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「生産林」と「環境林」
第1回次世代の大分森林づくりビジョン推進会議資料 「生産林」と「環境林」の 区域分けの検討について 平成26年2月 大分県 農林水産部 ビジョンの考え方と今後のスケジュール 1.ビジョンの考え方 「生産林」と「環境林」に大別し、生産林に 適さない人工林の約20%を天然林化し、環境林 に誘導する。 2.今後のスケジュール(案) ①「生産林」の候補地を設定(H26) ・既存の資料からGIS図面を作成 ・有識者からの意見聴取 ・「生産林候補地」として森林簿に記載 ②「生産林候補地」を基準に、個別林分の状況に 応じ「生産林」「環境林」を区分(H27~随時) ③市町村森林整備計画への反映検討(H27) 1 1 次世代の大分森林づくりビジョン記載内容 「生産林」と「環境林」の判断基準 「生産林の判定基準」 • 目的樹種の高い成長が期待できる林地(適地適木) • 緩、中傾斜地(30°以下)が大半を占める林地 • 木材資源として団地的なまとまりがある林地 • 林内路網が整備された林地、または整備可能な林地 適地適木 長伐期林 大規模集約的な施業 通年利用できる 路網の整備 針葉樹 早めの間伐 広葉樹 疎植 緩・中傾斜地 2 「生産林」と「環境林」の判断基準 「環境林の判定基準」 • 公益的機能の発揮がより望まれる林地 (自然公園特別保護地区等、河畔林・渓畔林、景勝地等) • 経済性を考慮し、木材等の生産に適さない林地 (尾根、急傾斜地、痩せ地等) 自然公園内の広葉樹林 河川や渓流沿いの広葉樹林 尾根の広葉樹林 3 2 次世代の大分森林づくりビジョンの具体的な進め方 「生産林候補地」の作成 「生産林」と「環境林」との区域分けをするにあ たり、まず「生産林」の候補地を絞り込む 手順1.適地適木図により生産力の高い区域を 限定し、「生産林候補地」を作成 手順2.公益的機能の発揮がより望まれる林地 を「生産林候補地」から除外 手順3.急傾斜区域(30°~)が大半を占める 区域は、原則として「生産林候補地」 から除外 4 「生産林候補地」の作成 手順1.適地適木図より、土壌生産力図を作成し、 生産力の高い区域を「生産林候補地」とする。 「適地適木図(S53:林業研究部)」 「土壌生産力図」 【生産力図凡例】 生産力Ⅰ(高) 生産力Ⅱ(中高) 生産力Ⅲ(中) 生産力Ⅳ(中低) 生産力Ⅴ(低) 植栽不適地 岩石地 森林域外 5 「生産林候補地」の作成 【生産力図凡例】 生産力Ⅰ(高) 生産力Ⅱ(中高) 生産力Ⅲ(中) 生産力Ⅳ(中低) 生産力Ⅴ(低) 植栽不適地 岩石地 森林域外 生産林候補地は、生産力Ⅰ~Ⅳとする。 6 ○生産力と土壌、生長量・適木等の関連表 土壌と地位区分の相関表(津江・槻木山地の場合) 生産力 主な土壌区分 期待樹高※ (m) 期待材積※ (㎥/ha) 適木 生産林 区分 Ⅰ BE、BD(崩積) 22-26 550以上 スギ ◎ Ⅱ BD 20 450以上 スギ ◎ Ⅲ BℓD 18 400以上 スギ ○ Ⅳ BD(d)、BℓD(d) 14-15 300以上 スギ・ヒノキ ○ Ⅴ BC 12 300未満 ヒノキ △ 不適 BA~BB等の乾燥土壌 × 森林外 × 岩石地 × ※期待樹高・材積はスギ40年生時の推定樹高・材積 Ⅰ~Ⅳの民有林面積は、約26万ha(65%) 7 「生産林候補地」の作成 手順2-①.国立、国定公園の自然公園内の第2種特別 地域以上を除外 「自然公園計画図」 対象地は約3万ha程度となる。 8 「生産林候補地」の作成 手順2-②.試行的に一級、二級河川の両岸20mを 除外 (河川管理統計 平成24年4月30日現在) 区分 一級河川 計 二級河川 合計 水系名 河川本数 (水系) 筑後川 五ヶ瀬川 番匠川 大野川 大分川 山国川 6 93 99 (河川) 80 25 52 135 49 33 374 211 585 流路延長 (Km) 449.5 125.0 261.3 810.3 256.6 171.8 2,074.5 988.7 3,063.2 管理区分(流路延長) 国(km) 61.3 - 33.8 32.3 32.6 36.5 196.5 - 196.5 県(Km) 388.2 125.0 227.5 778.0 224.0 135.3 1,878.0 988.7 2,866.7 一級、二級河川沿いの対象地は、森林内の流路延長 を6割と仮定すると約7千haとなる。 9 「生産林候補地」の作成 手順3.地番の大半が傾斜度が30°を超える区域 (急傾斜・急峻地)を原則※除外 【大分県の傾斜度の状況】 佐伯市、津久見市、津江、英彦山、 両子山付近は急傾斜地が多い。 ※「除外対象区域でも生産力が高く、 架線系により効率的な素材生産が可能 な区域は、生産林候補地とする」 【大分県内各市町村別の森林地帯における傾斜地分布】 出典: 高知大 学 100.0% 80.0% 60.0% 40.0% 20.0% 0.0% 後藤教授 データ:国土地理院を利用してより 急峻地 県下全域 宇佐市 豊後高田市 中津市 玖珠町 九重町 日田市 豊後大野市 竹田市 佐伯市 由布市 津久見市 臼杵市 大分市 姫島村 日出町 国東市 杵築市 別府市 急傾斜地 緩・中傾斜地 10 H26作業スケジュール 1.作業手順1~3により 「生産林候補地」を絞込 2.森林GIS図面作成 3.有識者への意見聴取 4.ビジョン推進会議に提示 5.森林簿に「生産林候補地」 を記載 11 3 参考資料:旧市町村別の林野土壌の現況 「大分県の林野土壌」(S53)の分析 等位区分と期待材積の状況 Ⅰ級 550㎥/ha以上 高 Ⅱ級 400~550㎥/ha 中高 Ⅲ級 300~450㎥/ha 中 Ⅳ級 200~350㎥/ha 中低 Ⅴ級 200㎥/ha以未満 低 ※期待材積はスギ40年生時におけるha当たりの期待される材積 12 「大分県の林野土壌」(S53)の分析 ○スギ、ヒノキの適地の占有率(旧市町村単位) ○大分県の大半は、スギ またはヒノキの適地 ○海岸部の一部区域は、 スギ、ヒノキの生産 には不適 占有率50%以上 占有率40~50%未満 占有率30~40%未満 占有率20~30%未満 占有率10~20%未満 占有率10%未満 13 「大分県の林野土壌」(S53)の分析 ○スギ、ヒノキの適地の占有率(旧市町村単位) ヒノキ(生産力中:乾性土壌) スギ(生産力大:湿潤土壌) 占有率50%以上 占有率40~50%未満 占有率30~40%未満 占有率20~30%未満 占有率10~20%未満 占有率10%未満 占有率50%以上 占有率40~50%未満 占有率30~40%未満 占有率20~30%未満 占有率10~20%未満 占有率10%未満 14 ◎スギ、ヒノキの適地と人工林の現況 ・スギ、ヒノキの適地面積は県下全域で287千ha (スギ128千ha、ヒノキ159千ha) ・スギ、ヒノキの人工林面積は県下全域で196千ha (スギ137千ha、ヒノキ58千ha) 4,000 「図1:旧市町村毎のスギ、ヒノキの適地面積と現況人工林面積との差異」 過度植栽 2,000 0 (2,000) (4,000) 過不足(ヒノキ) 過不足(スギ) (6,000) 過不足(合計) クヌギ加算 (8,000) 大分中部 大分南部 大分西部 大分北部 姫島村 日出町 安岐町 武蔵町 国東町 国見町 山香町 大田村 杵築市 別府市 香々地町 真玉町 豊後高田市 安心院町 院内町 宇佐市 山国町 耶馬溪町 本耶馬渓町 三光村 中津市 玖珠町 九重町 天瀬町 大山町 上津江村 中津江村 前津江村 日田市 蒲江町 米水津村 鶴見町 直川村 宇目町 本匠村 弥生町 上浦町 佐伯市 犬飼町 千歳村 大野町 朝地町 緒方町 清川村 三重町 直入町 久住町 荻町 竹田市 津久見市 野津町 臼杵市 湯布院町 庄内町 挾間町 佐賀関町 野津原町 大分市 (10,000) 15