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1.実験中の火災・事故が起きています

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1.実験中の火災・事故が起きています
1.実験中の火災・事故が起きています
今年5月に、本学において実験中の火災・事故が2件ありました(事故の内容・写真等については、2010
年度第 2 回西早稲田キャンパス安全衛生委員会資料より抜粋)。
(1)乾燥器中でのプラスチックケースの発火(23 時 45 分頃)
<状況>
学生(4 年生)が、有機薄膜を蒸着したシリコン基板をプラスチックケース
に入れて、ガラス器具の乾燥器に入れて 150℃程度に加熱した。隣の部屋で実
験を行っていたら、ボンと音がしたので、乾燥器を見に行ったところ、上部の
穴から煙が出ており、乾燥器のスイッチをオフにして扉をあけると、煙が勢い
よく吹き出して、警報がなった(その後、火は自然に消えた)。
<原因>
プラスチックケースを乾燥器に入れて、高温にしたために、プラスチックが
高温になり炭化などがおこり、扉を開けたことにより外部から酸素が供給され
たため、発火したと考えられる。
内部で発火した乾燥器
(2)水素化リチウムアルミニウムでの還元反応中の発火(14 時 45 分頃)
<状況>
油浴を用いた還流条件下で、溶媒としてジエチルエーテルを用い
て、禁水性物質である水素リチウムアルミニウムとある物質を反応
させる実験を行っていた。なお、文献の方法に従い実験を行い(反
応スケールは文献の半分)、かつ実験者は同実験を既に3回行ってい
た。
還流開始後、実験者が昼食を取るために離席した後、同室の別の
者が「ボン」という破裂音を聞いて振り向いた際に、反応容器から
発火しているのを発見した。発見者は他のメンバーに発火を伝える
発火した油浴中の反応容器(消火後)
とともに消火の援助を求め、メンバーで粉末消火器で直ちに消火し
た。
<原因>
還流実験の際には、フラスコの上に冷却水を循環させる還流冷却器をつけ、本実験のように禁水性物
質を扱う場合には不活性ガスを入れた風船を3方コックにより装着する。今回、3方コックの操作を誤
って密閉系で反応を行った。その後の発火までの過程は推測であるが、密閉系のため内圧が高まり、還
流冷却器が外れ、エーテルが還流されずに、蒸発した。そして、反応濃度が高まり、粘性が高くなると
ともに攪拌子が回らなくなり、突沸とともに水素リチウムアルミニウムが発火し、さらにジエチルエー
テルに引火したと考えられる。
ニュースレター「環境保全」
これ以外にも、2009 年度以降だけでも、次ページのような事故・火災が起きており、発生頻度が高く
なっています。皆さんの研究室でも今一度気を引き締めて、実験に臨んでください。
西早稲田キャンパス事故履歴(2010 年度第1回西早稲田キャンパス安全衛生委員会資料より抜粋)
種別
小発火
小発火
小発火
小爆発
小爆発
年月日
場所
2010 年
65 号館
3 月 29 日
研究室
2010 年
65 号館
1 月 12 日
研究室
2009 年
65 号館
12 月 9 日
研究室
2009 年
51 号館
7 月 10 日
研究室
2009 年
51 号館
5月7日
研究室
状況
ドラフト内で金属ナトリウムを用いた合成実験を行った際に、未反応
の残存金属ナトリウムの廃棄処理を急いだため、ビーカーに少量の水
を加えたところ、液体表面から 20∼30 センチ高の炎が発生した。周
辺のキムタオル数枚に引火し、マグネットスターラーの電源ケーブル
を焦がした。負傷者はなし。
注射器中のジエチル亜鉛をトルエン中で希釈するために注入しようと
したところ発火、実験担当の学生の白衣の袖口に燃え移った。研究室
内の助教が防火シートで直ちに消火した。当該学生は手に軽い火傷を
おったため、大同病院に教員が搬送した。翌日には、火傷は回復した。
ドラフト内において、褐色瓶中のワイヤー状金属ナトリウムに誤って
水を注入し、発火。付近にあった廃液桶に引火した。発火直後に学生
が炭酸ガス消火器で消火した。実験室内物品の損傷、負傷者はなし。
金具で固定したテフロン容器に水試料と水酸化ナトリウム・ペルオキ
ソ二硫酸カリウム混合溶液を加えて、オートクレーブ中で加熱後、放
冷し、約 20 分後、扉を開けたところ、テフロン容器のうちの1つの
フタが内圧によって外れてテフロン容器中の溶液が飛散した。
実験担当の学生は(オートクレーブの扉に直接触れたため)右手の掌
に火傷を負い、目の周囲が腫れたが、視力に異常はなかった。当該テ
フロン容器以外の物品の損傷はなかった。
ホットプレートを使用して、溶液保存中のネジ口キャップ付きガラス
瓶のフタを閉めた状態で吸収発色液を加熱中に内圧が高まりガラスが
割れて破片が飛散した。
実験担当の学生は講義に出席していた。
負傷者はなかったが、当該のガラス瓶は破損、飛び散った酢酸がノー
トパソコンの液晶にかかり変色した。
2.GC-MS、HPLC をご利用の皆様へ(ご案内)
このたび、アジレント・テクノロジー㈱による GC,LC 基礎セミナーを環境保全センターにて開催いたし
ます。卒論・修論で GC や LC を使用することになった方には初歩的な内容から、パワーユーザーや将来技
術職として使用することが予想される方にはアプリケーションや内部の構造までを質問できる絶好の機会
です。是非、ご参加ください。
(日程等の詳細は添付資料をご覧ください。)
「環境保全」は、化学物質取扱いに関する環境保全・安全説明会受講者全員を対象にお送りしており、
みなさんと環境保全センターとのコミュニケーションを深めることを狙いとしています。
環境保全センターURL
:http://www.waseda.jp/environm/
問合せ先 e-mail
:[email protected]
環境保全センター主催
アジレントテクノロジー 基礎セミナー のご案内
∼ メーカー技術者との意見交換、GC・LCについての解説
アジレントテクノロジー
今回のセミナー
∼
は、電子計測およびバイオ・アナリティカル計測の 2 大事業を中心
に技術者、科学者、研究者から信頼を得ている計測専業メーカーです。
では、各種分析機器のカストマトレーニングで実績のある、技術者によるクロマ
トグラフィーの基礎や理論について学ぶことができます。
卒論・修論でGCやLCを使用することになった方には初歩的な内容から、パワーユーザーや将来技
術職として使用することが予想される方にはアプリケーションや内部の構造までを質問できる絶好
の機会です。ぜひご参加ください。
開催概要
1.日
時
2010年6月28日(月)
・29日(火)
2.会
場
環境保全センター会議室
両日とも14:00開始
(55号館N棟地階)
3.プログラム
1日目(6月28日) GC(ガスクロマトグラフィー)
A
基礎セミナー
14:00∼15:30
1. キャピラリーGC のための前処理/注入技術
2. キャピラリーカラムによる分離
3. 検出技術
B
質疑応答、意見交換
2日目(6月29日)
C
15:30∼16:30
HPLC(高速流体クロマトグラフィー)
基礎セミナー
14:00∼15:30
1. HPLC とは 何か?
2. HPLC で使われる検出器とその特徴
3. HPLC で使われる分離モードとその特徴
D
質疑応答、意見交換
15:30∼16:30
※A∼D のいずれか1コースのみの参加も可
4.申込方法
メール
または 申込用紙をセンターに提出してください。
送信先:esc@list. waseda.jp
--------------------------------------(き
環境保全センター主催
り
※下記の項目をご記入ください
と
り)--------------------------------------
アジレントテクノロジー 基礎セミナー申込書
氏名:
学年:
学部・修士・博士
年
所属研究室:
希望セミナー:
( )に
○を記入
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)A (
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