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森永健次・柳ケ瀬 勉
昭和58年 総合理工学研究科報告 第5巻 第1号 一 9 RO−B203系, RO−GeO2系(R=Ba, Sr, Ca, Mg) の不混和領域 太田能生*・田畑芳明** 森永健次・柳ケ瀬 勉 (昭和58年3,月28日) Immiscibility Region of RO−B203 and RO−GeO2 Systems(R=Ba, Sr, Ca, M:g) Yoshio OHTA*, Yoshiaki TABATA**, Kenji MORINAGA and Tsutomu YANAGASE Hand−made apparatus, namely hot−thermocouple method has been applied to estab− lish the immiscible region in RO−B203 and RO−GeO2 systems(RコBa, Sr, Ca, Mg). RO− B203 and MgO−GeO2 have a two liquid regions, and the other systems have a metastable immiscibility at the temperature between liquidus and crystallizatiorl. The Iatter immis− cibility could not be observed without hot−thermocouple method. All these immiscible region could be described by the empirical equation, lnlX−X、1= o十う・1n17L7。1, where X、 is the critical composition,7、 is the critical temperature, and αand∂are constant values for the system. The value of Xc,7‘,αand∂in above sys− tems have been reported. た. 1.緒 言 有機,無機,金属をとわず2男系や多元系におい 本研究ではB203系およびGeO2系での安定不混 和および高温に存在する準安定不混和を,自作したホ て,不混和現象が生じることは古くから知られてい ットサーモカップル法2)により観察し,その不混和の る.無機ガラス形成系,特にケイ酸塩系における不混 温度,組成範囲を決定した. 和現象については多くの研究1)がなされ,またその現 象を利用した材料の開発(パイレ肱クス,バイコール など)が行われてきた. 無機ガラス系における不混和現象は,その存在する 2.実 験 2−1.ホットサーモカップル法2) ホットサーモカップル法とは,熱電対を単に温度検 温度領域において二つの型に分類される.すなわち液 出のたあに用いるのではなく,試料加熱と試料保持の 相線温度以上に存在する安定不混和(液一三不混和) 役割をも兼ねさせる方法である.この方法の特長は高 と液相線温度以下に存在する準安定不混和である.し 温融体を肉眼で観察しながら同時に測温できることで かし安定不混和および結晶化温度以上に存在する準安 ある.著者らはこの方法を用いて高温融体が関与する 定不混和の組成領域,温度領域を測定する方法が確立 種々の現象についてその観測結果を報告している. しておらず,研究の中心は結晶化温度以下,ガラス転 移点以上に存在する準安定不混和領域についてであっ *福岡工業大学電子工学教室 繽B大学大学院(現:日本鋼管(株)) ** 九州大学総合理工学研究科材料開発工学専攻 2−2.試料 アルカリ土類金属酸化物には特級試薬の炭酸塩を, B203, GeO2は特級試薬の酸化物を用いた.所定の組 成になるように試薬を精秤し,十分混合した.この試 料にイソプロピルアルコールを少量加え,更に混合 一10 二成分系B203およびGeO2系の不混和 し,その数mgを熱電対の先端につけた.この試料の 溶解,測温および観察をホットサーモカップル法によ り測定した.測定組成間隔は通常0.01モル分率とし て必要に応じて0.005モル分率とした.5回の測定結 果の平均から不混和領域を決定した.繰り返し誤差は 最大±2℃以内であった. 3.観察結果 従来,安定不混和(2液相)領域の決定には試料急 冷法3)が用いられてきた.この方法では試料の急冷速 度によって不混和の組成,温度域に誤差が生じるもの と思われる.また高温での準安定不混和領域は,試料 の血温時に結晶化がおこるため,その存在の有無すら 推定できなかった.著者らは自作したホットサーモカ ップル法により,これらの不混和領域を正確に観察, 測定できた. 3−1.安定不混和(2液相)状態の観察 測定したすべてのB203系に安定不混和状態が観察 された.その一例をFig.1に示した.熱電対に付し た試料を加熱,融解すると均一な宿年が観察される. この均一な融体を測温しながら降温すると,ある温度 でcritical opalescenceが生じる(Fig.1の(C)). その直すぐに2液相に分離するか(Fig。1の(c)→ (A))または,しばらく時間が経過した後2液に分離 (Fig.1の(C)→(B)→(A))した.前者のタイフ。は MgO一, CaO−B203各2元系であり,後者のタイフ.は SrO一, BaO−B203各2元応であり,これらの相違は共 心組成法体間の表面張力によって分類される傾向を示 した. 3−2,高温での準安定不混和状態の観察 GeO2系ではMgO−GeO2に安定不混和が観察され たが,CaO一, SrO一, BaO−GeO2各2元系では,その 不混和領域が液相線以下にある準安定不混和の存在が 観察された.しかもこの不混和領域は結晶化温度以上 Fig.1, Photograph showing liquid−1iquid separation in B203 systems. (A);Type observed in 20 mol%MgO− B203 melt at 1300℃ (B);Type observed ln 10 mol%SrO− B203 melt at 1200℃ (C);Critical opalescence observed in 10mol%SrO−B203 melt at 1425℃ の高温度域に存在するため,従来のガラス状態からの 加熱による分相領域の測定法は適用できず,ホットサ 1054℃で不混和を生じ,不混和特有のcritical opa− ーモカップル法で初めて高温での準安定不混和の組 lescence(b)が観察される. これを50℃/sec以 成,温度域が明らかにできた.この従来測定されてい 上の冷却速度でガラス転移点(Tg)を通過させると ない高温度での準安定不混和の温度変化を14SrO・86 (C)(C’)の失透した分相ガラスとなる.(C)(C’)の状 GeO2を例にとってFig.2, Fig.3に示した.1300℃ 態の電子回折像はガラス状態特有のハローパターンを では均一な融体(a)が観察される.この十体を降温 示した.この分相ガラスを再び加熱し,昇温すると, し,液相線温度1245℃(e)を通過しても宰相は認 DTAの結果から729℃のガラス転移点を通過後 められず融体の状態は変化せず過冷却液体となり, 745℃で結晶化(d)し,さらに(e),(f)の状態をた _11一 総合理工学研究科報告 第5巻 第1号 昭和58年 14SrO・86GeO2 14SrO・86GeO2 (a),(f) L:glass transition temp・ T』:binodal temp。 (a)1300。C 聡:melting point. (e) 聡ry:crystallization temp. ((bc),)l i 窒 ヨ 亀i 9 9』 (b)1054。C (、り l コ 出 l 5 ■ I l I l l l i陶。729・C I コI l l l l l l Il l l I I l I l l l l l l o i τn=12450C 1 5 I (c)1020ec (e) i 1(『)l l I I l 島 i\} I ロ 2 1 1「』=10540C l I 1 1ヒry=7450C l l 、 モ・yTb聡 TEMPERATURE Fig.3. Schematic diagram of relationship between temperature and phase (d)7450C tranSltlons. BaO−B203 System 螺 Present Work 1300 (e)1245。C 一一一一一 1256 dM. Levn 一τヒー 1200 : 3 ( ,L、、 り /1\ 、 巳 国1100 (f)1300。C Fig.2. Photograph showing metastable im. miscibility in 14mol%SrO−GeO2. Photo(a),(b),…are correspondent to(a),(b),…in Fig.3. どり,再び均一な融体となる.この分相は105℃/sec の超急冷でもさけられない分相であり,また従来から Xc に ’、 2 ; ’、 歪1000 1 へ ・、 臣 1 缶 : 12L ←900 巳 X“ 3 800 B203 5 、 10 XB 1878 15 20 25 30 BaO CONCENTRATlON (mol。1。) Fig.4. Immiscibility in BaO−B203 system. これらの分相に伴う失透を結晶化と誤認し,GeO2系 ではGeO2が多量の組成でガラス化しない4)とされ 以上のように従来測定できなかった液相線以下,結 てきたが,この組成では本質的にさけられない分相の 晶化温度以上にバイノーダル曲線をもつ高温での準安 ため失透はするが,ガラスであることが明らかになっ 定不混和の温度,組成域を,著者らが開発,自作した た. ホットサーモカップル法で初めて測定することができ 二成分系B203およびGeO2系の不混和 一12一 る. CaO−B203 System 1600 3−3.B203系の測定結果 Fig.4∼7にB203系の測定結果を示した. Fig.4 1515一一Tc一一一「一\ ’ ’ 1 1500 はIBaO−B203系の安定不混和(2液相)領域を示す. 、 ’ , 破線はLevinら5》の測定結果である.2液相が存在 ( は本研究結果より約100℃低い.Levin らは試料を 巳 よって2液相の温度が低く測定されたものと推定され 雪 Fig.5はSrO−B203系の2液相領域を示す.本系 隻 、 ’ ’ 1 、 1 ’ 1300 、 i ’ 、 1 、 1 1 、 1 、 Xc 茎 る.本研究結果はFig.1のように高温融体を直接肉 眼で観察したもので,測定精度は高いと考えられる. 、 1 ’ 冷却後X線で2液相領域を推定しており,冷却速度に \ 1 ’ 1400 、 1 ’ する組成範囲はほぼ一致しているが,臨界温度(T、) 、 1 ノ 1200 にし 圏 1100 の測定報告例はない.不混和の臨界温度は1435℃,組 1 1 1050 X帆 成範囲は1∼19mol%SrOである. XB 1000 Fig.6, Fig.7にCaO−B203系, MgO−B203系の B203 2液相領域を示す.両系とも測定報告例はない.両系 5 10 15 2Q 25 CaO CONCENTRATION(mol。’。) とも臨界組成(■、)近傍では,観察中の試料組成の変 動が大きく,可逆的に1液→2液→1液の状態変化を 7 Fig.6. Immiscibility in CaO−B203 system. 観察することができなかった.考察の項で詳細に述べ るが,Rowlinsonの式6)を測定可能な組成域に適用 し外挿して,2液相領域を決定した.その結果を破線 MgO−BzO3 System 1900 で示している.両系ともかなり広い範囲で2液相が観 1800 察され,CaO−B203系では23 mo1%CaO, MgO−B20, 1770 − Tc一 一 7τ隔、、 系では38mo1%MgOまで2液相組成域が広がって ! 1 、、 ’ 、 ノ 1 、 り1700 いた. 巳 u」1600 1500 sc一一一 1400 ; δ ; 、 ’ 1 歪1500 ’ 1 ’ 1 臣 ’ 1 置 I l 、 、 、 l2L 1300 I l 1200 l1140 XO 1 B203 産1200 12L Σ 、 へ、 I 1 臣 \ 父。 〆L」 告 、 1 1 ト Xc )130Q 鱒㌍ \ 1 ’ 缶1400 1435 一一 1 1 ’ 雪 SrO−B203 System , , , 1113 10 20 30 40 MgO CONCENTRATION(mol。’。) Fig.7. Immiscibility in MgO−B203 system. 臣1100 1 X{六 1000 1038 XB 3−4.GeO2系の測定結果 Fig.8にBaO−GeO2系の測定結果を示す.2点鎖 BO 5 10 15 20 25 30 SrO CONCENTRATION(moi%) Fig.5. Immiscibility in SrO−B203 system. 線はR.G. Grebenshchikovら7)によって報告され た状態図を示しており,本研究において測定した液相 線は,彼らの結果より若干高い値となった.また,本 一13一 総合理工学研究科報告 第5巻 第1号 昭湘58年 CaQ−GeQ2 System BaO−GeO2 System 1400 ,!嚇幅\ _,、∠1−ll・〉∠…「一\\ 1400 !!”T\ /手招1:『\\ / oo1200 2L 7 冨 l $ i l 毘 l 」_一一_____一_’ ; 2 ; Xc コ 魯 ノ 缶 1 8 隻10。。 1 1 \ x帆 l 響 話 臣1000 語 卜 一一一 ● Uquidus Line. o Binodal Curve. 912一・・一一。一R.G. sc一 ノ’ ’ l and Uquiζ1s しine Grebenshchikov. 800 ;oBinodal Curve. 800 :一・。一R.G. Grebenshchikov 3 XC ! t : 、 、 ; 、 ノ ヨ 、 亀 ,’ ; 1 、 51015202530 、、 : X医 0 ’XB CaO CONCEN↑RA丁10N(mol%) ; 1 0 5 10 xo 1●Monotectic Horizontal Line 2 ; / 1 ! ノ を \ 一一,謡 コ ノ 砦 δ1200 トー一一 2 ヨ 15 20 25 30 Immiscibnity in CaO−GeO2 system. Fig.10. BaO CONCENTRATION(mol。ん) Fig.8. Immiscibility in BaO−GeO2 system. MgO−GeO2 System ● SrO−GeO2. Systern Monotectic Ho「izontai しine and Liquids Line. 一一一一 1400 1700 一一・一 ainodaI Curve. d.M. Levin et a巳. _T、..一4i韓. / 1 \、 ,’ olし1200 囚 α: ● Liquidus しine. 一一 L sc一」35 oBinodal Curve. … =⊃ を … 缶 隻1000 , ’ . ’ 1 8・00 ! / ’ 崖 ゴ 2 o 語1500 、 1 、 1 ト 、 、 l 1 1 ノ 1 ’ , ‘ 8 酢 \ 1 / \、 \ ヘ 1 1 / 1 1 ・、 ノ 1 膿 、 1 ● 11480 ’ 亀XG 1 ノ ・一一4 XB l I 3 1 2 ∫ 1 1400 重 ! 1 、 dノ 、 1 8 5 1 / 1 ・、 .Xc ’ 、 睡 コ イノ 1 \ \ 1 /! //i2し1/∵ 出 8 Xd リ )1600 歪 Xc 響 / ハ 1 . 2 1 膿 1 1 0 5 10 15 20 25 30 SrO CONCENTRATION(mol o’。) Fgi.9. Immiscibility in SrO−GeO2 system. 0 10 20 30 40 50 MgO CONCENTRAT夏ON(mol%) Fig.11. Immiscibility in MgO−GeO2 system. 14 Table 1 二成分系B203およびGeO2系の不混和 T6(critical temperature), Xσ(critical composltion),αand∂in lnIX「Y61=α十ゐ・1n 17LT‘I inB205 and GeO2 systems. Values in parenthesis are estimated. System T‘ (℃) 1nぽ一λ「、1=針∂・ln17−T、1 x6 xα∼xβ RO mol RO mol fraction xα∼xσ xα∼Xo fraction ∂ BaO−B203 SrO−B302 CaO−B203 MgO−B203 BaO−GeO2 SrO−GeO2 CaO−GeO2 MgO−GeO2 1256 1435 0.055 0.080 (1515) (1770) (0.080) 912 1135 1282 0.063 0.083 0.100 (1672) (0.185) (0.140) 0.005∼0.160 0.010∼0.190 0.005∼0.230 0.005∼0.380 0・000∼O.125 0.000∼0.200 0.000∼0.250 0.040∼0.410 系の不混和領域は液相線よりも約300℃も低い領域 一6.07 −5.81 0.533 0.513 (一5.66) (一5.30) (0.520) α ゐ 一5.00 −4.93 0.492 0.497 (0.524) (一4.81) (一4.63) (0・496) (0.500) 一5.00 −4.78 −4.65 0.422 0.427 0.419 一5.68 −5.23 −4.97 0.551 0.548 0.552 (一4・37) (0.466) (一4・43) (0.558) 4.考 察 に存在し,結晶化温度(900∼800℃)の関係から4∼ 10mol%BaOの領域がホットサーモカップル法で求 められる組成領域であった.その他の分相領域は融体 を急冷すると透明なガラスとなり,見掛上均一なこの ガラスを従来の方法で加熱昇面することにより準安定 不混和領域が観察されるものと推定できる. Fig.9にSrO−GeO2系の測定結果を示す.液相線 より約200℃低い領域に準安定不混域が存在してい 有機物系における不混和の組成と温度の関係式とし. て,Rowlinson6)は次のような実験式が成立するこ とを報告している. lx−x,【。cIT−T、1∂ (1) すなわち 1ηぽ一x、1=α十∂・lnlT−T、1 (2) た.結晶化温度の関係から本測定法では1∼17moI ここでXは温度丁における組成,X。とT、はそれ %SrOまでしか測定できなかったが,従来からの試料 ぞれ臨界組成,臨界温度である.上式でα,∂は系に 急冷,加熱法で約20mo1%SrOまで分相領域がある よって決まる定数で,有機物系ではわ=1/3』であると ものと考えられる. 報告されている. Fig.10にCaO−GeO2系の測定結果を示した.図 この(2)式はSio2系にも適用できることが見い 中の2点鎖線はR.G. Grebenshchikovら7)の結果 出され,δ=1/2であると報告されている3).本実験で を示した.図のように以前は5∼15mo1%CaOで2 測定したB203系, GeO2系にもこの式を適用し,デー 液相領域の存在が示されていたが,本研究結果では6 タを整理した.両系は図からも明らかなように臨界組 ∼14mol%CaOで2液相領域,1∼6 mo1%CaOおよ 成(X、)を中心に左右対称ではないため,Xα∼X,と び14∼24mo1%CaOの双方の領域に高温での準安定 Xβ∼X、の2つの部分に分けて(2)式を適用した。そ 不混和領域が観察された.すなわちCaO−GeO2系は の結果1司X−X、1と1nlT−T。1との間には非常に 2液相領域が液相線以下に深く入り込んだ分相領域を もつ結果となった. よい一次の相関が存在し,(2)式がB203系, GeO2 系に適用できた.その結果を一括してTable 1に示 Fig.11にMgO−GeO2系の測定結果を示す.この した.B203系, GeO2系もSiO2系と同様に,∂はほ 系はB203系と同様に広い2液相領域が存在すること ぼ1/2であった.また,σおよびT、の値はアルカリ が確認できたが,観察中の試料の揮発が激しく,不混 土類金属陽イオンの半径と直線関係が成立する傾向9) 和温度を正確に測定することができなかった.図申の にあり,観察中の試料組成の変動が大きく,T。,αの 2点鎖線はLevinら8)の報告結果である.本研究結 値が確定できないCaO−B203, MgO−B203および 果は彼らの2液相領域よりも広い組成範囲であった.i MgO−GeO2各系のそれぞれの値をこれらの関係から B203系と同様に他のアルカリ土類金属酸化物系の測 定結果とRowlinsonの式から2液相の温度範囲を推 定し,その結果を破線で示した. 推定して表に示した, 5‘結 _15_ 総合理工学研究科報告 第5巻 第1号 昭和58年 参考文献 言 著者らが自作,開発したホットサーモカップル法を 用いて,RO−B203系, RO−GeO2系(R=Ba, Sr, 1)J.W. Greig, Am. J. Sci.,13,133(1927). 2) 太田能生,森永健次,柳ケ瀬勉,日本金属学会 幸侵, =19, 239(1980), Ca, Mg)の不混和領域を測定した,この方法は安定 不混和(2液相)領域を従来の急冷法よりも精度よく 3)D.G. Burnett and R. W. Douglas, Phys. Chem. Glasses,11,125(1970). 測定できるばかりでなく,従来測定不可能であった液 4) “ガラスハンドブック,,朝倉書店,883(1975). 相線以下,結晶化温度以上に存在する高温での準安定 5) E.M. Levin and C. McDaniel, J. Am. 不混和のバイノーダル曲線を測定できた.その結果, RO−GeO2系で従来からガラス化しないとされていた 領域は,高温で準安定不混和が生じる分相ガラス化領 域であることが見い出された.また両系ともRow− linsonの式によって不混和領域が整理でき, これら の関係から実験上測定できなかった系も含めてRO− B203系およびRO−GeO2系の不混和領域を整理し た. Ceram. Soc.,45,355(1962). 6)J.S. Rowlinson, “Liquid↓iquid Mix− tures”, Butterworth,:London.,159 (1959). 7) R.G. Grebenshchikov, et a1.;Izv. Akad. Nauk. SSSR Neorg. Mater.,2,332(1966). 8) E.M. Levin, S. Block, J. Aln. Ceram. Soc.,40, 97 (1957). 9) 太田能生,森永健次,柳ケ瀬勉,窯業協会誌, 90, 511(1982).