...

資料2 日本原子力研究開発機構 核不拡散・核セキュリティ総合支援

by user

on
Category: Documents
11

views

Report

Comments

Transcript

資料2 日本原子力研究開発機構 核不拡散・核セキュリティ総合支援
資
料
2
科 学 技 術 ・ 学 術 審 議 会
ISCN
研 究 計 画 ・ 評 価 分 科 会
原子力分野の研究開発に関する委員会
核不拡散・核セキュリティ作業部会
( 第 7 回 ) H 2 8 . 5 . 3 0
日本原子力研究開発機構
核不拡散・核セキュリティ総合支援センター
(ISCN)における活動について
日本原子力研究開発機構
核不拡散・核セキュリティ総合支援センター
2016年 5月30日
目 次
ISCN
1. 核セキュリティ・サミットにおけるコミットメントと核不拡散・核セキュリ
ティ総合支援センター(ISCN)の設置
2. 核セキュリティ・サミット関連の主要事業と国内外組織との連携体制
3. ISCNにおける活動① キャパシティ・ビルディング強化
4. ISCNにおける活動② 核不拡散・核セキュリティ技術開発
5. 昨年度作業部会での評価時のご意見等の対応状況
6. 核セキュリティ・サミット等を踏まえた今後の予定、課題
7. 作業部会でご議論いただきたい事項
1
1.核セキュリティ・サミットにおけるコミットメントと
核不拡散・核セキュリティ総合支援センター(ISCN)の設置
ISCN
第1回核セキュリティ・サミット(2010年4月米国ワシントンD.C.)
『アジア諸国を始めとする各国の核セキュリティ強化に貢献するための
センター(「アジア核不拡散・核セキュリティ総合支援センター(仮称)」)
を日本原子力研究開発機構(JAEA)に設置。正確で厳格な核物質の
検知・鑑識技術を確立し、国際社会に貢献』
2010年12月核不拡散・核セキュリティ総合支援センター設置
第2回核セキュリティ・サミット(2012年3月韓国ソウル)
『「核不拡散・核セキュリティ総合支援センター」を通じ、
人材の受入れや研修を拡充。』
第3回核セキュリティ・サミット(2014年3月オランダハーグ)
『核鑑識や核検知など最新技術研究開発を一層推進。核不拡
散・核セキュリティ総合支援センターの活動拡充、関係機関等と
の連携強化、各国拠点(COE)とのネットワーク強化も推進。』
第4回日米共同声明 (2016年3月米国ワシントンDC)
『米国は核不拡散・核セキュリティ総合支援センターが担っている他
国、特にアジア諸国の人材の能力構築における不可欠な役割を特
に賞賛し、今後も特にアジア地域における核セキュリティ強化のた
めの主導的な拠点としての役割を果たし続けることを期待する。 』 22
ISCN
2.核セキュリティ・サミット関連の主要事業と
国内外組織との連携体制
① トレーニング、教育等を含む人材育成などを通じたキャパシティ・ビルディング強化
(1)核セキュリティコース
(2)保障措置・計量管理制度コース
(3)核不拡散に関する国際枠組みコース(二国間協力)
② 核物質等の測定・検知の技術開発・支援
核物質管理センター
文部科学省
技術支援等
米国
DOE/NNSA
補助金
技術協力・
講師派遣等
欧州連合
政策ニーズと
連携
関係府省
(内閣府、外務省、経産省、原
子力規制委員会、警察庁等)
政策ニーズと
連携
核不拡散・核セキュリティ
総合支援センター
EC/JRC
技術支援等
技術協力・
講師派遣等
国際原子力機関
(IAEA)
支援・貢献
協力
アジア原子力協力
フォーラム(FNCA)、
アジア太平洋保障措置
ネットワーク(APSN)
国内外関係機関
(研究所、シンクタンク、大学等)
支援・貢献
アジア諸国等
情報交換
韓国・中国等
国内民間事業者
(電気事業者、
メーカー等)
3
3.ISCNにおける活動 ①キャパシティ・ビルディング強化
ISCN
(1)核セキュリティ・サミットとISCNの貢献
実施年度
2010年度
2011年度
2012年度
2013年度
2014年度
2015年度
2016年度
2017年度
2018年度
◆第1回 核セキュリティ・サミット (2010年4月 米国ワシントン)【ISCN設立表明】
●センター発足(2010年12月)
●日米政府間の核セキュリティワーキンググループ
(NSWG:日米原子力二国間委員会のWGの一つ)を通じた協力の推進(継続)
●世界核セキュリティ協会(WINS)との共催ワークショップ(以下、毎年1回開催)
●EURATOM との人材育成に係る協定に基づき協力を開始(継続)
◆第2回 核セキュリティ・サミット (2012年3月 韓国ソウル)【人材受入・研修拡充】
●ベトナムの追加議定書(2012年)及び改訂核物質防護条約批准(2012年)に貢献
●2013年9月IAEAと実施取決めを締結し協力(継続)
(ISCNからIAEAのコース、専門家会合に講師・専門家を派遣)
●G8 Global PartnershipのCBRN-COE ワーキンググループ会合での議論に貢献(継続)
◆第3回 核セキュリティ・サミット (2014年3月 オランダハーグ)
【活動拡充・ネットワーク強化】
●韓国、中国のCOEとの連携・協力を先頭に立って推進(継続)
●IAEAのNuclear Security training and Support Centres (NSSC)ネットワークに参加
2014年には日中韓のアジア地域ネットワークを設置し協力を推進
●インドネシアの核テロ防止条約批准(2014年)の一端に貢献
◆第4回 核セキュリティ・サミット (2016年3月
米国ワシントン) 【研修充実・支援継続】
開催実績
14コース
40コース
46コース
参加者数
419名
1122名
1207名
ISCN発足~2016年3月末まで
合計2,748名が73か国、3国際機関から参加
 核セキュリティコース:65コース、1,676名
 保障措置・計量管理制度コース:21コース、423名
 核不拡散に関する国際枠組みコース(二国間協力):14コース、649名 4
3.ISCNにおける活動 ①キャパシティ・ビルディング強化 ISCN
(2)事例① ISCN-WINSワークショップ
•
目的:国内の事業者、規制当局、警備当局及びその他関係機関の協働・連携の在り方について
議論を行い、国内関係者間の連携を深化・促進し、核セキュリティ文化の醸成、核セキュリティ
強化に関する事業者や関係者の取組みの一助となることを目指す。
•
主催:ISCNと世界核セキュリティ協会(World Institute for Nuclear Security: WINS)との共催で毎
年度1回東京にて1日半のワークショップとして開催
•
ワークショップの形態:WINSが開発した「演劇型セッション」と呼ばれる演劇を用いたディスカッ
ション形式を取り入れている。俳優がワークショップのテーマに応じた様々な課題を包含した特
定のシーン(特定の国・施設ではなく、架空の空間を設定)を演劇の形で演じ、それを基に課題
を抽出し、参加者が議論を行う。
•
ワークショップのテーマ
 2011年度:核セキュリティとコーポレートガバナンス(参加者50名)
 2012年度:核セキュリティ強化に向けた外部関係機関との連携(参加者63名)
 2013年度:核セキュリティにおける透明性:情報開示と内部脅威(参加者69名)
 2014年度:核セキュリティと原子力安全のシナジー(参加者43名)
 2015年度: 核セキュリティの確保~内部脅威対策への考察~ (参加者56名)
5
3.ISCNにおける活動 ①キャパシティ・ビルディング強化
ISCN
(3)事例② 核物質防護実習フィールド
原子力施設で実際に使用される主要なセキュリティ機器(侵入検知センサー、カメラ・ビデオシ
ステム、出入り管理機器)を配備し、機器の基本機能、システムの評価を演習、性能試験等より
実践的に学ぶことができる。
H27年度はサークルゲートを導入し、2人ルールや種々のセキュリティレベルに対応できる機
能をトレーニングできるよう拡充を行う等、事業者等の最新の状況を勘案し、設備の更新を随時
実施。
セキュリティレベルによる
複合認証機器
個人カード
認証:
2人ルールカー
ド認証:
登録されたカー
ドで入域可能
登録された2人以上
でないと入域不可
顔認証
指紋認証
PINコード
カード認証
6
3.ISCNにおける活動 ①キャパシティ・ビルディング強化
ISCN
(4) Follow-up アンケートおよびFollow-up 会合の実施(チェック)
 ニーズに則したトレーニングカリキュラムの開発への貢献のためのトレーニング評価(チェック)
 トレーニング参加者へのアンケートの実施
 インドネシア,ベトナム,マレーシア,タイでは現地でのFollow-up会合を実施
PP RTC, SSAC RTC 合計197名参加
(2011-2014) アンケート回収率62%
回答者数
48
81
74
116
参加者数
トレーニング満足度
PP
SSAC
Follow-up等に基づいた対応(アクション)
 ニーズに則したコースの実施
• 施設者を対象とした核セキュリティ及び核物質防護(Nuclear Security and Physical Protection)コース
(ベトナム)(2015.5)
• 設計段階からの保障措置(Safeguards by Design)コース (インドネシア)(2015.9)
• 施設者を対象とした計量管理(Nuclear Material Accountancy & Control)コース (ベトナム)(2016.1)
• SSAC フォローアップNDAコース(SSAC参加者対象、イタリアJRC研究施設にて実施)(2016.2)
 新たな人材育成支援関連事業
• アジア諸国COE設立・事業開始への支援(インドネシア、カザフスタン)
7
3.ISCNにおける活動 ①キャパシティ・ビルディング強化
ISCN
(5)キャパシティビルディングに関わる国際的取組
-IAEAのNSSC, COE(日本、韓国、中国等)の連携2012年1月に設立されたIAEAのNSSCは全体会議及びWG会議が年に1回開催されて
おり、NSSCやCOEを設置した各国の取組やベストプラクティスの情報共有等を実施。
2014年には日中韓のアジア地域ネットワークを設置し協力を推進。ISCNは当初より
ネットワークに積極的に参加し貢献(2015年はNetwork 副議長、2016年からは議長を
ISCNから輩出している)
当面の連携内容:
 定期的なコミュニケーション
の確立
 トレーニングスケジュールや
その内容に関する情報交換
 講師の交流
 トレーニングテキストなどの
供給
 共同のカリキュラム開発
 その他
Asia Regional Network
ISCN (JAPAN)
IAEA Network of
National Nuclear
Security Training
and Support
Centers (NSSC)
Integrated Support Center for
Nuclear NP & NS
INSA (ROK)
International Nuclear Security
and Nonproliferation Academy
(IAEA member states &
related organization)
SNSTC (China)
State Nuclear Security
Technology Center
Other COEs
8
4.ISCNにおける活動 ②核不拡散・核セキュリティ技術開発 ISCN
不法行為
(1)核鑑識
核鑑識とは
捜査当局によって押収、採取された核物質につい
て、核物質、放射性物質及び関連する物質の組成、
物理・化学的形態等を分析し、その物品の出所、履
歴、輸送経路、目的等を分析・解析する技術的手段
技術開発の項目
① 核物質の同位体組成分析法
② その核物質に含まれる不純物組成分析法
③ ウラン年代測定法
④ 電子顕微鏡による微細粒子形状分析法
⑤ プロトタイプ核鑑識ライブラリ
技術開発の成果(平成27年度)
• EC/JRCとの共同分析試験を実施。世界トップ
レベルの分析能力を持つEC/JRCと同等の結
果を獲得。
• ITWG*主催の核鑑識ライブラリ机上演習に参
加。高い属性評価能力を有することを検証。
• 日米共同研究による新たなウラン精製年代測
定法(231Pa/235U比)に関わる準備。
* ITWG : Nuclear Forensics International Technical Working Group
(核鑑識に関わる国際技術作業部会)
押収物質の分析
分析データ評価
核鑑識
同位体組成・不純物・
粒子形状・精製年代
一般的鑑識
指紋・DNA・血液・など
鑑識結果
不法な核物質の押収時の分析(対応例)
同等の分析結果
誤差の範囲で
一致
EC/JRCとの共同研究(ウラン年代測定の比較試験)
①押収物質の情報 ②核鑑識ライブラリと
の照合・属性評価
照合
核鑑識
ライブラリ
(データベース)
該当物質
の割り出し
+
属性評価
核鑑識ライブラリに関する国際机上演習フロー
9
4.ISCNにおける活動②:核不拡散・核セキュリティ技術開発 ISCN
(2)核検知・測定技術開発
① 核共鳴蛍光NDA技術実証試験
期待される成果
目的・概要
• 核物質の非破壊検知・測定を目的に、ニュースバル放射光施設
で単色ガンマ線(数MeV級)を利用した核共鳴蛍光NDA技術の実
証試験を実施。
• 核共鳴蛍光(NRF)反応シミュレーションコード(JAEANRFGeant4)の拡張改良を、Duke大学ガンマ線源施設でのベ
ンチマーク実験を行いつつ実施。
実施期間
• 現状では困難な大型海上貨物コンテナ内で重遮へいされた核
物質の確実な探知を実証するもので、核セキュリティ強化方策
の一手段を提案する。
• 軽水炉使用済燃料(集合体、溶融燃料)、各種原子炉使用済燃
料、高レベル廃棄物中核物質あるいはその他核種の高精度定
量非破壊測定技術の基礎が確立される。
平成27年度の主な成果
• 平成27年度~平成31年度
• ニュースバルにて、専用の単色ガンマ線発生(レーザー・コンプ
トン散乱)装置を設置
• 米Duke大学での実験及びシミュレーションコードの改良
○NRF-NDA技術実証試験(兵庫県立大学ニュースバル@SPring-8)
コンテナ
模擬核物質
溶接された容器
ニュースバル放射光施設
ニュースバルのガンマ線
発生装置を強化し、実証
散乱γ線 試験を行う。
中性子遮蔽のための水
電子蓄積リング
電子入射口
単色γ線ビーム
単色γ線
ビーム
測定室
γ線検出器
BL01 γ線装
置
コンテナ内の厚い遮へい
体中核物質を模擬する探
知物に探知核種特有の単
色ガンマ線照射により、発
生するNRF散乱ガンマ線
を検知し、核物質探知能
力を実証する。
レーザー
レーザー装置
10
4.ISCNにおける活動②:核不拡散・核セキュリティ技術開発 ISCN
(2)核検知・測定技術開発
② アクティブ中性子非破壊測定技術開発
期待される成果
目的・概要
• 高線量の低濃度核燃料物質を非破壊で定量的に測定する技術
の開発を目指して、パルス中性子源を用いた4つのアクティブ中
性子非破壊測定技術について、基礎技術開発を実施。
• 高強度D-T小型中性子発生管を導入し、統合基礎実証試験装
置を開発し、それを用いた基礎実証研究を実施。
実施期間
• 低線量核物質から高線量核物質まで使用できる汎用非破壊測
定法の共通基盤技術が確立される。
• 今後想定される核燃料サイクルや廃止措置などにおける計量
管理技術や、核検知などに適用できる基礎技術が確立される。
平成27年度の主な成果
• 平成27年度~平成29年度
(平成30年度~平成32年度には高線量下での試験を予定)
①核物質を定量的に分析
②Pu、U比の測定
• 種々のシミュレーションにより装置の設計を完了。
• 各要素技術の基礎実験の実施
中性子遮へい・輸送系
ガンマ線検出
器
中性子検出器
④核物質の同位
体組成の決定
(内部)Liガラス
中性子検出器
③混入物の測定
ガンマ線検出器
中性子遮へい体
(コンクリート等)
高強度D‐T小型
中性子発生管
定量検認サンプル
低線量・高線量核物質
開発する非破壊測定技術
①ダイアウエイ時間差法
②遅発ガンマ線分析法
③即発ガンマ線分析法
④中性子共鳴透過分析法
11
4.ISCNにおける活動②:核不拡散・核セキュリティ技術開発 ISCN
(2)核検知・測定技術開発
③先進的プルトニウムモニタリング技術開発
目的・概要
• 再処理施設において処理、保管されている核分裂
生成物(FP)を含む高い放射能を持つプルトニウム
溶液及び固体廃棄物をリアルタイムで継続的に監
視、検認できる技術が確立されていないことから、
これらを非破壊でかつ継続的に測定・監視する技
術を開発し、核物質管理の透明性確保及び妨害
破壊行為の早期検知に貢献。
〇技術開発のイメージ
検出器(貫通部ま
たは近傍設置型)
検出器(セル壁設置型)
検出器の例
期待される成果
• 再処理施設において、再処理工程中の溶液・廃棄
物等のプルトニウム濃度などをリアルタイムで確
認(検認)することが可能になり、再処理施設の保
障措置活動の強化・効率化が可能。(核不拡散の
強化)
• 妨害破壊行為や核物質盗取の早期検知へ貢献。
(核セキュリティの強化)
• 再処理施設を解体する際に生じる廃棄物中の核
物質の測定への応用が可能。
放射線等
設計情報調査
組成調査【サンプリング】
(元素、同位体、放射能量、
不溶解残渣の組成、粒径等)
放射線調査(種類及び強
度)及び放射線測定
厚さ約1~1.5m
コンクリートセル
FPを含む溶液
研究期間
• 平成27年度~平成29年度
平成27年度の主な成果
検出器絞込のための
シミュレーション評価
試験用検出器製作
機能確認試験
• 高放射性廃液貯槽の設計情報、溶液の組成情報
を調査
• セル外壁面での予備的放射線測定
高レベル放射性溶液貯槽
適用性評価
12
5.昨年度作業部会での評価時の御意見等の対応状況
ISCN
(1)人材育成
アンケートの結果を取り入れることにより研修内容や構成の改善を図っているものの、他分野における研修活動の
事例も参考にしつつ、支援センターが行った研修の受講者の当該国における活動をきめ細かくフォローしていくことに
より、当該国が自力で研修を行える能力を身につけるよう留意することが重要。
韓国、中国等、アジアの他の国においても本分野の人材育成のためのセンターの運用が開始されているため、効
率的な事業の実施の観点から、今後、現在の協力関係をさらに強化し、核物質防護実習フィールドやVRシステムを利
用した実践的なトレーニングの実施といった我が国の支援センターの強みを生かしつつ、これらのセンターとの連携、
役割分担を検討していくことが重要
対応状況:
 ISCNで研修を受けた者が当該国で講師として活躍できる支援を実施予定(インドネシア)。
 インドネシア,ベトナム,マレーシア,タイについては、過去PP RTC, SSAC RTC参加者に対するフォ
ローアップ会合を開催し、当該国での参加者の活動状況をフォロー、必要な支援など調査
 日本、中国、韓国の連携に関しては、NSSCでの情報共有の他、電話会議にて韓国・日本のトレーニ
ング計画など情報を共有し、より効果的・効率的なトレーニングの実現に向けた協議を実施
 核物質防護フィールドやVRシステムについては効果的な利用が図れるよう韓国・中国のCOEと連携
を強化していく予定。
(2)技術開発
今後、核不拡散・核セキュリティ分野に精通した機関のみならず、他分野との連携も視野にいれながら、より効率的
な事業を進めること、さらに、実用化も念頭においた技術開発(例えば、小型装置等)の検討を進めることも重要。
対応状況:
研究開発成果の実用化に繋げるため、将来の本分野に関する研究開発の方向性を主に技術的観点
で議論する国際シンポジウムを大学、産業界等から約100名の参加を得て開催(平成28年2月)して技術
の高度化を検討した。また、国内外のニーズ、シーズを調査し、現状を整理しつつ、米欧、IAEA等との
連携を強化し、今後の展開を検討していく予定。
13
ISCN
6.核セキュリティ・サミット等を踏まえた今後の予定、課題
 日米共同声明において「米国は、ISCNが担っている、他国、特にアジア諸国の人材の能
力構築における不可欠な役割を特に賞賛」との評価
 我が国の国別報告書において、人材育成においては「今後も、コンピューター・セキュリ
ティ等、新たな課題に関する研修コースも充実させ、年間約500名規模の人材育成・能力
構築支援を引き続き行っていく」、また技術開発においては「今後も,米国や欧州連合と
協力しながら、核鑑識分野の研究,核検知技術に関する研究を引き続き推進していく」と
表明
これらの評価、期待に応えるべく、我が国の実のある国際貢献としてアジア諸国を中
心とした原子力新興国に対する核不拡散・核セキュリティ分野での能力構築を支援を
継続していくと共に、核不拡散・核セキュリティの強化のための技術的な課題やニー
ズに応え、基盤技術開発、既存技術の高度化、研究成果の実用化・展開に向けた取
り組みを継続し、原子力平和利用と核不拡散・核セキュリティの強化に貢献していく。
一方、核セキュリティサミットの国際的モメンタムを、サミット終了後も維持していくた
めに、欧米各国、IAEA及び韓国・中国との連携・協力を一層充実させるとともに、我
が国の原子力利用推進に資する国内外の核不拡散動向などを収集・分析し、関係
行政機関等との情報共有を図る。
14
ISCN
7.作業部会でご議論いただきたい事項
核不拡散・核セキュリティに関し、人材育成等を通じたキャパシティ・ビルディング強
化、技術開発の今後の展開における方針、留意点等について、以下の観点から御議
論いただきたい。
 核セキュリティ・サミットの核セキュリティ強化に関するモメンタム(特に、国内)を維
持する方策
 人材育成の支援対象国をどのように選択していくか
 中国・韓国について、連携を強化すべきであるという面とライバルでもあるという
面の関係をどのようにバランスをとっていくか
 我が国が本分野の研究開発を行う意義は何か、日本の技術的な優位性は何か、
将来的にどのような技術的・社会的・経済的有用性が考えられるか
 現時点および中長期的な、技術的課題、社会的課題は何か
 課題を整理した上で、ニーズ・シーズのマッチングをどのように図っていくか
 国際協力による研究の加速及び技術の国際展開の見込みはあるか
 国内の本分野の人材育成、技術開発において、大学・研究機関等とどのように連
携していくか
 研究成果、技術、情報の普及・移転は、どのように行うか
15
Fly UP