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溶接条件がポロシティに及ぼす影響は?
芯霊友朋 溶接条件がポロシティに及ぼす影響は? 坐竺j 施工法委員会/ 寸 また,溶接入熱との関係では, F i g .32lのように入熱の 増加と共にポロシティは減少すると考えるのが一般的で i g .42lのように溶接速度を増加して極端に す.しかし, F そ竺)水素の溶解度変化が大きく,凝固時に水素が過 入熱を減少すると再びポロシティが減少する結果も報告さ 剰に含まれやすいこと,高い熱伝導率により急冷凝固しや あるため,実際の施工にあたっては,予備実験によってポ すいこと,また,比重が小さく生成した気体状の水素が浮 ロシティの発生傾向を確認しておくことが重要です. アルミニウムは溶融池の冷却過程及び凝固時の れています.即ち溶接入熱とポロシティとの関係は複雑で 他の材質と比較してポロシ 以上のように,溶接電流,アーク電圧,溶接速度等の溶 ティが発生しやすい材料です.アルミニウムにおけるポロ 接条件を適正な値に設定することでポロシティを抑制する 上しにくいことなどにより シティの主原因は水素ですが,表面の酸化皮膜に含まれる ことが可能となります.この適正値に対して高すぎても低 結晶水や大気中の水分を巻き込むなどして,溶融金属中に すぎてもポロシティは発生する傾向がありますので,溶接 残留すると考えられています.従って,ポロシティを低減 条件の適正値の設定および管理に十分留意する必要があり するには主原因となる水素の発生源を抑制することが第ー ます. であり,水素が溶融池に混入した際には溶融金属が凝固す なお,今回の Q & Aにはポロシティという用語が使わ るまでに外部に放出させることが重要です.水素発生源抑 I S れていますが,混同しやすいブローホールやピットは J 制の一つには,アルミニウム表面の酸化皮膜除去や大気か ( Z3001-4:2008)溶接用語によると,下記のように区分 らの遮断性(シールド性)等の確保が挙げられ,外部への されています. i g .11l 放出には溶接条件が大きく影響を与えています. F ポロシティ:ガスを巻き込むことによって生じた空洞 は溶接部のポロシティ防止に関する特性要因図を示してお ブローホール:溶接金属中に生じる球状の空洞 り,この中で溶接施工の溶接条件に関して紹介します. ピット:溶接部の表面まで達し,開口した気孔 F i g .V lはアーク電圧とポロシティ発生数の関係を示し 参考文献 たものです.低電圧側ではポロシティが増加傾向を示す点 ではいずれの場合も共通しており,短絡発生によるシール ドの乱れに伴い,周辺空気の巻き込み等によってポロシ ティが増加する傾向を示すと考えられます.高電圧側では 1 ) 軽金属溶接構造協会:アルミニウムの溶接 Q&A50,平成 1 4 年発行, p36 2 ) 軽金属溶接構造協会:アルミニウム合金ミグ溶接部の気孔防 止マニュアル,昭和54年発行, p33-35 ポロシティが増加する場合と,増加しない場合とがありま す.高電圧側でポロシティが増加する要因としては,アー ク長が長くなるため大気を巻き込みゃすくなると考えられ ます.いずれにしても 溶接電流に対して適正電圧付近で ポロシティ数は最小となることがわかります. F i g .1 溶接部のブローホール防止に関する特性要因図 ※「電極ワイヤ」について・・現在使用されていない用語ですが, F i g .1 は引用元の原本のまま掲載しております.現在 の「溶接ワイヤ」に相当します. ※「気孔」について・・後掲含めた F i g .l ∼4は引用元の原本のまま掲載しております.本文中では「ポロシティ」に置 き換えて記載しております. 軽金属溶接 V o l .49( 2 0 1 1 )N o .5 4 ,〈 γ ・ 。 20 キングなし・ 2 200 。 )8Q 0 5 x1 A 0 0 1 ロ 言 − 210A 時 O A− 制制﹂仲原 A吋 竹 川 − 綱 相 客 醤 唱 V︿ 。 0 0 3 0 0 1 。 5 日一ーー --.!:>._ 一一- -u- -~ ーー『・−−ーーー−・一一一 9 1 士一ーーーーー・=三一一一一一 4 2 1 2 アーク電圧( v) 27 .2 気孔数に及ぼすアーク電圧の影響 g i F 14 MC 0MC 溶接 ミク’ 2 1 1100 (ワイヤ ほ村 :~003 j I I c 。 ︵ 0M C oM C 修挙 叩 A 吋け−細川 8 電流: 220A F 。 aF M OF MC n FS 下川上 守 よ/i l 寸L 内 ’ q uηLPU ヲ d d14 , ’ I l l, ’ ’ ψ φ V A ’ ’ ’ p ・MmFし ︿︶相官﹂町民 V 電圧: 30V 65%He+35%Ar G F) 5・ (露点− 2 4 宅FM(2l 。 FM 1 v l . VM GF 。 。 IC I ¥ a¥ FM MC 40 30 20 10 溶 接 速 度 ( ipm) .4 溶接速度ト気孔率の関係 g i F )No.5 1 1 0 2 9( .4 l o 軽金属溶接 V ' 0 1 . > : 1 6 S I 0 2 .3 溶接入熱と気孔率の関係 g i F P . . . _ 『」一一− I " 『--6 ∼ 『 『 X』 6 \ ー − ∼ I O ×J J) 電流×電圧×アーク時間 l(. 容接入熱 { 1 溶接入熱( J/cm) 4000 0 0 0 8 0 0 0 2 1 0 0 2 I I I ’u q 。 板.心線: 2so250 A 3 2伸ば w臥︶M OR約出︶ ︵園田 ¢1.6mm) lOmm)/A5183WY( AS083P-0( レート溶接,下向姿勢 ドオンプ V溝ビー 0ト 0 3 m) 記号溶接入熱( J/c 0 0 0 4 0 240A 0 0 0 8 , : t 12000 0 0 2 50