...

第5章 平成 14 年度補正「高度IT人材育成システム開発事業」

by user

on
Category: Documents
290

views

Report

Comments

Transcript

第5章 平成 14 年度補正「高度IT人材育成システム開発事業」
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
第5章
1.
公立はこだて未来大学
平成 14 年度補正「高度IT人材育成システム開発事業」
公立はこだて未来大学(代表機関:同大学)
1.1 事業概要
(1) 事業分野・事業名
対象分野:(学生向け教育訓練)
テーマ名:実践型グループ学生教育コースの開発及び実施評価
(2) 事業実施体制
※ 機関名・役職等は当時(平成 15 年度:事業採択時)のもの
代 表 機 関
公立はこだて未来大学
申請代表者名
鈴木恵二(公立はこだて未来大学 情報アーキテクチャ学科 助教授)
機関名
連 携 機 関
役割
新日鉄ソリューションズ(株)
教材開発
(株)情報科学センター
教育訓練評価
(3) 背景と目的
高度 IT 技術者を養成していく上では、技術者が早期に、より高いレベルに到達するこ
とが望ましい。そのため、大学学部卒業時点で、学生が IT スキル標準のエントリレベル
に到達していることは、一つの理想形になるであろう。しかしながら、現在の大学におけ
る情報教育の体系では、このようなスキルレベルを身につけさせることが可能なところは
極めて少ない。この原因は、対応するスキルレベルを身につけさせるだけの、カリキュラ
ム上の時間がなかなか取れないということもあるが、何よりも、適切で実践的な教材が無
いことであると考えられる。市販の教科書では、プロジェクトとして複数人数で取り組む
という視点に欠けること、さらに、新規に開発課題を与えた場合には、初習者は参考とす
るものが無いために、間違った開発、あるいは途中で挫折ということになりやすいという
問題がある。また、受講者側、すなわち大学学部生のレベルでは、IT 技術者とはいかなる
ものかという職業意識がほぼ皆無であるという点が、教育実施上の最大の問題点である。
意識が無いために、例えスキルレベル相当の教育訓練を行ったとしても、モチベーション
がわかず、効果の無いものになってしまう。
そこで、本事業では、上に示した2点の問題、すなわち、初等プログラミングレベルか
ら適切に取り組むことができ、IT スキル標準のエントリレベルへの到達を可能とする実践
的なグループ別開発実践演習をベースとする教育訓練の開発と、学生のモチベーションを
維持し、IT 技術者に対する理解を持たせることを目的とする教材の開発を行った。
659
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
公立はこだて未来大学
本教育訓練の特徴は、IT 事例集とスキルの対応集によるモチベーションの向上と、eラ
ーニングおよび Java 実装演習による Java スキルの向上、そして、仮想の顧客からのシス
テム開発依頼を受けて、分析、設計、実装、テスト、納品までの一連のプロジェクト開発
に取り組む実践演習による実践的なスキル修得にある。この教育訓練の実施により、受講
者のスキルレベルをエントリレベルまで引き上げる一方、IT 技術者に対する職業概念を持
たせて、コース終了後も自己研鑽する目標を持たせることを狙った。
(4) 産学協同による教育訓練の意義
本事業では、“教材の開発”と“教育コースの実践”及び“教育効果の評価測定”を、
産学それぞれが役割に徹した立場で遂行することにより、両者の特性を最大限に活かし、
互いの立場で妥協することなく全体の開発を進めることができた。この結果、受講期間や
受講者のスキルレベルに応じて、教育訓練の利用範囲やレベルの調整ができる教育訓練が
実現できたと考えている。また、本教育訓練の受講生である学生にとって、IT スキル標準
の意義をふまえた、実社会で役に立つ実践的な教育コースを受けることができ、その教育
効果も適正に評価することができた。これらも、産学協同で本事業を実施したことの成果
と言える。
(5) 教育訓練の概要
【教育訓練の概要】
本教育訓練では、初等プログラミングレベルの学生が、モチベーションを維持させなが
ら、仮想的な顧客との対応、分析、設計、実装・テスト・納品までの一連のプロジェクト
開発に取り組むことができる実践的教材、および、この演習計画を支援するシステム開発
を行った。
①
IT 事例集とスキルの対応集
まず、IT サービスによる成功事例集と、これらを使うために必要となるスキルを明確化
し、学生に対して達成目標を明確に示すことにより、能動的な学習意欲の植え付けを図っ
た。
②
個人学習演習
グループ演習の前段階として、サーバの構築演習、JSP に関する初等 Java プログラミ
ングとしての Java 実装演習、eラーニングシステムを利用した Java プログラミング個人
演習、そしてオブジェクト指向モデリング演習を実施し、グループ開発に必要なプログラ
ミング環境の理解と、個人スキルのレベルアップを図った。
③
グループ別実践演習
仮想的な顧客との対応、分析、設計、実装・テスト・納品までの一連のプロジェクト開
発に取り組むための実践的な教材に取り組ませた。特に、エントリレベルでは、ゼロから
660
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
公立はこだて未来大学
のプログラム開発は困難であるばかりでなく、間違った開発を行いやすい。これを避ける
ために、Web アプリケーションを予め作成しておき、それに対して、顧客が要求する機能
を追加開発する形式をとった。これにより、既存開発アプリケーションの設計資料自体を
参考書として利用でき、受講者が自主的に開発設計方法の学習を進めることが可能となっ
た。
【受講者】
はこだて未来大学
学部3年生 24 名
※ 本教育訓練は、必修科目「システム情報科学実習 I/II」において、学生が選択す
るプロジェクトのうちの一つ「高品質ビジネスソフトウェアのプロジェクト型開発
手法の実践」として実施されたため、受講者は、上記プロジェクトを第一希望とし
た学生の中から選出した。
※ 上記学生は、2年次までに Java 等を含む初等プログラミング演習を受講済。また、
本教育訓練受講時に、データベース工学、システム管理方法論等を並行受講した。
【教育効果の測定方法等】
職業概念への意識、すなわち IT スキル標準に対する興味と理解に関しては、アンケー
ト調査を通じて評価した。個人学習演習によるスキル向上に関しては、eラーニングを使
ったスキルチェックにより達成度を評価した。また、オブジェクト指向モデリング演習の
効果に関しては、聞き取り調査の形式で、その理解度を調査した。スキル研鑽に関するモ
チベーションの有無は、インタビューを通して把握した。
グループ別実践演習を通して養われる開発スキル、対応能力の評価方法として、開発設
計資料や実装プログラムの検証といった成果物のレビューとアンケート調査による評価に
加え、課題プロジェクトの「要求変更・追加」による評価方法を確立した。すなわち、開
発終盤において仮想顧客からの依頼内容の変更・追加を示し、この変更・追加に対して、
どのような対応がとれるかによって評価する、シナリオ型の評価方法を採用した。
(6) 事業実施年度(平成 15 年度)における成果
現在、大学卒業時点では、IT スキル標準のいかなるエントリレベルにも達しないばかり
か、IT 技術者の役割とはいかなるものか、その職業観すら把握していない。この現状をふ
まえ、本事業では、高度 IT 人材の早期創出を目標とした教材開発に取り組んだ。すなわ
ち、初等レベルのプログラミングスキルを持つ大学学部生が、IT スキル標準のエントリレ
ベルへ到達することを目標として、学生のモチベーションを向上させ、IT 技術者に対する
理解を深めることが可能な教材である。
このような目的の下に、本事業では、「IT 事例集とスキルの対応集」、「個人学習演習」、
「グループ別実践演習」の3つの教育訓練が開発・実証された。
「IT 事例集とスキルの対応集」は、外部講師を加えた座学により実施した。そのアンケ
661
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
公立はこだて未来大学
ート調査から、受講前には IT スキル標準をまったく知らなかった学生が、IT スキル標準
に興味を示し、その職種の中から、自分がどのような職種に興味を持つか答えられるよう
になっており、IT 技術者としての職業観を持つに至ったことが実証された。
「個人学習演習」に関しては、eラーニングを使ったスキルチェックから、個人スキル
の向上が確認されるとともに、聞き取り調査から、この演習が今後のスキル研鑽へのモチ
ベーション喚起に有効であったことが確認された。
「グループ別実践演習」では、1 グループあたり総数 500 ページとなった設計書を含む
成果物のレビュー結果、および課題プロジェクトの「要求変更・追加」への対応の仕方か
ら、分析・要求定義、開発方式設計、アーキテクチャ設計、ソフトウェア開発、デザイン、
テクニカル、品質マネジメント、業務適用設計、統合マネジメント、データベース構築に
関わるスキルを身につけたことが確認された。また、アンケート調査から、開発プロジェ
クトの自主管理に関わるコミュニケーション、ネゴシエーションおよびリーダーシップに
関わるスキルの育成にも成果が見られた。
以上の個々の開発教材と、それを用いた教育方法による成果達成から、グループ別実践
演習をベースとする本教育訓練が、大学学部生の情報教育として、IT 技術者としての職業
意識をもたせるとともに、モチベーションを維持しながら初等プログラミングレベルから
取り組むことのできる特徴を有しつつ、IT スキル標準のエントリレベルに到達させるため
の有効な教育方法となっていることが示された。
(7) 現在(平成 18 年度)の事業継続状況
本事業における成果は、本学の自主財源によって、事業終了後も継続活用されている他、
本学における実践的 IT 教育訓練拡充の基盤となっている。
実践型のプロジェクト開発演習については、事業実施時と同様、現在も3年生を対象と
するプロジェクト学習内で実施されている。また、企業から講師を招いて講義を行う「情
報アーキテクチャ特論」も、学生のモチベーションを挙げるための授業として継続して実
施している。本事業で構築したeラーニングシステムについても、
「情報アーキテクチャ特
論」の中で継続利用されている。
さらに、本事業が実施された平成 15 年度より、学内特別経費として「高度情報技術教
育プログラム」が設置され、このプログラム予算(年 500 万円程度)によって、産学連携
で教材作成に取り組んでいる。また、昨年度より、組込みシステム分野に関しても、地元
企業 SEC およびメディクの協力の下、産学連携によるプロジェクト学習テーマを開始し
た。
平成 19 年度以降も、大学院で高度 IT 教育を実施するための授業科目として、「ICT デ
ザイン特論」、「オープンシステム特論」を設置するなど、さらに、実践的 IT 教育訓練の
充実化に向けた取り組みを進める予定である。
662
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
公立はこだて未来大学
1.2 事業成果の提供状況
(1) 事業に関する各種リソースの提供の可否と条件
対象
提供条件
a. 講座シラバスの提供
b. 講座で使用する市販教材名の提供
c. 連携企業や講師に関する情報の提供
d. 企業の人材ニーズ(IT 関連のスキル
等)に関する情報の提供
e. 教材(オリジナル教材、基盤・ボード
等)の貸与・提供
著作権の取り扱い
f. コンピュータ環境(ハードウェア、ソ
フトウェア)の貸与・提供
g. 講師の派遣
h. 企業インターンシップの受け入れ
i. 寄附講座の提供
j. 講座の有効性等の評価方法について
の情報の提供
k. 産学が連携した実践的なIT教育に関
する各種相談対応
(2) リソース提供に関する連絡先
氏名
鈴木恵二
所属・役職
公立はこだて未来大学
連絡先
0138-34-6229
[email protected]
教授
663
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
公立はこだて未来大学
1.3 シラバス
(1) 今回の事業で実施した教育訓練の概要
講座名
システム情報科学実習Ⅰ — 「IT 系プロジェクトグループ」
講座の目的・特徴
本教育訓練は、新日鉄ソリューションズ(株)、(株)情報科学センターの
協力のもと、Web アプリケーションシステムの実践的開発演習として、
仮想顧客との対応を含めた要求定義作成から、システムの実装・テス
ト・納品までの一貫したプロセスについての演習を行い、ソフトウェア
の開発プロセスを理解し、開発において必要とされるスキルを獲得す
ることを目的とする。本教育訓練は、実際の開発においても見られる
既存システムからの機能拡張を行うものであるが、既存システムその
ものが教材となっているために、システム開発に経験の無い学生が取
り組んでもスキルを獲得できるという点や、仮想顧客のあいまいな要
求から要求定義を作成したり、6人程度のグループで開発を行ったり
する点に特徴がある
修得できるスキル
• ソフトウェアの実践的開発プロセスとその管理手法についての理
解
• 開発プロセスに必要な URL、CRUD などの技術文書作成スキル
• データベース、Java 関連スキル
• Web アプリケーションシステムの構築技術
• 開発プログラムのテスト方法
到達目標
ソフトウェア開発プロセスの理解、実用的な Web アプリケーションの
開発スキル
IT スキル標準
との対応
育成の対象となる職種・レベルは、エントリレベルの「ソフトウェアデベ
ロップメント」や「IT スペシャリスト」に該当する。
受講対象者
「システム情報科学実習Ⅰ」は、本学3年生の必修演習科目であり、
様々な課題プロジェクト群の中から、学生自身が興味を持つプロジェ
クトを選択して参加する。対象となる学生は、IT 関連の開発プロジェ
クトに興味を持ち、プロジェクト型プログラム開発について未経験であ
る学生(約 48 名程度)である。なお、対象学生は、本学2年次終了時
点で、「アルゴリズムとデータ構造」および「ウェッブテクノロジ」の講
義、C・Java による「基礎プログラム演習」を修了している。また、「デ
ータベース工学」、「システム管理方法論」、「ネットワーク通信理論」
の講義が、本演習と同時期に開講される。
講座の位置付け
本教育訓練は、グループ別実践型開発演習として、主に
1) 開発プロセスの理解と実践
を目的とし、後期に継続して行われる「システム情報科学実習Ⅱ」
の前段教育として位置付けられる。なお、後期の「システム情報科学
実習Ⅱ」では、グループ毎に、設定したテーマに沿って Web システム
開発を行う。
664
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
公立はこだて未来大学
講座の位置付け
さらに、本教育訓練では、時間的制約から扱うことのできない教育
を補うため、同時期に開講される「情報アーキテクチャ特論」(3年生
対象、前期選択科目)において、高度 IT 技術者としてのモチベーシ
ョンと個人スキルの向上のために、
2) 本学作成教材「IT 事例集とスキルの対応集」を用いた、IT エンジ
ニアの役割と必要なスキルについての講義
3) IT 企業の技術者による講演と実経験に基づく話題の提供によ
る、学生のモチベーションの喚起
4) eラーニングシステムを使った Java プログラミング演習とモデリング
演習の実施
を行っている。
実施形態
平成 16 年度前期の正規課程授業(必修科目)として開講
開講日程
平成 16 年度前期の毎週月曜日と水曜日:
「システム情報科学実習Ⅰ」(第4~5時限) 15:00~18:10
公立はこだて未来大学教授
(鈴木恵二)
-
北海道大学大学院工学研究科精密工学専攻博士後期課程 1993 年修了
-
北海道大学助手、助教授を経て 2000 年に未来大学へ移動、2004 年教授
-
人工知能、ロボティクスに関する研究に従事
公立はこだて未来大学講師
(伊藤 恵)
-
北陸先端科学技術大学院大学情報科学研究科博士後期課程 1998 年修了
-
北陸先端科学技術大学院大学情報科学研究科 助手を経て 2001 年に未
来大学へ移動
-
ソフトウェア工学に関する研究に従事
公立はこだて未来大学教授
講師所属・氏名・
業務実績等
(三上貞芳)
-
北海道大学大学院工学研究科精密工学専攻博士後期課程 1991 年修了
-
北海道大学助手、助教授を経て 2000 年より現職
-
人工知能、ロボティクス、トレーサビリティに関する研究に従事
公立はこだて未来大学助教授
(鈴木昭二)
-
筑波大学大学院工学研究科博士後期課程修了
-
大阪大学大学院工学研究科 助手を経て 2000 年より現職
-
ロボティクスに関する研究に従事
公立はこだて未来大学講師
(新美礼彦)
-
桐蔭横浜大学大学院制御システム工学専攻博士後期課程修了
-
2002 年より本学助手、2004 年より現職
-
人工知能、データマイニングに関する研究に従事
公立はこだて未来大学講師
(斉藤朝輝)
-
東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程修了
-
理化学研究所 基礎科学特別研究員を経て 2002 年より現職
- 力学系的過程としての学習・制御・計算の研究に従事
単位数
2単位
665
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
公立はこだて未来大学
(2) 教育訓練内容・スケジュール
回
日
内容
講師
1
4/12
【実施準備】 学生が参加するプロジェクトについての希望を決めるための説明会を
開催。グループ毎に、ポスター発表の形式で、担当教員から、プロジェクトのテー
マ・主目的についての説明を実施。
各教員
2
4/14
【実施準備】 配属の決定
各教員
3
4/26
【実施準備】 プロジェクトグループ毎に説明会を開催
各教員
4
4/28
【実施準備】 本教育訓練の目的、意義、昨年までの成果の状況、スケジュールに
ついて教員から説明。説明後、受講者のプログラミングスキルレベルを考慮し
て、8グループを形成。プロジェクトリーダー等、開発に必要な役割を決定する。
各教員
5
5/10
【開発準備】 開発プロジェクトで使用するサーバの設定を行う。各プロジェクトに専
用の PC を割り当て、サーバシステムを構築する。Linux OS のインストールから
ネットワーク設定、Java、Apache、Tomcat、データベース等のインストールと設
定を行う。
各教員
6
5/12
【開発準備】 前回に引き続き、サーバの構築を行う。
各教員
7
5/17
【要求定義・分析】 要求定義書、テスト仕様書等を作成する。ここで、前年度受講
者6名を、各グループの仮想顧客として割り当て、要求に対する聞き取りを行わ
せる。
各教員
8
5/19
【要求定義・分析】 前回の続き。聞き取りに基づいて、グループ毎に仕様の検討を
行う。顧客への質問事項をまとめる。
各教員
9
5/24
【要求定義・分析】 前回の続き。顧客への質問を継続しながら、要求定義書等の
作成を行う。
各教員
10
5/27
【要求定義・分析】 要求定義書、テスト仕様書の提出/設計段階への着手
各教員
11
5/31
【要求定義・分析】 要求定義書、テスト仕様書のプレビュー
各教員
12
6/2
【設計】 画面遷移図、RDB テーブル等の設計実施
各教員
13
6/7
【設計】 画面遷移図、RDB テーブル等の設計実施
各教員
14
6/9
【設計】 画面遷移図、RDB テーブル等の設計実施
各教員
15
6/14
【設計】 画面遷移図、RDB テーブル等の設計書類提出
各教員
16
6/16
【設計】 画面遷移図、RDB テーブル等の設計書類レビュー
各教員
17
6/21
【開発】 既存システムのソースコード公開/詳細設計・実装への着手
各教員
18
6/23
【開発】 詳細設計・実装
各教員
19
6/28
【開発】 詳細設計・実装
各教員
20
6/30
【開発】 詳細設計・実装/仕様変更依頼の提示
各教員
666
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
公立はこだて未来大学
回
日
内容
講師
21
7/5
【開発】 詳細設計・実装/仕様変更依頼に対する回答・レビュー
各教員
22
7/7
【テスト】 開発したプログラムに対するテストの実施
各教員
23
7/12
【テスト】 開発したプログラムに対するテストの実施
各教員
24
7/14
【発表】 テスト報告書の提出/検収として発表会を行う。顧客要求がどのようなもの
であり、それに対し、どのような提案と実装を行ったのか、について、システムプレ
ゼンテーションを含めたプレゼンテーションを行う。
各教員
25
7/21
【発表】 発表会準備
各教員
26
7/23
【発表】 発表会。システム情報科学実習全体で、ポスター形式による前期成果発
表会を開催。学生、教員がそれぞれ他の進捗を評価し、フィードバックさせる。
各教員
27
7/26
【発表】 前期活動報告書の提出
各教員
(3) 教材・課題・評価方法
<要件定義・分析フェーズ用教材>
ソフトウェア開発演習概要、システム開発演習概要、システム開発演習役割分
担、システム開発依頼書、提出成果物管理表、コミュニケーションシート・管理
表、変更管理シート・表、障害管理シート・表、要求定義書、ドメインのクラス
図、CRUD 分析(ユースケースレベル)、画面遷移図(分析レベル)、用語辞書
例
使用教材
<設計・実装フェーズ用教材>
コード値の定義表、RDB テーブル定義、RDB 項目定義、画面遷移図、画面
項目一覧、画面レイアウト図、エラー設計・エラーコード表、論理データフロー
図、既存システムのソースコード、アーキテクチャ説明資料、シーケンス図例、
コラボレーション図例、擬似コード例
<テストフェーズ用教材>
テスト仕様書、テストケース、テスト報告書
各開発グループで、以下の提出物を提出する。
<要求定義・分析フェーズ>
◆ 要求定義書(システム概要説明)
◆ 要求定義書(ユースケース)
◆ テスト仕様書(テストシナリオ)
課題
<設計フェーズ>
◆ ドメインのクラス図
◆ コード値の定義表
◆ RDB テーブル定義
◆ RDB 項目定義
◆
◆
◆
◆
◆
◆
画面遷移図
画面項目一覧
画面レイアウト図
エラーコード表
テストケース
用語辞書・データ辞書
<テスト・検収フェーズ>
◆ テスト報告書
プログラムソースコード
最後に、本開発の経過、成果、反省点、自己評価をふまえて下記を
提出する。
◆ プロジェクト学習前期成果報告書
667
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
公立はこだて未来大学
評価方法
上記提出物のレビューに加え、発表会での報告を加味して総合的に
判断する。
サポート体制
• 時間外の質疑応答は適宜教員との直接のメールのやり取りで行う。
• 配布物および提出物は、専用の Web ページから行う。
• 各グループ内での情報の共有には、各グループに割り当てたサー
バを活用するものとする。
その他留意点
(特記事項なし)
(4) 今後の教育訓練展開計画(事業終了時:平成 15 年度末時点)
今後の教育訓練
展開予定
• 前期の開発演習に続いて、各グループでテーマを定めた後期の
開発に取り組む。このような開発演習では、演習中、様々な不備な
点に学生が気づくため、2度目の開発を行わせることで、開発推進
能力の向上が見られる。
• 本教育訓練は、既存の授業として位置付けられており、来年度以
降も正規課程の一環として実施される。
今後の産学連携
教育推進計画
• 本教育訓練実施においては、今後各プロセスでのレビューや検収
時に企業から技術者等を招き、評価方法を検討する。
• また、同時開講される「情報アーキテクチャ特論」では、企業から講
師を招聘し、講演を行っているが、これを今後も継続させ、本教育
訓練と連動を深めていく。
• 今回開発した教育訓練は Web アプリケーション開発を対象として
いたが、今後、組込みに関する教育プロセスを開発する予定。
教育訓練展開
責任者
公立はこだて未来大学 システム情報科学部
情報アーキテクチャ学科 教授 鈴木恵二
668
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
公立はこだて未来大学
1.4 講師・インストラクタ
(1) 講師・インストラクタの要件
外部講師については、はこだて未来大学講師から指名依頼した。その選定基準として、
特に、学生のモチベーション向上、将来にむけての職業観の把握、ステップアップに向け
ての動機付け、IT 開発における現状把握という観点について、的確な発言が行える人物と
した。具体的には、実システムとしてのアプリケーション開発などで経験、実績を有し、
ミドルウェア開発の展望、表舞台には出ない有用なアプリケーション事例、現場でのアー
キテクチャの実際、開発プロセスにおけるプロジェクトの進め方、キャリアアップの考え
方といった内容での講演を想定して依頼した。
(2) 講師・インストラクタ経歴等
本教育訓練を担当した講師・インストラクタの経歴等は、下記のとおりである。
表 5-1
氏名
鈴木恵二
講師・インストラクタ経歴
所属
はこだて未来大学
経歴・実績
担当コース(*1)
2002 年度より、はこだて未来大学にて3年
IT 事例集
生を対象としたプロジェクト学習において
プログラミング
グルー プ別システム開発演習の指導に従
Java
事。2年次のプログラミング演習科目担当。 オブジェクト
伊藤
恵
はこだて未来大学
専門領域は人工知能、ロボティクス。
グループ別実践演習
2002 年度より、はこだて未来大学にて3年
IT 事例集
生を対象としたプロジェクト学習において
プログラミング
グルー プ別システム開発演習の指導に従
Java
事。2年次のプログラミング演習科目担当。 オブジェクト
専門領域はソフトウェア工学。
2002 年度より、はこだて未来大学にて3年
齋藤朝輝
はこだて未来大学
生を対象としたプロジェクト学習において
グルー プ別システム開発演習の指導に従
事。専門領域は複雑系科学。
グループ別実践演習
IT 事例集
プログラミング
Java
オブジェクト
グループ別実践演習
北海道大学にて、実ソフトウェア開発工学
畠山康博
北海道大学
特論、同演習を担当。専門分野は実ソフト
ウェア開発方法論、実ソフトウェア開発教
IT 事例集
育方法論。
北海道大学にて、実ソフトウェア開発工学
奥野
拓
北海道大学
特論、同演習を担当。専門分野は、オープ
ンシステム工学論、オープンソース開発方
法論。
669
IT 事例集
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
氏名
久保秋真
公立はこだて未来大学
所属
経歴・実績
キャノン
組込みシステムの開発に従事。UML 関連図
ソフトウェア(株)
書の翻訳に関わる。
担当コース(*1)
IT 事例集
コンポーネントの開発、コンサルタント事
南里誠人
(株)タスカ
業に従事。キャリアアップ、ベンチャー設
IT 事例集
立等に知見を有する。
1993 年より、社内でオブジェクト指向の分
新日鉄ソリューシ
辰巳
哲
ョンズ(株)システム
研究開発センター
析設計およびプログラミング演習の教育に
従事。2001 年より新入社員集合研修の企
IT 事例集
画・教材開発・実施を支援。2002 年度の、
プログラミング
はこだて未来大学の3年生を対象としたプ
ロジェクト学習にも、社外講師として参加。
新日鉄ソリューシ
深瀬光聡
ョンズ(株)システム
研究開発センター
江藏貴友
(*1)
1997 年より、オブジェクト指向プログラミ
ング演習教育に従事。2001 年度新入社員集
合研修、2002 年度のはこだて未来大学のプ
プログラミング
ロジェクト学習の教材開発を支援。
新日鉄ソリューシ
2003 年に、社内向け新入社員集合研修にお
ョンズ(株)システム
いて、演習講師および研修での技術サポー
研究開発センター
トを勤めた。
IT 事例集:IT 事例集とスキル対応表における教育訓練
プログラミング:プログラミングスキル評価用課題における教育訓練
Java:Java 実装演習における教育訓練
オブジェクト:オブジェクト指向システムのモデリング演習における教育訓練
グループ別実践演習:グループ別実践演習における教育訓練
670
プログラミング
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
公立はこだて未来大学
1.5 教材
(1) 教材開発理由
まずは、各教材の開発に至った背景を、以下に示す。
本テーマで開発する教育訓練は、SE あるいは IT 系企業を志望する大学生を対象とした
もので、IT スキル標準の「ソフトウェアデベロップメント」や「IT スペシャリスト」の
エントリレベルの教育を行うものである。
開発する教材のうち、個人学習教材は主に「ソフトウェアデベロップメント」としての
スキルを身につけることを、グループ別実践演習は「ソフトウェアデベロップメント」以
外に「IT スペシャリスト」の職種共通スキル項目を身に付けることを狙いとするものであ
る。
① 個人学習教材の開発理由
本テーマでのターゲットであるエントリーレベル(レベル1・2)には、「プログラミ
ング言語」や「テスト技法」での基礎的な知識・経験に加えて、
「設定した作業期日までの
完成」、「基準を満たす品質の確保」が含まれている。さらに、それに続くレベル3では、
複雑性において「機能要件と基本ソフト(またはハードウェア/OS)等の性能のバランス
を考えた実装」、「100 未満のインターフェイス」、などが指標として挙げられている。
今日、IT に関する個人学習用の教材は、主に書籍を中心として、多くの種類が提供され
ている。そのうち、プログラミング言語の仕様・文法、UML などの分析設計の記述方法、
分析設計の考え方やデザインパターンについての書籍は、ソフトウェアデベロップメント
の技術者の基礎教材・補助教材として必須である。
しかし、これらの書籍だけでは、「ソフトウェアデベロップメント」のスキルを身に付
けることはできない。これはちょうど、英語の文法書と辞書は必須の教材であるものの、
それだけでは英文が書けるようにならないのと同じである。
そこで、本教育訓練の開発にあたっては、プログラミングを含む演習問題を通じた IT
スキルの学習を考えており、そのための演習課題としての教材作成を計画した。市販の書
籍でも演習問題を含むものは多いが、それらには以下に挙げる問題点があり、ターゲット
としている IT スキル標準のレベルには不十分である。
i)
演習問題のボリューム・複雑性
プログラミング言語の学習の書籍では、演習問題のボリュームが少ない。また、項目ご
とに少数の文法的なポイントで解ける演習を用意しているものも多く、プログラミングの
本質である「その言語の文法の範囲内で、適切な組み合わせを考える」ことを学ぶことが
出来ないため、プログラム言語での基礎的な知識・経験を得るには不十分である。
671
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
ii)
公立はこだて未来大学
演習問題の厳密性
市販の書籍等の演習問題では、問題の記述(システムでの仕様に当たる)があいまいで、
根本的に異なる複数の解答が考えられることがある。これでは、定められた仕様にしたが
ってテストを行い、基準を満たす機能的な品質を確保するための演習としては、不十分で
ある。また、本提案ではeラーニングシステムとして、プログラム受け入れ検査ツールを
開発し、学生の自主的な学習の奨励に加え、講師などの専門家のスキルの有効活用を図っ
た。演習問題の仕様が十分に厳密でないと、これらの目的を満たすシステムの構築の障害
にもなる。
iii) 演習問題の抽象性
市販の書籍・教材では、プログラミングやオブジェクト指向分析設計の演習として取り
上げられている課題が、身近で具体的な題材ばかりであることが多い。しかし、実際のシ
ステム開発では、必ずしも身近で具体的な業務領域を扱うとは限らない。IT スキル標準に
あるような、比較的複雑なシステムを開発できるスキルを持ったソフトウェアデベロップ
メント技術者として成長していくためには、抽象的な思考に基づくシステム開発に向けた
スキルアップの支援が必要である。そこで、これらの問題・欠点を解消した教材を、新規
に、または、既存の教材から改訂して作成した。
② グループ別実践演習の教材開発理由
本テーマでのターゲットレベルには、ソフトウェアデベロップメントの「ソフト製品開
発に参画」、
「基準を満たす品質の確保」、
「テスト技法」や、IT スペシャリストの職種共通
スキル項目の「デザイン」、
「テクニカル」、
「統合マネジメント」、品質マネジメント」、
「コ
ミュニケーション」などが含まれている。また、本テーマのグループ別実践演習に用いる
教材は、過去の社内新人教育のために開発され、はこだて未来大学でも適用実績がある、
比較的大規模な演習教材である。新人または学生向け授業用という大きな制約があるもの
の、本テーマがターゲットとする IT スキル標準のレベル用の教材としては、既存の教材
にない、非常に優れたものであると考えている。
しかしながら、この教材には、過去の適用事例から、以下の欠点・不足があることも指
摘されている。
•
使用するデータベースが商用製品であり、教材利用に追加的なコストが必要となる。
•
教材のソースコードで、ソフトウェアアーキテクチャを形成するフレームワーク部
と、ソフトウェア業務アプリケーションとしての部分が一部混在している。また、
ソフトウェアアーキテクチャ面での説明資料が少ない。
•
この教材は Web システムを題材としているが、Web システムで広く行われている
テスト技法が取り入れられていない。
いずれも、より広い範囲で教材として活用するために、および IT スペシャリストとし
てのスキルアップのためには、重要なポイントである。ここで、この演習教材に類似する
672
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
公立はこだて未来大学
他の教材がないこと、また教材としての規模が大きく、新たな教材を作成し直すよりも、
それを拡張するほうが適切であり、以下の内容について改訂・拡充を行うことが最適と判
断した。
•
利用するデータベースの種類を容易に切り替えられるよう設計を拡張し、その実装
も行う。また、フリーのデータベースソフトへの対応も可能とする。
•
教材として提供するプログラムについて、ソフトウェアアーキテクチャ面での見直
しを行う。たとえば、フレームワークとそのレイヤ構造の一部再設計・再実装、ま
た教材としての説明資料を追加する。
•
教材として提供するテスト関係資料について、Web システムにより適したテスト技
法を取り入れたものに改訂する。
グループ別実践演習の教材については、これらの点について改訂・拡充を行った。
(2) 使用教材
本教育訓練では、以下の教材が使用された。
① IT 事例集とスキルの対応集
IT 事例集とスキルの対応集は、学生の IT スキル獲得に向けた能動的モチベーションを
喚起し、また IT エンジニアとしてキャリアを開始するために必要なスキルレベルを理解
するために使用された。この教材には、実システムの事例などが盛り込まれている。具体
的には、
「IT が開く世界」、
「キーワードに見る IT 事例」、
「実システムのハードウェア紹介」、
「IT のこれから」の4章立てになっており、まず、IT の必要性を説き、続いて SCM、グ
リッドコンピューティング、トレーサビリティなどのキーワードや、実社会で使用されて
いるサーバ、ストレージ、ネットワーク機器などについて説明している。さらに、今後の
IT に対して期待されていることを説明し、その実現には「人材」が必要であると続き、最
後に、IT スキル標準と、求められている人材を示している。この教材は、83 枚のスライ
ドと各サブコースにつき1枚のスキル対応集からなる。また、モチベーション喚起のため
に、他コースと並行して行う必要があるので、今回の教育訓練ではグループ別実践演習と
並行して、本教材を使用した口頭での説明と実プロジェクト経験者の講義などを行った。
この教材は新規に開発したものである。
② 個人学習演習用課題
プログラミングスキル評価用課題には7つの課題があり、eラーニングシステム(Java
プログラミング個人学習兼プログラミングスキルチェック)に組み込まれている。課題に
は、定数と変数の概念、適切なアルゴリズムの選択、リスト構造、ツリー構造などの基礎
的な内容も含まれる。
受講生は、このシステムから、課題に必要なファイルのダウンロードや、課題の成果物
のアップロードの他、受け入れテストを行う。7つの課題のうち、最初の2題には、プロ
グラミングスキルの評価用のチェックポイント集が別に用意されており(MS-WORD ファ
673
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
公立はこだて未来大学
イル)、チェック項目には、全課題共通項目 16 点、課題 1 に8点、課題2に 14 点が設定
されている。これは、教育訓練前の受講生の基本的なスキルレベルの評価に使用された。
Web ベースのeラーニングシステムなので、場所と時間の制約を受けない。
また、システムには、ヒント・用語説明も用意してあり、受講生は、課題を行う際にそ
れらを利用することもできる。さらに、リモートインストラクターへ質問のメールを送信
することもできる。ただし、ヒントの参照回数はシステムに記録される。管理者(インス
トラクター)は受講者の進捗状況、エラー回数・内容、ヒント参照状況を参照できる。課
題は受講者のスキルにもよるが、数時間から数日間で終了する規模であった。
この教材は、新日鉄ソリューションズ(株)が開発した社内研修用教材を元に、改訂・拡
充したものである。以下に、使用したeラーニングシステムの画面イメージを示す。
Java 実装演習には、個別演習とグループ演習が含まれる。個別演習では、未来大学教員
が作成した html 形式の教材をオンライン上から参照しながら、素因数分解の問題、およ
び Java による GUI 作成演習としてスロットマシンの作成課題に取り組んだ。この課題で
は、仕様書作成からプログラム作成、プログラムの拡張を行った。グループ毎の演習課題
としては、後のグループ別実践演習で利用できるコミュニケーションツールとなる掲示板
システム構築演習を行った。この掲示板作成にあたっては、教科書どおりの作成では使い
づらい旨を予め伝えておき、グループごとに工夫をするように指示を出した。参考図書は
「はじめての JSP&サーブレット」
(たなかひろゆき著 SOFTBANK)である。10 日間(1
日4時間)で終了する規模で実施した。
図 5-1eラーニングシステム画面(課題の進め方のページ)
674
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
図 5-2
図 5-3
公立はこだて未来大学
eラーニングシステム画面(課題のページ)
eラーニングシステム画面(管理用画面)
675
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
公立はこだて未来大学
オブジェクト指向モデリング演習では、文章によるドメイン分析の情報(ドメインの専
門家へのインタビュー結果に該当)と、それに対応するオブジェクト指向モデルの UML
クラス図(回答例)、またそれをプロトタイプシステム用に Java クラスで実装したソース
コード、レビュー用説明書を用いた。課題は7つ設定されており、各課題では、UML ク
ラス図の作成、各クラスに対応する Java クラスの JavaBeans などによる実装を扱った。
初めてオブジェクト指向モデリングを行う受講生にとっては、小規模なドメインでの分
析情報から Java の実装コードまで一貫して扱った課題が必要である。また、オブジェク
ト指向モデリングは、システム開発初心者にとって難度が高いので、入門用としてのごく
小規模なものと、実システムでのサブドメイン規模のものとの2つのレベルを用意する。
10 日間で終了する規模であった。この教材は新規に開発したものである。
③ グループ別実践演習課題
グループ別実践演習の教材は、既存の教材を元に開発を行ったもので、開発フェーズご
とに、要件定義・分析フェーズ用教材、設計・実装フェーズ用教材、テストフェーズ用教
材、さらに、演習の導入用教材、機能追加演習用教材、解答例がある。
システム開発プロジェクトの実践的演習には、要求の聞き取りからテスト・納品まで一
貫して扱った教材が必要であり、過去に行った演習用教材をベースに、必要な追加変更を
施して教材を開発した。グループ別実装演習はシステム開発プロジェクトの未経験者を対
象としており、既存システムの拡張を行うミニプロジェクトとなっているので、各種仕様
書や分析・設計のドキュメントの具体例、既存システムのソースコードとそのソフトウェ
アアーキテクチャ(簡単なフレームワークを含む)の説明書も教材に含まれる。この教材
は新日鉄ソリューションズ(株)が開発を行った。
教材は、開発フェーズ毎に3つに分かれているほか、演習導入用教材、講師用教材、解
答例、既存ソースコード、機能追加依頼問題からなる。
演習の導入教材は、ソフトウェア開発プロジェクト入門、システム開発演習概要、シス
テム開発演習提出物・配布物一覧、役割分担からなる。用件定義・分析フェーズ用教材は、
システム開発依頼書、提出成果物管理表、コミュニケーションシート、変更管理シート・
表、障害管理シート・表、要求定義書、ドメインのクラス図、CRUD 分析(ユースケース
レベル)、画面遷移図(分析レベル)、用語辞書例などからなる。設計・実装フェーズ用教材
は、コード値の定義表、RDB テーブル定義、RDB 項目定義、画面遷移図、画面レイアウ
ト図、エラー設計・エラーコード表、論理データフロー図、既存システムのソースコード、
アーキテクチャ説明資料、シーケンス図例、コラボレーション図例、擬似コード例などか
らなる。テストフェーズ用教材は、テスト仕様書、テストケース、テスト報告書からなる。
講師用教材は、教材の進め方、レビュー、チェック時のポイントなどからなる。機能追
加依頼問題は、機能追加依頼書からなる。解答例は、システムのソースコード、設計書の
一部からなる。30 日間で終了する規模であった。この教材は、新日鉄ソリューションズ(株)
が開発した社内新人研修用教材を元に、改訂・拡充した。
676
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
公立はこだて未来大学
表 5-2
教材
番号
教材の名称
使用教材一覧
メディア
新規/既存
内容
CD-ROM
新規
現実世界(産業界など)で、どのように IT が使われているのか、それを支える技術にはどのよう
なものがあるのかを示し、またその技術が IT スキル標準とどのように対応しているかを示した。
Web
(CD-ROM)
一部新規
1~数個の Java クラスのメソッドを実装するプログラミング課題と、その解答のソースコードレ
ビュー時に用いるチェックポイント集。新日鉄ソリューションズ(株)が開発した社内研修用教材を
元に、改訂・拡充した。
677
1
IT 事例集とスキルの
対応表
2
プログラミングスキル
評価用課題および
チェックポイント集
3
Java 実装演習教材
CD-ROM
一部新規
個別演習として素因数分解のプログラム作成課題と Java パッケージ理解のためのスロットマシ
ン作成課題。グループ毎の演習課題として市販教科書市販教科書(「はじめての JSP&サーブレッ
ト」たなかひろゆき著 SOFTBANK)を参考にした掲示板システムの構築課題。
4
オブジェクト指向
システムのモデリング
演習用教材
CD-ROM
新規
小規模なドメインに対するインタビュー情報、そこから考えられる UML 表記のクラス図、レビ
ュー用説明書、各クラスに対応する Java クラスのソースコード。新日鉄ソリューションズ(株)が
開発した社内新人研修用教材の題材を用いて、新規に開発した。
5
グループ別実践演習教材
一部新規
ソフトウェア開発演習概要、システム開発演習概要、システム開発演習役割分担、システム開発
依頼書、提出成果物管理表、コミュニケーションシート・管理表、変更管理シート・表、障害管
理シート・表、要求定義書、ドメインのクラス図、CRUD 分析(ユースケースレベル)、画面遷移
図(分析レベル)、用語辞書例。新日鉄ソリューションズ(株)が開発した社内新人研修用教材を元
に、改訂・拡充した。
5-1
要件定義・分析フェーズ
用教材
5-2
設計・実装フェーズ用
教材
CD-ROM
一部新規
コード値の定義表、RDB テーブル定義、RDB 項目定義、画面遷移図、画面項目一覧、画面レイ
アウト図、エラー設計・エラーコード表、論理データフロー図、既存システムのソースコード、
アーキテクチャ説明資料、シーケンス図例、コラボレーション図例、擬似コード例。新日鉄ソリ
ューションズ(株)が開発した社内新人研修用教材を元に、改訂・拡充した。
5-3
テストフェーズ用教材
CD-ROM
一部新規
テスト仕様書、テストケース、テスト報告書。新日鉄ソリューションズ(株)が開発した社内新人研
修用教材を元に、改訂・拡充した。
CD-ROM
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
公立はこだて未来大学
1.6 実施環境
教育訓練の実施にあたっては、はこだて未来大学内の 36 名収容可能なグループ学習用
講義室を利用した。この講義室は、グループ別に机を囲んで座ることが可能な机が配置さ
れているとともに、各グループ机には学内 LAN ケーブルが配備されていた。
この LAN を通じて、各学生個人が所有するノートパソコンを用いて演習を進めた。ま
た各グループに、サーバ用計算機(Red Hat Linux 9、Celeron 1.2GHz、メモリー 512MB)
を割り当てた。演習資料の配布、グループ成果物の保存には学内共用サーバ(SAMBA サ
ーバ)を使用した。
使用したソフトは JBuilder 6PRO、Eclipse などである。
678
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
2.
立命館大学
立命館大学(代表機関:同大学)
2.1 事業概要
(1) 事業分野・事業名
対象分野:(学生向け教育訓練)
テーマ名:大学によるキャリアパス開発のための IT 実務教育訓練
(2) 事業実施体制
※ 機関名・役職等は当時(平成 15 年度:事業採択時)のもの
代 表 機 関
立命館大学
申請代表者名
大久保英嗣(立命館大学 理工学部 教授)
機関名
連 携 機 関
富士通(株)
役割
講師調達、eラーニング実施、実習実施、受講生評価
(3) 背景と目的
現在、情報科学技術に関して、より高度かつ総合的な教育・研究の充実と、より高度な
教育者、研究者、企画・管理者等、多数の専門家養成が急務となっている。このような社
会的な要請に対して、高等教育機関として積極的に応え、高度な研究者・技術者・教育者
を養成していくことは、大学の大きな使命である。しかし、情報科学技術に関わる人材を
育成する高等教育機関の整備は、極めて遅れているのが現状である。教育方法も、そのほ
とんどが座学を主体とした知識の習得に留まり、真のスキル習得にまで及んでいない。
このような状況を打破するため、立命館大学では、「情報理工学部」を設置し、真に情
報科学技術に関する総合的な力量を持つ人材の育成を図る。この目的の下に、
「情報理工学
部」のカリキュラムに対して、数多くの先進的教育の導入を検討しているが、まずは、キ
ャリアプランニングに応じたプログラムを多数配置し、正課授業に取り入れる試みを行う
こととなった。新しいカリキュラムには、
「企業連携プログラム」や「情報系資格取得プロ
グラム」といったプログラムを用意する他、コンピュータ関連企業等の寄附講座や、企業
等の技術研修を部分的に導入し、IT ベンダー資格やベンダーフリーを含めた各種情報系資
格取得など、より実践的・実用的な教育訓練を目指す「しくみ」を導入する。今回の「大学
によるキャリアパス開発のための IT 実務教育訓練」は、これらのプログラムの一環とし
て必要不可欠なものとして位置付け、その導入を試みたものである。
本事業では、IT に関する社会的な要請に高等教育機関として積極的に応えるため、学生
等若年人材が IT サービスにエントリするための教育として、特に「IT アーキテクト」、
「IT
スペシャリスト」、「アプリケーションスペシャリスト」のキャリアパス形成に重点を置い
て、これらに対応した教育訓練を具体的に開発した上で、その有効性を検証し、“学生が
IT サービスにエントリするための教育”に相応しいカリキュラムを作成した。
679
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
立命館大学
(4) 産学協同による教育訓練の意義
今回実施した教育訓練の特徴は、IT 実務に携わる企業の講師による体系的なスキルの習
得である。よって、企業の講師による教育訓練を導入することで、企業における様々なニ
ーズに迅速に対応できる。これは、結果として、産業界のニーズに合致した人材育成に繋
がるものである。
これまでの大学教育は、個々の要素技術における専門力量の養成に留まってしまう傾向
にあった。今回の事業を通じて、前述の「(1)背景および目的に対する事業の成果」に加
え、実際の実務を想定した教育訓練を同時に行うことで、一層、現実社会のニーズにマッ
チした人材育成を目指した。
(5) 教育訓練の概要
【教育訓練の概要】
本事業では、3つの職種を目指した教育訓練カリキュラムを開発し、それぞれ「IT アー
キテクト養成講座」、
「IT スペシャリスト養成講座」、
「アプリケーションスペシャリスト養
成講座」として実施し、受講者のスキル向上を測定、有効性を検証した。
①
IT アーキテクト養成講座
IT アーキテクトとして最低限必要となる専門科目を修めた者を対象に、テクニカルスキ
ルの向上を主眼に置いた Linux の詳細を教育し、ネットワーク技術者を養成することを目
標として実施した。前期授業期間中にeラーニングで基礎的学習(Linux Basic 相当、
RHAP Bronze 相当の一部)を行った後、Linux エンジニア「RHCE」資格取得研修に相
当する実習(10 日間)および資格取得対策講座(2日間)を実施した。
②
IT スペシャリスト養成講座
IT スペシャリストとして最低限必要となる専門科目を修めた者を対象に、テクニカルス
キルの向上を主眼に置いた Linux のシステム管理技術者を養成することを目標として実施
した。前期授業期間中にeラーニングで基礎的学習を行った後、Linux サーバシステム構
築、Linux による Web サーバ構築を実習した他、実践に即した演習を独力でやり通すこと
で自己解決能力を養った(10 日間)。
③
アプリケーションスペシャリスト養成講座
アプリケーションスペシャリストとして最低限必要となる専門科目を修めた者を対象
に、オブジェクト指向(UML)による業務システム構築の擬似体験を通して、テクニカル、
コミュニケーション、リーダーシップのスキル等を養成することを目標として実施した。
夏期休暇期間中にアプリケーションスペシャリスト養成講座(講義9日間、実習9日間)
を実施し、システム開発技術の実際を学ばせた。
680
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
立命館大学
【受講者】
立命館大学 理工学部 情報学科3回生以上、もしくは、情報システム学専攻の大学院生
(各講座 20 名)
※ それぞれの講座の受講に必要な専門科目の修得数と成績を考慮し、修得科目数の多
い者や成績の良い者から、3回生、4回生、大学院生のそれぞれの区分で選出した。
※ 総合評価3以上の者については単位認定を実施した。
表 5-3
受講者情報詳細
コース名
受講者特性等
人数
IT アーキテクト
養成講座
44 名の応募者の中から、科目の履修状況および成績を考慮し、
3 回生 7 名、4 回生 8 名、大学院 1 回生 3 名、大学院 2 回生 2
名を選出
20 人
IT スペシャリスト
養成講座
45 名の応募者の中から、科目の履修状況および成績を考慮し、
3 回生 8 名、4 回生 7 名、大学院 1 回生 3 名、大学院 2 回生 2
名を選出した。
20 人
アプリケーション
スペシャリスト
養成講座
36 名の応募者の中から、科目の履修状況および成績を考慮し、
3 回生 4 名、4 回生 9 名、大学院 1 回生 4 名、大学院 2 回生 3
名を選出した。
20 人
【教育効果の測定方法等】
① IT アーキテクト養成講座
大学で専門科目を履修した後、eラーニング学習と、講義・実習による集合教育を行い、
受講前後のスキルを測定した。具体的には、
「Linux コマンド&ツールの使用方法」、
「Linux
システム管理」、
「DNS サーバの設定と管理」、
「Apache Web サーバの設定と管理」、
「イン
ターネット・メールシステムの構築」、「ファイアウォールの構築と運用」の各項目につい
て、演習・筆記テストによってスキルを確認し、総合演習により実務スキルを測定した。
② IT スペシャリスト養成講座
大学での専門科目の履修後、eラーニングでの学習、講義と実習による集合教育、課題
演習等を行い、受講前後のスキルを測定した。具体的には、
「Linux システム運用技術の活
用」、「技術問題解決手法」、「最新技術動向」、「Linux システム運用管理機能構築」の各ス
キルについて、演習を通して、実務スキルを測定した。
③ アプリケーションスペシャリスト養成講座
大学での専門科目の履修後、講義と実習による集合教育、課題演習およびプレゼンテー
ション等を行い、受講前後のスキルを測定した。具体的には、
「ソフトウェア品質」、
「コミ
ュニケーション/マネジメント力」、「システム設計」、「プログラミング」の各スキルにつ
いて、演習・筆記テストを通してスキルをチェックし、また、総合演習を通して、実務を
681
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
立命館大学
想定したスキルを測定した。
(6) 事業実施年度(平成 15 年度)における成果
本教育訓練により、受講者の実務能力のスキルアップが明確となった。特に、実際に企
業で行われている技術者研修の講師から高い評価が得られたことは、
「情報理工学部」が構
想する新しい教育カリキュラムの有効性として、大きな自信となった。
また、「情報理工学部」の4つの教育目標のうち、「高いキャリア意識を持った人材の育
成」、「情報科学技術を活用・展開できる人材の育成」について、今回のような教育訓練を
導入することが、目標達成の一つの手段として有効であることが分かった。
さらに、情報理工学部が目指すべき人材育成という観点からは、本事業は、次の①~③
の点において有効であった。
① 実行力・実践力のある技術者の育成
② 現実の問題発見と解決、企画提案・研究開発等を可能とする自律性・独創性・適応
性を有する人材の育成
③ 「IT スペシャリスト」、
「アプリケーションスペシャリスト」、
「IT アーキテクト」へ
のキャリアパスを実現し、技術の急激な変化に柔軟に対応でき、自ら新しい技術を創
造する能力を持った人材の育成
なお、後述する(2)~(9)より、
“学生が IT サービスにエントリするための教育”と
して相応しいカリキュラムを開発できたと考える。また、今回開発した教育訓練を学生の
キャリアパス開発のための教育訓練として、新設する「情報理工学部」のカリキュラムに
導入する目処が一定ついたと言える。
(7) 現在(平成 18 年度)の事業継続状況
平成 16 年度より、
「情報理工学部」を新設し、本事業で培った知見やノウハウに基づく
実践的なカリキュラムを展開している。ただし、企業側講師の人件費や企業側著作物(e
ラーニング、テキスト)の使用に際する財源の確保が困難である等の事情により、本事業
で実施されたものと同内容の講座は実施していない。
また、情報理工学部のカリキュラムの一部(キャリア養成科目)として、現在、以下の
ような産学連携科目を開講している。
・ 企業連携講座:IT 関連企業の経営者や第一線の技術者によるリレー講義を6講座開
講。これらの講座は学科の専門特性を考慮し、その分野の最新の技術動向や、技術
開発の事例などを題材とすることで、学生の勉学に対するモチベーションを向上さ
せ、研究・学習テーマの設定に示唆を与えている。
・ 資格試験対策講座:IT 系企業の専門講師により、基本情報技術者試験、ソフトウェ
ア開発技術者試験、LPI(Linux)、XML、ORACLE MASTER の資格取得に向けた
対策講義等を実施。
682
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
立命館大学
平成 18 年度には、文部科学省の「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」に情報理工
学部の「IT 人材育成のための実践的キャリア教育」が採択された他、(社)日本経済団体連
合会「高度情報通信人材育成に向けた協力拠点候補」に選定され、大阪大学他7大学と連
携した「高度なソフトウェア技術者育成と実プロジェクト教材開発を実現する融合連携専
攻の形成」事業が、文部科学省の「先導的 IT スペシャリスト育成推進プログラム」に採
択された。
情報理工学部のカリキュラムには、創成科目によるモノづくり教育に加えて、キャリア
養成科目群やインターンシップなどの産学連携型の実践教育が組み込まれているが、上記
のような数々の新しい取り組みを通じて、本学部では、さらにカリキュラム内容の実践性
を高め、高度な技術者の育成を図っている。
平成 18 年度「産学協同実践的 IT 教育訓練基盤強化事業」において、立命館大学 情報理工学部が
提案した組込みソフトウェア分野の学生向け教育訓練プログラム「大学における組込み技術キャリ
ア教育プログラムの開発」事業が、採択・実施されました。(詳細については、平成 18 年度事業の
報告書をご覧下さい。)
683
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
立命館大学
2.2 事業成果の提供状況
(1) 事業に関する各種リソースの提供の可否と条件
対象
提供条件
a. 講座シラバスの提供
可能。著作権の取り扱いについての取り決めが必要。
b. 講座で使用する市販教材名の提供
開示可能。
c. 連携企業や講師に関する情報の提供
連携企業の承諾に基づき開示可能。
d. 企業の人材ニーズ(IT 関連のスキル
等)に関する情報の提供
連携企業から開示(要調整)。
e. 教材(オリジナル教材、基盤・ボード
等)の貸与・提供
著作権の取り扱いについての取り決めが必要。
f. コンピュータ環境(ハードウェア、ソ
フトウェア)の貸与・提供
開講期間中を除き、所定の手続きを経て施設貸与の形で
可能。
g. 講師の派遣
派遣に必要な費用(交通費や人件費などの実費)の支払。
h. 企業インターンシップの受け入れ
教育機関であることから調整が必要。
i. 寄附講座の提供
j. 講座の有効性等の評価方法について
の情報の提供
報告書の範囲内で可能。
k. 産学が連携した実践的なIT教育に関
する各種相談対応
基本的に可能であるが、業務量の多いコンサルティング
などは有償。
(2) リソース提供に関する連絡先
氏名
杉町
宏
所属・役職
連絡先
立命館大学 情報理工学部 事務長
684
077-561-5295
[email protected]
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
立命館大学
2.3 シラバス
(本事業では、統一テンプレートによる情報公開用シラバスは作成せず)
685
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
立命館大学
2.4 講師・インストラクタ
(1) 講師・インストラクタの要件
インストラクタの要件については、コース設計時に、連携機関である富士通(株)から次
のような条件が示され、本学の運営委員会で確認した(コース設計書から引用)。
①
IT アーキテクト養成講座
Linux コマンド、システム管理、インターネットサーバ構築など RHCE 同等スキルを養
成する教育訓練を行うにあたって、Linux システム管理・サーバ構築の実施経験が2年以
上で、RHCE または Turbo-CE の有資格者を選抜した。
②
IT スペシャリスト養成講座
「講義」に関しては、UNIX/Linux 関連の類似教育の企業顧客向けに実施経験がある
者を選抜した。
「総合演習」に関しては、実際の SE 経験のある者がふさわしく、Linux シ
ステム管理・サーバ構築 SE 歴3年以上で、ネットワークの SE 経験またはネットワーク
ソフトウェア開発経験2年以上の者を対象に選抜した。
③
アプリケーションスペシャリスト養成講座
アプリケーションエンジニアを養成する教育訓練を行うにあたって、フィールドでの SE
や、プロジェクトマネージャーの経験と、長期間に渡る同講座の企業での実施経験及びそ
の実施評価を考慮して選抜した。
上記の要件に基づき、本事業では、それぞれの専門分野の実務者として、富士通(株)が、
富士通グループにおける第一人者を招聘した。
(2) 講師・インストラクタ経歴等
本教育訓練を担当した講師・インストラクタの経歴は、以下のとおりである。
表 5-4
講師・インストラクタ経歴
氏名
所属
経歴・実績
山口順二
(株)富士通経営
研修所
1. UNIX/Linux システム管理・サーバ講師:
2.5 年
2. 取得資格:Turbo CE
IT アーキテクト
養成講座
(株)富士通経営
研修所
1. UNIX/Linux システム管理・サーバ講師:
11.5 年
2. 取得資格:
1) RHCE(RedHat Certified Engineer)
2) RHCX(RedHat Certified eXaminer)
3) Turbo-CI (Turbo Linux Certified
Instructor)
4) MCT(Microsoft Certified Trainer)
IT アーキテクト
養成講座
佐渡智志
686
担当コース
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
氏名
立命館大学
所属
経歴・実績
担当コース
長谷川真帆
(株)富士通ラー
ニングメディア
1. 富士通ラーニングメディア IT 関連コース
講師。UNIX/Linux 系講師:4年
2. テキスト、eラーニングコンテンツ開発
3. 取得資格
1) Sun Certified System Administrator for
Solaris
2) Sun Certified Network Administrator
for Solaris
IT スペシャリスト
養成講座
福島裕之
(株)富士通ラー
ニングメディア
1. 富士通ラーニングメディア IT 関連コース
講師。UNIX/Linux 系講師:5年、データ
ベース系講師:7年
IT スペシャリスト
養成講座
(株)富士通経営
研修所
1. インターネット関連製品のシステムサポ
ート:1.5 年
2. ネットワーク SE:3年
3. インターネットサーバ構築
(Solaris/Linux) SE:3年
4. 取得資格
1) 情報処理技術者ネットワークスペシャリ
スト
2) 情報処理技術者セキュリティアドミニス
トレータ
3) 情報処理技術者初級アドミニストレータ
4) 富士通 IT スペシャリスト インターネ
ット
5)富士通 IT マスタ(UNIX/Linux サーバ)
IT スペシャリスト
養成講座
富士通(株)
1. ネットワーク関連製品のソフトウェア開
発:8年
2. インターネットサーバ構築
(Solaris/Linux)SE:3年
IT スペシャリスト
養成講座
(株)富士通ラー
ニングメディア
1. 富士通ラーニングメディアアプリケーシ
ョン開発技術、プロジェクト管理関連コー
ス講師:10 年
2. テキスト、eラーニングコンテンツ開発
アプリケーション
スペシャリスト
養成講座
(株)富士通ラー
ニングメディア
1. 富士通ラーニングメディア IT 関連コース
(新人研修、データベース系)講師。
2. VB、Java による顧客システム開発:6年
3. データベース(Oracle)系講師3年
4. 新人研修(ロジック構築、システム構築)
講師:3年
アプリケーション
スペシャリスト養
成講座
金子泰治
田中義浩
於保茂美
矢鍋直子
687
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
立命館大学
2.5 教材
本教育訓練で使用した教材は次のとおりである。なお、本教育訓練は、富士通(株)の技
術者研修と同様の内容の教育訓練であるため、教材についても同じものを採用した(eラ
ーニング教材を含む)。
実施した「IT アーキテクト養成講座」、「IT スペシャリスト養成講座」、「アプリケーシ
ョンスペシャリスト養成講座」の3つのコースについて、各々で使用した教材を以下に記
す。
①
IT アーキテクト養成講座
(eラーニング教材)
「LAN 入門」、
「TCP/IP 入門」、
「UNIX/Linux 入門」、
「Linux ファイルサーバ構築概要」、
「Linux イントラネットサーバ構築概要」
(テキスト)
「Linux コマンド&ツール」、
「Linux システム管理 1」、
「Linux システム管理 2」、
「DNS
の設定と管理」、「インターネット・メールシステム構築」、「Apache Web サーバ管理」、
「Linux ファイアウォール構築」
②
IT スペシャリスト養成講座
(eラーニング教材)
「速習 TCP/IP 基礎」、「ネットワークの基礎 Part1」、「ネットワークの基礎 Part2」、
「UNIX/Linux 入門 Part1」、「UNIX/Linux 入門 Part2」
(テキスト)
「UNIX/Linux 入門」、「Linux システムの導入と管理」、「Linux インターネットサーバ
の導入」
③
アプリケーションスペシャリスト養成講座
(eラーニング教材)
「Java プログラミングの基礎」
(テキスト)
「システム開発の基礎」、「プログラム開発におけるレビュー・テスト技術」、「品質管理
ワークショップ」、「オブジェクト指向開発の基礎」、「UML によるオブジェクト指向分析
設計演習(参考資料)」、「システム構築(Java)」、「UML によるオブジェクト指向開発実
践ガイド」、「演習問題資料」
教材の媒体、新規・既存の別、内容、ページ数については、下表にまとめる。
また、教材番号1、9、13 のeラーニング教材の画面イメージも示す。
688
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
立命館大学
表 5-5
教材
番号
教材の名称
メディア
新規/
既存
使用教材一覧
内容
ページ数
WEB
既存
2
Linux コマンド&
ツール
紙媒体
既存
IT アーキテクト養成講座の実習で使用。Linux の基本コマンド、vi エディタの使用方法、ファイル
の操作方法、パイプ、シェル・スクリプトなど Linux の基本操作に関するテキスト。グローバルナレ
ッジネットワーク(株)制作、初版 1999 年、最終版 2000 年 1 月。
143
既存
IT アーキテクト養成講座の実習で使用。スーパーユーザと一般ユーザの違い、ディスクパーティショ
ン、仮想コンソールの使い方、ファイルのマウント方法、ランレベルとシステムの起動と停止、ユー
ザの登録と管理、crontab などのシステム環境の設定、ネットワークの設定、DHCP、NFS、Samba、
Apache、sendmail、FTP など、各種ネットワークサービスを含む Linux システム運用に関するテキ
スト。グローバルナレッジネットワーク(株)制作、初版 2001 年、最終版 2003 年 6 月。
217
既存
IT アーキテクト養成講座の実習で使用。MBR とブートスキーム、パーティション、ファイルシステ
ムとそのマウント、スワップ領域、カーネルの再構築、ブートローダ GRUB を使ったインストール、
レスキュー環境等を含む、Linux システムの基本アーキテクチャに関係するテキスト。グローバルナ
レッジネットワーク(株)制作、初版 2001 年、最終版 2003 年 5 月。
166
689
1
①「LAN 入門」
②「TCP/IP 入門」
③「UNIX/Linux
入門」
④「Linux ファイル
サーバ構築概要」
⑤「Linux イントラ
ネットサーバ構築
概要」
IT アーキテクト養成講座のeラーニングで使用。実習で最低限必要になる基礎知識で構成。ネットワ
ークの概念、LAN の基礎知識、TCP/IP の位置付け、IP と IP アドレス、ICMP、TCP と UDP、UNIX
の基礎知識、ネットワーク機能、Linux システム管理の基礎、ファイルサーバの基礎知識、インター
ネット・イントラネットの概念等を学ぶ。
①「LAN 入門」:富士通(株)&(株)富士通経営研修所制作、初版 2001 年、最終版 2003 年 9 月(実施
時点では 2003 年 3 月版) ②「TCP/IP 入門」:富士通(株)&(株)富士通経営研修所制作、初版 2001
年、最終版 2003 年 9 月(実施時点では 2003 年 3 月版) ③「UNIX/Linux 入門」:(株)富士通中部
:富士通
システムズ制作、初版 2001 年、最終版 2003 年 6 月 ④「Linux ファイルサーバ構築概要」
(株)&(株)富士通経営研修所制作、初版 2002 年、最終版 2003 年 9 月(実施時点では 2003 年 3 月版)
⑤「Linux イントラネットサーバ構築概要」:富士通(株)&(株)富士通経営研修所制作、初版 2002 年、
最終版 2003 年 9 月(実施時点では 2003 年 3 月版)
3
Linux システム管理
1
4
Linux システム管理
2
紙媒体
紙媒体
-
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
立命館大学
教材の名称
メディア
新規/
既存
内容
ページ数
5
DNS の設定と管理
紙媒体
既存
IT アーキテクト養成講座の実習で使用。bind の構成要素、問い合わせ処理の流れ、各種リソースレ
コード、リゾルバの設定、named デーモンの起動を含む bind の設定に関するテキスト。グローバル
ナレッジネットワーク(株)制作、初版 1996 年、最終版 2000 年 7 月。
100
6
インターネット・
メールシステム構築
紙媒体
既存
IT アーキテクト養成講座の実習で使用。メールシステムの概要、メールゲートウェイの設定を含む
sendmail の設定に関するテキスト。グローバルナレッジネットワーク(株)制作、初版 1996 年、最終
版 2000 年 7 月。
136
7
Apache
Web サーバ管理
紙媒体
既存
IT アーキテクト養成講座の実習で使用。代表的な WWW サーバソフトである Apache の特徴とアー
キテクチャ、設定ファイルと基本的なディレクティブ、CGI と SSI を含む Apache の構築と管理に関
するテキスト。グローバルナレッジネットワーク(株)制作、初版 2001 年、最終版 2001 年 12 月。
113
8
Linux ファイア
ウォール構築
紙媒体
既存
IT アーキテクト養成講座の実習で使用。パケットフィルタリングの基本機能、Net Filter、Log ター
ゲットを含むテキスト。グローバルナレッジネットワーク(株)制作、初版 2001 年、最終版 2001 年
11 月
86
9
①「速習 TCP/IP 基
礎」
②「ネットワークの
基礎 Part1」
③「ネットワークの
基礎 Part2」
④「UNIX/Linux 入
門 Part1」
⑤「UNIX/Linux 入
門 Part2」
既存
IT スペシャリスト養成講座のeラーニングで使用。実習で最低限必要になる基礎知識を習得させる。
TCP/IP の概要、ネットワークの基礎的な技術、仕組み、UNIX/Linux の概念および概要について学
ぶ。
①「速習 TCP/IP 基礎」
:(株)富士通ラーニングメディア制作、初版 2002 年、最終版 2003 年 10 月(実
施時点では 2003 年 4 月版)②「ネットワークの基礎 Part1」:(株)富士通ラーニングメディア制作、
初版 2002 年、最終版 2003 年 10 月(実施時点では 2003 年 6 月版)③「ネットワークの基礎 Part2」
(株)富士通ラーニングメディア制作、初版 2002 年、最終版 2003 年 10 月(実施時点では 2003 年 6
月版)④「UNIX/Linux 入門 Part1」
:(株)富士通ラーニングメディア制作、初版 2002 年、最終版 2003
年 10 月(実施時点では 2003 年 6 月版)⑤「UNIX/Linux 入門 Part2」:(株)富士通ラーニングメデ
ィア制作、初版 2002 年、最終版 2003 年 10 月(実施時点では 2003 年 6 月版
-
既存
IT スペシャリスト養成講座の実習で使用。ファイル操作方法、ネットワーク操作等、Linux を利用者
として利用するためのスキルを中心としたテキスト。(株)富士通ラーニングメディア制作、初版 2003
年、最終版 2003 年 5 月。
175
690
教材
番号
10
UNIX/Linux 入門
WEB
紙媒体
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
立命館大学
教材
番号
教材の名称
メディア
新規/
既存
内容
ページ数
11
Linux システムの
導入と管理
紙媒体
既存
IT スペシャリスト養成講座の実習で使用。Linux のインストール/起動と停止、ネットワーク環境/ソ
フトウェア/サービスの管理、アカウント/ディスク管理、バックアップログ管理、管理作業の自動化
等のテキスト。(株)富士通ラーニングメディア制作、初版 2002 年、最終版 2004 年 4 月。
193
12
Linux インター
ネットサーバの導入
紙媒体
既存
IT スペシャリスト養成講座の実習で使用。DNS サーバの構築、メールサーバ/WWW サーバの構築等、
Linux のシステム管理者としてインターネットサーバ構築に関するテキスト。(株)富士通ラーニング
メディア制作、初版 2003 年、最終版 2003 年 5 月。
120
13
Java
プログラミングの
基礎
WEB
既存
アプリケーションスペシャリスト養成講座のeラーニングで使用。Java プログラミングの基本的事
項を学び、簡単なプログラムを作成できるようにする。Java プログラミング未修得者のみ受講させ
る。(株)富士通ラーニングメディア制作、初版 2002 年、最終版 2003 年 10 月(実施時点では 2003
-
年 6 月版)
691
14
システム開発の基礎
紙媒体
既存
アプリケーションスペシャリスト養成講座の実習で使用。システム開発の基本である、情報システム
の概要、システム開発の全体像、システム企画・分析工程の概要、システム設計工程の概要、プログ
ラミング工程の概要、テスト工程の概要、システム開発の方法論に関するテキスト。(株)富士通ラー
ニングメディア制作、初版 1991 年、最終版 2001 年 6 月。
15
プログラム開発に
おけるレビュー・
テスト技術
紙媒体
既存
アプリケーションスペシャリスト養成講座の実習で使用。レビュー技術、テスト技術に関するテキス
ト。(株)富士通ラーニングメディア制作、初版 1994 年、最終版 2003 年 10 月(実施時点では初版を
使用)
84
16
品質管理
ワークショップ
紙媒体
既存
アプリケーションスペシャリスト養成講座の実習で使用。ソフトウェア品質管理の概要、ソフトウェ
ア品質向上の考え方と技法、プログラムの品質管理、工程ごとの品質管理に関するテキスト。
(株)富士通ラーニングメディア制作、初版 2003 年、最終版 2003 年 2 月。
153
既存
アプリケーションスペシャリスト養成講座の実習で使用。オブジェクト指向の意味合い、オブジェク
ト指向の基本概念、オブジェクト指向による標準的なモデリング言語である UML の概要と 9 つのダ
イアグラムの表記法に関するテキスト。(株)富士通ラーニングメディア制作、初版 1998 年、最終版
2001 年 2 月。
217
17
オブジェクト指向
開発の基礎
紙媒体
140
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
立命館大学
教材
番号
教材の名称
メディア
新規/
既存
内容
ページ数
18
UML による
オブジェクト指向
分析設計演習
(参考資料)
紙媒体
既存
アプリケーションスペシャリスト養成講座の実習で使用。UML オブジェクト設計に関する演習問題
を中心としたテキスト。(株)富士通ラーニングメディア制作、初版 2000 年、最終版 2001 年 4 月。
105
19
システム構築
(Java)
紙媒体
既存
アプリケーションスペシャリスト養成講座の実習で使用。Java プログラミングとシステム設計に関
するテキスト。(株)富士通ラーニングメディア制作、初版 2002 年 2 月、最終版 2003 年 2 月。
56
20
UML による
オブジェクト指向
開発実践ガイド
紙媒体
既存
アプリケーションスペシャリスト養成講座の実習で使用。UML の詳細説明書。(株)技術評論社制作、
初版 1999 年、最終版 2001 年 6 月。
164
21
演習問題資料
紙媒体
既存
アプリケーションスペシャリスト養成講座の実習で使用。(株)富士通ラーニングメディア制作、初版
2000 年、最終版 2001 年 4 月。
300
692
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
立命館大学
693
上から順に
IT アーキテクト養成講座
IT スペシャリスト養成講座
アプリケーションスペシャリスト養成講座
で使用したeラーニングの画面イメージを例示。
図 5-4
eラーニング画面のイメージ
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
立命館大学
2.6 実施環境
実施した「IT アーキテクト養成講座」、「IT スペシャリスト養成講座」、「アプリケーシ
ョンスペシャリスト養成講座」は、いずれも立命館大学 びわこ・くさつキャンパスで開講
した。利用した教室は、情報処理演習室と小規模の講義教室である。
利用環境の詳細は次のとおりであった。
①
IT アーキテクト養成講座
建物名: プリズムハウス
教室名: 情報演習室 P22
②
設
備: ワークステーション 20 台、教授用モニター20 台
環
境: ルームサーバ1台、ワークステーション 20 台から構成するネットワーク環境
IT スペシャリスト養成講座
建物名: プリズムハウス
教室名: 情報演習室 P21
③
設
備: ワークステーション 20 台、教授用モニター20 台
環
境: ルームサーバ1台、ワークステーション 20 台から構成するネットワーク環境
アプリケーションスペシャリスト養成講座
建物名: プリズムハウス
教室名: 108 教室(講義室)、情報演習室 P23
設
備: ワークステーション 20 台、教授用モニター20 台
環
境: ルームサーバ1台、ワークステーション 20 台から構成するネットワーク環境
694
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
3.
福島県立会津大学
(現:公立大学法人会津大学)
福島県立会津大学[現:公立大学法人会津大学](代表機関:同大学)
3.1 事業概要
※ 福島県立会津大学は、現在、公立大学法人
会津大学となっています。
(1) 事業分野・事業名
対象分野:(学生向け教育訓練)
テーマ名:3つのコアスキル指標による新 IT 人材育成プログラム
(2) 事業実施体制
※ 機関名・役職等は当時(平成 15 年度:事業採択時)のもの
代 表 機 関
福島県立会津大学
申請代表者名
杉八合 勲(会津大学 産学イノベーションセンター 客員教授)
機関名
役割
NTT コミュニケーションズ(株)
連 携 機 関
(株) ナディス
教材開発、コース運営、評価、報告
書作成支援および受講者のインター
ンシップの受け入れ
会津若松市
広報
(株) T&F カンパニー
協 力 機 関
コースの開発、教材開発、コース運
営、評価および報告書作成支援
(3) 背景と目的
創立 11 年の会津大学では、創立より IT ベンチャー企業を起業する人材を継続的に輩出
し、地域の IT ソリューションの一翼を担っている。また、産学連携による研究も推進さ
れ、会津地域には IT 産業が根付いてきた。しかし、今後の継続的な発展のためには、次
のような課題に対する取り組みが必要である。
① 実践的スキルの履修の必要性
会津大学は、コンピュータサイエンスの専門大学であり、コンピュータサイエンスを学
ぶための基礎から応用までの幅広い分野をカバーしているが、企業が求める実践的なスキ
ルが大学カリキュラムの履修のみでは不足している。
② IT 分野のソリューションビジネスにおけるスキルの必要性
製造・保守工程を実施ししているため、そのスキル中心に身に付いているが、企画・設
計工程等ソリューションビジネスに必要なスキルが不十分になっている。
③ 会津地域における IT 人材育成の環境の必要性
IT 系志望者は、地元の IT スキルアップの講習会などで学習している。しかし、実際は
一般的なアプリケーションの習得が中心で、IT 人材として企業が求めるスキルに到達して
おらず、業種転換がうまく機能していないのが現状である。
上のような問題意識をふまえ、本事業では、会津大学が、技術専門の教育のみならず、
ビジネス社会における IT 人材を育成するために、3つのコアスキル(社会的知性、ビジ
695
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
福島県立会津大学
(現:公立大学法人会津大学)
ネススキル、テクニカルスキル)を評価の軸とする人材育成システムを開発し、IT スキル
標準の有効性及び評価方法について探求した。ここで、3つのコアスキルとは、ヒューマ
ンスキルと、行動特性(EQ 検査などで判定)を併せて評価した社会的知性、職種に関係
なく必要なビジネススキルと、職種に応じたテクニカルスキルを指す。
(4) 産学協同による教育訓練の意義
本事業には、会津大学の卒業生や現役生が在籍する企業が参画した。これによって、会
津大学に不足しているカリキュラムや教育方法を、学生の立場から提示することができた。
また、グローバルな視点を取り入れた企業とともに、部分的なスキルでなく、総合的なス
キルを育成するカリキュラムや教材、評価の方法を作成することができた。
(5) 教育訓練の概要
【教育訓練の概要】
本教育訓練事業は IT スペシャリストコース、セールスコースの2コースから構成され
ている。コースは、各 20 講座(約 140 時間)である。座学やグループワーク、ケースス
タディ、eラーニングなどを用いた集合研修と、受講後に実践力を養うためのインターン
シップや OJT で構成されている。
①
IT スペシャリストコース
本コースは、プロジェクトメンバーと良い関係を築き、メンバーからの指示や仕様書を
適切に理解できるほか、プロジェクトメンバーの一員として受け持ったタスクを確実に実
施する能力を有し、実務を全うできる IT 人材の育成に主眼が置かれている。コミュニケ
ーションなどの社会的知性やビジネススキルの他に、プロジェクトマネジメントや UML
などのスキルを育成する。
②
セールスコース
本コースは、顧客との良き関係を築き、相手のニーズをよく理解した上で、具体的なソ
リューションの提案を自分の言葉や文章で的確に表現し、チームまたは単独で顧客に対す
るセールス活動を完遂できる能力を有した人材の育成に主眼が置かれている。コミュニケ
ーションなどの社会的知性やビジネススキルの他に、実践型マーケティングや提案型プレ
ゼンテーションなどのスキルを育成する。
【受講者】
IT スペシャリストコースの受講者は、会津大学生全体であるが、特に会津大学授業の中
でプログラムなど専門的な科目が増え、本プログラムの講義内容に興味を持ち始める2年
生、就職活動を意識しはじめる3年生や、IT 企業への転職や現在業務で IT 関連の職種の
社会人を対象とした。転職希望者の条件として、最低限のコンピュータのプログラム等を
勉強していることとした。(計 14 名)
696
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
福島県立会津大学
(現:公立大学法人会津大学)
セールスコースの受講者は、IT スペシャリストの受講対象人材に加え、企画・設計工程、
マーケティングやコンサルティング業務に興味がある学生も対象とした。学年は、2・3
年生を中心とした。社会人では、IT・コンピュータ関連企業に勤めている人で現在または
今後企画・設計工程を行っていく方や転職を希望する方を対象とした。(計 13 名)
表 5-6
コース名
IT スペシャリスト
コース
受講者情報詳細
受講者特性等
会津大学生 12 名、社会人 2 名となった。
当初対象としていた層に比べて、院生など
幅の広い受講者となった。
人数
会津大学
1年
2
2年
5
3年
1
4年
1
大学院生
3
社会人
2
合計
14
2年
会津大学
セールスコース
会津大学生 9 名、社会人 4 名となった。
4
3年
4
大学院生
1
社会人
4
合計
13
【教育効果の測定方法等】
3つのコアスキル指標とその個別のスキル指標を作成し、テストや講師によって評価し
た。また、インターンシップ・OJT を行い、実際の業務を行い、知識だけでなく実際の行
動として発揮されているかについても評価を実施した。
(6) 事業実施年度(平成 15 年度)における成果
今回、IT スキル標準のスキル項目を参考にレベルの明確化・詳細化・精密化を心がけた
ことで、充実したカリキュラムを設定し、若年層の人材育成にマッチした教育訓練事業と
して、大きく貢献したと考えられる。
今回の訓練の有効性の仮説において、IT スペシャリストコースでは、2つのコアスキル
で5段階評価の3以上となった受講者が 75%、3つのコアスキルすべてで3以上となった
受講者が 50%という結果となり、十分有効であったと言える。またセールスコースでは、
2つのコアスキルで5段階評価の3以上となった受講者が 30%という結果になった。
事業全体を通して、コンピュータ理工系専門大学である会津大学において、不足しがち
な社会的知性、ビジネススキル、実践社会で必要となるテクニカルスキルを習得した受講
者を多く輩出できたことは、今回の大きな成果のひとつといえる。
697
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
福島県立会津大学
(現:公立大学法人会津大学)
(7) 現在(平成 18 年度)の事業継続状況
会津大学では、本事業実施以前より、会津若松市内のベンチャー企業支援を目的とする
「ナレッジビジネススクール」に協賛(平成 17 年度まで)し、事業実施年度(平成 15 年
度)からは、会津大学独自で「実戦ビジネススクール」を運営(平成 15 年度)した。し
かし、本事業と同様の内容の講座については、主担当であった教員が退職をしたため、継
続的に実施することが困難であった。単位認定についての十分な議論が行われなかったと
いうことも、継続に至らなかった理由の一つである。
一方で、本事業の連携企業であった会津大学発ベンチャー企業を中心とする数社が、長
期インターンシップや実践的 IT 教育訓練を実施している。これにより、本学の学生は、
大学在学中から、実践的な IT 技術を修得し、それを実践することが可能となっている。
また、本学では、産業界の人材を教員として積極的に雇用している他、IT 業界で著名な方
を招く講座を開設している。
698
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
福島県立会津大学
(現:公立大学法人会津大学)
3.2 事業成果の提供状況
(1) 事業に関する各種リソースの提供の可否と条件
対象
提供条件
a. 講座シラバスの提供
提供者と利用者との間で取り決めが必要。
b. 講座で使用する市販教材名の提供
企業側で所持している既存のコンテンツについては、有
償での実施が可能。また、著作権の取扱については、取
り決めが必要。
c. 連携企業や講師に関する情報の提供
特に問題なし、費用については別途相談。
d. 企業の人材ニーズ(IT 関連のスキル
等)に関する情報の提供
提供者と利用者との間で著作権や利用方法などの取り決
めが必要。
e. 教材(オリジナル教材、基盤・ボード
等)の貸与・提供
大学内のコンテンツについては、別途相談。企業側で所
持している既存のコンテンツについては、有償での実施
が可能。また、著作権の取扱については、取り決めが必
要。
f. コンピュータ環境(ハードウェア、ソ
フトウェア)の貸与・提供
UBICの施設の利用は、利用規定に沿って受け付けること
が可能。大学内のコンピュータシステムについては、学
術利用が前提のため、貸与を行うことはできない。
g. 講師の派遣
大学内の講師については、提供者と利用者で相談。企業
については、担当を紹介することが可能。
h. 企業インターンシップの受け入れ
連携企業での受入は難しい。
i. 寄附講座の提供
提供者と利用者で個別に相談。
j. 講座の有効性等の評価方法について
の情報の提供
提供者と利用者との間で著作権や利用方法などの取り決
めが必要。
k. 産学が連携した実践的なIT教育に関
する各種相談対応
UBICを窓口として相談可能。
(2) リソース提供に関する連絡先
氏名
大堀
満
所属・役職
連絡先
株式会社ティーアンドエフカンパニー
699
0242-37-3550
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
福島県立会津大学
(現:公立大学法人会津大学)
3.3 シラバス
(本事業では、統一テンプレートによる情報公開用シラバスは作成せず)
700
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
福島県立会津大学
(現:公立大学法人会津大学)
3.4 講師・インストラクタ
(1) 講師・インストラクタの要件
各専門分野の講師を確保するために、条件を定めて講師を選択した。選択の基準は、以
下のとおりである。
・担当講座については、同様の講座または、相応の講座の講義実績が5回以上ある方
・IT スキル標準について理解されていて、本教育訓練事業に賛同していただける方
・業務経験のある方
講師は、会津大学 ITSS プロジェクト事務局が選出し、依頼した。
(2) 講師・インストラクタ経歴等
本教育訓練を担当した講師・インストラクタの経歴は、以下のとおりである。
表 5-7
氏名
講師・インストラクタ経歴
所属
経歴・実績
担当カリキュラム
(株)ティーアンド
エフカンパニー
大学在学中から、ベンチャー企業を立ち上
げる。特に大学・財団法人等でのヒューマ
ンスキル、コンサル技法などを指導。多く
の学生の社会的知性を高めることに喜びを
感じている。
K06: プ レ ゼ ン テ ー シ
ョンスキル基礎
K07:チームワークと
リーダーシップ
冠木朝子
(株)ティーアンド
エフカンパニー
大学卒業後、メキシコに渡り、異文化にお
けるコミュニケーションやチームワークを
日系企業で実践。帰国後、商社を経て、コ
ミュニケーション、プレゼンテーションな
どヒューマン系のトレーナとして数多くの
人を育成する。
K05:コミュニケーシ
ョンスキル基礎
K07: チ ー ム ワ ー ク と
リーダーシップ
川井重明
(株)富士通ラーニ
ングメディア
研修事業部
第 一 研 修 サ ービ ス
部
富山大学卒業後、(株)富士通ラーニングメ
ディアに入社。汎用機、データベース、
Java、オブジェクト指向関連の講師を担
当。CORBA、UML などオブジェクト指向
関連の講座を7年間担当した実績がある。
I04:UML 入門
後藤正宣
(株)ティーアンド
エフカンパニー
最年少で JQA セルフアセッサ、審査員とし
て活躍し、顧客価値を前提としたコンサル
に定評がある。
S02:顧客価値創造
(株)ナレッジプロ
デュース
NTT データ(株)、ASP インダストリー・コ
ンソーシアム・ジャパンなど多くの情報大
手企業で活躍。日本の第五世代コンピュー
タ開発プロジェクトで指導的役割を担う。
日本の情報処理産業の誕生から現在まで現
役の技術者として活動。日本の人工知能技
術のパイオニア的存在。
K03:歴史に見る技術
大堀
満
児西清義
701
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
福島県立会津大学
(現:公立大学法人会津大学)
氏名
所属
経歴・実績
是永綾子
(株)富士通ラーニ
ングメディア
研修事業部
第 二 研 修 サ ービ ス
部
東京女子大学現代文化学部卒業後、長銀情
報システム(株)を経て、現在に至る。デー
タベース、SQL 関連の講座を5年間担当し
ている。
I03:SQL 入門
米国ミシガン大学経営学大学院修士課程終
了後、
(株)東芝 重電技術研究所、米国マ
サチューセッツ工科大学、米国スタンフォ
ード大学、
(株)ISR を経て現在に至る。エ
ージェント指向技術を研究するかたわら、
IT ビジネスコンサルタントをこなし、米国
においてエージェント指向ベースの数多く
のプロジェクトを指導、成功に導く。
K01:IT スキル標準と
キャリアパス
K04:e ビジネス概論
K09:IT 業界における
法律 基礎
K10:IT 業界における
法律 応用
I01:実践型 IT スペシ
ャリスト
大学卒業後、
(株)イトーヨーカ堂企画室に
勤務。データ活用によるマーケティング・
マーチャンダイジングシステム、業務運営
システムなどの設計業務を経験。その後、
チェーンオペレーション指導、新規事業立
ち上げ支援業務に従事。現在、
(株)日本コ
ンサルタントグループ、経営コンサルタン
トとして活躍中。
S04:IT ソリューショ
ンのための知識
慶応義塾大学卒業後、経営コンサルタント、
常磐大学 人間科学学部 講師を経て、現
在に至る。経営マネジメント、マーケティ
ング、プレゼンテーションなどの分野の教
育講座では、日本有数の講師。
S01:マーケティング基
本
S03:ビジネスプランの
まとめ方
S05:提案型プレゼンテ
ーション
杉八合 勲
高尾尚亮
高橋一貢
長平彰夫
浜田良樹
会津大学
UBIC
(株)日本コンサル
タントグループ
情 報 通 信 経 営研 究
所
慶應義塾大学 湘南
藤 沢 キ ャ ン パス 総
合政策学部
東北大学大学院
工 学 研 究 科 技術 社
会システム専攻
東北大学 法学部卒業後、日本政策投資銀
行、通商産業省資源エネルギー庁、自治省
財政局を経て、現在に至る。日本の法律学、
ベンチャービジネスマネジメント、経営学、
知的財産戦略など経営工学分野をリードす
る。
主な著作は、
「米国研究大学におけるスピン
オフ企業創出と技術移転機関の役割」、「産
学連携による成果創出のためのマネジメン
ト」、他多数。
東 北 大 学 大学 院
情報科学研究科
未 来 科 学 技 術共 同
研究センター
日本で「法情報学」に携わる数少ない研究
者の 1 人。情報と法律と社会生活について
サイバー法研究会など情報と法規制に関す
る研究会にて多数講演。主な著作は「アメ
リカ通信品位法 (CDA) とコンテンツ規
制」、「不正アクセス禁止法制とインターネ
ット」、他。
702
担当カリキュラム
K09:IT 業界における
法律 基礎
K10:IT 業界における
法律 応用
K11:情報倫理
K12:社会システム論
K09:IT 業界における
法律 基礎
K10:IT 業界における
法律 応用
K12:社会システム論
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
氏名
兵藤成美
松下信武
三村克彦
宮澤洋一
樂満俊幸
福島県立会津大学
(現:公立大学法人会津大学)
所属
経歴・実績
担当カリキュラム
(株)グローバルナ
レ ッ ジ ネ ッ トワ ー
ク
大手電機メーカ、米国のソフトウェアコン
サルタントを経て、現在プロジェクトマネ
ジメントのトレーナを勤める。海外勤務時
から数多くのプロジェクトマネジメントを
担当してきた。
I06:プロジェクトマネ
ジメント(計画編)
(株)EQ ジャパン
京都大学教育学部で臨床心理学を学び、日
本ドレーク・ビーム・モリン(株)のキャリ
ア・ガイダンス事業部を経て、EQ ジャパ
ンの EQ 開発プロジェクトに参加。日本に
おける EQ コーチの草わけ的な存在
K02:EQ 概論
(株)マクロウェア
大学卒業後、東洋通信機(株)を経て、現在
に至る。分散 OS、ポケットベルシステム、
音声処理用ワークステーションの設計開発
業務などに従事した後、ATR 自動翻訳電話
研究所に出向、音声合成の基礎研究に従事。 I05: シ ス テ ム 設 計 論
帰社後、オブジェクト指向型自動券売機、 基礎
CALS システム、MPLS 対応ルータ、イン
ターネット FAX サーバなどの設計開発業
務に携わる。IETF FAX WG に参加し、
IFAX プロトコルの標準化に寄与。
(株)ナディス
ベンチャーブームの前より、海外の大学と
の数多くの産学連携を手がけてきた。その
中で培われた論理的思考と問題解決能力
は、有数な人物である。
K08:問題解決講座
講習会実施だけでなく、教育コンサル、講
習会用テキスト開発等の経験が豊富であ
り、幅広い視点による講習会実施が可能。
特に、ネットワークセキュリティに関し、
講習会実施、教育コンサル、講習会用テキ
スト開発等の経験が豊富。
I02:インターネットセ
キュリティ基礎
-技術者のための-(実
習編)
日本電気(株)eラ
ーニング事業部
703
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
福島県立会津大学
(現:公立大学法人会津大学)
3.5 教材
本事業で使用された教材は、IT スキル標準とキャリアパスなど全 25 教材である。
K01 IT スキル標準とキャリアパスは、紙媒体の新規に開発された教材である。この教材
を新規に開発したのは、IT スキル標準が新しい概念であり、かつ本プロジェクトの趣旨に
即した内容の教材が存在したかったためである。
K02 EQ 概論は、紙媒体の一部新規に開発された教材である。この教材を採択した理由
は、コース前に行う EQI 検査の結果を読むために必要な説明が十分に満たされていたため
である。一方で、一部新規で開発したのは、ターゲットをコミュニケーションのスタイル
に絞るために追加の必要性が発生したためである。
K03 歴史に見る技術は、紙媒体の新規に開発された教材である。この教材を新規に開発
した理由は、コンピュータ技術の発達史、数々のコンピュータ上のパラダイムの歴史を的
確にまとめた教材が存在していなかったためである。
K04 e ビジネス概論は、紙媒体の新規に開発された教材である。この教材を新規に開発
した理由は、e ビジネス自体が近年始まったばかりの新しいビジネス形態であり、本プロ
ジェクトの趣旨に合わせた教材が必要であったからである。
K05 コミュニケーションスキル基礎は、紙媒体の一部新規に開発された教材である。こ
の教材を採択した理由は、コミュニケーションで重要である聴くスキルが中心にまとめら
れていたためである。一方で、一部新規で開発したのは、ケースや本文の一部が社会人を
対象とした記述と内容であったことと、不足していた点もあったため学生中心の内容に若
干変更したためである。
K06 プレゼンテーションスキル基礎は、紙媒体の既存の教材である。この教材を採択し
た理由は、話し方のみでなく、事前準備やリハーサルなどプレゼンテーションについて全
体を網羅していたためである。また、教育実績もあり、本プロジェクトに適切な内容と判
断した。
K07 リーダーシップとチームワークは、紙媒体の新規に開発された教材である。この教
材を開発した理由は、管理者のためのリーダーシップの教材が多く、未就職者の学生をタ
ーゲットにした適切な教材がなかったためである。
K08 問題解決講座は、紙媒体の一部新規に開発された教材である。この教材を採択した
理由は、問題解決の4つのステップと問題解決手法が分かりやすく紹介されていたためで
ある。一方、一部新規で開発したのは、教材中で扱われているケースなどが、就業経験を
持たない学生には難しいと判断されたことと、ケースを IT 業界の事例を扱ったものに変
更したためである。
K09 IT 業界における法律 基礎編は、紙媒体の既存の教材である。この教材を採択した
理由は、IT に関連する法律について、1)インターネット特有の問題、2)個人の権利、
3)他人との関わり、という3点に話題を絞っており、分かりやすく、本プロジェクトの
趣旨に適したまとめ方がされていたためである。
704
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
福島県立会津大学
(現:公立大学法人会津大学)
K10 IT 業界における法律 応用編は、紙媒体の既存の教材である。この教材を採択した
理由は、最新の事例と古典的な事例のバランスが良く取れた内容になっており、本事業の
趣旨に適したまとめ方がされていたためである。
K11 情報倫理は、紙媒体の既存の教材である。この教材を採択した理由は、情報倫理が
必要な理由が明確であり、IT の業務に従事する者にとって最低限守るべき内容が記述され
ていたためである。
K12 社会システム論は、紙媒体の既存の教材である。この教材を採択した理由は、本事
業の趣旨である IT スキル標準のプレエントリレベルに到達するために必要な教養として、
政治・経済システムと会社の仕組みが的確に表現された内容であったためである。
K13 ビジネスの基本(会社のしくみ編)は、WEB の既存の教材である。この教材を採
択した理由は、社会人として必要な知識な企業のしくみ、ビジネスのしくみについて十分
な教材であったためである。また、すでに教育実績もあり、新入社員等が対象の教材であ
ったことから、本プログラムに適切な内容であると判断した。
K14 ビジネスの基本(ビジネス実務編)は、WEB の既存の教材である。この教材を採
択した理由は、社会人として必要なビジネス文書、マナー、E-mail と実践で使える知識が
習得できる十分な教材であったためである。また、すでに教育実績もあり、新入社員等が
対象の教材であったことから、本プログラムに適切な内容と判断した。
I01 実践型 IT スペシャリストは、紙媒体の既存の教材である。この教材を採択した理
由は、実際の社会で必要とされるスキルを身につけるために必要な習慣、姿勢について述
べていたためである。
I02 インターネットセキュリティ基礎-技術者のための-(実習編)は、紙媒体の既存
の教材である。この教材を採択した理由は、ネットワークセキュリティを知る上で、基礎
的な内容を含んでいたためである。また、すでに教育実績もあり、座学だけでなく実機を
使っての実習も含んだ教材であることから、本教育訓練に適切な内容であると判断した。
I03 Oracle SQL 入門は、紙媒体の既存の教材である。この教材を採択した理由は、デー
タベース技術者の基礎知識、実習が教材内に盛り込まれていたためである。また、教育実
績もあり、本教育訓練に適切な内容であると判断した。
I04 UML 入門は、紙媒体の既存の教材である。この教材を採択した理由は、オブジェク
ト指向の設計という IT 技術者に今後必須になる技術の教材であったためである。また、
すでに教育実績もあり、座学だけでなく実機を使っての実習も含んだ教材であることから、
本教育訓練に適切な内容と判断した。
I05 システム設計論 (基礎編)は、紙媒体の既存の教材である。この教材を採択した
理由は、一般にシステム設計とは何をすることなのかを論理的思考に基づき説明した内容
であり、ソフトウェアシステムの設計のもととなる概念の詳しい説明がなされているため
である。
I06 プロジェクトマネジメントは、紙媒体の既存の教材である。この教材を採択した理
由は、業界標準である PMI の考え方で構成されており、今回の内容である計画の部分が
705
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
福島県立会津大学
(現:公立大学法人会津大学)
重点に説明されているためである。また、教育実績もあり、本プロジェクトに適切な内容
と判断した。
S01 マーケティング基本は、紙媒体の既存の教材である。この教材を採択した理由は、
マーケティングの基礎知識からケーススタディを用いた幅広い教材であったためである。
また、会津大学にはないカリキュラムで、本教育訓練に適切な内容と判断した。
S02 顧客価値創造は、紙媒体の既存の教材である。この教材を採択した理由は、企業が
お客様に価値を提供するためにどのようなプロセスで行っているのか、また企業ごとに特
徴があるのかを日本経営品質のフレームワークをベースに書かれていて、非常に分かりや
すかったためである。
S03 ビジネスプランのまとめ方は、紙媒体の既存の教材である。この教材を採択した理
由は、ビジネスプランの設定にいたる基礎知識がケーススタディを用いて学べる教材であ
ったためである。また、会津大学にはないカリキュラムで、本プログラムに適切な内容と
判断した。
S04 IT ソリューションのための知識(販売管理業務編)は、紙媒体の既存の教材である。
この教材を採択した理由は、経理業務の理解および IT スキル標準のセールス分野におい
て必須の内容であったためである。また、教育実績もあり、本教育訓練に適切な内容であ
ると判断した。
S05 提案型プレゼンテーションは、紙媒体の既存の教材である。この教材を採択した理
由は、コンサルティング手法等が身につき、ケーススタディを用いた実践に近い教材とな
っていたためである。また、会津大学にはないカリキュラムで、本教育訓練に適切な内容
と判断した。
IT スペシャリストコース、セールスコースで使用した e ラーニング用教材の画面イメー
ジと、教材一覧を以下に示す。
図 5-5
eラーニング画面イメージ
706
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
福島県立会津大学
(現:公立大学法人会津大学)
表 5-8
教材
番号
教材の名称
使用教材一覧
メディア
新規/既存
内容
ページ数
K01
IT スキル標準とキャリアパス
紙媒体
新規
本教育訓練における IT スキル標準の指標と、IT スペシャリストコー
スとセールスのキャリアパスについて説明している。
22
K02
EQ 概論
紙媒体
一部新規
EQ の考え方から EQI 検査結果の読み方と自己プロファイリングの
方法を説明している。
21
新規
コンピュータ技術がどういうアイデアからどのように生まれてきた
か、また近い将来のコンピュータはどうなるのかを紹介している。主
にチューリングマシン、第5世代コンピュータ開発経験、ユビキタス
コンピューティングについて解説している。
40
21
K03
歴史に見る技術
紙媒体
707
K04
e ビジネス概論
紙媒体
新規
電子取引、利用しているインターネットの技術特性を解説し、実際に
行われている e ビジネスの事例を挙げて、その成功要因、失敗要因を
説明している。
K05
コミュニケーションスキル基礎
紙媒体
一部新規
コミュニケーションの原理やその理論から始まって、傾聴、主張、説
得など、インタビューと仕事を遂行する上で、基本的な内容について
説明している。
29
K06
プレゼンテーションスキル基礎
紙媒体
既存
プレゼンテーションの現状を紹介後、プレゼンテーションの準備を段
階ごとに紹介されている。特に、言葉と態度のスキルは、チェックし
ながら学習できる内容になっている。
45
K07
リーダーシップとチームワーク
紙媒体
新規
チームワークを説明してチームの成長のプロセスを紹介している。そ
の後、リーダーシップを PM 理論、SL 理論に分けて紹介しており、
最後にミーティングの説明をしている。
26
K08
問題解決講座
紙媒体
一部新規
問題解決のプロセスにしたがって、状況の把握、下人の把握、解決策
の検討と決定と説明されている。また、資料として、有名な問題解決
のツールが紹介されている。
17
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
教材
番号
教材の名称
福島県立会津大学
(現:公立大学法人会津大学)
メディア
新規/既存
内容
ページ数
13
708
K09
IT 業界における法律
基礎編
紙媒体
既存
なぜ、新しい法律が必要となったか、自分の権利、他人との関わりと
いった視点で、IT 関連の法律を解説している。主に、インターネッ
トでの著作権、ビジネス特許、プライバシー、不正競争防止法につい
て説明している。
K10
IT 業界における法律
応用編
紙媒体
既存
幾つかの事例を挙げ、それぞれの行為がなぜ違反とされたのかを解説
している。また、法律は倫理に基づき制定されることを、事例を通し
て掴めるよう工夫されている。
17
K11
情報倫理
紙媒体
既存
倫理とは何か、なぜ倫理が必要なのかを説明し、ハッカーの倫理、ホ
イッスルブローイングを例に、情報倫理の必要性を教えている。
6
K12
社会システム論
紙媒体
既存
現在の政治システム、経済システム、会社組織を説明し、企業におけ
る個人として、人はなぜ働くのかを問いかける内容である。
7
K13
ビジネスの基本(会社のしくみ編)
WEB
既存
企業のしくみ、ビジネスのしくみについて、社会人として必要な知識
を解説している。
-
K14
ビジネスの基本(ビジネス実務編)
WEB
既存
ビジネス文書の書き方やビジネスマナーはもちろん、E-mail のマナ
ーに至るまで網羅、実践で使える必須知識の習得を目指している。
-
I01
実践型 IT スペシャリスト
紙媒体
既存
実際の現場で必要とされるスキルを身につけるために必要な習慣、姿
勢について解説している。
9
I02
インターネットセキュリティ基礎
-技術者のための-(実習編)
紙媒体
既存
インターネットセキュリティに関する用語、構成、仕組みなどの基礎
知識の幅広い習得を目指している。
220
I03
Oracle SQL 入門
紙媒体
既存
Oracle データベースを利用するために必要な SQL の文法の学習用教
材。
168
I04
UML 入門
紙媒体
既存
オブジェクト指向開発におけるモデル表記の国際標準である
UML(Unified Modeling Language)の概要と各種ダイアグラムの特
徴や目的、記述方法を開発作業に沿って説明している。
136
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
教材
番号
教材の名称
福島県立会津大学
(現:公立大学法人会津大学)
メディア
新規/既存
内容
ページ数
紙媒体
既存
「システムを設計する」とは具体的に何をすることなのかを説明し、
ソフトウェアシステムでの設計技法である、ウォータフォール型開
発、スパイラル開発を対比して、IT における設計の要点を述べる。
8
709
I05
システム設計論
I06
プロジェクトマネジメント
紙媒体
既存
プロジェクトの概要を説明後、計画に関する9つの知識エリアごとに
説明している。
168
S01
マーケティング基本
紙媒体
既存
マーケティングの基礎となる用語・手法・分析等を理解する。ケース
スタディには「ワコール」
「ミスミ」
「アスクル」の既存(慶応ビジネ
ススクールケース)を利用する。
20
S02
顧客価値創造
紙媒体
既存
現在変わってきた企業の姿から、成功と失敗の要因を説明している。
顧客価値の3つのスタイルでは、実際の事例を挙げながら説明してい
る。
27
4
(基礎編)
S03
ビジネスプランのまとめ方
紙媒体
既存
ビジネスモデルの作成に必要な要素を具体的な事例から理解し、簡単
なビジネスモデルの作成・検討を行うことで実践的スキルを身につけ
る。ケーススタディには「楽天市場」「セコム」の既存(慶応ビジネ
ススクールケース)を利用する。
S04
IT ソリューションのための知識
(販売管理業務編)
紙媒体
既存
販売管理業務を理解し、IT ソリューションのための知識の修得を目
指している。
135
既存
プレゼンテーションの基礎スキル(内容構成、話し方等)を確認する。
また、コンサルティング手法等ビジネスの実践で活用できるスキルを
身につける。ケーススタディには「BMW」の既存(慶応ビジネスス
クールケース)を利用する。
38
S05
提案型プレゼンテーション
紙媒体
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
福島県立会津大学
(現:公立大学法人会津大学)
3.6 実施環境
本事業で使用した施設及び利用環境を下表に示す。
表 5-9
場所
使用施設と環境
最大人数
広さ
プロジェクタ
ホワイト
ボード
PC
インター
ネット接続
会津大学
UBIC
21 名
60 ㎡
有
有
20+1 台
有
会津大学
S7 教室
40 名
64 ㎡
有
有
無
無
会津大学
S8 教室
40 名
69.5 ㎡
有
有
無
無
アピオ
研修ルーム
36 名
70 ㎡
有
有
無
無
アピオ
パソコンルーム
21 名
96 ㎡
有
有
20+1 台
有
710
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
4.
早稲田大学
早稲田大学(代表機関:同大学 IT教育研究所)
4.1 事業概要
(1) 事業分野・事業名
対象分野:(学生向け教育訓練)
テーマ名:大学における IT スキル標準の実務教育開発・実証実験
(2) 事業実施体制
※ 機関名・役職等は当時(平成 15 年度:事業採択時)のもの
IT 教育研究所
代 表 機 関
学校法人早稲田大学
申請代表者名
後藤滋樹(早稲田大学 IT 教育研究所)
機関名
役割
(株)内田洋行/(株)ウチダ人材開発センタ
連 携 機 関
ナクシージャパン(株)
コース開発、教材開発、
コース運営、効果測定
NEC(株)
松下電器産業(株)
パナソニックラーニングシステムズ(株)
協 力 機 関
川崎市、
神奈川県情報サービス産業協会
事業実施支援
早稲田大学 理工学部
(3) 背景と目的
早稲田大学 IT 教育研究所では、産学官連携による実務教育および実務能力認定に関す
る研究を行っており、大学や企業の持つ人材育成の理論や手法等を結集し、効果的な教育
訓練および客観的な評価基準作りに取り組んでいる。実務教育とは、大学での学問的な理
論重視の講義ではなく、実際に社会に出て役に立つスキルを習得することを目的に、実践
に近い形で講義と実習を組み合わせた教育訓練である。
そこで、本教育訓練では、早稲田大学 IT 教育研究所の研究成果を基に、大学における
IT スキル標準に則した実務教育開発・実証実験を行うこととした。
本事業では、IT スキル標準に沿って体系化した大学におけるリキュラムおよびコンテン
ツを用いた実務教育を通じて、主に学生・社会人を対象として高度 IT 人材の早期育成を
図る。これにより、本教育訓練の評価・検証を行い、その有効性を検証する。
(4) 産学協同による教育訓練の意義
本教育訓練では、早稲田大学 IT 教育研究所を中心とした産官学協同プロジェクト「大
学における実務教育および実務能力認定に関する研究会」で作成された報告書である「新
711
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
早稲田大学
たなる教育システムの創出に向けて -大学における実務教育および実務能力認定制度-」
(ISBN4-9901695-0-6)の完成後に、特別非営利活動法人 実務能力認定機構の設立を進
めていた関連企業の協力を得て実施した。
代表機関である早稲田大学 IT 教育研究所が全体のプロジェクトを管理し、連携機関と
して、内田洋行/ウチダ人材開発センタ、NEC、ナクシージャパン、松下電器産業/パナ
ソニックラーニングシステムズで連携し、それぞれコース開発、教材開発から、コース運
営、効果測定に至るまでの開発事業を展開した。連携機関各社の教育訓練リソース(既存
教材、教材開発ノウハウ、教育訓練コース運営ノウハウなど)を結集した結果、受講者の
ニーズに応じたコースを提供し満足度が向上しただけでなく、教育効果も高まった。
(5) 教育訓練の概要
【教育訓練の概要】
①
社会人コース
神奈川県情報サービス産業協会傘下の企業に勤務する社会人 18 名を対象に実施。事前
アセスメント調査でスキル把握を行い、教材は、受講者のニーズを反映した講義+実機演
習を行うために連携各社の教材をマージして作成し、即実践向きの講義を提供した。
②
学生コース
早稲田大学理工学部に在籍する学生 20 名を対象に実施。社会人コースと同様に事前ア
セスメント調査を行い、教材は、連携各社の教材をマージして作成し、講義を行った。そ
の後、実機演習でのスキル定着度を計り、上位者には企業での実践研修を受講させた。
大学等の高等教育機関における産学連携教育を促進するという本事業の趣旨に基づき、以下では、
本事業で実施された教育訓練のうち、学生を対象とした事業についての詳細を記載する。
学生コースにおいては、下記の講座名①および②を一つの研修コース「企業の実践技術
習得講座 TCP/IP と Linux によるシステムプラットフォームの構築」として設定した。ま
た、講義で不足する部分に関しては、希望者のみの参加で③を実施した。
i)
講座名①:TCP/IP 編
TCP/IP プロトコルの基本となるアドレッシングや名前解決、ルーティング等について、
講義形式で学習する。
ii) 講座名②:Linux 編
Linux システムのインストールと構築から、実際の運用上に必要な技術や技法を、講義
形式で学習する。
iii) 講座名③:実機演習
講座名①および講座名②の補完カリキュラムとして、実機を用いた Linux システムのイ
712
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
早稲田大学
ンストール・構築を行い、運用上に必要な技術や技法を、演習形式で体験学習する。
【受講者】
学生コースでは、Web 上でのアンケートにより適正診断を行い、20 名を抽出した後、
事前スキルテストでアセスメントを測った。講義および事後テスト実施後、最終的に 13
名が実機演習を受講できるレベルに達し、本教育訓練コースを修了した。企業における実
務研修については、教育訓練コース修了者より 2 名がスキルレベルおよびモチベーション
の高さに沿い、自己申告形式で参加した。
本教育訓練システムにおける実際の受講者の特性および人数を下表にまとめる。
表 5-10
受講者情報詳細
コース名
受講者特性等
人数
学生コース
理工学部情報学科系の大学 2 年生と 3 年生を想定していたが、4 年生か
らも受講希望があり、これらを認めることにした。
内訳は、19 歳 1 名、20 歳 4 名、21 歳 6 名、22 歳 5 名である。
16 人
【教育効果の測定方法等】
本事業では、有効性を実証する観点として、定量的なテストによる評価に加え、各フェ
ーズでのアンケートにより受講者の意識や行動の変化を把握し、ポートフォリオを使って
評価を実施した。
はじめに、受講者のアセスメント調査(アンケートにより実施)により、何を目的とし
た研修であるのかということを明確に提示し、次に、それに合わせた課題演習の講座を教
室型で実施して、講座の単元毎に実施した章末テストに基づき、受講者の講座への理解度
を確認した。日々の理解度については、フィードバックシートで受講者と講師間の相互理
解によりチェックを行った。さらに、こうしたテストによる定量的な評価に加え、講義後
に受講者に配布した個人ポートフォリオ(学習カルテ)を通じ、客観的な第三者によるス
キル評価を実施した。また、希望者には、企業の中で、講義で習得した内容を活かせる仕
事を行い、最後にアンケート調査を行うことで、企業での実践研修の有効性を確認した。
(6) 事業実施年度(平成 15 年度)における成果
学生コースの教育訓練では、IT スキル標準を活用した実務教育について、以下の点が重
要であるという結論に至った。
1)IT スキルについての教育訓練が、体系立てた実践的なものであること
2)体系的な教育訓練の中で、自らのスキルに合わせて単元を選択して学習できること
3)資格研修とのリンクや社会に出て通用する(就職に有利)という裏付けを示すこと
連携企業間においては、各企業から教材・教育訓練ツールを提供し、受講者ニーズに合
わせてカスタマイズすることや、単元毎の組み立て方などで今までに無い教材を作り得た
713
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
早稲田大学
こと、また、コース提供を短期間で実施できたことは評価されると考えられる。
今回実施した IT スキル標準を使った実務教育は、受講者ニーズの反映、教育訓練カリ
キュラムによる具体化、ポートフォリオ評価を通じた講師と受講者の相互理解により、高
い教育効果をあげることが実証できた。
(7) 現在(平成 18 年度)の事業継続状況
現在、本事業で実施された内容と同じ内容の講座は実施していない。本事業で開発した
教材を、そのままの形で学部カリキュラムに入れることは、教育課程の編成上、困難であ
った。しかしながら、開発した教材の部分的な要素は、関連する講義に反映・活用されて
おり、教育課程の見直し時には、その成果を反映する予定である。また、カリキュラム開
発研究は、その後も継続して行っている。
また、本研究所では、FD の一環として、社会・産業界のニーズを反映したカリキュラ
ム研究を積極的に進めている。今年度は、産学協同により、社会人技術者の継続的能力開
発に係わるシステム構築及び実証実験を実施している。また、その他の取り組みとして、
学部横断的教育組織である MNC(メディアネットワークセンター)では、産学協同によ
る IT 関連講座を実施中である。この講座では、各企業が提供する IT 関連の教育コンテン
ツを用いた教育訓練を実施している。
714
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
早稲田大学
4.2 事業成果の提供状況
(1) 事業に関する各種リソースの提供の可否と条件
対象
提供条件
a. 講座シラバスの提供
平成14年度補正事業分については既に提供済み。
以降については、有償であれば提供可能。
b. 講座で使用する市販教材名の提供
平成14年度補正事業分については既に提供済み。
以降については、有償であれば提供可能。
c. 連携企業や講師に関する情報の提供
講師情報は個人情報として保護されるべきものなので、
講座実施直前までは提供不可能。
d. 企業の人材ニーズ(IT 関連のスキル
等)に関する情報の提供
有償であれば提供可能。
e. 教材(オリジナル教材、基盤・ボード
等)の貸与・提供
有償であれば提供可能。
f. コンピュータ環境(ハードウェア、ソ
フトウェア)の貸与・提供
有償であれば提供可能。
g. 講師の派遣
有償であれば提供可能。
h. 企業インターンシップの受け入れ
人材要件や、雇用条件、受け入れ期間等調整の上であれ
ば、受け入れの検討は可能。
i. 寄附講座の提供
現状では不可能。
j. 講座の有効性等の評価方法について
の情報の提供
有償であれば提供可能。
k. 産学が連携した実践的なIT教育に関
する各種相談対応
有償であれば提供可能。
(2) リソース提供に関する連絡先
氏名
宮澤賀津雄
所属・役職
連絡先
03-5286-3988
[email protected]
早稲田大学 IT教育研究所
715
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
早稲田大学
4.3 シラバス
(本事業では、統一テンプレートによる情報公開用シラバスは作成せず)
716
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
早稲田大学
4.4 講師・インストラクタ
(1) 講師・インストラクタの要件
コース運営に携わる講師は、連携機関に所属する講師から、実績のある講師を書類と面
接にて選定した。
(2) 講師・インストラクタ経歴等
本教育訓練を担当した講師・インストラクタの経歴を、以下に示す。
表 5-11
氏名
所属
講師・インストラクタ経歴
経歴・実績
担当コース
(株)ウチダ人材
開発センタ
インストラクション経歴:5 年
インストラクション回数:年間約 86 日
・ ネットワーク系研修全般
・ Windows2000 Server
・ Linux システム管理
・ PC ハードウェアアーキテクチャ
など
学生コース:
Linux 編および
実機演習
日本電気株式会社
インストラクション経歴:15 年
インストラクション回数:3-4 回/月
・ オブジェクト指向開発
・ CIW ファウンデーション
など
社会人コース:UML
によるオブジェクト
指向分析設計編
ナクシージャパン
(株)
インストラクション経歴:2 年
インストラクション回数:5 回/年
・ ネットワーク基礎
・ TCP/IP 概論
など
学生コース:
TCP/IP 編
(株)ウチダ人材
開発センタ
インストラクション経歴:7 年
インストラクション回数:年間約 80 日
・ ネットワーク系研修全般
・ Windows2000 Server
・ Linux システム管理
・ PC ハードウェアアーキテクチャ
など
学生向け比較対照用
コース:
ディストリビューシ
ョン認定 Linux コー
ス
武田栄子
(株)ウチダ人材
(サブ講師) 開発センタ
インストラクション経歴:6 年
インストラクション回数:年間約 60 日
・ ASP 研修
・ データベース系研修
・ Java 系研修
・ HTML 系研修
・ XML 系研修
など
学生コース:
Linux 編および
実機演習
竹内淳郎
川瀬訓範
河合和順
藤野麻郎
717
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
氏名
池見達也
(企業での
実践研修監
督者)
所属
パナソニック
ラーニング
システムズ(株)
早稲田大学
経歴・実績
パナソニックラーニングシステムズ(株)
技術統括責任者
718
担当コース
学生コース:
企業での実践研修
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
早稲田大学
4.5 教材
(1) 教材選定理由
今回の教材の選定にあたっては、
1.
既存書籍の利用
2.
新規作成
3.
既存書籍のカスタマイズ
の3パターンを検討した。
事前テスト、講座内の章末問題、事後テストという教育手法や、IT スキル標準に準じた
講義構成を考慮すると、2の新規作成がもっとも適している。しかし、コストとの兼合い
や時間的制約もあり、極力 IT スキル標準および教育訓練手法に合わせた形で3の既存書
籍のカスタマイズを行った。なお、カスタマイズで不足の部分(テストや演習課題など)
は、新規に作成した。
(2) 使用教材
本事業における学生コースでは、以下の教材が使用された。
コース名
「企業の実践技術習得講座 TCP/IP と Linux によるシステムプラットフォームの構築」
講座名①:TCP/IP 編
講座名②:Linux 編
講座名③:実機演習
その他①:自習用 CD-ROM 教材
その他②:eラーニング
その他③:CBT
以下には、教材一覧とeラーニング画面のイメージを示す。
719
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
早稲田大学
表 5-12
教材
番号
5
教材の名称
TCP/IP 編
メディア
紙媒体
学生コース使用教材
新規/既存
改訂箇所
内容
既存改定
全 8 章立ての書籍から「TCP/IP 体系とアドレ
ス指定」、「アプリケーションの動作」、「ネッ
トワークのトラブルシューティング」の章を
割愛。
TCP/IP 関連技術のうち、サーバ構築に必要な部位
を抜き出し、より実践的な内容とした。
全 16 章立ての書籍から PC ハードウェア、ネ
ットワーク、印刷システム、環境カスタマイ
ズ、トラブルシューティングの章を割愛。
Linux 基礎の部分はプロローグとして紹介。
全 9 章構成(プロローグ込みだと 10 章構成)。Linux
システムのインストールからシステム管理までを
実機演習をふまえて学習する。
720
6
Linux 編
紙媒体
既存改定
7
実機演習課題
紙媒体
新規
特に無し
テキスト各章毎の実機演習の記述
8
自習用 CD-ROM
CD-ROM
既存
特に無し
「ネットワーク入門」、「ネットワーク LAN」、「ネ
ットワーク WAN」、「ネットワーク TCP/IP」
既存
指定部分のみ学習
・TCP/IP STEP1 第 6 章
・TCP/IP STEP2 第 1 章
・Linux 全章
「ネットワーク TCP/IP STEP1」、「ネットワーク
TCP/IP STEP2」、
「Linux によるインターネットサ
ーバ構築」
特に無し
事前テスト:TCP/IP20 問 Linux40 問
(2 種類で 1 テスト)
章末テスト:TCP/IP 章末 2 テスト、各 8-12 問
Linux 章末 5 テスト、各 7-15 問
事後テスト:TCP/IP20 問 Linux40 問
(2 種類で 1 テスト)
9
10
eラーニング
CBT(事前、章末、事
後)
Web
Web
新規
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
早稲田大学
721
図 5-6
eラーニング画面のイメージ
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
早稲田大学
4.6 実施環境
本事業の学生コースは、以下のような環境で実施された。
講座名①:TCP/IP 編
早稲田大学理工学部
第二端末室
講座名②:Linux 編
早稲田大学理工学部
第四端末室
講座名③:実機演習
(株)ウチダ人材開発センタ
表 5-13
施設名
アプロス銀座校
早稲田大学 学生コース実施施設
場所
規模
早稲田大学
理工学部
第二端末室
早稲田大学大久保
キャンパス 59 号館
4F
45 名定員を 22 名(講
師、事務局含む)で
使用想定
受 講 者 PC45 台
(Windows 環境)、 視聴覚設備あり
ネットワークあり
早稲田大学
理工学部
第四端末室
早稲田大学大久保
キャンパス 61 号館
3F
70 名定員を 22 名(講
師、事務局含む)で
使用想定
受 講 者 PC70 台
(Linux 環境)、ネ
ットワークあり
視聴覚設備あり
(株)ウチダ人材
開発センタ
アプロス銀座校
B 教室
中央区銀座2-8-9
木挽館銀座ビル4F
24 名定員を 22 名(講
師、事務局含む)で
使用想定
受 講 者 PC20 台
(Linux 環境)、ネ
ットワークあり
視聴覚設備あり
722
環境/施設
備考
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
5.
九州工業大学/近畿大学
九州工業大学/近畿大学(代表機関:サン・マイクロシステムズ)
5.1 事業概要
(1) 事業分野・事業名
対象分野:(学生向け教育訓練)
テーマ名:起業・創業に繋がる実践型 Java 育成システム
(2) 事業実施体制
※ 機関名・役職等は当時(平成 15 年度:事業採択時)のもの
代 表 機 関
サン・マイクロシステムズ(株)
申請代表者名
岩本孝泰(サン・マイクロシステムズ(株)
エデュケーション・サービス本部 本部長)
機関名
連 携 機 関
役割
(株)三井物産戦略研究所
コース開発・運営
(株)福岡ソフトウェアセンター
研修運営
(財)飯塚研究開発機構
インターンシップ受入企業の斡旋
飯塚市
企業・大学との調整支援
九州工業大学 情報工学部
受講希望生の斡旋
近畿大学 九州工学部
協 力 機 関
日本サード・パーティ(株)
講師派遣
(株)コメット
スキル・チェック支援
(株)キューブス
スキルチェックサービス提供
(3) 背景と目的
「トライバレー構想」の名で知られる飯塚市の新産業創出では、最大の資産である理工系
大学の人材を活かすこと、地域の既存産業とのシナジー(相乗効果)、参入の容易性などを
考慮して、“情報産業(IT)”を最大のターゲットと考えている。しかし、
① 学生の地元定着率が低く、人材を育成しても卒業後は、東京や大阪に流出してしま
う(九工大、近畿大ともに、進学以外で嘉飯山地区へ残るのは、数名程度に留まり、
就職者数の1~3%程度となっている)。
② ベンチャーの起業は進んでいるものの、そのサポート役となるビジネス経験豊富な
人材が乏しい。
等の課題もあり、情報系学生に対し、在学中から起業・創業に結びつく教育訓練を実施
していくことが必要であるとの認識があった。
「トライバレー構想」推進においては、現在
の情報通信技術の中でも特に技術者不足が深刻であり、開発環境整備におけるコスト面で
723
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
九州工業大学/近畿大学
の容易さ等から、起業・創業に直結しやすい Java 技術に焦点を当て、人材の育成に取り
組んでいる。
本教育訓練は、これから IT サービスに従事しようとしている学生に対して、実践的な
Java テクノロジを修得させるとともに、地元の IT ベンチャー企業への就職や起業・創業
意識を高めることを目的として実施された。特に、地元で起業した IT ベンチャー企業な
どで学生が実務経験を積むことにより、ベンチャー企業の良さを理解させ、地元就職や起
業・創業に繋がる人材として育成できるものと考えた。
(4) 産学協同による教育訓練の意義
本事業では、地元大学からの受講者募集や、地元ベンチャー企業でのインターンシップ
の実施があり、産官学連携は不可欠である。本事業実施にあたり、飯塚市、地元に籍を置
く大学およびベンチャー企業などとの協力・連携体制が構築できた。このことにより、受
講者のみならず地域への貢献という意味でも有効なトレーニングが実施できたと考える。
また、飯塚市との連携により、本事業への地元大学および地元企業の信頼が増した他、大
学との連携により、受講生である学生の信頼が増したと考える。
結果として、この産官学連携による実施体制で、よりトレーニング効果が出たと考える。
(5) 教育訓練の概要
【教育訓練の概要】
「学生向け Java トレーニング」コースでは、学生が IT サービスに従事するために必要
となる実践的なスキルを効率的に修得できる仕組みを提供する。その仕組みとしては、3
フェーズ(基礎教育、ワークショップ、インターンシップ)のトレーニングを実施した。
各フェーズは、以下のスキル修得を目的としている。
① 基礎教育
・・・・・・・開発に必要な Java テクノロジの修得
② ワークショップ
③ インターンシップ
・・・・開発プロジェクトをグループで疑似体験
・・・企業での開発業務経験
インターンシップでは、インターンシップ受け入れ企業に対して IT スキル標準に基づ
いた従業員スキルチェックを行い、企業毎の従業員技術スキル傾向を受講生に公開した。
これにより、受講生は、各企業の事業内容などに加えて、従業員のスキル傾向からもイン
ターンシップ先企業を選択することが可能となった。
また、地元就職ひいては起業・創業に繋がる意識を高めるため、インターンシップ受け
入れ企業は、市が支援する起業・創業の源であるインキュベーション施設に籍を置く IT
ベンチャー企業を中心に募った。
【受講者】
実施期間が長いにもかかわらず、応募者は、定員 14 名に対し、23 名であった。想定で
724
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
九州工業大学/近畿大学
は大学3・4年生が多いと思われたが、大学院生の応募が8名と意外に多かった。
本教育訓練事業における実際の受講者の特性及び人数を下表にまとめる。受講生は、情
報工学系の学生で、大学院生6名、大学生7名、短大生1名となった。短大生1名に関し
ては、前提知識が不足していたため、飯塚市で実施中の Java 技術トレーニングを事前に
受講させた。
表 5-14
受講者情報詳細
コース名
受講者特性等
学生向け
Java トレーニング
事前実施した Java 基礎テストにおいて、正解率 70%以上の学
生は 9 名であった。残り 5 名に関しては、本事業の有効性を広
範囲に検証するため、正解率 40%以上の学生を 4 名、40%未満
の学生を 1 名選定した。
人数
14 人
【教育効果の測定方法等】
各フェーズの実施前後に、オンラインで IT スキルチェック(IT スキル標準で定義され
た職種 IT スペシャリスト、アプリケーションスペシャリストのエントリレベルに対応)
を行った他、受講日報およびアンケートを実施し、スキル向上度合い確認した。
「基礎教育」および「ワークショップ」では、担当講師による受講者の IT スキル評価
を行い、「インターンシップ」では、インターンシップ受け入れ企業によって、学生の IT
スキル評価を行って頂いた。
「ワークショップ」最終日および「インターンシップ」最終日には、発表会を実施し、
ワークショップまたはインターン期間中に行ったシステム開発に関する評価を、評価者(大
学教授、ベンチャー企業技術者、市職員)に評価して頂いた。
また、教育訓練実施前後には、Java に関するテストを行い、技術スキル向上の目安とし
た。
(6) 事業実施年度(平成 15 年度)における成果
3フェーズ(「基礎教育」、「ワークショップ」、「インターンシップ」)構成で、一貫性の
ある内容で提供したことにより、各フェーズで予想どおりのスキル向上が見られた。
また、地元企業への関心・理解が思った以上に深まり、起業意識が思っていた以上に醸
成された。学生は、インターン生として地元のベンチャー企業で経験を積んだが、これに
より、80%以上の学生が、地元企業への理解が深まったと言っている。インターンシップ
で、地元ベンチャー企業の良さを実感した学生が多く、学生の 50 %以上がインターンシッ
プ先企業に「就職したい」もしくは「機会があれば就職したい」と答えている。
さらに、受講生の中から起業を目指すものまで出てきた。現在、飯塚市の起業支援制度
を活用し、起業準備を進めている。平成 16 年1月には、市の企業インキュベーション施
設で活動を開始する。これは、起業精神の新鮮さの残るベンチャー企業で業務経験したこ
725
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
九州工業大学/近畿大学
とが、学生の意識を変えた良い結果と思われる。
(7) 現在(平成 18 年度)の事業継続状況
九州工業大学は、文部科学省の平成 17 年度「現代的教育ニーズ取組支援プログラム:
人材交流による産学連携教育」に採択され、「地元企業と連携した実践的 IT 技術者教育」
というテーマで、サン・マイクロシステムズ株式会社と協同で、カリキュラム・教材開発
を行った。また、平成 18 年度には、サン・マイクロシステムズ株式会社と地元企業が、
九州工業大学に講師を派遣した他、地元企業が学生のインターンシップを受け入れた。
九州工業大学では、学部を構成する5学科全てが JABEE(日本技術者教育認定機構)
の認定を受けており、質の高い教育訓練の運営に取り組んでいる。また、大学院において
も、産業界の人材を客員教授・非常勤講師として招いて、実践的 IT 技術者教育訓練を行
っている。
726
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
九州工業大学/近畿大学
5.2 事業成果の提供状況
(1) 事業に関する各種リソースの提供の可否と条件
対象
提供条件
a. 講座シラバスの提供
著作権等の取り扱い、有償
b. 講座で使用する市販教材名の提供
市販教材の使用は想定していない。
c. 連携企業や講師に関する情報の提供
作業が発生するのであれば有償
d. 企業の人材ニーズ(IT 関連のスキル
等)に関する情報の提供
作業が発生するのであれば有償
e. 教材(オリジナル教材、基盤・ボード
等)の貸与・提供
著作権等の取り扱い、有償
f. コンピュータ環境(ハードウェア、ソ
フトウェア)の貸与・提供
大学側:正規の授業等に支障がない限り可能。場合によ
っては、有償
サン側:有償
g. 講師の派遣
有償
h. 企業インターンシップの受け入れ
不可、可能性としてはパートナー企業の紹介
i. 寄附講座の提供
無償提供は不可
j. 講座の有効性等の評価方法について
の情報の提供
作業が発生するのであれば有償
k. 産学が連携した実践的なIT教育に関
する各種相談対応
作業が発生するのであれば有償
(2) リソース提供に関する連絡先
氏名
柳瀬尚起
所属・役職
連絡先
サン・マイクロシステムズ株式会社
サービスビジネス・推進統括本部
サービスビジネス本部
727
06-6265-5716
[email protected]
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
九州工業大学/近畿大学
5.3 シラバス
(本事業では、統一テンプレートによる情報公開用シラバスは作成せず)
728
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
九州工業大学/近畿大学
5.4 講師・インストラクタ
(1) 講師・インストラクタの要件
担当講師としては、Java の技術知識、設計・分析知識、システム開発経験、インストラ
クタ経験が豊富であり、受講者へのサポートを十分に行える者を選定した。
(2) 講師・インストラクタ経歴等
本事業の教育訓練は、「基礎教育」、「ワークショップ」、「インターンシップ」から構成
され、集合教育である「基礎教育」、「ワークショップ」は、以下のようなの経歴を持つイ
ンストラクタが担当した。
表 5-15
氏名
インストラクタ業務経歴
所属
経歴・実績
担当コース(*1)
Sun 認定講師でもあり、Java の技術知識が
日本サード・
榎本直紀
パーティ(株)
豊富で、数多くの Java トレーニング講師を
務める。また、Java トレーニングコースの
開発も担当する。グループで行う技術トレ
基礎教育
ワークショップ
ーニングを得意とする。
期
間
業
務
名
2000/6~2000/9
Java トレーニング業務
-Java プログラミング基礎
2000/10~
Sun 認定講師として Java トレーニング業務
-Java プログラミング基礎:6 コース
-Java と XML に関するプログラミング:2 コース
-Java とセキュリティ に関するプログラミング:2 コース
-Web アプリケーションに関するプログラミング:1 コース
2001/1~2001/3
某出版会社の Java2 試験(SJC-P) 解説本監修業務
2001/8~2001/11
Sun トレーニングコース開発業務
-Java Servlet に関するプログラミング
2001/12~
社内システム管理開発業務
-トレーニング用インストールサーバ、ファイルサーバ、プロキシサーバ構築
2002/7~2002/8
岐阜県下地方自治体との学生向けトレーニング業務
-学生向け(高校生)の 10 日間 Java プログラミング基礎
2002/10~
新大阪トレーニングセンタ転勤
-関西圏の教育サービス営業サポート業務
-新大阪トレーニングセンタのマシン管理業務
2003/1~2003/4
Sun トレーニングコース開発業務
-Java と Web サービスに関するプログラミング
2003/7~2002/8
岐阜県下地方自治体との学生向けトレーニング業務
-学生向けの 10 日間 Java プログラミング基礎
729
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
九州工業大学/近畿大学
5.5 教材
本事業のトレーニングで使用された教材は、下表のとおりである。
使用教材は、全て紙媒体であり、教材毎に含まれている実習課題を実施するため、ソー
スプログラムをサーバおよび各受講者用 PC にインストールして使用した。これまでに技
術トレーニングを実施した経験から、市場で普及し、実績もあるオープンなツール、ソフ
トウェアを使用したトレーニングが実施できることなどを基準に、既存教材の中から選定
し、効率的にスキル修得できる順番・構成を考慮して提供した。
730
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
九州工業大学/近畿大学
表 5-16
教材
番号
教材の名称
メディア
使用教材一覧
新規/既存
内容
紙媒体
既存
本編として、サーブレット概要、サーブレットの作成、セッション・トラッキング、JSP、
カスタムタグ、サーブレットと JSP の設計を説明。付録として、実習問題解答例、
Deployment Descriptor 、 Application Lifecycle Events 、 フ ィ ル タ リ ン グ 機 能 、
BodyTagSupport クラス、JSTL、World Wide Web の概要を収録。
2
Servlet、JSP を活用した
Web アプリケーション開発2
紙媒体
既存
本編として、RDBMS とは、mSQL コマンドについて、JDBC の使用を説明。付録とし
て、実習課題解答例、MsqlJava、mSQL マニュアルを収録。
3
Struts フレームワークを活用した
効率的な開発
紙媒体
既存
本編として、Struts 概要、Struts アプリケーションの構成、Struts アプリケーションの
開発、タグライブラリ、Struts のいろいろな機能、入力チェック機能、Struts1.1 の新
機能、Struts の今後のロードマップを説明。付録として、情報源、環境構築を収録。
4
Struts フレームワークを活用した
効率的な開発 実習テキスト
紙媒体
既存
本編として、実習で使用する環境、実習課題を説明。付録として、実習課題解答例を収
録。
5
オブジェクト指向
システム分析・設計
紙媒体
既存
本編として、分析・設計概要、UML 概要、分析・設計入門を説明。付録として、オブ
ジェクト指向概要、Unified Process 概要を収録。
6
Java アプリケーション開発
ワークショップ
紙媒体
既存
本編として、社員情報管理システム、会議室予約システムを説明。付録として、MVC モ
デル概要を収録。
7
Java アプリケーション開発
ワークショップ 実習課題解答例
紙媒体
既存
付録として、実習課題解答例を収録。
8
HTML
紙媒体
既存
本教材は、補助教材として使用。本編として、WWW の概要、HTML の概要、HTML
の基本、HTML タグ、フォームを説明。付録として、実習課題解答例、CCS(Cascading
Style Sheets)、JavaScript の概要、HTML タグ一覧を収録。
731
1
Servlet、JSP を活用した
Web アプリケーション開発1
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
九州工業大学/近畿大学
5.6 実施環境
本事業の教育訓練を実施するにあたり、集合教育である「基礎教育」、
「ワークショップ」
は「集合教育で利用した施設」のとおり、福岡ソフトウェアセンターの施設を利用した。
「インターンシップ」に関しては、
「インターンシップ受け入れ企業一覧」のとおり、イン
ターン受け入れを承諾頂いた地元ベンチャー企業の施設で実務経験を積んだ。
表 5-17
集合教育で利用した施設
施設名
(株)福岡ソフトウェアセンター
住所
〒820-0066 福岡県飯塚市大字幸袋 526 番地の1
食事・喫茶
設備
ポエム
リフレッシュコーナー
教室
101 号室(88 ㎡)、102 号室(76 ㎡)、103 号室(92 ㎡)、104 号室(142 ㎡)
会議室(48 ㎡)、多目的室(228 ㎡)、多目的室(114 ㎡)
外観、環境
URL
http://www.fsc-go.co.jp/
表 5-18
インターンシップ受け入れ企業一覧
企業名
(株)麻生情報システム
住所
福岡県飯塚市幸袋(トライバレーセンター)
従業員数
132 人
情報システムの開発及びその販売、情報システムの業務処理受託、情報機器の販売
事業内容
及び賃貸、情報ネットワーク・サービス業務、情報システムに関する教育及びコン
サルティング
URL
http://www.aso-group.co.jp/ais/index.html
企業名
(株)キューブス
住所
飯塚市幸袋 526-1-303
従業員数
10 人
研究開発事業(ウェブマーケティングサーバ開発など)、ネットワーク事業(システ
事業内容
ム設計・開発・運用・保守など)、教育事業(コンピュータ教育)、DTP 事業(情報
誌編集発行など)
URL
http://www.cuebs.co.jp
732
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
九州工業大学/近畿大学
企業名
(株)サイバービーイング
住所
福岡市天神1-10-31 因幡ビル4F
従業員数
25 人
データベースプログラム開発
事業内容
ネットワーク構築・管理
インターネットコンテンツ開発
URL
http://www.cyberbeing.co.jp/
企業名
(株)ハウ・インターナショナル
住所
飯塚市幸袋
従業員数
21 人
JAVA アプリケーション開発
事業内容
e ソリューションサービス
ネットワークセンター
URL
http://www.haw.co.jp/
企業名
(有)マルテック
住所
福岡県飯塚市川津 216-1-105
従業員数
6人
事業内容
URL
IP 電話、携帯電話の周辺技術の研究開発
システムソフトウェア開発
http://www.maltech.ne.jp/
733
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
6.
東京都立科学技術大学
(現:首都大学東京)
東京都立科学技術大学[現:首都大学東京](代表機関:同大学)
6.1 事業概要
※ 東京都立科学技術大学は、現在、首都大学東京に
統合されています。
(1) 事業分野・事業名
対象分野:(学生向け教育訓練)
テーマ名:ITSS に準拠した高度 Linux 教育訓練システム
(2) 事業実施体制
※ 機関名・役職等は当時(平成 15 年度:事業採択時)のもの
代 表 機 関
東京都立科学技術大学
申請代表者名
石島辰太郎(東京都立科学技術大学 学長)
機関名
役割
学校法人河合塾学園
連 携 機 関
NPO 法人エイ・アイ・アイ
実証事業の基本計画・評価方法策
定、実験結果の分析
NPO 法人エルピーアイジャパン
コース開発
(株)教育戦略情報研究所
基 本 計 画 策 定 、 IT ス キ ル 標 準 と
LPIC の整合性調査、コース設計
(株)エデュネット
住商エレクトロニクス(株)
受講者選出、実施協力等
(株)日立製作所
(3) 背景と目的
IT 業界では、オープンソースシステムに対する取り組みが活発である。中でも、Linux
はシステム全体の基盤技術であり、その普及・活用は、ここ数年間で、加速の度合いを増
している。このような状況の中、IT 業界では、高度 Linux 人材の不足が顕在化しつつあ
り、とりわけ、IT スキル標準フレームワークにおけるミドルレベル・ハイレベルに相当す
る高度なスキルを備えた人材の育成・キャリアシフトが急務となっている。具体的な人材
像としては、応用レベルのシステム管理を担えるスペシャリストや、Linux ベースの IT
化推進プロジェクトをマネジメントできるスペシャリストなどである。
このような現状をふまえ、本事業では、IT スキル標準と Linux 人材のスキル指標であ
る LPIC を相互に参照することを基本として、高度 Linux 教育訓練システムを構築し、そ
の実施を通して、教育訓練の有効性を検証する。ここでは、IT スキル標準フレームワーク
に沿ったエントリレベルからミドル、ハイレベルに至る一連の教育訓練の系統を実現し、
IT 業界における高度 Linux 人材の育成・確保に資するものとする。
734
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
東京都立科学技術大学
(現:首都大学東京)
(4) 産学協同による教育訓練の意義
本教育訓練事業は、教育機関(大学、専修学校)と IT 企業による産学連携体制の下で
推進した。この体制を取ることによって、教育訓練構築のプロセスにおいては、企業サイ
ドの要望や意見を、コース内容にダイレクトに反映させることが可能となった。本教育訓
練では実務場面を題材としたケーススタディに重きを置いているため、とりわけ実務現場
の状況をふまえた意見や評価は貴重なものとなった。また、教育訓練の実施に際しては、
IT 企業との連携によって、業務上 Linux のスキルの修得を必要としている IT エンジニア
を受講者として確保することができた。実施後についても、教育サイド、企業サイド双方
から、各コースに対する評価が得られることとなり、教育訓練に対する総括的な検証を行
うことが可能となった。
(5) 教育訓練の概要
【教育訓練の概要】
本教育訓練は、Linux システム操作コース、Linux システム管理コース、Linux プロジ
ェクト管理コースの3つで構成されている。
実証実験では、連携機関及び協力機関に所属する IT 技術者を受講者(被験者)として
募り、3コース全てを実施した。
①
Linux システム操作コース
Linux システム操作コースは、IT スキル標準に定義された職種「オペレーション」のレ
ベル1~3相当のスキルの修得を目標とし、2つの科目「Linux 入門」「ケーススタディ」
で構成されている。教育訓練の形態はいずれも集合研修、講義と実機を用いた実習である。
②
Linux システム管理コース
Linux システム管理コースは、IT スキル標準に定義された職種「IT スペシャリスト」
のレベル4・5相当のスキルの修得が目標であり、4つの科目で構成されている。
「Linux
管理」は Web による e ラーニング、「Linux 応用管理」「Linux 応用管理ケーススタディ」
「フォローアップ」は講義と実機を用いた実習である。「Linux 応用管理ケーススタディ」
ではグループ演習も行う。
③
Linux プロジェクト管理コース
Linux プロジェクト管理コースは、IT スキル標準に定義された職種「プロジェクトマネ
ジメント」のレベル4相当のスキルの修得を目標とした。4つの科目で構成されている。
「プロジェクト管理の知識Ⅰ」「プロジェクト管理の知識Ⅱ」は Web による e ラーニング
である。「PMBOK による IT プロジェクトマネジメント実践法」は講義、「Linux プロジ
ェクト管理ケーススタディ(プロトタイプ評価)」は講義とグループ演習である。
本教育訓練のコースフローについて、次頁に示す。
735
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
東京都立科学技術大学
(現:首都大学東京)
【受講者】
本教育訓練における実際の受講者の特性及び人数を下表に示す。いずれも、連携機関も
しくは協力機関に所属する IT エンジニアであった。
表 5-19
コース名
受講者情報詳細
受講者特性等
定員
Linux システム操作
想定どおり、20 歳代前半のエントリレベルの IT エンジニアが中
心となった。担当業務はソフトウェア開発が最も多く、これに次
ぐのが情報システム運用・保守であった。Linux 未経験者を想定
したが一部に経験者が含まれていた。但し、本コースの目標レベ
ルのスキルを事前に保有している受講者はいなかった。
17 名
Linux システム管理
職務経験年数 1 年未満から 10 年以上までとその幅は広いが、20
歳代後半から 30 歳代が中心層で、実務経験数の平均は約 5 年の
IT エンジニアであった。ネットワークや情報システム、プラット
フォームの構築・運用を担当業務とする受講者が多かった。
16 名
Linux プロジェクト
管理
全員が IT 分野での実務経験年数 10 年以上のキャリアを持ち、プ
ロジェクト管理のサブリーダー以上の経験を有する IT エンジニ
アであった。
3名
<コースフロー>
■Linux システム操作コース(9/9~11、9/17・18)
集合研修
Linux 入門
ケーススタディ
3 日間
2 日間
■Linux システム管理コース(10/6~11/7)※集合研修は 10/28~30、11/5~7
e ラーニング
集合研修
Linux 管理
Linux 応用管理
3 週間
3 日間
Linux 応用管理
ケーススタディ
2 日間
フォローアップ
1 日間
■Linux プロジェクト管理コース(10/6~11/5)※集合研修は 10/14~16、10/21・22
e ラーニング
プロジェクト
管理の知識Ⅰ
集合研修
コースフロー
PMBOK による IT
Linux プロジェクト
プロジェクトマネジ
管理
メント実践法
ケーススタディ
1 週間
2 日間
3 日間
e ラーニング
プロジェクト
管理の知識Ⅱ
2 週間
【教育効果の測定方法等】
Linux システム操作コース及び Linux システム管理コースでは、受講者のスキルアップ
736
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
東京都立科学技術大学
(現:首都大学東京)
の測定は、スキル申告、客観テスト、スキル管理システム SSI for ITSS、受講者アンケー
トによって行った。Linux プロジェクト管理コースでは、スキル管理システム SSI for ITSS
と受講者ヒアリングによってスキルアップ度合いを測定した。
Linux システム操作コース及び Linux システム管理コースでは、コース満足度の測定を、
受講者アンケートと受講者上長アンケートにより行った。Linux プロジェクト管理コース
では、受講者ヒアリングにより、スキルアップの状況を把握した。
(6) 事業実施年度(平成 15 年度)における成果
Linux システム操作コースでは、大半の受講者が当初に想定した訓練目標に到達したこ
とが検証できた。Linux システム管理コースでは、コースの想定した事前スキルを有する
受講者については期待された水準の訓練目標に達したことが検証できた。いずれのコース
共、受講者の満足度も高く、全体を通して教育訓練としての有効性が確認できた。
教育方法に対する事業の成果では、ケーススタディがスキル練成に有効な方法であるこ
とが確かめられた。一般に、エントリレベルの教育訓練では、OJT を前提として系統的な
知識の学習に注力することが多い。しかし、見方を変えれば、実務経験に乏しい受講者で
あるからこそ、仮想的な場面の中で、知識をどう組み合わせて適用すべきかを考えさせる
ケーススタディが有効に機能すると言うこともできる。ただし、ケーススタディの指導に
ついては、インストラクタ個人のスキル・経験への依存度が高く、適切な指導方法のあり
方についての検討は、今後の課題である。また、職種やレベルに応じたケースの選定やス
トーリ展開、系統的学習との接続性確保などは、継続的な検討テーマであることが明らか
となった。
実証実験全体の結果を総括的に見ると、IT スキル標準のフレームワークと LPIC を土台
とすることにより、エントリレベルから段階的にスキルアップするための一連の体系が構
築できたものと考えられる。細部において今後の調整が必要な箇所はあるものの、全体と
しては、当初想定した内容・水準のものを形作ることができた。ただし、ミドルレベルか
らハイレベルにスキルアップを図る Linux プロジェクト管理コースについては、基本的な
内容構成は想定どおりであるが、実証実験で収集された基礎情報に基づく内容面の更なる
充実化が次のステップとなる。
(7) 現在(平成 18 年度)の事業継続状況
本事業で実施した Linux 教育訓練の核とも言えるケーススタディ等の教育手法は、既存
の授業科目に取り入れられ、東京都立科学技術大学の三年次専門選択科目「IT プロジェク
ト演習」において、同様のアプローチによる演習が実施された。同科目は、平成 15 年度
の事業実施以降、毎年 10 名程度の学生が選択・受講した。
また、それ以外の取り組みとして、産学協同による IT 関連のカリキュラム・教材の開
発や、企業人による特別講義も実施されている。
737
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
東京都立科学技術大学
(現:首都大学東京)
さらに、東京都立科学技術大学の当該事業担当者の多くが、現在は、産業技術大学院大
学に着任している。産業技術大学院大学では、産業界の人材が教員として雇用され、実践
性の高い教育の実現に取り組んでいる。
738
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
東京都立科学技術大学
(現:首都大学東京)
6.2 事業成果の提供状況
(1) 事業に関する各種リソースの提供の可否と条件
対象
提供条件
a. 講座シラバスの提供
該当なし
b. 講座で使用する市販教材名の提供
LPI Linux認定試験 LPIC Level1
(日本ライセンスバンク)
c. 連携企業や講師に関する情報の提供
内容如何
d. 企業の人材ニーズ(IT 関連のスキル
等)に関する情報の提供
該当なし
e. 教材(オリジナル教材、基盤・ボード
等)の貸与・提供
提供形態により提供可能(一部、提供者との取り決めが
必要)
f. コンピュータ環境(ハードウェア、ソ
フトウェア)の貸与・提供
g. 講師の派遣
h. 企業インターンシップの受け入れ
i. 寄附講座の提供
j. 講座の有効性等の評価方法について
の情報の提供
提供者と利用者の間で取り決めが必要
k. 産学が連携した実践的なIT教育に関
する各種相談対応
内容如何
(2) リソース提供に関する連絡先
氏名
谷田部賢一
所属・役職
連絡先
03-5545-9505
[email protected]
(株) 教育戦略情報研究所
739
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
東京都立科学技術大学
(現:首都大学東京)
6.3 シラバス
(本事業では、統一テンプレートによる情報公開用シラバスは作成せず)
740
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
東京都立科学技術大学
(現:首都大学東京)
6.4 講師・インストラクタ
(1) 講師・インストラクタの要件
インストラクタは、教材を制作した企業に対して、教材内容を熟知した適任者を選出し
てもらうという方法で確保した。ただし、科目「PMBOK による IT プロジェクトマネジ
メント実践法」は、一般公開セミナーであるため、これにあたらない。
(2) 講師・インストラクタ経歴等
本教育訓練を担当した講師・インストラクタの経歴は、以下のとおりである。
表 5-20
氏名
佐藤大輔
末永貴一
濱野賢一朗
佐藤義男
山田計成
大石光男
所属
講師・インストラクタの経歴
経歴・実績
担当コース
アミュレット(株)
Linux やオープンソース系の講
座を担当。インストラクション以
Linux システム操作
外では、システム設計・導入、
Linux サポート業務などを担当。
(株)エイチアイ
Linux、Java、LPIC 関連などの
講座を担当。インストラクション
以外では、Windows アプリケー
ション、Web 系システムの開発
を担当。
Linux システム管理
(Linux 応用管理)
(株)びぎねっと
サーバ構築・運用管理、Linux
セキュリティ、RDB 運用管理な
どの講座を担当。インストラクシ
ョン以外では、システム設計・運
用管理、教材開発などを担当。
Linux システム管理
(Linux 応用管理
ケーススタディ)
(株)アルゴシステム創研
米国 PMI 認定 PMP。日本プロジ
ェクトマネジメント・フォーラム
(JPMF) 筆頭副会長。
Linux プロジェクト管理
(PMBOK による IT プロ
ジェクトマネジメント実
践法)
(株)エクストリーク
金融システム構築、インターネッ
Linux プロジェクト管理
トシステム構築などのプロジェ
(Linux プロジェクト管
クトマネジメント、基幹系システ
理ケーススタディ)
ムコンサルティングなどを担当。
(株)エクストリーク
UNIX、TCP/IP などの講座を担
Linux プロジェクト管理
当。インストラクション以外で
(Linux プロジェクト管
は、システム運用、サーバ構築、
理ケーススタディ)
サポートなどを担当
741
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
東京都立科学技術大学
(現:首都大学東京)
6.5 教材
①
Linux システム操作コース
Linux システム操作コースで使用した教材は、「Linux 入門」「Linux ケーススタディブ
ック」「LPI Linux 認定試験」である。
「Linux 入門」は、Linux 初心者を対象とした社会人教育訓練で使用実績があり、イン
ストールや基本コマンド、ネットワーク設定など Linux の基礎がコンパクトにまとめられ
た教材である。
「Linux ケーススタディブック」は、Linux システムオペレーション業務を
担当するエントリレベルのエンジニアを想定したケーススタディ方式の教材で、アカウン
ト管理やソフトウェア導入など6つのケースで構成されている。「LPI Linux 認定試験」
は、コマンドリファレンス形式の教材で、サイドテキストとして使用した。
②
Linux システム管理コース
Linux シ ス テ ム 管 理 コ ー ス で 使 用 し た 教 材 は 、「 Exam201 対 応 LPIC Level 2 」
「Exam202 対応 LPIC Level2」「Linux システム管理者ケーススタディブック」「LPIC
レベル2徹底対策セミナー」である。
「Exam201 対応 LPIC Level2」「Exam202 対応 LPIC Level2」は、各種サーバの構
築・運用管理、トラブルシューティング、セキュリティ確保など、ミドルレベルの Linux
システム管理者に求められるスキルを系統的に扱った教材である。内容・水準は LPIC レ
ベル2に準じているが、現在のところこれと同様の書籍は市販されていない。
「Linux シス
テム管理者ケーススタディブック」は、Linux システム管理業務を担当するミドルレベル
のエンジニアを想定したケーススタディ方式の教材で、障害対策やネットワーク移設など
8つのケースで構成されている。
「LPIC レベル2徹底対策セミナー」は、本コースで取り
上げた Linux の知識を設問形式で確認・整理する内容の教材である。また、本コースで使
用したeラーニング「Linux 一般1」「Linux 一般2」の画面イメージを以下に示す。
図 5-7
eラーニングの画面イメージ(Linux 一般 1・2)
((株)富士通ラーニングメディア
http://www.knowledgewing.com より引用)
742
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
③
東京都立科学技術大学
(現:首都大学東京)
Linux プロジェクト管理コース
Linux プロジェクト管理コースで使用した教材は「改訂 PMBOK による IT プロジェク
トマネジメント実践法」「PMBOK による IT プロジェクトマネジメント実践法」「Linux
プロジェクト管理ケーススタディブック」である。
「改訂 PMBOK による IT プロジェクトマネジメント実践法」
「PMBOK による IT プロ
ジェクトマネジメント実践法」は、プロジェクト管理の標準手法である PMBOK を IT プ
ロジェクトへ適用するための実践法がまとめられたテキストである。
「Linux プロジェクト
管理ケーススタディブック」は、Linux システム構築系プロジェクトを担当するプロジェ
クトリーダーを想定したケーススタディ方式の教材である。また、本コースで使用したe
ラーニングの画面イメージを以下に示す。
図 5-8
eラーニングの画面イメージ(プロジェクトマネジメント)
((株)富士通ラーニングメディア
http://www.knowledgewing.com より引用)
次頁には、教材一覧を示す。
743
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
東京都立科学技術大学
(現:首都大学東京)
表 5-21
教材
番号
教材の名称
メディア
使用教材一覧
新規/既存
内容
744
1
Linux 入門
紙媒体
既存
発行は、アミュレット(株)。Linux の基礎知識、Linux 運用管理の基本的なオペレーション方法を系
統的にまとめたテキスト。具体的な内容は、インストール、基本コマンド、運用管理の基礎知識、ネ
ットワーク設定など。採用理由は、Linux 未経験者対象の社会人向け教育訓練での実績に加えて、後
続のケーススタディとの接続性が高いと判断されたため。
2
LPI Linux 認定試験
紙媒体
既存
発行は(株)、日本ライセンスバンク出版部。Linux システムオペレーションで使用する基本コマンド・
ツールの使い方をまとめたリファレンス形式のテキスト。採用理由は、初心者には Linux オペレーシ
ョンのリファレンスブック(副教本)が必要と判断されたため。
改訂
エントリレベルの Linux エンジニアが実務現場で担当する典型的な業務を題材として、運用管理の方
法を学習するケーススタディ形式のテキスト。具体的な内容(ケース)は、アカウント管理、ソフト
ウェア導入、ネットワーク設定などである。改訂理由は、内容の一部について本コースの狙う水準に
調整する必要があると判断されたためである。具体的には、8ケースの内容を5ケースに再構成し、
セキュリティに関するケースを1題新規に追加した。
既存
提供は、(株)富士通ラーニングメディア。Linux 運用管理に必要な知識について、ドリル形式で自己
学習を行うコンテンツ。具体的な内容はパッケージ管理、ファイルシステムなどで LPIC レベル1試
験科目 101 に準じている。採用理由は、Linux 一般2と合わせることで本コースの受講前提となる
Linux 運用管理の知識全般をカバーでき、かつ受講者の負担が少ない学習方式 e ラーニングであるこ
とから、事前学習用教材として適切と判断されたため。
既存
提供は、(株)富士通ラーニングメディア。Linux 運用管理に必要な知識について、ドリル形式で自己
学習を行うコンテンツ。具体的な内容は、カーネル、管理業務、ネットワークなどで LPIC レベル1
試験科目 102 に準じている。採用理由は、Linux 一般1と合わせることで本コースの受講前提となる
Linux 運用管理の知識全般をカバーでき、かつ受講者の負担が少ない学習方式 e ラーニングであるこ
とから、事前学習用教材として適切と判断されたため。
3
4
5
Linux ケーススタディ
ブック
Linux 一般1
Linux 一般2
紙媒体
Web
Web
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
教材
番号
教材の名称
7
Exam202 対応
LPIC Level2
8
Linux システム管理者ケ
ーススタディブック
9
LPIC レベル2徹底対策
セミナー
メディア
紙媒体
紙媒体
紙媒体
新規/既存
内容
既存
発行は、(株)エイチアイ。トラブルシューティングや Linux 応用運用の方法を系統的にまとめたテキ
スト。具体的な内容は、カーネル、ファイルシステム、システムトラブルシューティングなどで、LPIC
レベル2試験科目 201 に準じている。採用理由は、他に同じ内容・水準の教材が見当たらなかったた
め。
既存
発行は、(株)エイチアイ。トラブルシューティングや各種サーバ構築などの方法を系統的にまとめたテ
キスト。具体的な内容は、ネットワーク設定、サーバ構築、ネットワークトラブルシューティングな
どで LPIC レベル2試験科目 202 に準じている。採用理由は、他に同じ内容・水準の教材が見当たら
なかったため。
新規
ミドルレベルの Linux エンジニアが実務現場で担当する業務を題材として、応用レベルの運用管理の
方法を学習するケーススタディ形式のテキスト。具体的な内容(ケース)は、障害対策、ネットワー
ク移設、システムの自動化などである。新規開発理由は、このレベル相当の適切なケーススタディ教
材は見当たらなかったため。
既存
制作は、濱野賢一朗氏((株)びぎねっと)。トラブルシューティングや各種サーバ構築・運用など、Linux
応用運用の方法について、設問形式で確認できるテキスト。内容範囲・レベルは、LPIC レベル2試験
科目 201 及び 202 に準じている。採用理由は、社会人向け教育訓練での実績、内容・レベルが総まと
めの学習として適切と判断されたため。
既存
提供は、(株)富士通ラーニングメディア。プロジェクト管理の基礎知識をを系統的に学習するeラーニ
ング教材。具体的な内容は、スコープ設定、管理プロセス、品質管理、リスク管理などである。採用
理由は、プロジェクト管理の基礎知識が系統的に学べる内容で、集合研修との接続性が高いと判断さ
れたため。
既存
発行は、(株)ソフト・リサーチ・センター。PMBOK の概要、PMBOK を IT プロジェクトへ適用する
方法、プロジェクトを成功裡に進めるための実践方法を学習するテキスト。具体的な内容は、PMBOK
の知識エリア、PMBOK によるシステム開発プロジェクト計画、PMBOK によるシステム開発プロジ
ェクトマネジメントの実践などである。なお、この部分の教育訓練は、(株)ソフト・リサーチ・センタ
ー主催の一般公開セミナー「PMBOK による IT プロジェクトマネジメント実践法」を利用したが、本
教材は、そのセミナーの指定テキストである。
745
6
Exam201 対応
LPIC Level2
東京都立科学技術大学
(現:首都大学東京)
10
11
プロジェクトマネジメン
ト
改訂 PMBOK による IT
プロジェクトマネジメン
ト実践法
紙媒体
Web
紙媒体
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
教材
番号
教材の名称
12
PMBOK による IT プロ
ジェクトマネジメント実
践法
13
Linux プロジェクト管理
ケーススタディブック
東京都立科学技術大学
(現:首都大学東京)
メディア
紙媒体
紙媒体
新規/既存
内容
既存
発行は、(株)ソフト・リサーチ・センター。「改訂 PMBOK による IT プロジェクトマネジメント実践
法」と同じく、一般公開セミナーの指定テキストである。内容は、PMBOK の知識エリア、開発フェ
ーズにおける PMBOK の適用例、ケーススタディなどで構成されている。
新規
Linux システム構築の事例を題材として、プロジェクトリーダーが実践すべき手法を学習するケース
スタディ形式のテキスト。具体的な内容(ケース)は、社内システムの再構築プロジェクト、オンラ
イン認証システム構築プロジェクトである。新規開発理由は、他に同じ内容・水準の教材が見当たら
なかったため。
746
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
東京都立科学技術大学
(現:首都大学東京)
6.6 実施環境
①
Linux システム操作コース
Linux システム操作コースを実施した施設・環境は、以下のとおり。
②
施設名
(株)アイ・ティー・ピー・エス(ITPS)
場所
東京都港区赤坂 2-5-17
URL
http://www.it-ps.co.jp/
設備・環境
LAN 接続された受講者用 PC20 台、講師用 PC1台、プロジェクタ1台
赤坂八千代ビル3F
Linux システム管理コース
Linux システム管理コース、Linux システム管理ケーススタディ・フォローアップを実
施した施設・環境は、以下のとおり。
<Linux システム管理コース>
既存
DIS テクノサービス研修室
場所
東京都文京区湯島 1-3-4
URL
http://www.pc-sk.co.jp/
設備・環境
LAN 接続された受講者用 PC20 台、講師用 PC1 台、プロジェクタ1台
KT 御茶ノ水聖橋ビル 7F
<Linux システム管理ケーススタディ・フォローアップ>
③
施設名
(株)アイテック研修センター
場所
東京都中央区日本橋堀留町 1-2-10 イトーピア日本橋 SA ビル 7F
URL
http://www.itec.co.jp/
設備・環境
LAN 接続された受講者用 PC20 台、講師用 PC1 台、プロジェクタ1台
Linux プロジェクト管理コース
Linux プロジェクト管理コースの PMBOK による IT プロジェクトマネジメント実践法、
Linux プロジェクト管理ケーススタディを実施した施設・環境は、以下のとおり。
<PMBOK による IT プロジェクトマネジメント実践法>
施設名
(株)ソフト・リサーチ・センター
場所
東京都新宿区高田馬場1-31-18
URL
http://www.src-j.com/
設備・環境
一般講義教室
備考
セミナールーム
高田馬場センタービル4F
受講者には同社の運営する一般公開セミナーに参加してもらう形式をと
り、それをコース(部分)の実施とした
747
平成 14 年度補正
「高度 IT 人材育成システム開発事業」
東京都立科学技術大学
(現:首都大学東京)
<Linux プロジェクト管理ケーススタディ>
施設名
エクストリーク(株)
研修室
場所
東京都港区芝 2-22-15
URL
http://www.extreak.co.jp/
設備・環境
MS-Office が利用できる PC5台
STK ビル
748
Fly UP