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気候変動適応策普及啓発業務に関する仕様書
気候変動適応策普及啓発業務に関する仕様書 1 業務の目的 地球温暖化の現状や、既に現れている地球温暖化による影響に加え、将来の地球温暖 化の影響に備えるための対策である「適応策」について、広く一般に知ってもらうこと により、県民一人ひとりに地球温暖化問題を自分事として認識してもらい、温暖化対策 の行動をさらに促進することを目的とする。 そのため、地球温暖化の危機的状況や社会にもたらす影響、気候変動の影響に備える ための「適応策」について、県民等に分かりやすく伝えるためのパンフレットを作成す る。加えて、パンフレット以外の方法により、適応策等について広く周知するための啓 発ツールについても作成を行う。 2 業務内容 (1)パンフレットの作成 <目的> ・ 地球温暖化の危機的状況や社会にもたらす影響を県民等に分かりやすく伝える。 ・ 地球温暖化対策の「適応策」について知ってもらう。 <使用方法> ・ 地球温暖化防止活動推進センターや県内各市町に配布する。 ・ 滋賀県のHP上にPDF形式で掲載する。 ・ 各種イベントや会議等で配布する。 ・ その他、適応策を講じている各分野の所属へ配布する。 <依頼範囲> ・ 県で示した構成案(別添1)を元に、パンフレットの背景やフォントのデザイン等を作 成(8ページ分)する。 ・ 構成案に関する「テキスト素材」 、 「写真素材」等については県で保有しているものは 県から受託者に提供する。その他、必要に応じて、環境省「気候変動適応情報プラッ トフォーム」等からの引用や、内容に関連したフリー素材の使用およびイラスト等の 作成を行う。 ・ パンフレットの印刷および納品 4000 部 1 <パンフレットの構成案等について> (ア)サイズ、ページ数、仕様 ○ サイズ A4版 ○ ページ数 8ページ ○ 印 刷 ○ 紙材質 カラー印刷 再生コート紙110kg同等以上 ○ その他 ・ 最終ページの端に「この印刷物は古紙パルプを配合しています」と印刷する こと。 ・ 塩化ビニール等の燃焼時に有害物質を排出するような材質を使用しないこと。 (イ)構成内容(コンテンツ)およびその順番(1項目1ページと限定するものではない。 ) ① 表紙(タイトル) ② 地球温暖化と適応策 ③ 地球温暖化の現状 ④ 将来の気温予測 ⑤ 滋賀県で既に現れている温暖化による影響 ⑥ 将来予測される温暖化による影響 ⑦ 適応策(県、個人) ⑧ 裏表紙(出典等) (ウ)項目ごとの詳細について 別紙のとおり (2)啓発ツールの作成 <目 的> ・ 県民に「温暖化の影響」やそれに対する「適応策」に関して、これらに意識を持つ きっかけを持ってもらうとともに、広く周知を図ることを目的とする。 <使用方法> ・温暖化防止対策に関する出前講座や各種イベント・ブース等で活用や配布等できる。 <依頼の範囲> 啓発ツールについては、「気候変動適応策普及啓発業務」の企画提案書に記載されたも のを基本とし、啓発ツールの作成および納品を行う。 (啓発ツール例) パネル・ポスター・ウェットティッシュ・クリアフォルダ・ボールペン・エコバック等 2 3 納品するもの(成果物) ・ 上記2について、滋賀県琵琶湖環境部温暖化対策課に納品すること。 ・ また、「2(1)啓発パンフレット」については、ホームページ等に活用できるよ う完全版下のホームページ掲載用デジタルデータをパンフレットと併せて納品する こと。また、イラストレータデータ等の編集可能な印刷用データや、作成したイラ スト等のJPEGもしくはPNGのデータも納品すること。 ・ 「2(2)啓発ツール」については、印刷物等のデジタルデータが存在するものに ついては、「2(1)啓発パンフレット」と同様にデジタルデータについても併せ て納品すること。 4 業務完了報告 上記3に示す各成果物については、滋賀県の検査を受け、合格したものについて納品す ること。また、全ての成果物の納品が完了した後は、速やかに業務完了報告書を提出する こと。 5 委託料の支払い 委託業務の完了後、一括精算払いとする。 6 特記事項 (1) パンフレットおよび啓発ツールの作成は、あらかじめ滋賀県と調整したスケジュール に基づき行うこと。 (2) パンフレットおよび啓発ツールの作成は、その内容について県と十分協議を行った上 で行うこと。 (3) 業務履行に際し、他の者の著作物を利用する場合は必ず許諾を得ること。万一、著作 権上の問題が生じた場合には、委託者に不利益が生じないように受託者においてこれ を処理すること。 (4) 作成したパンフレット等のキャラクターやデザイン等については、この委託業務にか かる契約期間満了後についても、特に期限を定めず滋賀県が行う温暖化対策関連事業 で使用するため、そのために必要な著作権にかかる手続等については受託者において これを処理すること。また、これにかかる著作権使用料については今回の契約金額に 含むこと。 (5) 本仕様書の中に示す啓発活動のほか、本事業で作成した啓発物品等を活用した啓発を 行う場合があるので、制作者は滋賀県に対して必要なデータや写真、資料などの情報 を提供すること。 (6) この契約に基づく成果物の著作権は、滋賀県に帰属するものとする。 (7) その他、本業務を遂行するに当たって必要な事項については、協議のうえ、決定する。 3 パンフレット構成案 (別添1) ○:県で既に元データを保有 △:県で保有はしていないが、関係機関等から入手(提供)予定のもの □:受託者でイラストや図等を作成いただくもの <別紙> 項目 ① 表紙(タイトル) 内容 (テキスト案) 図やイラスト案 ※テキストについては、概ね意図が変わらない範囲で変更いただくことも可能 (候補) ①知っていますか?温暖化の影響から身を守る方法「適応策」 ②他人事じゃない!危機迫る温暖化の影響への対策「適応策」 ③危機迫る温暖化の影響に備える「適応策」 ④温暖化の影響から滋賀を守ろう!~適応策ってなんだろう?~ ⑤知らないでは通じない!「気候変動の適応策」 ⑥あなたもやってみよう!温暖化の影響に備える「適応策」 ⑦既に起こっている温暖化の影響!みんなで考えよう「適応策」等 表紙イラスト 日常生活で排出される温室効果ガスが地球の温暖化を進めている。 ② 地球温暖化と適応策 気温の上昇と熱中症患者数の傾向「熱中症の気温と患者数の 温暖化が進むと、農業、自然生態系、健康や県民生活等の様々な分野におい 相関図」 て温暖化の影響が出てくる。 温室効果ガスの排出削減が一番重要だけれども、今後は適応策についても考 「緩和と適応の関係を示した図」(環境省「温暖化から日本を 守る 適応への挑戦2012」) えていかないといけない。 「世界の年平均気温の偏差の経年変化(1891〜2015年)」 世界の年平均気温は、長期的には100年あたり約0.71℃の割合で上昇してお (気象庁) り、特に1990年代半ば以降、高温となる年が多くなっている。 http://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/temp/an_wld.html 「日本の年平均気温の偏差の経年変化(1898〜2015年)」(気 ③ 地球温暖化の現状 日本の年平均気温は、長期的には100年あたり約1.16℃の割合で上昇してお 象庁) り、特に1990年代以降、高温となる年が頻出している。 http://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/temp/an_jpn.html (世界・日本・滋賀の気温 変化グラフ、滋賀県にお 「彦根における年平均気温の変化(1894~2015年)」(気象 ける年平均気温の上昇が 庁) 彦根の年平均気温は100年あたり1.27℃の割合で上昇傾向が見られる。 分かる図、さくらの開花 「アメダス観測所の1981年から1990年と、2006年から2015年 日のグラフ) を比較した滋賀県内の平均気温」 データ等の保有状況 □ 左記については△ その他任意で□ △ △ △ ○ △ 「滋賀(彦根)さくらの開花日の変化」(気象庁)+さくらの写 真 ○ 最も温暖化が進んだ場合、世界の平均気温は最大4.8℃上昇すると予測され 「21世紀末の世界の平均地上気温の変化」(図, IPCC AR5 WG Ⅰ SPM Fig. SPM.7(a)) ている。 △ 滋賀県の年平均気温は、21 世紀末(将来気候、2076~2095 年を想定)で、 「滋賀県の将来気温の予測」(気象庁) 約2.9℃の上昇が予測されている。(現在の彦根の年平均気温14.7℃、) ○ 彦根のさくら開花日は50年あたり3.8日の割合で早くなる傾向が見られる。 ④ 将来の気温予測 農業:高温による一等比率米の低下、白未熟粒や胴割粒が増加している。一 部の野菜で収量や品質の低下が見られる。 白未熟粒等の写真等 畜産業:牛、豚、鶏の畜産業において、夏期の飼育環境の悪化や生産性の低 ⑤ 滋賀県で既に現れてい 下が生じている。 る温暖化による影響 水環境:暖冬であった平成18年(2006年)~平成19年(2007年)に琵琶湖で全循 推進計画記載の全循環の図 環の遅れが発生した。 自然生態系:滋賀県内であまり見られなかった南方系のツマグロヒョウモン ツマグロヒョウモンの写真 (蝶)が増加している。 (農業)高温や水不足等の影響による水稲、果樹、麦や大豆等への収量、品質 低下等の影響。 ○ ○ △ (畜産業)夏季の暑熱負荷により、家畜・家禽の生産性が低下。 1農業、森 林・林業、水 (林業:病害虫)将来、気温の上昇等により、病害虫の危険度が増加し被害の 産業 拡大が懸念される。 (水産業)水温上昇や琵琶湖の全循環の遅れによる水産業への影響。 気温の上昇や降水量の変化に伴う、琵琶湖および河川の水環境への影響。 2水環境・水 資源 渇水が頻発化、長期化、深刻化し、さらなる渇水被害が発生することが懸念さ れる。 ⑥ 将来予 3自然生態系 暖冬による積雪量の減少に伴う、ニホンジカの冬季死亡率減少が予測される。 測される温 各項目に関する図やイラスト挿入 暖化による 短時間強雨の発生頻度の増加等、降雨条件が厳しくなれば、集中的な崩壊・土 4自然災害・ 影響 石流等が頻発し、山地や斜面周辺地域の社会生活に与える影響が増大すること 沿岸域 が予測される。 □ 暑熱による熱中症搬送者数が増加する可能性がある。 5健康 感染症の原因となる節足動物の分布可能域を変化させ、節足動物媒介感染症の リスクを増加させる可能性がある。 極端現象の頻度や強度の増加が生産設備等に直接的・物理的な被害を与える可 6産業・経済 能性がある。 活動 気候変動に対して、新たなビジネスチャンスの創出につながる場合がある。 7国民生活・ 気候変動による短時間強雨や渇水の頻度の増加、強い台風の増加等が進めば、 都市生活 インフラ・ライフライン等に影響が及ぶことが懸念される。 高温登熟性に優れた「みずかがみ」の作付拡大や温暖化に対応した水稲新品 みずかかみの写真 【県が実施し 種の育成 ている適応 策】 しがの流域治水の推進 地籍の安全度マップ、条例のポンチ絵 ○ ○ (水資源)将来雨の降らない時期が長くなる可能性があることから、大切な水の 使い方を見直そう。 ⑦適応策 (自然災害) 大型化する台風や急な大雨などに備えるとともに、身近にある危険箇所を知っ て、いざという時の避難場所を知っておきましょう。 【個人ででき (熱中症) 各項目に関連するイラストおよび図 る適応策】 お出かけ前に気温や暑さ指数を確認して、熱中症にならないように気をつけま しょう。熱中症の対処方法を学んでおきましょう □ (感染症) 感染症対策のため、蚊に刺されない、蚊を増やさないようにしよう (国民生活・都市生活) 暑さから我が家を守るため、グリーンカーテンをはじめてみよう! ⑧裏表紙(出典等) 滋賀県琵琶湖環境部温暖化対策課 裏表紙イラスト □