...

etter from erra ert L TV

by user

on
Category: Documents
24

views

Report

Comments

Transcript

etter from erra ert L TV
L
etter from
Terra Vert
2010.08
『黒葡萄』と『白葡萄』の違いとは?
白葡萄を長期マセラシオンさせたダリオ・プリンチッチ新入港!!!
■偉大なワインとは赤ワインのことを言うものだ。白ワインであれば私は間違いなくグラヴネルを選ぶ
これはジャン・フランコ・ソルデーラの有名な言葉。赤ワインの優位性を良く理
解しているからこその言葉なのだろう。御存知の通り、赤い葡萄は果皮を利用
し、果皮からタンニン、アントシアニン、勿論、色素もワインに与えられることとな
る。ワインは白ワイン以上に厚み、骨格、色々な要素を手に入れ、常温に近い
高めの温度で飲まれることとなるし、熟成ポテンシャルもえてして高い。一方、
白ワインは空気圧で極力果皮や種子の成分(白ワインの場合は雑味とさえ評
される)が抽出されないようファーストジュースのみが素早く、発酵槽に送り込
まれる。ワインはフレッシュでフルーティー、しっかりと冷やされて飲まれることと
なる。
果皮の色素は細かく見れば紫から薄い赤、ピンクに近い色合いからピノ・グリの
ようにグレーがかったものまで多岐に渡る。そもそも、果皮の色素が赤に近いか、白に近いかという葡萄の性質上のたった1つ
の指標だけでどのようなワインに仕上げるのかが決ってしまうのはどうなのでしょう。
『果皮が黒い』という理由で長期のマセラシオンが施され、タンニン、アントシアニンと重要な成分を手に入れる。
『果皮が白い』という理由で果皮や種子が取り除かれ、出来上がったワインは冷やして飲まれることになる・・・。
■究極の『自然な醸造』は葡萄の力を最大限利用する
シュナン・ブランやリボッラ、ガルガネガやグレコなどの白葡萄は果皮に赤葡萄にも負けないタンニンであったり旨味を持ってい
ます。ですが、白葡萄だとの認識から長い間、この果皮は利用されずに捨てられてきた訳です。しかし、近年ではヨスコ・グラヴ
ネルやニコラ・ジョリーなどが、白葡萄であろうが果皮のタンニンを利用し、発酵途中でもSO2を使わずに果皮や種子に存在
する天然のタンニンを酸化防止に利用して『自然な醸造』を実践してきました。これはボジョレーに代表されるマセラシオン・カ
ルボニックなどのように人為的にガスを使って酸化を防止することもなければ、嫌気的環境を密閉タンクの中で作り出し、還元
状態に置くといった人為的なものでもありません。ある意味、葡萄そのものの力だけでバクテリアの繁殖さえ防いでしまうという
究極の『自然派醸造』と言えます。(酸素さえ味方にしている訳です)
醸造的なアプローチと果皮の成分抽出。どちらが主であるかは別として、ダリオ・
プリンチッチは果皮が白いことに関わらず、果皮の旨味成分を最大限に抽出しな
がら、しかもできる限り葡萄の自然な力を利用した『究極に自然な醸造』を実現し
ていると言えるのかもしれません。
果皮の色は葡萄の性質を決定的に決めるものでは無いのではないでしょうか。色
素が赤いか白いか、更にはピノ・グリやグレコのように灰色がかっているのか。随
分前になりますが、ヨスコ・グラヴネルがこんなことを言っていたのを思い出します。
『赤か白か。そんなことだけで葡萄を判断するのは違うんじゃないか?』80年代
空気圧プレスでファーストプレス果汁のみを使ってステンレスタンクでクリーンな
白ワインを造っていたグラヴネルは紆余曲折あり、白葡萄ながら果皮、種子ごと
開放桶(現在ではアンフォラ)で長期間のマセラシオンを施した白ワイン造りに辿りついた訳です。コッリオのテロワールを最大
限引き出す為の手段がコッリオ独自の固有品種であり、その葡萄品種は果皮に多くの要素を持っていたということなのでしょう。
グラヴネルにとっては長期間のマセラシオンは突飛な行動ではなく、必然だった訳です。
白葡萄でも、本当に果皮が必要であればしっかり果皮を利用して赤ワイ
ン以上の旨味、骨格を持ったワインを造っても良いのではないでしょうか。
そして、白葡萄から出来上がったワインが、今世間で認識されている白
ワインとは違い、赤ワイン並みのタンニンを含有していたり、エキスの濃さ
や、旨味、骨格を持っていて、粘度さえ感じさせるようなワインであった
としても、その土地のアイデンティティーを、その土地独自の葡萄品種
を使って表現する際に必然的に必要になったとするならば、それはポジ
ティヴに捉えるべきなのではないでしょうか。白ワインの常識や固定概
念の枠の外に位置するとしても、それは大した問題ではないのかもしれ
ません。自然の中から収穫された葡萄を伝統と古人の知恵によって造
られた酒こそがワインであって、グラヴネルやダリオのように果皮に十分
な要素が存在することを見出し、しかもその成分を利用することによっ
て、より自然な醸造ができると理解したのであれば、それにこしたことは
ないのではないでしょうか。ワインは最も自然な酒だと言われるのは当た
り前なのかも知れません。
テラヴェール株式会社
東京都港区東麻布1-10-13 7F 〒106-0044 TEL:03-3568-2415
発酵を終えたリボッラ/ヨスコ・グラヴネル
FAX:03-3584-2681
L
etter from
Terra Vert
2010.08
マルセル・ラピエール『ボジョレー・ヌーヴォー2010』予約受付中!!!
マルセル・ラピエールのワイン造りとは
この度テラヴェールは自然派ボジョレーの父マルセル・ラピエール《シャトーカンボン》の正規インポーターとなりました。ボジョレー・シャトー・カ
ンボン2009、ボジョレー・ロゼ2009そしてトップ・キュヴェ、ル・カンボン2008も入荷致しました。最高のヴィンテージと言われる2009ぜひ、
お試し下さい。≪只今、マルセル・ラピエール・ヌーヴォー2010の予約承っております≫
■『まずは学校で学んだ事は全て忘れることだ』/マルセル・ラピエール
ラピエール家はボジョレー・モルゴンに代々続く生産農家で近くの石碑にはご先祖様の
ラピエールの名が記されているほど。マルセルは父の仕事を手伝っていたが、基本的
なワイン造りを学ぶ為に醸造学校へ入校した。学校で学んだ事は、(1)葡萄が熟す前
に収穫する。(2)シャプタリザシオンを行う。(3)SO2、農薬を徹底する事だと言う。学
校を卒業し、学んだ事を父親の畑で実践に移していく。数年後、父から譲り受けた畑か
ら産まれるワインは別のワインへ変わっていたのだという。ラピエール曰く『全く別のワイ
ンになってしまっていた。自分で飲むこともできないくらいに・・・』1978 年、1 樽だけ父
親が行っていた栽培と醸造を実践。すると父親の造っていた本来の味わいが戻ってき
たのだった。そんな時に出会ったのがジュル・ショヴェ氏。彼はモルゴンから4kmしか離
れていない La Chapelle de Gaicha に住んでおり、マルセルは9年間揮発酸の出ない造
り方、自然的な栽培・醸造方法をみっちり学んだとのこと。『ワイン造りで最も大切な事
は学校で学んだ事を全て忘れることだ』
■ジュル・ショヴェとフィリップ・パカレ、そしてアラン・シャペル
ジュル・ショヴェは、『収穫量を抑え、化学物質を使わず健全な葡萄を育てよう』という自然派
の元祖と言うべき人物。あのド・ゴ−ル大統領が日常ワインとしていたのもジュル・ショヴェ氏の
造ったボジョレーであった。ジュル・ショヴェは83歳で他界したが、身体は大きく、ワイン造りに
対しては実直で真面目、それだけに辛口なコメントで有名で、冷たい人だと受け止める人も多く
いたと言う。マルセルはジュル・ショヴェ晩年の10年もの間最も親しかったし、彼の教えを最も
多く吸収したと言われている。晩年徐々に動けなくなったジュ
ル・ショヴェにマルセルは畑の手入れをさせる為、自分の甥を勉
強も兼ねて手伝いに行かせている。その甥こそがフィリップ・パカ
レであった。更に、フランス料理界の「ダヴィンチ」と称されるアラ
ン・シャペル氏もジュル・ショヴェと関わりが深い人物の一人。当
時最も注目されていた料理人であったアラン・シャペルだが、ワインには精通していなかった。見かねた養豚
家からジュル・ショヴェを紹介され、ワイン、とりわけ自然派ワインを学んだのだと言う。ジュル・ショヴェは味覚も
敏感でアランの新作料理が出来る度に試食し辛口に評価していたのだと言う。マルセルもジュル・ショヴェの元
で学んでいた為、2人は知合う事となる。当時なかなか売れない若きマルセルのワインをアラン・シャペルが購
入し、自身のレストランで販売する事によってマルセル・ラピエールの名前は大きく広まっていくこととなった。
■『シャンパーニュはドラピエしか飲まないよ』
マルセル・ラピエールを訪問した際、奥様マリーさんの手料理、天然サーモンとシャトーカンボン・ボ
ジョレー・ロゼ 2009 を頂いた。天然サーモンを軽くフュメし、シンプルに仕上げた一皿。セニエ方式
の力強いロゼと絶妙なマリアージュが楽しめる。その際にアペリティフとして登場したのが、なんと『ド
ラピエ・ブリュット・ナチュール』であった。『自然なワイン造りを通してウルヴィルのテロワールを表現し
たい』と語っていたミッシェル・ドラピエ
とも交流があるのだそう。マルセルの
元には多くの自然派生産者が集う。
自然派の父と評されるのも頷ける。フ
ランス革命記念日前夜祭の日には
マルセルの元にフランス全土より自
然派醸造家やカヴィスト、ワイン愛好
家が集合し総勢500人の大パーテ
ィーが開催される。野外で朝までマ
ルセルのワインと豚の丸焼きやロック
のコンサートを楽しみ、生産者は情
報交換の場としても活用している。ド
ラピエのミッシェル、プリウレ・ロックのアンリ・フレデリック・ロック、ドメーヌ・AetP
ヴィレーヌのオヴェール・ド・ヴィレーヌ氏と豪華な顔ぶれ。
テラヴェール株式会社
東京都港区東麻布1-10-13 7F 〒106-0044 TEL:03-3568-2415
FAX:03-3584-2681
Fly UP