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関西大学先端科学技術推進機構 ※無断複写・転載・加工等は 禁じます。
構 ターボジャブのローリング装置の製作 端 科 学 載 技 ・加 術 推 工 進 等 機 は バイオレオロジー研究グループ ○中川晋(学部生)、○山野学(学部生)、山本健太(院生)、中嶋智也(大阪府立大学) 板野智昭(システム理工学部 物理・応用物理学科 准教授)、関眞佐子(教授) 研究概要・成果 実験結果 風洞実験 はじめに 諸言 ターボジャブとは、陸上競技の投擲種目“ジャベリックスロー”に用 いられる器具である。ターボジャブは投擲競技においてローリング (長軸周りに回転)しながら飛行することが知られている。ターボ ジャブの空力特性に関して、無回転の場合には先行研究により解析が なされている1)が、ローリング状態の場合には調べられていない。本 研究では、ローリングしているターボジャブの空力特性を解明するた めにターボジャブをローリングさせる装置を製作し、回転数 0,2,4,6[rps]について風洞実験を行った。 ローリング装置の製作 風洞実験 (1)加工前と加工後の空力係数の比較 (a) 抗力係数 (b) 揚力係数 モーメント係数 (c) 図6 無回転状態のターボジャブに対する (a)ܥ ,(b) ܥ ,(c) ܥெ ターボジャブ(図1)を重心位置で切断し、両軸モーターを装着した(図2)。 モーターとターボジャブはアルミ製の円柱型の接続部品を用いて固定 し、モーターを流線形の断面をもつ支持棒に接続した(図3) 。モー ターと支持棒の接続部分は角度を変えられるようにし、支持棒は3分 力検出器に固定した。 加工前と加工後の空力係数は ほぼ一致したため、モーターに よる影響はほぼない 大 学 先 (2)ローリング状態における各係数の迎え角依存性 西 写 ・転 図1 ターボジャブ(全長0.70[m],軸直径3.72[cm]) 図2 モーターを装着したターボジャブ 関 後ろ 横 (a) (c) 抗力係数 (b) 揚力係数 モーメント係数 図7 ローリング状態のターボジャブに対する (a) ܥ ,(b) ܥ ,(c) ܥெ 空力係数は回転数2,4,6[rps]の 場合にほとんど差が見られない 図3 ターボジャブのローリング装置 複 風洞実験 ※ す 。 無 断 大阪府立大学にあるゲッチンゲン型回流式低速風洞装置内に様々な迎 え角ߙでターボジャブを設置し(図4) 、3分力検出器(図5)を用いて抗力 D・揚力L・モーメントMを測定する。測定結果から空力係数ܥ ・ܥ ・ ܥெ を求める。 禁 じ ま 図4 ターボジャブはたらく3力 図5 3分力検出器 まとめ 諸言 ・ローリングしているターボジャブの空力特性を 風洞計測により調 べるため、ローリング装置を製作し、ターボジャブに装着した。 ・加工前後のターボジャブの空力特性を無回転状態で計測した結果、 ローリング装置の装着による影響は小さいことが分かった。 ・回転数2,4,6[rps]でローリングさせた状態で空力特性を計測した結果 は、無回転状態とわずかに差が生じたものの、回転数の違いによる 影響はほとんど見られなかった。 ・今後、実際の飛行中のローリング回転数に相応する20 [rps]程度ま で回転数を上げて計測を行う予定である。 参考文献 1)長尾,中嶋,板野,関:ターボジャブの空力特性の計測. 日本機械学会論文集(B編) 79巻804号(2013) 1561-1570. 応用分野、実用化可能分野 ターボジャブの回転による空力特性を解明することにより、競技の振 興に貢献できる。 問合せ先: 関西大学 システム理工学部 関 眞佐子 E-mail:[email protected] 関人ORDIST 先 端 科 学 技 術 推 進 機 構 社会連携部 産学官連携センター、知財センター