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ケンコーコムを支える ECシステム/SAP ERPのAWS

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ケンコーコムを支える ECシステム/SAP ERPのAWS
ケンコーコムを支える
ECシステム/SAP ERPのAWSクラウド化
~日本で初めてAmazon Web Services上にSAP® ERPを本番稼動~
2013年6月5日
ケンコーコム株式会社
新井 達也
目次
1. ケンコーコムのご紹介
2. AWS導入の経緯
3. システム概要
4. SAP on AWS活用決定の背景
5. AWSの活用効果
6. オンプレミスとの対比
7. AWS利用において気付いたこと
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Confidential
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ケンコーコムのご紹介(1)ケンコーコム概要
¶ 所在地
東京・福岡
¶ URL
http://www.kenko.com
¶ 業務内容 健康関連商品のEコマース
http://www.kenko.com
¶ 経営理念 Eコマースを通じて、お客様の健康づくりに貢献する
¶ 設立
1994年11月
¶ 従業員数 286名(連結ベース)
¶ 資本金
20億2,268万円(2012年6月19日現在)
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ケンコーコムのご紹介(2)事業系統図
当社は、主に健康食品や化粧品、医薬品等の健康関連商品のEコマースを一般消費者向けに行っており
ます。
リテイル事業
一
般
消
ECサイト
(当社)
費
者
(当社)
メーカー・卸
健康ECプラットフォーム
健康関連商品
商品仕入
リテイル事業
その他の事業
ドロップシップ
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法人事業者等
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ケンコーコムのご紹介(3)商品の特性-ロングテール当社はロングテールという考え方のもと、商品拡大をすすめ、現在 約20万点を取り揃えています。
取扱商品数の推移
180,000
160,000
140,000
ロングテールとは・・・
「回転の悪い少数市場向け商品が、
ネット店舗での欠かせない収益源になる」
120,000
100,000
80,000
60,000
40,000
20,000
0
売上金額
従来型(リアル店舗
型)
Eコマース型
売上順位
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AWS導入の経緯(1)
第一段階:最初のAWS利用
 膨大な商品画像の送出用に、安価なS3を活用(2009年)
 USリージョンのS3に画像を保存し、CDNを利用してキャッシュサーバーへ送出
第二段階:AWS本格的利用
 2011年3月、AWS東京リージョン開設を機に
 USリージョンから東京リージョンへ変更
 東日本大震災後に、安定的事業運営の構築
 福岡へのオフィス移転に伴い、サーバーも移転
 移転時の停止は許容できない。移設用ハードウェア二重投資は非現実的
 移行先として、利用実績のあるAWSが自然な選択
第三段階:SAP on AWS
 商品数、顧客数が急激に増加する中、スピード重視での導入
 要件定義の早期完了
 ハードウェアの長い調達リードタイムの回避
 自社のAWS活用経験、自信をもって望むことができた
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AWS導入の経緯(2)
 初めてのAWS利用から現在に至る主要な活動内容
FY2009
限定的利用開始
(画像送出用)
Amazon S3
Bucket
FY2010
FY2011
USリージョン
FY2012
東京リージョンにて稼働
▲AWS東京リージョン開設
▲東日本大震災
BCP目的
・停止を許容できないサーバー群
・RDSは使わずDB on EC2
新iDCへ移設
・アプリ的にAWSを利用しにくいサーバー群
(C/S間の重い通信、古いOS、マシン依存)
本格的活用
・残システムの全て
・RDS利用開始
構築
本番稼動
▲新iDCへサーバー移動
構築
本番稼働
開発
on AWS
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本番
▲ES2のSAP認定
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AWS導入の経緯(3)
東日本大震災を機に、安定的事業運営の構築のため、
2011年5月より本社機能の一部を福岡オフィスへ移転
状況と施策の進捗
施策
2011年3月
福岡オフィス
本社機能一部移転
東京オフィス
9月 10月
完了
9月末完了
完 了 10月末完了
震災の影響 クラウド化
完 了 5月上旬完了
物流拠点の移転
クラウド移行前
6月
クラウド移行後
データセンター利用料
セキュリティ監視
削減額 約6百万円/月
クラウド費用
保守管理費
ハードウェア刷新費など
9百万円/月
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50台以上のサーバーを
AWSへ移行
3百万円/月
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システム概要 - 概念図
 AWSとオンプレミス間で多数のインターフェース
 大量データ転送は圧縮して速度を向上
発注
基準量
在庫引当
販売サイト
(PC,スマホ,
モバイル,FB)
モール支店
販売管理
注文
ドロップシップ
パートナー
(社外)
注文
発注基準量
計算
(オンプレミス)
有効在庫
有効
在庫
リテール
販売管理
(オンプレミス)
入庫
実績
売上実績
自動発注
EDI/FAX
財務会計
(FI)
注文
ドロップシップ
販売管理
売上実績
各種マスタ
各種マスタ
(オンプレミス)
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管理会計
(CO)
在庫/購買管理
(MM)
庫内
移動
入庫
実績
仕入先
(社外)
納期回答
入庫
予定
倉庫
(オンプレミス)
商品
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システム概要 - SAPサーバー構成<本番環境>
Solution Manager
SAPルータ
Hinemos
Solution Manager
SAPルータ
Hinemos
Windows 2008 R2
Server(64bit)
Windows 2008 R2
Server(64bit)
CentOS 5.x(64bit)
EC2/m1.large
EC2/m1.small
EC2/m1.large
DataSpider
SAP本番機
Dataspider
HULFT
Windows 2008 R2
Server(64bit)
EC2/m1.xlarge
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SAP ERP
Microsoft SQL
Server 2008 R2
Windows 2008 R2
Server(64bit)
EC2/m2.2xlarge
NTTデータグローバルソリューションズ
SAP Business All-in-One
「専門商社向けモデル」
→現在、m2.4xlargeで運用中
Confidential
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SAP on AWS活用決定の背景
 AWS選定にあたり、日本企業が提供するクラウドの比較はしなかった
 2011年のオンプレミス(⾃社運⽤)からクラウドへの移⾏を行い、
既に活⽤メリットを実感していた。そのため、新規のシステム導⼊に際しては
AWSを検討することは⾃然なこと
 当時、AWSはまだSAP ERPの認証プラットフォームではなかったため、導⼊には
慎重な判断が必要だったが、⻑期的視点に⽴って考え、
将来の⼆重投資を回避するために稼動時からAWS利⽤を決定
 商品数・顧客数の増加スピードが上がり、SAP導⼊期間の⻑期化は許されな
い状況だった。その中でハードウェアなど、リードタイムの⻑い調達はボトルネック
要素と思われた
 最初にプロトタイプ環境としてAWSを利⽤した結果、すばやく要件定義を実
施でき、短納期で稼動させる⾃信につながった
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AWSの活用効果(1)標準化
 オンプレミス時代のノウハウと変わらないこともたくさんあるが、AWS特有の部分
に対して専門家の知見が重要
 計画的リブート対応
 初期に発生した理由不明のスローダウン・ロードアベレージ上昇
 専門家のアドバイスは必須
⇒ AWSコンサルタント “
” による支援
 AWSでは技術もサービスも標準化されている。そのため、
 コンサルタントは複数社の共有リソースであり、コスト共有されている
 運用ノウハウが複数社で共有され、成功体験を直ちに横展開
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AWSの活用効果(2)主な効果
 SAPの初期導入費と5年間の運用費の合計額を、AWSとオンプレミスで比較
65%削減
 テストを並⾏実施するため、作成したAMI(Amazon Machine Image)から別
インスタンスを起動し、SAPの移送により環境の同期
テスト期間の短縮
環境の取り合いを回避し、開発で待ち状態を無くす
テストやリハーサルなどサーバーを占有するタスクは別環境で実施
 データ移⾏本番時の一時的サイズアップ
数日間限定でインスタンスサイズを変更、システム停⽌時間を最⼩限
 インスタンスサイズをいつでも選択できる
ビジネス拡⼤を⾒越して余裕をもったサイジングを回避(過剰なマシンパワーは無駄)
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AWSとオンプレミスとの対比(1)環境稼動度
オンプレミス : 固定的
 プロジェクト終盤には、テストやデータ移⾏準備などでサーバー利⽤の要求が急激に
⾼まり、開発者に待ちが⽣じたり、夜間シフトなどで負担を強いられることが多くなる。
クラウド :
弾力的
 複製した環境を並⾏して稼動させることが可能なため、予定通りに稼動できた。
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AWSとオンプレミスとの対比 (参考)
 稼動前はテスト、リハーサル、データ移行が重なる環境負荷が高い時期
実現化フェーズ
1
2
テスト・移行フェーズ
3
4
5
6
稼働後支援フェー
ズ
7
8
★GoingLiveCheck
設計・開発・単体テスト
結合T仕様
結合テスト
総合テスト、移行と並行稼働テスト
総合T仕様 総合テスト
設計
〜テスト
テスト計画
テスト仕様
並行T仕様
並行テスト
ユーザーT仕様
ユーザーテスト
性能・負荷テスト
テスト仕様 障害テスト
テスト仕様
本番移行③
本番移行②
本番移行①
移行リハ
移行T2
移行
移行設計・開発(SAP)
移行スケジュール詳細化
/移行手順書作成
移行T1
移行設計・開発(周辺)
システム運用テスト
データクレンジング
業務に支障なく短時間で実施
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AWSとオンプレミスとの対比(2)プロジェクトリスク
オンプレミス:
遅延リスク高
 ハードウェア調達リードタイム、サーバー固定化により、プロジェクトリスク回避選択肢
は限定される
クラウド:
早期対応
 プロトタイプによって要件定義・技術検証を早期に開始でき、リスクを早期につぶすこ
とができるのは⼤きな利点だと考えられる。
オンプレミス:
コスト高
 サーバーのサイジングはプロジェクトの初期段階で、サイジング工数を投入した結果、
余裕をもった上で、さらに安全性を加味して必要以上に⼤きなマシンを選定する
ケースも多い。
クラウド:
コスト適正化
 常に実状に合わせて適切なコストで運⽤することができるので、無駄な初期投資を
回避し、継続的に運⽤コストを適正化できると考えられる。
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AWS利用において気付いたこと(1/2)
 無期限キーなのにライセンスの有効期限が表示された
 ハードウェーキーが変わってしまったため。Windows環境では回避策待ち
 従来と異なる運用を受け入れる
 メディアにバックアップする従来の方式とは異なる方法を構築する必要があった(楽
になった)
 リモートデスクトップ接続数
 インスタンスへの同時ログイン数が2アカウントのため、開発中ボトルネックになること
も(オンプレミスだとWindows Server CALを購入数を増やせる)
 ネットワーク速度/レスポンス
 インターネット越しだが、レスポンスが悪いと感じたことはない
 インターフェースでは、ファイル圧縮により遅延なしで連携
 開発環境を停止できればさらなるコストダウンになる
 不要なときはインスタンスを停止(「Stop」して環境を保存)
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AWS利用において気付いたこと(2/2)
 新しいサービスへの適応は意外と楽ではない
 Provisioned IOPSは、たまたま利用ゾーンでは提供されていなかった
 本番機だけではなく、VPN内全体の移動になるので大変だ
 AWSの変化に対応し続けることは必要と思う
 コスト削減、運用改善の実現のため
 ケンコーコムの明細データはSAP他社事例と比べても大量
 推奨「セントラルサーバー構成(一台でAP+DB)」は、拡張性が低い
⇒ 容易にスケールアウトできないので、サイズアップするしかない
 オンプレ同様障害は付きもの
 Windows 2008 SP2で、UTC以外のタイムゾーン設定において年またがり障害
 仮想マシン自体の不調など
 AWSは標準化された世界。だから安い、早い
 コンサルなどサポートコストが安価なのは、標準化の恩恵
 他社での成功体験が直ぐに横展開される
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AWS利用の実感として
 IaaSとは、インフラがサービスとして提供されるものだから、
 専門家によるサービスを受けつつ、
 アプリケーションの拡張、安定運用に専念する
⇒ 少人数のシステム部門にとって、
ビジネスに近い領域に集中できるメリットは大きい
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最後に
クラウド活用に課題はありますが
ビジネスの変化がダイナミックで、
自社ですべてを対応することが人員的にもコスト的にも
容易ではない中小規模の企業にとって、
クラウドは有効な手段であり、
今後も活用を拡大予定です
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http://www.kenko.com/
なお、本資料に記載のデータについて、特に出典の記載のないものついては当社集計数値によるものです。
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