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略語・用語集
用語解説 用語 英国 子ども/青少年/若者 大人/成人 親/保護者 児童ケア アセスメント NEET 追加的/複合的ニーズ 解説 本稿では、調査対象の国名として「イギリス」ではなく、調査件名に合 わせて「英国」という語を用いた。また、特に断りがない限り、英国は 英連合王国全体を指すのではなく、イングランドのみを指すものとし、 調査範囲もイングランドにおける青少年育成施策とした。また、文脈か ら特にイングラントについての記述であることを示す必要がある場合 や、法令の条文などで、原文に England と記されている場合などには、 「イングランド」という語を用いた。 基本的に、英語の“child/children”, “young people/youth”, “children and young people”の訳語をそれぞれ、「子ども」「若者」「青少年」とした。 ただし、Children Act に対して「児童法」というように、定訳がある場 合や、前後が漢語的表現で、child/children を「児童」と訳した方が自然 であると判断した場合(例:Local Safeguarding Children Board を「地 方児童安全保護理事会」 )には、 「児童」を用いた。 それぞれの語に対応する年齢については、明確な境界を引くことはでき ないが、英国の青少年施策の中で、しばしば「若者」が 13 以上 20 歳未 満と規定されていることから1、一般に、それより年少者を「子ども」と する。ただし、子ども局長(Director of Children’s Service)などのよう に未成年者(20 歳未満)を一括して「子ども」と呼ぶ場合がある。その ような意味で使われている children を「青少年」と訳す場合もある(例: CWDC を「青少年人材開発評議会」とするなど) 。 “child”の訳語を「児童」(漢語)ではなく「子ども」(和語)としたこと から、adult に対応する語も、基本的には「大人」とした。ただし、 「成 人教育」のように定訳がある場合には、慣例に従った。 parent(s)は基本的に「親」と訳した。日本の法律(児童福祉法など)で も、 「保護者」とは親及び未成年後見人のことを指すことから、 「保護者」 は”parents or carers”に対応する語として扱った。 “childcare”とは「広義には、保育・幼児教育に加え、統合施設における 保健サービス、親の就労支援等を含む広い概念であるが、一般的には、 保育・幼児教育を指すことが多く、また、狭義には、保育を指す場合も ある」という岩間大和子の解説を採用し、 「児童ケア」という訳語を用い た2。 本稿で「アセスメント」は、子どものニーズを特定することの意味で使 用されており、“assessment”の訳語として使用されることのある、 「評価」 が意味するような、価値判断は伴わない行為である。また、国内の心理 学の分野等において、同様の意味で「アセスメント」という語がしばし ば使用されていることから、アセスメントという音訳語を採用した。 “Not in education, employment or training”の略語として 1980 年代後半 から使用されている語である。英国では 16 歳以上 18 歳以下の若者で、 教育も職業訓練も受けておらず、また雇用もされていない者のことを指 す。本稿では便宜上 NEET の状態を説明する場合、 「教育にも雇用にも 訓練にも参加していない」と表現した。 「追加的ニーズ(additional needs) 」を持った子どもとは、 「どの子ども も大切」で示されたあらゆる子どもが達成すべき 5 つの成果指標(健康 であること、安全であること、楽しみかつ目標を達成すること、前向き な活動に寄与すること、経済的に幸せになること)に関して、十分な成 果が上げられない危険性のあるすべての子どもを指す一般的な用語であ り、未成年期のいずれかの時点で 20∼30%の子どもが「追加的ニーズ」 を持つと見積もられている。 「複合的ニーズ(complex needs) 」を持った 子どもは、そのうち法律で定められた介入を必要とするような状態にあ る子どものことをいう。3 v エンパワーメント 地方/地域 州/ディストリクト Multi-agency 訓練 継続教育 一般的 英語の“empowerment”という語をどのように和訳するかについては、 様々な試みがあり、例えば国語国立国語研究所「外来語」委員会は、 「能 力開花」 「権限付与」という訳語を提案している4。しかしながら、本稿 の文脈においては、若者が「自立的に社会参加をする能力を身に付ける ための支援をする」という意味で使われている。 「能力開花」では社会参 加の意味合いが含まれず、 「権限付与」では上意下達的なニュアンスが生 じてしまうので、しばしば見受けられるように「エンパワーメント」と いう音訳語を採用した。 基本的に“local”の訳語を「地方」 (地方当局など) 、”region”の訳語を「地 域」とした。ただし「地域協定」 (Local Area Agreement)などの例外も ある。また、文脈により local を地元と訳すこともある。 英国の行政単位である county は州と訳した。district については、例え ばバーミンガム市(City)カウンシルも、位置づけとしては district council になるため、あえて「郡」等の訳語を充てず、ディストリクトと 音訳した。 “Multi-agency”は、特定の課題に関係する複数の機関が相互に協調ある いは協力し合い業務を行うことを意味し、 1997 年の労働党政権成立以来、 統合的な公共サービスの提供を標榜する政府の重要なキーワードのひと つである。しかしながら、この語に対応するふさわしい訳語が見当たら ず、便宜上、「多機関による」「複数機関による」という訳語、あるいは 文章内での説明的な表現などを用いた。 本稿の文脈で「訓練」と記した場合には、特に断りがない限り、 「職業訓 練」のことを意味する。英語の“training”という語に、「仕事に必要な技 術を身に付けること」という意味もあるからである5。ただし、特に職業 に関する訓練であることを強調する場合等は、 「職業訓練」という語を使 った。 継続教育(further education)は、義務教育修了後の教育のうち、大学 等で行われる高等教育(higher education)を除いた教育のことである。 従って、内容面では職業教育に関連することが含まれる場合も多く、学 習者はしばしば広い年齢層に及び成人教育も含まれる。 本稿中に「一般的」という語がしばしば現れるが、 「概ね」 「多くの場合」 という意味の他に、青少年施策上重要な意味を持つ 2 つの概念の訳語と して使用されている。それは、 「集中的(targeted)サービス」に対する 「一般的(universal)サービス」という場合と、「専門的(specialist) アセスメント」に対する「一般的(generic)アセスメント」という場合 である。前者は、深刻なニーズを持った子どもに対する多くの資源を投 入したサービスではなく、すべての子どもに行き渡るサービスという意 味の「一般的」であり、後者は、限られた分野で高度な専門性を要求す るアセスメントではなく、多くの内容を広く浅くカバーするアセスメン トという意味での「一般的」である。 例えば、2008 年教育技能法第 78 条(1)など。 岩間大和子「英国ブレア政権の保育政策の展開―統合化、普遍化、質の確保へ」 『リファレンス』2006 年 4 月、p.6 3 Children’s Workforce Development Council. (2007). Common assessment framework for children and young people: Managers’ guide. Leeds, UK. p.2 より。 4 国立国語研究所ホームページ 「 『外来語』言い換え提案」http://www.kokken.go.jp/public/gairaigo/ より。 5 Cambridge Advanced Learner's Dictionary, Cambridge Dictionaries Online, Cambridge University Press (http://dictionary.cambridge.org)より。 1 2 vi 略語表 略語 名称/用語 和訳 APIR Assessment, Planning, Implementation and Review アセスメント・計画・実施・審査 AWM Advantage West Midlands アドバンテージ・ウェスト・ミッドランズ C4EO CACHE Centre for Excellence and Outcomes in Children and Young People's Services Council for Awards in Children's Care and Education 青少年サービス卓越・成果センター 児童ケア・教育顕彰評議会 CAF Common Assessment Framework 共通アセスメント枠組み CAMHS Child and adolescent mental health services 青少年精神健康サービス CCIS Client Caseload Information System 受益者取扱事項情報システム CDFIs Community Development Financial Institutions コミュニティ開発金融機関 CIC community interest company コミュニティ利益会社 CLG company limited by guarantee 保証有限責任会社 CLS company limited by share 株式会社 CSR Comprehensive Spending Review 包括的支出見直し CWDC Children Workforce Development Council 青少年人材開発評議会 CYPP Children and Young People's Plan 青少年計画 DCSF Department for Children, Schools and Families 子ども・学校・家庭省 EMA Education Maintenance Allowance 教育維持助成金 EU European Union 欧州連合 FEFC Further Education Founding Council 継続教育財政委員会 GCSE General Certificate of Secondary Education 中等教育修了一般資格 GDP gross domestic product 国内総生産 IAG information, advice and guidance 情報(提供) 、助言、指導 ICT information and communication technology 情報通信技術 ILM Institute of Leadership and Management リーダーシップ・マネージメント研究所 IPS industrial and provident society 産業・共済組合 LAA Local Area Agreement 地域協定 vii LEA Local Educational Authority 地方教育当局 LSC Learning and Skills Council 学習技能評議会 LSCB Local Safeguarding Children Board 地方児童安全保護理事会 MI Management Information マネージメント情報 MORI Market & Opinion Research International MORI 社 NEET Not in education, employment or training 教育にも雇用にも訓練にも参加していな い状況 NFER National Foundation for Educational Research 国立教育研究財団 NHS National Health Service 国民保健サービス NSPCC National Society for the Prevention of Cruelty to Children 全国児童虐待防止協会 Ofsted Office for Standards in Education 教育水準局 OTS Office of the Third Sector サード・セクター室 PCT Policy Action Team 政策検討チーム PIU Performance and Innovation Unit 業績・技術革新ユニット PSA Public Service Agreement 公共サービス合意 PTC Primary Care Trust プライマリ・ケア・トラスト RDA Regional Development Agency 地域開発庁 SEC Social Enterprise Coalition 社会的企業連合 SEL Social Enterprise London 社会的企業ロンドン SEN special educational needs 特別な教育的ニーズ SEU Social Exclusion Unit 社会的排除対策室 SEWM Social Enterprise West Midlands 社会的企業ウェスト・ミッドランズ SWOT Strength, Weakness, Opportunity, Threats 強み、弱み、機会、脅威 TEC Training and Enterprise Council 職業訓練・企業評議会 WCS Westminster Children's Society ウェストミンスター児童協会 viii