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海半球用磁力計のポンペイ観測点への設置

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海半球用磁力計のポンペイ観測点への設置
技術研究報告(東京大学地震のl
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海半球用磁力計のポンペイ観測点への設置
小山 茂*・歌田久司**・浜野洋三***
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ShigeruKOYA M AヘHisashiUTADA**andYozoHAMANO料
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成分)の毎秒測定,ブラックスゲートセンサ一容器内部の
はじめに
温度の毎秒測定.観測システムは,これらのセンサーと
平成 8年度から 5ヶ年計画としてスタートした科学研究
GPS時計を使用してデータを 1
0
0メガバイトの ZIPディ
費補助金・新プログラム(創成的基礎研究)i海半球ネット
スクで約 50日間記録可能な記録部,
ワーク」では,さまざまな地球物理観測ネットワークを太
給する電源部により構成されている(図1).
DC12Vと 2
4V を供
図 lに示した記録部および電源部は室内に設置し,セン
千洋地域に展開することを目指している(浜野, 1
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7a
)
.
その一環として,地球儲場の精密観測を実施して,地球深
J計計測部は野外に設置した.センサーと儲
サーおよび磁 )
部の電磁気構造や磁場変動を詳しく研究することを目的と
力計計測部の聞や磁力計計測部と記録部の聞などはケーブ
する海洋島電磁気観測が計幽されている(浜野, 1997b).
ルで接続されるが,保護のため全て塩ビパイプに通して 3
0
平成 9年 3月に我々はその最初の観測点として,
-50cm程度の深さの溝を掘って埋設した.以下に述べる
ミクロネ
シア連邦のポンぺイ島(北緯 7度,東経 1
5
8度,通称ポナ
センサーの設置をはじめ,ケーブルの設置などの作業は,
ぺ Ponape島
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9年独立時に元の現地語の名前に戻る)
高校の技術実習の一環という扱いで大勢の生徒の手によっ
に観測装置を設置した.
て行われた.
新しく海半球プロジェクト用に開発されたフラックス
ポンペイ島の設置場所は,島の南東部にある職業訓練高
校 PATS (PonapeAgricultureandTradeSchool)であ
ゲート磁力計では,赤道付近においては強度が小さくなる
る.ここでは,すでにポセイドン計画で地震計を設置し,
鉛直成分を正確に測定するため,
広帯域地震観測が行われている(深尾, 1
9
9
7
)
.
ルで陥り下げている. 日射の強い場所に設置した時にセン
この論文では,地磁気観測装置およびその設置の概要を
3軸のセンサーをジンパ
サーの温度変化を避ける目的で,地ド約 1mにコンクリー
報告する.
卜の台を作り,その上に完全防水型のセンサ一容器を置い
てプラスチックのケースをかぶせて土で覆った(図 2
)
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ポンペイ島における地磁気観測装置と
ラックスゲート依力計の温度特性は 1
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C程度であるこ
その設置の概要
とが確かめられている
地磁気観測装置(テラテクニカ製 RFP-523) は,以下の
フラックスゲート磁力計の計測部
は,センサーから約 20m離れた場所に置いた.
測定を行う:プロトン総力計による全儲 )
Jのサンプリング
プロトン磁力計のセンサーは,泌さ約 70cmの穴を堀り
間隔 I分の測定,センサーがジンパルで品られたフラック
コンクリートで固定したアルミのポールで支持され,地上
スゲート磁力計の出力を 2
0bitA/Dで 1
6Hzサンプリン
高 200cmの位置にある(悶 3
)
. プロトン磁力計計測部は,
グしたものを平均化した地磁気 3成分(南北・東西・鉛直
そこから約 20m離れた場所にフラックスゲート磁力計計
測部と一緒にプラスチックの箱に入れてビニールシートで
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7年 9月 2
2円受付. 1
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1月 4日受 J
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*八ヶ岳地球屯儀気観測所,判海半球観測研究センター, (
東
京大学地震研究所).山東京大学大学院理学系研究科.
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包み,一部が地上に出るようにして埋設した(図 4
)
. 2つ
の磁力計のデータはここでディジタル信号としてまとめら
れ,記録部へ長さ 100mのケーブルを介して転送される.
データ記録部と電源部は, ZIPディスクの交換等の保守
をお願いしている PATSの先生 (
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GPSアンテナ
GPS信 号
プロトン磁力計
センサー
3成分フラックスゲート
センサー
図1. 磁力計システムのブロック図.電源部はシステム全体への電力供給を行う.記録部は,各計測部へのコマンドの出力,
計測データの受信およびディスクへの書き込みなどを行う.
図 2
フラックスゲート磁 )J計センサーの設置状況
海
、l
三球用磁力計のポンペイ観測点への設置
図 3
. プロトン磁力計センサー
図 4
. プロトン磁力計計測部, フラックスゲート磁)]計計測部とコネクターボッケス. これらを
青色のプラスチックケースに収めて設置した.
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1 茂・歌問久司・浜野洋 L
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図5
. 記録部(た),電源部(中央),および白動市用バッテリー(右)
の宿舎に設置した(図的. GPSアンテナは宿舎の屋根の縁
1973) の影響で南北成分の円変化が顕著に見られる.セン
に固定した. システム全体は GPSの信号によって更正さ
サ一容器内部の調度変化には l日周期の変動がほとんど見
れた時計(精度約 0
.
0
0
1秒)によって制御される.記録部の
られないので, このデータを用いて日変化程度までの周期
CPU部 に は IBM製 の palmtopPC1
1
0が 使 用 さ れ て い
成分の解析を行うことは十分可能であると考えられる.
る. CPU部は, 1分ごとにプロトン磁力計に与える励磁コ
横車自の 78~80 R 目 に か け て デ ー タ に 異 常 が 見 ら れ る
マンドの出力,プロトン磁力計が計測するデータとフラッ
)
. これはこの観測期間で唯一発生した,測定装置
(矢印 A
クスゲート磁力計で l秒ごとに計測されるデータの受信,
のトラブルによる欠測である.このようなトラブルも,
それらのデータに GPSによる時刻データの付加などの制
ファックスのやりとりを行うことによって復旧することが
御を行い,以上をまとめて Z
IPディスクに記録する.実際
できた.なお記録の右端近くに 10nTあまりの鉛直成分の
には Z
IP ドライブの消費電力を抑えるため,データを毎時
飛びが見られる(矢印 B) が,この原因は不明である.
O分と 3
0分にディスクに書き込むようにコントロールさ
約 6ヵ月の間に,東西成分と鉛直成分にややドリフトが
見られる. これは,温度との相関が見られないので,実際
れている.
電源部は, AC115Vを DC12Vと 24V に変換して,記
の磁場変化とそれぞれの成分に固有のドリフトの重ねあわ
録部に供給すると同時にバッテリーを充電する.ここで
せであると考えられる. したがって,長期的な変動の解析
は,現地調達した 12V の自動車用バッテリー 2個を直列
を行うためには絶対磁気測定が必要である.
にして使用した. このバッテリーによって停電が発生しで
謝 辞 :PATSの B
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i校長先生はじめ Szent
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も,約 2日間このシステムが動作するようにパックアップ
先生や大勢の生徒達にお世話になり,観測機器の設置が予
されている.
定通りできたことを感謝申し上げます.名古屋大学の山間
観測データ
記録は 4週間に 1囲
,
ZIPディスクを交換して郵送して
いただいている.関 6に,これまでの観測(1997年 3月 1
3
日 ~9 月 12 日)で得られた地磁気 4 成分(全磁力,南北・
東西・鉛直成分)およびセンサー温度の記録を示す. この
観測点は低緯度であり,磁力線は日本に比べると水平に近
くなっているため,磁場の南北成分と全儲力がきわめてよ
く似ている.また日本など中緯度で東西成分の日変化をも
たらしている電離層の Sq電流系の影響がほとんど見られ
ないかわりに,赤道ジェット電流(例えば永田・等松,
功夫助教授には,準備段階からいろいろとお世話になった
ことをこの機会をかりで御礼申し
kげます.
文 献
深尾良夫, 1
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7,海、い球ネットワーク計 l
阿.地震学分野,月刊地
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7b,海、│モ球ネットワークでの 7
E鋭気観測,月 f
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氏・等松隆夫, 1
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3, 超高岡大気の物理学, ~Jì'HH , p
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十のボンベイ観測点への設置
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図 6 観測により得られたデータ (1 997 年 3 月 13 日 ~9 月 12 F
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:からブラックスゲート磁 )J計会による南北 (
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), 東西
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白成分 (
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F) およびブラックスゲート磁力言│センサ一容器内部の溢度 (
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