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04 第2章カリキュラム 1.乳幼児期(0歳児から2歳児)

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04 第2章カリキュラム 1.乳幼児期(0歳児から2歳児)
第2章
カリキュラム
(保育・教育課程)
1.
乳幼児期(0歳児から2歳児)
<育ちの道すじ>
乳児期(おおむね満1歳に達するまでの時期)は、身体面での著しい発達・発育が
見られる重要な時期です。子どもが示す様々な行動や欲求に身近にいる大人が応答的
かつ積極的にかかわることにより、子どものなかに人に対する基本的信頼感が芽生
え、情緒的な絆が形成され、愛着関係へと発展し、情緒の安定が図られます。こうし
た情緒の安定を基盤として心身の発達が促されるなど、人として生きていく土台がこ
の時期につくられます。
その後のおおむね満3歳に達するまでは、基本的な身体機能や運動機能が発達し、
人や物とのかかわりを広げ、行動範囲を拡大させていく時期です。自分のことを自分
でしようとすることや自分の意志や欲求を言葉で表そうとすることなどにより、自我
が育ち、強く自己主張をすることも多くなりますが、大人がこうした自我の育ちを積
極的に受け止めることにより、子どもは自分への自信をもつようになります。一方で、
自分の行動の全てが受け入れられるわけではないことに徐々に気付いていきます。子
どもは、自分のことを信じ、見守ってくれる大人の存在によって、時間をかけて自分
の感情を鎮め、気持ちを立て直していきます。このように、子どもの欲求を理解し、
受け止める大人とのかかわりのなかで、子どもは次第に心の安定を得て、この安定感
をよりどころとして、友達とも安心してかかわるようになり、様々な活動に意欲的に
取り組んでいくようになります。また、特定の大人への安心感を基盤として、徐々に
人間関係を広げ、そのかかわりを通じて社会性を身に付けていきます。
子どもは、このような発達の過程(育ち)を経て、その後の幼児期(おおむね3歳
以上)を豊かに過ごすこととなります。一人ひとりの子どもの成長は様々ですが、子
どもが辿る発達の道すじやその順序性には共通のものがあります。したがって、0歳
児からの全ての子どもの発達の順序性や連続性をふまえ、指導者がおおむね3歳児以
降の教育・保育にかかわる活動をデザインすることが、非常に重要です。
そこで、発達・発育において月齢差・個人差の大きい0歳からおおむね2歳までの
時期を「育ちの道すじ」として、集団での参加が多くなってくる2歳児の時期を「2
歳児のカリキュラム」として編成しました。また、保育所などで、0歳児から2歳児
の子どもの生活全般において、養護と教育を一体とした保育にかかわる全ての大人
を、保育者と表記しました。
ただし、ここで示した発達の姿は、月齢・年齢区分になっていますが、均一的な育
ちの基準として見るものではありません。子どもの育ちの過程として理解し、一人ひ
とりの子どもに応じた援助のあり方を考えるために示したものです。
- 25 -
(1) 0 歳児から2歳未満児までの育ちの道すじ
おおむね3か月頃から
たっぷり飲んでぐっすり眠る生活リズムを大切に
体の育ち
○首がすわる
○手と手、足と足を軽く合わせたりする
○引き起こしに頭がついてくる
子どもの育ち
○手に物が触れると指を開いたり、握った物を口にもって
いったりする
○追視が始まり、その後、往復追視が始まる
○お腹いっぱいにミルクを飲み、安心して眠り、生活のリ
ズムが徐々に安定する
○反射的に大きな音に対して反応する
心の育ち
○喃語が出はじめる
○不快を感じると盛んに泣く(感情の表出)
○あやされると微笑みを返す
おおむね6か月頃から
愛着関係を大切に
○寝返りをする(身体の動きを様々に試み、移動への準備)
○腹這いをする
○立たせると足をピョンピョン突っ張る
○見た物へ手を伸ばし、手のひら全体で握ったり、つかんだ
り、なめたりする
○物を持ち替える
○動いている周囲の人や動く玩具をしっかり見つめて
目で追う
○一人ひとりの状態に応じた離乳食を食べることでいろい
ろな食品の味や形態に慣れる ※1
○親しい人とそうでない人の区別をする
○他児と顔を見合わせたり、じっと見たりする
○マンマンマ・・アブブ・・など反復的な喃語を発する
○あやされると機嫌をなおす
○不快な表情がはっきりしてくる
○ア∼ア∼など声を出して周りの人を呼ぼうとする
経験させたい
主な活動
・音の出る玩具、握る玩具(ガラガラ、起き上がりこぼし、
つり玩具など)
・ふれあい遊び(あかちゃん体操、くすぐり遊びなど)
(タオル人形、布ボール)
(握りやすい玩具)
養護的かかわり
教育的意図をもった
働きかけ
援 助 の ポ イ ン ト
・睡眠中は、保育室から離れることなくうつぶせにしないよう体位変換し、寝具の掛け方や、呼吸、顔色嘔吐の有無など
睡眠状態を5分おきにきめ細かく観察し記録するなどして、乳幼児突然死症候群の予防をする ※2
・授乳時やおむつ交換などの生理的欲求を満たす際は、視線を合わせたり、ほほえみかけたり、語りかけたりするなど応
答的なかかわりをする
・子どもの心を安定させるため、子どもの出すサインや泣き声、表情を見逃さず、子どもの要求に適切に応じる ※3
・意識的に同じ保育者がかかわり、愛着関係を築き安心して過ごせるようにする
・一人ひとりの子どもの状態に応じて、ふれあいを十分にとりながら、心身共に快適な状態がつくれるようにする ※4
・一人ひとりの子どもの身体発育、健康状態、家庭での生活について知り、保護者と連携し共通理解をしながら個々に応
じたかかわりをもつ ※5
・感染予防のため、衛生面・環境面に配慮し、適切な対応を心がける ※6
・日頃の体調を十分に観察し、子どもの変化を見逃さないようにする ※7
・離乳食を開始するときは、個々の保護者と保育所
が連携をとって進めていく
・子どもの表情、動きに対して、やさしい声、ゆっくりと
した声かけ、笑顔での働きかけをし、情緒の安定や人、
周囲への関心をはぐくむ(ふれあい・コミュニケーショ
※8
ン)※8
・子どもの身体感覚を刺激し、肯定的な情動の交流を体験 ・喃語を発したとき、応答的にかかわり発語を促していく
家庭との
連携
させ自分の体に気付かせる
・着替えやおむつ交換など身体の健康、衛生を保ち、快の ・感覚を豊かにするために、手、足などを十分に動かす、物
を眺めるなどの遊びができる環境を整える
感覚を育てる
・じっと見つめる(凝視)動きに合わせて目で追う(追視) ・子どもの周りに興味を引く玩具などを準備し、手を伸ばし
て触れたときの達成感から意欲や好奇心をはぐくむ
ことで、感覚を刺激し、視覚に働きかける
・物を握らせることで、手指を動かすことや目と手の協応 ・肌触りの良い感触を味わうことで、視覚、聴覚、触角を刺
激する
を促す
・いろいろな物を触る、なめる、つかむ、引っ張るなどして、
知覚神経を刺激する。
・睡眠時のうつぶせ寝や、寝具の掛け方などに気を付け、睡眠時間を一定にすることの大切さを知らせる
・授乳時やおむつ交換時など、視線を合わせたり、微笑みかけたり、語りかけたりすることを知らせる
・何でも口に入れる時期なので、安全面には十分に気を付けることを知らせる
※9
・健康状態など家庭・保育所での様子を伝え合い、共通理解の大切さを知らせる
・触れ合うことで、気持ちの安定につながることの大切さを知らせる
(注)※1∼9は、次頁※1∼9へ続く。
- 26 -
おおむね9か月頃から
興味の芽生えを大切に
おおむね1歳3か月未満
探索活動を大切に
○自分の意思で目的をもって、高這いをする
○自分の好きな所に四つ這いで行く
○腹這いをする
○伝い歩きをし、つかまり立ちから手を離す
子どもの育ち
体の育ち
○支えなしで座るようになり座り方が安定してくる
○親指と人さし指でつまむ
○伝い歩きや、一人歩きをする
○階段を上る、立ったまま、方向転換や後ずさりをする
○親指と人さし指の指先でつまむ(絵本をめくる・積み木を
2∼3個積んだりする)
○コップを持って飲む
○スプーンやフォークを使って保育者に手伝ってもらった
り、自分で食べようとしたりする
○午後の睡眠に移行していく
○好き嫌いが出てきて、嫌な物や固い物を吐き出すことが
ある
心の育ち
○おむつが濡れていないときはオマルに座るとおしっこ
が出るときがある(条件反射)
○睡眠リズムが安定する
※1
○一定の人との安定した関係をもとに模倣活動が出はじ
める
○積極的な探索活動をする
経験させた
い主な活動
○身近な人の後追いをする
○音や刺激に対して真似る、はっきりした複音節が出てく
○指さしをする
る(マーマ−、ダーダ−など)
○初語が出てくる(マンマ・ママなど意味をもつ言葉が出
る
・引っ張ったり、つかんだり、握ったりして遊ぶ(ティッ
シュペーパー出し、布ボール、ミニカーなど)
・まねっこ遊び(ばいばい、いないいないばあーなど)
・絵本(動物、乗り物、食べ物など)
○欲しい物など、自分の要求を指さしする
○相手の使っている言葉の意味を理解する(チョチチョチ、
ちょうだいなど好きな人が使っている言葉を真似して喜
ぶ)
○自分の思い通りにならないと、だだをこねる
・感触遊び(砂、水、布、紙など)
・手指を使った遊び(シールはがし、引き出し、積み木、重
ねコップなど)
・全身を使って、探索活動を楽しむ
養護的かかわり
教育的意図をもった
働きかけ
援 助 の ポ イ ン ト
※2
・睡眠状態を10分おきに観察する
・一人ひとりの排尿感覚を把握しながら、おむつが汚れたら優しく言葉をかける
・行動範囲が広がるので、這う、座るなどを十分にできる環境を整え、危険がないように身の回りの安全面について点検
と確認を行い、運動発達にあった探索活動を保育者も一緒に楽しむ
※3
・人見知り、不安、甘えなどの感覚の表出に共感し、愛情をもって接する
※4
※5
※6
※7
・
「カミカミゴックン」などの言葉がけで嚥下の経験を繰り返し行えるように配慮する
・こぼしながらも一人でスプーンや手づかみで食べるよう意欲を引き出すように「おいしそうやね」など言葉がけをする
※8
・発声や発語を促す言葉かけ(指さし、喃語への応答)を ・子どもの指さしや自己表現を受け止め、言葉にして共感
していく
する
・手指の感触をはぐくむために、つまんだり、容器から出 ・手指を使った遊びが十分経験できるように、いろいろな形、
し入れたりして楽しめる遊具を用意する
素材、大きさなどの玩具を準備する
・保育者が先回りせず、指さしなど子どもからの要求を待 ・個々の好きな遊びを把握し、遊びに集中、満足できるよう
ち、意思や意欲が高まるようにする
に室内の環境スペースや玩具の内容、数量を状況に応じて
かえていく
・他児への興味・関心をもてる機会をつくる
・生活や遊びを通して身の回りの物の名称や動作などを
伝え知らせていく
・移動運動が十分楽しめ、子どもの取りたい、触りたいと ・知的好奇心を育てるため、探索が楽しめるような玩具など
いう気持ちや行動が満たされるような環境を整える
を用意する
・遊具に合った手腕の働きや、物を握る力を高める
・絵本への興味が除々に膨らんでいくような環境を用意
する(親しみやすい動物や乗り物、食べ物など具体物が丁
家庭と
の連携
寧にかかれているもの)
※9
- 27 -
おおむね 1 歳 3 か月から 2 歳未満
やりたい気持ちを大切に!
体の育ち
子どもの育ち
心の育ち
経験させたい主な活動
養護的かかわり
教育的意図をもった
働きかけ
援 助 の ポ イ ン ト
家庭との連携
○歩行が安定する
○初歩的な運動機能(歩く、押す、走る、跳ぶ、しゃがむ、登るなど)が発達する
○指を使う探索・操作活動(つまむ、めくる、はがす、開ける、通す、なぐりがきなど)が多様になる
○いろいろな食品の味、形、色に慣れ、噛む、飲む、飲み込むを経験して普通食になる
○スプーンやフォーク、コップを使ったり手づかみで意欲的に食べようとしたりする
○排尿の間隔が長くなり、促すと便器で排尿し、排泄前後に動作、言葉で知らせようとする
○一定時間はぐっすり眠る
○保育者のそばで安心して過ごす
○身近な人や身の回りの物に自発的に働きかけ「自分でしたい」という欲求を生活のあらゆる場面において
発揮していく
○保育者の言うことがわかるようになり、自分の意思を親しい大人に伝えたいという欲求が高まり、指さし、
身振り、一語文から二語文を話し始める
○友達への興味が芽生えるが自己中心的な姿もあり、物の取り合いなど要求の衝突が起こる
○人や物とのかかわりが強まり、玩具などを実物に見立てるなどの象徴機能が発達する
・興味ある行動を模倣する時期であるため、いろいろな活動を安心できる人と一緒にする
・全身を使う遊びを通して、初歩的な運動機能の発達を促す(まてまて遊び、手押し車、トンネルくぐり、
斜面階段の登り降り、その場ジャンプなど)
・手指を使う遊びを通して手指の機能を高める(型はめ、ボタン通し、ポットン落とし、シール貼り、なぐ
りがきなど)
・歌ったり、音の出る玩具を鳴らしたりして遊ぶ
・手遊びやふれあい遊びをする
・砂、水、紙などのいろいろな感触遊びをする
・興味のある絵本を見る(いないいないばあー、食べ物、乗り物など)
・身の回りの物で遊びながら、見立て遊びや探索活動をする
・歩行の発達に伴い行動範囲が広がり、予測できない行動も多くなるため、注意して見守る
・感染症の罹患が増えるので、安全面や体調管理に注意する
・身体発育や運動機能の発達には、個人差が大きいことを考慮に入れ、一人ひとりの状況を把握する
・全身を使った遊びや、手足を使う遊びでは、子どもの自発的な活動を大切にしながら、保育者がしてみせ
るなど、一緒にかかわって遊ぶようにする
・一人ひとりが生活習慣を身に付けるために、子どもの生活リズムに合わせ、あせらず、優しく接する。ま
た、安心してぐっすり眠れるような環境を整える
・保育者の世話を必要としながらも、自我が芽生えるという時期を考慮し、子どものやりたいという気持ち
を十分に受け止める
・言葉の発達を促すために、子どもの気持ちをゆったりと受け止め、思いを代弁したり共感したりして応答
的にかかわる
・発育、発達の過程で、自分の気持ちをうまく表現できないこともあることを十分理解して対応する
・安全に配慮をして、探索活動や遊びなどが十分できるような環境を整える
・自分でしようとしているときや熱中しているときには温かく見守り、また、子どもの発想や驚きを見逃さ
ず受け止め、共感する
・物の取り合いなどによって、子どもの意欲をそぐことのないよう、十分な数の玩具やスペースを準備した
り、保育者が言葉や動作を添えながらかかわり方を知らせたりする
・身体発育や運動機能の発達には、個人差が大きいことを知らせ、子どもの状況に合わせて、あせらず、優
しく接し、安心して過ごせるようなかかわりを大事にしてもらう
・やりたい気持ちや言葉を引き出すために、大人と一緒に遊びながら共感したり、言葉を添えたりする大切
さを知らせる
・友達への関心が芽生え、かかわって遊ぶことが多くなるため、物の取り合いやけんかなど、ときにはぶつ
かり合うこともあるが成長の表れであることを知らせていく
・安全面や体調管理の大切さを知らせる
- 28 -
(2) 2歳児のカリキュラム
<発達の姿>
歩く、走る、跳ぶなどの基本的な運動機能や、指先の機能が発達し、それに伴い、食事、着脱など身の回りの
ことを自分でしようとする。また、排泄の自立のための身体的機能も整ってくる。語彙も著しく増加し、自分の
意思や欲求を言葉で表出できるようになる。探索活動が盛んになり、自我の育ちの表れとして、強く自己主張す
る姿が見られる。盛んに模倣し、物事の間の共通性を見出すことができるようになるとともに、象徴機能の発達
により、大人と一緒に簡単なごっこ遊びを楽しむようになる。
Ⅰ期(4・5月)
期のねらい
知
子 ど も の 育 ち
徳
体
Ⅱ期(6・7・8月)
○新しい環境や生活に慣れ、安心して過ごす
○保育者と一緒に身の回りのことをしようとする
○保育者や友達と一緒に好きな遊びを楽しむ
○生活の流れがわかり、保育者と一緒に身の回り
のことをしようとする
○砂、泥、水などの感触を全身で味わいながら遊
ぶ
○絵本や紙芝居を楽しんで見たり聞いたりし、繰り返しのある言葉の模倣を楽しむ
○遊具を実物に見立てたり、つもりになったりして遊ぶ
○手指を使った遊び(丸める、破る、ちぎる、スタンピング、シール貼りなど)をする
○身近な生き物や草花に興味をもち、見たり触れたりする ※1
○知っている歌や手遊びを保育者と一緒にしたり、音楽に合わせて体を動かしたりして遊ぶ ※2
○保育者との信頼関係を深め、自分の気持ちを十分出す
○自分の気持ちが受け入れられると気持ちがよいことを知る
○自分の好きな遊びをしたり、友達のしている遊びを真似たりして同じことをしようとする
○「自分で」と自己主張し、何でも自分でしようとする
○自分のロッカーや靴箱など、自分の物の置き場所がわかり、自分の物と人の物とを区別して扱う
○「まっててね」の言葉掛けで、少しの間待つ
○遊んだ後に、保育者と一緒に片付けようとする
○保育者の言葉がけで危ないことやしてはいけないことを知る
○体を動かして好きな遊びを繰り返し楽しむ(遊具で遊ぶ、体操やふれあい遊び、リズム遊びなどをする)
○砂や泥の感触を楽しんだり、水遊びやプール遊びを楽しんだりする
○スプーンやフォークを使って一人で食べようとする
○保育者に補助されながら排泄・着脱・昼寝などをしようとする
○手洗いの仕方を知り、保育者と一緒にする ※3
<養護的かかわり>
・生活に必要な基本的な習慣については、一人ひとりの子どもの発育、発達状態、健康状態をしっかり把握し、個々に
応じたかかわりをする。
・落ち着いた雰囲気と、自分でしようとする気持ちが満足できるような環境を整える。
(決まった生活の場所の設定など)
・思い通りにいかないと泣いたり、かんしゃくを起こしたりするが、自我の育ちとして受け止め、時間をかけて自分の
感情を鎮め気持ちを立て直せるようにする。
- 29 -
<家庭との連携>
・一人ひとりの発育に個人差があり、また自我を主張する時期でもあるので、この年齢の育ちの道すじを伝えて
いくことで、戸惑いや不安を感じる保護者の気持ちに寄り添い、一緒に子どもの育ちを見守っていく。
・子どもが自分でできる喜びを感じられるような援助の方法を伝える。
(例えば、着脱しやすい服や脱ぎはきしやすい靴を準備してもらうなど)
Ⅲ期(9・10・11・12月)
Ⅳ期(1・2・3月)
○保育者に見守られ、補助されながら自分で身の回りのことをしよう
とする
○簡単な集団遊びやごっこ遊びを保育者や友達と一緒に楽しむ
○戸外で体を十分動かして遊ぶ
○生活の流れがわかり、保育者に見守られながら
身の回りのことを自分でしようとする
○保育者の仲立ちで友達とのかかわりを広げ、み
んなで遊ぶことを楽しむ
○簡単なストーリー性のある絵本や紙芝居を楽しんで見る
○保育者や友達の名前を覚え、生活や遊びに必要な言葉を知り使おうとする(おはよう、いただきます、貸して、ありがとうなど)
※1
※2
○保育者と一緒に言葉のやりとりをしながら、見立て、つもり遊びや簡単なごっこ遊びをする
○積木やブロックを積んだり並べたりつないだりしてできたものを言葉で表現する
○生活や遊びのなかで、簡単な物の形、色、数、大小に興味をもつ
○パズルや型はめに興味をもち、一人で完成させようとする
○自分の経験したことや気持ちを自分なりに周りの人に伝えようとする
○友達のしていることに興味をもち、友達と遊ぶ楽しさを感じる
○玩具の取り合いや気持ちのぶつかり合いなどのなかで、保育者を仲立ちとして相手の思いを聞こうとする
○保育者に褒めてもらうことを喜び、頑張ろうとする
○異年齢児とかかわって遊ぶことを楽しむ
○身の回りの物や使った玩具などを、保育者や友達と一緒に片付けようとする
○保育者の言葉がけで危ないことや、生活や遊びのなかできまりがあることを知る
○いろいろな遊具や用具を使って、戸外で十分体を動かすことを楽しむ
○走る、ジャンプ、登るなど様々に体を動かす
○保育者や友達と一緒に簡単なルールのある遊びを楽しむ(鬼ごっこ、かくれんぼ、ひっこしゲーム、しっぽとりなど)
○散歩に出かけることで、戸外の自然に触れて遊ぶ
○苦手なものも少しずつ食べてみようとする
○尿意・便意を知らせ、自分からトイレに行こうとする
○保育者に言葉をかけられながら、衣服や靴の着脱や自分の物の片付けをしようとする
※3
<教育的意図をもった働きかけ>
・子どもの自発的な活動を大切にしながら、保育者がやってみせるなど一緒にかかわって遊ぶようにする。
・一人ひとりが自分の好きな遊びを見つけ、その遊びをじっくり楽しめるような環境を整える。
・実体験を通して、驚いたり、発見したりなど、感動につなげる。
・生活や遊びのなかで、上下、前後、裏表、左右、大小、○、△、□、色の三原色など物の違いを見分ける力をはぐく
むために、保育者は環境を整えたり、意図的なかかわりをしたりする。
・子ども同士がかかわりあえる場をつくるとともに、かかわりを広げるために保育者が仲立ちとなる。
・人に迷惑をかけるなどの自己中心的な姿が見られるときには、してはいけないことを伝えながらも、子どもの気持ち
に寄り添い、共感することで、自分の気持ちを立て直す力を育てる。
・食事の機会や遊びを通してスプーンから箸へ移行できるよう、手を添えながら正しい持ち方を知らせていく。
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