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no.25 - 東京文化財研究所

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no.25 - 東京文化財研究所
TOBUNKEN
NEWS
独立行政法人文化財研究所 東京文化財研究所
2006
no.25
National Research Institute for Cultural Properties, Tokyo
〒 110-8713 東京都台東区上野公園 13-43 http://www.tobunken.go.jp
学技術を活用した先端的な調査・研究を行うと
新たな中期目標を掲げて
ともに、新たな課題や緊急性・重要性の高い調
査・研究の実施、専門指導者層の養成、地方公
2001 年4月、独立行政法人文化財研究所東
共団体、博物館・美術館等への協力・助言、さ
京文化財研究所となって以来、早くも 5 年が過
らには、アジア諸国を対象とした文化財の保
ぎました。その最終的な評価結果はまだ示され
存・修復を通じて我が国の国際貢献へ寄与する
ておりませんが、我々としては、ほぼ所期の成
こと、調査研究の成果を積極的に解りやすく発
果を得ることができたものと考えております。
信し、社会へ還元すること等々、文化財行政の
これもひとえに関係の皆様のご理解・ご協力の
基盤を支えるという目的達成のための具体的な
賜物と心から感謝致しております。
計画を明確に示しております。
さて、この 4 月からは、新たな 5 ケ年の中期
そのため、当研究所では、その実施に合わせ
目標・中期計画に基づく調査・研究・国際協力
て一部組織の見直しを行い、例えば、従来の協
業務が始まります。このたびの中期計画では、
力調整官―情報調整室を企画情報部に、芸能部
貴重な国民的財産である文化財の恒久的な保
を無形文化遺産部に、国際文化財保存修復協力
存・活用を図るため、基礎的・実践的そして科
センターを文化遺産国際協力センターに改めま
した(次頁新組織図●印)。また、皆様
の広範なご理解とご協力を得るため、
本東文研ニュースやホームページを含め
た普及・啓発活動の充実にも力を入れて
まいりたいと考えております。
今後も、我が国における文化財研究
の中核的研究機関の一つとして、文化
財の保存と活用に向けた重要な役割を
担っていきたいと存じますので、皆様
のご支援とご理解を心よりお願い申し
上げます。
(所長・鈴木規夫)
東京文化財研究所外観
1
TOBUNKENNEWS no.25, 2006
東京文化財研究所新組織図
第 29 回文化財の保存・修復に
月 24 日∼ 26 日に「コロキウム」を、そして一
関する国際研究集会の開催
般の方々への情報公開の場として 1 月 28 日に
「シンポジウム」をあわせて開催しました。
国
際文化財保存修復協力センターは、「シ
コロキウムでは、日本、イギリス、イタリア、
ルクロードの壁画が語る東西文化交
アメリカ、インド、韓国、中国、ロシア、フラ
流」と題して 29 回目を迎える国際研究集会を
ンス、カンボジア、タイの壁画の保存修復に関
開催しました。東地中海沿岸から日本に至るま
わる専門家および美術史家、歴史家計 31 名が
でのシルクロード沿いに残されている壁画の歴
一堂に会し、シルクロード沿いに位置する壁画
史・文化的な側面、あるいは技法や材料、そし
をテーマにさまざまな視点から討議を行いまし
て保存修復といったさまざまな側面に焦点をあ
た。西洋と東洋という単純化した影響論に終始
て、当時の東西文化交流の実相に迫ろうという
せず、シルクロードにおける壁画の美術史的・
試みです。今回は、専門家の議論の場として 1
歴史的側面の知識を世界の専門家たちと共有す
るとともに、各地域の複雑な文化の融合によっ
2
TOBUNKENNEWS no.25, 2006
て生み出された壁画技法や材料、描かれたモチ
ーフの意味などについて具体的に議論しまし
在外日本古美術品保存修復
た。その結果、地中海地方から日本にかけての
協力事業合意書調印式
ダイナミックな東西の文化交流の一端を明らか
にすることができました。それと同時に、文化
成 17 年度、工芸班はケルン東洋美術
遺産としての壁画の保存と修復が抱えている問
平
題点も浮き彫りになってきました。
インのサラゴサ市にあるアラゴン州立博物館で
館、ジェノバ市東洋美術館そしてスペ
また、このコロキウムでの議論を通じて、シ
漆芸品を中心に事前調査を行いました。ケルン
ルクロードの壁画の保存については、さまざま
東洋美術館では工芸品調査のほかに、かねてか
な分野の専門家の協力が必要であり、過去にお
ら要望のあった、現地へ専門家を派遣して行う
いて東西の人々が交流し、文化が発展してきた
修復方法について打ち合わせを行いました。
歴史を示す壁画を未来の人々に伝えていくため
海外で行う修復には、いくつかの条件が必要
には、現代に生きる私たちが、東西の経験を共
です。たとえば、修復期間中にセキュリティの
有し協力していかなければならない、というこ
完備したアトリエを準備して、さらに修復家が
とを改めて確認することができたことも大きな
使う日本語を現地語へ通訳する必要がありま
成果です。
す。修復にふさわしい環境と意志の疎通がない
シンポジウムでは、美術史・文化史、壁画の
と充分な修復の成果をあげることができませ
技法と材料、壁画の保存修復の視点から 6 名の
ん。ケルン東洋美術館では、セキュリティのあ
専門家が講演を行い、パネルディスカッション
る作業室およびゲストハウスの提供と日本人学
では保存におけるこれからの課題について話し
芸員との意思の疎通ができ、修復家派遣の可能
合いました。このシンポジウムには 250 名を超
性が高まりました。その後、従来使用していた
える方々のご参加をいただけましたが、これは
合意書に派遣項目を加えて英訳し、東京文化財
ひとえに、シルクロード、そして壁画に対する
研究所とケルン東洋美術館の間に新しい合意書
日本の皆さんの関心の高さを示すものといえま
が完成しました。
3 月 31 日にケルン東洋美術館アデレ・シュロ
す。
ンプス館長を招へいして、東京文化財研究所に
専門家による発表風景(コロキウム)
(国際文化財保存修復協力センター・山内和也)
調印式
3
TOBUNKENNEWS no.25, 2006
て合意書の調印式を行いました。この調印によ
た。完成作にいたるこれらの習作群は、黒田が、
り平成 18 年度からは、日本で行う本格的な修
帰国後、しばしば語った「本当の制作」、「タブ
復事業とともにヨーロッパ各国の美術館にある
ロウ」(tableau)制作への過程でもあったので
軽微な損傷を持つ漆芸品の修復が可能になりま
す。どうか、この機会に黒田の「外光派」の画
した。さらに、修復家の派遣期間中に日本の修
家とは別の一面を鑑賞していただければと願っ
復家の講演やワークショップなどを開催し、本
ています。
格的な修復技術をヨーロッパの修復家に提供す
ることができるようになります。今後、多くの
美術館・博物館がこの事業での修復家派遣に参
加してくれることを希望しています。
(修復技術部・加藤 寛)
特集展示 「昔語り」画稿・下絵
黒
田清輝の「昔語り」と題された作品
展示会場にて
(美術部・田中 淳)
は、明治 31(1898)年に完成しました
が、昭和 20(1945)年に焼失しています。現
在、当研究所では、唯一残された画稿(木炭素
美術部研究会
描)18 点と下絵(油彩画)12 点を所蔵してい
―雪舟・大観・タゴール
ます。今回、その画稿類と関連資料を黒田記念
館展示室において特集展示としてすべて公開
美
し、画家の創作のプロセスを紹介しています
(会期: 2006 年 1 月 19 日から 7 月 8 日まで)。
術部では毎月、美術史研究者による研
究会を開催し、発表と討議を通じて日
本およびアジアの美術についての考察を深めて
います。今回は本年 1 月と 2 月に行った研究会
黒田がこの「昔語り」の着想を得たのは、明
治 26(1893)年秋、留学から帰国した直後、
についてご紹介しましょう。
初めて訪れた京都でのことでした。清水寺付近
1 月 18 日の研究会は、雪舟筆「破墨山水図」
を散策していて高倉天皇陵に隣接する清閑寺に
(東京国立博物館蔵)特集となりました。
「破墨
たちより、寺の僧が語った「平家物語」中の
山水図」は、明応 4 年(1495)3 月に、雪舟の
「小督」にまつわる悲恋物語を聞いたとき、黒
もとを去る弟子・宗淵に画法伝授の証として与
田は不思議な感動におそわれたといいます。そ
えられたものです。雪舟自身によって溌墨山水
の後とりかかったのが習作群の制作でした。各
図と序文が書かれ、その上部に継がれた紙には
モデルの全身、部分図にわたるデッサンが試み
一流文筆僧 6 人よる賛が書かれているため、雪
られ、さらに油彩による習作が描かれて完成作
舟研究の第一級史料として早くから注目を集
がつくられていったのです。黒田の入念な制作
め、さまざまな解釈が付されてきました。この
過程、習作の数の多さをみても、画家として意
作品について、綿田稔「雪舟筆「破墨山水図」
欲にみちた時期の代表作にあげられるものでし
はどう読めるか」は、雪舟の自序を改めて読解
4
TOBUNKENNEWS no.25, 2006
するとともに、この絵を与えられた宗淵のその
後の動向を問い、相澤正彦氏(成城大学)の
「雪舟筆「破墨山水図」と宗淵」は、鎌倉と宗
淵そして祥啓という観点からこれを捉えなおす
ことを試みました。ともに、「破墨山水図」の
絵と文章について、従来とはまた違った解釈が
十分にあり得ることと、雪舟に偏った視点だけ
では見落としがちな事実があることを示すもの
となりました。発表後の討論では、所外の研究
者を交えて活発に意見交換がなされ、あまりに
も有名な「破墨山水図」について、まだまだ研
究する余地が残されていることが浮き彫りとな
ったという点で、極めて有意義な研究会となり
ました。
2 月 15 日には東京大学東洋文化研究所との共
催で、インドと日本の近代美術に関する研究会
を行いました。佐藤志乃氏(横山大観記念館)
の「ベンガル派による日本絵画の受容について
―大観・春草との交流とウォッシュ・テクニッ
クの試み」は、オボニンドロナド・タゴールら
ベンガル派の画家が試みたウォッシュの技法
(彩色した後に画紙を水に浸す)に着目し、イ
ンドを来訪した横山大観・菱田春草の朦朧体と
の関連を探ることで、近代日印画家の交流の意
義を問うものでした。そしてトポティ・グーハ
タクルタ氏(カルカッタ社会科学研究センタ
ー)の「美術ナショナリズムの対話― 20 世紀
初頭ベンガルの近代美術における日本との結び
つき」は、そうした美術交流の背景に、当時の
西欧世界に対して精神性の優位をとなえるアジ
ア各国のナショナリズムを鋭く見出そうとする
内容でした。ふだんなじみの薄いインドの近代
美術ではありますが、お二人の発表により新鮮
かつ重層的な理解を得ることができたように思
います。会場にはインド史研究者や近代日本画
国宝 雪舟筆「破墨山水図」(東京国立博物館蔵)
Image: TNM Image Archives
の研究者をはじめ 40 名近くの参加者があり、
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TOBUNKENNEWS no.25, 2006
ウォッシュの技法のその後や、今日まで至る日
価値を持つものでも、制作年代がわからないも
本画のあり方などについて発表者との間で活発
のは指定されないことが多いのです。今回は、
な意見が交わされました。
指定以外の楽器情報も寄せられたので、取捨選
(美術部・綿田 稔、塩谷 純)
択せずにそれらも含めたデータにしました。報
告書に掲載した楽器数は 2,800 点に及びます。
伝統楽器のデータベース作成
県によってデータに偏りがあり、精度差があ
るのは否めませんが、これまで楽器に関する所
能部では、2001 年より全国の博物館及
在データは入手しにくく、かつ公にしたものも
び都道府県市町村の教育委員会に依頼
なかったので、活用していただけるのではない
して、所蔵する伝統楽器、及び文化財に指定さ
かと思います。博物館からのデータは莫大なペ
れた楽器のアンケート調査を行いました。その
ージ数になるため報告書では割愛しましたが、
うち、教育委員会からの集計結果とホームペー
今年度中にホームページで公開できるよう、目
ジから得た情報をまとめて、この 3 月に報告書
下作業を進めています。
芸
『伝統楽器・所在データベース』を作成しまし
た。回答をいただけない機関もあったため、す
べての指定楽器を網羅したとはいえませんが、
国指定・県指定には目を配っています。指定さ
れた楽器の多くは、梵鐘や磬、鰐口など制作年
報告書に掲載した安国寺の龍笛
代のはっきりしたものです。楽器として重要な
報告書・気鳴楽器のページより
(芸能部・高桑いづみ)
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TOBUNKENNEWS no.25, 2006
特殊上演の報告書「能楽・三番
叟(三)の技法」を中心に
芸
能部では、プロジェクト「伝統芸能の
特殊な上演に関する調査研究」の報告
書を 3 月に刊行しました。このプロジェクトは、
能楽、文楽、歌舞伎を対象に、伝承上の問題や
社会的な趨勢によって上演が希少となった演
目、秘伝とされて外部には伝承の詳細が明らか
にされずにきた特殊な技法の調査・研究を行う
ものでした。能楽・文楽・歌舞伎が「人類の口
承及び無形遺産の傑作」に宣言され、世間の関
心を呼び起こしたことは事実ですが、その一方
で伝統芸能全般にわたって伝承情況に大きな変
化が起こり、伝承があやぶまれる演目が少なく
ないのが現状です。
能楽、文楽、歌舞伎それぞれに未公開の資料
や調査結果を掲げましたが、能楽では三番叟
(三)をとりあげました。三番叟(三)は鎌倉
時代から上演されていた能・狂言最古のレパー
トリーです。祝言色が強く、年頭や能楽堂の舞
台開きなどで上演される機会は少なくないので
すが、祝言という性格上秘伝化された部分が多
く、所作を記した型付ケの類は公開されていま
上:三番叟・揉ノ段を舞う野村萬(横足)
下:三番叟・揉ノ段を舞う野村又三郎(ハネ足)
同じ流儀でも、少しずつ型が異なります。
せん。そこで部専用の舞台で装束をつけずに舞
っていただき、各流儀で異なる舞ぶり、技法の
比較分析を行って報告書に掲載しました。
(芸能部・高桑いづみ)
文化財の生物被害防止手法には何が選択されたのか
―文化財生物被害防除手法アンケート 2005 から―
化財の生物被害処置に用いられてきた
の影響を考慮し、化学薬剤のみに頼らない文化
臭化メチルが、ついに 2005 年初に全廃
財の生物被害防止法である IPM (総合的有害
を迎えました。保存科学部は今後の生物被害防
生物管理)手法の確立と、研修等を通しての情
止対策として、化学薬剤による文化財・人体へ
報普及を目指しています。
文
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TOBUNKENNEWS no.25, 2006
ました。
実際に、博物館等現場でどのような代替手法
を選択したのかを知るため、2005 年 12 月に標
回答館からの自由記述による質問では、IPM
記アンケートを実施し、回答いただいた内容を、
をどのように進めていけば良いか悩んでいる現
東文研主催の各種研修「博物館美術館等保存担
場の状況や、薬剤情報の入手方法、トラブルの
当学芸員研修」
、「文化財保護行政担当者のため
相談先がわからないなど、具体的な悩みを聞く
の IPM 入門」等の参加者が在籍している既研
ことができました。回答館には集計報告書を配
修館(回答数 245 、回収率 67 %)と、研修歴
付しましたが、報告書では Q&A のページを設
のない館(回答数 298、回収率 69 %)の 2 グル
けて解説したり、文化財・人体への影響も含め
ープに分けて解析しました(図 1、2)。
ての薬剤情報・通知通達類なども合わせて掲載
既研修館では害虫・カビ等被害に気づく割合
しています。都道府県立図書館等でもご覧にな
が未研修館より多く、その対応として防虫防カ
れますので、ご利用下さい。
ビ担当者がより多く配置されていることがわか
今後も各種研修やホームページ等への薬剤情
りました。また、いずれのグループも半数以上
報掲載などを通して情報普及に努めますので、
の館で「念のため」に大規模燻蒸が行われてい
定期的に当所ホームページをご覧下さい
る実態がわかりました。しかし、今後の生物被
(http://www.tobunken.go.jp、「文化財の生物被
害処置法として何を採用したいか尋ねたとこ
害防止ガイドブック」掲載中)。DVD 教材「文
ろ、化学薬剤のみに頼らない低酸素濃度処理・
化 財 の 生 物 被 害 防 止 ガ イ ド 」( ク バ プ ロ 、
二酸化炭素処理・低温処理・高温処理を検討し
〔 2004 〕)なども参考に、 IPM による生物被害
ている割合は、既研修館では 26 %に対して未
防除活動を行う館が増えることを願ってい
研修館では 9 %と大きく差が開いており、研修
ます。
による新技術情報の普及が大きいことがわかり
アンケート「今後、生物被害防除法には何を選択しますか」
図2 未研修館の回答
図 1 既研修館の回答
(保存科学部・佐野千絵)
8
TOBUNKENNEWS no.25, 2006
『保存科学』のPDF 化および
「十一面観音像調査」
インターネット配信
成果の公表と活用
保
存科学部では、東京文化財研究所が発
協
行している『保存科学』掲載論文を
力調整官―情報調整室では、平成 16 年
度より奈良国立博物館と共同研究「仏
PDF ファイル化し、インターネットを通じた
教絵画の光学的調査および高精細デジタルコン
配信を行っています。
テンツ作成」を実施しています。平成 16 年度
『保存科学』は、当研究所の研究員が行う文
から 17 年度にかけて、これまでにも本ニュー
化財の保存と修復に関する自然科学的な研究成
スを通じてお伝えしてきましたように、奈良国
果や受託研究、また館内環境調査などの報告を
立博物館所蔵品を中心に調査を行って参りまし
掲載した論文誌です。 1964 年 3 月、当時の保
たが、今回、平安時代後期( 12 世紀)の仏教
存科学部長・関野克氏による「文化財保存科学
絵画を代表する優品として名高い同館所蔵の国
研究概説」に始まる第 1 号の創刊以来約 40 年
宝絹本著色十一面観音像の報告書を共同刊行致
間、我々は先人の遺した貴重な文化財を将来の
しました。
世代に伝えるという使命感を持って研究に携わ
本報告書には、原寸大の部分画像や、下描き、
かきおこ
り、その成果を公表し続けてきました。最新の
彩色、描越しといった階層的な絵画構造を理解
45 号では、アフガニスタン・バーミヤーン仏
するための近赤外線画像、透過近赤外線画像等
教壁画や奈良・明日香村の高松塚古墳およびキ
といった特殊画像、あるいは、顔料の粒子の形
トラ古墳に関する最新の調査・研究報告をはじ
状や分布、画絹の状態などを把握するための近
め、多岐にわたる 27 本の論文を掲載していま
接撮影画像など、各種画像を盛り込み、仏教絵
す。
画の繊細な表現技法への理解を深める素材を提
えぎぬ
インターネット配信によって、第 1 号から最
供しております。また、彩色材料に関する情報
新号まで、500 報近くにのぼる論文を誰でも自
は蛍光 X 線分析によって取得し、調査したデー
由に閲覧できるようになりました。文化財保存
タ全てを提示することによって情報の共有化を
の仕事に携わる方々はもちろんのこと、この分
図っております。
野に関心のある方の目にも留まり、文化財に自
こうした研究成果を踏まえ、今年 7 月には、
然科学が関わってきた歴史と現在を知って頂け
奈良国立博物館「親と子のギャラリー 探検!
れば、私たちにとっても大きな喜びです。今後
仏さまの文様」において本図デジタル画像のパ
は、著者名やキーワードによる検索機能など、
ネル展示が行われます。また、当所では、これ
さらに利便性を高めていきたいと考えていま
らのデジタル画像に関してデジタルアーカイブ
す。論文のダウンロードは、http://www.tobuk
として公開する予定で、さまざまな媒体を用い
~
en.go.jp/ hozon/hozon_pdf.html にアクセスし
ながら、作品理解や研究の進展のためにも、基
て下さい。
本的情報の幅広い共有化が実現可能になるよう
努めてゆきます。
(保存科学部・吉田直人)
(協力調整官―情報調整室・皿井 舞)
9
TOBUNKENNEWS no.25, 2006
ムページで公開中のデータベース「展覧会カタ
データベースの作成と
所蔵カタログ目録の刊行
ログ検索」にはかないませんが、思いがけない
資料に出会うのは冊子体目録ならではの良さで
当
所では、その前身である東京国立文化
す。それぞれの利点をいかして、データベース
財研究所の母体となった帝国美術院附
と目録をご利用いただければと思います。
属美術研究所が開設された 1930 年から美術に
当所の所蔵するカタログは多くの機関や関係
関する資料収集を開始し、また 1986 年からは
者のご協力によって形成された有数のコレクシ
それまでに作成・蓄積した様々な文化財情報の
ョンですが、国内開催総数の約一割程度と推定
デジタル化を進め、本や写真とともに、作成し
されます。しかし国内にはまだ全カタログを所
たデジタル情報も併せて閲覧室でご利用いただ
蔵する機関も、開催情報を網羅したデータベー
いております。
スもありません。研究所は 75 年にわたって収
所蔵資料のうち展覧会カタログは、一般の愛
集した資料や情報の活用をめざし、前述の「展
好者にとっては図版が充実した親しみやすい解
覧会データベース」に、雑誌、ポスター、案内
説書であり、研究者にとっては、図版、作品解
状などの関連資料から採録した開催情報を加え
説、研究論文、参考文献など価値ある情報がま
たデータベース「近現代美術展覧会開催情報」
とめられた重要な資料ですが、全国で開催され
( 144 , 879 件)を、ホームページ上で公開しご
ながら書店を経由することが少ない流通形式な
好評いただいております。本年度はこのデータ
どで、網羅的な収集が困難です。また所在情報
ベース作成にご理解いただきました7つの画廊
が不十分なため利用しづらい環境にあります。
より全開催情報や関連資料の寄贈を受けまし
本年度は蔵書目録の 6 冊目として、作成中の 32
た。現在も関係機関のご協力を仰ぎながら、古
種のデータベースのうち「展覧会データベース」
美術展覧会も含め開催情報を網羅できるよう
(30,725 件)から抽出した所蔵カタログデータ
に、また作家名、出品リストや関連文献へとリ
( 21 , 744 件)を、『東京文化財研究所蔵書目録
ンクするデータベース作りを進めております。
6 展覧会カタログ』(2 分冊)として 2006 年 3
展覧会に限らず、当所では様々な情報を収集
月に刊行し、国内外の関係機関(675 件)に配
してきました。今後は資料類の収集とともに、
布しました。検索にかかる時間は、当所のホー
質量ともに充実したデジタル・アーカイブの構
築に努め、閲覧室やホームページを通して、研
究機関としてより専門的な文化財情報を多くの
方々に提供していきたいと考えています。
(協力調整官―情報調整室・中村節子)
新任のご挨拶
●国際文化財保存修復協力センター・岩出まゆ
2005 年 4 月 1 日より、国際文化財保存修復協
日本絵画協会『明治廿三年絵画展覧会出品目録』
および入場券(当所蔵)
力センター(現文化遺産国際協力センター)の
10
TOBUNKENNEWS no.25, 2006
特別研究員として勤務してい
●協力調整官―情報調整室・江村知子
ます。専門は建築史で、これ
2006 年 1 月 1 日付けで協力
まで古代末期のトルコ、イタ
調整官―情報調整室に着任し
リアなどの地中海沿岸の建築
ました。これまで早稲田大学
を対象に、石材の利用に関す
第二文学部表現・芸術系専修
る建築史的研究をして参りました。現在は、西
助手、同大学非常勤講師など
アジアを中心とする文化遺産の保存事業に携わ
を務め、尾形光琳を中心として日本近世美術史
らせていただき、主として石窟遺構や伝統的な
を研究してきました。東京文化財研究所で行わ
土構造物からなる建造物調査を担当しておりま
れている調査・研究については、美術史学関係
す。この貴重な経験を通して、建造物遺産の保
者のみならず一般社会からも高い関心が寄せら
存の調査・研究活動に少しでも貢献できるよ
れていることを感じます。 75 年におよぶ当研
う、精進して参りたいと思っております。今後
究所の歴史の中で蓄積された研究成果や資料、
ともご指導ご鞭撻を賜りますようよろしくお願い
そして最先端の技術による調査研究成果を、公
致します。
益に帰す形で提供していくためには、今後さら
に改良が必要であると感じます。美術史研究を
●国際文化財保存修復協力センター・宇野朋子
立脚点に、「こんなシステムがあったら便利な
2005 年 4 月より特別研究員
のに」という一般ユーザーの視点も交えながら、
として主に西アジアおよび東
研究の発展に少しでも寄与できるよう、精進し
南アジアの文化遺産の保存事
てまいります。どうぞよろしくお願いします。
業に携わっております。これ
までは建築環境工学を専攻
●修復技術部・中山俊介
し、インドネシアをはじめ東南アジアにおける
2006 年 2 月 1 日付けで修復技術部に着任いた
住宅室内環境の形成要因と人々の生活やエネル
しました。以前は造船会社に
ギー消費との関連について、フィールド調査や
て一般商船の構造設計を担当
数値解析を通して研究して参りました。建築環
しておりました。またその他、
境工学の経験を生かし、周辺の環境変化、特に
「宗谷」、「羊蹄丸」、「三笠」
温度や水分の変化が遺産の保存環境に与える影
など保存船の修復に携わって
響について研究を進めたいと考えております。
おりました。関わった当初は近代の物と言うこ
東南アジアのような高温高湿な気候を中心に調
ともあり資料、技法など現代でも十分入手でき
査を進めておりましたが、今後は異なる様々な
ると考えておりましたが、いざやってみると、
気候下での研究を通して、多くの経験を積み、
資料も少なく、また技法についても、すでに廃
遺跡の保存事業に貢献してゆきたいと思いま
れてしまっていたり、技術を持った方も定年間
す。ご指導をよろしくお願い致します。
近の方しかいないなどという状態であることが
わかり大型の産業遺産の保存の難しさを痛感し
ておりました。このような経験を通じ、近代と
(p.14 へ続く)
11
TOBUNKENNEWS no.25, 2006
Column
無形文化遺産の研究
本年 4 月 1 日から発足する無形文化遺産部では、無形文化財、無形民俗文化財、文化財保存技術と
いう日本の無形文化遺産についての研究を行っていきます。
無形文化遺産の研究については、有形文化遺産のそれとは異なった観点が求められます。まず第1
には、それが人によって表現され伝えられる文化遺産であるという点です。つまり無形文化遺産の研
究は、必然的に人及びそれに基づく社会に対する視点を抜きにしては考えられません。具体的には、
人から人への伝承がどうすれば確実に行えるのかということを、その置かれている社会環境や様々な
条件を含めて考察していくということです。
また、無形文化遺産は変化することが必然的な遺産でもあります。その意味で、形を保存していく
のが前提となる有形の文化遺産とは、異なった理念が求められます。「無形文化遺産の保存とは何か」
という根源的なテーマを常に意識しておく必要があります。
具体的に無形民俗文化財の研究を例としてみましょう。無形民俗文化財には、神楽や風流などの民
俗芸能、祭礼や年中行事などの風俗慣習、及び昨年新しく対象とされた伝統的な生産技術などの民俗
技術、の3つのジャンルがありますが、いずれも各地方で長い間一般の人々によって伝承されてきた
文化財です。これらを研究するにあたって最も重要なことは、その伝承されている現地を十分に調査
し、その現状を把握することです。もちろんその前提として文献資料や先行研究を精査しておくこと
は重要ですが、保護のための研究である以上、現地で得られる情報が今後の有効な保護策を考える上
で最も大切です。実際に祭や年中行事の行われる様子をつぶさに観察し、その継承にあたる地元の
人々の声を聞くことによって、現在の問題点を把握することが、無形民俗文化財を考える場合最も基
本的な作業になります。このような個別の調査研究を、できるだけ多くかつ広範囲に実施していくと
ころが求められています。
一方、無形民俗文化財の全国的状況の考察も進める必要があります。過疎化の進行、少子高齢化、
地方経済の沈滞、大規模市町村合併など、現在日本の多くの無形民俗文化財の多くが存在する地方を
取り巻く状況は、かつてないほど厳しさを増しています。地方で普通に暮らす人々が伝えてきた無形
民俗文化財は、その生活の基盤が揺
らぐことによって容易に伝承が途絶
えてしまう危険性を持っているので
す。その意味で、無形民俗文化財の
研究は、社会環境的側面からのアプ
ローチも重要な手法です。特に従来
無形民俗文化財を最も現場近くで保
護してきた市町村が、合併によって
広域化した事による影響について
は、今後十分に情報収集を図り研究
すべき問題です。
大規模な民俗芸能公開イベント「地域伝統芸能全国フェスティバル」
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TOBUNKENNEWS no.25, 2006
また、従来行われてきた無形民俗文化財の保護施策に対する検証も重要なテーマとなります。過去
5年間にわたり、無形民俗文化財の公開事業として行われてきた「民俗芸能大会」などのイベント事
業について、その実態調査とその有効性の検証を行ってきました。このような公開事業については、
従来は文化財の普及啓発事業として位置づけられ、その効果の検証も主として観客数やその満足度と
いった指標で計られてきました。しかし実際の伝承者にとってのメリット・デメリットは何かと言う
ことを把握することが、伝承活性化事業としての公開を考察する上で不可欠と考え、出演団体に対す
る面談調査やアンケートを実施しています。そうして得られたデータからは、地元の祭礼以外でのこ
うした公開の場が、伝承者にとって一定の活性化の刺激になっていることが伺えます。但し、少数な
がら演技・演出の省略変容などの影響があることも事実であり、どうすればそういったマイナス面を
排除できるのかについても、考察を進めていく必要があります。
また、変化する文化財である無形民俗文化財の保護施策の大きな部分を占める映像記録作成事業に
ついては、そのほとんどが市町村が事業者となる国庫補助事業で行われ、量的にはかなりの成果が蓄
積されています。しかし、文化財保護のための適切な記録とは、という検討が十分なされてきたとは
いえず、質的には実際の制作者によりかなりばらつきがあるのが現状です。そこで、無形民俗文化財
の適切な記録作成を行うため、その企画立案から事業化及び実際の撮影編集に至るまで、何が求めら
れどのような点に留意すべきかについて、所外の専門家を交えた継続的な協議を重ね、具体的な指針
作りを進めています。
以上無形民俗文化財の場合を例として、無形文化遺産部の行う研究を見てきましたが、無形の文化
的所産を文化財として位置づけ保護していくという制度は、1950 年の文化財保護法制定と同時に世
界に先駆けて誕生したものであり、日本の文化財保護制度の大きな特徴であり、世界に誇れる一つと
いって良いでしょう。この分野に関しては、ユネスコを中心として国際的にも注目されつつある重要
な分野です。今年の 4 月 20 日には、2003 年 10 月 17 日にユネスコ総会で採択された、「無形文化遺
産の保護に関する条約」が発効しました。これは、これまで有形の文化遺産に限られていた国際的保
護の枠組みを無形の文化遺産にまで拡大するものであり、今後の国際的な文化遺産保護にとって、 大
きな意味を持つ出来事です。この条約発効後も、無形文化遺産保護の長い経験を持つ日本は、国際的
保護活動でも積極的な役割が期待されていますが、こうした事への対応も無形文化遺産部へ今後求め
られていくことでしょう。
「遺産」という言葉には、「先人
から受け継いだ大切なもの」という
意味とともに、「現在の我々が未来
へ残す義務を負っているもの」とい
う意味が込められています。その意
味で、人から人へ伝承されていく無
形の文化こそ、最も「遺産」という
言葉にふさわしいものではないでし
ょうか。
新しいまつりの展開「YOSAKOIソーラン祭り」
(芸能部・宮田繁幸)
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TOBUNKENNEWS no.25, 2006
は言いながらも早急に手を打たないと様々なも
な補修方法および補修材料の研究を行い、公開
のが失われてしまうという危機感を抱いており
していく事で広く関係者の方々に活用して頂け
ます。なるべく早く技術および材料の保存に関
ればと思っております。
する情報網の整備、また、補修に関しても最適
東京文化財研究所人事異動
●平成 18 年 1 月 1 日付け
採用:協力調整官―情報調整室研究員・江村知子
昇任:美術部広領域研究室長・津田徹英(美術部主任研究官)
配置換:美術部広領域研究室研究員・綿田 稔(協力調整官―情報調整室研究員)
●平成 18 年 2 月 1 日付け
採用:修復技術部主任研究官:中山俊介
●平成 18 年 3 月 31 日付け
辞職:管理部管理課長・伊藤義雄
平成 18 年 4 月 1 日付け徳島大学総務部人事課長に採用
辞職:管理部管理課庶務係長・若月雄二
平成 18 年 4 月 1 日付け千葉大学看護学部総務係長に採用
●平成 18 年 4 月 1 日付け
採用:管理部管理課長・山内浩一(日本芸術文化振興会新国立劇場部管理課長)
採用:管理部管理課庶務係長・杉木清彦(千葉大学企画総務部人事課福利係長)
外国人来訪者
管理部・佐野智典
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刊行物のご案内
『国宝紅白梅図屏風』
江戸時代の画家、尾形光琳の
代表作である《紅白梅図屏風》
(MOA 美術館蔵)の最新調
査成果を盛り込んだ報告書。
科学的分析手法を用いて技法
の謎にせまり、その結果は学
界や関連する分野に大きな問
題を提起しました。2005年、
中央公論美術出版(033561-5993)
、定価 26,250
円
『大正期美術展覧会の研究』
同書は、平成 13 年度に刊行
した「大正期美術展覧会出品
目録」に基づき、国内外の研
究者の研究協力をあおぎ、大
正期の美術をテーマにした多
彩な論文 34 編と資料等によ
って構成した論文集です。
2005年、 中央公論美術出版、
定価26,
500円
『日本の楽器』
第25回国際研究集会の報告書。
音楽・美術・工芸など様々な
視点から楽器を総合的にとら
えた画期的な報告書です。
2003 年、出版芸術社(033944-6250)、定価 5,250
円
『DVD文化財生物被害防止ガイド』
『文化財生物被害ガイドブック』
をテキストに DVD を見るこ
とで、IPM による害虫対策
の流れや実際の処理法の具体
的なイメージがつかめます。
2 0 0 4 年 、( 株 ) ク バ プ ロ
(0 3 - 3 2 3 8 - 1 6 8 9 )、 定 価
4,410円
『未来につなぐ人類の技3−
鉄道の保存と修復Ⅰ』
「未来につなぐ人類の技」シ
リーズの第3巻目。近代の文
化遺産の中でも親しみのある
鉄道車両及びその関連施設に
ついて国内及び海外における
保存、活用の事例を紹介して
います。2004 年、オフィス
HANS(03-3400-9611)、
定価2,800円
『バーミヤーン遺跡の歴史と保存』
国際シンポジウム「世界遺産
バーミヤーン遺跡を守る」ア
フガニスタン文化遺産調査資
料集第1巻
2004 年 12 月 21 日に行われ
たバーミヤーン遺跡に関する
国際シンポジウムの全記録。
バーミヤーン遺跡の保存に関
する国際的な活動の現状を紹
介しています。2005 年、明
石書店(03-5818-1171)、
定価7,140円
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TOBUNKENNEWS no.25, 2006
黒田記念館公開日カレンダー
●公開日:木曜・土曜 午後1時∼4時 入館料:無料
●7月13日∼8月31日は豊田市美術館で開催の「黒田清輝展」
(7月15日∼8月27日)に出展のため閉館いたします。
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ご案内
●共催展「黒田清輝展」
●黒田記念館特集展示《昔語り》画稿・下絵
日程: 7 月 15日(土)∼ 8月 27日(日)
会場:豊田市美術館
7 月 22日(土)午後2 時より、企画情報部・ 山梨絵美子による講演があります。
お問い合わせ先:Tel 0565-34-6610、URL:
http://www.museum.toyota.aichi.jp/
黒田記念館では、現在、黒田清輝の《昔語り》(明 治31〔1898〕年完成、昭和20〔1945〕年消失)
の画稿(木炭素描)18点と下絵(油彩画)12点
を展示しております。(7月8日(土)まで)
●今後の予定
●企画情報部・パネル展示
*「東大寺俊乗堂阿弥陀如来立像」
会場:東京文化財研究所1階ロビー
日程: 2005年 11月∼
*「奈良国立博物館国宝絹本著色十一面観音像」
会場:奈良国立博物館、「親と子のギャラリー 探検!仏さまの文様」展会場
日程: 7 月 22日(土)∼ 8月 20日(日)
お問い合わせ先:Tel 0742-22-7771、
URL:http://www.narahaku.go.jp/
2006年10月 美術部オープンレクチャー
2006年11月 無形民俗文化財研究協議会
2006年12月 公開学術講座(無形文化遺産部)
2007年 2月 文化財の保存・修復に関する国際
研究集会(無形文化遺産部)
詳細は、次号ニュース並びにホームページ(URL:
http://www.tobunken.go.jp/)をご覧下さい。
編集後記
●おかげさまで、TOBUNKENNEWS も25 号を数えるよう
になりました。これもご愛読いただいている方々からのご支
援の賜物と、感謝申し上げます。25 号からは研究所の出版
TOBUNKENNEWS no. 25
発行日:2006 年 5 月 31 日
発 行:独立行政法人文化財研究所
物をご紹介するコーナーを設けることにいたしました。今後
も、紙面の充実を図ることによって、東京文化財研究所の
東京文化財研究所
活動をわかりやすく、みなさまにお伝えするよう努めて参り
印 刷:よ し み 工 産 株 式 会 社
編 集:企画情報部・中村明子
ます。
(企画情報部・勝木言一郎)
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