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第1章 - 札幌市

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第1章 - 札幌市
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1
消費生活相談
昭和 30 年代、高度経済成長に伴い社会経済が大きく変貌し、消費者問題も広範化、深刻
化の様相が強まった。そうした中で、札幌市は、昭和 39 年に消費者被害の救済と被害の拡大
を防止するため消費生活相談窓口を開設した。昭和 61 年には、全国消費生活情報ネットワー
ク・システム(PIO-NET)を導入し、情報の集積や分析等の効率化が図られた。
さらに、平成 17 年には消費生活相談カード即時入力システムを導入し、平成 22 年 3 月
には、全国消費生活情報ネットワーク・システム(PIO-NET)と消費生活相談カード即時入力シ
ステムが統合され、新たな全国消費生活情報ネットワーク・システム(PIO-NET2010)となり、
リアルタイムによる消費者相談の把握、被害防止を図っている。
■「消費生活相談」受付体制(土・日・祝休日と年末年始を除く)
・来訪相談(面談)
9:00~16:30
・電話相談
9:00~19:00
・インターネット相談
着信日の翌開庁日に受付し、受付後原則として 5 日以内
に回答
(1)
①
概況
相談受付状況
平成 26 年度の消費生活相談件数は 12,410 件で、対前年比 380 件(同 3.0%)の減少
となった。(図 1)
電子メール等で身に覚えのない未納の料金を請求されるいわゆる「不当請求」に関
する相談件数は 1,980 件で、対前年比 497 件(同 33.5%)の増加となった。(図 2)
なお、不当請求事業者として、7 事業者の情報を提供した。(表 1)
また、「不当請求以外」の相談件数は 10,430 件で、対前年比 877 件(同 7.8%)の減
少となっている。(図 2)
相談方法別では、電話相談が最も多く 10,926 件と全相談件数の 88.0%を占めてお
り、来訪相談件数は 1,326 件(10.7%)、文書による相談件数は 158 件(1.3%)。また、
このうちインターネット相談は 140 件(1.1%)であった。(表 2・3)
● 図 1 「相談件数の推移(苦情・問合せ別)」 単位/件
20,000
問合せ
15,000
13,100
苦情
12,790
12,410
1,009
769
11,361
11,781
11,641
平成24年度
平成25年度
平成26年度
1,028
12,439
845
12,123
762
12,072
11,594
平成22年度
平成23年度
10,000
5,000
0
17
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
● 図 2 「相談件数の推移(不当請求・不当請求以外別)」 単位/件
20,000
不当請求
15,000
13,100
不当請求以外
12,790
12,439
12,123
1,529
1,511
11,681
10,910
10,612
11,307
10,430
平成22年度
平成23年度
平成24年度
平成25年度
平成26年度
1,419
12,410
1,483
1,980
10,000
5,000
0
■ 表 1 「不当請求事業者の認定及び情報提供」(札幌市消費生活条例第 23 条第 3 項に基づく)
※ 相談件数は、公表時の受付件数
※ 平成 25 年度情報提供件数:17 事業者
● 図 3 「月別相談件数の推移」 単位/件
1,250
1,000
750
500
250
0
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月 11月 12月
平成24年度 986 1,066 1,071 981
997
976 1,088 1,029 954
1月
2月
3月
952 1,011 1,012
平成25年度 1,137 1,149 1,062 1,123 1,030 1,055 1,189 1,056 970
955
968 1,096
平成26年度 1,140 1,018 1,090 1,142 964 1,014 1,085 957
965
970 1,157
18
908
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
■ 表 2 「相談方法別件数の推移」 単位/件
相談方法
平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度
合計
13,100
1,274
12,439
1,268
12,123
1,108
12,790
1,268
12,410
1,326
構成比
9.7%
11,807
10.2%
11,149
9.1%
10,949
9.9%
11,396
10.7%
10,926
構成比
90.1%
19
89.6%
22
90.3%
66
89.1%
126
88.0%
158
構成比
0.2%
0.2%
内インターネット
0.6%
42
1.0%
90
1.3%
140
構成比
0.4%
0.7%
1.1%
来訪
電話
文書
■ 表 3 「相談方法別件数(月別)」 単位/件
相談方法
来訪
4月
5月
103
6月
117
7月
138
8月
126
9月
111
10月
117
11月
12月
1月
2月
115
111
83
82
101
3月
122
計
1,326
電話(夜間以外)
902
785
818
877
736
784
843
736
720
771
751
885
9,608
電話(夜間)
126
107
123
131
109
108
118
95
90
93
93
125
1,318
文書
9
9
11
8
8
5
9
15
15
19
25
25
158
合計
1,140
1,018
1,090
1,142
964
1,014
1,085
957
908
965
970
1,157
12,410
8
8
7
7
8
4
8
13
14
16
25
22
140
内インターネット
※
※
②
夜間電話相談は、16:30~19:00 の相談件数
インターネット相談については、インターネットで受付し、処理状況により PIO-NET 相談方法
分類に基づき来訪・電話・文書のいずれかに分類したもの
上記の 140 件のほか、消費生活相談以外の問合件数が 26 件あった
相談者属性別相談件数
平成 26 年度の男女別の相談件数は、男性が 4,921 件、女性が 7,398 件で、構成比率
は男性が 39.7%、女性が 59.6%となっている。(表 4)
年代別では、60 代以上の相談が 4,156 件と全相談件数の 33.5%を占め、平成 17 年
度から連続して最多となっており、次いで 40 代、50 代の順となっている。(表 5)
職業別では、給与生活者の相談が全相談件数の 41.1%と最も多く、次いで家事従事
者が 27.7%となっており、この二つで全体の約 70%を占めている。(表 6)
■ 表 4 「男女別相談件数」 単位/件
19
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
■ 表 5 「年代別相談件数」 単位/件
年代
合計
未成年者
構成比
平成22年度 平成 23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度
13,100
12,439
12,123
12,790
12,410
111
99
97
96
108
0.9%
0.8%
0.8%
0.8%
0.9%
1,341
20代
構成比
10.2%
2,424
30代
構成比
18.5%
2,597
40代
構成比
19.8%
2,394
50代
構成比
60代以上
構成比
団体・不明
構成比
18.3%
3,770
1,265
10.2%
2,221
17.9%
2,541
20.4%
2,251
18.1%
3,904
1,165
9.6%
2,193
18.1%
2,504
20.7%
2,269
18.7%
3,791
1,056
8.3%
2,025
15.8%
2,526
19.8%
2,420
18.9%
4,538
1,094
8.8%
1,973
15.9%
2,546
20.5%
2,423
19.5%
4,156
28.8%
31.4%
31.3%
35.5%
33.5%
463
158
104
129
110
3.5%
1.2%
0.8%
0.9%
0.9%
■ 表 6 「職業別相談件数」 単位/件
職業
合計
給与生活者
構成比
自営・自由業
構成比
家事従事者
構成比
学生
構成比
無職
構成比
企業・団体
構成比
不明
構成比
平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度
13,100
5,281
12,439
4,888
12,123
5,212
12,790
5,150
12,410
5,096
40.3%
418
3.2%
3,813
29.1%
39.3%
369
3.0%
3,588
28.8%
43.0%
307
2.5%
3,196
26.4%
40.3%
349
2.7%
3,525
27.6%
41.1%
366
3.0%
3,434
27.7%
224
1.7%
2,933
22.4%
345
2.6%
226
1.8%
3,100
24.9%
108
0.9%
196
1.6%
2,974
24.5%
64
0.5%
211
1.7%
3,218
25.2%
75
0.6%
269
2.2%
2,905
23.4%
80
0.6%
86
0.7%
160
1.3%
174
1.5%
262
1.9%
260
1.9%
20
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
③
品目別(大分類)相談件数
全相談件数を商品・役務別で分類すると、役務が 62.1%、商品が 34.9%であった。
品目別の相談件数で最も多かったのが運輸・通信サービス(輸送・インターネット通
信など)の 3,305 件(26.6%)で、以下、レンタル・リース・賃借(主に賃貸アパート)の
1,182 件(9.5%)、教養娯楽品(新聞など)の 877 件(7.1%)と続いており、この 3 品目で
全相談の 43.2%を占めている。
また、前年度に比べ相談件数が最も減少したのは、食料品(909 件→581 件)。前年度
に比べ、増加が著しかったのは、運輸・通信サービス(2,641 件→3,305 件)で、アダル
ト情報サイトによる不当請求に関する相談が増加したことが要因である。(表 7)
■ 表 7 「品目別相談件数」 単位/件
平成26年度
大分類
平成25年度
構成比
苦情
増減数
商品・役務の内容
問合わせ等
商品一般
501
4.0%
471
30
426
食料品
581
4.7%
536
45
909
▲ 328 飲食に供される商品
住居品
567
4.6%
541
26
568
▲
商 光熱水品
213
1.7%
193
20
199
被服品
623
5.0%
594
29
627
▲
保健衛生品
306
2.5%
298
8
353
▲
品 教養娯楽品
877
7.1%
827
50
995
▲ 118 れる商品
車両・乗り物
387
3.1%
363
24
420
▲
33 るもの
土地・建物・設備
279
2.2%
258
21
337
▲
58 備
3
0.0%
3
0
6
▲
4,337
34.9%
4,084
253
4,840
82
0.7%
82
0
95
1,182
9.5%
1,140
42
1,323
工事・建築・加工
449
3.6%
417
32
623
▲ 174 商品の製造、建築、加工
修理・補修
160
1.3%
150
10
202
▲
管理・保管
35
0.3%
33
2
17
18 物品の管理、保管
役務一般
24
0.2%
24
0
12
12 役務の種類が特定できない相談
金融・保険サービス
753
6.1%
715
38
866
▲ 113 融資・振込・送金等の金融サービス
運輸・通信サービス
3,305
26.6%
3,244
61
2,641
教育サービス
123
1.0%
121
2
78
教養・娯楽サービス
321
2.6%
308
13
404
保健・福祉サービス
571
4.6%
498
73
532
他の役務
587
4.7%
542
45
610
▲
48
0.4%
46
2
54
▲
6 上記商品・役務に該当せず消費者問題と判
▲
断される相談
消費者問題に直接関係のない相談で、相談
の相手方が行政機関である場合
他の商品
小
計
クリーニング
レンタル・リース・貸借
役
務
75 商品が特定できない相談
1 家事や住居内で使用する生活必需品
14 電気、ガス、水道及びその設備
4 衣類とその付属品等、服飾材料
身体を清潔にし、美化し、または健康を保
47 ち、疾病を治療する商品
教養、事務又は娯楽・趣味の目的で使用さ
人または物を運搬するために屋外で使用す
土地、建物、住宅材料、大がかりな住宅設
3 上記に該当しない商品
▲ 503
▲
被服品、絨毯、カーテン等のクリーニング
13 を依頼する場合
▲ 141 商品の賃貸借、不動産の使用貸借
42 物品の修理、補修
保険、貯蓄・証券・債権、金融派生商品、
旅客・貨物運送サービスおよび電話、放
664 送、インターネット等の通信サービス
学校教育、補習教育、およびそれらの関連
45 活動
▲
83 教養、趣味、娯楽の目的で受ける役務
保険・衛生を保つため受ける役務、身体を
39 美化するために受ける役務、および福祉
サービス
23 上記のサービス以外のサービス業
営利を目的とする販売・契約行為のうち、
内職・副業・ねずみ講
他の行政 サービス
小
計
他の相談
合
計
70
0.6%
52
18
88
7,710
62.1%
7,372
338
7,545
363
2.9%
185
178
405
11,641
769
12,790
12,410
21
18
165
▲
42 商品の売買や役務契約と無関係の相談
▲ 380
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
④
処理結果(平成 27 年 7 月 31 日現在)
相談後における処理結果において、最も多かったのが「助言(自主交渉)」の 10,800
件で全相談件数の 87.0%を占めた。相談者からの依頼によりあっせんを行ったものは
673 件で、そのうち「あっせん解決」したものが 599 件、「あっせん不調」になったも
のが 74 件となっている。(表 8)
なお、あっせん解決した相談について、1 件の相談が複数項目に分類された解決内
容を含むため、あっせん解決内容の各項目の合計は「あっせん解決」(表 8)の件数を
上回る。(表 9)
■ 表 8 「相談処理結果」 単位/件
相談件数
処理結果
構成比
苦情
163
1.3%
90
10,800
87.0%
10,240
406
673
3.3%
5.4%
284
671
あっせん解決
599
4.8%
597
あっせん不調
74
0.6%
74
処理不要
73
278
0.6%
2.2%
69
270
処理継続
17
0.1%
17
他機関紹介
助言(自主交渉)
その他の情報提供
あっせん
処理不能
説明
問合わせ
73 法律相談など他の相談機関を紹介したもの
560
クーリング・オフ等の方法を助言し自ら解決
に至ったもの
122 他機関紹介と助言以外の情報提供
2
センターがあっせんすることによって解決に
至ったもの
センターがあっせんしても解決しなかったも
0
の
2
4 相談者と連絡がとれなくなったものなど
8 相談者からの一方的な情報提供など
0
■ 表 9 「相談あっせん解決内容」 単位/件
内容
契約どおり履行
解約・取消
全面
一部
返金
交換・代替品
修理・補修
損害賠償・治療費
解決・見舞金
その他
件数
40
468
425
43
193
10
7
5
3
225
説明
最終的に事業者が契約を履行したもの
合意解約・契約の取消に至ったもの
支払い済の代金、手付金の返済など
代替の商品・役務の提供で解決
修理・補修による対応など
事業者が自己の責任を認め賠償金等支払い
責任の所在とは関係なく事業者が見舞金等支払い
上記以外の解決
○ 相談あっせんによる被害救済額
平成 26 年度における被害救済額
57,580,037 円
○ 消費生活審議会(苦情処理部会)への諮問・付託件数
平成 26 年度
: 0件
直近の諮問・付託 : 平成 19 年度 1 件「エステサービス契約の解除」
22
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
(2)
当事者属性別相談状況
年代別の契約当事者件数は、40 代が 2,263 件で最も多く、全相談件数の 18.2%を占め
ている。対前年比で相談件数が増加したのは、40 代と 50 代である。(図 4・5、表 10)
● 図 4 「契約当事者年代別相談件数の推移」
3,000
2,000
1,000
0
単位/件
未成
年者
20代
70代
80代
以上
年齢
不明
平成24年度
344
1,415 2,195 2,157 1,760 1,850 1,383
778
241
平成25年度
387
1,298 1,974 2,207 1,901 2,008 1,748 1,009
258
平成26年度
380
1,287 1,952 2,263 1,973 1,922 1,499
275
30代
40代
50代
60代
859
● 図 5 「契約当事者年代別相談割合」
3.1%
未成年者
20代
30代
40代
50代
60代
70代
80代以上
年齢不明
10.4%
15.7%
18.2%
15.9%
15.5%
12.1%
6.9%
2.2%
0.0%
10.0%
20.0%
■ 表 10 「契約当事者年代別相談件数」 単位/件
年代
合計
未成年者
構成比
20代
構成比
30代
構成比
40代
構成比
50代
構成比
60代
構成比
70代
構成比
80代以上
構成比
団体・不明
構成比
平成22年度
13,100
406
3.1%
1,591
12.1%
2,372
18.1%
2,228
17.0%
1,894
14.5%
1,931
14.7%
1,354
10.3%
640
4.9%
684
5.2%
平成23年度
12,439
390
3.1%
1,495
12.0%
2,179
17.5%
2,159
17.4%
1,793
14.4%
1,833
14.7%
1,463
11.8%
782
6.3%
345
2.8%
平成24年度
12,123
344
2.8%
1,415
11.7%
2,195
18.1%
2,157
17.8%
1,760
14.5%
1,850
15.3%
1,383
11.4%
778
6.4%
241
2.0%
平成25年度
12,790
387
3.0%
1,298
10.1%
1,974
15.4%
2,207
17.3%
1,901
14.9%
2,008
15.7%
1,748
13.7%
1,009
7.9%
258
2.0%
23
平成26年度
12,410
380
3.1%
1,287
10.4%
1,952
15.7%
2,263
18.2%
1,973
15.9%
1,922
15.5%
1,499
12.1%
859
6.9%
275
2.2%
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
①
若年層(未成年者・20 代)の相談
未成年者と 20 代における若年層の相談件数は 1,667 件で、全相談件数の 13.4%を
占め、前年度 1,685 件(13.2%)と比べると 18 件減少したが、全相談件数における構成
比率では 0.2%増加した。(図 6、表 10)
男女別の構成比では、女性が 52.1%で、男性の 47.7%を 4.4%上回った。(表 11)
また、職業別では、給与生活者が 840 件と 50.4%を占め、次いで学生が 535 件で
32.1%となっている。(表 11)
商品・役務別では、未成年は、アダルト情報サイトの相談が 171 件で、この年代の
相談全体の 45.0%を占め最も多く、次いでオンラインゲーム 32 件、デジタルコンテン
ツ 14 件、テレビ放送サービス 9 件、携帯電話サービスが 7 件となっている。(表 12・23)
20 代は、賃貸アパートの相談が 202 件で、この年代の相談全体の 15.7%を占め最も
多く、次いでアダルト情報サイト 131 件、出会い系サイト 58 件、脱毛エステ 46 件、
普通・小型自動車が 39 件となっている。(表 13・23)
● 図 6 「契約当事者相談件数の推移(未成年者・20 代)」
単位/件
平成26年度
1,667
平成25年度
1,685
平成24年度
1,759
平成23年度
1,885
平成22年度
1,997
0
500
1,000
1,500
2,000
2,500
■ 表 11 「契約当事者男女別・職業別相談件数(未成年者・20 代)」 単位/件
年度
平成26年度
構成比
男性
女性
不明
795
868
4
47.7% 52.1%
合計
1,667
0.2%
給与 自営・ 家 事
生活者 自由業 従事者
840
12
50.4%
0.7%
119
学生
無職
不明
535
125
36
7.5%
2.2%
7.1% 32.1%
未成年者
232
144
4
380
29
0
4
327
19
1
20代
563
724
0
1,287
811
12
115
208
106
35
平成25年度
794
886
5
1,685
895
11
104
500
144
31
53.1%
0.7%
8.5%
1.8%
構成比
47.1% 52.6%
0.3%
24
6.2% 29.7%
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
● 図 7 「小中高生別相談数の推移」
単位/件
● 図 8 「小中高生の男女別相談数の推移」単位/件
400
400
女子
高校生
300
258
212
小学生
214
86
95
66
84
72
40
42
47
232
198
200
135
0
78
94
45
40
300
232
上位5品目
1 アダルト情報サイト
男性 女性 不明 合計
121
49
27
4
1
32
4 テレビ放送サービス
7
4
7
5
0
0
14
9
5 携帯電話サービス
5
2
0
7
2 オンラインゲーム
3 デジタルコンテンツ
1 171
■ 表 13 「商品・役務別相談状況(20 代)」 単位/件
上位5品目
1 賃貸アパート
2 アダルト情報サイト
4 脱毛エステ
5 普通・小型自動車
平成26年度
男性 女性 不明 合計
88 114
60 71
19 39
0 46
30
9
158
67
平成26年度
0 202
0 131
0 58
0 46
0 39
25
212
61
85
69
135
126
143
74
100
0
211
196
191
■ 表 12 「商品・役務別相談状況(未成年者)」 単位/件
3 出会い系サイト
258
200
98
92
100
男子
中学生
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
②
30 代から 50 代の相談
30 代から 50 代の相談件数は 6,188 件で全相談件数の 49.9%を占め、対前年比では
106 件(同 2.3%)増加した。(図 9、表 10)
男女別の構成比では、女性が 57.5%で男性の 42.4%を 15.1%上回った。(表 14)
また、職業別では、給与生活者が 3,554 件で 57.4%を占め、次いで家事従事者が 1,511
件で 24.4%となっている。(表 14)
商品・役務別では、30 代は、賃貸アパートが 286 件で最も多く、この年代の相談全
体の 14.7%を占め、次いでアダルト情報サイト 171 件、デジタルコンテンツ 74 件、出
会い系サイト 64 件、普通・小型自動車 61 件となっている。(表 15・23)
40 代は、アダルト情報サイトが 262 件で最も多く、この年代の相談全体の 11.6%を
占め、次いで賃貸アパート 208 件、デジタルコンテンツ 95 件、携帯電話サービス 89
件、商品一般 69 件となっている。(表 16・23)
50 代は、アダルト情報サイトが 201 件で最も多く、この年代の相談全体の 10.2%を
占め、次いで賃貸アパート 149 件、デジタルコンテンツ 71 件、商品一般 68 件、携帯
電話サービス 49 件となっている。(表 17・23)
● 図 9 「契約当事者相談件数の推移(30 代~50 代)」
単位/件
平成26年度
6,188
平成25年度
6,082
平成24年度
6,112
平成23年度
6,131
平成22年度
6,494
0
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
7,000
8,000
■ 表 14 「契約当事者男女別・職業別相談件数(30 代~50 代)」 単位/件
年度
男性
女性
不明
平成26年度 2,625 3,556
7
構成比 42.4% 57.5%
30代
900 1,049
40代
898 1,363
827 1,144
50代
平成25年度 2,665 3,408
構成比 43.8% 56.0%
合計
給与 自営・ 家 事
生活者 自由業 従事者
6,188 3,554
0.1%
57.4%
3 1,952 1,289
2
2
2,263 1,298
1,973
967
9 6,082 3,580
0.1%
58.9%
26
194 1,511
3.1% 24.4%
38
390
74
82
561
560
184 1,388
3.0% 22.8%
学生
無職
不明
15
720
194
0.2% 11.6%
7
171
6
2
257
292
13
700
0.2% 11.5%
3.1%
57
67
70
217
3.6%
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
■ 表 15 「商品・役務別相談状況(30 代)」 単位/件
上位5品目
1 賃貸アパート
2 アダルト情報サイト
3 デジタルコンテンツ
4 出会い系サイト
5 普通・小型自動車
平成26年度
男性 女性 不明 合計
119 167
81 90
27 46
23 41
52
9
0 286
0 171
1 74
0 64
0 61
■ 表 16 「商品・役務別相談状況(40 代)」 単位/件
上位5品目
1 アダルト情報サイト
2 賃貸アパート
3 デジタルコンテンツ
4 携帯電話サービス
5 商品一般
平成26年度
男性 女性 不明 合計
132 130
87 121
25 70
42 47
29 40
0 262
0 208
0 95
0 89
0 69
■ 表 17 「商品・役務別相談状況(50 代)」 単位/件
上位5品目
1 アダルト情報サイト
2 賃貸アパート
3 デジタルコンテンツ
4 商品一般
5 携帯電話サービス
平成26年度
男性 女性 不明 合計
144
61
19
25
27
57
87
52
43
22
0 201
1 149
0 71
0 68
0 49
27
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
③
高齢者層(60 代以上)の相談
60 代以上の高齢者層の相談件数は 4,280 件で、全相談件数の 34.5%を占め、対前年
比では 485 件(同 2.8%)減少した。(図 10、表 10)
各年代では、60 代の相談件数は 1,922 件(15.5%)、70 代の相談件数は 1,499 件
(12.1%)、80 代以上は 859 件(6.9%)となっている。
また、男女別の構成比では、女性が 56.1%で男性の 43.6%を 12.5%上回った。
なお、職業別では、無職が 2,353 件で 55.0%を占め、次いで家事従事者が 1,187 件
で 27.7%となっている。 (表 18)
商品・役務別では、60 代は、アダルト情報サイトが 165 件で最も多く、この年代の
相談件数の 8.5%を占め、次いで賃貸アパート 95 件、商品一般 82 件、デジタルコンテン
ツ 58 件、光ファイバー42 件となっている。(表 19・23)
70 代は、商品一般が 100 件で最も多く、この年代の相談件数の 6.7%を占め、次い
で賃貸アパート 56 件、アダルト情報サイト 50 件、相談その他 40 件、ファンド型投資
商品 39 件となっている。(表 20・23)
80 代以上は、商品一般が 63 件で最も多く、この年代の相談件数の 7.3%を占め、次
いで新聞 43 件、健康食品 34 件、他の健康食品 32 件、賃貸アパート 23 件となってい
る。(表 21・23)
● 図 10 「契約当事者相談件数の推移(60 代以上)」
単位/件
平成26年度
4,280
平成25年度
4,765
平成24年度
4,011
平成23年度
4,078
平成22年度
3,925
0
1,500
3,000
4,500
■ 表 18 「契約当事者男女別・職業別相談数(60 代以上)」 単位/件
年度
男性
女性
平成26年度 1,866 2,402
構成比 43.6% 56.1%
60代
70代
80代以上
平成25年度
構成比
889 1,028
637
859
340
515
1,938 2,820
40.7% 59.2%
不明
12
0.3%
5
3
4
7
0.1%
合計
4,280
1,922
1,499
859
4,765
給与 自営・ 家 事
生活者 自由業 従事者
494
11.5%
444
47
3
484
10.2%
28
105
2.5%
61
36
8
138
2.9%
1,187
27.7%
592
455
140
1,324
27.8%
学生
1
0.0%
0
0
1
2
0.0%
無職
2,353
55.0%
728
929
696
2,713
56.9%
不明
140
3.3%
97
32
11
104
2.2%
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
■ 表 19 「商品・役務別相談状況(60 代)」 単位/件
上位5品目
1 アダルト情報サイト
2 賃貸アパート
3 商品一般
4 デジタルコンテンツ
5 光ファイバー
平成26年度
男性 女性 不明 合計
143
44
34
26
26
22
51
48
32
16
0 165
0
95
0
82
0
58
0
42
■ 表 20 「商品・役務別相談状況(70 代)」 単位/件
上位5品目
1 商品一般
2 賃貸アパート
3 アダルト情報サイト
4 相談その他
5 ファンド型投資商品
平成26年度
男性 女性 不明 合計
36
27
39
16
13
64
28
11
24
26
0
1
0
0
0
100
56
50
40
39
■ 表 21 「商品・役務別相談状況(80 代以上)」 単位/件
上位5品目
1 商品一般
2 新聞
3 健康食品
4 他の健康食品
5 賃貸アパート
平成26年度
男性 女性 不明 合計
22
7
9
14
12
41
36
25
18
11
0
0
0
0
0
29
63
43
34
32
23
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
(3)
商品・役務別相談状況
商品・役務別相談件数では、アダルト情報サイトが 1,172 件(対前年比 318 件増)と最
も多く、次いで賃貸アパート 1,044 件(同 151 件減)、商品一般の 501 件(同 75 件増)の順
となっている。(表 22)
なお、契約当事者年代別・商品・役務別相談件数においても、未成年者から 70 代まで
の各年代において、アダルト情報サイトに関する相談件数が上位となっている。(表 23)
■ 表 22 「商品・役務別相談状況上位 25 品目」 単位/件
商品・役務名
平成26年度
苦情
件数
平成25年度
問合せ
主な相談内容
意に反して登録されたアダルトサイトの情報料等の
1 アダルト情報サイト
1,172
1,165
7
2 賃貸アパート
1,044
1,010
34
3 商品一般
501
471
30
4 デジタルコンテンツ
383
381
2
5 携帯電話サービス
6 普通・小型自動車
293
251
285
238
8
13
7 光ファイバー
231
225
6
174 料金が安くなると勧誘され契約した光回線の解約
8 出会い系サイト
227
225
2
226 無料サイトから誘導され登録した後の高額請求
9 フリーローン・サラ金
198
186
12
241 多重債務の整理方法
10 相談その他
187
112
75
197 談
11 役務その他サービス
179
167
12
12 修理サービス
153
143
10
150 関する相談
189 修理後の不具合や高額な修理代
13 新聞
148
146
2
14 インターネット接続回線
16 プロパンガス
145
121
118
140
120
106
5
1
12
17 他の健康食品
115
110
5
18 医療サービス
110
102
8
19 他のデジタルコンテンツ
109
108
1
20 健康食品
98
94
4
21 モバイルデータ通信
94
90
4
73 モバイルデータ通信契約の解約や解約時の違約金
22 ファンド型投資商品
92
90
2
138 高配当を謳う社債や投資の電話勧誘に関する相談
23 携帯電話
25 普通生命保険
87
85
84
81
80
81
6
5
3
153 スマートフォン本体の不具合に関する相談
73 信販会社の顧客の個人情報流出
94 保険契約時の説明不足
25 脱毛エステ
84
83
1
15 テレビ放送サービス
24 金融関連サービスその他
854 不当な請求
1,195 退去時の高額な原状回復費用
商品が特定できない身に覚えの無い債権の回収など
426 の不当な請求
身に覚えのないデジタルコンテンツの情報料等の不
310 当な請求
204 携帯電話の乗換や解約時の違約金
274 購入後の付属品の不備や車両の不具合
オレオレ詐欺や振り込め詐欺電話の対応に関する相
公的機関をかたり個人情報を削除するという勧誘に
156 強引な訪問販売により、次々と契約した新聞の解約
59 プロバイダ契約の解約や解約時の違約金
133 強引な受信契約の勧誘
109 価格に関する相談
他に分類の無い健康食品の強引な勧誘や商品の送り
169 付け
108 医師が行う治療等に関する相談
他に分類の無い身に覚えのないデジタルコンテンツ
118 の情報料等の不当な請求
290 健康食品の強引な勧誘や商品の送り付け
55 回数を定めた施術契約後の店舗の閉店に係る返金
※PIO-NET2010 商品分類「第 1 商品 KW(小)」による分類
30
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
■ 表 23 「契約当事者年代別・商品・役務別相談件数(上位 25 品目)」 単位/件
契約当事者年代別内訳
商 品 ・ 役 務 名
平成26年度
未成年者
20代
30代
40代
50代
60代
70代
80代以上 団体・不明
1 アダルト情報サイト
1,172 ① 171 ② 131 ② 171 ① 262 ① 201 ① 165 ③
50
16
5
2 賃貸アパート
1,044
6 ① 202 ① 286 ② 208 ② 149 ②
95 ②
56 ⑤
23
19
6
63
23
3 商品一般
501
35
55 ⑤
69 ④
68 ③
82 ① 100 ①
4 デジタルコンテンツ
383 ③
14
34 ③
74 ③
95 ③
71 ④
58
29
7
1
5 携帯電話サービス
293 ⑤
7
32
52 ④
89 ⑤
49
31
19
6
8
6 普通・小型自動車
251
2 ⑤
39 ⑤
61
61
38
36
14
0
0
7 光ファイバー
231
5
26
37
49
33 ⑤
42
27
12
0
8 出会い系サイト
227
5 ③
58 ④
64
51
29
15
4
1
0
9 フリーローン・サラ金
198
1
23
43
36
32
31
14
7
11
10 相談その他
187
5
14
15
26
25
36 ④
40
21
5
11 役務その他サービス
179
4
16
26
18
27
36
35
13
4
12 修理サービス
153
1
5
14
29
31
24
28
19
2
13 新聞
148
1
11
20
16
11
15
30 ②
43
1
14 インターネット接続回線
145
3
14
21
25
34
25
15
4
4
15 テレビ放送サービス
121 ④
9
21
16
13
20
14
17
10
1
16 プロパンガス
118
1
12
29
19
23
18
14
0
2
17 他の健康食品
115
5
8
6
11
15
16
20 ④
32
2
18 医療サービス
110
1
15
21
18
13
18
19
3
2
19 他のデジタルコンテンツ
109
5
19
25
19
20
18
1
1
1
20 健康食品
98
2
7
10
11
8
7
34
4
21 モバイルデータ通信
94
2
7
20
33
17
8
4
3
0
22 ファンド型投資商品
92
1
0
3
9
9
39
17
0
23 携帯電話
87
1
10
23
21
13
12
4
1
2
24 金融関連サービスその他
85
2
5
7
13
14
17
21
5
1
25 普通生命保険
84
0
2
5
12
11
20
23
10
1
25 脱毛エステ
84
3 ④
46
25
7
2
1
0
0
0
28 オンラインゲーム
79 ②
12
9
17
4
2
1
0
2
32
※ 網部分はその年代で一番多かった相談
※ ○内の数字は、年代別件数の順位
※ PIO-NET2010 商品分類「第 1 商品 KW(小)」による分類
31
14 ⑤
15 ③
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
①
アダルト情報サイト
アダルト情報サイトに関しての相談件数は 1,172 件で、全相談件数の 9.4%を占め、
対前年比では 318 件(同 37.2%)増加した。(図 11)
年代別では、40 代~50 代の相談が多く、アダルト情報サイトの相談件数の 39.5%
を占めており、各年代とも相談件数は増加しているが、特に 40 代~50 代は前年度より
大きく増加している。(表 24・25)
また、相談内容は、アダルトサイトに自動登録され登録料を請求されたなどの不当
請求に関する相談が 948 件で、アダルト情報サイトに関する相談の 80.9%を占めた。
(表 26)
● 図 11 「相談件数の推移」
単位/件
アダルト情報サイト
平成26年度
1,172
平成25年度
854
平成24年度
740
0
500
1,000
1,500
■ 表 24 「契約当事者男女別相談状況」 単位/件
性別
平成24年度 平成25年度
平成26年度
構成比
男性
516
537
735
62.7%
女性
222
2
314
3
433
4
36.9%
0.3%
740
854
1,172
団体・不明
合計
■ 表 25 「契約当事者年代別相談状況」 単位/件
年代
平成26年度
構成比
平成24年度
平成 25年度
146
142
171
14.6%
20代
88
109
131
11.2%
30代
128
166
171
14.6%
40代
50代
137
95
183
99
262
201
22.4%
17.2%
60代
114
101
165
14.1%
70代
27
39
50
4.3%
80代以上
4
10
16
1.4%
団体・不明
1
5
5
0.4%
合計
740
854
1,172
未成年者
32
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
■ 表 26 「販売上の問題点」
苦情等の内容
単位/件
平成24年度 平成25年度 平成26年度
不当請求
架空請求
無料商法
未成年者契約
ワンクリック請求
強引
【相談事例】(50 代
477
27
564
25
948
137
66
53
211
92
57
246
120
103
58
16
28
19
女性)
スマートフォンから無料アダルトサイトを見ようと検索、よくわからないまま、
登録になり 98,000 円の請求があったが放置していた。契約時、確認画面や約款は
なかったと思う。その後、請求金額が 180,000 円となり、メールが頻繁に届くため
退会ボタンを押しメールを送信するも退会できず。その後記載されていた他県の電
話番号に電話すると支払いするよう恫喝された。サイト側に自分の住所、氏名、自
宅の固定電話、携帯電話番号を知らせた。スマートフォンに請求画面が貼りついて
いて取れない。対処法は。
〔助言内容等〕
電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律、特定商取
引法等について情報提供し、サイト業者が容易に確認できる画面や訂正画面を設
けていない場合は錯誤無効の主張が可能とされていることを伝え、請求メールに
返信することや、電話をすることで個人情報が漏れるおそれがあるため、メール
に記載の連絡先へは連絡せず様子をみるよう伝えた。請求メールが執拗であれば、
アドレス変更を検討するように助言した。恫喝があったとのことだったため警察
にも相談するよう付言。貼りついた画面についてはIPA(独立行政法人 情報
処理推進機構)を案内した。
【相談事例】(10 代
女性)
携帯電話で無料だと思い年齢認証をクリックしたら有料アダルトサイトに登録
になった。誤操作で繋がったので、解除を希望される方は電話するようにとサイト
の画面にあり業者に電話をした。電話をすると「登録料金がキャンペーン価格で半
額になる。解除には料金の支払いが必要。振り込みに行く際には電話をかけるよう
に。」と言われた。間違って登録しても支払いは必要か。
〔助言内容等〕
契約の成立には、重要事項の表示、契約者の意思確認等が必要であるため、単
にボタンをクリックしただけでは契約が成立していない可能性もあると伝えた。
サイト業者が容易に確認できる画面や訂正画面を設けていない場合は錯誤無効
の主張が可能とされている。メールで問い合わせしたり、携帯から電話をかけた
場合は、メールや電話で執拗な請求が続く場合があるため着信拒否をするなどし
て、対応しないよう伝えた。執拗な請求が続く場合や不安な場合は、メールアド
レスや携帯電話番号変更の検討を助言した。
33
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
②
賃貸アパート
賃貸アパートに関しての相談件数は 1,044 件で、全相談件数の 8.4%を占め、対前
年比では 151 件(同 12.6%)減少した。(図 12)
年代別では 20~40 代の相談が多く、賃貸アパートに関する相談件数の 66.7%を占
めており、修繕費用等にかかる契約金額の多くは 20 万円未満となっている。(表 28・
29)
主な相談内容としては、修理代についての相談が 443 件(前年度 460 件)寄せられ、
このうちの多くは退去時の修繕費用についてであった。(図 13)
上記のほか、品質等に関する相談としては、水漏れに関するもの 70 件、カビに関す
るもの 69 件、結露に関するもの 66 件、キズに関するもの 64 件となっており、上位を
占めている。(表 30)
● 図 12 「相談件数の推移」
単位/件
賃貸アパート
平成26年度
1,044
平成25年度
1,195
平成24年度
1,352
0
500
1,000
1,500
■ 表 27 「契約当事者男女別相談状況」 単位/件
性別
平成24年度 平成25年度
男性
女性
団体・不明
合計
545
794
13
1,352
534
651
10
1,195
平成26年度
構成比
450
587
7
1,044
43.1%
56.2%
0.7%
■ 表 28 「契約当事者年代別相談状況」 単位/件
年代
平成26年度
平成24年度
平成 25年度
11
5
6
0.6%
20代
295
237
202
19.3%
30代
360
295
286
27.4%
40代
241
246
208
19.9%
50代
168
165
149
14.3%
60代
136
114
95
9.1%
70代
75
73
56
5.4%
80代以上
31
31
23
2.2%
団体・不明
35
29
19
1.8%
合計
1,352
1,195
1,044
未成年者
構成比
34
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
■ 表 29 「修繕費用等契約購入金額内訳・判明分」 単位/件
金額
平成 24年度
平成25年度
平成26年度
000,000 ~ 049,999
050,000 ~ 099,999
284
237
220
187
188
145
100,000 ~ 199,999
200,000 ~ 299,999
172
58
141
34
88
43
300,000 ~ 000,000
60
52
45
● 図 13 「修理代に関する相談件数の推移」
単位/件
修理代に関する相談
平成26年度
443
平成25年度
460
平成24年度
400
550
450
500
550
600
■ 表 30 「品質等に関する相談」 単位/件
品質等に関する問題
水漏れ
カビ
結露
キズ
平成 24年度
平成25年度
平成26年度
69
72
70
106
76
78
108
77
60
69
66
64
【相談事例】(50 代 女性)
犬を飼っていたためペット飼育可の物件を探して入居した。犬を 1 頭飼っているが
世話はきちんとしており、特に部屋を汚したつもりはない。先月末に突然大家より、
犬の臭いがひどいと言われ退去を求められた。すぐに出て行くように言われたが転居
先を探さなければならなかったため、今月 15 日に退去した。退去の立ち会いでは大
家より修繕が必要なので、詳細については後日請求書を発送すると言われた。昨日届
いた請求書には、室内全体の床と壁クロスの張り替え、台所シンクの取り換え、トイ
レの便器の取り換え費用として 600,000 円請求され高額で不満。支払わなければなら
ないか。
〔助言内容等〕
特約がない場合は、国土交通省の原状回復のガイドラインが一般的な基準とされ
ていることを伝え、契約書面で特約の有無を確認するよう助言した。ガイドライン
によれば、故意過失等、通常の使用を超えた使用による損耗等は借主負担であると
されていること、経年変化、通常使用による損耗は貸主負担とされていること、ま
た経過年数や入居年数により借主の負担割合を減価する考え方もあることを知らせ
た。大家に請求内容に納得できない旨を申し出て、請求根拠についての説明を求め
て良く話し合うよう助言した。交渉が難航するようであれば、宅地建物取引業協会
および法律相談にて見解を求めるよう伝え連絡先を知らせた。
35
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
【相談事例】(40 代
女性)
賃貸アパートの入居時に、敷金、礼金、ペット礼金を支払っているが、退去の立会
い時に、タバコのヤニによる壁クロスの汚れ、フローリングのキズやシミ、洗面台の
キズ等を指摘され、10 万円ほどの修理代が発生すると言われた。修理代が捻出でき
ないため、貸主の了解を取った上で、他の施工業者に見積もりを依頼したところ思っ
た以上に高額だった。そのため、貸主に国土交通省の原状回復のガイドラインによる
経過年数の減価分を主張した。ところが、細かい室内のキズ等の写真を証拠に敷金を
含め 40 万円の修理代の請求書が届いた。放置するとどうなるか。不動産関連の相談
窓口には相談した。
〔助言内容等〕
国土交通省の原状回復のガイドラインの考え方を基に話し合いで解決する方法
となると説明。ガイドラインでは、「経過年数を超えた設備等(残存価値ゼロ)で
も、借主の故意・過失で破損・使用不能になった場合には、『善良なる管理者とし
ての注意義務』もあり、設備等の本来の機能していた状態まで戻すための費用等に
ついては『借主の負担が必要となることもあり得る』としていることを伝えた。支
払わない場合に法的請求を受ける可能性もあると知らせ、無料法律相談に一般的な
見解を求めるよう窓口を紹介した。
36
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
③
商品一般
商品一般に関しての相談件数は 501 件で、全相談件数の 4.0%を占め、対前年比で
は 75 件(同 17.6%)増加となった。(図 14)
男性に比べ女性からの相談が多い。年代別では各世代から相談が寄せられているが、
特に 60 代と 70 代からの相談が多く、相談の 36.3%を占めている。(表 31・32)
● 図 14 「相談件数の推移」
単位/件
商品一般
平成26年度
501
平成25年度
426
平成24年度
333
0
100
200
300
400
500
600
■ 表 31 「契約当事者男女別相談状況」 単位/件
性別
平成24年度 平成25年度
平成26年度
構成比
男性
130
150
200
39.9%
女性
196
7
269
7
288
13
57.5%
2.6%
333
426
501
団体・不明
合計
■ 表 32 「契約当事者年代別相談状況」 単位/件
年代
平成26年度
平成24年度
平成 25年度
0
5
6
1.2%
20代
17
32
35
7.0%
30代
47
36
55
11.0%
40代
57
57
69
13.8%
50代
76
84
68
13.6%
60代
65
66
82
16.4%
70代
55
85
100
20.0%
80代以上
7
44
63
12.6%
団体・不明
9
17
23
4.6%
合計
333
426
501
未成年者
【相談事例】(40 代
構成比
女性)
携帯電話に「通販商品の支払い確認が取れない、発注されたまま保管期限が過ぎてい
る。商品の対応について至急連絡するように」とのメールが入った。なお、連絡しない
と、日本通信販売協会、信用情報機関と協議し法的な措置をとるとの内容。対処法は。
37
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
〔助言内容等〕
身に覚えがないとのことから、架空請求の可能性が考えられることを伝え、このま
ま業者には連絡を取らずに様子を見るよう助言した。また、可能であればメールアド
レスの変更を検討するよう伝え、新たに何か請求があった場合は、消費者センターに
再度相談するよう助言した。
【相談事例】(60 代
女性)
リサイクルショップから、2 か月に 1 回程度不用品を買い取るとの勧誘の電話がある。
その都度断っているが、業者名を聞いても答えてくれず、住所と電話番号を回答するだ
け。不用品であれば何でもよいと言われるが、何もないと言って断っている。業者が知
らせた市外局番と住所の市町村が異なっており不審。
〔助言内容等〕
訪問購入による貴金属の買い取りのトラブルや訪問購入の法的規制について説明。
勧誘に際して事業者は氏名等の明示が必要と伝えた。また、不用品買い取りとの名目
で訪問したが、訪問後に貴金属の買い取りであるとわかり、強引に相場より安価で貴
金属を買い取りされる被害があることを知らせ、今後の勧誘については十分に注意を
するよう助言した。電話番号の表示サービスや留守番電話の利用も、電話勧誘の対処
に有効と伝えた。
38
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
④
デジタルコンテンツ
デジタルコンテンツに関しての相談は 383 件で、全相談件数の 3.1%を占め、対前
年比では 73 件(23.5%)増加となった。(図 15)
男性に比べ女性からの相談が多い。年代別では 30 代から 60 代の相談が多く、相談
の 77.8%を占めている。(表 33・34)
● 図 15 「相談件数の推移」
単位/件
デジタルコンテンツ
平成26年度
383
平成25年度
310
平成24年度
304
0
100
200
300
400
500
■ 表 33 「契約当事者男女別相談状況」 単位/件
性別
平成24年度 平成25年度
平成26年度
構成比
男性
97
106
142
37.1%
女性
206
1
203
1
240
1
62.7%
0.3%
304
310
383
団体・不明
合計
■ 表 34 「契約当事者年代別相談状況」 単位/件
年代
平成26年度
平成24年度
平成 25年度
9
10
14
3.7%
20代
42
33
34
8.9%
30代
76
69
74
19.3%
40代
86
78
95
24.8%
50代
49
57
71
18.5%
60代
28
42
58
15.1%
70代
9
16
29
7.6%
80代以上
2
4
7
1.8%
団体不明
3
1
1
0.3%
304
310
383
未成年者
合計
構成比
39
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
【相談事例】(40 代 女性)
「悪質業者への未払い金について解決します」と書かれた心当たりのない不審なメー
ルが携帯電話に数件届いた。怖いのでメールを開いておらず、連絡先等は不明である
が対処法は。
〔助言内容等〕
電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律、特定商取引
法等について情報提供し、架空請求の可能性が高いことを伝え、心当たりのない請
求には対応しないよう助言した。また、個人情報が漏れる可能性があるため、メー
ルに記された連絡先へは連絡せず、様子をみるよう伝え、迷惑メール相談センター
を紹介した。
【相談事例】(60 代
女性)
インターネット総合コンテンツ提供サービス会社から、「通告を無視し利用料金を
延滞している事に対し、起訴準備期間に入った。明日までにご連絡いただけない場合
は、利用人調査開始、信用情報機関に個人情報の登録、法的書類を作成し、法的手続
きに入る。法的手続きに入ると管轄裁判所からの呼出状が発行され、執行官立会いの
もと、給与、財産、有価証券等の差押えを含め強制執行に入る。万が一身に覚えがな
い場合も早急に連絡するように」とメールが届いた。架空請求メールと無視をしてい
たが、再び同じ文面のメールが届き不安になった。また当該メールの差出人が私の
メールアドレスで不審である。対処法は。
〔助言内容等〕
電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律、特定商取引
法等について情報提供し、架空請求の可能性が高いことを伝え、心当たりのない請
求には対応しないよう助言した。また、個人情報が漏れる可能性があるため、請求
メールに記された連絡先へは連絡せず、様子をみるよう伝え、迷惑メール相談セン
ターを紹介した。また、差出人が相談者のメールアドレスと同じである件に関して
は契約しているプロバイダーに相談してはどうかと伝え、相談を終了とした。
40
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
⑤
携帯電話サービス
携帯電話サービスに関しての相談は 293 件で、全相談件数の 2.4%を占め、対前年
度比では 89 件(同 43.6%)増加した。(図 16)
年代別では、30 代から 50 代の相談が多く、携帯電話サービスの相談の 64.8%を占
めており、男女の相談者数に大きな差は無かった。(表 35・36)
● 図 16 「相談件数の推移」
単位/件
携帯電話サービス
平成26年度
293
平成25年度
204
平成24年度
176
0
50
100
150
200
250
300
350
■ 表 35 「契約当事者男女別相談状況」 単位/件
性別
平成24年度 平成25年度
平成26年度
構成比
男性
99
118
152
51.9%
女性
75
2
84
2
139
2
47.4%
0.7%
176
204
293
団体・不明
合計
■ 表 36 「契約当事者年代別相談状況」 単位/件
年代
平成26年度
平成24年度
平成 25年度
8
9
7
2.4%
20代
32
35
32
10.9%
30代
46
36
52
17.7%
40代
37
45
89
30.4%
50代
21
28
49
16.7%
60代
14
27
31
10.6%
70代
9
14
19
6.5%
80代以上
6
6
6
2.0%
団体・不明
3
4
8
2.7%
合計
176
204
293
未成年者
構成比
41
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
【相談事例】(30 代 女性)
スマートフォンを利用していたが速度制限がかかり不便を感じていたので、速度制
限の廃止手続きをスマートフォン上で行った。速度制限を解除すると 7GB超過後 2
GB毎に 2,500 円の料金が発生することになっている。当月は手続きをしたが翌月は
特に手続きをしなかった。すると翌月は 7GBを超えたのが月末日だったのに 2,500
円かかってしまった。他社を確認すると、利用毎に申し込む仕組みになっているが、
当該社は一度申し込むと自動更新されることになっていた。自動更新とは気付かな
かった。ほんの少しのために 2,500 円支払うのは納得がいかないので当該社に苦情を
伝えたが何の対応もできないと言われ不満。
〔助言内容等〕
相談室で当該携帯会社のホームページ内で通信速度制限について確認したとこ
ろ、「当該オプションプランを申し込むことで速度制限なく利用できるが、7GB
超過後、2GB毎に 2,500 円のオプション料金が発生する、超過前後お知らせメー
ルを配信する」との記載があり、注意書きとして「月末日に超過した場合、お知ら
せメールは配信されない」と記載されていることから、規定に則って対応されるこ
とになると伝えた。
【相談事例】(50 代
男性)
1 年前に他社から携帯電話の番号ポータビリティ(MNP)を利用して携帯電話サー
ビスを変更した。パンフレット等でサービス提供エリアとなっている山に登山したが
圏外であった。契約時の通信エリアの説明と違うため契約解除を申し出たところ、通
信会社は、新しい基地局を建てなければ改善出来ないと非を認め、解約に伴う解除料
や機種代金の残債等は通信会社が負担することになった。前の通信会社に戻すには、
MNP転出手数料が 2,000 円ほど掛かり、これは私が負担しなければならないと言わ
れたが、当該通信会社の契約違反による解除のため、原状回復費用は全て負担してほ
しい。また、今も虚偽が記載されているパンフレットを使っているのは法的に問題な
いのか。
〔助言内容等〕
相談室から当該社お客様相談室に繋ぎ、相談者の申し出内容を伝え対応について
確認した。当該社の回答は、相談者の契約住所ではなく登山をした時の利用で電波
が届かず使えなかったという申し出内容で、通常であれば解約したとしても解除料
の減免や機種代金の残債の減免等は行わないが、相談者の強い希望により対応せざ
るを得なかったとのこと。
問題になっているMNP転出手数料は、番号管理のための費用であり、利用者負
担をお願いしたいとのことだった。また、パンフレットに記載のサービス提供エリ
アも環境によっては電波が届かないところもあり、必ずしも回線の接続を補償する
ものではないとの回答だった。その旨相談者に伝え、総務省の電気通信サービスに
関する相談窓口を案内した。
42
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
(4)
特殊販売(特定商取引法が規制対象とする特殊な取引方法)
平成 26 年度の通信販売等特殊販売に関する相談は 5,747 件で、全体に占める割合は
46.3%となり、対前年度比では 170 件(同 3.0%)の増加となった。(表 37)
通信販売、マルチ販売、訪問購入及びその他無店舗販売については前年度より増加し、
訪問販売、電話勧誘販売、ネガティブ・オプションについては減少した。(表 37)
年代別の特徴としては、30 代 40 代を中心として、各年代とも通信販売が多いが、70
代以上については、通信販売の割合は低下し、訪問販売、次いで電話勧誘販売の割合が
増加する傾向にある。(表 38)
■ 表 37 「相談件数の推移」
取引方法
単位/件
平成26年度
増減
構成比
平成24年度 平成25年度
通信販売
3,221
3,381
3,902
521
67.9%
訪問販売
932
855
117
971
975
114
814
729
123
▲ 157
▲ 246
9
14.2%
12.7%
2.1%
9
49
76
36
121
52
45
16
2.1%
0.9%
18
5,201
24
5,577
6
5,747
▲ 18
170
0.1%
電話勧誘販売
マルチ販売
訪問購入
その他無店舗
ネガティブ・オプション
合計
■ 表 38 「年代別特殊販売相談件数」 単位/件
取引方法
件数
未成年
20代
30代
40代
50代
60代
70代
80代~
不明
通信販売
3,902
274
494
706
863
664
501
250
117
33
訪問販売
814
26
71
81
84
98
114
158
176
6
電話勧誘販売
708
3
55
89
86
136
203
132
4
マルチ販売
123
1
35
15
16
19
14
19
2
2
訪問購入
121
1
3
6
8
15
25
26
35
2
52
6
1
0
5
1
6
1
8
0
7
1
11
0
7
1
7
1
0
1
5,726
306
609
870
1,068
890
801
664
470
48
5.3%
10.6%
15.2%
18.7%
15.5%
14.0%
11.6%
8.2%
0.8%
その他無店舗
ネガティブ・オプション
合計
構成比
43
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
(5)
主な問題商法
問題商法の中でもっとも多いのは「無料商法」の相談が 347 件で、対前年度比 9 件(同
2.6%)増加している。以下「サイドビジネス商法」「景品付販売」「マルチ商法」「当選商法」
「利殖商法」「次々販売」の順となっている。(表 39)
各商法の年代別では、「無料商法」が 20~70 代、「サイドビジネス商法」が 20~40
代、「景品付販売」が 40 代、70~80 代、「マルチ商法」が 20 代、「当選商法」が 60~70
代、「利殖商法」が 60 代以上、「次々販売」が 70 代以上からの相談が多くなっている。
(表 39、図 17)
■ 表 39 「契約当事者年代別相談件数」 単位/件
販売方法
不明
未成年
20代
30代
40代
50代
60代
70代
80代~
合計
無料商法
0
16
41
39
76
62
59
41
22
356
サイドビジネス商法
1
1
60
45
28
16
12
14
2
179
景品付販売
3
2
9
17
22
12
14
23
30
132
マルチ商法
当選商法
2
1
1
1
35
3
15
8
16
10
19
8
14
25
19
24
2
13
123
93
利殖商法
2
1
3
7
8
7
20
30
14
92
次々販売
1
1
3
7
4
9
5
11
39
80
● 図 17 「契約当事者年代別割合」
無料商法
4.5%
11.5%
サイドビジ
0.6%
ネス商法
1.5%
6.8%
マルチ商
法
0.8%
利殖商法
次々販売
1.1%
3.2%
21.3%
17.4%
25.1%
33.5%
景品付販
売
当選商法
11.0%
16.7%
12.9%
28.5%
8.6%
1.1%
7.6%
3.3%
12.2%
10.8%
8.7%
8.6%
8.8% 5.0% 11.3%
3.8%
20代
15.6%
10.6%
13.0%
15.4%
30代
11.4%
32.6%
13.8%
40代
※ 「不明」のものは除く
44
11.5%
6.7% 7.8%
1.1%
15.4%
1.6%
14.0%
15.2%
48.8%
50代
60代
6.2%
22.7%
25.8%
21.7%
6.3%
8.9%
17.4%
26.9%
7.6%
1.3%
未成年
9.1%
16.6%
70代
80代以上
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
①
無料商法
「無料サービス」「無料期間中」「無料御招待」など、「無料」又は「ただ同然」をセールス
トークとして消費者を勧誘し、高額な商品やサービスを契約させる商法。
相談件数は 356 件で、対前年度比 9 件(同 2.6%)増加し、年代別では 40 代から 60
代で 55.3%を占め、商品・役務別ではアダルト情報サイトに関する相談が 120 件と、
無料商法に関する相談の 33.7%を占めている。(図 18、表 41・43)
また、無料であることを謳いアダルトサイトや出会い系サイトに自動登録され、登
録料を請求されるなどの不当請求が 122 件となっている。(表 42)
● 図 18 「相談件数の推移」
単位/件
無料商法
平成26年度
356
平成25年度
347
平成24年度
242
0
50
100
150
200
250
300
350
400
■ 表 40 「契約当事者男女別相談状況」 単位/件
性別
平成26年度
平成24年度
平成25年度
男性
107
161
173
48.6%
女性
134
186
183
51.4%
1
0
0
0.0%
242
347
356
団体・不明
合計
構成比
■ 表 41 「契約当事者年代別相談状況」 単位/件
年代
平成 24年度
平成25年度
17
41
45
47
38
26
21
6
1
242
13
38
48
67
55
59
44
21
2
347
未成年者
20代
30代
40代
50代
60代
70代
80代以上
団体・不明
合計
■ 表 42 「販売上の問題点」
苦情等の内容
不当請求
説明不足
虚偽説明
強引な販売
架空請求
平成26年度
構成比
16
41
39
76
62
59
41
22
0
356
4.5%
11.5%
11.0%
21.3%
17.4%
16.6%
11.5%
6.2%
0.0%
単位/件
平成24年度 平成25年度 平成26年度
93
26
18
21
96
29
32
32
122
34
24
23
7
4
11
45
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
■ 表 43 「商品・役務別相談状況」 単位/件
上位5品目
平成26年度
不明 平均購入 (契約)金額
男性
女性
120
73
47
0
114,218 円
3 デジタルコンテンツ
29
15
11
4
17
11
1
0
272,608 円
122,137 円
4 壁工事
10
4
6
0
240,000 円
4 役務その他サービス
10
2
8
0
54,864 円
1 アダルト情報サイト
2 出会い系サイト
【相談事例】(60 代
男性)
パソコンで無料の占いサイトを閲覧していたが、気が付くとアダルトサイトにアク
セスしており、年齢認証ボタンを押すとサイトに登録され、請求画面が張り付いて消
えなくなった。画面には 180 日以内の高額な利用料と 3 日以内に支払の場合の減額さ
れた利用料が書かれていた。また、利用料を支払わなければ画面が消えないと書かれ
ていた。登録する気がなかったので、画面に記載の電話番号に電話をかけたが繋がら
なかった。張り付いた画面は情報処理推進機構のホームページを参考にして消したが、
電話番号を通知して業者に架電したので、後から請求を受けるのではないかと思い不
安になった。対処方法を知りたい。
〔助言内容等〕
契約完了前の画面表示に無料と表示されている場合や、有料情報の料金が事前に
知らされていない場合には、有料情報やサイトを利用するという契約は成立しない
とみなされ、代金の支払い義務は生じないと考えられる。また、電子消費者契約法
では申し込み内容などを確認するための確認画面を設けていない場合には契約無効
の主張が可能な場合があり、根拠の不明な請求には応じないよう助言した。
【相談事例】(60 代
男性)
雪害により住宅が壊れた部分があったので修理しようと思っていたところ、電話
で「火災保険を使えば無料で家が直せる」という勧誘を受けた。リフォーム業者に
家に来てもらい見積りを出してもらったところ、高額な見積額であった。また、火
災保険会社にも連絡して査定してもらったが、リフォーム業者の見積額以下の保険
金しか振り込まれず、その後何度もリフォーム業者から「保険はいつ出るのか」と
いう電話が架かるため、この業者が少し嫌になってきたので契約をやめたいと伝え
ると、保険金の 20%を支払ってもらうと言われた。業者への支払義務はあるのか。
〔助言内容等〕
特定商取引法の訪問販売に該当するが、法定書面が出されていなかったため、
クーリング・オフが可能であるとして、相談者にクーリング・オフ通知書の記入を
助言。相談室から当該業者に架電し相談者がクーリング・オフする旨伝えたところ、
業者は「電話勧誘後に何度も訪ねているのにクーリング・オフできるのはおかしい」
と主張するため、契約時の法定書面の未交付を説明すると、業者はクーリング・オ
フについて了承した。
46
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
② サイドビジネス商法
在宅で仕事ができると電話やインターネットなどで勧誘し、仕事のために必要と高
額な商品の契約をさせる商法。勧誘時の説明ほど収入が得られず支払いだけが残る場
合がほとんどである。収入の有無が分かるまでに時間を要するため、クーリング・オフ
が適用されない場合が多く、消費者がサラ金を利用させられる場合もある。
相談件数は 179 件で、対前年度比 22 件(同 14.0%)増加し、女性からの相談が男性
に比べ約 2 倍となっている。(図 19、表 44)
年代別では、20 代~40 代の相談が多くなっており、販売上の問題点では、虚偽説明
が最も多く、次に強引な販売、説明不足が同数で、次に詐欺、効能・効果、書面不交
付が同数となっている。(表 45・46)
商品・役務別では、出会い系サイト、他の内職・副業が上位となっている。(表 47)
● 図 19 「相談件数の推移」
単位/件
サイドビジネス商法
平成26年度
179
平成25年度
157
平成24年度
171
140
150
160
170
180
190
■ 表 44 「契約当事者男女別相談状況」 単位/件
性別
男性
女性
団体・不明
合計
平成 24年度
平成25年度
54
114
3
171
48
108
1
157
平成26年度
構成比
64
113
2
179
35.8%
63.1%
1.7%
■ 表 45 「契約当事者年代別相談状況」 単位/件
年代
平成26年度
平成24年度
平成25年度
0
43
1
48
1
60
0.6%
33.5%
40代
33
41
32
28
45
28
25.1%
15.6%
50代
20
13
16
8.9%
60代
19
9
10
21
12
14
6.7%
7.8%
4
2
2
1.1%
2
171
2
157
1
179
0.6%
未成年者
20代
30代
70代
80代以上
団体・不明
合計
構成比
47
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
■ 表 46 「販売上の問題点」
苦情等の内容
単位/件
平成24年度 平成25年度 平成26年度
虚偽説明
強引な販売
説明不足
詐欺
効能・効果
書面不交付
20
13
10
23
23
9
9
20
44
12
12
10
17
14
9
9
10
10
■ 表 47 「商品・役務別相談状況」 単位/件
上位5品目
男性
女性
平成26年度
不明 平均購入(契約)金額
1 出会い系サイト
46
3
43
0
184,160 円
2 他の内職・副業
20
13
7
0
570,898 円
3 商品一般
14
4
10
0
200,138 円
4 健康食品
11
6
5
0
163,117 円
9
3
6
0
8,800 円
5 複合サービス会員
【相談事例】(30 代 女性)
携帯電話で副業サイトを見つけた。「メールをするだけ」の仕事で「完全無料」と
いうものだった。サイト業者から「相手の人と情報交換をするためにまず 3 千円で会
員登録が必要で、さらに、交換処理のため 2 万 5 千円が必要。入金後に全額返金する」
と言われた。しかしエラーが発生し交換出来なかった。サイト業者からは「エラー解
除には 5 万 5 千円が必要で、さらに処理するための 12 万 5 千円を支払えば、全額返
金する」と言われたため支払ってしまったが、常にエラーが出る仕組みになっていて
全額返金されないと気付いた。クレジット会社や決済代行業者に相談したところ、消
費者センターを通して申出書を出すようにと言われた。
〔助言内容等〕
相談者に契約の経緯を時系列で書面にしてクレジット会社と決済代行業者に送
付するよう助言し、相談者は申出書を送付した。相談室よりクレジット会社と決済
代行業者に、相談者の申し出を伝え、問題点を指摘したうえで対応を求めたところ、
決済代行業者より「サイト運営業者から全額を取り消すとの話があった」との連絡
があり、その後、クレジット会社より「取消処理が終了した」との連絡があった。
相談者にその旨伝え相談を終了とした。
【相談事例】(40 代
女性)
電子書籍の原稿を書くサイドビジネス業者をインターネットで見つけた。まずは
「電子書籍のPR文を 1 回千円で 4 回書くように」と指示があり、2 回分 2 千円が振
り込まれた。その後「電子書籍に文書を書かないか」と請われ原稿を送った。その後、
「あなたの原稿のアンケートを取る。顧客が 10%を超えたら出版する」と言われ、
後日アンケートの結果について「今までにない数字が出た。再度アンケートを取った
が 10%を超えた。1,300 部数以上売れるため、販売価格が消費税抜 1 部 500 円として、
あなたの報酬を 6 割の 300 円とすると、39 万円以上の収入が毎月受け取れる」と説
明された。そして契約の話になったが、業者から「出版にかかる費用として一時金
48
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
37 万 8 千円を払うように」と言われた。「このお金はライターが途中で書くのを止
めてしまって出版できなくなった場合の保証金のようなもので、1 年後に返金する。
支払方法はクレジット、現金、金融機関で借りる等」と言われた。不審なため、契約
を保留。
〔助言内容等〕
特定商取引法の業務提供誘引販売取引を説明。本件が当該販売方法に該当するか
どうかの判断は難しいが、業者が根拠のない高収入を謳い、消費者に高額の負担を
させるが、当初の説明通りの収入が入らない可能性があることを伝え、慎重に対処
するよう助言した。助言を受け、相談者は「契約前に相談をして良かった。契約は
しない」と話していた。
49
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
③ 景品付販売
日用品などの景品を付けることや、ポイントの付与、キャッシュバックや値引きで
契約を勧誘し、商品や役務の契約をさせる商法。
相談件数は 132 件で、対前年度比 24 件(同 22.2%)増加し、女性からの相談が男性
に比べ約 4 倍となっている。(図 20、表 48)
年代別では、80 代以上からの相談が最も多く、続いて 70 代、40 代となっており、
販売上の問題点では、強引な販売が多く、続いて虚偽説明、判断不十分者契約、販売
目的隠匿、説明不足となっている。(表 49・50)
商品・役務別では、新聞が最も多く相談件数の 71.2%を占めている。(表 51)
● 図 20 「相談件数の推移」
単位/件
景品付販売
平成26年度
132
平成25年度
108
平成24年度
96
0
50
100
150
■ 表 48 「契約当事者男女別相談状況」 単位/件
性別
男性
女性
団体・不明
合計
平成24年度
平成25年度
35
60
1
96
33
74
1
108
平成26年度
構成比
25
105
2
132
18.9%
79.5%
1.5%
■ 表 49 「契約当事者年代別相談状況」 単位/件
年代
平成26年度
平成24年度
平成25年度
1
4
2
1.5%
30代
7
10
10
11
9
17
6.8%
12.9%
40代
11
14
22
16.7%
50代
10
17
11
17
12
14
9.1%
10.6%
17
20
17
22
23
30
17.4%
22.7%
3
96
2
108
3
132
2.3%
未成年者
20代
60代
70代
80代以上
団体・不明
合計
構成比
50
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
■ 表 50 「販売上の問題点」
苦情等の内容
単位/件
平成24年度 平成25年度 平成26年度
強引な販売
虚偽説明
判断不十分者契約
販売目的隠匿
22
9
10
13
45
10
8
17
37
15
12
11
8
4
10
説明不足
■ 表 51 「商品・役務別相談状況」 単位/件
上位5品目
平成26年度
不明 平均購入(契約)金額
男性
女性
94
20
71
3
20,232 円
2 光ファイバー
9
3
6
0
13,704 円
3 携帯電話サービス
5
0
5
0
0 円
4 健康食品
4
0
2
2
197,997 円
5 インターネット接続回線
3
1
2
0
0 円
1 新聞
【相談事例】(20 代 女性)
今月「近くに引越しをしたので」と男性の来訪を受けた。近所の人だと思いドアを
開けた途端に、米袋 2 キロ入り 1 個、洗剤 1 箱、タオルとラップ各 1 本、ビール 12
本セットを渡された。男性は景品を渡しながら新聞勧誘だと言った。断ろうとしたが、
「僕も大変なので」などと言われ、来年 3 月から半年間、朝刊のみの契約を承諾して
しまった。大変だと言われ同情して契約したが、引越し挨拶だと嘘をつかれて勧誘さ
れたので解除したい。ビールは箱を解体して冷蔵庫に入れてある。景品の対処法も知
りたい。
〔助言内容等〕
クーリング・オフの発信方法について説明。官製はがきの書き方を説明し両面の
写しを取り、配達記録が残る信書便で発信するよう助言。景品については現状ある
ままで返品を行うよう伝えた。また、相談室から販売店に対し、販売目的隠匿等の
勧誘方法に問題があったことを指摘し、景品の引き取り対応についても依頼した。
【相談事例】(30 代
女性)
3 日前に訪問され、個人の会社で当該新聞を扱っていて挨拶で回っていると言わ
れた。他紙を取っていることを告げると、切り替えのタイミングで当該新聞を検討
してほしいと言われた。家族に相談すると言って断ると、「サービスでお米 5 キロ
と発泡酒 1 ケース、洗剤を 6 箱置いていくので、どの家に配ったかわかるようにす
るために、住所と名前を書いてほしい」と紙を差し出された。それは契約書だった
ため、「契約するつもりはない」と告げたが、これは取りあえずの用紙で、当該社
から電話をかけて確認する時に断ってくれてもいいと言われ、住所氏名を書いた。
昨日の夜、当該社の別な人が訪ねてきて、「契約ありがとうございます」と言われ
51
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
たので、契約したつもりはないと告げると、「契約書に書きましたよね」と言われ
た。再度「契約するつもりはない」と告げ、置いていったお米や発泡酒など全てを
返した。その人は明らかに不快な様子で帰っていったが、嫌がらせとかはないか不
安。家族に話すと契約書の控えの裏面にクーリング・オフのことが書いてあり、クー
リング・オフした方がいいと言われたので書き方等を知りたい。
〔助言内容等〕
クーリング・オフ通知の書き方や発信方法を助言した。また新聞公正取引協議会
公正競争規約を基に景品の上限金額について説明し、相談者からの情報提供を促し
たが、相談者は嫌がらせ等が不安であるとのことで公正取引協議会への情報提供は
行わなかった。
52
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
⑤ マルチ商法
販売組織の加入者が、次々と他の人を自分の組織に加入させ、加盟料や商品購入代
金の支払により利益の配分を得る商法。もうけ話にのり販売組織に加入し、友人などを
勧誘するが、行き詰まるのがほとんどである。
特に、若者層が有利強調の誘いに魅せられ、のめり込んでいく傾向が見られるため、
相談者と当事者が異なることが多い。
相談件数は 123 件で、対前年度比 9 件(同 7.9%)増加しており、20 代が 28.5%を占
め、女性からの相談が 60.2%と多い。(図 21、表 52・53)
販売上の問題点では、効能・効果、販売目的隠匿が同数で、次いで書面不交付となり、
次に強引な販売、虚偽説明、説明不足が同数となっている。(表 54)
商品別では、商品一般が最も多く、次に健康食品となっており、購入金額では、ふ
とん類、理美容機器、日用品全般、健康食品が高額な購入契約となっている。(表 55)
● 図 21 「相談件数の推移」
単位/件
マルチ商法
平成26年度
123
平成25年度
114
平成24年度
117
105
110
115
120
125
■ 表 52 「契約当事者男女別相談状況」 単位/件
性別
男性
女性
団体・不明
合計
平成 24年度
平成25年度
34
80
3
117
34
79
1
114
平成26年度
構成比
47
74
2
123
38.2%
60.2%
1.6%
■ 表 53 「契約当事者年代別相談状況」 単位/件
年代
未成年者
20代
30代
40代
50代
60代
70代
80代以上
団体・不明
合計
平成26年度
平成24年度
平成25年度
0
0
1
0.8%
28
19
21
37
14
11
35
15
16
28.5%
12.2%
13.0%
16
17
10
4
17
10
22
2
19
14
19
2
15.4%
11.4%
15.4%
1.6%
2
117
1
114
2
123
1.6%
構成比
53
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
■ 表 54 「販売上の問題点」
苦情等の内容
単位/件
平成24年度 平成25年度 平成26年度
虚偽説明
20
6
13
12
11
13
9
10
10
11
13
13
12
9
9
説明不足
7
9
9
効能・効果
販売目的隠匿
書面不交付
強引な販売
■ 表 55 「商品・役務別相談状況」 単位/件
上位5品目
男性
平成26年度
女性 不明 平均購入(契約)金額
1 商品一般
17
5
12
0
163,910 円
2 健康食品
15
9
6
0
142,671 円
3 浄水器
11
2
9
0
15,349 円
4 複合サービス会員
10
3
7
0
8,800 円
7
3
4
0
68,642 円
5 他の健康食品
【相談事例】(50 代 女性)
息子が昨年知人に勧められてマルチ販売の契約をした。人を紹介すると紹介料が入
ると言われたことを息子は信じて活動しており、私が反対しても言うことを聞かない。
高額の浄水器の契約だが、人を紹介できずに借金等をしないかと心配。
〔助言内容等〕
特定商取引法の連鎖販売取引のルールを説明し、通常容易に人を紹介できずに商
品を抱えてしまい経済的に破綻する場合や、友人等を勧誘した際に人間関係が破綻
する場合など、国民生活センターで公表されているトラブル事例を伝え、家族間で
話し合うよう助言。また、マルチ販売の場合、クーリング・オフ期間を過ぎても商
品の中途解約は可能であり、新規契約から1年以内の契約で一定の条件を満たせば、
売買契約も購入代金の 10 分の 1 の違約金で解除可能であることを説明した。
【相談事例】(20 代 女性)
知人に勧められ福利厚生の複合サービスを行っている業者にインターネット上で
会員登録したが、マルチまがいな事をやっている業者だとわかったので辞めようと
思った。会員登録時に会費の支払いについてクレジットカード決済を選択しており、
業者に電話をかけてクーリング・オフをしたいと伝え、カード決済を選択したことを
伝えたところ「一度カード決済を確定して支払ってもらわなければ返金できない」と
言われた。クレジットカード会社には「まだ情報が上がってきていない」と言われて
いるが、会費を口座から引き落とされたくない。
〔助言内容等〕
特定商取引法の連鎖販売取引に該当すると思われることからクーリング・オフに
ついて説明し、当該業者及びクレジットカード業者にクーリング・オフをする旨を
伝えて通知書を送付するよう助言。当該業者の行為がクーリング・オフ妨害にあた
る可能性があることを知らせ、速やかに取消手続きを行ってもらうよう助言した。
54
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
⑥ 当選商法
「当選した」「景品が当たった」「あなただけが選ばれた」などと特別な優位性を強
調して消費者に近づき、商品やサービスを販売する商法。
相談件数は 93 件で、対前年度比 8 件(9.4%)増加した。(図 22)
男女別では、女性からの相談が 72.0%となり、年代別では、60~70 代の消費者が多
く、商品・役務別では、宝くじが最も多く、次に出会い系サイトとなっているが、契
約金額では、他のデジタルコンテンツが他の商品に比べ高額となっている。(表 56・57・
59)
● 図 22 「相談件数の推移」
単位/件
当選商法
平成26年度
93
平成25年度
85
平成24年度
121
0
50
100
150
■ 表 56「契約当事者男女別相談状況」 単位/件
性別
男性
女性
団体・不明
合計
平成26年度
平成 24年度
平成25年度
47
74
0
121
33
52
0
85
構成比
26
67
0
93
28.0%
72.0%
0.0%
■ 表 57 「契約当事者年代別相談状況」 単位/件
年代
未成年者
20代
30代
40代
50代
60代
70代
80代以上
団体・不明
合計
平成26年度
平成24年度
平成25年度
0
4
3
2
1
3
1.1%
3.2%
4
15
13
33
34
1
7
16
18
25
8
10
8
25
24
8.6%
10.8%
8.6%
26.9%
25.8%
17
1
121
12
1
85
13
1
93
14.0%
1.1%
構成比
55
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
■ 表 58 「販売上の問題点」 単位/件
苦情等の内容
平成24年度 平成25年度 平成26年度
強引な販売
虚偽説明
詐欺
販売目的隠匿
不当請求
10
6
17
0
3
5
21
3
9
9
6
4
3
0
3
■ 表 59 「商品・役務別相談状況」 単位/件
上位5品目
男性
平成26年度
女性 不明 平均購入(契約)金額
1 宝くじ
35
12
21
2
90,385 円
2 出会い系サイト
16
7
9
0
465,584 円
3 デジタルコンテンツ
7
0
7
0
16,500 円
4 商品一般
6
2
3
1
0 円
5 他のデジタルコンテンツ
4
1
3
0
2,000,000 円
【相談事例】(40 代 女性)
「あなたは約半年前に当社の 20 周年記念の懸賞に応募している。5,000 円の商品
券が当選したため送付する」と電話があった。半年前に懸賞に応募した記憶は無い。
また、「数字選択式くじの当選番号を予測出来る。数字選択式くじは月曜日と木曜
日の抽選。3 日後の抽せん日の夜に当選番号を教える。翌日の新聞で確認してほしい。
まずは無料で 50%の当選確率の数字を教えるため 1 か月間試してはどうか」と言わ
れた。数字選択式くじの当選番号の予測はかなり不審であり、インターネットで調
べると被害事例が多数あった。今後取引をしたくないが対処法を知りたい。
〔助言内容等〕
数字選択式くじの当選番号は事前に分からないこと、類似の相談事例を相談室か
ら情報提供した。電話勧誘販売は勧誘を断った人への再勧誘を禁止しているため、
今後の取引を希望しない場合は、毅然と断るよう助言した。
【相談事例】(60 代 女性)
スマートフォンに大手の会社を思わせるところからメールが来て、1 等賞金 720
万円を受け取ってくださいと記載があった。いたずらメールであれば、退会ボタン
を押して拒否したほうがいいか。
〔助言内容等〕
迷惑メールで、「あなたは当選しました」、「遺産を受け取ってください」など
とサイトに誘導してお金を払わせる手口があることを説明した。実際に高額な賞金
を受け取れることはありえず、また、退会ボタンを押させてからメールを頻繁に送
り返して有料サイトに誘導し、高額な料金を請求する可能性もあるので、今後連絡
を取ることはせずにメールを無視するよう助言した。なお、迷惑メール相談セン
ターに迷惑メールを情報提供する方法があることを伝え、窓口を案内した。
56
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
⑦
利殖商法
高齢者や専門知識に疎い者を対象として「必ず値上がりする」や「必ず儲かる」な
どと利殖になることを強調して投資や出資を勧誘する商法である。
相談件数は 92 件で、対前年度比では 67 件(同 42.1%)減少した。60 代以上の高齢者
が全体の 69.6%を占め、67.4%が女性であった。(図 23、表 60・61)
● 図 23 「相談件数の推移」
単位/件
利殖商法
平成26年度
92
平成25年度
159
平成24年度
224
0
50
100
150
200
250
■ 表 60 「契約当事者男女別相談状況」 単位/件
性別
平成 24年度
平成25年度
79
145
0
224
54
105
0
159
男性
女性
団体・不明
合計
平成26年度
構成比
30
62
0
92
32.6%
67.4%
0.0%
■ 表 61 「契約当事者年代別相談状況」 単位/件
年代
平成26年度
平成24年度
平成25年度
0
1
0
3
1
3
1.1%
3.3%
40代
4
10
6
13
7
8
7.6%
8.7%
50代
13
14
7
7.6%
60代
70代
71
87
50
50
20
30
21.7%
32.6%
80代以上
36
23
14
15.2%
2
224
0
159
2
92
2.2%
未成年者
20代
30代
団体・不明
合計
■ 表 62 「販売上の問題点」
苦情等の内容
構成比
単位/件
平成24年度 平成25年度 平成26年度
詐欺
34
6
19
70
25
2
20
44
15
14
11
9
約束不履行
11
13
8
強引な販売
身分詐称
虚偽説明
57
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
■ 表 63 「商品・役務別相談状況」 単位/件
上位5品目
男性
平成26年度
女性 不明 平均購入(契約)金額
1 ファンド型投資商品
49
15
34
0
3,312,685 円
2 公社債
10
1
8
1
1,500,000 円
3 株
7
3
4
0
5,150,000 円
4 未公開株
6
2
4
0
6,400,000 円
5 商品一般
3
1
2
0
200,000 円
5 他のデリバティブ取引
3
1
2
0
314,724 円
【相談事例】(70 代
女性)
見知らぬ業者から「緑色の封筒が送られてきたら電話が欲しい。その封筒は大事な
ものなので是非売って欲しい」という電話が執拗にかかってきて、数日前に本当に封
筒が送られてきた。封筒の中身はパンフレットや 1 口数十万円と書かれた申込書で、
投資のようだったが、全く身に覚えのない内容だったので捨ててしまった。本日また
緑色の封筒が届き、同じ男性から電話がかかってきた。今後どのように対応すれば良
いか。
〔助言内容等〕
劇場型の投資詐欺について情報提供し、業者から電話がかかってきた場合は毅然
と断るよう助言。封筒は破棄しても問題はないと伝えた。また、今後脅されるよう
なことがあった時はすぐに警察に通報するよう助言した。
【相談事例】(40 代
女性)
インターネット広告に、「2 万円を払うと 1 万円のボーナスが出る。円の値段が何
分後に上がるか下がるかを予想する取引で簡単に儲かる」という記載があり、バイナ
リーオプション取引を申し込み、2 万円を支払ったが何も儲からなかった。インター
ネットで調べると、「出金要請に応じない詐欺業者だ」との書き込みがあったため、
業者が勝手に継続引き落としをしては困ると思い、クレジット会社に申し出て今まで
使用していたクレジットカード番号を利用停止にした。当該業者にメールで返金要請
をしたが、「海外の事業者なので日本の法律の影響は受けない」という返信メールが
届いた。また、業者のホームページには連絡先や業者情報などの記載がなく、利用規
約には「出金要請するには 1 万円×30 倍位の取引がなければ返金しない」との記載
があった。不審なので契約を取り消したい。
〔助言内容等〕
相談室で調べると、当該業者は無登録で金融商品取引を行う業者として財務局か
ら警告が出ていることが判明。相談室から決済代行会社に状況を説明し契約取り消
しを求めた。決済代行会社から、「相談者からの申出書があれば検討する」との回
答があったため、相談者に対し、財務局が当該業者へ無登録による警告書を送付し
たと記載した財務局のホームページのコピーを添付して、契約取り消しの申出書を
決済代行会社に送付するよう助言した。後日決済代行会社から支払いをキャンセル
処理したとの報告があり、その後相談者から「業者から 2 万円が振り込まれた」と
の報告を受けたため、相談終了とした。
58
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
⑧
次々販売
何らかの悪質商法の被害者に対して、次々と別の業者(同じ業者のこともある)が接
近してきて、同じ商品又は異なる複数の商品を次々に契約させる商法。
相談件数は 80 件で、対前年度比では 30 件(同 27.3%)減少している。70 代以上が
62.5%を占め、女性からの相談が 80.0%と大半を占めている。(図 24、表 64・65)
商品・役務別では、健康食品が最も多く、次にふとん類となっているが、購入金額
では修理サービスが他の商品に比べ多額となっている。(表 67)
● 図 24 「相談件数の推移」
単位/件
次々販売
平成26年度
80
平成25年度
110
平成24年度
71
0
20
40
60
80
100
120
■ 表 64 「契約当事者男女別相談状況」 単位/件
性別
男性
女性
団体・不明
合計
平成 24年度
平成25年度
15
55
1
71
19
90
1
110
平成26年度
構成比
15
64
1
80
18.8%
80.0%
1.3%
■ 表 65 「契約当事者年代別相談状況」 単位/件
年代
平成26年度
平成24年度
平成25年度
0
12
12
6
1
3
1.3%
3.8%
40代
6
8
5
6
7
4
8.8%
5.0%
50代
2
7
9
11.3%
60代
70代
9
16
7
23
5
11
6.3%
13.8%
80代以上
17
41
39
48.8%
団体・不明
1
71
3
110
1
80
1.3%
未成年者
20代
30代
合計
構成比
59
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
■ 表 66 「販売上の問題点」
苦情等の内容
単位/件
平成24年度 平成25年度 平成26年度
判断不十分者契約
過量販売
強引な販売
虚偽説明
書面不交付
9
10
21
11
26
13
21
15
22
19
14
9
6
10
7
■ 表 67 「商品・役務別相談状況」 単位/件
上位5品目
男性
1 健康食品
平成26年度
女性 不明 平均購入(契約)金額
11
0
11
0
197,855 円
2 他のふとん類
4
1
3
0
385,250 円
2 衛生設備工事
4
3
4
0
0
3
0
0
233,250 円
296,780 円
3
3
1
0
1
3
1
0
3,798 円
990,100 円
4 他の健康食品
4 新聞
4 修理サービス
【相談事例】(80 代
女性)
業者に長時間の勧誘を受けて展示会に誘われた。業者は家に来ると何時間も居座り
帰らない。先日展示会で約 50 万円の指輪を買ったばかりなのに、再度自宅に来て、
コートや洋服などを持ってきた。コートはもうあるから要らないと断っているのに、
無理矢理高額なコートを置いていった。断りきれず後日半額で購入したが、解約可能
か。領収書はあるが、契約書面は受け取っていない。
〔助言内容等〕
相談者が来室したため、商品の解約を求める手紙を書き、手紙を発信した。その
後業者に連絡したが、「長時間の居座りは行っていない」、「無理に売ってはいな
い」、「契約書を書いて渡している」、と業者は主張。業者に契約書の写しのファッ
クスを求め、契約書を確認したところ、クーリング・オフの記載がなかったことか
ら、相談室より特定商取引法の契約書面の記載事項について説明を行い、記載事項
を満たしていないため、クーリング・オフ通知書を発信できる旨を業者に伝えた。
業者は、相談者が飼っている動物の臭いがコートについて売り物にならないと反論
し、クーリング・オフを認めなかったため、クーリング・オフについて経済産業局
に確認するよう業者に促した。相談者にコートの状況を確認したところ、袋から出
さずに洋服ダンスに入れていたため、クーリング・オフ通知書を送付するよう助言。
その後、業者に確認すると、既に商品は引き取っており、これから返金するとの報
告があった。
【相談事例】(40 代
女性)
高齢の両親宅に訪問販売で訪れた業者に、台所と風呂場の各換気扇を掃除してもら
い 2 万円支払ったが、その後に業者がマッサージ機のセールスを始めた。1 台の金額
が高額であったが、家にあった運動器具を下取りするので買わないかともちかけたと
60
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
のこと。父は、突然セールスを始めた業者に不信感を抱き、購入せずに帰ってもらっ
たとのこと。この業者の苦情はあるか。
〔助言内容等〕
特定商取引法では訪問販売業者は勧誘に先立ち商品の名称等を告げなければな
らず、業者が同法に違反する勧誘を行っている可能性を説明した。また、訪問販売
業者は同法に基づく契約書面を交付する義務があるが、書面が交付されていなけれ
ばクーリング・オフの起算日は発生せず、書面が交付されても書面を受け取った日
から 8 日間はクーリング・オフが可能である事を知らせた。クーリング・オフ通知
書の書き方を説明し、今後当該業者とトラブルが発生した時はすぐに相談室に連絡
をするよう助言した。
61
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
(6) 食料品に関する相談
平成 26 年度の相談は 581 件で、前年度比 328 件(同 36.1%)減少し、全体の相談に占
める割合は 4.68%となっている。件数の推移は、平成 24 年度から増加を続けていたが、
平成 26 年度は大幅に減少した。これは、健康食品の「送り付け商法」が減少したことに
よる。(図 25)
相談の内容別では安全・衛生と価格・料金に関する相談件数が減少し、表示・広告に
関する相談が 21 件増加している。(図 26)男女別では、女性からの相談が 60%を超え
ているが、男性からの相談割合も増えてきている。(表 68)
年齢別では、60 代以上が 53.4%と半数以上を占めている。(表 69)商品別では、健康
食品に関する相談が 213 件と圧倒的に多く、次いでミネラルウォーターに関する相談が
16 件となっている。(表 70)
● 図 25 「食料品に関する相談件数の推移」
単位/件
1000
800
600
件数
400
200
0
平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度
食品に関する
相談件数(件)
612
559
684
909
581
総相談件数に
占める割合
4.67%
4.49%
5.64%
7.11%
4.68%
● 図 26 「食料品に関する内容別相談件数の推移」
単位/件
700
600
500
400
300
200
100
0
平成22年度
平成23年度
平成24年度
平成25年度
平成26年度
安全・衛生
78
111
83
117
96
表示・広告
114
91
68
45
66
価格・料金
134
61
61
82
57
その他
286
296
472
665
362
62
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
■ 表 68 「契約当事者男女別相談状況」 単位/件
性別
平成24年度
男性
女性
団体・不明
合計
185
491
8
684
平成25年度
231
663
15
909
平成26年度
構成比
209
354
18
581
36.0%
60.9%
3.1%
100%
■ 表 69 「契約当事者年代別相談状況」 単位/件
年代別
平成24年度
未成年者
3
25
51
65
85
131
172
134
18
684
20代
30代
40代
50代
60代
70代
80代以上
団体・不明
合計
■ 表 70 「商品別相談状況」
2 健康食品
3
ミネラルウォーター
4 他の調理食品
5 米
5 他の飲料
構成比
3
33
53
82
100
135
256
220
27
909
9
27
59
57
94
118
101
91
25
581
1.5%
4.6%
10.2%
9.8%
16.2%
20.3%
17.4%
15.7%
4.3%
100%
単位/件
平成26年度
上位5品目
1 他の健康食品
平成26年度
平成25年度
男性
115
98
16
13
12
12
31
34
7
4
6
3
女性
団体・不明
83
62
8
8
4
8
1
2
1
1
2
1
*他の健康食品:下記「健康食品」以外のサプリメントなど
*健康食品:ローヤルゼリー、酵素食品、ビタミン剤等の健康食品
*他の調理食品:弁当、冷凍食品、レトルト食品等以外の調理食品
*他の飲料:お茶、ジュース、ミネラルウォーター等以外の飲料
63
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
【相談事例】(80 代
男性)
遠方の業者から私の住所を確かめ、健康食品の見本を送ると言われた。「買わない
から要らない」と断ったが、4 日前に黒酢の見本 10 日分が送られて来た。注文する気
がないため放置していたが、当該社から中元カタログ等が送られて来た。今後のカタ
ログ送付や電話勧誘を希望しない。また商品を注文していないのに何故お客様番号が
付与されているのか不審である。
〔助言内容等〕
電話勧誘販売の場合、勧誘を希望しない人への再勧誘を禁止していることを伝え
た。相談者が高齢であるため、相談者の意思を確認して、相談室を通して当該社に
今後の勧誘の断りと個人情報の登録抹消の希望を伝えた。当該業者より、「今後の
勧誘はしない。登録抹消手続きを行う。お客様番号の付与は、無料サンプルを含め、
商品のお届けがある場合に住所を登録しお客様番号を付与している」との返答が
あった。相談者に当該社の返答を伝え相談者も納得をした。当該社から今後の勧誘
があった場合は再度相談するよう伝え相談を終了した。
【相談事例】(30 代
女性)
スーパー内のイベントコーナーで事業者が宣伝を行っており、サーバーは無料レン
タルで、初回は 2 本の宅配水が無料となるという 3,000 人限定のキャンペーンを行っ
ていた。12 リットル入りボトル 1 本 1,890 円で毎月 2 本が宅配される契約で、ミルク
を飲む子供がいるため申し込んだ。1 ヶ月後にサーバーが届いたが、初回は無料との
話だったが 4,300 円を請求された。最初の説明と違うため受け取り拒否をした。直ぐ
に業者に苦情を伝えると 4,300 円は現金書留で送ると言われたが、不審感から解約を
したい。13,900 円の違約金がかかると言われたが支払いたくない。
〔助言内容等〕
契約書の送付を依頼し、相談者が明確に当該業者に解約意思を伝えていないため、
先ずは当該業者に解約申出を行うよう助言した。相談者には解約困難な場合には文
書による申し出となると説明した。その後、相談者から「商品が未着であればキャン
セルは可能」と返答されたと連絡があった。相談者には、はがきに解約了承された
旨を日付入りで記載し証拠として送付するよう助言した。今後不審な請求があった
場合に再相談を行うよう伝え、相談を一旦終了した。
64
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
(7) 事業者指導状況
札幌市消費生活条例(平成 25 年一部改正)及び札幌市不当な取引行為に該当する行為の
基準を定める規則(平成 25 年一部改正)に基づき、不当な取引行為を行った事業者に対し
指導を行った。また、指導を行ったが是正されず、さらに勧告にも従わなかった事業者
について、同条例に基づき公表した。(表 71・72)
■ 表 71 「措置別指導件数」
措
置
口 頭
文 書
告
表
指 導
勧
公
計
単位/件
平成24年度 平成25年度 平成26年度
76
90
78
3
18
0
0
6
1
0
4
1
79
118
80
※ 事業者が年度内に複数の措置を受けた場合、それぞれを計上
■ 表 72 「不当な取引行為別指導件数」
単位/件
不当な取引行為
平成 24年度 平成25年度 平成26年度
不適切な加盟店管理による与信契約
30
31
26
重要な情報の不告知
16
27
18
長時間勧誘
5
6
8
断定的判断の提供
4
11
7
販売意図の隠匿
1
8
5
解除の拒否等
6
9
4
過量販売等
3
0
3
勧誘を望まない意思を表示したにもかかわらず勧誘
3
2
3
不実告知
6
14
3
督促に対する不適切な対応
0
3
1
苦情に対する不誠実な対応
0
4
1
心理的不安を与える言動等
0
2
1
優良、有利であると誤信させる表現の使用
3
1
0
適合性に欠ける契約の勧誘
2
0
0
計
79
118
80
※ 事業者に複数の不当な取引行為を指導した場合は、最も多い取引行為を記載
※ 加盟店管理:個別クレジット業者は、特定商取引法類型の販売・役務提供に伴う与信契約を締結
しようとするときは、加盟店の勧誘方法等について調査し、違法な行為をしたと認めるときは与
信契約の申込み又はその承諾をしてはならない。
※ 重要な情報:勧誘目的、事業者の名称等、商品の内容・品質・価格等、取引条件や取引に関する
情報など。
65
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
(8)
危害・危険情報
商品等の使用で人身に危害が生じたという苦情(危害情報)は 236 件で、対前年度比 34
件減少した。
また、危害には至らないが、人身事故の恐れがあったと思われる苦情(危険情報)は 107
件で、対前年度比 19 件増加した。
危害・危険を合計した件数は 309 件で、全相談件数の 2.49%となっている。(表 73)
■ 表 73 「相談件数の推移」
単位/件
平成24年度
危害・危険の件数
構成比
危害の件数
構成比
危険の件数
構成比
平成25年度
230
1.90%
164
1.35%
66
0.54%
平成26年度
324
2.53%
236
1.85%
88
0.69%
309
2.49%
202
1.63%
107
0.86%
※ 構成比は、相談件数全体に対する割合で算出
①
危害情報
商品・役務別では医療サービスが最も多く、次いで賃貸アパート、外食、歯科治療、
他の美容サービスの順となっている。(表 74)
また、危害の内容では、その他の傷病及び諸症状についての相談が 74 件で最も多く、
次いで、皮膚障害、擦過傷・挫傷・打撲傷、消化器障害、刺傷・切傷の順となってい
る。(表 75)
■ 表 74 「商品・役務別相談件数」 単位/件
商品役務
平成25年度
平成26年度
8
10
7
9
0
医療サービス
賃貸アパート
外食
歯科治療
他の美容サービス
21
11
10
8
5
主な内容
熱傷、皮膚障害
呼吸器障害、その他の傷病及び諸症状
刺傷・切傷、中毒その他の傷病及び諸症状
その他の傷病及び諸症状
皮膚障害その他の傷病及び諸症状
■ 表 75 「危害内容別相談件数」 単位/件
危害内容
平成25年度 平成26年度
主な内容
皮膚障害
63
73
74 医療サービス、賃貸アパート、歯科治療
擦過傷・挫傷・打撲傷
14
13 医療サービス、スポーツ・健康教室、商品一般
消化器障害
25
15
12 豚肉、冷凍調理食品、外食
10 外食、歯科治療、理髪サービス
その他の傷病及び諸症状
刺傷・切傷
51 乳液、化粧水、化粧クリーム、養毛剤、化粧石鹸、パーマ
66
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
■ 表 76 「危害部位・組織別相談件数」 単位/件
危害部位・組織
平成25年度 平成26年度
主な商品・役務
頭部
18
26 養毛剤、賃貸アパート、パーマ
顔面
43
24 乳液、化粧品セット、医療サービス
全身
28
24 外食、さし身、医療サービス
口、口腔、歯
11
20 歯科治療、口紅
眼
15
17 医療サービス、他の美容サービス
■ 表 77 「危害程度別相談件数」 単位/件
危害程度
平成 25年度 平成26年度
医者にかからず
96
治療1週間未満
治療3週間~1ヶ月
37
9
治療1週間~2週間
19
治療1ヶ月以上
24
死亡
②
主な商品・役務
48 賃貸アパート、乳液、養毛剤、医療サービス、パーマ
28 医療サービス、外食、さし身、歯科治療
9 医療サービス
16 医療サービス
25 医療サービス、商品一般、賃貸アパート
0
0
危険情報
危険内容は、機能故障、破損・折損、過熱・こげるが多く、商品は普通・小型自動
車、携帯電話が多い。(表 78)
■ 表 78 「危険内容別相談件数」 単位/件
危険内容
平成 25年度 平成 26年度
機能故障
破損・折損
過熱・こげる
発火・引火
発煙・火花
異物混入
③
8
8
7
5
10
24
15
12
11
9
8
8
主な商品
普通・小型自動車
普通・小型自動車
携帯電話
電気アイロン、電気掃除機、パソコン
普通・小型自動車
鶏肉、かりんとう、他の調理食品
主な相談事例と助言内容等
○
ハロゲンヒーター
【相談事例】(50 代
女性)
ハロゲンヒーターの背面から発火。ホームセンターで購入した商品で購入年は不
明。仕事から帰宅して寒かったので点火したところ、20 分ぐらいで背面から発火し、
プラスチックの焼けた破片がホットカーペットの上に落ちた。すぐに水をかけて消
火したがカーペットに穴が開いた。情報提供希望。
〔助言内容等〕
当該メーカーのハロゲンヒーターによる事故の注意喚起情報を伝え、直ちに使用
中止するよう伝えた。また当該メーカーは現在連絡がつかない状況であることを伝
え、販売店に連絡するよう助言し、製品評価技術基盤機構への情報提供について説
明した。
67
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
○
ライター
【相談事例】(70 代
女性)
先月百円ショップで購入したライターが一昨日突然破裂し、破片が飛び散った。
中の燃料は大分減っていたと思うが、一昨日の夜テレビ台に置いておいたところ突
然「パーン」と音がしたため、何の音かと思って見回したところライターが破裂し、
その破片が飛び散っていたが、身体等に危害はなかった。そのライターはPSC
マーク付きで外国製と書いてあった。情報提供希望。
〔助言内容等〕
当初電話での相談だったが同日相談者が当該製品を持って来室。持参した製品
にはPSCマークが付いていた。ライターは消費生活用製品安全法の特別特定製
品になることを説明し、消費生活用製品PLセンターの窓口を紹介。また製品評
価技術基盤機構への情報提供についても案内し、販売店にも連絡するよう伝えた。
○
電気掃除機
【相談事例】(40 代
女性)
7 年前に外国製の掃除機を家電量販店で購入した。しばらく使用しているとプ
ラグ部分が熱くなったので、製造業者に苦情を伝えて新品と交換してもらった。そ
の後も普通に使っていたが、一昨日使用時に突然ボンと爆発音が鳴り、驚いて音の
方向を見てみると掃除機のプラグから火が出ており、もくもくと煙が上がっていた。
コードは焼け落ちて床に小さな焦げ跡がついた。このままでは火事になると思い、
慌ててプラグを抜いた。身体に怪我などは無い。製造業者に電話をかけたところ、
新品と交換するので現品を送って欲しいと言われたが、送ってしまうと証拠が何も
残らないので送るかどうか迷っている。すぐに日本製の掃除機を購入したので交換
してもらう必要はない。インターネットで当該製品を見ると、同じ型番の掃除機に
同様の苦情が多いようだ。損害賠償請求などをするつもりはないが、もっと大きな
事故になっては大変なので情報を記録に残して欲しい。
〔助言内容等〕
メーカーに製品を送り返す場合は、製品や床の状態を全て写真や動画等に残し
て保存しておくよう伝えた。製品評価技術基盤機構のホームページに事例が公表
されているため参考にするよう助言。苦情として受理し記録に残すと伝えた。
○
ガスコンロ
【相談事例】(60 代
女性)
2 年前に賃貸マンションで契約しているガス会社から、二口コンロと魚焼のグリ
ルが付いたガステーブルを購入した。昨日、数回つまみを回しても点火せず、着火
してもすぐに火が消えるため、点火つまみを押し回して点火させ、そのままつまみ
を 2 分間押し続けて火力を最大にして調理を続けた。ガステーブルの手前が熱く
なってきたため火を止めると、使用していた右コンロの点火部分の手前側のステン
レスに焦げ色が付いていた。今後もガステーブルは使用は可能な状態だが、ガス
テーブルに何らかの問題があるのではないかと不安でそれ以降点火していない。管
理会社に申し入れると、「確認する」と言われたため連絡を待っている。購入後に
68
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
電池交換等は行っていない。リコール情報等はあるか。情報は自分で調べることは
できるか。
〔助言内容等〕
相談室で調べたところ、当該商品にリコール情報はないことを知らせ、相談者
に消費者庁HPのリコール情報の検索方法を伝え、情報提供として受理すること
を伝えた。管理会社からの連絡を待つよう助言しその上で、必要であれば、販売
店、メーカーに現在の状態を伝え、点火不良や焦げの原因につき問い合わせるよ
う助言した。また、製品評価技術基盤機構への情報提供について説明し相談者の
承諾を得た。
○
スマートフォン
【相談事例】(30 代
男性)
携帯電話販売店でスマートフォンを購入し、まだ1年も使っていない。充電をし
ながら布団の上に置いて寝ていたところ、焦げ臭くて目が覚めた。スマートフォン
を見ると充電器の接続部分が異常発熱して溶け、シーツも焦げて穴が開いていた。
充電器は 1 か月前に購入した純正品である。原因を調べてもらうために携帯電話販
売店に持ち込んだ。検査結果が出るまで 2 か月は要すると言われた。先日ようやく
携帯電話販売店から、私が充電器の差し込み口にナトリウムか何かを付着させたた
めに発熱したと口頭で報告があり、スマートフォンの不具合ではなく私の過失なの
で、修理をするには加入している保険を使うことになると言われた。仕事で携帯電
話を使用しているのですぐに保険で直してもらったが、普通に使用していただけな
のに私の過失と言われたことに納得がいかない。もしも火事にでもなっていたらと
思うと、このまま私の使用方法が原因と終わらせることにも納得がいかない。不良
品であれば製造元が負担して直すべきではないか。結果報告を書面で出すよう要望
したが断られた。このような事例は私が初めてだと言っていた。苦情を記録して欲
しい。
〔助言内容等〕
情報提供として受理し記録に残すと伝えた。別の携帯電話機でも同様の事例は
報告されていると伝え、製品評価技術基盤機構のホームページで製品事故情報を
検索してみるよう助言した。
○
医療サービス
【相談事例】(30 代
女性)
ネット広告を見て 3、4 か月前から当該クリニックでレーザー脱毛を受けていた。
最初はすねの脱毛だったが、女性からカウンセリングを受けた後に、医師が診察と
レーザー照射を 1、2 回行い「問題がない」と言い、看護師に施術を引き継いだ。
数か所の施術を受けたが何も問題が起こらなかった。その後に 17,000 円を現金で
払い臀部等の施術を受けたがやはり看護師が施術を行った。レーザー照射を受けた
時に酷い痛さを感じた。親指大の大きさの水泡が 3 個でき、火傷を負ったため塗り
薬を無料で出されたが、同時に施術した下腹部に異常は無かった。昨日、ひりひり
感が強くあり苦情を伝えると直ぐに来るよう言われ、看護婦から塗り薬と飲み薬を
渡されたが有料だった。不満を伝えたところ、「より多くを望む場合には有料とな
る」と言われ、契約書にも経過注意書があると言われてしまった。今でも 2 か所の
69
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
傷が黒く変色、もう 1 つは瘡蓋が剥がれる状態だが、痛さで座ることもできない。
私は施術に問題があると考えている。火傷後は医師から診察は一切受けておらず、
看護師が医師の助言を受けての対応だけだった。今後治るまでの費用は出してほし
い。交渉方法を知りたい。
〔助言内容等〕
相談者には、火傷について他病院で診察を受け診断書を提出する方法もあると
助言。その後、相談者からは他病院で診察を受け火傷の経緯を伝えたところ、争
いには巻き込まれたくないと診断書記載拒否を言われたと報告があった。相談室
からは、管轄の保健所に経緯を伝え、医療行為とレーザー脱毛行為についての有
り様について問い合わせてみるよう助言。後日、相談員からその後の経緯を確認
したところ、保健所に苦情の申出を行ったところ、直ぐ調査に入ると返答があっ
た。その 2 日後に当該病院から、脱毛費用の返金は行わないが火傷治療に要した
全費用を負担するとの申出を受け同意した。掛った費用 3,000 円は返金された。
また現在火傷は黒く色素沈着しているが痛みはなくなったとのことを確認。相談
者はこれ以上の対応は望まないとのことで相談を終了した。
70
第 1 章 消費者被害の防止と消費者教育
1 消費生活相談
(9)
製品評価技術基盤機構への情報提供
消費生活用製品安全法に基づき、製品事故(身体に危害が生じた事故または危害が発生
するおそれのあった事故)に関する相談情報を独立行政法人製品評価技術基盤機構
(nite)に情報提供した。
■ 表 79 「独立行政法人 製品評価技術基盤機構(nite)への情報提供の内訳」 単位/件
平成23年度
件数
商品別分類
平成 24年度
件数
危害件数
掃除用具
空調・冷暖房機器
他の住居品
履物
他の保健衛生品
電話機・電話機用品
空調・冷暖房・給湯設備
食生活機器
教養娯楽品その他
洗濯・裁縫用具
理美容器具・用品
食器・台所用品
教養娯楽品一般
文具・事務用品
スポーツ用品
玩具・遊具
パソコン・パソコン関連用品
自転車・用品
照明器具
音響・映像製品
戸建住宅
集合住宅
家具・寝具
他の光熱水品
商品一般
他の教養・娯楽品
合計
0
3
2
0
1
1
0
2
0
0
2
0
0
0
0
0
1
3
0
1
2
1
1
0
0
0
20
平成 25年度
件数
危害件数
0
0
1
3
1
0
0
0
0
2
2
1
0
3
0
1
0
0
2
2
1
1
0
0
0
0
0
0
9
20
0
1
1
0
1
1
0
0
0
0
1
0
0
0
0
0
0
2
0
0
1
1
0
0
0
71
平成26年度
件数
危害件数
0
0
0
2
1
1
1
1
1
0
0
0
0
2
1
1
1
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
8
13
0
0
0
0
0
0
0
2
1
0
2
0
1
0
0
1
1
0
0
0
0
0
0
0
危害件数
0
0
2
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
4
12
2
1
0
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
0
0
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
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