国分株式会社・日本水産株式会社・はごろも
フーズ株式会社・株式会社宝幸・マルハニチロ株式会社
協力:(公財)味の素食の文化センター・東洋製罐グループホールディングス株式会社・株式
会社中島董商店・東京海洋大学生協・東京海洋大学海洋科学部食品生産科学科
東京海洋大学附属図書館
発行日
TEL
品川キャンパス図書館常設展示第 10 回
2015 年 1 月 30 日
03-5463-0444
FAX
編集・発行
03-5463-0445
東京海洋大学附属図書館
水産缶詰ワールド
〒108-8477
http://lib.s.kaiyodai.ac.jp/
-8-
展示目録
東京都港区港南 4-5-7
ⓒ東京海洋大学附属図書館
Fly UP