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第 32 号
2011 年 2 日 1 日 発行 第32 号 みなさん、テストやレポートお疲れ様でした!図書館をフル活用していただけたでしょうか? これからは、ちょっと長めの春休みです。読書に勉強、資格対策や就職対策など、図書館を活用してください。 今月はおすすめの本を 4 冊紹介します。ぜひ春休み中に読んでみてくださいね! *図書館サポーター推薦図書・DVD* 今月も、図書館サポーターズがオススメする図書や DVD を紹介します!書評には、それぞれ請求記号と配置場所が 書いてありますので、資料を探す際の参考にして下さい。 ●『小惑星探査機 はやぶさの大冒険』 【538.9||Y36】[1F 話題の本コーナー] 山根一眞著 マガジンハウス 2010 年 6 月 13 日、「はやぶさ」という名前の小惑星探査機が 7 年間という長いおつかいを経て、地球に帰ってきました。 このニュースは、不景気で暗い雰囲気の日本を明るく照らしました。 月よりもはるかに遠い惑星「イトカワ」の欠片を取りに行き、地球に持ち帰るという、世界初・人類初のおつかいは、何度も 何度も故障やトラブルに遭いながら全うされたものでした。この本は、開発に携わった人、「はやぶさ」を応援し続けた何十 万人の人々の気持ちが書かれています。 「『はやぶさ』っていう名前は知っているけど・・・」という人も、「ニュースも全部見た!詳しいよ!」という人も、ぜひこの本を 読んで、「はやぶさ」の長い旅路に思いを馳せ、最後はぜひ、愜動の涙を流してください。(N.K) ●『西の魔女が死んだ』【913.6||N55】[B1F 閲覧室和書] 梨木香歩著 楡出版 私がオススメするのは、“西の魔女が死んだ”という本です。この本は、タイトルとは全く逆で、とてもあたたかい気持ちにな れる本です。“死”のイメージはとても暗く悲しいものですが、この本はただそれだけでないことを教えてくれました。また、人と 人とのつながりそして、自然と人とのつながりを美しく書き表されています。 女の子の心情の変化や重要人物である“魔女”の愛ある言動はもちろんですが、見どころは何と言っても主人公の女の子と “魔女”の二人の“約束”です。ハンカチなしには読めません。一度読んだ方も、そうでない方もぜひ読んでみてください。 必ず、新たな発見がアナタを待っています。(H.M) ●『ノルウェイの森』【918.68||Mu43||6】[B1F 閲覧室和書] 村上春樹著 講談社 先日映画化されたノルウェイの森を紹介します。ノルウェイの森は、短篇「蛍」を発展させたものですが、この作品を読んで、 私は何とも言いがたい息苦しさを愜じました。その一つの理由としては、作者があとがきで記した様に「個人的な小説」であ ることです。 そしてもう一つの理由としては、自殺せざるを得ない人と踏みとどまる人とでは何が違うのだろうか、ということを読みな がら愜じていたことです。主人公のワタナベは生きることを選び、キズキと直子はそうではない道を選びました。彼ら三人に 決定的な違いは何かあったのでしょうか。私は、ワタナベにとっての緑の存在だと思います。私は、緑が蜘蛛の糸のようにワ タナベに向かって希望の糸を差し向けていたように思います。直子は自分の行動、言動が他人に与える影響をひどく気にし、 直子本人が一番傷ついてしまいます。しかし、緑は多少強引で女々しく、変態気味ではあるけれども、自分のしたことで自 分自身を傷つることは滅多にありません。これが、ワタナベにとって蜘蛛の糸になり、死を選ばなかった理由の一つに挙げら れるのではないかと思います。 個人的な小説といいながらも、魂の救済を描いている部分もある作品です。気になった人は是非お読みください。(T.U) ●『赤い指』【913.6||H55】[B1F 閲覧室和書] 東野圭吾著 講談社 この本は、東野圭吾の加賀恭一郎シリーズの一作品である。加賀恭一郎は練馬区の名刑事であり、身内の殺害事件に 直面した家族の、醜く、愚かなウソに立ち向かう。家族愛の在り方をテーマとした作品で、私たちにとって家族とは何である のかを、この作品を通して原点に立ち返ることが出来ると思う。 物語は、殺人を犯してしまった身内を、嘘をついてかばう家族側の視点と、事件を捜査する警察側の視点から書かれて いる。作品の中で描かれる男には、母の認知症、過保護の妻、引きこもりの息子というように問題が山積みしている。しか し、これらの問題はどの家庭にも起こりうることだと思う。実際にこの家族と同じ境遇になったとき、私はどう動くだろうか。 読んでいて、決して他人事とは思えなかった。そうは知っていても、私たちはどこかで「自分には無縁の話だ」と、現実から目 を背けてしまいがちである。 人は、家族や大切な人が窮地に立った時、どうするべきなのか。この作品を通じて、家族愛について触れ、考えることが できるだろう。(T.K)