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リニア誘導モータを用いた搬送装置の位置決め停止法

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リニア誘導モータを用いた搬送装置の位置決め停止法
広島工業大学紀要研究編
第3
8巻 (
2
0
0
4
) pp.19-24
論
文
リニア誘導モータを用いた搬送装置の位置決め停止法
猪上憲治*・富田雅司**・山下英生***
(平成 1
5年 9月 1
2日受理)
AMethodofStoppingTransporterattheDesignatedPosition
UsingLinearInductionMotor
MasashiTOMITAandHideoYAMASHITA
K
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j
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(
R
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c
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2
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Abstract
Lineari
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tmagneticf
i
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l
d
る必要がある。その方法としては,単相交流磁界2¥3) や三
1. ま え が 、 き
相交流磁界 4) を使用する方法が実用されている。しかし,
リニア誘導モータ(以下, LIM と略称)は,各種リニ
これらの停止法は,台車 (LIM の二次側)の停止直前に
アモータの中で二次側の構造が最も簡単,堅牢で,二次側
生じる走行方向の前後の振動を軽減するために高精度の制
への給電も不要で、あることから,一般に過酷な条件下での
御が用いられている O そこで,制御の簡単な位置決め停止
運転が要求される搬送用のモータとして多用されてい
法の出現が望まれる。
る110
本論文では, LIM を用いた搬送装置における台車の新
LIM は,それ自体が位置決め停止の機能を有していな
しい位置決め停止法を提案している O 本法は,隣り合う二
い。従って,何らかの位置決め停止機能をモータに付加す
つの固定子鉄心に互いが逆位相の三相交流巻線と同位相の
帯広島工業大学工学部電気・ディジタルシステム工学科
叫広島工業大学大学院工学研究科電子工学専攻
*水準広島大学大学院工学研究科情報工学専攻
1
9
猪上憲治・冨田雅司・山下英生
直流巻線とを重畳して巻装し,台車の位置決め停止は三相
交流磁界によって行い,台車の走行方向の前後に生じる振
2
. 基本構成と動作原理
2
.
1 基本構成
動の阻止は直流磁界が行う方法であるコ
本文は,まず位置決め停止装置の基本構成と動作原理に
著者らが提案する搬送用の LIM は,写真 1のようであ
ついて述べるへ次に,試作機の構造と特性の実験結果を示
り,台車は往復走行する O 試作した LIM は,地上一次方
すっ更に,本機の有用性について述べる。
式・両側式・短一次形で,二次導体はアルミ板で構成され
ている C 台車には,二次導体のアルミ板が取り付けられて
いる。台車の支持および走行方向は,レール(鉄製)と車
輪(合成樹脂製)とで行っている。また,一次側の加速用
の固定子は,等間隔に分散して設置されている O 固定子へ
の給電方法は,台車の走行位置を光センサーで観測して,
台車が進入している固定子の前方の二つ日まで(加速の場
合),また三つ目まで(減速および停止の場合)の固定子
へ給電し,その他の回定子への給電は遮断する方法をとっ
ている。
2
.
2 動作原理
2
.
2
.
1 推力の発生oJ
図 1は
, LIM の推力の発生原理図である O いま,固定
[司令景
子の三相交流巻線に三相交流を流してやると,次式で与え
られる磁束密度 B の移動磁界が発生する。
B=民 間
(
ω
t一
千
)
・
-(
1
)
ここに, ω=2π f
:電源の角周波数,f
:周波数,
t:時間 ,X 固定子表面上の距離, τ
:磁極間隔
この磁束が可動子(金属板)をきると,金属板には次式
eが誘導する。
の起電力 E
E
.=-A空 =ω A
B
osin(OJtー竺
d
t
i
τ)
.
.
.
.
.
.
(
2
)
ここに ,A:磁束が作用する金属板の面積
(
b
l台車
この誘導起電力によって,金属板には次式の渦電流
L
が流れる O
d
(つ
ここに
••••
・
ぃ宇叶
2,
1
ω L/R,
Z=,
)R2 +ω2L
(
t=tanLお
よび R は金属板のインダクタンスおよび抵抗
なお,図 1に示した.印と×印は,渦電流の方向とその
大きさを示したものである O
そこで,この渦電流 L と磁束密度 B とは,フレミング
の左手の法則に基づいて,連続的に推力 F を発生するこ
とになる。
(
CI
制御装置と操作盤
写真 1 搬送用L!:
.
1の試作機
- 2
0
リニア誘導モータを用いた搬送装置の位置決め停止法
が生じ,台車の速度は大きく減速される c 次に,台車が停
止用固定子 1に進入すると,アルミ板には進行方向の推力
推力 F
磁束密岳台(移動磁界}
渦電年 I
e ¥
〆¥
F
c が発生するが,同時に直流巻線が作る静止磁界によっ
て逆推力(ブレーキ )F
b も生じるため,台車は加速され
/
る こ と な し 停 止 用 固 定 子 2に進入する c そして,固定子
距離
¥ノ
1の三相交流巻線が作る進行方向の移動磁界による推力
x
F
c と,固定子 2の三相交流巻線が作る逆進行方向の移動
二次側可動子(金属板)
磁界による逆推力 F
c とが平衡する(挟み込む)位置に,
1
周期
i
品電流 h
ドト↑'社
k
台車は停止する c
ここで,もし固定子 1および 2のそれぞれに直流巻線が
?
、
スロット
(実際には巻緑が人る)
存在していなければ,台車の走行慣性力に起因して,台車
は推力が平衡する位置を中心点として走行方向の前後に大
¥一次側固定子
きく振動しながら停止にむかうコしかし,本論文で提案す
図 1 推力の発生原理悶
る位置決め停止法は,台車の振動時に直流静止磁界による
2
.
2
.
2 位置決め停止法
制動力が常に逆振動方向に働くため,台車の振動は殆ど生
図 2は,台車の位置決め停止法を説明するための原理図
じない。
である。ここで,減速用の固定子鉄心に巻装されている三
3
.実 験 結 果
相交流巻線は,それが作る移動磁界が,加速用の固定子鉄
心に巻装されている三相交流巻線が作る移動磁界と逆進行
3
.
1 実験装置
実験を行うために試作した搬送用の LIM は,前章の写
方向に生じるように,三相交流電源に接続されている O ま
真 1に示したとおりで,この LIMは往復走行ができる c
た,位置決め停止用の隣り合う二つの固定子鉄心にもそれ
ぞれ三相交流巻線が巻装(固定子 1と固定子 2)されてい
ここでは,試作機の機械的仕様および電気的仕様,停止
る O そして,固定子 1は加速用の固定子と同ーの位相に,
用固定子の三相交流巻線および直流巻線の配置岡,シーケ
固定子 2は減速用の固定子と同-の位相になるようにそれ
ンス制御回路などを示す。
表 1は,試作した LIM の機械的仕様および電気的仕様
ぞれ三相交流電源に接続されている O 更に,固定子 1の鉄
心および固定子 2の鉄心には,それぞれ同ーの直流巻線が
を示す c なお,使用した国定子の偶数(両側式のため
2
巻装されており,これらの直流巻線は同ーの直流電源に接
続されている。
表 1 試作した L
I
¥
lIの仕様
作用を防ぐために両巻線の極数は異なえている 6)
i
機械的仕儀
なお,この場合,三相交流巻線と直流巻線開の相互誘導
電気的仕様
項目
また製
:数値(単位)!
作費を安価にするため,すべての固定子鉄心は構造を同ー
としている。従って,直流巻線と重畳して巻装する停止用
固定子の三相交流巻線の巻数は,加速用や減速用の三相交
流巻線の巻数に比べて必然的に少なくなっている。
位置決め停止法の動作原理は,次のようである。いま,
│毎極毎相 ! 80 [
回7
図 2において,台車が減速用固定子に進入すると,台車に
取 り 付 け た ア ル ミ 板 に 逆 進 行 方 向 の 推 力 ( ブ レ ー キ )F
α
質量
寸法
~*,'íltl&1JL
l
アルミ
材質
J
二次倶I
(可動子)│
定格電圧
I
Fα:交流ブレーキ
6
0=
H
z
J
I3.
17 =
QJ
7
.
3=
k
g
J
[
6
m
0
0
m
×
;
│
│
1
V
4×L
H157
│ 全エア
減速用同定子
│
同波数
毎極毎相の
スロット数
固定子 1
l
の巻数
l
9 [mml
(両側)
車輪支持
電磁力による
│位置決め方式 i
非接触万式
I
ギャップ
停止用固定子
共通事項
Fb・直流ブレーキ
Fc 挟み込み交流ブレーキ
l
支持機構
1
(※)停止用同定子の三相交流巻線の巻数:1
5 [回]
停止用固定子の直流巻線の巻数:1
2
0[
回J
図 2 位置決め停止法の原理図
21
猪上憲治・冨田雅司・山下英生
ている。また,直流巻線としては三組の同ーのコイルが配
国定子鉄心
置されている。
/
色 目 白 協 がfw
L
l
f
戸線
通常の回転機のように,鉄心構造が円筒形で無端の場合
には全てのスロットに二層巻を施すことができる O しかし,
一一一~
鉄心構造が直線形のリニアモータの場合には鉄心端部が存
l
現職線
在するため,図 3に示すように二層巻を全てのスロットに
施すことはできない c したがって,回転機においては 6極
の磁界が発生する巻線構成をリニアモータに採用しでも,
リニアモータにおいては図 3に示すような変形した 6極の
移動磁界が生じる O これが,リニアモータの欠点の一つで、
ある O
図 3 停止用回定子の構造と移動磁界
直流巻線は三組の同ーのコイルから構成されており,各
組のコイル辺の間隔(点線表示)は移動磁界に対して
個で 1対をなす)は,始動用固定子(復路では停止用とな
360 (電気角)の間隔にある。そのため,基本的には,移
0
る)が 2対,加速用固定子が 9対(このうち 1対は復路に
動磁界によって二つのコイル辺にそれぞれ誘導する起電力
おいて減速用となる),減速用固定子が 1対(復路では加
は同相となり,三組のコイルとも誘導電流は流れない。し
速用となる),停止用固定子が 2対(復路では始動用とな
かし,本リニアモータの場合,鉄心端部の磁束が歪むため,
る)である。また,加速用固定子は各々 84[cmJ の間隔
端部の二組のコイルには起電力が誘導するが,三組のコイ
で配置され,減速用固定子と停止用固定子とは 29[cmJ
ルを直列に接続した端子聞には誘導起電力が生じない(実
の間隔で配置されている O 台車の走行距離は, 1
3
.
5[mJ
験的に確認)。すなわち,三相交流巻線と直流巻線聞に相
である。
互誘導作用は存在しない。
図 4は,この度の実験に用いた,固定子への給電を切り
図 3は,停止用の固定子鉄心に巻装された三相交流巻線
および直流巻線のそれぞれの配置と,三相交流巻線が作る
換えるためのシーケンス制御回路の概略図を示す。図 4に
移動磁界の概略を示す。三相交流巻線は全節・集中巻で,
おいて, MRはマグネットリレーを表わす。実験では,台
固定子鉄心の中央付近は二層巻,両端付近は単層巻となっ
車の走行位置を光センサーで観測し,台車が進入する固定
一マ一
一 喝1i 一 内 / ︼ 一 一
二v
センサ - 4
一
一
一
一
一
ll'
一々ノ一ケノ丁
7寸
一,寸一
センサ - 3
センサー 5
固定子
図 4 シーケンス制御回路の概略図
- 2
2
センサ - 6
センサー 7
リニア誘導モータを用いた搬送装置の位置決め停止法
子の前方の二つ目まで(加速の場合),また三つ自まで
図 5(a),(
b
)は
, LIM の供給電圧の変化および台車に積
(減速および停止の場合)の固定子へ給電し,その他の固
載する荷物の質量の変化に対する台車の平均速度の実測値
定子への給電は遮断する制御方式を用いている O また,タ
である C
イマー 1によって台車の平均速度,タイマー 2によって台
図 5(a),(
b
)から明らかなように,固定子の供給電圧の増
車の最高速度の近似値もそれぞれ測定している c
加に対して台車の平均速度はほぼ正比例的に増加してい
なお,実験装置の電気回路は,固定子の三相交流巻線に,
るO また,台車の積載質量の増加に対して台車の平均速度
マグネットリレーと交流電力を制御することができるトラ
はほぼ反比例的に減少している。これらの特性は,回転機
イアックとを介して 60[Hz) の商用電源が接続されてい
における二次高抵抗形の誘導電動機において見られる特性
る。また,固定子の直流巻線には,三相全波整流器を介し
と同様である。従って,本 LIMの可変速運転は,供給電
て商用電源が接続されている。ただし,この度の実験では,
圧を制御することによって簡単に行なえる O ただし,制御
LIM の動作原理の確認および基礎特性の把握を目的とし
装置の価格面よりも LIMの効率特性を重要視する場合に
ているため,三相交流巻椋はマグネットリレーと電圧調整
は,制御装置としてインバータを用いればよい。また,イ
器(スライダック)とを介して交流商用電源に接続し,直
ンバータによる可変速運転の実験は次回の報告にゆずる。
流巻線は可変抵抗器を介して定電圧直流電源に接続して実
3
.
2
.
2 位置決め停止特性
b
lは,固定子の供給電圧が 40[V) で,台車の
図 6(a),(
験を行った。
荷物の積載質量が 6
[kg) のときの位置決め停止時におけ
3
.
2 実験結果
る固定子の交流入力電流波形の観測結果である O 同図 (a)は
3
.
2
.
1 走行特性
固定子の直流巻線に直流電流を流さないときの観測結果で
あり,交流入力電流波形は脈動している O この脈動は,台
車が走行方向の前後に振動していることを意味するもので
4
.
0
3
.
5
:
n3
.
0
¥¥
自
主2.
5
f
現
占?
ウ
2
.
0
1
.5
1
.0
2
5
3
0 3
5 4
0 4
5 5
0
供給電圧 V(V)
5
5
6
0
6
5
一
一一一一一一一一一
c_____ ーム一一一一一
1
5
.
0[
s
e
c
J
O
(
a
)供給電圧の変化に対する台車の平均速度の変化
(
a
)直流巻線に直流電流が流れていないときの交流入力電流波形
4
.
0
.
5
3
ぞ 3
.
0
E
λ
選 2
.
5
f
現
ー
守
、
平4
手 2
.
0
1
.5
2
4
6
8
1
0
O
荷物の質量 W(kg)
1
5
.
0[
s
e
c
J
(
b積載質量の変化に対する台車の平均速度の変化
(
b
)直流巻線に直流電流が流れているときの交流入力電流波形
図 5 速度特性
図 6 固定子の交流入力電流波形の観測結果
23
猪上憲治・冨田雅司・山下英生
ある。同図 (
b
iは直流巻線に直流電流 8
CA) を流したとき
今後は,インバータによる台車の可変速運転や,装置の
全自動化に取り組む。
の観測結果であり,交流入力電流波形には脈動が見られな
い。このことは,台車が振動することなく,位置決め停止
最後に,実験にご協力された卒研生に感謝の意を表しま
していることを意味する O
す
。
4
.あとがき
文
本論文では, LIM を用いた搬送装置における台車の位
1)苅田
献
I
搬送用リニアモータの実用化動向と将来展
置決め停止法の」つを提案した。そして,試作機を製作し,
望J
,平成 8年電気学会全国大会講演論文集, S
. 19-
その実験結果を示して本停止法の有用性を確認した。
1 (996)
2)棚町・安藤・射場本
本停止法の特長を要約すると,次のようである O
(
l
!
,昭和 6
0年電気学
テムにおける位置決め方式の検討 J
隣り合う二つの固定子に互いが逆進行方向の移動磁界
o
.8
6
3,1
0
5
2-1
0
5
3 (985)
会全国大会講演論文集, N
を発生させ,それによって,台車に取り付けた一枚のア
リニアモータ応用ハンドブック j,工業調査会,
3)山田:I
ルミ板(可動子)に生じた二つの推力が平衡する位置に
台車が停止する方法のため,機械的に非接触の停止法で
4
2-4
3(
19
8
6
)
4) 村田:I
生産工程への実用化 j,平成 8年電気学会全国
あり,保守が簡単化される O
(
2
)
I
リニア誘導モータ式搬送シス
台車が停止する直前に生じる走行方向の前後の振動
.1
9-2 (996)
大会講演論文集, S
5)山田:I
産業用リニアモータム工業調査会, 55-57
は,二つの固定子に互いが等しい静止磁界を発生させ,
それによってアルミ板に生じる制動力が阻止する方法の
(
19
81
)
6)猪上・山下・中前・藤J11
:I
無励磁機方式のブラシレ
ため,振動を阻止する高精度な制御を不要とする。
また,本 LIM は二次高抵抗形(アルミ板)のため,
ス 白 励 三 相 同 期 発 電 機 j,電気学会論文誌, Vol
1
1
2-D,No.6,569-578 (
19
9
2
)
台車の速度制御は電圧可変によって容易に行える。
2
4
Fly UP