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Lektion 8 話法の助動詞Modalverb、未来形Futur

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Lektion 8 話法の助動詞Modalverb、未来形Futur
Lektion 7 話法の助動詞 Modalverben と未来形 Futur、
1話法の助動詞
話法の助動詞については、まず人称変化を覚えることが重要でしょう。変化の特徴としては、単数主語の時、sollen
以外は母音が変化することと、単数1人称(ich)と、単数3人称(er, sie, es)が主語の場合、人称変化語尾らしいもの
がないという点です。助動詞ではありませんが、他に同じような変化をする動詞として wissen があります。
話法の助動詞を使った文では、助動詞が主語に合わせて人称変化し、定形として所定の位置に、本動詞は不定形で
文末というのが基本です。
Ich spreche Deutsch.
└────────┐ 不定形にして文末へ、空いた二番目の位置に話法の助動詞
Ich kann Deutsch sprechen.
基本的な構文をここで確認してみましょう。
Ich kann Deutsch sprechen. 平叙文では定形2番目
Kannst du Deutsch sprechen? 決定疑問文では文頭に定形
Wer kann Deutsch sprechen? 補足疑問文では、疑問詞が文頭、定形は2番目
話法の助動詞を使うと、普通の動詞だけでは表せないような、
「必要」とか「義務」
「能力」
「可能性」
「許可」
「意志」
「願望」
「推量」などの様々なニュアンスを加えることができます。そこで、個々の助動詞に関して、いくつかの例
文で用法を見ていきますが、助動詞の用法は以下で挙げられているものだけではありません。できれば、辞書のそ
れぞれの項目を、最初から終わりまでよく読んでみることをお薦めします。
können 能力、可能性、許可など
Hänsel kann schon schwimmen.
これは、単純に能力を表していると解釈してかまわないようですが、次の文はどうでしょう。
Hänsel kann nach Hause gehen.
現在形ではわかりにくいかもしれませんが、
「家に帰る」能力があるととるのは、かなり無理がありますね。むしろ、
そういう可能性やチャンスがあると捉える方が自然でしょう。また、
Du kannst schon nach Hause gehen.
こちらの方がわかりやすく、
能力というより、どちらかというと話し手が許可していると解釈することができます。
Hier können Sie Fahrkarten kaufen.
この文の場合は、聞き手の能力を問題にしているのではなく、
「ここでは、乗車券を買うという機会が与えられてい
る」ということですね。
Du kannst jetzt Hausaufgaben machen.
これも能力というよりは、提案であったり、形を変えた命令の文と解釈できます。
können はなんでも「できる」と訳せば良いのだというのなら、外国語を、ドイツ語を学習している意味がありま
せん。助動詞が使われている文の意味と、その文が発せられている状況を考慮しないと、適切な理解が得られない
わけです。
話法の助動詞 können は、本動詞がない用法もあります。ひとつは、ひとつの動詞に特定できないような場合で、
Er kann Deutsch (sprechen, schreiben, lessen und hören).
「ドイツ語ができる」というのは「話せる」だけでなく、書いたり、読んだり、聞いたりすることも含まれますか
ら、können だけを使うことで、全般的な「能力」を示しているわけです。
助動詞が単独で使われているように見える、もうひとつの例は、方向を表す句があると、それに必然的にともなう
はずの移動を表す動詞は省略できるというもので、これは他の助動詞でも可能です。
Du kannst nach Hause (gehen).
nach Hause が「家に帰る」という「方向性」を十分に示しています
Wir können aus dem Labyrinth (kommen). 「迷路から外へ...」
dürfen 許可(否定なら禁止)
こちらの方が比較的簡単で、主語の者に対する、話し手の許可・禁止を表すのが基本的な用法です。
Sie dürfen hier parken.
können でも許可を表すことができましたが、dürfen のほうが強い意味だと理解してください。
Du kannst ins Kino gehen, aber du darfst allein nicht (ins Kino gehen).
また許可を求めるような場合でも、dürfen の方が正式な感じを与えます。
Kann (Darf) ich eine Frage stellen?
müssen 必要、義務など
Du musst fleißig Deutsch lernen (, wenn du in Halle studieren willst).
Ich muss schon nach Hause gehen.
Um 10 Uhr müssen wir zu Hause sein.
これらは、いずれも内的・外的、様々な要因による必要性、義務を表しているのですが、コンテクスト(前後の文
や、状況)次第で、解釈も変わってきます。例えば主語 ich の二番目の文は、場合によっては強い意志を表すこと
もあります(日本語でも「僕は家に帰らなければならないんだ」が、話し手の意志を表すことがありますね)。
また müssen は、話し手の推測に基づく強い確信「~にちがいない」を表現することもできます。
Er muss schon zu Hause sein.
動詞の選び方もあって、この文は、比較的わかりやすい例ですが、話し手の推測→確信と、内的・外的な必要性の
どちらの解釈も可能な場合もあります。
Sie muss tanzen, wenn sie Musik hört.
Was ist das Geräusch? Sie muss im Zimmer tanzen.
müssen+否定は「してはいけない」?「しなくてもよい、する必要はない」?
これには、地域的な違いもあるようですが、両方の解釈が可能ですので、コンテクストをよく見る必要があります。
Du musst nicht so laut sprechen. 「...そんなに大きな声でしゃべってはならない/しゃべる必要はない」
「する必要はない」と明確に述べたい時には、英語の need to 不定詞に当たる、」brauchen+zu 不定詞が使われま
す。
Du brauchst nicht so laut zu sprechen.
zu 不定詞の位置に注意してください。またこの構文は、否定形「する必要はない」で使われるのが一般的で、
「必
要がある」場合は müssen, sollen などが使われます。
sollen 主語以外の意志、伝聞
主語以外の意志と言っても、
「助言」であったり、
「期待」であったり色々ですが、話し手や、第三者の「意志」が
あって「するべきである・した方がよい」という表現が出てくるわけですね。
Du sollst Fisch essen. 話し手や、料理の作り手の「期待」
Sie sollen zum Arzt gehen. 話し手や、一般的な常識からの「助言」
従って、疑問文で、相手の意思を聞くような場合にも sollen が使われます。
Soll ich Salat essen? Ich will nicht. Ich kann nicht.
話し手ではない第三者の「要求・命令」を伝えるような場合にも sollen が使われます。
Du sollst sofort zu Frau Rieger kommen. 「リーガー先生が来いって言ってたよ」
以上のような用法をまとめて「主語以外の意志」としているので、誰が、どの程度の強さで要求しているのか考え
た上で、判断しましょう。
上記の第三者の要求・命令と似ていますが、話し手以外の「判断・推測・主張」を伝える(伝聞)時にも sollen は
使われます。
Er soll auch Japanisch sprechen (können). 彼は日本語も話せるんだって
この時、話し手は、彼が本当に日本語を話せるのかどうかを知っているわけではありません。ただ誰かがそんなこ
とを言っていた、主張していたということを伝えているだけなのです。話し手が「彼が日本語も話せる」ことを知
識として知っていれば、
Er kann auch Japanisch sprechen.
と言えばすむことですね。ただし sollen を使った、上の例も、
(話し手、あるいは話し手以外の)誰かが、そうい
う要求・期待を持っている場合にも使えますので、ひとつの文だけで判断するのは危険です(どんな場合・状況か
は、自分で考えて見ましょう)
。
wollen 主語の意志
sollen が「主語以外の意志」というのと平行して、wollen は主語となっている人の意志を表現します。
Ich will in Halle studieren.
Willst du das Auto kaufen?
wollen を使うと主語の持つ意志・意図・計画という側面が強く、werden を使った未来形は、話している時点より
後という未来の側面が強いというように理解していただければ良いのですが、一人称の主語の場合、区別が付け難
いこともあります。
wir を主語とした疑問文形式で、提案を表現することができます(命令表現参照)
。
Wollen wir in der Mensa essen?
上記 sollen の伝聞と対応して、wollen は主語の者の「主張」を伝えることもあります。
Er will auch Japanisch sprechen (können). 彼は自分が日本語も話せると言っている
この場合、話し手は「彼」の主張を伝えているだけで、本当に彼が話せるのかどうかには、むしろ「疑惑」を持っ
ているのが普通です。
mögen 好悪、推量
Magst du Fisch? --- Nein, ich mag Fisch nicht. / Ja, ich esse gern Sushi.
mögen は単独でも、好悪を表現することができますが、疑問文か否定文で使うのが普通で、肯定の場合は、別の表
現を使いましょう。
Magst du Auto fahren? --- Nein, ich mag nicht Auto fahren.
肯定文で使えないこともないのですが、文章語・雅語のようなニュアンスが感じられます。
mögen の接続法 II 式である möchte(n)は、単独でも、助動詞としても、広く好みや要望を表現するために使われて
います。
Was möchten Sie? --- Ich möchte Kaffee.
wollen との違いは、möchte(n)のほうが、程度が弱い、あるいは丁寧な印象を与える点です。
Er will / möchte das Mofa kaufen.
Ich möchte (will) das Hemd dort nehmen.
mögen のもうひとつの用法は、推量・推測ですが、推量・推測を表すには他にも様々な表現法がありますので、こ
こでは簡単な例にとどめておきましょう。
Das mag sein, kann sein.
推測・推量に基づく判断に関しては、上述の müssen や、接続法 II 式の müsste(n), dürfte(n), könnte(n)などを使
い分け、話し手の確信の度合いを表現することがありますので、接続法学習後にもう一度言及したいと思います。
2未来形 werden+本動詞(不定形)で文末
現在形、使えますか?
ドイツ語では、英語と同様、6つの時制があります。現在・過去・未来とそれぞれの完了形です。このうち、現在
形と過去形は、動詞の形を変え、人称変化だけでできる時制ですが、他の未来形、完了形は助動詞が必要になりま
す。また英語にはある進行形にあたるものはありません。そこでまず、これまで学習してきた現在形の文を、整理
しておきましょう。
Ich lerne Deutsch. 私はドイツ語を学ぶ
おなじみのこの文ですが、状況次第では様々な意味に解釈できます。
Ich lerne dieses Jahr Deutsch. 今年はドイツ語を履修しているんだ。
Ich lerne jetzt Deutsch. 今、ドイツ語やってんだから。
英語の現在進行形に当たる用法がないため、現在形で「今 jetzt」などの副詞を入れることで、同じような意味を持
たせることができます。また、過去のある時点から始まって、現在まで継続している出来事も、現在形で表すこと
ができます。
Ich lerne seit April Deutsch. 4月からドイツ語を勉強しているんだ。
前置詞 seit を使った、この表現は、現在も継続しているという点がポイントで、4月から7月まで学習して、今は
やめているような場合には、過去形や現在完了形を使い、前置詞も違う、別の言い方をしなければなりません。
Ich lernte von April bis Juli Deutsch.
ドイツ語では、未来のことも現在形で表現することができます。
Deutsch lerne ich morgen. ドイツ語は明日やるよ。
話し手が、確実だと思っている未来の事は、現在形で表現するのが普通です。これは、近い未来か、遠いかという
こととは関係がありません。
Ich reise nächstes Jahr nach Deutschland. 私は、来年、ドイツに旅行します。
話されている内容が、未来の事であるということを、決定しているのは、morgen, nächstes Jahr などの未来の時
を表す副詞のほうなのです。ただ、後の例文は、
「来年」がなくても「私はドイツに旅行する」だけでも、未来の事
として理解できますね。
Ich reise in Deutschland.
Ich reise jetzt in Deutschland.
Ich reise nächstes Jahr in Deutschland.
この組み合わせならどうでしょうか?動詞の意味だけでなく、用法とも関わりがあるので、ただ訳せばよいという
のではなく、ドイツ語はドイツ語として理解するようにしましょう。
さて、それでは未来形は必要がないのかというと、意志や推量などのニュアンスを加えて、未来のことを表現する
時には未来形が使われます。
未来形
ドイツ語の未来形は、英語の will, shall などにあたる wollen, sollen 等の話法の助動詞ではなく、werden を助動詞
とし、本動詞は不定形で文末に置かれます、話法の助動詞を使った文の作り方と同じですね。この時、助動詞 werden
は主語に合わせて、現在人称変化します(未来人称変化というのはありません!人称変化があるのは、先述のよう
に現在と過去だけです)。
Ich lerne Deutsch.
└─────────┐ 不定形で文末へ、空いた二番目の位置に未来の助動詞 werden の現在人称変化形
Ich werde Deutsch lernen.
いくつかの文で、未来形と現在形の違いを見てみましょう。
Ich finde immer keine Ruhe.
Ich werde Zeit dafür finden.
Ich finde Zeit dafür.
Lernst du Deutsch?
Wirst du Deutsch lernen?
Lernst du Deutsch?
Er arbeitet in einem Büro.
Er wird weiter in dem Büro arbeiten.
Er arbeitet weiter in dem Büro.
Hänsel und Gretel gehen nach Hause.
Hänsel und Gretel werden nach Hause gehen.
訳し分けるのが難しいもの、明らかな違いがあるもの、様々ですが、未来形の文を見たら、同じことは現在形で表
わせないのか?現在形で表現した場合と、なにか意味的な違いがあるのか?よく考えて見ると良いでしょう。
もともと werden には本動詞としての用法「~になる」があり、不定詞と一緒に使うことで、
「~するようになる」
つまり「~し始める」というような使い方が定着し、それまで wollen, sollen を使って表していた未来表現を押し
のけてしまったわけですが、ドイツ語では現在形で未来のことも表せるため、棲み分けが必要になり、同じ未来の
ことを表していても、現在形だと、話し手は確実だと思っていて、ある程度不確実な未来のことだと表現する時は
未来形を使うのです。だから、未来の助動詞 werden は、
「未来」というより「推測の助動詞」と考えられています。
話している時点よりも後という未来の意味は薄れ、現在のことの推測に使われることもあります。
Herr Luther kommt noch nicht. Er wird krank sein.
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