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パソコンを活用した図書室業務の紹介

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パソコンを活用した図書室業務の紹介
1
0
2
技術研究報告(東京大学地震研究所)No.,
1 1
9
9
6年.
用車予約,立替払い,超勤費は,スタッフが自発的に作成
れないように他のユーザーが使わないサーバーに 置 くこと
したもので,本所の OA化システムが浸透したことを示し
を考える.
ている.処理の流れの例として,校費管理,官用車閲覧・
今後の予定
予約を図 2に示す.現在,会議室閲覧・予約ファイルを作
成中である.配布したファイルは震研のワークステーショ
まだ 完成配布されていないファイルとして,科研収支
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t巴/
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pa
/
erijOA/macの下
簿,科研旅費請求書,科研謝金管理ファイルの作成を行う.
に置いてある.
ファイルとともに使用説明書を配布しているが,これを改
これらのシステムの大半 はうまく機能しており, 事務の
善し,利用者のす宇場に 立 ったマニュアルの作成を行う. こ
省)
J化に著 しい効果を挙 げている. しかし,データ転送に
れまでに作成したファイルの不備を改め,ファイルの更
伴うメールの処理の手闘が増えることは問題である.各担
新・配布を行う.マックの使用法とソフト・ファイルの使
当者(特に庶務)の仕事 の現状に注意を払いながら OA化
用法の普及を目的とした講習会を平成 6年度より毎年一 回
を進める予定でいる.また官用車閲覧 ファイルや今後作成
行っているが,今後も行う.
する会議室閲覧ファイルは,システムダウンなどに影響さ
パソコンを活用した図書室業務の紹介
橋 本 公 子 ( 東 京 大 学 総合図書館 , 元 地震研究所図書室)
はじめに
イトルや巻号, 1
1:¥版年)を挿入したりソートさせると,表
フォーマットが乱れてうまく L、かず結局毎年手書 きしてい
平成 6年,所から パ ソコン C
Mac
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s
h)1台が配布され
た.今回 ファイルメーカー Proを使うことにより東京大学
てから,図書掛ではいくつかの業務を機械化し,また現在
) のフォーマットでリストを作成する
図書受入標(様式 2
も二つの業務の機械化を計画中である.いずれの業務も
ことができた.またレイアウトを変えるだけでブックカー
Macintoshのアプリケーションソフトを使った簡単 な機
ドの打ち出しもできるようになり,非常に省力化された.
械化だが,それなりに省力化が図れている.パソコンを使
新着図書リスト
うことによって業務の省力化が図れることは勿論だが,そ
図書委員会から,図書選定をする際の参考として所蔵図
れと同時に,これまではアイディアで止まっていた 業 務
書の蔵書構成を示す資料を求められた.図書掛としては分
が,考えていたよりも簡単 に達成できそうな可能性がでて
類番号別蔵書機成は出せるがこれではあまりに大雑把で,
きたことは,パソコン導入の大きな功績であると思われ
選定の参考とはなり難い.そこで,これまでワープロで作
る.図書掛では現在事務用として Macintosh2台,閲覧室
roで作
成していた新着図書リストをフ ァイ ル メ ー カ -P
に利用者用として Macintosh1台を使用している.
成することにし,個々のタイトルにキーワードを付けるよ
この報告 ではこれまでに機械化した業務について簡単 に
うにした.各レコードにはキーワード‘
がつけられていて,
記述し,さらに 2つのデータベースの作成について述べ
何年分か蓄積されれば所蔵資料の蔵書構成がつかめること
る.後者 は,パソコンを使うことによってよりプラスの図
になっている.
書館サービスが可能になる例と言えるもので, これらに関
地図受入れ目録
しては今後予算面などで所全体の理解を頂きたいため少し
新たに受け入れる 日本の地図に関しては地名,シリー
ズ¥出版者など複数の項目から検索できるようにした.既
詳しく記述する.
これまでに機械化した業務
1
. データベースソフト
フ ァ イ ル メ ー カ ー Proを
使って
受入れ分についても入力する予定である.
極端に不定期に発行される逐次刊行物の受入簿作成
発行が番号順になされず,何年にもわたって番号 の入り
繰りのある刊行物 C
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戸
製本リスト・ブックカードの作成
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lPaper/EERCRep
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電力中央研究所報告,など )
図書掛では毎年約 7
0
0冊の製本を業者 に発注している.
の受入・ 管理は,従来 の紙の受付簿 では非常に面倒であっ
発注の際製本リストを作成するが,これは支払いと登録の
た . フ ァ イ ル メ ー カ -P
roを使って,受入順に入力した
際の明細書 としても流用している. リストの機械化につい
データを適宜ソートすることにより番号順等自在に変える
てはこれまで幾度もワープロを使って試 みたが,内容 (タ
ことができるので,作業 および管理がしやすくな った.
技術研究報告(東京大学地震研究所) N
o
.,
1 1
9
9
6年.
2
. 表計算ソフト EXCELを使って
購入雑誌の書庖別,経理口別リストの作成
データ項目として雑誌タイトル,購入書!古名,購入通貨,
1
0
3
書口雲霊童三重重重 Ne¥scope E
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支払の経理口等を入力し,全ての項目別リストが出せるよ
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複写機使用料金の集計
3
. その他
各種データベースへの接続
acintosh1台を設置し,利用者が自由に各種
関覧室に M
データベースにインターネットでアクセスレ情報検索がで
きる環境とした.図書案からアクセスできるシステムと
データベースには,以ドのようなものがある.
大型計算機センター(大計セ):C
hemicalA
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s,
地震研完所図書室
INSPEC等
住所=東京都文京区弥生 1-1-1
大計セで所蔵しているデータベースは少ない.京大
電 話 :(03)3日12-2111 内 総 5669
や学情セなどの第二センターに入るためのゲート
FAX:(03)5600-3659
ウェイである.
乱闘
学術情報センター(学情セ):図書雑誌全国所蔵目録,科
E-moil :libro@
Oeri
.u-tok盟O.8C.jp
研費 DB
,MathSci
,S
c
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S
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c
hなど
,
SAIGAIDataBaseなど
京大計算機センター:INSPEC
J
E
図1. 地震研究所図書室 wwwホームページ.
東 大 図 書 館 : 東 大 OPAC (東大図書雑誌所蔵目録),
CAPCAS, S
c
i
S
e
a
r
c
hなど
津波など地震研究所に関連深い,災害をテーマとしたもの
大計セ,学情セ,京大のシステムにアクセスするには事
が集められている.総絵の中でもポピュラーな“志んよし
前(年度始め等)に利用申請が必要だが,図書掛として申
原"や“総退治"などは, 自治体などが発行する防災に関
請済みなので利用者はいつでも閲覧室から自由に検索でき
連する出版物の表紙やポスターとして頻繁に使われ,その
る.WWWのブラウザもインストールしであるので,他機
他,教育的図書や地震に関連した著作の挿し絵,また報道
関のデータベースにも簡単にアクセスできる.
番組のなかで、も度々主主場するなど(特定の和古書に関して
図書室ホームページの立ち上げ
研究所で
は),研究所内は無論のこと,研究所外での知名度も高い.
wwwサーバを立ち上げた時に図書室もホー
これらの和古書が特定のものに限らずさらにより多くの
ムページを持った.内容は図書室利用案内的なもので,こ
場面で利用されるよう,また歴史地震・火山研究の面から
れまで図書室オリエンテーションとして使っていたビデオ
も,所内外の研究者にその存在を知って頂きたいと,図書
が現状に合わなくなったので,それの代替えとして使おう
掛ではこの貴重な資料の図版付き目録(図録)刊行を計画
と考えた. しかしその意図からはこのホームページはあま
している.
り成功したとは言えない.対外的な図書室案内としてはと
もかく,所内研究者(特に新しく地震研究所に来られた方)
への図書室利用案内にはビデオの方が優れていると思われ
る.後述する和古書と葉報総索引のデータベースを組み込
作業の進め方
図録刊行に関する作業は以下の!艇を追って進める予定で
ある.
1
) 資料のフィルム化:古文書(冊子体)以外の全資料
んで,所内外の利用者がインターネット経由でアクセスし
はフィルム化し,資料の劣化を防ぐため利用の際は現物の
自由に検索できるようにした暁には,インパクトのある
代わりにフィルムを貸し出すようにする.
ホームページになるのではないか,と期待している(図
2
) 資料のデータベース化:データベースソフトはファ
イルメーカー Proを使う.
1
)
.
データベースの作成
刊行とデータベースの作成
地震研究所図書室は総絵をはじめとする瓦版などの和古
書約 6
0
0点を所蔵していて,これらは主として地震,火山,
a
. 標題
hu
1
. 地震研究所国書室で所蔵している和古書資料目録の
データ項目(フィールド)は
1
1,津波,火事,洪水・・・等
主 題 地 震 , 火1
c
. 刊行方式:木版,木版(瓦版),筆写本,活版印刷
d
. 資料形態:災害地図,災害絵図,古文書,文書,絵、
絵,地図,活字本
技術研究報告(東京大 学地震研究所) N
o
.1
,1
9
9
6年.
1
0
4
e, 地域
案を練る段階では
f
. 和暦
a
) カード型のファイルメーカー Proで 大 丈 夫 か ?
g, 西 暦
リレーショナルデータベースが良いのではないか?
などとし,データはすべての項目から任意の文字列で検索
3
) フィルムとデータファイルを原稿として,冊子体の
も一項目のみの索引でよいか?
c
) 英語索引(日本人著者はローマナイズする)にする
図録を出版する.
4
) 最終的にはデータと画像を
b
) 総索引としては著者別,タイトル別,サブジェクト
別が考えられるが,それら全ての索引にするのか?それと
できるようにする.
wwwで公開し,所外
の利用者もタイトルや災害事項から検索できるようにす
か日本語索引にするか?
という問題が出されたが,種々検討した結果図書掛とし
て原案をまとめ,これを学術報告委員会でさらに検討して
る.
今年度 2
) の作業が終了したので,所内の希望者には
データをフロッピィディスクまたは Em
a
i
lで配布し,
目
録として頂くことにした.また,図版は入れずにデータの
頂き方針が確定した.
仕様
著者別総索引のみとする.
みで簡単にページレイアウトを出力し,それをコピーして
全て英語にする. 日本人著書名はローマナイズする.
暫定版として出した.
f
吏用ソフトはファイルメーカ -Pro
デ ー タ 数 約 4600件
資料の内訳
約 600点あまりの和古書は,齢絵 99点,絵絵以外の瓦版
1
5
8点
,
その他の古文書類 1
9
6点
,
データ項目(フィールド):
それと地震研究所初代
著者名
所長の石本巳四雄氏が個人的に収集し,図書宗に寄贈され
著者数
た石本文庫の中の和古書 139点である.
欧文標題
論文言語
記 述 さ れ て い る 災 害 別 の 内 訳 を み る と , 地 震 関 係 404
点,津波 39点,火事 289点,洪水 44点,火山 39点,暴風
巻・号・頁・発行年
雨1
7点,天文学 40点,地理学 1
3点,気象 3点,測地学 3
作業は以下のように進めた.
点,その他(合不明)119点となっている. 一つの 資料が複
1
) データ入力約 4600件は業者に依頼する.
数の災害について記述しているものもあるため,災害別資
料点数は現物より多い.
2
) データファイルが完成した段階で所内の研究者にフ
ロッピィディスクで配布する.
2, 地震研究所嚢報の総索引の刊行とデータペースの作
3
)
ページレイアウトし,出 J
], そ れ を 完 全 原 稿
(Cameraready原稿)としてダイレク卜印刷で出版する.
成
葉報の編集発行の事務方を担当している図書掛にとっ
て,総索引作成は懸案事項の一つであったが,具体的な切
(
約 240頁,葉報の配布先に配布する)
4
) 最終的にはデータを
wwwで公開し,所外の利用
り口がつかめないでいた.それが,パソコンが配布され,
者も著書名,タイトル,出版年などから検索できるように
ファイルメーカ-P
roを使って仕事 をしてみた結果,にわ
する.
かに実現可能な業務として浮かび上が ってきた.
事務室の OA化について
斉 藤 岳 己 (事務部管理掛)
平 成 5年度補正予算による所内 LANの導入に伴い,
事
務室で も各掛最低 l台の端末機器が設置された.ほぼ 2年
聞を経過して,当初はあまりなじみのなかった所内 LAN
管理掛の OA化
次に事務室の OA化を,管理掛を例に簡単に述べる.管
利用も軌道に乗ってきたといえる.現在は研究室とのやり
理掛で1
ま各掛に端末機器が設置されたときに,とりあえず
取りにも電子メールを利用してのものに変わってきた.研
データベース化しておけば将来にわたって利用できるので
究室からの書類も電子メ ールで受け取るようにしており,
はなかろうかということで,通常業務の合聞を見て土地建
これにより,例えば,無駄なタイプのやり 直 しも非常に少
物の借り入れデータ等を入力してきた.たとえば,観測点
なくなっているのではないか.
名 所 在 地 , 地主,借入面積,借入料,借入期間,研究室
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