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フェース フェース

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フェース フェース
フェース フェースに讃え合う
to
手書きカードで
浸透の鍵は強制感無くす雰囲気作り
ザ・リッツ・カールトン東京
日本航空
ザ・リッツ・カールトン東京の約500人のスタッフ
リッツは讃え合う仕組みとして「ファーストクラ
が高度な接客を実現できる根底には、四つ折りで
ス・カード」
「ファイブスター社員表彰」を導入して
名刺サイズになる「クレドカード」がある。そこに
いる。前者は、部門に関係なく同僚の活躍ぶりを
は「クレド(経営理念)
」
「サービス・バリューズ(12
目の当たりにした時や、同僚から助けてもらった
の行動指針)
」などが記載されている。
時などに感謝の気持ちを込めて渡す手書きのメッ
例えばサービス・バリューズの欄には、
「私には、
セージカード。
「仲間の士気を高めるのに、最も簡
ユニークな、思い出に残る、パーソナルな経験をお
単で、最も安くて、最も素早くて、最も効果的な方
客様にもたらすため、エンパワーメント(権限)が
法が、サンキューと伝えることだ。忙しさからサン
与えられています」
「私は、
『成功への要因』を達成
キューを忘れないよう、いろんな職場に行って一
し、リッツ・カールトン・ミスティークを作るという
緒に仕事をしながら、みんなを促すのが総支配人
自分の役割を理解します」といった記述が並ぶ。
の役割」とドゥブランク総支配人はほほえむ。
全員が身につけ、毎日読み返している。
個々の判断で、ファーストクラス・カードを職場
だが、誰もが創意工夫してミスティークを生み出
の朝礼で手渡すこともある。大勢の前なので受け
したいと心から本気で願うようになるには、クレ
取る側の感激が増すし、接客方法の情報共有に役
ドの内容に則した仲間の活躍を見たらすぐに讃え
立つ。朝礼の主目的は、クレドカードに記載された
る風土が醸成されていることが欠かせない。
1項目についての議論。議題は全世界のリッツで共
日経情報ストラテジー
JANUARY 2008
カードの一部は、
掲示板を使って共有
⑤四半期ごとの優秀
社員賞にも加味
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カードは朝礼で
手渡すことも
ある
④査定の参考資料に
使用
写真撮影:山西 英二
③カードのコピーを
人事部に提出
ファーストクラス・カードを手にするザ・リッツ・カールトン東京のスタッフ
②感謝したい時に
カードを渡す
①クレドカードを
常時携帯
●ザ・リッツ・カールトン・ホテル・グループでは、素晴らしいサービスをした同
僚に感謝したいときに「ファーストクラス・カード」を渡す習慣がある
特集2
サンクスカードを考案したCS企画部などJALグループの社員
褒めたい時に渡すサンクスカードのデ
ザイン公募の当選者チームと、カード
の一例
通で、半月周期で毎日変わる。タイミングよくカー
感もあったので、士気を高めるためにも部門を越
ドを渡せば、議論の中身が心に強く響く。
えて褒め合うツールを導入しようという話になっ
また、受け取ったファーストクラス・カードはコ
た。自分の仕事の前後に人がいると強く認識でき
ピーして人事部に提出。昇給や昇格の査定材料の
たほうが仕事に心が乗り、マニュアルを超えたサ
一部になる。人事部は、カードの一部をバックヤー
ービスにつながる」
(中村智CS企画部マネジャー)
ドの掲示板に張り出し、情報共有にも気を配る。
意外なことに、カード導入を各部門に強制して
多い人は月10枚以上カードをもらうようだ。
いない。
「風土改革が狙いなので、やらされ感を無
一方、ファイブスター社員表彰は、四半期ごとに
くすことが大切。業務命令ではなく趣旨に賛同し
最も活躍したスタッフを部署ごとに話し合いで選
てくれた部署に口コミで広げている」と、CS企画
び、そのうち5人を表彰する制度。表彰された社員
部の浅香浩司マネジャーは説明する。カードを渡す
は、制服に五つ星バッチを付けられる。
条件として、
「褒めたいことがあったら渡して」と
複数の企業文化の融合にもカードを活用
だけ伝えている。カードはいつでも手軽にやり取
りできるように、名刺大にした。贈っても集めて
2005年に続発した航空機の整備トラブルによる
も楽しくなるよう、裏面のデザインにバリエーショ
顧客伸び悩みや原油高などが原因で経常赤字に陥
ンを持たせ、何度か公募もした。
り、自主再建中の日本航空( JAL)
。短期的には賃
JALグループの総社員数は5万人超。既に35万
金など固定費の削減、航空機サイズの適正化、高
枚のカードを発行し、1〜2割が使われたと推察さ
収益路線への注力など業績に直結する施策が重要
れる。客室サービス企画部品質管理グループの山本
だが、安定的な成長軌道に乗るためには会社の信
泉キャビンコーディネーターは「客室乗務員はフラ
頼回復と社員力の底上げが欠かせない。
イトが不規則で、他部門に感謝を伝えづらい。サ
そこで2006年4月、航空事業子会社JALインタ
ンフランシスコ空港の人にお礼を言いたくても、
ーナショナルのCS企画部が社員のCS意識と仲間
次に行くのは3年後かもしれない。悪天候で航空
意識を高めるため、
「サンクスカード」をグループ全
機の到着が遅れた時に機内清掃スタッフを手伝っ
社に導入開始。
「安全問題が頻発した時、部門間の
たらカードをもらい、すごくうれしかった。みんな
コミュニケーション不足が浮き彫りとなった。閉塞
仲間なんだと再認識した」と実体験を披露する。
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