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高効率・高精度・多軸加工

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高効率・高精度・多軸加工
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高効率・高精度・多軸加工
A−4
大型プレス金型の生産性向上に貢献する形状加工機
Profile Milling Machine to contribute to the productivity improvement of the large stamping dies
下 垣 統 路*
〔SHIN NIPPON KOKI CO., LTD.〕新日本工機㈱ 山 内 一 郎**
前 川 貞 之***
1.はじめに
工段差を解消することは金型加工の最重要課題と言え
近年、金型のコスト競争が激化する中、生産性向上
る。この課題に対し当社ではレーザー測定器による刃
は不可欠なテーマであり、金型製作においてもリード
先位置測定補正機能を準備している。従来の構成では
タイムの短縮は必須課題となっている。当社では長年
レーザー測定器と工具姿勢の関係から干渉が発生する
にわたる金型加工のノウハウを集積し、荒∼仕上げ加
ため、B 軸角度が±30°を超える角度では計測できな
工までの一貫加工、さらには手仕上げレスを狙った機
い課題があった。この課題を解決するため、すべての
械製作に努めている。その中から生産性向上に貢献す
B 軸 C 軸角度で計測可能となる新たな計測器を開発
る機械構造・機能について紹介する。
した(特許取得済)
。これによりさまざまな加工姿勢
2.高速・高精度を実現する機械構造
でのつなぎ加工段差 0.
01 mm 以下を実現し、自動化
近年大型機においても 15,
000 min−1 を超える高速
の推進と手仕上げ工数の大幅な削減に貢献している。
主軸を有した機械(図 1)が一般化する中、主軸回転
4.高速制御 DCS システム1)
速度に見合った切削送り速度の実現が求められる。平
当社では、金型加工におけるノウハウを盛り込み金
均切削送り速度をいかに上げていくかが重要な課題と
型加工機として最高性能を目指すうえで、高速制御ソ
なる。切削送り速度 10 m/min から 12 m/min さら
フト「DCS」を自社開発している。これは上述の機
に 15 m/min と高速化し、かつ、高い加工面品位と
械性能を十分発揮するために、高速・高品位・高精度
加工精度を得るためには、極めて正確な動的位置決め
を高次元に最適化した制御ソフトである。
精度と繰返し精度が必要とされる。一般に速度比の 2
最新機での加工指令速度は 12∼15 m/min に達し
乗に比例して誤差が増大する関係があり、この課題を
ており、従来の制御装置では制御上、追従が難しくな
克服するためには、主として機械剛性を高めること、
る場合がある。DCS ではそうした高速領域でも「滑
高速送りに適した案内方式の採用、優れた制御性能が
らかな部分は必ず指令点を通過する曲線再現を行い、
必要となる。当社では金型加工に最適と考える機械構
速度制御や精度維持に必要な制御点も再現された曲線
成を目指した機械づくりを行っている。
上に追加する制御」を行っている。また、一種の「増
3.ボールエンドミル刃先位置測定機能(図 2)
速装置」とも言える「ゼロトレランス機能」は、発生
工具交換前後・アタッチメント交換前後のつなぎ加
する誤差をリアルタイムに演算・管理したうえで滑ら
*
Toji Shimogaki:技術部 生産設計課 課長
**Ichiro Yamauchi:同 ソフト課 課長
***Sadayuki Maegawa:同 部長
〒590−0157 大阪府堺市南区高尾 2−500−1
かさを保ったまま実速度を向上させている。金型加工
に求められるのは「CAD デザインの再現」であり、
冗長性を廃した DCS 制御は優れた機械性能をダイレ
新開発(特許取得済み)
レーザー測定器(5 軸)
すべての角度において
刃先位置計測可能
90°旋回
測定イメージ
・工具長・径
・角度割出し誤差
・主軸熱変位誤差
などの機械的誤差を排除
360°旋回
DC5ASM
テーブルサイズ:2.5×5.0m
テーブル上面∼立主軸端:2,300mm
X 軸ストローク:6,250mm
Y 軸ストローク:3,700mm
Z 軸ストローク:800mm
XYZ 合成切削送り速度:15m/min
立主軸回転速度:6,000min-1
高速 ATT 主軸回転速度:15,000min-1
図 1 「DC5ASM」の概観
016
つなぎ段差をなくすために、
加工直前に、加工姿勢で、
工具刃先位置を計測し、ズレを補正
レーザー測定器(Y 方向)
レーザー測定器(X 方向)
角度によって干渉問題により
測定できない角度がある
①工具交換後、加工する姿勢(角度)に向けた状態で
②主軸回転スタート
③ボールエンドミル刃先中心位置を XYZ 座標値として計測
(X方向、
Y方向のレーザー両方向から挟み込んで計測)
④刃先位置誤差を補正
⑤加工開始
図 2 5 軸レーザー測定器
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