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命 の 尊 さ を 知 る
命 の 尊 さ を 知 る ∼赤ちゃんふれあい体験教室を通して∼ 目標・ねらい ○ ○ ○ ○ 思春期前期である6年生に対し、乳児とふれあう体験を通じ、母性・父性を育む。 命の神秘と尊さを知り、命を大切にする心情を養う。 教育課程上の位置づけ 子どもを育てる親の思い、責任、大切さを知る。 赤ちゃんと家族との関わりから、自分の親や家族との 総合的な学習の時間 関係を見つめ直し、親の愛情を再確認する。 事前指導・経緯 近年、少子化で兄弟姉妹が少ないため、赤ちゃんの誕生に関わり、抱いたり一緒に 遊んだりする経験がない子どもたちが増えてきている。そこで本校では「赤ちゃん ふれあい体験教室」を、平成6年度より銚子市健康管理課との連携による思春期保 健福祉体験学習事業の一環として他の地域に先駆けて実施した。対象を思春期前期 の6年児童とし、年2回総合的な学習の時間の中に位置づけ実施している。 市健康管理課より地域にパンフレット配布 ○ 市内の赤ちゃんがいる家庭及び地域の保育園、幼稚園に配布 ○ 市では、小学生とふれあうことを通し、命の大切さ、尊さを学び、母性、 父性を育むことを目的に実施 事前・事後のアンケート調査 ○ 参加児童、参加した母親からの事前・事後のアンケート調査の実施 ○ 体験学習後の児童の気持ちの変容の調査(事後のアンケート調査) ○ 学校関係者・養護教諭・健康管理課スタッフとの今後の取組検討会の実施 事前学習 ○ 赤ちゃんの誕生(受精・胎児の成長・出産)について 母親の子宮の中で280日の日々を過ごす胎児の成長を知り、大きなおな かを抱えながら守り育む命の尊さと、その母親を支える家族の協力や心情に ついて考える。 ○ 体験学習前の話し合い 体験学習で学びたいことは何か、グループで話し合いを行う。 グループワークでは、「赤ちゃんが喜ぶふれあいは何か」「育児で一番大変 なことは何か」等、赤ちゃんの世話の仕方やお母さんへの質問内容について、 活発な話し合いが行われた。 ○ 養護教諭との連携 本体験学習では、養護教諭も市の健康管理課保健師との連絡調整をはじめ、 積極的に学習に関わり指導に当たっている。 実施内容 ○ 4グループに分かれ、保健師の進行で進めていく。 自己紹介 ふれあい体験 グループワーク:意見交換 (抱 っ こ ・ 手 遊 び な ど ) ( 出 産 ・ 育 児 に つ い て 話 を 聞 く ) ○ 離乳食の試食・身体計測 (着替えの手伝いなど) 小さな赤ちゃんを笑顔であやしたり抱いたりしながら、男女とも一生懸命世話をす る姿が見られた。子どもたちの赤ちゃんとのふれあいの様子から、大切な命を慈しみ、 弱いものを包み込む温かさを子どもたちから感じることができた。一つの命を抱き、 ふれあうことによって、理屈ではなく、命の尊さを体得していたように思われる。 4グループとも、赤ちゃんのお母さんに質問したり、出産や育児の体験談も真剣に 聞くことができた。 この体験学習をとおして、自分もまた、親や家族にとってかけがえのない存在であ ることに気づくとともに、他の存在もまたかけがえのないものであり、大切にしてい こうとする気持ちを養うことができた。 事後指導 児童の感想から ○ 私たちでは泣きやんでくれなかった赤ちゃんも、お母さんが抱っこすれば泣きやん だので、母親のすごさを知りました。 ○ 私は兄姉で一番下なので、赤ちゃんをあやしたことがなかった。今日一緒に遊べて とてもうれしかった。全部のお母さんが一人一人の赤ちゃんを大切にしているという こと、自分もまた大切にされているということが、よくわかった。 母親の感想から ○ お父さん・お母さんになったら、かわいい赤ちゃんを大切に、大切に育ててくださ いね。子育ては大変ですが、本当に楽しいですよ。生まれてきてくれたことがうれし くてたまりません。きっと皆さんもこんな幸せな思いをすると思います。 学校として ○ この貴重な体験学習を、他の教科・道徳・特別活動等と計画的・効果的に位置づけ、 さらに意識の高揚を図ることが大切である。 取組の評価 ○ 毎 年 実 施 し て い る た め 、 子 ど も た ち は 、「 赤 ち ゃ ん ふ れ あ い 体 験 教 室 」 を 大 変 楽 し み にしており、事前のアンケート調査からも学習に対する意欲が感じられた。 ○ 個々の子どもたちが、それぞれの課題をもって参加し、実際に赤ちゃんの世話をし たりお母さん方と意見交換をしたりすることにより、親の思いや愛情を知り、成長し た今の自分を振り返り、命の尊さ、家族愛、思いやりの心などに気づく良い機会とな っている。