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亜細亜大学都市創造学部都市創造学科の 設置の趣旨等を記載した書類

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亜細亜大学都市創造学部都市創造学科の 設置の趣旨等を記載した書類
亜細亜大学都市創造学部都市創造学科の
設置の趣旨等を記載した書類
①
設置の趣旨及び必要性
ア
都市創造学部設置の趣旨
(1) 亜細亜大学の設置の理念
亜細亜大学は、昭和 30 年、「自助協力」を建学の精神として設立された。その学則第 1
条においては、「学校教育法の定めるところにより、広く一般教育に関する知識を授ける
とともに深く専門の学術を研究教授するをもって目的とし、特に、日本及び亜細亜の文化
社会の研究と建設的実践に重点を置き、もって亜細亜融合に新機軸を打ち出す人材を育成
するをその使命とする」としている。亜細亜学園は、この建学の精神と目的に基づき、経
営学部、経済学部、法学部、国際関係学部、短期大学部を設置してきた。これらの教学組
織においては、社会科学に属するそれぞれの学問分野の観点から、アジアの文化社会の教
育を実践することを通じ、アジアの人々の文化・経済交流を活発化し自由アジアの興隆に
資する人材を育成することを目指し、これを理念としている。
(2)
設置の理念実現に向けた方策
設置の理念の実現に向けて亜細亜大学では、次に掲げる基本方針をもって教育研究活動
に取り組んでいる。すなわち、亜細亜大学の使命であるアジア融合に新機軸を打ち出す人
材育成の目指すところを、自由アジア(アジアの独立・自由・協調を図り人々の文化交流・
経済交流が活発化した共生社会)の建設と捉え、そのために、
「アジアでの知の拠点構築」
「産学公連携教育体制確立」
「自由闊達で強固な組織文化の形成」という三つを礎石とする
ものである。
自由アジアの建設は、自立したアジアの人々が、各々の社会的・文化的背景を保ちなが
らも協力し合い、活発な文化・経済交流を重ねることによって成し遂げられる。亜細亜大
学は、こうしたアジアの自立と交流を促進するための人材を育成するとともに、交流の場
を提供する。亜細亜大学の「アジアでの知の拠点」は、こうした交流の場の一つであると
考える。現在、亜細亜大学では、海外大学との連携関係を深化させ、学生交流のみならず、
教員交流、職員交流を推進している。具体的には、すでに連携大学の一部との間で、交換・
派遣留学生制度、委託生制度、推薦入学制度を実施し、交流を活発に行っている(学生交
流)
。学生派遣と同時に一部連携大学には本学から教員を派遣し、推薦入学候補者のために
事前教育を開始し、また、連携大学から語学教員の派遣を受け入れてきている(教員交流)。
1
今後はより活発に交流を進めていく予定である。さらに、学生、教員の交流をサポートし、
亜細亜大学と連携大学所在都市との間の交流を深めるため、今後は職員の相互派遣を実施
していく計画である(職員交流)
。「アジアでの知の拠点」は、こうした交流の場として構
築していく。
自由アジアの建設に求められる人々の文化交流・経済交流については、亜細亜大学が育
成する人材と、交流の場としての知的拠点に加え、実体的な経済主体である企業の協力、
拠点が立地する都市の自治体・政府の関与が欠かせない。これらを一つにまとめ自由アジ
アをプロデュースする重要なコンテンツとして、
「産学公連携教育体制の確立」は位置づけ
られる。
「産学公連携教育体制の確立」に賛同する、都市経済を担う企業と都市政策を司る
自治体・政府を巻き込み、亜細亜大学と連携大学とが協力して教育活動を展開することで、
真にグローバル化した高等教育の実践が可能になる。亜細亜大学ではすでに、本部が立地
する武蔵野市と包括連携協力協定を締結し、協力関係を強化しているが、さらに、近隣自
治体、連携大学が立地する自治体との連携を模索していく。また、地域の金融機関として
影響力のある西武信用金庫とも、包括的連携・協力協定を締結しており、同金庫の関係企
業も含め広範な産学連携事業を展開している。資料1~2
そして、これらの方針を下支えし、実践を担う組織においては、「自由闊達で強固な組
織文化」が必要となる。「知の拠点」における人々の文化交流・経済交流にあっては、得
てして利己的な行動に陥り易い。こうした行動を予見しつつも、交流を実質的なものとし
ていくためには、協力する主体(亜細亜大学、連携大学、協力企業、関係自治体・政府、
学生)間の信頼の醸成が不可欠となる。自由闊達な組織文化は信頼の基礎を成すものであ
り、これを強固にする制度をデザインすることが求められるのである。亜細亜大学の組織
は、学長を頂点に、縦割りの各学部、事務組織を編成するとともに、学部長会、事務部長
会という教学部門と事務部門を横断する組織を形成すると同時に、各学部長、各事務部長
を構成員とする部長会を設置し、組織横断的なコミュニケーションを図る組織を形成して
いる。特に、重要な課題については、組織横断的なプロジェクトチームを、教育部門・事
務部門からメンバーを選出・編成し、目まぐるしく変化する大学を取り巻く環境に対応し
たソリューションを開発している。こうしたプロジェクトチーム型の組織運営という特徴
を通じて、自由闊達な組織文化を強固なものにしていく。
(3) 都市創造学部設置の趣旨
亜細亜大学は、
「自助協力」の建学の精神に基づき、自由アジアの建設に向け、「アジア
での知の拠点構築」
「産学公連携教育体制確立」「自由闊達で強固な組織文化の形成」を礎
石とし、国際通用性をもった新たな大学へと脱皮するための教育改革に取り組んでいる。
今回届出を行う都市創造学部は、こうした改革の核を成すものであり、亜細亜大学がこれ
まで培ってきた社会科学的な教育研究基盤のうえに、経営学及び都市社会学を基礎にした
新たな観点で都市を考察する学部教育を展開するものである。
2
亜細亜大学は、経営学部(経営学科、ホスピタリティ・マネジメント学科)、経済学部(経
済学科)
、法学部(法律学科)、国際関係学部(国際関係学科、多文化コミュニケーション
学科)より成り、さらに、亜細亜大学短期大学部(経営学科、現代タウンビジネス学科)
が併設されている。これらの学部・学科は、すべて社会科学に属する領域にあるが、平成 2
年に国際関係学部を開設して以来、学部新設は無い。平成 21 年のホスピタリティ・マネジ
メント学科、平成 24 年の多文化コミュニケーション学科の設置は、既存の学科領域での基
礎的な教育研究基盤を応用的に展開したものと位置づけられるが、これらの応用的展開は、
各学部の範疇での展開であり、新たな学科領域への展開は現状では企図されていない。複
雑な人間社会を捉える複眼的な考察の必要性が叫ばれる中、都市創造学部は、経営学及び
都市社会学の観点で人間社会、特に、富を生み出し、人々が暮らす都市を考察しようとす
るものである。
都市を考察するうえで重要になることは、都市の実態を把握することである。都市に暮
らす生活者の視点で、都市を観察し、都市の魅力や課題を理解することから都市の研究は
始まる。都市創造学部では、こうした都市の生活者の視点を重視し、学生を都市に赴かせ
るアクティブラーニングの手法を多く取り入れる。都市創造学部の学生は、語学の学習(英
語及び留学先公用語)を通じて、都市の住民とのコミュニケーションを実践する。また、
インターンシップにより、都市の産業社会の一端を経験する。これらを通じて学生は研究
対象の都市を自ら生活者として考察する契機を得るのである。亜細亜大学としては、都市
創造学部の学生の都市での学びを促進するためにも、「アジアでの知の拠点」を構築し、学
生の都市考察を支援すべく、都市における「産学公連携教育体制」を確立する。
「アジアで
の知の拠点」は、都市創造学部の学生が留学している各都市の大学(本学の交流大学)に
おいて形成する。留学する都市創造学部生の海外インターンシップの指導に訪問する都市
創造学部専任教員と学生との接点である交流大学内の教室において、知の拠点の核を当初
形成する。将来的には、交流大学との連携を強化し(例えば、交流大学と本学間の教職員
交換や事務所交換を今後協議していく)
、拠点化するものである。この拠点を通じて、現地
産業社会と本学教職員及び学生との交流を促進する。学生は、日本を含むアジア諸都市の
経験や知恵を理解するとともに、
「自由闊達で強固な組織文化」の中で、本学の設置の理念
である「亜細亜融合に新機軸を打ち出す」学生らしい新しい発想を育む。こうした新しい
発想に基づいて、日本を含むアジア諸都市に活気と心地よさをもたらす人材を育成するこ
とを、都市創造学部は設置の趣旨としている。
イ
都市創造学部設置の社会的背景と必要性
社会科学的な見地から人間社会を考察する対象としての都市は、極めて重要な意味を有
している。1950 年には全世界の人口のうち 30%に過ぎなかった都市人口は、2014 年には
54%に増加し過半数を超えたと見られ、2050 年には 66%を占めるまでになる(United
Nations Department of Economic and Social Affairs/Population Division(2014),World
3
Urbanization Prospects : The 2014 Revision Highlights,p.1)。資料3-1 1 世紀の時を
経て、都市人口は比率として倍増するという予測である。都市に住む人口は、各国・各都
市の置かれた状況によって定義される。各都市の行政区画に住む人口や複数の都市の総体
的な人口、首都に住む人口とさまざまであるが(前掲書 pp.3-5)
、資料3-2 重要なこと
は、
「都市」という「村落」とは異なる高い人口密度や第 2 次・第 3 次産業に従事する人口
の比率の高い人間社会に属する人口が、2014 年に過半数となった点にある。すなわち、21
世紀初頭まで非都市人口が大半を占めていた人口分布(比較的人口密度が低く、第 1 次産
業に従事する人口比率の高い社会)が、ここへ来て都市人口が過半数となり、人間社会の
あり方が大転換してきていることを意味するのである。この大転換期にこそ、都市社会の
様相を多角的に捉えることが求められており、その実像を分析することが人類社会に課さ
れた課題であるといえる。特に、亜細亜大学都市創造学部では、都市の活気と心地よさを
実現する未来都市のビジョンについて、都市の産業社会としての側面を経営学から、都市
の人間社会としての側面を都市社会学から、複眼的に分析する。
都市人口の増大は、都市化地域居住者 1,000 万人以上の巨大都市である「メガシティ」
の増加として顕在化している。メガシティは、昭和 45 年の東京、ニューヨークの 2 都市か
ら、平成 26 年には 28 都市へと拡大している(前掲書 pp.26-27)
。資料3-3
東京*、デリー*、上海*、メキシコシティ、サンパウロ、ムンバイ*、大阪*、北京*、
ニューヨーク、カイロ、ダッカ*、カラチ*、ブエノスアイレス、コルカタ*、イスタン
ブール、重慶*、リオデジャネイロ、マニラ*、ラゴス(ナイジェリア)
、ロサンゼルス、
モスクワ、広州*、キンシャサ(コンゴ)、天津*、パリ、深圳*、ロンドン、ジャカルタ
*
(*:アジアの都市)
特に、東京を始めとするアジアの都市の巨大化には、目を見張るものがある。21 世紀は
アジアの世紀であるといわれているとおり、アジアの経済成長がこれらの都市の巨大化を
促したことは間違いない。都市の巨大化は、そこに住む人々の暮らしの利便性を向上させ
るという効果をもたらす一方で、さまざまな課題も他方で発生させる。新興国メガシティ
では急成長と引き換えにさまざまな都市機能を低下させる難問(例えば、環境汚染、渋滞
問題、資源・エネルギー問題、インフラ整備問題、文化・コミュニティの崩壊といった問
題)が生じている。途上国メガシティやそれに準ずるクラスの都市においては、農村人口
の都市への流入による弊害(例えば、人口過密化、スラム化、治安悪化など)が顕在化し
ている。東京や大阪がかつて経験した問題である。アジア各国の都市における問題は先鋭
化し、さらなる成長の足かせになっているのである。
翻って我が国のメガシティを見ると、その競争力は相対的に低下している。高齢化やイ
ンフラの老朽化、市場の縮小という構造的な問題が覆いかぶさり、東京も大阪も活気を失
いつつある。そして「東京一極集中」が問題視され地方都市への資源の分散が図られたに
も関わらず、
「日本創生会議」の推計では、平成 52 年に人口 1 万人を下回る自治体は 523
に上り、全自治体の約半数の 896 の自治体が消滅の危機に瀕しているという。
都市の活気と心地よさを如何に実現するかという問題は、21 世紀の人間社会に突き付け
4
られた重要課題なのである。亜細亜大学は都市創造学部の設置を、こうした社会的な背景
に関する問題意識に基づいて届出を行う。特に、亜細亜大学の設置の理念に鑑みるとき、
発展著しいアジアの都市の抱える課題を日本の経験にも照らして解決し、同時にアジアの
都市の活気に見習い日本のメガシティや地方都市を再生する、アジア融合に新機軸をもた
らすような、未来都市のビジョンを打ち立てる人材の育成が、都市創造学部の設置の趣旨
となるのである。
なお、都市創造学部では、アジアのメガシティ・準メガシティ、日本のメガシティ・準
メガシティを中心に考察するが、メガシティと相互依存関係にある地方都市の再生も考慮
した教育研究を展開する。メガシティはそれ単独では存在し得ず、その背後にある多くの
地方都市とのネットワークの中に形成される。したがって、メガシティに対する考察は、
必然的にこれとネットワークを形成する地方都市に対する考察も必要とするのである。考
察に際しては、世界経済の中心であり、世界のメガシティをリードしているニューヨーク
(都市戦略研究所(2014)
、
『世界の都市総合力ランキング 2014』において 2011 年まで第
1 位、2012 年から第 2 位)を擁する米国についても視野に入れる。米国でのメガシティ・
準メガシティの形成は、こうしたネットワーク形成の原型であり、アジアのメガシティ・
準メガシティを考察するモデルとなるものである。
ウ
都市創造学部設置の学問上の必要性
活気と心地よさのある都市の実現という問題は、伝統的には、都市工学や建築工学とい
った土木建築工学に属する理工系学部学科が取り扱ってきた問題である。これらの学部学
科では、都市の問題を工学的に捉えるとともに、人文社会科学的な観点からも考察してき
た。しかしながら工学という学問分野の定義、すなわち「工学とは数学と自然科学を基礎
とし、ときには人文社会科学の知見を用いて、公共の安全、健康、福祉のために有用な事
物や快適な環境を構築することを目的とする学問である」
(工学における教育プログラムに
関する検討委員会、1999 年)
『8 大学工学部を中心とした工学における教育プログラムに関
する検討パンフレット』http://www.eng.hokudai.ac.jp/jeep/08-10/pdf/pamph01.pdf
資料4 に見られるように、人文社会科学的な知見を、「ときには」必要となる補助的な知
識と位置づけている。したがって、都市工学や建築工学などにおいて都市の問題は、主と
して数学と自然科学的な知識をもって構築される事物・環境によって解決することに主眼
が置かれる。一方で都市の活気や心地よさは、必ずしも公共の安全・健康・福祉には還元
されない複雑な社会状況や経済状況によっても構成されるものであり、社会科学的な考察
により理解される部分も大きいものと考える。都市の問題の考察には、都市という「人」
が生活し富を形成する場の実態を知り、活気や心地よさという状態を社会科学的な観点で
理解することも有効であるといえる。特に、都市が生み出す富の源である産業社会の側面
と都市を構成する人間社会の側面での実態把握に基づく、活気や心地よさの理解は、重要
なことであると考える。都市創造学部では、このような学問的背景から、都市という人間
5
社会の縮図を、経営学及び都市社会学を中心に考察する。なお、都市創造学部では、工学
的な知見を生み出すことを目的とはしないが、既存の都市工学や建築工学等で生み出され
た知見を概観できるように配慮し、経営学的・都市社会学的な都市の実態の理解と結びつ
け、都市の活気と心地よさをもたらす未来都市のビジョンを打ち立てるイノベーターの育
成をもって、学校教育法第 83 条に掲げられる大学の目的を達成するものである。
エ 教育研究上の目的と養成する人材像及び学生に習得させる能力
(1)
教育研究上の目的
都市創造学部は、経営学及び都市社会学の観点で都市を考察し、活気と心地よさをもた
らす未来都市のビジョンを打ち立て、実践する人材を養成することを目指した教育研究の
推進を目的とする。未来都市のビジョンは二つの側面で検討する。すなわち、第一に都市
の魅力や競争力を高める都市のソフトパワーの構成要素であるコンテンツのプロデュース
を考える側面、第二に都市の抱える課題を克服する基本的な構想を具体化した都市のデザ
インを実現するためのソリューション提案を考える側面である。都市創造学部で学ぶ学生
は、これら二つの側面の基礎的な理解に基づき、いずれかの側面に重きを置いて学習する。
そのため、都市コンテンツ履修コース、都市デザイン履修コースを設定する。
(2) 養成する人材像
都市創造学部は、その教育研究目的に対応して、次に掲げる人材を養成する。学生は、
都市コンテンツ履修コース、都市デザイン履修コースを選択することにより、いずれかの
人材像を目指すことになる。

(都市コンテンツ履修コースが養成を目指す人材像)都市の競争力を高めるソフト
パワーの構成要素であるコンテンツを、行政(条例・規制)
・企業(ビジネスモデル)
・
社会(社会環境)をまとめてプロデュースする人材。コンテンツの具体的な対象は、
都市の文化コンテンツ(博物館、美術館、動物園等の文化施設等)やエンターテイ
ンメントコンテンツ(イベントや映像・メディア、アニメやゲーム等)
、地域コンテ
ンツ(地域特産品、地域固有技術、地域産業集積等)である。これらのコンテンツ
を活用した、都市のイノベーションをプロデュースする人材、企業等において新事
業開発や新製品・サービス開発を推進する企画人材を養成する。都市創造学部が育
成する人材は、コンテンツそれ自体を創造することに主眼を置くものではなく、コ
ンテンツを活用して魅力を創りだすプロデュース人材となる。
(都市デザイン履修コースが養成を目指す人材像)未来都市のデザインを実現するうえで
の顕在的・潜在的課題に対するソリューションを、公共性(生活者の視点)
・国際性(異文
化共生)
・持続可能性(環境・資源・エネルギー)の三つの観点で提案する人材。具体的に
は、都市の景観や建造物の設計の基礎において生活者の視点をくみ取る人材、自治体等の
6
制度や計画の初期において住民のニーズを吸い上げる人材、さらに、NPO・NGO、都市開
発事業者において管理を担うマネジメント人材がそれにあたる。都市創造学部が育成する
人材は工学的な手法自体の研究に主眼を置くものではなく、工学的な観点からは掬い取れ
ない生活者・住民・NPO 等の組織が直面する都市の課題に光をあてるデザインを考察し、
その実現のためのソリューションを提案する人材(ソリューション提案人材)となる。
(3) 学生に習得させる能力
都市創造学部が養成する人材には、都市の活気と心地よさを科学的に洞察し、実践する
能力が求められる。都市の活気と心地よさは、そこに住む人々の経済的な豊かさを生み出
す活動と人々の社会的な活動を背景にしており、経済的な富をもたらす源泉である産業社
会に対する経営学的分析及び社会的な活動を理解する社会学的考察によって理解される。
方法的には、ICT と統計学を駆使し、ビッグデータを対象に分析しながら考察する。した
がって、都市創造学部において教授する基本的な能力は、
「ビジネス推進能力」「社会調査
能力」
「データ分析能力」となる。そして、養成する人材に対応して次の能力を修得させる。

「構想力」「ネットワーク力」「情報発信力」によって構成される「プロデュース能
力」

「要求理解力」「問題分析力」「実行力」によって構成される「ソリューション提案
能力」
これらの能力を修得することで学生は、都市開発と住民、Public と Private、日本とアジア・
世界をつなぎ、都市の開発と再生・メンテナンス・サステナビリティを複眼で捉える人材
に育つことが期待される。
1) 基本能力
都市創造学部に学ぶ学生には共通して、以下の能力の基本を涵養する。なお、各能力に
対応した授業科目の配置については別に示すが、各能力の開発のため、一定の科目を履修
するように指導する。
ⅰ) ビジネス推進能力
ビジネス推進能力は、
「都市を舞台として事業を運営する能力」を意味している。都市の
産業社会を経営学的な観点から企業を中心として考察し、その事業活動における戦略と組
織を検討することによって獲得される管理能力とも理解される。
ⅱ) 社会調査能力
社会調査能力は、
「市場の動向や世論を捉える能力」を意味している。都市の人間社会を
都市社会学的な観点から考察し、都市の生活者のニーズやその背後にある生活者の意識を
検討することで獲得される社会洞察能力ともいえる。
7
ⅲ) データ分析能力
データ分析能力は、「データから有用な解釈を統計的に導き出す能力」を意味している。
都市に関するデータのうち、時々刻々と発生し蓄積されるビッグデータを対象にした分析
方法を学ぶことによって獲得されるビッグデータ活用能力として形成される。
2) プロデュース能力
都市の魅力を高めるコンテンツを見出し、これを活用するための行政・企業・社会をま
とめ上げる次の能力の基本を涵養する。なお、各能力に対応した授業科目の配置について
は別に示すが、基本能力に加えてプロデュース能力の開発を指向する場合(後に説明する
とおり、都市コンテンツプロデュース科目群を主として学ぶ、都市コンテンツ履修コース
を履修する場合)
、一定の科目を履修するように指導する。
ⅰ) 構想力
構想力は、
「コンテンツを活用した画期的なプランを作り出す能力」であり、都市の魅力
を創り出すコンテンツを見出し、これを都市のソフトパワーに転換するための、行政・企
業・社会の間の関係性を創造する能力を意味している。新たな着想を得るためのアイデア
創造の技法を学ぶとともに、イノベーションの原理を深く理解することが基礎となる。
ⅱ) ネットワーク力
ネットワーク力は、
「人々と、企業、行政、地域をつなぐ能力」であり、都市コンテンツ
を核にした行政・企業・社会の間の協力関係の内容を規定する能力を意味している。産学
公連携のあり方を理解し、都市コンテンツを事業化するプロセスを学ぶことが基礎となる。
ⅲ) 情報発信力
情報発信力は、
「コンテンツを社会に広く普及させる能力」であり、都市コンテンツ事業
をそこに住む住民に理解させる能力を意味している。都市コンテンツによって都市が如何
なる魅力をもつことになるのかを分かり易く提示するプレゼンテーション技法を身につけ
るとともに、情報の伝達を担うメディアの基本を理解し、広報のあり方を学ぶことが基礎
になる。
3) ソリューション提案能力
都市のデザインを実現するうえでの課題を認識し、課題に対するソリューションを、公
共性・国際性・持続可能性の観点で提案する能力の基本を涵養する。なお、各能力に対応
した授業科目の配置については別に示すが、基本能力に加えて、ソリューション提案能力
の開発を指向する場合(後に説明するとおり、都市デザインソリューション科目群を主と
して学ぶ都市デザイン履修コースを履修する場合)
、一定の科目を履修するように指導する。
8
ⅰ) 要求理解力
要求理解力は、
「生活者の要望や不満を読み取る能力」であり、都市における潜在的・顕
在的課題を認識する能力を意味している。都市に住む住民が発するさまざまな要求は、顕
在的な都市の課題を認識する材料となるが、その背後にある潜在的な課題も示唆している。
こうした情報から決定的な都市の課題を見出すために、実際の街づくりや都市開発におい
て生活者の発する情報を如何にして受け止めているのかについて検討し、生活者の要望や
不満を読み取る方法を確立していく。
ⅱ) 問題分析力
問題分析力は、
「問題の本質がどこにあるかを探求する能力」であり、認識された都市の課
題が発生する、真なる原因(真因)を突き止める能力を意味している。都市は、そこに所
在するさまざまな主体(住民、行政、企業等)と主体間の相互作用によって規定される複
雑な社会システムである。したがって、そこに発生する課題の真因は、要素間の複雑な影
響関係によって見え難い状態にあるのが普通であり、街づくりや都市開発の過程で次第に
明らかになってくる。こうした真因を認識する過程を学ぶとともに、典型的な都市の課題
(環境、交通、福祉、金融など)が発生する論理を考察することによって形成される。
ⅲ) 実行力
実行力は、
「課題の解決策を実現する能力」であり、都市の課題の真因を除去し、あるい
は管理する能力を意味する。真因を除去・管理する解決策(ソリューション)を見出し、
実際にそれを適用するうえでの公共性・国際性・持続可能性の観点での評価とともに、ソ
リューションを実行する組織のリーダーシップを理解することによって能力が形成される。
オ
教育研究対象とする中心的学問分野
都市創造学部が教育研究対象とする中心的学問分野は、都市という富を生み出し、人々
が生活する場の実態を捉えるための経営学及び都市社会学となる。方法的には、ICT を駆
使して収集されるビッグデータを対象に、統計学的な知識に基づき分析していく。したが
って、統計学、ICT スキル、ビッグデータアナリシスの各学問領域も関連してくる。都市
創造学部では、学生に涵養する基本能力として、ビジネス推進能力・社会調査能力・デー
タ分析能力を計画している。これらの能力を獲得していく過程で、経営学、都市社会学を
修め、ICT、統計学、ビッグデータ活用に関する科学知識を修める。また、これらの学問知
識を、養成する人材に対応して応用させる。応用対象分野は、都市の魅力を生み出すコン
テンツを見出し、都市のソフトパワーに転換するプロデュースを研究する分野(都市コン
テンツプロデュース分野)
、都市のデザインを実現するうえでの課題に対応したソリューシ
ョンを研究する分野(都市デザインソリューション分野)となる。学生は、経営学及び都
市社会学、データ分析に関する知識を基盤に、都市コンテンツプロデュースと都市デザイ
9
ンソリューションを学ぶこととなる。
以上のように、都市創造学部では、都市を経営学及び都市社会学の観点で考察すること
を基軸とし、手法としてデータ分析を用いることから、都市創造学部における中心的学問
分野は、経営学及び都市社会学とすることができる。
カ
既設短期大学部との関係・既設の短期大学部の計画(一部学科等の廃止等)
亜細亜大学の起源は、昭和 16 年に設置された興亜専門学校にある。興亜専門学校は、昭
和 20 年日本経済専門学校に改称し、昭和 25 年学制改革により日本経済短期大学に改組さ
れた。その後、幾つかの改編の末、平成 5 年亜細亜大学短期大学部に名称変更し、現在に
至っている。亜細亜大学短期大学部は現在、経営学科及び現代タウンビジネス学科より成
り、経営学分野の短期大学士を授与する教育機関として存在している。しかしながら、昨
今の社会科学系短期大学に対する社会的ニーズの減退は、亜細亜大学短期大学部において
も例外ではなく、近年は入学者を確保することが困難な状況になってきていることも事実
である。そこで、設置者である学校法人亜細亜学園は、亜細亜大学短期大学部を廃止し、
学園全体で適切に人材の配置転換を行う届出を予定している。なお、今般、届出を行う都
市創造学部は、亜細亜大学短期大学部の一部教員の配置転換を含んでいることから、短期
大学部の発展的解消を担う方策ともいえる。
②
学部・学科等の特色
ア
個性・特色の明確化
都市創造学部においては、未来都市の活気と心地よさを、経営学及び都市社会学を中心
に考察する。その大きな特色は、近年活用目覚ましいビッグデータ(SNS データやオープ
ンデータ等、時々刻々と発生する大量かつ多様なデータ)に注目し、都市にかかわるデー
タを分析して得られる知見に基づいて検討するところにある。ビッグデータを取り扱い、
都市の活気と心地よさの本質を解明するデータサイエンティストを指向した教育研究の展
開が、都市創造学部の最大の特色といえる。ビッグデータの利活用については現在、総務
省、文部科学省、経済産業省が連携して平成 28 年頃までの実現を目指し、一定の分野にお
けるビッグデータの収集・伝送、処理、利活用・分析に関する基盤技術の研究開発及び人
材育成を一体的に進めている。都市創造学部では、こうした動きにも呼応し、大学におい
ては緒に就き始めたばかりのデータサイエンティスト教育にいち早く取り組むという点で、
一定の個性を有していると考える。なお、ビッグデータの収集と利活用にあたっては、公
開情報を対象とするため、倫理的な問題は生じないものと考えるが、関連する授業におい
てもコンプライアンスについては指導を徹底する。また、データサイエンティスト教育の
具体的な内容については、学生に修得させる能力と授業科目の配置との関係において別途
述べる。
10
育成する人材との関係では、活気と心地よさのある都市のビジョンを創造することを目
指し、個別の専門領域に埋没することのないイノベーティブな能力を涵養する点において
も、都市創造学部の教育研究活動は大きな特色を有している。都市創造学部では、経営学
及び都市社会学の観点で、都市の魅力や課題を考察するが、これにより学生は、
「都市」を
複眼的に捉えることが可能となる。さらに、経営学、都市社会学を個別に学ぶのではなく、
都市コンテンツの検討、あるいは都市デザインの検討を通じて、経営学的な都市の考察と
都市社会学的な都市の考察を結びつけることが可能となり、学生はイノベーティブな能力
を高めることが可能となる。
都市創造学部では、学生の考察対象である「都市」について、都市コンテンツのプロデ
ュース、都市デザイン実現へのソリューション提案という二つの履修指針を、
「履修コース」
として学生に提示する。
また、都市創造学部が要求するイノベーティブな能力は、従来の座学での知識伝授型の
教育だけでは涵養することが難しい。学生が自ら体験し学び取る機会を提供すること(ア
クティブラーニング)が必須となる。都市創造学部では、学生のアクティブラーニングを
促進するための仕組みを用意し、教員がそれをサポートしつつ自らも研究テーマを発掘し
ていく行動的学問分野を切り開くことを企図している。そのために、都市創造学部は、徹
底した産学公連携教育体制を構築する。都市を学ぶため実際に都市に赴き都市を体験する。
そして都市の実態を把握したうえで都市の専門家と論議し、その中に研究のテーマを発掘
し、考察する。このような教育研究活動を、都市の実務家講師の招聘、インターンシップ、
フィールドワークを組み合わせて展開していく点にも、大きな特色を見出すことができる。
イ
重点を置く機能
中央教育審議会答申(平成 17 年)
「我が国の高等教育の将来像」においては、
「高等教育
の多様な機能と個性・特色の明確化」について、次の七つの機能を大学が併有していると
述べている。すなわち、1.世界的研究・教育拠点、2.高度専門職業人養成、3.幅広い職
業人養成、4.総合的教養教育、5.特定の専門的分野(芸術、体育等)の教育・研究、6.
地域の生涯学習機会の拠点、7.社会貢献機能(地域貢献、産学官連携、国際交流等)
、で
ある。都市創造学部の目指す人材育成においては、都市コンテンツのプロデュース人材・
企業等の企画人材、未来都市実現に向けたソリューションの開発・実行を担うデザイン人
材・マネジメント人材を具体的な人材像として設定している。これらの人材に求められる
能力は従来型の学問分野別の専門教育ではなく、それらを横断的につなぐ教育とアクティ
ブラーニングを必要とする。そこで、都市創造学部としては、学問分野横断的な教育とい
う点で総合的教養教育(4.)とデータサイエンティスト志向のプロデューサー・デザイナ
ー教育という特定の専門的分野の教育機能(5.)という、一見すると矛盾した機能に力点
が置かれる。しかしながら、プロデューサー・デザイナーには、それぞれの専門的な分野
の教育と同時に幅広い人文社会科学知識が必要となるのであり、文部科学省人材委員会で
11
もしばしば取り上げられる「T 字型人材」育成を目指した二つ(4.、5.)の教育機能に力
点が置かれるのである。加えて都市を教育研究の対象とする特殊性から、地域の生涯学習
機能の拠点(6.
)、社会貢献機能(地域貢献、産学官連携、国際交流等)(7.)にも相当の
力点が置かれる。なお、本学は、大学全体としても、各学部の専門的分野の教育(5.)と
全学共通教育(教養的教育)での総合的教養教育機能(4.)を併せもつことに力点を置い
ている。
ウ
高等教育を取り巻く環境変化と個性・特色
(1) 国際化の進展との関連
日本学生支援機構が平成 26 年 2 月に発表した「平成 25 年度外国人留学生在籍状況調査
について」によると、平成 26 年 5 月 1 日時点での我が国の高等教育機関(大学、大学院、
短期大学、高等専門学校、専修学校(専門課程)等)で学ぶ外国人留学生の人数は、139,185
人で、対前年度比プラス 2.7%であった。日本語教育機関に学ぶ学生(44,970 人)を加え
ると全体で、184,155 人となり、対前年比プラス 9.5%となっている。留学生の出身国別内
訳を見ると、中国(77,792 人、マイナス 5.0%)
、韓国(13,940 人、マイナス 8.9%)であ
ったのに対して、ベトナム(11,174 人、プラス 77.6%)、ネパール(5,291 人、プラス 66.0%)
はその数を大きく伸ばしている。資料5
都市創造学部における教育研究対象の中心は、すでに述べたとおり、我が国及びアジア
諸国を中心としたメガシティ・準メガシティとそれらと相互依存関係にある地方都市であ
る。都市創造学部では、特に、在籍者の留学先候補都市(大連、上海、釜山、ジャカルタ、
バンコク、ハノイ、
米国の都市)からの留学生を積極的に受け入れていく。中国、韓国の留学生は減少傾向
にあるものの絶対数では大きく、ベトナムは留学生数が大きく伸びている。国際交流基金
「日本語教育機関調査・2012 年-海外の日本語教育の現状」によると、インドネシアは中
国に次いで日本語学習者が多く、タイについても第 7 位の数となっている(韓国は第 3 位、
米国は第 6 位、ベトナムは第 8 位)
。したがって、全体の留学生数や日本語学習者数を考慮
すると、これらの都市から日本への留学生は、他の諸国の都市に比較して大きなものが期
待され、本学への留学生もこれにある程度連動すると思われる。こうした留学生を受け入
れる方策として、本学がこれまでに築いてきた国際交流の成果を活用することを計画して
いる。都市創造学部の学生がこれらの都市に留学する場合、各都市及びその近郊に所在す
る亜細亜大学と交流協定を締結している大学において語学研修等を行う。これらの大学に
おいては、一部において日本語を専門とする学部や学科が存在している。また、専門では
ないものの、英語以外の外国語として日本語を学ぶ学生も存在している。こうした交流大
学の日本語学習者を、3 年次編入留学生として受け入れる計画である(3 年次編入学定員
10 名、海外大学から直接編入する場合には 9 月入学)。
12
なお、都市創造学部において学士を取得した学生のさらなる知識の高度化や出身国大学
を卒業し日本に留学した学生の都市創造学を学ぶ希望に応えるためにも、都市創造学部の
専門性を一層深めるための博士課程(前期・後期)の設置を将来的に検討していく。
(2) 情報通信技術の発達との関連
情報通信技術の発展は、半導体技術の飛躍的高度化に支えられながら、1990 年代のイン
ターネット技術、移動体通信技術の普及以降爆発的に進展し、21 世紀に入り人類社会のあ
り方も左右する極めて重要な技術領域へと発達してきた。教育研究活動においても、発達
した情報通信技術を活用したさまざまな取り組み、例えば、遠隔授業や近年では MOOCs
(Massive Open Online Courses)に見られるオープンコースウェアの普及、論文等のオン
ラインデータベース化などが展開されている。これらの取り組みが目覚ましい成果を上げ
る中、大学の教育研究活動は大きな転換期を迎えている。すなわち、座学の情報伝達型の
授業は将来的にさまざまな形態でオンライン化し、物的な場としての大学では直接的なコ
ミュニケーションによってのみ伝授することが可能な知識の教授が中心となるであろう。
そこでの学びの特徴は、学生と教員が主体的に相互作用するところにある。
都市創造学部では、学生に研究対象となる海外都市に赴き、都市を学ぶことを求める。
その際、大学においては、学生と教員が主体的に相互作用するアクティブラーニングの手
法を用いた演習科目(オリエンテーション・ゼミナール、基礎ゼミナール、都市準備研究、
海外・国内インターンシップ、フィールドワーク、ゼミナール、卒業プロジェクトⅠ・Ⅱ、
卒業研究Ⅰ・Ⅱ、社会調査実習Ⅰ・Ⅱ)を展開し、都市の研究に必要な実践的な知識の獲
得を促進する。海外都市に留学している期間については、情報通信技術を活用し、「海外イ
ンターンシップ」の履修者とのコミュニケーションを図る。そのため、Skype 等での複数
人コミュニケーションを利用する予定である。時差のある地域(東アジア、東南アジア以
外にも、米国留学も計画しており 17 時間程度の時差が存在する)とのコミュニケーション
となるため、実施時間帯には注意を払いつつ、また、文部科学省告示(平成 19 年第 114 号)
にあるように、
「当該授業を行う教員若しくは指導補助者が当該授業の終了後すみやかにイ
ンターネットその他の適切な方法を利用することにより、設問解答、添削指導、質疑応答
等による十分な指導を併せ行うものであって、かつ、当該授業に関する学生等の意見の交
換の機会が確保」されるように実施する。具体的には Facebook や微信を活用し、意見交換
を行う。微信は、中国におけるインターネット環境で稼働する SNS であることから、中国
に留学する学生については、Facebook に代わり微信を活用する。
「海外インターンシップ」は、研修先企業での実務経験を通じて、海外で働くことの意
義や常識を体得することが目的となるが、一定間隔で経験をまとめさせ、最終的にインタ
ーンシップでどのようにキャリア観が形成されたかを把握し、評価する。これらを、Skype
等での複数人コミュニケーションを通じて実施するとともに、必要な機会に担当教員を留
学先都市に派遣する。ただし、都市創造学部ではこのように授業としても成り立つように、
13
「海外インターンシップ」のフォローアップの指導を実施するが、授業時間には算入しな
い。これは、学生によって指導時間が大きく異なり、問題の少ない学生はフォローに時間
を要せず、逆に大きな問題に直面している場合には、長時間を要するため、授業時間とし
ては統制できないためである。なお、2 年次後期の海外留学を終えた学生が、3 年次前期に
も留学を継続する場合、同学期必修の「フィールドワーク」についても学習指導のために
Skype 等での複数人コミュニケーションを活用するが、同様の理由から授業時間には算入
しない。
また、都市創造学部では、都市の研究を方法的にはビッグデータの分析を通じて行うが、
ビッグデータの利用に際しては、データ収集のための高度なインターネット操作技術、デ
ータベース・データウェアハウス操作技術、統計パッケージ活用技術が不可欠となる。そ
のためこれらの情報通信技術活用スキルを体系的に学ばせる科目群を設定する。特に、デ
ータ活用能力については、必修科目を設定し、確実に能力を育成する。こうしたスキルは、
在学中の学習に役立つばかりではなく、卒業後の情報社会に学生が適応するうえでも重要
な基盤技術になるものと考えている。
エ
教育研究上の数量的・具体的到達目標等
都市創造学部では、研究対象の海外都市に留学することを求める。こうした方針は、都
市の研究を深めるうえで必要であると同時に、育成する人材がグローバルに活躍するため
にも必要となる。グローバルな活躍の基盤としてのコミュニケーション能力を重視する観
点から、在学生全員に求める留学の期間では、語学研修において連携大学で学習する。対
象語学は、英語及び現地言語としている。英語については、卒業時での TOEIC®730 点を
一つの到達目標とし、米国を除く現地言語(中国語、韓国語、インドネシア語、タイ語、
ベトナム語)については一般的な生活レベルの会話と簡単な文章の読解程度とする。検定
試験が普及している場合には、相当する水準(例えば、中国語検定では 3 級程度)を目標
とするが、普及していない場合には、語学研修成績が「A」に相当する成績となることを目
標とする。
③ 学部・学科等の名称及び学位の名称
ア 学部・学科名称
都市創造学部、都市創造学科
Faculty of Urban Innovation、Department of Urban Innovation
イ 付記する学位名称
学士(都市創造学)
Bachelor of Arts in Urban Innovation
14
ウ
学部・学科名称の理由
本届出により設置する都市創造学部の教育研究の目的は、すでに述べたとおり、経営学
及び都市社会学の観点で都市を考察し、社会諸科学を援用しながら、活気と心地よさをも
たらす未来都市のビジョンを打ち立て、実践する人材を養成することにある。都市を社会
学的な観点から考察する学問領域として、都市社会学が成立しており、それ単独で学部等
の教育研究組織を形成するに足る深みを有した学問領域であり、日本都市社会学会という
有力な学会も形成されている。都市社会学においては、都市開発や都市のエスニシティ、
貧困といった問題を取り扱うが、これらは都市に住む人々が生活の糧を得る場である企業
の行動とも深く関連している。企業の目的である企業組織の維持・発展には、組織成員の
創造性の発揮に裏打ちされた組織活性化が不可欠となる。創造性の源は組織の多様性にあ
り、組織のエスニシティといった概念において都市社会学とも通じている。また、都市に
おける貧困の問題は、自治体の政策とも関係するが、都市に立地する企業が生み出す富の
分配における問題でもある。企業が生み出した富を、自らだけのために消費・蓄積するの
ではなく、立地地域へ如何に還元するかという、産業社会における企業経営の意味を理解
することも重要となる。そして、都市の開発においては民間企業の参画が不可欠であり、
都市開発の考察は一面ではこれに関与する企業行動の考察でもある。これらは、企業経営
の行動を取り扱う経営学の主たる関心領域でもあり、多くの大学に設置され、本学にも設
置されている経営学部等が教育を担っている。本届出において計画している都市創造学部
では、都市社会学、経営学というそれぞれ単体の教育研究組織を形成することも可能な学
問領域を包摂する。ただし、二つの学問領域を個別に取り扱うのではなく、都市コンテン
ツのプロデュース、都市デザイン実現へのソリューション提案、という考察対象に向けて、
二つの学問領域の知見を活用していくところに特徴がある。これにより、都市社会学・経
営学単体の研究においては見逃される可能性のある人間社会・産業社会としての都市の特
性を考察し、都市のビジョンを創造しようとすることから、学部名称を都市創造学部とす
るものである。また、都市創造学部においては、経営学、都市社会学のそれぞれを独立し
て専門的に探究するのではなく、複眼的に問題を認識するため、学科構成は単一学科とし、
学部と同一の「都市創造学科」を学科名称としている。
エ 学位名称の理由
学士学位の名称は、当該学部で学ぶ学問領域を適切に表すことが必要である(学位規則
第 10 条)
。都市創造学部では、経営学及び都市社会学の観点で都市を考察する。方法的に
はビッグデータを対象にした分析で得られる知見をも活用する。したがって、学位に関係
する学科領域は、経営学及び都市社会学を中心としながら、ICT、統計学、ビッグデータ活
用も含まれ得る。そこで、既存の諸学問分野を列記するのではなく、都市のビジョンを創
造することが教育研究活動の大きな目標となっていることに鑑み学位名称を「学士(都市
創造学)
」とする。
15
オ
学部・学科・学位の英文名称の理由
学部・学科・学位の英文名称については、
「都市創造」を“Urban Innovation”とした。都
市研究(Urban Studies)
、都市社会学(Urban Sociology)、都市計画(Urban Planning)
、
都市工学(Urban Engineering)等に見られるように、都市を示す学術的な訳語は“Urban”
を用いることが通例となっている。また、学位名称においても理由を示したとおり、都市
創造学部での学びでは、経営学及び都市社会学を基軸としながら、ICT・統計学を駆使して
ビッグデータを活用し、都市にかかわる魅力や課題を考察することで、都市のビジョンの
創造を主眼としている。そうした意味合いからも「創造」は都市創造学部の中核的な特質
といえる。英文名称においては、「創造」に対して“Innovation”を訳語としてあてている。
「創造」の源泉は「革新」にある。都市創造学部においては、都市のビジョンを、経営学
及び都市社会学を活用することによって生みだす革新的な概念として捉えているのである。
なお、同種の名称は、横浜国立大学都市イノベーション学府・研究院(Graduate School of
Urban Innovation/Faculty of Urban Innovation)を挙げることができる。同学府・研究院
は、
「建築、都市基盤における持続可能な発展と、多文化が引き起こすコンフリクトを創造
的に乗り越えて、新たな文化を生み続ける創造都市をめざし(横浜国立大学ホームページ
より)
」としており、亜細亜大学都市創造学部同様に「創造」を重要な概念として取り込ん
でいる。海外においては、米国ドレクセル大学において、都市問題に対する先駆的なソリ
ューションを、創造、分析、評価、普及させ、市民参加を促す「都市イノベーションセン
ター(Center for Urban Innovation)
」を設置している。同センターは、教員、専門職員、
学生が市民とともに都市問題に取り組み、経験的な学習を促進している(ドレクセル大学
ホームページより)
。亜細亜大学都市創造学部においても、市民の聴講や科目等履修を積極
的に受け入れ、都市の魅力の向上策や課題の解決策をアクティブラーニングをも導入して
探索するという点で同様の志向性を有しているといえる。なお、「創造」の英語訳として
“Innovation”をあてた学部には、千葉商科大学サービス創造学部(Faculty of Service
Innovation)がある。
学部・学科は、それぞれ、「Faculty of Urban Innovation」「Department of Urban
Innovation」とするが、学位においては国際通用性を考慮して、
「Bachelor of Arts in Urban
Innovation」とする。
④ 教育課程の編成の考え方及び特色
ア 教育課程編成と特色
(1) コース制
設置の趣旨及び必要性、特色を考慮して、都市創造学部は、1 学科としながらも、「都市
コンテンツ履修コース」
「都市デザイン履修コース」の二つのコースを設定する。都市創造
16
学部の教育研究目的は、活気と心地よさをもたらす未来都市のビジョンを打ち立て、実践
する人材の養成にある。
都市の活気は、都市の構成要素(都市コンテンツ=文化・エンターテインメント・地域
コンテンツ)を大切に守りつつも、グローバル化や技術革新の進展によって変化する社会・
経済環境にあって、ダイナミックに構成要素を発展させるエネルギーを指す。そうした活
気は都市の一つの魅力となり得るものであり、施設や立地を超えて人々を惹きつける力(ソ
フトパワー)を生み出す。他方、都市の心地よさ(アメニティ)は、生活者の視点におけ
る都市の住みやすさを指す。現代社会は、高度化・複雑化しており、都市には解決される
べきさまざまな課題が集積している。住みやすい都市を構築するうえでは、これらの課題
が満足いく形で解決されるような構想(都市デザイン=都市機能のあり方に関するステー
トメント)を明確にしておくことは重要であろう。
「都市コンテンツ履修コース」では、人々を惹きつけ「住んでみたい」と思わせるソフ
トパワーを生み出し、都市の競争力を高める都市コンテンツのプロデュース方法を学ぶ。
具体的には、後に説明する都市創造科目・都市コンテンツプロデュース科目群を主として
学び、プロデュースのあり方を中心に学修する。
「都市デザイン履修コース」では、生活者の視点から都市の課題に対する解決策(ソリ
ューション)を考え、
「住みやすい」都市を実現する都市デザインの方法論を学ぶ。具体的
には、後に説明する都市創造科目・都市デザインソリューション科目群を主として学び、
ソリューション提案のあり方を中心に学修する。
なお、学生のコース選択は、1 年次前期終了後とする。学生は入学時にはいずれのコース
を選択すべきか、必ずしも十分な情報を有してはいない。そこで、1 年次前期に履修する必
修科目を受講し、一定の知識を得た後で、コースの選択を行わせる。コース選択は、学生
の希望を反映させるものの、1 年次に配置されている各履修コース必修科目(「都市プロデ
ュース論」
「都市ソリューション論」
)選択科目(
「都市コンテンツ概論」「都市計画論」
)の
履修状況(成績、単位修得)を考慮して、コース別の人数に偏りが生じないよう調整する。
1) 都市コンテンツ履修コース
都市コンテンツ履修コースでは、都市の競争力を高める都市コンテンツのプロデュース
方法を学ぶ。都市コンテンツとしては、都市のさまざまな構成要素であり、劇場や美術館、
公園といった施設とそこでの展示内容や上演題目などの文化コンテンツ、都市で催される
祭りやスポーツイベント、都市を映し出す映像・メディア、都市の生活スタイルを含むア
ニメやゲームなどのエンターテインメントコンテンツ、地域の特産品や地域固有の技術や
産業集積といった地域コンテンツを考えている。これらの都市コンテンツを活用し、都市
の競争力を高めるためには、各々のコンテンツの活用にかかわる制約条件を充足しなけれ
ばならない。例えば、公的に運用されている劇場や美術館、公園などを活かそうとすれば、
それらを管理する自治体との調整は不可欠となる。都市の条例や規制の基本を理解してい
17
る必要があるだろう。また、都市コンテンツを活用する場合には、そこから一定の収益を
得なければ、実際の運営は不可能となる。都市コンテンツ活用にかかわる企業に対してビ
ジネスモデルを提案する能力が必要となる。そして、都市コンテンツの活用がそこに住む
人々や訪れる人々に支持されなければならない。都市コンテンツを取り巻く社会環境を理
解する必要がある。これらを知識基盤とし、行政・企業・社会を取りまとめ、都市社会に
コンテンツを発信し、都市に活気を呼び込む都市コンテンツのプロデューサーを育成する
ことが、都市コンテンツ履修コースの教育研究目的となる。都市コンテンツのプロデュー
サーは、地域行政が設定する都市の条例・規制の基本的な考え方を理解し、都市の産業構
造を前提にした政策によって促進される新たな事業創造をもたらす企業のビジネスモデル
について検討するとともに、地域コミュニティ、情報、環境、風土といった社会環境の制
約条件を考慮することが求められる。そして、都市をプロデュースするアイデアを創造し
行政・企業・社会をとりまとめる構想力、産学公連携により行政・企業・社会を取り持つ
ネットワーク力、メディアや広報手法を駆使し都市コンテンツを都市社会に認知させる情
報発信能力を有することが求められる。都市コンテンツ履修コースでは、これらの能力(構
想力・ネットワーク力・情報発信力)を涵養していく。
2) 都市デザイン履修コース
都市デザイン履修コースでは、都市の課題に対するソリューションを考え、都市のビジ
ョンを具現化する都市デザインの方法論を学ぶ。都市デザインとは、未来都市の理念を具
現化する構想であり、都市の景観・環境・交通・福祉政策など、都市の機能のあり方に関
するステートメントである。都市機能のあり方を示した都市デザインは、都市の顕在的・
潜在的な課題を解決するソリューションを要素として組みあげられる。課題とそれに対応
したソリューションは、少なくとも次の三つの観点から分析され評価される必要があるだ
ろう。すなわち、都市の生活者の視点での公共性、異文化共生を育む国際性、環境・資源・
エネルギーの持続可能性である。例えば、都市の景観に関するソリューションにおいては、
そこに住む人々が心地よく生活できることを確保しなければならないのであり、都市の生
活者の視点での公共性の確保は重要な分析・評価項目となる。また、グローバル化が進展
する今日の社会においては異文化共生を育む国際性の観点でも妥当性を有する必要があり、
例えば、都市の動脈である交通機関において、各国語で内容を表示することがそうした観
点で高く評価される。そして、地球規模での環境・資源・エネルギー問題が現実の差し迫
った課題として浮上している。例えば、都市の環境問題の一つとしてごみ処理を考える場
合、処理自体にかかるコストのみならず、ごみ処理によって生ずる排ガス対策コスト、ご
み処理に必要なエネルギーコスト、そして、周辺地域の住民に対する補償コストや都市全
体のイメージに与えるダメージも考慮した、持続可能性という観点から分析・評価される
必要がある。ここで、都市の個々の課題に対応するソリューションを提案する都市デザイ
ナーは、ソリューションそのものを工学的に開発するものではない。生活者や環境(国際
18
社会、地球環境)の要請を真摯に聞き、都市のソリューションの実施を提案・計画するた
めに潜在的・顕在的課題を見出す要求理解力、実際の街づくりや都市の建築・景観を考え
る過程で求められる都市の課題の真因を究明する問題分析力、課題を解決するソリューシ
ョンを都市に関する技術的知見や財政的な知見に基づいて見出し、公共性・国際性・持続
可能性の観点で評価、実現する強力なリーダーシップに裏づけられた実行力が求められる。
都市デザイン履修コースでは、これらの能力(要求理解力・問題分析力・実行力)を涵養
していく。
(2) 学部共通教育
前述のとおり、都市創造学部においては、都市コンテンツ履修コース、都市デザイン履
修コースに分かれて、学生はその専門性を深めていく。都市創造学部がこれらのコースを
学科としてではなく、コースとして設置する理由は、これら二つのコースが相互に補完し、
各コースに学ぶ学生間の相互作用こそが、都市創造学にとっては重要となるからに他なら
ず、また、いずれのコースで学び卒業しても、同一の学位、学士(都市創造学)を授与す
る。
都市コンテンツ履修コースは都市の魅力を、都市の外部環境との関係を考慮しつつその
内部に探求していくミクロな視点を有している。都市デザイン履修コースは都市の課題を、
都市内部の条件を考慮しつつ都市全体をシステムとして捉えたマクロな視点を有している。
ミクロとマクロの二つの視点の相違と共通性に気付くときこそが、学生の成長したときで
あると考える。そのため、後述のとおり、1 年次から 3 年次までの演習科目ではこれらのコ
ース別にクラスを編成するのではなく、むしろ各コースの履修学生が相互に知見をぶつけ
合うように工夫されている。
1 年次前期においては、学生はコースの選択をしておらず、選択のための模索が各演習ク
ラスで展開されることとなる。履修者間でのコース選択に関する考えが相互作用し、二つ
の履修コースでの学びに関する学生間でのディスカッションが自発的に生ずる。担当教員
は、これを促進し、学生の履修コース選択を援助する。後期の演習科目においては、コー
スを選択した直後であるため学生の専門性は高くないが、各々の履修コースを意識した考
察が始まる。そこで、各演習クラスでは、二つのコースの履修者がほぼ同数となるように
配慮する。演習においては、各コースの学びの目標を意識した考察を担当教員は指導し、
双方の考察の視点の違いがわかるように配慮するとともに、異なるコースに所属する学生
間のディスカッションを促進する。
2 年次には一定の専門性を有するようになるが、前期に開設する演習科目は学部全員の集
合形式の演習を行う。したがって、各コースの立場で同一の演習を受講することになる。
集合形式ではあるが、学生間の相互作用が可能なようにグループ編成を行う。グループ編
成は、1 年次後期の演習クラスを前提とし、両コースの学生が均衡のとれたグループディス
カッションが可能になる。また、国内インターンシップについてもコース別には指導しな
19
い。後期には海外留学先で、海外インターンシップを演習科目として履修するが、これも
コース別の演習とはならない。
3 年次には、教員の専門別に、おおむね経営学系統、都市社会学系統の演習クラスに分か
れて指導を受けることになる。ただし、都市コンテンツ履修コースにおいても、また、都
市デザイン履修コースであっても、経営学及び都市社会学の観点で各々都市コンテンツ、
都市ソリューションを考察するため、コース別の演習とはならない。都市コンテンツ履修
コースであれば、都市の課題の解決に寄与するコンテンツ、例えば、文化施設を有効活用
した事業活動といったテーマでは、事業推進という意味において経営学的な知識を要する
一方、地域社会のニーズを十分くみ取ることも必要となる。その際、地域の福祉や家族構
成、地域コミュニティの理解という都市社会学的な知識とともに行政における福祉政策や
条例にも配慮した都市デザインの発想が必要となる。都市デザイン履修コースであれば、
都市の魅力を高めるデザイン、例えば、商店街の振興策の検討といった街づくりに関する
テーマでは、地域活性化を住民サイドから都市社会学の観点で考察するため都市社会学の
知識を必要とするとともに、地域商工業者サイドでも考察する必要がある。その際、市場
戦略、人材育成、ファイナンスなどの経営学的な知識と広報コミュニケーションなどの都
市コンテンツの発想が必要となる。こうした発想を獲得するためには、二つのコースの学
生が触発し合いながら考察をする場が必要となるだろう。
講義科目においても、コース別の専門科目(都市創造科目における都市コンテンツプロ
デュース科目と都市デザインソリューション科目)と同時に、両コースに共通する知識基
盤(専門基盤科目)についてはともに学び、お互いの学術領域をつなぐ共通言語を形成す
るように努める。
都市創造学部におけるコース制は、各コースに対応した授業科目を都市創造科目に配置
するものの、コースは一種の履修指針であると考えている。したがって、入学から一定期
間の学習を経て、履修するコースを明確化する。コース間の異動は可とするが、コース別
に学生が獲得すべき能力を定めていることから、コースの変更時には、定められた科目を
追加的に履修することが必要となり、一定の努力を要する。このことについては、コース
選択前に事前に学生に周知するとともに、コース間の異動は 3 年次後期の演習科目履修前
までとする。
(3) 実践性と実務家教員
都市創造学部が目指す人材の養成においては、都市を理解するための知識を吸収するば
かりではなく、吸収した知識を用いて都市を理解するための実践が必要となる。そのため
のアクティブラーニングが重要な要素となることは、すでに随所で述べている。こうした
アクティブラーニングの一つとして、4 年次選択必修科目である「卒業プロジェクトⅠ・Ⅱ」
では、プロデューサー、デザイナーといった実務家を招聘し、直接手ほどきを受ける。ま
た、知識伝授型の授業科目にあっても、理論的な説明に終始するのではなく、実際の知識
20
の応用がどのように為されているのかを理解させるために、実務家教員を積極的に配置し、
理論と実践が総合されるように配慮する。
(4) アクティブラーニング(演習科目)
都市創造学部においては、専門深化型の教育に加えて、実践的な能力の涵養に対応し、
次のような仕組みで演習科目を設置し、学生が自ら体験し学び取るアクティブラーニング
を展開する。
1 年次は、前期必修の「オリエンテーション・ゼミナール」及び後期必修の「基礎ゼミナ
ール」を配置する。前期必修「オリエンテーション・ゼミナール」では、亜細亜大学経営
学部が先駆的に導入しているインタビュー実践を取り入れ、入学直後の学生が都市の魅力
や課題について自治体や商店主等にインタビューする。後期必修「基礎ゼミナール」では、
前期に把握した魅力や課題に焦点をあてた都市の観察を行い、翌年次以降の問題意識を醸
成する。
2 年次は、前期必修の「都市準備研究」で後期の留学の準備を集合教育で行う。海外留学
事前研修、留学先都市事情理解、インターンシップに向けたビジネスマナーの研修、フィ
ールドワークの方法に関する研修を行う。研修は都市創造学部 2 年次生が一堂に会して行
われるが、後に詳細を説明する通り、学生アシスタント、本学国際交流センター職員、同
キャリアセンター職員の協力も仰ぎ実施する。また、学生については、1 年次後期の「基礎
ゼミナール」のクラスを基本にグループを編成して研修を行う。前期選択の「国内インタ
ーンシップ」と後期選択の「海外インターンシップ」では、企業等の組織に従事すること
についての、常識と意義を認識させる。
3 年次は、前期必修の「フィールドワーク(海外又は国内)
」で、個々の学生の都市に対
する問題意識(都市の魅力、都市の課題)に基づき、実際に都市を調査する。後期必修の
「ゼミナール」では、3 年次前期の「フィールドワーク」で収集したデータを用いた分析を
行う。
4 年次は、前期、後期に連続で開設される選択科目「卒業プロジェクトⅠ」
「卒業プロジ
ェクトⅡ」
「卒業研究Ⅰ」
「卒業研究Ⅱ」
「社会調査実習Ⅰ」
「社会調査実習Ⅱ」で、3 年次ま
での演習を三つのスタイルでまとめ上げる。
「卒業プロジェクトⅠ・Ⅱ」は、都市創造に向
けた実際のプロデュース活動・ソリューション提案活動を展開する。
「卒業研究Ⅰ・Ⅱ」は、
3 年次後期「ゼミナール」での研究を深化させるため学生自身の考察を促す。「社会調査実
習Ⅰ・Ⅱ」は、特に、社会調査の実施と報告についてスキルを実践する。
これらの演習科目の配置の特徴は、4 年次前後期の演習科目を除き、基本的に異なる担当
者が指導することにある。さまざまな分野の専門領域の担当教員と接することで、多様な
知識源泉に接するとともに、自らを都市に投影するための仕組み、すなわち 1 年次のイン
タビュー実践や都市の観察、2 年次の海外・国内インターンシップ、3 年次のフィールドワ
ーク、を演習科目に備えることで、都市の理解を深めるために学生が自らの学びにおける
21
イノベーションを創造(異なる専門領域間の関係性を認識)するように配慮する。
4 年次の演習科目は、前後期を同一の教員が担当し、1 年間を通じての指導を行う。4 年
次のみ同一教員が担当する理由は、3 年次までの学習成果をまとめ上げるために要する指導
時間にある。
「卒業プロジェクトⅠ・Ⅱ」では、都市創造活動(都市コンテンツのプロデュース、都
市デザイン実現のためのソリューション提案)を指導するが、これらの活動にかかわる組
織や個人の幅は広い。学生が主体的に実践する都市創造活動であるとはいえ、行政・企業・
社会をとりまとめる行為や現実都市社会の課題解決を目指すソリューションを提案するこ
とは、教育活動の一環であっても都市社会に影響を与える。こうした影響についての調整
に要する時間は、利害関係者の幅に比例して長くなる。
「卒業研究Ⅰ・Ⅱ」では、都市の魅力や課題についての考察を卒業論文としてまとめる
ために指導を行う。卒業論文は、3 年次までに作成するレポートやプレゼンテーションとは
異なり、学術成果を公表する形式に則っている必要がある。また、研究方法についての深
い検討が求められるため、それに応じて指導時間も長くなる。
「社会調査実習Ⅰ・Ⅱ」では、都市の魅力や課題についての社会調査を実践するための
指導を行う。都市に関する調査は、3 年次必修科目である「フィールドワーク」及び「ゼミ
ナール」においてすでに経験している。しかし、3 年次の調査が学生個々人の問題意識に基
づいた個人による調査であるのに対して、4 年次の調査は、組織的に行われるものであって、
本格的な社会調査の入門といえる。そのため、参加者間の調整や実際の調査期間、調査報
告書の作成に要する時間は格段に長くなる。
これらの 3 種類の演習は、異なる三つの方法で、都市を考察する能力を高めることにな
るが、都市の活気と心地よさを理解するという点において、演習の到達点は一致している
と考える。
なお、学生に対しては、ガイダンスを通じて三つの 4 年次演習科目のアプローチの相違
を理解させたうえで、選択させる。
演習科目に配置している授業科目の科目数・単位数は、13 科目 26 単位あり、そのうち 5
科目 10 単位(
「オリエンテーション・ゼミナール」
「基礎ゼミナール」
「都市準備研究」
「フ
ィールドワーク」
「ゼミナール」
)は必修、「海外インターンシップ」と「国内インターンシ
ップ」はこれらのうち 1 科目 2 単位以上選択必修、「卒業プロジェクトⅠ・Ⅱ」「卒業研究
Ⅰ・Ⅱ」
「社会調査実習Ⅰ・Ⅱ」はこれらのうち 2 科目 4 単位選択必修(同一の演習を履修
すること)とする。
(5) 留学と語学教育
都市創造学部に在籍する学生に対しては、研究対象の都市に赴き都市に学ぶことを必須
とする。研究対象の海外都市は、アジアのメガシティ・準メガシティを中心にした 6 都市、
中国(大連、上海)、韓国(釜山)
、インドネシア(ジャカルタ)
、タイ(バンコク)
、ベト
22
、及び米国の都市とする。海外留学を必須とすることから、都市創造学部で
ナム(ハノイ)
は、語学教育に一定の力点を置いている。この語学教育(英語及び留学先公用語)の成果
を活用し、学生は、留学先都市社会の住民とのコミュニケーションを実践するとともに、
海外インターンシップによって留学先産業社会を体験的に理解する。
ⅰ) 海外留学
亜細亜大学は、設立の当初よりグローバル人材の育成に注力し、昭和 29 年には、香港か
ら 96 名の留学生を受け入れて以来、数多くの外国人留学生が学ぶグローバルなキャンパス
となっている。昭和 33 年には、香港中文大学新亜書院と交換留学協定を締結し、日本人の
海外留学の促進にも力を入れている。昭和 63 年からは、翌年に「亜細亜大学アメリカプロ
グラム(Asia University America Program= AUAP)」として正式発足する 5 ヵ月間のアメ
リカ留学プログラムのパイロットプログラムを開始し、これまでに 1 万 2 千人を超える学
生が、AUAP によりアメリカに留学している。その後も数多くの海外大学との交流協定・
覚書を締結し、活発な国際交流活動を展開し、平成 16 年には、5 ヵ月間の中国留学プログ
ラム(Asia University China Program=AUCP)
」を開始した。
都市創造学部では、これらの亜細亜大学における海外留学プログラムの運営ノウハウを
活かし、アジアを中心とした諸都市への約 5 ヵ月間の海外留学を必須の教育プログラムと
して実施する。学生を派遣する大学は、すでに学術文化交流協定・交換留学協定を締結し
ている、中国(大連)
・大連外国語大学、中国(上海)・華東師範大学、韓国(釜山)・東西
大学校、インドネシア(ジャカルタ)・インドネシア大学、タイ(バンコク)
・バンコク大
学、ベトナム(ハノイ)
・ハノイ大学を当初は考える。これらの大学を中心に学生は、英語
の学習と現地語の学習に取り組むとともに、各都市の課題や魅力を実体験として把握する。
また、3 週間程度のインターンシップを現地で経験し、世界の産業社会を肌で実感させると
ともに、企業において働くことの基本を身に付けさせる。なお、学生を派遣する大学につ
いては、順次拡大し、多様なアジアの発展を補足できるように対応する。また、米国につ
いては、先述の AUAP に参加し、このプログラムのオプションとしてインターンシップを
経験する。
海外留学は全員を対象とする。留学費用(半年間の留学で、アジア各都市約 60 万円、米
国 120 万円、留学先都市によって変動、なお、航空券代や宿舎費用等を含むが、授業料に
ついては亜細亜大学に納入された授業料で賄うため含まれていない)を入学から 2 年次前
期までの 3 セメスターに分割して納入させるなどの工夫で負担感を軽減する。ただし、留
学前に退学した場合には、所定の手続きに則り返還する。
ⅱ) 外国語教育
都市創造学部の学生に対しては、全ての学生に英語を学習させる。また、留学予定都市
における公用語を英語以外の外国語として学習させる。英語については、留学時に一定程
23
度語学以外の授業科目が受講できる水準に到達することを目標に、1 年次及び 2 年次前期に
学習させる。帰国後も、学習を継続させ、卒業時には TOEIC®730 点以上を目指すように
促す。英語以外の外国語である留学予定都市公用語については、留学時の生活上の困難が
生じない程度の水準を目標とする。帰国後も一定の期間継続することを促し、卒業時には
日常会話に対応できる程度を目指す。
英語が公用語である都市(米国)への留学に際しては、入学時に TOEIC®スコア 500 点
以上、留学前同 600 点以上を原則とし、英語に特化した一段上の語学学習を促し、卒業時
には TOEIC®スコア 800 点以上を目指す。米国留学を目指す場合、英語以外の外国語は履
修せず、英語のみを履修し、所定の単位を修得する。
なお、外国語教育は全学共通科目として設定している以下に説明する諸科目を履修する
が、英語科目については都市創造学部の設置に伴う学生数の増加に応じてクラスを増設し、
他学部の学生の学修には影響を与えない。また、既存学部の履修状況から見て、英語以外
の外国語科目についても、履修者数が比較的多いと考えられる中国語においては、都市創
造学部設置に伴うクラス増設により他学部への影響を与えないよう配慮している。中国語
以外の科目については、履修者数が少ないと考えられるため、都市創造学部の学生が履修
した場合でも与える影響は小さい。
ⅲ) 英語教育
英語教育は、亜細亜大学の全学共通教育必修科目である、「英語Ⅰ・Ⅱ(各 2 単位)
」に
おいて、英語ネイティブ教員から会話を中心に学ぶ。加えて、全学共通科目「総合英語Ⅰ・
Ⅱ(各 1 単位)
」を必修とする。また、亜細亜大学の全学共通教育においては、ネイティブ
スピーカーが講義を行う「英語コミュニケーションⅠ~Ⅷ(各 1 単位)
」、テレビを代表と
するメディアにおける英語を学ぶ「放送英語Ⅰ・Ⅱ」を配置している。都市創造学部では、
学生の能力や志向に合わせてこれらの英語科目の中から、6 単位以上を選択必修で学習する。
海外留学期間中には、受け入れ先大学における外国人向け英語教育を受講し、これについ
ては主として「英語コミュニケーションⅤ~Ⅷ(各 1 単位)
」で認定する。
ⅳ) 英語以外の外国語教育
全学共通科目においては、中国語、韓国語、インドネシア語、タイ語、ベトナム語とい
ったアジア地域言語を教育(外国人留学生対象の日本語も開設)する「外国語初級Ⅰ~Ⅳ」
「外国語中級Ⅰ~Ⅳ」
(各 1 単位)が開設されている。学生は留学予定都市における公用語
についてこれらの科目を 1 年次前期から学習する。これらの中から 8 単位以上を選択必修
で修得させる。海外留学期間中にも、留学先公用語の学習は継続し 2 年次後期に履修する
「外国語中級Ⅱ・Ⅳ」に振り替えるとともに、語学学習の成果に応じて「海外語学実習Ⅰ
~Ⅳ(各 1 単位)
」として認定する。なお、米国留学を予定している学生にあっては、英語
以外の外国語の選択必修 8 単位分を英語科目の学修によって修得する。
24
イ
科目区分の設定及びその理由
都市創造学部の科目区分は、全学共通科目、専門教育科目で構成される。専門教育科目
は、演習科目、専門基盤科目、都市創造科目、資格関連科目で構成される。専門教育科目
のうち演習科目と資格関連科目を除く科目区分では、基本科目と発展科目にさらに区分さ
れる。全学共通科目においては、都市創造学の範疇を超えた人間、社会、自然に関する哲
学を学び、学士課程で学んだ学生が身に付けておくべき素養を与えるとともに「いつ」そ
して「なぜ」都市を創造するのかという根源的な問いを学生が発することを助ける。専門
教育科目においては、都市創造学という学問体系を根付かせ、「なに」を「どこ」に創造す
るかという都市のビジョンに関する問いを学生に喚起する。また、これは同時に、都市の
ビジョンを「如何に」実現するかという考察を学生において始動させる。亜細亜大学の建
学の精神である「自助協力」の精神に則り、これらの教育科目を体系的に履修することで
学生は、
「自ら」都市創造へ邁進していくことになる。
(1) 全学共通科目
全学共通科目は、亜細亜大学のすべての学部が共通して教育する、教養的科目が配置さ
れる科目区分である。
「全学共通科目」は、「言語と世界」
「表現と芸術」「人間と社会」
「こ
ころとからだ」「情報と自然・環境」「人生と進路」に区分されるとともに、初年次教育へ
の動機づけ演習科目である「オリエンテーション・ゼミナール」が配置されている。これ
らの科目を履修することで、学士として身に付けておくべき教養を獲得させる。なお、「オ
リエンテーション・ゼミナール」を除く選択科目に関する各領域は、都市創造学の範疇を
超えた幅広い視野を学生に与えるものであり、学生には各領域から幅広く学修するように
指導する。
1) 言語と世界
「言語と世界」領域には、英語を始めとする各国語教育のための科目の他、各国・地域
等の歴史や社会を学ぶ科目も配置される。この領域では、言語や社会への理解を通じてグ
ローバルな視野を学生に与える。特に、アジア社会の基本的な理解を促すため、この科目
分類に配置されている「アジアを知る 12 章」については必修とする。
2) 表現と芸術
「表現と芸術」領域には、文学を中心に、伝統芸能や芸術などが配置されている。都市
創造学部を含む本学の全学生が、学士課程の学生として身に付けておくべき美意識の形成
を促す。
3) 人間と社会
「人間と社会」領域には、社会科学諸学科の基本的な科目が配置される。幅広い社会科
25
学の領域に触れるとともに、ボランティアや街づくりという側面での動機づけを与える。
4) こころとからだ
「こころとからだ」領域には、心理とスポーツを学ぶ科目が配置されている。この領域
に配置された科目を履修することにより、「心」に対する理解を図り、健全な精神の源であ
る健全な肉体の形成を促す。
5) 情報と自然・環境
「情報と自然・環境」領域には、IT 系の科目を中心に、数理、地理、生物といった自然
科学系の科目群と、技術の全体を概観する入門科目が配置されている。自然科学的な知の
概要を理解するために学生はこれらの科目を履修する。
6) 人生と進路
「人生と進路」領域は、学生のキャリア意識を喚起するための科目が配置されている。
学生が充実した職業人生を実現するためには、学生が個々人のキャリア開発の構想を、特
に、成長著しいアジア経済を背景として、見定めさせることが必要となる。こうした問題
意識を学生に喚起する。
(2) 専門教育科目
「専門教育科目」は、都市創造学を修めるために必要な経営学及び都市社会学領域を中
心として、分析手法であるビッグデータを取り扱うための分析技術や基盤となる ICT 技術
を学習するために配置された科目区分である。演習科目、専門基盤科目、都市創造科目、
資格関連科目より構成される。学生は、専門基盤科目において都市創造学の柱となるべき
学問領域を固めつつ、都市創造科目を履修することで都市創造学固有の知識を獲得する。
こうして固めた都市創造学の中心的な知識体系を実際に応用させることを目的に、演習科
目では 1 年次からアクティブラーニングの手法を取り入れ、講義科目で獲得した知識を能
力に転換する。一方、4 年間の都市創造学の学士課程を修めた学生の職業人としてのキャリ
ア形成を促すため、資格関連科目を配置し、知識の深化を図る。
1) 演習科目
演習科目は、都市創造学部のカリキュラムにおいて獲得した知識を能力に転換すること
を目的としている。この場合に知識は、都市創造に関する学問的な理解を指し、こうした
理解を実践することによって能力に転換することが可能になる。そこで演習科目において
は学生の主体的な学びを促すアクティブラーニングの手法を積極的に取り入れ、転換を図
っていく。1 年次の「インタビュー実践」や都市観察を通じた「研究体験」
、2 年次の「研
究準備」と「インターンシップ」
、3 年次の「実態調査」と「本格研究」と一歩一歩学生は
26
自ら知を探求しながら、学び取った知識を実際に応用することになる。4 年次は、PBL
(Project Based Learning)の手法を取り入れた「卒業プロジェクトⅠ・Ⅱ」
、深い考察か
ら卒業論文にまとめる「卒業研究Ⅰ・Ⅱ」、組織的に行われる本格的な都市社会を調査する
「社会調査実習Ⅰ・Ⅱ」により、知識の能力への転換を高度化させる。
2) 専門基盤科目
専門基盤科目は、都市創造学の根底を成す科目区分である。都市創造学部では経営学及
び都市社会学によって都市を分析する。その際、都市にかかわるさまざまな情報を収集し、
処理し、蓄積し、さらに、これらを文章として、あるいはプレゼンテーションによって表
現することが必要となる。そのため、専門基盤科目は、都市社会学科目群、産業社会科目
群、ICT スキル科目群によって構成した。各科目群では、各領域の基本を理解する基本科
目と基本を応用してより深く理解するための発展科目に細分している。
ⅰ) 都市社会学科目群
都市社会学科目群では、都市を対象にした社会学諸科目と社会調査のための基本的な科
目を配置している。都市における諸現象を理解し、それが発生するメカニズムを考察する
都市社会学は、都市創造学の根幹を成す学問領域である。その基本科目においては、社会
学の全体像をつかみ、都市社会学の狙いを理解するための科目の他、都市の基本特性を学
ぶ。発展科目では、都市の現代的な様相を理解する。また、こうした理解を促すための社
会調査の基本的な知識を学ぶ。なお、都市に住む人々の心理を取り扱う社会心理学につい
ても、この科目群において包摂する。
ⅱ) 産業社会科目群
産業社会科目群は、都市の繁栄の基盤となる産業の形成と個別企業の行動を考える科目
を配置し、都市のビジョンと調和した個別企業の経営を産業政策とも関連づけながら考察
する。経営学を中心とする産業社会科目群の基本科目では、産業政策や企業経営の概論を
解説し、発展科目には産業創造や事業創造、及びそれを支える人材の育成を検討する科目
を配置する。
ⅲ) ICT スキル科目群
ICT スキル科目群は、都市創造学を学ぶ学生の情報収集・処理・蓄積・提示に援用する
ICT を使いこなす能力を涵養し、都市を考察する方法としてのビッグデータ解析の基礎を
修得するための科目を配置する。また、都市コンテンツをプロデュースする一つの方法で
あり、都市デザイン実現のためのソリューションを提案する際にイメージを伝えるスキル
でもある、CG スキルについても涵養する。
27
3) 都市創造科目
都市創造科目は、都市創造学部に設定される二つのコース、すなわち、都市コンテンツ
履修コースと都市デザイン履修コースに対応した固有の知識領域を学ぶために設定される
科目区分であり、都市コンテンツプロデュース科目群、都市デザインソリューション科目
群により構成した。各科目群では、各領域の基本を理解する基本科目と基本を応用してよ
り深く理解するための発展科目に細分している。
ⅰ) 都市コンテンツプロデュース科目群
都市コンテンツプロデュース科目群には、都市の競争力を高めるソフトパワー(文化・
価値観・政策の魅力によって人々を惹きつける力)の構成要素である都市コンテンツのプ
ロデュース能力を涵養するための諸科目を配置する。具体的な都市コンテンツは、劇場や
美術館などの文化施設とその演目や展示物、そしてそれらの見せ方を含む文化コンテンツ、
都市で催される祭りやスポーツイベント、都市を映し取り、また、都市を舞台とした映像・
メディアや都市の生活様式を反映したアニメーションやゲームなどのエンターテインメン
トコンテンツ、地域の特産や地域固有の技術や産業集積といった地域コンテンツを指す。
都市コンテンツプロデューサーは、これらの都市コンテンツを活用して都市の魅力を高め
るがため、構想力・ネットワーク力・情報発信力を駆使する。そのため、都市コンテンツ
プロデュース科目群の基本科目には、コンテンツを活用した都市のプロデュースの概観を
与える科目の他、構想力・ネットワーク力・情報発信力の基礎的理解を促進する科目を配
置する。発展科目には、これら能力の応用と都市コンテンツ実態理解を促す科目を配置す
る。
ⅱ) 都市デザインソリューション科目群
都市デザインソリューション科目群には、都市の課題に対するソリューションを考え、
都市のビジョンを具現化する都市デザインの方法論を学ぶ諸科目を配置する。都市の景
観・環境・交通・福祉政策など、都市の機能のあり方に関するステートメントである都市
デザインは、都市の顕在的・潜在的な課題を解決するソリューションを要素として組みあ
げられる。都市デザインの対象となる具体的な都市の課題を例示するならば、景観問題、
交通渋滞、環境破壊、エネルギー不足、待機児童問題、医療難民などを挙げることができ
る。都市創造学部では、これらの課題に対して、経営学・都市社会学の観点で考察し、ソ
リューションを提案するうえで求められる、要求理解力・問題分析力・実行力を涵養する。
そこで都市デザインソリューション科目群の基本科目には、都市の課題に対応したソリュ
ーションを提案する活動を概観する科目の他、要求理解力・問題分析力・実行力の基礎的
科目を配置する。発展科目には、これら能力の高度化を促す科目に加えて解決すべき課題
領域を考察する科目を配置する。
28
4) 資格関連科目
都市創造学部での学びの特色は、個々の学科領域の専門性の追求に止まらず、実践応用
能力の涵養にあり、個々の学生のキャリア開発と密接に結びついている。都市創造学部で
は、個々の学生が学び掴んだ知識を活用し、キャリア開発に結び付けさせるため、資格関
連科目を区分として設定する。科目設定対象の資格は、都市創造学を構成する知識領域を
生かすキャリアを考慮して、カラーコーディネーター、インテリアコーディネーターとす
る。なお、これらの資格関連科目については、自由科目とする。
ⅰ) カラーコーディネーター教育科目群
カラーコーディネーターとは、色の性質・特性など、色彩の知識を身に付け、色のもつ
効果をビジネスシーンに活かす色彩の専門家である。都市コンテンツのプロデュースにお
いても、都市デザインのソリューションを開発する場合でも、色彩が関与することは多い。
色彩という観点でのコンテンツやデザインの評価を行う必要性からも重要な素養となる。
学生においては、企業や自治体のさまざまな制作・開発現場において、色彩の観点で貢献
することが期待される。カラーコーディネーター教育科目群には、同検定の出題範囲に対
応した諸科目を配置する。
ⅱ) インテリアコーディネーター教育科目群
インテリアコーディネーターとは、顧客に対するヒアリングから、住まい手のライフス
タイルに合った住空間を導くため、住宅、インテリア、商品に関する幅広い知識・専門的
な技術などを駆使し、家具やカーテン、照明等の商品をトータルにプロデュースする専門
家である。居心地の良い空間の演出を必要とする都市デザインにおいては、インテリアコ
ーディネーターの知識が重要となる。企業や自治体での都市デザインにおいても、この資
格の知識を活かした貢献が期待される。インテリアコーディネーター教育科目群には、同
資格試験の出題範囲に対応した諸科目を配置する。
ウ
各科目区分の科目構成とその理由
都市創造学部のカリキュラムにおける各科目区分に配置される科目と配置の理由は以下
のとおりである。なお、全学共通科目については、必修・選択必修として指定する科目を
中心に説明する。
(1) 全学共通科目
全学共通科目は、
「言語と世界」
「表現と芸術」「人間と社会」
「こころとからだ」「情報と
自然・環境」
「人生と進路」の 6 領域に分けて科目を配置している。都市創造学部では 6 領
域から幅広く選択するように指導する。これは、都市という複合的な社会を理解するため
に必要な観点を形成することを目的としている。一方、
「言語と世界」領域に配置されてい
29
る幾つかの科目については、以下のとおり必修・選択必修科目としている。なお、一部関
連選択科目についても説明を加えている。
1) 語学科目(言語と世界領域)
言語科目は、英語と留学先都市の公用語を対象とする。留学先都市公用語は、具体的に
は中国語、韓国語、インドネシア語、タイ語、ベトナム語となる。
ⅰ) 英語科目
都市創造学部の学生に対しては、2 年次後期から各自の研究対象となる都市に留学するこ
とを求める。留学先都市においては、その公用語と英語を学習する。英語圏の大学は当然
のことであるが、非英語圏の留学先提携大学においても語学以外の授業科目を英語で行っ
ている。学生は、語学としての英語を提携大学において学ぶ傍ら、各大学の提示する条件
を充足した場合、英語を教授言語とした語学以外の授業科目を履修し、そこに集まる各国
の学生とともに学習する。資料6
ⅱ) 英語以外の外国語科目
都市創造学部の学生の海外留学は、一部英語圏の大学への留学を除き、基本的にアジア
各国のメガシティ・準メガシティとなる。これらの都市においては、必ずしも英語が公用
語とはなっておらず、現地での生活を考慮する場合、各都市での公用語をある程度修得し
ておくことが望ましい。学生が無理なく生活できる水準の留学先公用語を学ぶため、外国
語初級(Ⅰ~Ⅳ)
、外国語中級(Ⅰ~Ⅳ)を配置する。留学先公用語の運用能力は高い水準
に到達することが無論望ましいが、留学前には生活が可能な水準を一つの目安とし、留学
期間中にも学習を継続し、留学後には一定の日常会話が運用可能な水準に到達することを
目指す。亜細亜大学の英語以外の外国語科目(外国語初級Ⅰ~Ⅳ、外国語中級Ⅰ~Ⅳ)の
うち、都市創造学部の学生の留学先候補となる留学先公用語、中国語、韓国語、インドネ
シア語、タイ語、ベトナム語と外国人留学生対象の日本語の 6 ヵ国語を設定する。留学先
都市に合わせて、選択必修とし、外国語初級Ⅰ~Ⅳと外国語中級Ⅰ~Ⅳから 8 単位以上を
修得するものとする。
外国語の選択は、入学後に留学のためのガイダンスを行い、留学先都市を選択し、その
うえで、留学先都市の公用語を選択する。米国に留学する場合には、外国語初級・中級に
替えて、英語科目選択単位をさらに 8 単位履修するが、その際、第 3 セメスターに配置さ
れている「Global Studies(2 単位)」
「American Issues(2 単位)」も含めて選択対象とす
る。前項に示すとおり、英語科目選択必修科目は 10 科目 10 単位配置しており、そのうち 6
単位を修得する。したがって、米国留学者は、残る 4 科目 4 単位の選択必修科目及び「Global
Studies(2 単位)
」
「American Issues(2 単位)
」を修得し 8 単位となる。
なお、2 年次の初めにおいて留学先変更を伴う選択外国語の変更を認め、学生のニーズに
30
柔軟に対応するが、留学後の生活を考慮すると、留学までに相当程度の努力投入が必要と
なることを学生には十分説明し、途中の選択外国語変更がなるべく生じないように指導す
る。資料7
2) 必修講義科目(言語と世界領域)
都市創造学部では、学生の海外留学を必須としており、事前に留学先を含む海外の事情
について理解をしておくことが肝要となる。特に、都市創造学部学生の留学先が、主とし
てアジアのメガシティ・準メガシティであることから、アジア各国の事情に精通しておく
ことが必要となる。また、都市創造学部の学びでは、各国のメガシティを中心とした都市
の魅力や課題を、都市間の比較を通じて考察することになる。こうした考察を行ううえで
も、アジア各国事情について情報を獲得させることは有効である。そこで、
「言語と世界」
領域に配置されている、以下の科目を必修とする。
① アジアを知る 12 章
(2 単位、必修) アジア各国の事情を理解するための科目。
(2) 専門教育科目
専門教育科目の各科目区分の設定理由に基づき、以下のとおり科目を配置する。
1) 演習科目
演習科目においては学生の主体的な学びを促すアクティブラーニングの手法を積極的に
取り入れ、都市創造学部で学んだ知識の能力への転換を図っていく。この転換過程は、1 年
次から始め、3 年次までは必修とし(一部選択必修を含む)
、4 年次は多様な進路選択を可
能にするため、選択必修とする。
ⅰ) 1 年次
大学入学初年次では、今後 4 年間の学びの目標を各学生が定めることを助けるための演
習を行う。演習は、亜細亜大学の所在する地域にある課題や魅力のレパートリーを把握さ
せることを主眼に、以下の演習科目を配置する。
① オリエンテーション・ (2 単位、必修) 入学直後の前期に都市実務家を対象にし
たインタビューを実践するための科目。
ゼミナール
② 基礎ゼミナール
(2 単位、必修) 前期に把握した都市の課題と魅力を実際
に観察調査する後期開設科目。
ⅱ) 2 年次
2 年次には、本格的な都市研究の第一歩となる演習を行い、実際に研究対象都市に赴き実
態を把握する。研究対象都市はアジアを中心としたメガシティ・準メガシティとなり、2 年
次後期には留学を行うが、2 年次前期の演習は、そのための準備段階として位置づけられる。
31
具体的には、以下の演習科目を配置する。
① 都市準備研究
(2 単位、必修) 前期に開設される留学準備のための科目。
留学先都市事情を学び、インターンシップ
の準備を行う。
② 国内インターンシップ
(2 単位、選択
海外インターンシップ受け入れ先企業等
必修)
において求められた場合も含め、我が国産
業社会の現実を体感するための、前期に開
設される科目。
③ 海外インターンシップ
(2 単位、選択
後期に開設される研究対象都市現地産業
必修)
社会の現実を体感するための科目。
ⅲ) 3 年次
3 年次には、本格的な都市研究を実践する。研究対象都市の課題や魅力について、実態調
査を行い、そこで収集したデータを分析し、都市の魅力を高めるコンテンツのプロデュー
スや都市の課題に対応したソリューションの開発を考察する。具体的には以下の演習科目
を配置する。
① フィールドワーク
(2 単位、必修) 前期に開設される研究対象都市の課題や
魅力について実態調査する科目。対象都市
は、海外留学を継続している場合には海外
都市、帰国している場合には国内都市を対
象とする。
② ゼミナール
(2 単位、必修) 後期に開設され、前期の実態調査で収集し
たデータに基づき、都市コンテンツのプロ
デュースや都心の課題に対応したソリュ
ーションを考察する科目。
ⅳ) 4 年次
4 年次では、都市創造学部で学んだ知識を能力に転換する最終段階として、
「卒業プロジ
ェクトⅠ」
「卒業プロジェクトⅡ」でプロジェクト活動を行う。このプロジェクト活動では、
実際の都市コンテンツのプロデュースの過程、都市の課題を解決するソリューション提案
の過程を PBL(Project Based Learning)による演習で体験する。なお、都市創造学部で
は、個々の学生の深い考察に対応した「卒業研究Ⅰ」「卒業研究Ⅱ」
、及び社会調査に特化
した演習「社会調査実習Ⅰ」
「社会調査実習Ⅱ」も、4 年次演習科目として開設する。演習
科目は具体的には、以下のとおり配置する。学生は、これらの演習科目から同一演習を 4
単位修得するものとする。
32
① 卒業プロジェクトⅠ
(2 単位、選択) プロデューサー・デザイナーから直接手ほ
② 卒業プロジェクトⅡ
(2 単位、選択) どきを受ける科目。前期(Ⅰ)はプロジェ
クトの準備、後期(Ⅱ)は実施。
③ 卒業研究Ⅰ
(2 単位、選択) 学生自身が設定する研究テーマについて
④ 卒業研究Ⅱ
(2 単位、選択) 深く考察する科目。前期(Ⅰ)は事例研究、
(Ⅱ)は事例研究に基づき卒業論文執筆。
⑤ 社会調査実習Ⅰ
(2 単位、選択) 社会調査における調査企画から実証的な
調査の計画、仮説実証のための質問紙法に
よる調査の実際と報告書作成を学ぶ科目。
前期(Ⅰ)は調査企画・実施・仮説構築、
(Ⅱ)は仮説の実証。
⑥ 社会調査実習Ⅱ
(2 単位、選択) 社会調査における調査企画から実証的な
調査の計画、仮説実証のための質問紙法に
よる調査の実際と報告書作成を学ぶ科目。
前期(Ⅰ)は調査企画・実施・仮説構築、
(Ⅱ)は仮説の実証。
2) 専門基盤科目
専門基盤科目は、都市創造学を学ぶうえでの理論的・実践的根幹を成す科目を配置して
いる。都市社会学科目群、産業社会科目群、ICT スキル科目群という三つの科目群に細分
すると同時に、基本科目・発展科目に分け、段階的な履修を促す。
ⅰ) 都市社会学科目群
都市社会学科目群に配置する科目は、都市を対象にした社会学諸科目を配置している。
基本科目
都市社会学科目群の基本科目は、都市社会学の全体像をつかみ、その狙いを理解するた
めの科目の他、都市の基本特性を学ぶ科目を配置している。都市の個々の住民、家族、都
市全体へと視点を移しながら都市を俯瞰するとともに、21 世紀の都市を捉えるうえで不可
欠な都市の基本問題について考える。具体的には、以下の科目を配置する。なお、配当年
次は 1・2 年次とし、各々2 単位とする。資料8-1
発展科目
都市社会学科目群に配置される発展科目では、都市を巡る今日的な現象やこうした現象を
分析する基本的な視点を論ずる科目を配置している。資料8-2
33
ⅱ) 産業社会科目群
産業社会科目群は、都市の繁栄の基盤となる産業の形成と個別企業の行動を考える科目
を配置し、社会と調和した産業政策や個別企業のあり方を考察する。
基本科目
産業社会科目群基本科目では、企業経営の概論を産業社会と関連づけて解説する。資料
9-1
発展科目
産業社会科目群発展科目では、事業創造やそれを支える人的・経済的・法的基盤を検討
する科目を配置する。資料9-2
ⅲ)
ICT スキル科目群
ICT スキル科目群は、都市創造学を学ぶ学生の情報収集・処理・蓄積・提示に援用する
ICT を使いこなす能力を涵養し、都市を考察する方法としてのビッグデータ解析の基礎を
修得するための科目を配置する他、コンテンツやデザインに応用される CG(コンピュータ
グラフィックス)に関する演習も行う。
基本科目
ICT スキル科目群の基本科目においては、ICT の基礎知識の修得とビッグデータ解析の
基本技術を学ぶ科目を配置するとともに、CG に関する演習を行う。資料10-1
発展科目
ICT スキル科目群の発展科目では、ICT の実践展開スキルを修得し、ビッグデータ解析
の演習を行う科目を配置する。資料10-2
3) 都市創造科目
都市創造科目は、都市創造学の専門基盤科目の知識を都市創造に応用するための科目を
配置した。都市コンテンツプロデュース科目群、都市デザインソリューション科目群とい
う、都市創造学部の二つの履修コースに対応した科目群に細分すると同時に、基本科目・
発展科目に分け、段階的な履修を促す。
ⅰ) 都市コンテンツプロデュース科目群
都市コンテンツ履修コースの学生が、プロデュースを理解し、実践するための科目を配
置する。特に、構想力・ネットワーク力・情報発信力の涵養に配慮した科目配置を行って
いる。
34
基本科目
都市コンテンツプロデュース科目群の基本科目には、コンテンツを活用した都市のプロ
デュースの概観を与える科目の他、構想力・ネットワーク力・情報発信力の基礎に対応す
る科目を配置する。資料11-1
発展科目
都市コンテンツプロデュース科目群の発展科目には、構想力・ネットワーク力・情報発
信力の応用と都市コンテンツの実態理解を促す科目を配置する。資料11-2
ⅱ) 都市デザインソリューション科目群
都市デザイン履修コースの学生が、ソリューション提案を理解し、実践するための科目
を配置する。特に、要求理解力・問題分析力・実行力を涵養することに配慮した。
基本科目
都市デザインソリューション科目群の基本科目には、都市の課題対するソリューション
提案活動を概観する科目の他、要求理解力、問題分析力、実行力の基礎に対応する科目を
配置する。資料12―1
発展科目
都市デザインソリューション科目群の発展科目には、要求理解力・問題分析力・実行力
の高度化と都市の課題の各領域に対する考察を促す科目を配置する。資料12-2
4) 資格関連科目
資格関連科目には、個々の学生が学び掴んだ知識を総合化し、キャリア開発に結びつけ
させるための科目を配置する。
ⅰ) カラーコーディネーター教育科目群
① カラーコーディネーシ (2 単位、選択) 色の性質や色と心理など、色にかかわる幅
広い基礎知識を学ぶ科目。
ョンの基礎
② カラーコーディネーシ (2 単位、選択) カラーコーディネーションの歴史や色彩
ョンの実際
の基本的な考え方を学ぶ科目。
③ カラーコーディネーシ (1 単位、選択) 色にかかわる基礎的な知識を演習する科
ョン演習Ⅰ
目。
④ カラーコーディネーシ (1 単位、選択) カラーコーディネーションの知識を演習
ョン演習Ⅱ
する科目。
35
ⅱ) インテリアコーディネーター教育科目群
① インテリアコーディネ (2 単位、選択) インテリアコーディネーターの役割を歴
ーターの基礎
史的に理解し、その仕事の要素を学ぶ科
目。
② インテリアコーディネ (2 単位、選択) インテリアコーディネーションの方法を
ーターの実際
学ぶ科目。
③ インテリアコーディネ (1 単位、選択) 住まいのインテリアに関する課題につい
ーション演習Ⅰ
て、これを理解・判断し、的確な文章で明
瞭に表現できる能力を養う科目。
④ インテリアコーディネ (1 単位、選択) インテリアの基礎知識をもとに、住まいの
ーション演習Ⅱ
インテリア空間に関する課題について、こ
れを理解・判断し、プレゼンテーションと
して図面等で的確に表現できる能力を養
う科目。
エ
設置の趣旨及び必要性と科目の対応関係
都市創造学部の設置の趣旨及び必要性とカリキュラム(専門教育科目)の対応は以下の
とおりに計画されている。資料13
オ
学部、学科等の特色と科目の対応関係
都市創造学部都市創造学科の特色とカリキュラム(専門教育科目)との対応は以下のと
おり計画されている。なお、アクティブラーニングは前述と同一である。資料14
カ
必修科目・選択科目・自由科目の構成とその理由
(1) 必修科目
都市創造学部では、学生が共通して理解しておくべき知識・スキルを教授する科目とし
て、必修科目を配置する。都市創造学部の学生が共通して理解しておくべき知識・スキル
は、都市創造学部の教育カリキュラム上の必要性から決まる部分とコース制を採用してい
ることから求められる部分に大別される。教育カリキュラム上の必要性は、都市創造学部
の設置の趣旨及び必要性、並びに教育研究上の特色と連動し、以下の項目を考慮する。
1) 都市社会学の観点での都市の考察
設置の趣旨にかかわる「都市社会学の観点での都市の考察」において、学生が身に付け
ておくべき知識は、都市という人間社会の縮図を理解する基本科目である「都市社会学Ⅰ・
Ⅱ」によって与えられる。
「都市社会学」は社会学の一領域であり、社会学全体の中での位
36
置づけを明確にする「都市社会学Ⅰ」と都市社会学固有の領域を深く理解するための「都
市社会学Ⅱ」を必修科目とする。また、社会を分析するために必要なデータは、社会に直
接求めるべきであり、こうした考えから、「社会調査概論」については必修とする。
2) 経営学の観点での考察
設置の趣旨にかかわる「経営学の観点での考察」は、都市という複雑な社会現象を社会
学のみならず、都市の豊かさの基盤となる産業社会の理解を図ることを狙った事項である。
その基本的な科目である「産業社会と企業経営」は、産業社会の発展に伴い企業経営の問
題がどのように変遷してきたか、また、これからどのように変貌していくのかを展望する
科目であり、必修科目とする。
3) アクティブラーニング
設置の趣旨にかかわり、なおかつ都市創造学部都市創造学科の教育カリキュラム上の特
色を構成する「アクティブラーニング」は、1 年次から 3 年次までの演習科目によって教授
する。「オリエンテーション・ゼミナール」
「基礎ゼミナール」「都市準備研究」「フィール
ドワーク」
「ゼミナール」はこうしたアクティブラーニングによって学生に自ら学ぶ姿勢を
形成する科目である。なお、大学という空間から飛び出し、現実の社会を体験しながら学
ぶ科目として「国内インターンシップ」
「海外インターンシップ」を配置しているが、これ
らの 2 科目はいずれか 1 科目以上履修する選択必修としている。
なお、4 年次の演習科目「卒業プロジェクトⅠ・Ⅱ」
「卒業研究Ⅰ・Ⅱ」
「社会調査実習Ⅰ・
Ⅱ」については、これらの中から 4 単位以上を同一の「Ⅰ・Ⅱ」で修得する選択必修とす
る。
4) アジア諸都市の考察
設置の必要性にかかわる「アジア諸都市の考察」に対応して学生が身に付けておくべき
知識は、アジア諸都市の事情を解説する全学共通科目に配置されている「アジアを知る 12
章」で教授する。また、アクティブラーニングの手法によって都市を研究する「都市準備
研究」
「ゼミナール」によっても知識を獲得することができ、これらを必修とする。
5) メガシティの考察
設置の必要性にかかわる「メガシティの考察」について学生が身に付けておくべき知識
は、メガシティの社会構造を分析する「メガシティ論」を、都市社会学科目区分に配置し
ているが、これは必修科目としていない。必修科目「フィールドワーク」は、留学先や国
内でのメガシティ・準メガシティを対象としており、授業科目としての「メガシティ論」
以外においても十分に「メガシティ」の考察は可能であると考えている。また、
「メガシテ
ィ論」の基礎となる議論については、必修科目の「都市社会学Ⅱ」において取り扱う。
37
6) 地方都市再生
設置の必要性にかかわる「地方都市再生」に関して学生が身に付けておくべき知識は、
地域という観点から街づくりを考える「地域コミュニティ論」「地域社会と行政」によって
授ける。また、都市コンテンツの観点で「地域コンテンツプロデュース論」を配置してい
る。都市の衰退はコミュニティの衰退を意味し、その再生にはコミュニティの再生が不可
欠となる。また、コミュニティの維持に対しては行政の果たす役割も大きい。さらに、地
域を再生する核としての地域コンテンツを如何に社会に訴えかけていくかも重要な視点で
ある。こうした観点から、当該科目を配置するが、これらは必ずしもすべての学生が専門
として志向する学習ではなく、必修科目とはしない。なお、
「地方都市再生」の基礎的な議
論は、
「都市社会学Ⅱ」において取り扱う。
7) イノベーター教育
都市創造学部では、既存の都市工学や建築工学等で生み出された知見を概観できるよう
に配慮し、経営学的・都市社会学的な都市の実態の理解と結びつけ、都市の活気と心地よ
さをもたらす未来都市のビジョンを打ち立てる「イノベーター教育」を一つの趣旨として
いる。経営学・都市社会学の観点で見出した都市の魅力や課題について、工学的な知見と
の新結合を構想するイノベーターとして、都市の魅力を高め、都市の課題を解決すること
を推進する人材の輩出を企図している。こうした能力を涵養するために配置した科目につ
いては、選択科目として随所に配置しているが、都市の魅力や課題を探索する過程につい
ては、ビッグデータを活用した探索を意識させる。そこで、都市創造学部では、
「ビッグデ
ータ活用概論」を必修とし、全学生にビッグデータの見る目を養うことに努める。
8) コース制
都市創造学部の特色である二つのコースは、相互補完的な関係にあり、必ずしも独立し
た学科としてカリキュラムを編成することが最適ではないものと考える。したがって、各
コースに適した授業科目を配置はするものの、各コース独自の必修科目は設定しない。
9)
学部共通教育
都市創造学部には二つのコースを設置するが、これらのコースは学習指針としてのコー
スであり、別個のカリキュラムを有するものではない。しかしながら、各コースを履修す
る学生にとっては、この学習指針によって他のコースへの興味や関心を減退させる危険が
ある。そこで、各コースの概要を教授する、
「都市プロデュース論」「都市ソリューション
論」を必修科目として取り扱うことで、都市創造学部の特色である「学部共通教育」に対
応する。
38
10) 実践性と実務家教員
都市創造学部では、都市の魅力と課題を、経営学及び都市社会学の観点で考察する。こ
うした学修のために「専門基盤科目」において、経営学及び都市社会学の基本を身につけ
させるが、考察対象となる都市の魅力や課題は流動的なものであることも否めない。した
がって、理論的な基盤を確固としたものにすると同時に、現在、都市の魅力や課題がどの
ような状況になっているのかを知る必要もある。また、流動的な対象を考察する場合には、
理論の構築と同時に、実践から学ぶ部分も大きい。都市創造学部では、このような実践的
な教育を担う教員を産業界から招聘し、学生に対して理論が現実社会でどのように応用さ
れているのかを解説するとともに、実際の都市の魅力や課題がどのように変化しているの
かを認識させる。実務家教員が担当する科目は多数配置しているが、特に、二つのコース
の全体像を与え、学生への動機づけを高める科目である、「都市プロデュース論」と「都市
ソリューション論」については、学部の必修科目として指定している。
11) 留学と語学教育
都市創造学部では、アジアを中心としたメガシティ・準メガシティへの深い洞察を学生
に行わせるため、実際に研究対象都市に留学することを必須としている。留学においては、
英語及び留学先公用語学習とインターンシップによって学修させる。また、留学先大学で
設定されている条件(例 TOEFL®530~550 点程度)を満たした学生は、受け入れ大学がそ
の正規生のために開設している英語で教授される授業科目を受講する。
インターンシップについては、
「海外インターンシップ」を配置し、留学先都市の産業社
会を理解し、海外事業の現実を体験的に理解させる。なお、インターンシップについては、
「国内インターンシップ」も配置し、これらのインターンシップ科目のうちから 1 科目以
上を選択必修とする。
このインターンシップを有効なものとするために、英語及び留学先公用語の学習を行う。
インターンシップは在外日系企業を計画しているが、組織内での公用語は英語である場合
が多く、英語学習は欠かせない。また、現地従業員の文化を理解するうえでは、留学先公
用語の学習も必要となる。英語学習については、
「英語Ⅰ・Ⅱ(各 2 単位)
」及び「総合英
語Ⅰ・Ⅱ(各 1 単位)
」を必修とし(合計 6 単位)、その他に 6 単位を、
「英語コミュニケー
ションⅠ~Ⅳ(各 1 単位)
」
、
「放送英語Ⅰ・Ⅱ(各 1 単位)
」から選択必修とし、合計 12 単
位を学ぶ。留学先公用語については、英語以外の外国語として学習する(「外国語初級Ⅰ~
Ⅳ」
「外国語中級Ⅰ~Ⅳ」
(各 1 単位、合計 8 単位))。ただし、英語以外の外国語は留学先
都市によって異なるため選択必修科目となる。なお、英語公用語圏に留学する場合には、
英語以外の外国語科目の代わりに、さらに英語科目を履修することとする。この場合の対
象科目は、上に挙げた「英語コミュニケーションⅠ~Ⅳ」、「放送英語Ⅰ・Ⅱ」に加えて、
英語で教授される「海外語学実習Ⅰ~Ⅳ(各 1 単位)
」
「Global Studies(2 単位)」
「American
Issues(2 単位)
」も対象とする。
39
語学教育以外で、留学先都市を含めたアジア各国の事情を理解しておくことは、留学先
都市を相対化し比較研究するうえでも役立つことから、全学共通科目である「アジアを知
る 12 章」を必修科目としている。さらに、実際の留学先都市についての詳細な情報を与え、
留学に関するさまざまなノウハウを獲得させるために、
「都市準備研究」を必修科目として
いる。留学先都市では、海外で働くことへの意識を形成する「海外インターンシップ(国
内インターンシップとの選択必修)
」を配置し、留学の意義を高めている。
なお、留学期間(2 年次後期)中の単位修得は、次のとおり考えている。すなわち、英語
科目の選択必修のうち 2 単位分を留学先大学の英語学習成果(成績)によって認定し、同
様に選択必修となる「外国語中級Ⅱ・Ⅳ」
(各 1 単位)も、留学先大学での英語以外の外国
語学習成果(成績)によって認定する。単位の認定にあたっては授業時間数と授業内容を
シラバスで確認する。上記 4 単位を超えて学習成果のある場合には、英語については該当
する英語選択必修対象科目によって認定し、留学先公用語(米国に留学する場合には英語)
については「海外語学実習Ⅰ~Ⅳ」
(各 1 単位)によって認定する。選択必修科目である「海
外インターンシップ」
(2 単位)については、すでに述べたとおり、都市創造学部専任教員
を留学先各都市に配置し指導を行い修得させる。これらの学習により、おおむね留学期間
中には 10 単位(英語選択必修分 2 単位、英語以外の外国語選択必修分 2 単位、
「海外語学
実習Ⅰ~Ⅳ」4 単位、
「海外インターンシップ」2 単位)が修得可能となる。さらに、英語
あるいは留学先公用語の能力の高い学生が留学先大学開設正規授業科目を受講し、成績を
取得した場合、授業時間数、授業内容、成績に応じて、都市創造学部開設科目の相当する
単位を認定することが可能であり、
その場合には 10 単位を超えた修得が可能である。
なお、
亜細亜大学学則第 38 条 2 により、
「海外インターンシップ(本学開設科目)
」を除く外国の
大学においての授業科目の単位認定は 40 単位までとなる。
キ 履修順序(配当年次)の考え方等
(1) 履修順序と配当年次
都市創造学部の専門教育科目のうち、都市創造科目と専門基盤科目は、基本科目と発展
科目に区分し、履修の順次性に配慮している。基本科目は 1・2 年次に配当し、発展科目は
3・4 年次に配当する。原則的に基本科目については、2 年次前期までに履修を終えるよう
に指導し、留学前に、都市創造学の基本を押さえることとする。
留学期間中(2 年次後期)は、主として語学教育を留学先大学で受講し、全学共通科目に
配置する外国語科目によって単位認定する。単位認定方法については、別途説明する。
帰国した 3 年次前期には、専門基盤科目、都市創造科目の発展科目の履修を開始する。
ここで注意を要することは、4 年次の演習科目である。
「卒業プロジェクトⅠ・Ⅱ」
「卒業研
究Ⅰ・Ⅱ」
「社会調査実習Ⅰ・Ⅱ」を履修する時点では、演習に必要となるスキル、すなわ
ち ICT スキル科目で涵養するスキルについてはおおむね修得済みであることが求められる
40
点である。したがって、これらの科目区分に配置される科目は、極力 3 年次後期までに修
得するよう指導する(ただし、3 年次前期に留学を継続した場合には、演習科目を履修しな
がらの修得となる)
。
ただし、3・4 年次生が基本科目を履修することや 4 年次生が ICT スキル科目を履修する
ことは、状況に応じて可とし、学部全体のガイダンスや 4 年次演習科目「卒業プロジェク
トⅠ」「卒業研究Ⅰ」「社会調査実習Ⅰ」の担当者により、必要な科目の履修に留めるよう
指導する。
全学共通科目については、必修科目である「アジアを知る 12 章」について、2 年次前期
までに修得すべきものとする。これは、留学前の準備科目として、同科目を位置づけてい
るためである。その他の全学共通科目については、4 年次卒業までに、設置されている 6 領
域、すなわち「言語と世界」
「表現と芸術」
「人間と社会」
「こころとからだ」
「情報と自然・
環境」
「人生と進路」から、幅広く履修するよう指導する。特に、都市社会学を専門教育の
基盤としていることから、全学共通科目として配置されている「社会学Ⅰ・Ⅱ」について
は、履修を明確に指導する。また、都市に住む人々の心理への関心も喚起するため、
「社会
心理学」等の科目を配置していることから、
「心理学Ⅰ・Ⅱ」の履修も同様に指導する。な
お、必修科目である「アジアを知る 12 章」については、「言語と世界」領域に配置されて
いる。残る「表現と芸術」
「人間と社会」「こころとからだ」「情報と自然・環境」「人生と
進路」は、学生の研究志向や大学生としてのさまざまな関心に応じて選択をすることにな
る。なお、英語及び外国語科目については、1 年次前期から順次履修し、2 年次後期までに
所定の単位数の修得を想定しているが、英語については、4 年次まで選択必修科目に設定さ
れている科目の履修を継続可能である。
なお、選択科目間の履修順序は、想定していない。
(2) 必修科目再履修者への対応
都市創造学部専門教育科目の必修科目は、以下のとおりである。なお、全学共通科目の
必修科目である「アジアを知る 12 章」については、2 年次前期までに修得するように指導
する。専門教育科目の必修講義科目についても同様に、配当年次(1 年次)で修得できない
場合には、2 年次以降の修得でも可とするが、後の履修に影響を与えるため、できるだけ早
期に修得することが望ましい。そこで、専門教育科目必修講義科目については、配当年次・
学期に不合格となった場合、次の学期に再び履修できるように再履修クラスを設ける。必
修の演習科目については、1 年次に配当されている「オリエンテーション・ゼミナール」
「基
礎ゼミナール」において必修講義科目同様に後続の学期に再履修クラスを設ける。2 年次配
当の「都市準備研究」は、2 年次後期に留学するため、帰国後、3 年次前期での再履修とな
る。3 年次配当の「フィールドワーク」
「ゼミナール」については、各々4 年次での再履修
とする。なお、4 年次配当の選択必修の演習科目、
「卒業プロジェクトⅠ・Ⅱ」
「卒業研究Ⅰ・
Ⅱ」
「社会調査実習Ⅰ・Ⅱ」については、いずれかが不合格の場合、留年して再履修するこ
41
ととなる。
科目区分
必修科目
配当年次・学期
オリエンテーション・ゼミナール
1前
基礎ゼミナール
1後
2前
演 習 科 目 都市準備研究
フィールドワーク
3前
ゼミナール
3後
都市社会学Ⅰ
1前
都市社会学Ⅱ
1後
専 門 基 盤 科 目 社会調査概論
1前
都市創造科目
産業社会と企業経営
1後
ビッグデータ活用概論
1後
都市プロデュース論
1前
都市ソリューション論
1前
学年の始期を 4 月以外に設定する場合(年複数回学生を受け入れる場合)の教育課程
ク
の体系的編成
都市創造学部の学年始期は、毎年 4 月 1 日を基本とし、新入学生は当初はすべて 4 月入
学とする。ただし、海外からの 3 年次編入留学生、交換留学生を受け入れる場合、9 月を始
期とすることが求められるものと予想している。交換留学生の場合、学位取得を目的とし
ていないため、特別な配慮は要しない。対応が求められる対象は、学位取得を目的として 9
月に編入学する学生であると考える。編入学生の場合、入学前の単位取得状況とそれらの
都市創造学部での認定の状況により、対応は個々に異なる。ただし、基本的な問題は、履
修順序が定まっている演習科目と専門基盤科目・都市創造科目の必修科目の履修において
共通する。
演習科目においては、
「オリエンテーション・ゼミナール」「基礎ゼミナール」「都市準備
研究」
「フィールドワーク」
「ゼミナール」の順序で履修していくものとしている。4 月入学
生の 3 年次後期に相当する 9 月に編入学した時点で、これらの演習科目の単位を認定でき
ない場合、まず、「オリエンテーション・ゼミナール」から順次履修していくことになる。
4 月入学生の場合には 1 年次前期に「オリエンテーション・ゼミナール」を開講するため、
9 月編入学生がこれを履修するために別途クラスを設置することが必要となる。同様に他の
演習科目についても、常に 9 月編入学生の別クラスを設けることが必要となるが、その場
合、日本人学生と演習科目をともに学ぶことが無く、相互の交流を図ることができない。
これは、編入学生にとっても、また、日本人学生にとっても互いの文化を知る貴重な機会
の損失になる。ただし、1 年次の演習科目は、大学で学ぶ姿勢を形成し、都市創造学への興
味をもたせることを目的としている。編入留学生は、すでに大学 1・2 年次の課程を終えて
42
都市創造学部に入学することから、大学での学ぶ姿勢については形成されているものと考
えられる。また、入学前には、都市創造学部への編入留学のための説明会を開催すること
を予定しており、そうした場で、都市創造学への興味を喚起することはある程度できてい
るものと推測される。したがって、3 年次編入留学生にとって、1 年次配当の「オリエンテ
ーション・ゼミナール」
「基礎ゼミナール」に残された課題は、
「オリエンテーション・ゼ
ミナール」でのインタビューによる都市の課題や魅力の把握と「基礎ゼミナール」におけ
る研究過程の体験となる。4 月入学生の場合、
「オリエンテーション・ゼミナール」では大
学及び都市創造学部での学びを理解させるプロセスを経て、インタビューを実践すること
になり、セメスター中盤での実施を想定している。そこで、このインタビュー実践を入学
直後のセメスターの早い段階で実施し、都市の課題や魅力の把握を先行させる。その後は、
インタビューの記事化を丁寧に指導することになる。入学直後のセメスターの早い段階で
都市の課題や魅力を把握させることで、4 月入学生と一緒に同じセメスターで並行して「基
礎ゼミナール」を履修させることが可能となる。その後は、
「都市準備研究」
「ゼミナール」
と進むが、「フィールドワーク」については、
「都市準備研究」履修後の夏季休暇に実施す
ることとし、選択必修となっている「海外インターンシップ」又は「国内インターンシッ
プ」は、対象が海外へ留学する学生であるため、外国人留学生には「国内インターンシッ
プ」に限定する(アジアの都市への留学は求めない)。選択必修科目である「卒業プロジェ
クトⅠ・Ⅱ」
「卒業研究Ⅰ・Ⅱ」
「社会調査実習Ⅰ・Ⅱ」については、いずれか同一の「Ⅰ・
Ⅱ」をこの順序で履修しなければならないが、「ゼミナール」修得後にこれらを選択する場
合、卒業まで 1 学期を残すのみとなり、いずれも「Ⅱ」の履修ができない。そこで編入留
学生の選択肢は狭くなるが、
「卒業研究Ⅰ・Ⅱ」のみを選択対象とし(実質、必修化)
、「ゼ
ミナール」を履修しながら「卒業研究Ⅰ」を履修し、最後の学期に「卒業研究Ⅱ」を履修
する。この場合、編入留学生用の「卒業研究Ⅰ・Ⅱ」を設定する必要があるものの、
「卒業
研究Ⅰ・Ⅱ」は完全に個人研究であるため、日本人学生と留学生の相互作用は元々少なく、
交流機会の損失は小さいものとなる。
「卒業プロジェクトⅠ・Ⅱ」「社会調査実習Ⅰ・Ⅱ」
の場合、共同作業が大きなウェイトを占めることから、編入留学生用のクラスを編成する
ことにより、実施は可能となるが編入留学生に閉じた活動となり、効果が損なわれる危険
も伴う。そこで、編入留学生については「卒業研究Ⅰ・Ⅱ」に限定して演習を行った方が
効果的であると考える。この結果、編入留学生は「ゼミナール」と「卒業研究Ⅰ」を並行
的に履修することになる。前者は先行する「フィールドワーク」の結果をまとめ考察し、
後者は続く「卒業研究Ⅱ」の前提となる事例研究を行うことが主たる内容となる。したが
って、1 年次の「オリエンテーション・ゼミナール」
「基礎ゼミナール」とは異なり、
「ゼミ
ナール」と「卒業研究Ⅰ」の並行履修は困難が大きいとものと考えられる。そこで「卒業
研究Ⅰ」については、春季休暇期間(及び授業期間中の日曜日)に、1 日 3 時限 5 日で集中
的に実施し事例研究を指導する。休暇明けの 4 月からは「卒業研究Ⅱ」を履修し、実際の
研究と論文作成にあたる。9 月編入留学生は、研究志向に応じて「卒業研究Ⅰ・Ⅱ」の担当
43
者を選択する。
講義科目の必修科目(全学共通科目に配当されている「アジアを知る 12 章」を除く)に
ついては、1 年次前期に専門基盤科目に配置されている「都市社会学Ⅰ」
「社会調査概論」、
都市創造科目に配置されている「都市プロデュース論」
「都市デザイン論」を履修すること
となっている。1 年次後期には「都市社会学Ⅱ」
「産業社会と企業経営」
「ビッグデータ活用
概論」を履修する。
編入留学生の場合には後期に入学するため、後期の「都市社会学Ⅱ」
「産業社会と企業経
営」は履修可能であるが、前期開設科目については、ただちに履修することはできない。
ただし、
「都市社会学Ⅰ・Ⅱ」については、順序性は必ずしもなく、前者は社会学全体にお
ける都市社会学の位置づけを理解するための科目であり、後者は都市社会学固有の領域を
深く理解するための科目であることから、これを逆転して、あるいは並行して受講するこ
とは可能であると考える。そこで、対応が必要となる「社会調査概論」「ビッグデータ活用
概論」「都市プロデュース論」「都市ソリューション論」については、後期にクラスを増設
して対応する。
なお、9 月編入留学生へのこうした特別な対応を行う場合にも、学問分野の異なる学部か
ら入学する場合、修得すべき単位数はなお多く残されているものと想定される。そのため、
履修上限単位数は通常の学生においては年間 48 単位としているが、これを緩和し、50 単位
までとする。ただし、この場合でも学習時間には一定の限界があるため、編入留学生にお
いては、夏季休暇期間などの長期休暇期間に開設される集中講義も活用し、過度の負担と
ならないように学習指導し、対応する計画である。また、外国人留学生の場合には、日本
人学生に求める海外留学は必ずしも求めないこととするが、本人が希望する場合、卒業ま
での修学期間が延長される可能性もあることを説明したうえで、これを認める。
これらをまとめると以下のとおりとなる。なお、専門基盤科目に配置されている必修科
目の単位は、認定しない場合を記載している。また、亜細亜大学学則第 10 条において、学
年の始期を 4 月 1 日、終期を 3 月 31 日とし、同第 11 条において、前期始業は 4 月 1 日、
前期終業は 9 月 20 日、後期始業は 9 月 21 日、後期終業は 3 月 31 日としている。また、
同第 37 条 7 において、編入学の時期を学年の始め又は後期としている。したがって、編入
留学生の学年の始期は 9 月 21 日、終期は 9 月 20 日となり、1 年間が確保される。
学
年
次
9 月入学生
セメスター
演習科目
専門基盤科目
必修科目
3 年次
後期
第 5 セメス
ター
オリエンテー
ション・ゼミナ
ール(編入生ク
ラス)
基礎ゼミナー
ル
都市社会学Ⅱ
産業社会と企
業経営
ビッグデータ
活用概論(後期
春季休暇
4 年次
前期
第 6 セメスタ
ー
都市準備研
究
夏季休暇
フィールド
ワーク
国内インタ
ーンシップ
都市社会学Ⅰ
社会調査概論
44
後期
第 7 セメスタ
ー
ゼミナール
春季休暇
卒業研究Ⅰ
(編入生ク
ラス)
前期
第 8 セメス
ター
卒業研究Ⅱ
(編入生クラ
ス)
増設)
都市創造科目
必修科目
都市プロデュ
ース論(後期増
設)
都市ソリュー
ション論(後期
増設)
専門選択科目
(専門基盤・都
市創造)
集中講義
「造形スキ
ル」
集中講義
「オフィス
スキル」
集中講義
「造形スキ
ル」
(1) 入学時期による定員設定
9 月入学生は、3 年次に編入学する外国人留学生が対象となる。3 年次編入学生の入学定
員は 10 名を計画しているが、これは 4 月(外国人留学生、日本人学生)及び 9 月(外国人
留学生)に 3 年次編入学する学生の合計である。定員が少ないこともあり、9 月編入学生と
4 月編入学生の人数を確定することはせず、合計 10 名として募集する。なお、3 年次編入
学生には日本人学生も対象とするが(4 月入学)
、これについては若干名として募集する。
(2) 教員の負担
9 月入学 3 年次編入学受け入れ対象者としては、都市創造学部からの留学生を受け入れる
アジア 6 都市(中国(大連、上海)、韓国(釜山)、インドネシア(ジャカルタ)、タイ(バンコク)、
ベトナム(ハノイ))の学生を想定している。編入学生には、授業を受講できる水準の日本語
能力が求められ、また、単位認定との関係では、社会学あるいは経営学系統の学修をして
いる者(ただし、専攻がこれらの系統とは異なる学問分野であることもあり得る。例えば、
日本語を専攻としながら社会科学分野を学修している場合等)に限定される。したがって、
対象学生は多くはないものと想定されるため、3 年次編入学定員を合計(4 月入学、9 月入
学)10 名で計画する。したがって、教員の量的な負担は大きくはならない。
年複数回の学生受け入れ(4 月新入学生、9 月編入学生)に伴う教員の負担は、9 月編入
学生用の演習科目「オリエンテーション・ゼミナール」「卒業研究Ⅰ・Ⅱ」
、及びクラス増
設する「ビッグデータ活用概論」
「都市プロデュース論」「都市ソリューション論」の担当
者において発生する。ただし、講義科目については、元来必修科目の性格上、再履修クラ
スを設ける必要もあることから、9 月編入学生用のクラスは設けない。上記必修 3 科目に加
え、
「都市社会学Ⅰ・Ⅱ」
「産業社会と企業経営」についても、9 月編入学生の有無にかかわ
らず、前期・後期に 1 クラスを設置する予定である。これにより、再履修者が発生しても、
おおむね 2 年次後期の留学前に必修科目を修得済みと見込んでいる。したがって、講義科
目においては、担当者の特段の負担増にはならないと考えている。
「オリエンテーション・ゼミナール」については、13 名の担当者のうち 1 名を 9 月編入
学生用クラスに、さらに 1 名を 4 月編入学のクラスに配置するため(それぞれ再履修者も
45
、4 月新入学生用クラス担当者が 2 名減となる。その分の担当学生数は若干増加
収容する)
するが、負担は管理可能な範囲にあると考える。
「卒業研究Ⅰ・Ⅱ」については、9 月編入
学生の研究志向にも配慮するため、特定担当者を配置することはできない。9 月編入学生が
希望する「卒業研究Ⅰ・Ⅱ」担当者は、追加的に担当授業コマ数が増加するが、増加する
授業コマ数は通年換算で 1 コマとなる。
「卒業研究Ⅰ・Ⅱ」の担当者の都市創造学部開設科
目の平均担当授業コマ数は約 3.8 コマであることから 1 コマ増となった場合でも 4.8 コマで
あり、管理可能な範囲にあると考える。なお、「教員の氏名等」一覧においては、9 月編入
学生が希望する「卒業研究Ⅰ・Ⅱ」担当者を特定できないため、
「卒業研究Ⅰ・Ⅱ」の年間
開講数は各々「1」としている。
(3) 授業科目の時間割表
年複数回の学生受け入れ(4 月新入学生、9 月編入学生)を想定した場合、授業時間割に
おいては、「オリエンテーション・ゼミナール」「卒業研究Ⅰ・Ⅱ」が、前期・後期に開設
され、9 月編入留学生は同セメスターに「オリエンテーション・ゼミナール」と「基礎ゼミ
ナール」
、「ゼミナール」と「卒業研究Ⅰ」を履修することになる。そのため、これらの演
習科目が重複した曜日・時限に開設されないための配慮を要する。また、必修科目の開設
曜日・時限との関係も考慮しなければならない。これらを考慮した授業時間割表を別に提
示する。資料15
⑤
教員組織の編成の考え方及び特色
都市創造学部都市創造学科の入学定員は 145 名(別途 3 年次編入学定員 10 名)、収容定
員 600 名を計画している。学位の種類は経済学関係(経営学を含む)及び社会学・社会福
祉学関係(都市社会学を含む)に属するものであり、大学設置基準別表第一によれば、収
容定員 600 名に対して必要となる専任教員数は 14 名以上と定められている。また、大学全
体の収容定員についても 600 名増加するため、これにかかわる専任教員数は、同基準別表
第二によれば、5 名(600×3 名÷400 名=4.5 名、四捨五入)増員となるが、亜細亜大学にお
いてはすでにこれを充足する人数の教員を擁している。
亜細亜大学においては、別表第一により定められる専任教員を専門教育を主として担当
する教員として配置し、別表第二により定められる専任教員を全学共通教育を主として担
当する教員として配置している。前述のとおり、収容定員増加に対応した別表第二の定め
る人数の教員を、亜細亜大学ではすでに擁していることから、都市創造学部の専任教員組
織は専門教育を主として担当する別表第一の定める教員によって構成される。したがって、
ここでは、別表第一に基づき配置される主として専門教育を担当する専任教員の組織編成
について説明する。
46
ア
設置の趣旨、特色、教育課程を踏まえた教員配置の考え方
都市創造学部の設置の趣旨及び必要性、特色を再度提示すれば以下のとおりとなる。
【趣旨】
社会学(都市社会学)の観点での都市の考察
経営学の観点での都市の考察
アクティブラーニング
【必要性】
アジア諸都市の考察
メガシティの考察
地方都市再生
イノベーター教育
【特色】
コース制
学部共通教育
実践性と実務家教員
アクティブラーニング
留学と語学教育
これらの事項を踏まえた場合、専任教員組織には以下の事柄が要請される。

社会学、特に、都市社会学を専門とする教員の配置

社会科学、特に、経営学を専門とする教員の配置(経済学、法学、国際関係論等に
ついては、全学共通科目として開設しているため)

アジアの諸都市について洞察を行っている教員の配置

メガシティ及び地方都市について洞察を行っている教員の配置

イノベーションの視点をもつ教員の配置

都市コンテンツ・都市デザインに関する実務家教員の配置

外国人教員の配置(留学や語学教育に資する目的)
同時に各教員に対しては、アクティブラーニング及び高大連携の実践に参画することが
求められる。
イ
研究対象学問分野に関する教員配置の計画
都市創造学部が極めようとする学問分野は、人々の活気や心地よさを都市という人間社
会の実態の中で知るとともに、こうした活気や心地よさのプロデュースや、実現に向けた
課題に対するソリューションの提案を目指す新たな学科領域である。都市創造学部では、
こうした学部の目指す学問分野の目的を実現するため、都市社会学、経営学、建築学とい
った個別の学問分野の知見を踏まえた総合的な能力を有する人材を教員として配置し、都
市のビジョンの創造を目指す。特に、実際の都市コンテンツのプロデュース活動や都市デ
47
ザインのソリューション活動を通じて培われた実践的な能力を豊富に有する実務家教員を
中核的な人材として配置し、理論と実践を架橋する専任教員組織を編成するものである。
ウ 教育課程における中核的な科目、必修科目に関する教員配置の計画
教育課程の中核をなす授業科目は、いうまでもなく必修科目となる。必修科目について
は、原則、専任教員を配置する。都市創造学部における必修科目は、次のとおりである(全
学共通科目を除く)
。
講義科目
演習科目
都市社会学Ⅰ・Ⅱ、社会調査概論、産業社会と企業経営、ビッグデータ活用
概論、都市プロデュース論、都市ソリューション論
オリエンテーション・ゼミナール、基礎ゼミナール、都市準備研究、フィー
ルドワーク、ゼミナール
これらの必修科目には、専任教員を配置する。ただし、演習科目のうち、
「都市準備研究」
は専任教員が担当しながら、都市の実態や留学の手引きなどについてゲストスピーカーを
招聘した授業を展開する。ゲストスピーカーは、留学に関する知識をもつ本学国際交流セ
ンター職員やインターンシップ事前研修でのビジネスマナー等の知識を有する本学キャリ
アセンター職員、都市の課題や魅力に関して話題を提供する都市研究者に依頼する。
「ゼミ
ナール」については、学生のフィールドワーク対象となった都市(国内・海外)の専門家
をゲストアドバイザーとして招聘する。ゲストアドバイザーは、都市の新しい状況を熟知
する人材に、学生の研究の進行上の要所において、都市の課題や魅力という観点から助言
を与える役割を担う。専任教員の専門性での研究指導とゲストアドバイザーの都市での経
験知識によって、学生のフィールドワークデータの活用を有効化しようとするものである。
都市の専門家は、株式会社日経 BP との連携、インターンシップ協賛企業の連携により派遣
を受ける。なお、選択必修科目の演習科目(「卒業プロジェクトⅠ」「卒業プロジェクトⅡ」
「卒業研究Ⅰ」「卒業研究Ⅱ」「社会調査実習Ⅰ」
「社会調査実習Ⅱ」
)についても、原則、
専任教員を配置する。
教員教育課程の中核をなす授業科目は、いうまでもなく必修科目となる。必修科目につ
いては、原則、専任教員を配置する。都市創造学部における必修科目は、次のとおりであ
る(全学共通科目を除く)
。
講義科目
演習科目
都市社会学Ⅰ・Ⅱ、社会調査概論、産業社会と企業経営、ビッグデータ活用
概論、都市プロデュース論、都市ソリューション論
オリエンテーション・ゼミナール、基礎ゼミナール、都市準備研究、フィー
ルドワーク、ゼミナール
これらの必修科目には、専任教員を配置する。ただし、演習科目のうち、
「都市準備研究」
は専任教員が担当しながら、都市の実態や留学の手引きなどについてゲストスピーカーを
招聘した授業を展開する。ゲストスピーカーは、留学に関する知識をもつ本学国際交流セ
ンター職員やインターンシップ事前研修でのビジネスマナー等の知識を有する本学キャリ
48
「ゼミ
アセンター職員、都市の課題や魅力に関して話題を提供する都市研究者に依頼する。
ナール」については、学生のフィールドワーク対象となった都市(国内・海外)の専門家
をゲストアドバイザーとして招聘する。ゲストアドバイザーは、都市の新しい状況を熟知
する人材に、学生の研究の進行上の要所において、都市の課題や魅力という観点から助言
を与える役割を担う。専任教員の専門性での研究指導とゲストアドバイザーの都市での経
験知識によって、学生のフィールドワークデータの活用を有効化しようとするものである。
都市の専門家は、株式会社日経 BP との連携、インターンシップ協賛企業の連携により派遣
を受ける。なお、選択必修科目の演習科目(「卒業プロジェクトⅠ」「卒業プロジェクトⅡ」
「卒業研究Ⅰ」「卒業研究Ⅱ」「社会調査実習Ⅰ」
「社会調査実習Ⅱ」
)についても、原則、
専任教員を配置する。
エ
教員の担当科目数の考え方
亜細亜大学においては、特任教員、助教、客員教員等を除く専任教員については、週 12
時間(2 時間×6 科目)を基本としている。現実にはさまざまな理由からこれを上回る、あ
るいは下回ることもあるが、特殊な要因(大学院担当等)による例外を除けば、最低週 6
時間から最高週 20 時間の範囲に分布している。
オ
実務家教員の配置と効果
都市創造学部の一つの特色は実践性と実務家教員にある。実践性を特色とする理由は、
都市の魅力や課題という都市創造学部の考察対象が流動的であることに由来する。都市創
造学部は経営学及び都市社会学を中心となる学問分野として理論的な基盤を与える。これ
らを応用して都市の魅力や課題を考察するが、考察対象が流動的であるため、理論構築の
努力に注力すると同時に、実践の中から考察対象を理解することも有効であると考える。
また、流動的な都市の魅力や課題の「今」を認識させる。都市創造学部では、第一線に居
る実務家専任教員を多数配置し、都市の魅力の現実のプロデュースや都市の課題の実際的
なソリューション提案活動について、直接手ほどきを受ける。また、兼任講師においても、
大学教員に求められる資格を考慮したうえで実務家教員を多数招聘し、各科目において、
現実の都市の魅力や課題を認識させる。
カ
研究機能を確保する教員配置の計画
都市創造学部が教育研究対象とする中心的学問分野は、都市という富を生み出し人々が
生活する場の実態を捉えるための経営学及び都市社会学である。方法的には、ICT を駆使
して収集されるビッグデータを対象に統計学的な知識に基づき分析していくため、統計学、
ICT スキル、ビッグデータアナリシスの各学問領域も関連してくる。したがって、都市創
造学部における研究機能を確保するためには、経営学、社会学、統計学、ICT スキル、ビ
ッグデータアナリシスを専門とする教員を配置する必要がある。ただし、統計学、ICT ス
49
キル、ビッグデータアナリシスについては、経営学、社会学の研究を遂行するための手法
であり、これら自体を研究対象とする側面は強くない。そこで、都市創造学部においては、
統計的な実証分析、ICT を活用した情報収集、ビッグデータアナリシスを用いた考察を、
経営学研究、社会学研究において行っている研究者を配置するとともに、実務的に都市コ
ンテンツのプロデュース、都市デザインのソリューションに携わる人材を配置し、これら
の研究者と実務家の連携により、都市創造学の深耕を図る。こうした基本計画に基づき編
成する都市創造学部の教員組織を構成する専任教員 20 名の専門分野は、以下のとおりの配
置となっている。
都市デザイン
( 実 務 家 )
都市コンテンツ
( 実 務 家 )
ビッグデータ
ア ナ リ シ ス
I C T 活 用
情 報 収 集
キ
統計的実証分析
教授
赤羽裕
教授
有末賢
教授
安登利幸
教授
伊藤善夫
教授
岡村久和
教授
木嶋豊
教授
後藤康浩
教授
齋藤昭宏
教授
鈴木信幸
教授
張相秀
教授
林聖子
教授
范云涛
教授
松岡拓公雄
教授(特任)
森祐治
准教授
新井健一郎
准教授
三好出
准教授
渡邊貴士
講師
石田幸生
講師
平安山英成
助教
高玲
人数
社会学(都市社会
学 含 む )
氏名
経
営
学
(経済学含む)
職位
専門分野等
〇
〇
〇
〇
〇
〇
〇
〇
〇
〇
〇
〇
〇
〇
〇
〇
〇
〇
〇
〇
〇
〇
〇
〇
〇
〇
〇
〇
〇
〇
7
〇
〇
〇
〇
14
4
2
1
3
中心となる研究分野と研究体制
都市創造学部における研究活動の基盤は、経営学と都市社会学にある。これらの基盤的
な学問分野の深耕も重要な要素であるが、都市創造学部ではこれらの基盤的な知識を、都
市の魅力を創り出すコンテンツのプロデュースや都市デザインの実現に向けた課題を解決
するソリューションの提案へ応用することに重点を置く。したがって、研究の内容は、極
50
3
めて実際的なものとなり、産業界や自治体等との連携を要するものとなる。そこで都市創
造学部は、大学内に閉じない開放的な学会組織を設立し、産学公連携の推進母体とする計
画である。都市創造学部自体においても、産学公連携を推進していくが、この場合の連携
は、複数の組織間での公式な契約に基づく連携であり機動性に欠ける。そこで、産学公連
携に基づく研究活動を推進するため、学会組織に連携する組織から役員を派遣し、学会活
動として常に連携を密にしていくことを計画している。亜細亜大学においてすでに産学公
連携を推進する学会組織として、大学院アジア・国際経営戦略研究科を母体とした学会、
アジア・国際経営戦略学会を設立している。都市創造学部においては、これを活用してい
くことも視野に入れ、研究活動を推進していくものである。
ク 教員組織の年齢構成と教育研究水準の維持向上及び教育研究の活性化
都市創造学部の専任教員の年齢構成は、設置予定の平成 28 年 4 月 1 日時点で、以下のと
おりとなる。
都市創造学部専任教員年齢層別人数(平成 28 年 4 月 1 日現在)
年 齢 層
人
35~39
40~44
45~49
50~54
55~59
60~64
65~69
合計
3
0
3
3
4
7
0
20
数
30 歳代 3 名、40 歳代 3 名、50 歳代 7 名、60 歳代 7 名という構成であり、比較的バラン
スのとれた年齢構成であり、
かつ 65 歳以上がいないため設置から 7 年間は定年退職年齢 70
歳に達せず安定的な組織が編成されている。定年退職者が生ずるまでの 7 年間に年齢構成
上空白となっている 40 歳から 44 歳(平成 28 年 4 月 1 日時点)の人材と 34 歳までの若手
を順次採用し、常にバランスのとれた組織を編成していく計画である。また、専任教員 20
名のうち、女性は 2 名、外国人は 2 名(韓国籍 1 名、中国籍 1 名)となっている。組織の
多様性という観点からは、補充人事を検討する場合には女性及び外国人の採用を念頭に置
く。年齢構成のバランス、組織の多様性という観点から、都市創造学部専任教員組織の教
育研究の活性化は十分であると考えられる。
一方、職位別の構成は以下のとおりである(特任教授 1 名を含む)。
都市創造学部専任教員職位別人数(平成 28 年 4 月 1 日現在)
職
位
教授
准教授
専任講師
助教
助手
合計
人
数
14
3
2
1
0
20
都市創造学部の基幹的な講義科目である、「都市社会学Ⅰ・Ⅱ」「社会調査概論」「産業社
会と企業経営」「ビッグデータ活用概論」「都市プロデュース論」
「都市ソリューション論」
については、教授がこれを担当するため、教育の水準は維持されているものと考える。
ケ 既設学部等からの異動による影響
都市創造学部の教員組織の編成にあたっては、既設の経営学部から 4 名(平成 28 年 4 月
就任予定)及び亜細亜学園が設置している亜細亜大学短期大学部から 3 名(平成 29 年 4 月
51
就任予定)の異動を伴う。亜細亜大学短期大学部は、平成 28 年 4 月入学生の募集を停止し、
平成 29 年 3 月末には廃止する予定である。したがって、この 3 名の教員の異動は影響を及
ぼさない。経営学部から異動する 4 名については、主として亜細亜大学大学院アジア・国
際経営戦略研究科の開設科目を担当しており、経営学部の開設科目については半期科目の 1
科目から 2 科目の担当に止まっており、後任を補充し対応するので、この 4 名の異動によ
っても経営学部の授業科目の配置には影響を及ぼさない。
⑥ 教育方法,履修指導方法及び卒業要件
都市創造学部に開設される授業科目には、講義科目と演習科目の二種類を計画している。
講義科目は知識の伝授を目的とするものであり、演習科目は伝授された知識を応用し一定
の解を得ることを目的としている。ただし、知識伝授型の講義科目であっても学生が自ら
知識を求める動機づけを与え、また、知識応用型の演習科目においても指導者のもつノウ
ハウや勘といった深い知識を体験的に伝授するよう腐心する。
ア 授業の内容に応じた授業方法の設定
都市創造学部の新設に伴い、使用する教室数は増加するが、同一キャンパスに学校法人
亜細亜学園が設置している亜細亜大学短期大学部が平成 28 年 4 月に学生募集を停止するこ
と(平成 27 年 3 月学生募集停止報告済み)から、教室利用率の影響は緩和される。また、
現状の教室数の状況から、講義用教室、演習用教室ともに、他学部の教育課程や時間割に
影響を与えることはない。
(1) 講義科目
講義科目の目的は、学生に都市創造学にかかわる学問的知識を伝授することにある。か
つての大学教育においては、こうした知識伝授は担当教員の解説を中心に実施されてきた。
初学者を対象にした場合には、解説中心の授業運営も一定の効果をもつが、学年次が上が
るにつれて、知識の一方的な伝達に対して学生は動機づけを得られなくなる。そこで、都
市創造学部の講義科目では、基本科目においては比較的解説中心に運営し、発展科目にお
いては学生の能動的な知識獲得を強調する。都市創造学部の教員組織の一つの特色は、専
任、兼任を問わず、実務に携わる教員を多く配置していることである。実務家教員の強み
は、各学問領域の知識が現実にどのように活かされているのかを経験的に熟知しているこ
とにある。こうした強みを発揮するように、基本科目においては、実務において知識がど
のように活用されているのかを軸に知識を解説し理解させる。発展科目においては、実務
上の問題を学生に投げかけるように授業を運営し、学生が自ら考える学習パターンを構築
する。専門研究者が講義科目を担当する場合においても、可能な限り実証的な研究の裏づ
けに基づく授業を計画し、基本科目においては、当該学科領域の知識の体系を解説すると
ともに実証的な研究成果を紹介していく。発展科目においては、現実の研究課題を中心に
52
解説し、学生の当該学科領域への関心を高める工夫をする。なお、実務家教員、専門研究
者のいずれが担当する場合にも、知識伝授の効果を測定するための試験、発表、レポート
については厳格に実施・評価し、また、成績評価基準をシラバスにおいて提示する。
(2) 演習科目
演習科目の目的は、伝授された当該学科領域の知識を応用し一定の解を得ることにある。
解を得るための考察は学生が主体的に担うものであり、担当教員は考察過程について助言
するものである。したがって、学生が能動的に考察を開始しなければ、演習の目的は達成
されないが、都市創造学部では、1 年次前期より演習科目を実施するため、こうした準備が
学生においては不足していることが当然予想される。そこで、1 年次の演習科目「オリエン
テーション・ゼミナール」
「基礎ゼミナール」においては、担当教員が考察目的の設定、考
察過程の手引きをし、2 年次演習科目「都市準備研究」
「国内・海外インターンシップ」で
は、担当教員が考察目的の設定までを行う。3 年次演習科目「フィールドワーク」「ゼミナ
ール」では、学生が主体的に考察目的の設定と考察過程の計画を行い、担当教員はこれら
に助言を与える立場で関与する。また、伝統的には論文やレポートの形で提出された文書
によって、演習科目は評価されてきたが、現代的には、プレゼンテーションによる直接的
な情報発信やインターネットによって間接的ではあるが広く情報発信することが求められ
る。都市創造学部の演習科目では、こうした時代的な要請に鑑み、各演習科目で、プレゼ
ンテーションやインターネットによる作品等の公開を実施する。
イ
授業方法に適した学生数の設定と配当年次
都市創造学部の入学定員は 145 名(別途 3 年次編入学定員 10 名)を計画している。した
がって、講義科目については、1・2 年次に配当される基本科目、3・4 年次に配当される発
展科目、それぞれ最大 300 人程度の受講者が考えられるが、実際には選択科目においては
履修が分散するため、多い場合でもおおむね 150 名から 200 名の履修者になるものと推測
している。ただし、必修科目については、再履修者も想定されることから、前期開講クラ
スと後期開講クラスの 2 クラスを設定し、履修者数がおおむね 200 名以下となるようにす
る。演習科目については 1 年次より配当するが、以下のとおり専任教員を配置し、おおむ
ね 1 クラス 10 名前後となるようにする。ただし、
「都市準備研究」については、集合形式
の演習としているため担当者は 1 名となる。
「都市準備研究」では、続く 2 年次後期の海外
留学の準備のための問題意識形成が主たる演習目的となる。そのため、留学先各都市の魅
力や課題に関する情報収集とインターンシップのための社会スキルの獲得を行いつつ、最
終的には各自の留学目標を設定させる。特に、インターンシップのための社会スキル獲得
については、上級年次生(初年度入学者に対しては他学部学生)をアシスタントとして配
置し、指導体制を充実するとともに、適切なゲストスピーカーを招聘して有効な情報を獲
得する。こうした形式で展開されることから、
「都市準備研究」の担当者は 1 名としている。
53
ウ
卒業要件と考え方
都市創造学部の卒業要件単位数は、大学設置基準第 32 条が定めるところにより、124 単
位以上とする。ただし、専門教育科目及び全学共通科目について、以下のとおり定め、こ
れらの要件を充足することとする。なお、外国語科目以外の全学共通科目については 6 領
域を設定し、これらの 6 領域から幅広く履修するよう指導することで、学士としての幅広
い教養を獲得させる。このことにより、特定領域への履修が集中することもなくなり、他
学部学生の全学共通科目の履修には影響を与えないように配慮している。また、全学共通
科目において外国語科目以外で必修科目としている「アジアを知る 12 章」については、2
クラスを開設する予定でおり、都市創造学部の学生を十分収容できると考える。
科目区分別卒業要件単位数
科目区分
卒業要件単位数
72 単位以上
専 門 教 育 科 目
専門教育科目又は全学共通
(オリエンテーション・ゼミナール含む)
科目から 16 単位以上
36 単位以上
全 学 共 通 科 目
(オリエンテーション・ゼミナール除く)
124 単位以上
合計
また、養成する人材像に関係づけられる能力に対応して、以下のとおり科目を設定し、
対応する科目数を履修することについて指導する。構想力・ネットワーク力・情報発信力
については都市コンテンツ履修コースを履修する学生、要求理解力・問題分析力・実行力
については都市デザイン履修コースを履修する学生、ビジネス推進能力、社会調査能力、
データ分析能力については全学生が履修すべきものとして指導する。
区分
能力
対応科目
コース共通
ビジネス推進能力
社 会 調 査 能 力
データ分析能力
都市コンテンツ
履修コース
構
想
力
産業社会と企業経営(必修)、産業政策と産業構造、経営情報論、マーケティング、
グローバル市場戦略論、会計学、簿記論から必修科目を含む 3 科目以上履修すること
を指導
社会調査概論(必修)、社会調査法、フィールドワークとデータ分析、社会調査の統
計学、量的データ解析、質的データ解析から必修科目を含む 3 科目以上履修すること
を指導
ビッグデータ活用概論(必修)、ビッグデータ活用法、ビッグデータ活用の実際、デ
ータマイニングの基礎、ビッグデータの収集技術、ビッグデータ活用演習、データマ
イニング演習から必修科目を含む 3 科目以上履修することを指導
都市プロデュース論(必修)、都市コンテンツ概論、アイデア創造技法から必修科目
を含む 2 科目以上履修することを指導
ネットワーク力
産学公連携プロデュース論、地域コンテンツプロデュース論、コンテンツ産業論から
2 科目以上履修することを指導
情 報 発 信 力
メディア論、プレゼンテーション論、広報コミュニケーション論から 2 科目以上履修
することを指導
54
能力
対応科目
要 求 理 解 力
都市ソリューション論(必修)、都市計画論、グローバル都市の政策、都市の福祉政
策から必修科目を含む 2 科目以上履修することを指導
問 題 分 析 力
街づくり論、都市・建築デザイン論、都市景観論、リスクマネジメントから 2 科目以
上履修することを指導
実
リーダーシップ論、都市と技術、PPP/PFI と都市開発、スマートシティ開発の実務
から 2 科目以上履修することを指導
区分
都市デザイン
履修コース
行
力
この結果、科目区分別の卒業要件単位数は、以下のとおりとなる。なお、都市コンテン
ツ履修コース履修者は都市コンテンツプロデュース科目群について必修科目 2 単位含む 16
単位以上を、都市デザイン履修コースの履修者は都市デザインソリューション科目群につ
いて必修科目 2 単位含む 16 単位以上をそれぞれ修得するものとする。
専
科
目
群
演
習
科
目
( オ リ エ ン テ ー シ ョ ン ・ ゼ ミ ナ ー ル 含 む )
都 市 社 会 学 科 目 群 10 単位以上(うち 6 単位必修)
産 業 社 会 科 目 群 6 単位以上(うち 2 単位必修)
ICTスキル科目群 4 単 位 以 上 ( う ち 2 単 位 必 修 )
都市コンテンツ 1 6 単 位 以 上
都 市 コ ン テ ン ツ 履 修 コ ー ス (うち 2 単位必修)
プロデュース科目群 都 市 デ ザ イ ン 2
単 位 以 上
履 修 コ ー ス (うち 2 単位必修)
都市コンテンツ 2
単 位 以 上
都 市 デ ザ イ ン 履 修 コ ー ス (うち 2 単位必修)
ソリューション科目群 都 市 デ ザ イ ン 1 6 単 位 以 上
履 修 コ ー ス (うち 2 単位必修)
専
門
教
育
科
目
小
計
全
学
共
通
科
目
( オ リ エ ン テ ー シ ョ ン ・ ゼ ミ ナ ー ル 除 く )
中
計
専門基
盤科目
門
育
都 市 創 造 科 目
教
科
目
資
格
関
連
科
目
群
(
合
エ
自
由
科
目
)
計
卒業要件単位数
16 単位以上
(うち 10 単位必修)
28 単位以上
(うち 10 単位必修)
28 単位以上
(うち 4 単位必修)
16 単位
を専門
教育科
目又は
全学共
通科目
から選
択
72 単位以上
36 単位以上
(うち 8 単位必修)
108 単位以上
16 単位
0 単位
(卒業要件単位数に算入せず)
124 単位以上
養成する人材像と履修モデル
都市創造学部は、経営学及び都市社会学の観点で都市を考察し、活気と心地よさをもた
らす未来都市のビジョンを打ち立て、実践する人材、すなわち都市創造人材を、二つのコ
ースに合わせて以下のとおりに養成する。
都市コンテンツ履修コースでは、都市創造人材を、都市の競争力を高めるソフトパワー
の構成要素であるコンテンツ(都市の文化コンテンツ(博物館、美術館、動物園等の文化
施設とその展示内容等)やエンターテインメントコンテンツ(イベントや映像・メディア、
アニメやゲーム等)
、地域コンテンツ(地域特産品、地域固有技術、地域産業集積等)等)
を活用して、行政(条例・規制)
・企業(ビジネスモデル)
・社会(社会環境)をまとめて、
都市の魅力を創りだす(プロデュースする)人材として養成する。
55
都市デザイン履修コースでは、都市創造人材を、未来都市のデザインを実現するうえで
の顕在的・潜在的課題(都市の景観や建造物、自治体の制度や計画、都市開発)を生活者
の視点でくみ取り、その実現のためのソリューションを、公共性(生活者の視点)・国際性
(異文化共生)
・持続可能性(環境・資源・エネルギー)の観点で提案する人材として養成
する。
(1) 都市コンテンツ履修コース
都市コンテンツ履修コースでの学びでは、都市創造学部で共通して養成するビジネス推
進力・社会調査力・データ分析力に加えて、構想力・ネットワーク力・情報発信力の養成
が目標となる。これらの能力を用いて、都市コンテンツを活用するプロデューサーを育成
するが、都市コンテンツ履修コースで学んだ学生の卒業後の将来像として、都市のコンテ
ンツを活用して都市の魅力を創り出す都市コンテンツプロデューサー(都市に新たな産業
を創造する活動に従事する者、例えば、自治体の産業振興部門、地域金融機関等の融資部
門、ベンチャーキャピタリスト等)
、プロデューサーに求められる能力を一般企業等で展開
する一般企業企画担当者(新製品・サービス企画、新事業企画等)、社会変革を自ら生み出
す社会起業家(都市の魅力を維持・強化する活動を自ら事業化する者)として活躍するこ
とが期待される。各人材像別の学年進行に沿った履修モデルを別に提示する。資料16~
18
以下に、履修モデルの考え方を提示する。
1) 都市コンテンツプロデューサー(地域コンテンツ型)
都市コンテンツプロデューサーは、都市の魅力となり得るコンテンツを見出し、強化し、
社会に発信していく人材であり、都市に新たな産業を創造する活動に従事する。自治体の
産業振興部門、地域金融機関等の融資部門、ベンチャーキャピタリスト等が考えられる。
都市の魅力となるコンテンツ(都市コンテンツ)には、文化コンテンツ(劇場や美術館、
公園といった施設とそこでの展示内容や上演題目など)
、エンターテインメントコンテンツ
(都市で催される祭りやスポーツイベント、都市を映し出す映像・メディア、都市の生活
スタイルを含むアニメやゲームなど)、地域コンテンツ(地域の特産品や地域固有の技術や
産業集積)といったものが考えられる。例えば、地域の特産品や地域固有の技術、産業集
積である地域コンテンツを都市の魅力となるコンテンツとして捉え、その優位性を強化し、
世界に発信していく人材である。各地域には、そこに住む人々には周知であるが、地域外
の人々には認識されていない、優れた特産品や特異な産業クラスターが形成されているこ
とがある。これらの特産品やクラスターは、それが見出され、意図的に強化され、広く情
報発信されなければ埋もれてしまうものが多い。こうした地域コンテンツのプロデューサ
ーは、地域コンテンツを都市の魅力として活かす活動(特産品を事業化する企業を誘致し、
そのための規制の緩和を行政に働きかける活動、産業クラスターの優位性を行政を通じて
56
発信しこれを活用する企業と結びつける活動等)を推進する者であり、自治体の立場(産
業振興部門)から特産品や産業クラスターを地域外に紹介する役割、金融機関の立場(融
資部門)から特産品生産業者の支援や産業クラスター進出企業への資金を供給する役割、
ベンチャーキャピタリストの立場でこうした企業等に投資を行う役割を担う。
そのために履修すべき科目は、都市コンテンツ履修コース、都市デザイン履修コースそ
れぞれでの能力開発に必要な科目も含めて、以下の科目を修得しておく必要があると考え
られる。
まず、専門基盤科目の都市社会学科目群では、必修科目と社会調査力にかかわる科目の
他、都市の魅力を理解するための科目と地域と行政とのかかわりを理解する科目を選択す
る。産業社会科目群では、必修科目とビジネス推進力にかかわる科目の他、都市コンテン
ツを事業として成立させるための知識を核とする科目を選択する。
ICT スキル科目群では、
必修科目とデータ分析力にかかわる科目を中心に応用的な範囲まで選択する。
都市創造科目では、都市コンテンツプロデュース科目群を中心に、関係のある都市デザ
インソリューション科目群からも選択する。都市コンテンツプロデュース科目群では、必
修科目とプロデューサーにかかわる構想力・ネットワーク力・情報発信力にかかわる科目
の他、さまざまな都市のコンテンツに触れる科目を選択する。都市デザインソリューショ
ン科目群では、必修科目に加えて、都市コンテンツプロデュース活動を牽引するリーダー
シップとリスクの取り扱いに関する科目を選択している。全学共通科目(語学科目を除く)
では、必修科目に加え、コンテンツプロデュースに関する考察を触発すると思われる科目
を、幅広く選択するが、ここではややソフトなコンテンツを想定して「表現と芸術」領域
を重視した科目を選択する。資料16
2) 一般企業企画担当者
一般企業企画担当者は、企業の内部にあって、製品・サービスや事業の開発に関与し、
その初期段階でのコンセプト創造、及び実行計画の策定を推進する人材である。都市創造
学部で学ぶ、ビジネス推進能力・社会調査能力・データ分析能力は、コンセプト創造にお
いて重要な役割を果たすであろう。また、都市コンテンツ履修コースで学ぶ、構想力・ネ
ットワーク力・情報発信力は、製品・サービスや事業の開発の源泉となる。つまり、都市
コンテンツ履修コースでの学びは、都市コンテンツに限らず、例えば、一般企業の製品・
サービスや事業の開発に焦点をあてた場合にも有効であると考えられる。製品・サービス
や事業開発においては、社会でのニーズを把握し、これに対する顧客の反応を理解するた
めの知識が求められる。同時に製品・サービスの販売や事業としての収益性といった問題
にも対処しなければならない。これらを勘案して履修モデルを検討する。
まず、専門基盤科目の都市社会学科目群では、必修科目に加え、社会調査力にかかわる
科目はニーズ把握との関係で力点を置く。また、社会的なニーズの背景や顧客の行動を理
解する科目も選択する。産業社会科目群では、必修科目に加え、ビジネス推進力にかかわ
57
る科目を、事業収益の理解も含めて履修する。ICT スキル科目群では、必修科目とデータ
分析力にかかわる科目を選択するが、近年、事業活動へのビッグデータの活用が注目され
ていることを考慮し、やや力点を置く。
都市創造科目では、都市コンテンツプロデュース科目群を中心に、関係のある都市デザ
インソリューション科目群からも選択する。都市コンテンツプロデュース科目群では、必
修科目とプロデューサーにかかわる構想力・ネットワーク力・情報発信力にかかわる科目
の他、イノベーションの理解を促進する科目を選択する。製品・サービスや事業の開発に
はイノベーションが必須となることを認識するためである。都市デザインソリューション
科目群では、必修科目に加えて、都市コンテンツを見出す領域の一例として、資源・エネ
ルギー・環境分野を想定しているが、これは学生の志向によって変わってくる。また、プ
ロデュース活動のリスクを認識するための科目も選択している。全学共通科目(語学科目
を除く)では、必修科目に加え、社会動向を大きく捉えることに関係すると思われる科目
を、幅広く選択する。資料17
3) 社会起業家
社会起業家は、都市の文化コンテンツや地域の特産品等のコンテンツを、自ら活用し事
業化する人材である。都市創造学部で学ぶ、ビジネス推進能力・社会調査能力・データ分
析能力は、事業化する際の基本的な情報を得ることに役立ち、また、事業化後の運営を支
えるであろう。また、都市コンテンツ履修コースで学ぶ、構想力・ネットワーク力・情報
発信力は、事業化のアイデアを生み出し、実現に向けた資源の確保と事業の広報に寄与す
る。したがって、都市コンテンツ履修コースでの学びは、起業家育成にも適したカリキュ
ラムであるといえる。都市にあるさまざまなコンテンツの事業化においては、コンテンツ
のもつ魅力を理解し、これを社会のニーズに結びつけ、今までにない事業を構想すること
が基本となる。そのためには、イノベーションの原理を理解することも必要となる。また、
事業としての永続性が求められることから、一定の財務管理知識を有することが必要とな
る。これらを勘案して履修モデルを検討する。
まず、専門基盤科目の都市社会学科目群では、必修科目に加え、起業家としてのグロー
バルな視野を養う科目を履修する。グローバルな視野で日本及びアジアの市場を捉えるこ
とのできるスケールの大きな人材を目指す。産業社会科目群では、必修科目に加え、ビジ
ネス推進力にかかわる科目を、財務管理に一定の力点を置いて履修する。ICT スキル科目
群では、必修科目の他に事業活動の効率化という観点を養う。
都市創造科目では、都市コンテンツプロデュース科目群を中心に、関係のある都市デザ
インソリューション科目群からも選択する。都市コンテンツプロデュース科目群では、必
修科目とプロデューサーにかかわる構想力・ネットワーク力・情報発信力にかかわる科目
の他、都市のさまざまなコンテンツに関する知識を涵養する。また、イノベーションの原
理を理解するための科目を履修する。都市デザインソリューション科目群では、必修科目
58
に加えて、事業活動を牽引するリーダーシップや事業活動のリスクを認識するための科目
も選択する。全学共通科目(語学科目を除く)では、必修科目に加え、起業家としての豊
かな人間性や倫理の涵養に重きを置きながら、幅広く選択する。資料18
(2) 都市デザイン履修コース
都市デザイン履修コースでの学びでは、都市創造学部で共通して養成するビジネス推進
力・社会調査力・データ分析力に加えて、要求理解力・問題分析力・実行力の養成が目標
となる。これらの能力を用いてソリューションを提案する人材を育成するが、都市デザイ
ン履修コースで学んだ学生の卒業後の将来像として、都市計画や都市の景観を対象とした
都市のデザイナー(自治体や開発業者において都市計画や都市の景観を考える者)、デザイ
ナーの能力を一般企業で展開する事業推進マネージャー(一般企業等において新事業を推
進する者)
、都市の課題を解決する NPO・NGO のマネージャー(民間人として都市の課題
の克服に取り組む者)として活躍することが期待される。各人材像別の履修モデルを別紙
に提示する。以下に、履修モデルの考え方を提示する。資料19~21
1) 都市デザイナー
都市デザイン履修コースで育成する都市デザイナーは、工学的なアプローチではなく、
経営学と都市社会学的なアプローチで都市を見つめ、そこに住む人々の思いや願いをくみ
取り、活気あふれる心地よい都市を作る基本的な考え方を提示し、実践する人材である。
都市創造学部で学ぶ、社会調査能力とデータ分析能力を駆使して住民の心を読み、都市デ
ザイン履修コースで学ぶ、要求理解力、問題分析力を用いて、住民の望みに画期的なソリ
ューションを探索する。提案したソリューションを実践するうえでは実行力が必要となり、
経済的に持続していくためにはビジネス推進力が求められる。そのために、以下の科目を
修得する必要があると考える。
まず、専門基盤科目の都市社会学科目群においては、必修科目と社会調査力にかかわる
科目の他、都市に存在する課題を深く掘り下げるための科目(ここでは家族や高齢化に焦
点をあてた例を示す)や住民の心を探る科目を選択する。産業社会科目群では、必修科目
とビジネス推進力にかかわる科目を中心に選択する。ICT スキル科目群では、ソリューシ
ョンを見出す方針を定めるうえで重要な都市の活動に関するビッグデータの活用について
学ぶ。
都市創造科目では、都市デザインソリューション科目群を中心に、関係する都市コンテ
ンツプロデュース科目群からも選択する。都市デザインソリューション科目群については、
必修科目と要求理解力、問題分析力、実行力にかかわる科目の他、都市のさまざまなソリ
ューションのレパートリーに触れる。都市コンテンツプロデュース科目群では、必修科目
に加えて都市デザインの社会的な影響を理解する科目を選択する。
全学共通科目(語学科目を除く)では、必修科目に加え、都市デザイナーとして備えて
59
おきたい表現力や必要となる倫理性に重きを置きつつ、幅広く選択する。資料19
2) 事業推進マネージャー
都市デザイン履修コースの学びで涵養する能力である、要求理解力・問題分析力・実行
力は、都市に限らず幅広い応用を考えることができる。要求理解力の基本は、対話相手の
声をよく聞くことにあり、一般企業等においては、顧客の声に耳を傾けることに相当する。
問題分析力は、現実の課題を深く洞察することに基礎を置くものであり、事業展開上の障
害を克服することに通ずる。実行力は、共有された目的を設定し組織構成員の総力を目的
達成に仕向ける能力であるため、一般企業等においても重要な能力とみなされる。都市デ
ザイン履修コースでは、未来都市のデザインの実現に立ちはだかる課題に対応したソリュ
ーションを提案する人材の養成のための教育を行う。そこで学び体験するソリューション
提案は、さまざまな課題の解決においても応用可能なノウハウとして学生に蓄積される。
一般企業においては、特に、新事業を推進する場合に、これまでにない課題に直面するが、
学生に蓄積されたノウハウは、こうしたビジネス上の課題にも適用可能であると考える。
都市創造学部で養う、ビジネス推進能力・社会調査能力・データ分析能力と都市デザイン
履修コースの学びを連結することで、新規事業推進を担う管理者としての素養を身に付け
ることが可能となる。そのために、以下の科目を修得する必要があると考える。
まず、専門基盤科目の都市社会学科目群においては、必修科目と社会調査力にかかわる
科目の他、社会のトレンドを鋭く見抜くための科目を選択し、社会的な課題に対する感覚
を磨く。産業社会科目群では、必修科目とビジネス推進力にかかわる科目を中心に履修し、
事業推進者の基礎を築く。ICT スキル科目群では、さまざまな情報を収集し処理する能力
の獲得に腐心する。
都市創造科目では、都市デザインソリューション科目群を中心に、関係する都市コンテ
ンツプロデュース科目群からも選択する。都市デザインソリューション科目群については、
必修科目と要求理解力・問題分析力・実行力にかかわる科目の他、都市のさまざまなソリ
ューションのレパートリーに触れる。都市コンテンツプロデュース科目群では、必修科目
に加えて社会的なイノベーションの論理を理解する。
全学共通科目(語学科目を除く)では、必修科目に加え、事業推進者が身に付けるべき
教養を修得するため、幅広く選択する。資料20
3) NPO・NGO マネージャー
NPO・NGO が取り組む社会的な課題の解決に参画し、これを牽引する人材には、現実の
社会を真正面から見つめ、課題解決のためのソリューションを探索し、実践的にソリュー
ションを適用することが求められる。都市創造学部で学ぶ社会調査能力やデータ分析能力
は、社会の課題を捉えるうえで有効な能力といえる。また、ソリューションの実践におい
ては、ビジネス推進能力が寄与する。さらに、都市デザイン履修コースで学ぶ要求理解力
60
は、社会調査能力やデータ分析能力で捉えるべき課題の領域を把握する基礎となり、問題
分析力はソリューションを探索する領域を指し示す能力でもある。また、実行力は、ビジ
ネス推進能力と複合し、強力に組織を動かす能力となる。NPO・NGO に参画する人材にお
いては、さらに、倫理観の涵養も不可欠となる。そのために、以下の科目を修得する必要
があると考える。
まず、専門基盤科目の都市社会学科目群においては、必修科目と社会調査能力にかかわ
る科目の他、都市を中心とした課題の理解を図る科目を選択する。産業社会科目群では、
必修科目とビジネス推進能力にかかわる科目を中心に選択する。ICT スキル科目群では、
必修科目とデータ分析能力にかかわる科目を中心に学ぶ。
都市創造科目では、都市デザインソリューション科目群を中心に、必要な都市コンテン
ツプロデュース科目群からも選択する。都市デザインソリューション科目群については、
必修科目と要求理解力・問題分析力・実行力にかかわる科目の他、都市の課題に対応する
ソリューションを理解する。都市コンテンツプロデュース科目群では、必修科目と NPO・
NGO の広報について学ぶ。
全学共通科目(語学科目を除く)では、必修科目に加え、NPO・NGO マネージャーが身
に付けるべき教養を修得するため、幅広く選択する。資料21
オ
多様なメディアを利用した授業の取扱い
都市創造学部では、学生が海外都市に留学している期間について、情報通信技術を活用
し指導を行う。具体的には、「海外インターンシップ」「フィールドワーク(留学継続者)
」
の履修者に対する指導を、Skype 等での複数人コミュニケーションを利用して実施する。
海外留学中の学生が履修する「海外インターンシップ」
「フィールドワーク(留学継続者)
」
の指導は基本的に対面によるものである。各都市に配置されている担当教員が現地に赴き、
学生に直接指導をするが、日常的な指導において Skype 等での複数人コミュニケーション
を補助的に活用する。活用方法としては、
「海外インターンシップ」において 1 週間に 1 度
提出を求める「業務日誌」の記載方法指導及び学生がインターンとして勤務していくうえ
での課題の把握を考えている。また、学生が 3 年次前期に留学を継続する場合には、
「フィ
ールドワーク」を現地で履修することとなる。調査実施に際しての日常的な課題の把握と
対処については、国内に居る担当教員と Skype 等での複数人コミュニケーションを利用し
てコミュニケーションを図りながら実践していく。なお、文部科学省告示(平成 19 年第 114
号)にあるように、
「当該授業を行う教員若しくは指導補助者が当該授業の終了後すみやか
にインターネットその他の適切な方法を利用することにより、設問解答、添削指導、質疑
応答等による十分な指導を併せ行うものであって、かつ、当該授業に関する学生等の意見
の交換の機会が確保」されるように実施する。具体的には Facebook や微信を活用し、履修
者間の意見交換を行う。
なお、亜細亜大学では、教室のほとんどにプロジェクターとパソコンを配備し、実物投
61
影機や DVD プレーヤー等の AV 機器を備えた AV 教室も数多く設置している。また、貸し
出し用のプロジェクターとパソコンも一定数用意しているため、多様なメディアを活用し
た創意工夫のある授業運営を可能にしている。都市創造学部の開設する科目についても、
これらの機器を利用し、学生の学びにとって効果的な授業を展開することが可能な環境を
整えている。
カ
履修科目の年間登録上限の考え方
大学設置基準第 21 条 2 及び同(1)によると、授業科目の単位数は 45 時間の学修をもっ
て 1 単位とすることが定められている。亜細亜大学においては、1 学期の授業を 15 週にわ
たって実施していることから、1 単位の学修は週 3 時間の学修に相当する。1 日あたり 12
時間(週 6 日で 72 時間)を学修に充てる場合、1 学期で 24 単位が修得可能となる。した
がって、1 年間での最大修得単位数は 48 単位となる。そこで都市創造学部では 1 年間の履
修科目の年間登録上限単位数を 48 単位とし、学期毎の登録上限単位数は 24 単位を目途と
する。ただし、授業科目の開講時期との関係で、1 学期に登録する単位数が 24 単位を上回
ることもあるため、年間 48 単位を上限として前期、後期、それぞれ最大 28 単位(週 6 日
1 日 14 時間学修)まで登録可能とする。
長期休暇期間中に開講される集中講義(授業内容に応じて 5 時限 3 日間、4 時限 4 日間、
3 時限 5 日間で実施)については実習要素を多分に含む科目を配置し、単位修得に必要な学
習時間数は通常の授業科目と同様 1 単位当たり 45 時間とする。集中講義については、授業
時間以外の予復習等に必要な時間数を確保できるように日程を調整し、予復習等を促すた
めの課題を課す。集中講義の履修単位数は、前期後期の登録上限単位数に含めて計算する。
なお、3 年次編入学生においては、前期、後期最大 28 単位まで、年間最大 50 単位まで
登録できることとする。
年間登録上限単位数
前期登録上限単位数
後期登録上限単位数
生
48 単位
28 単位
28 単位
3 年次編入学生
50 単位
28 単位
28 単位
一
キ
般
学
他大学における授業科目の履修等の考え方
亜細亜大学学則第 24 条及び同条 2 において、他大学又は短期大学の授業科目を履修し、
修得した単位については、40 単位を限度に卒業要件単位として認めることとしている。都
市創造学部においても、学則に定めるとおり、40 単位を限度に卒業要件単位として認める。
⑦
施設、設備等の整備計画
ア
校地、運動場の整備計画
62
校地面積は、武蔵野校地 47,812.30 ㎡、日の出校地 99,055.78 ㎡、合計 146,868.08 ㎡で
ある。
授業はほとんど武蔵野校地で行っており、日の出校地では体育実技の一部の授業が行わ
れている。
運動場(敷地面積 93,787.78 ㎡)は日の出校地にあり、陸上競技場 400mトラック1面、
野球場 2 面、テニスコート 10 面、サッカー場 1 面、多目的グラウンド、トレーニング室等
を整備しており、一部の体育実技授業や運動部系学生の課外活動の場となっている。日の
出校地は武蔵野校地から大学のバスで 50 分程度の移動時間である。
武蔵野校地において学生が休息できる主な空地は、体育館前広場(約 3,000 ㎡)と 5 号
館前広場(約 1,245 ㎡)などである。また、2 号館には屋上庭園(約 900 ㎡)を設けている。
ほかにも学内通路を広く設けてベンチを設置するなどして、学生の休息場所の確保に努め
ている。
平成 27 年 4 月には、地下 1 階地上 4 階建、S+SRC 造、総床面積 5,412 ㎡、総座席数 1,385
の新学生食堂「ASIA PLAZA」をオープンした。座席数の拡充(建替前 629 席→建替後 1,385
席)や快適性の向上などの要望に応え、現代の大学施設に求められる多様な学習環境を提
供する。概要は、学生が快適に食事を楽しむことができる≪カフェ&ダイニング≫、食事
をしながらグループ学習やアクティブ・ラーニングができる≪ラーニング・コモンズ≫、
学会や学生の成果報告会などの会場として学生と教職員がより多くの人と出会い学ぶため
の≪多目的イベントホール≫などを併設した複合施設である。
また、建物の 1 階に設けたラウンジが学内に計 4 ヵ所あるが、特に、キャンパス中央に
ある 2 層吹き抜けガラス張りの明るい 2 号館ラウンジ(220.5 ㎡)や、6 階吹抜けのトップ
ライトから太陽光を取り込む 5 号館ラウンジ(664.23 ㎡)は、学生の交流や憩いの場とな
っている。そのほか、喫茶室、書店、コンビニエンス・ストア等を設けている。
イ
校舎等施設の整備計画
(1)
校舎全体の状況
本学の校舎面積の合計は、62,344.94 ㎡である。この内、都市創造学部が使用する面積は
6,041.70 ㎡、学生一人当たりの面積は約 10.31 ㎡となる。都市創造学部は、既存学部とす
べての教室を共用するが、主に平成 17 年度に増築した 2 号館教室棟を使用する。
教室は大学全体で、講義室 106 室、演習室 23 室、実験実習室 1 室、情報処理学習施設 7
室、語学学習施設 2 室を設け、ほとんどの教室に視聴覚設備が設置されている。
講義室の平成 26 年度稼働率は、曜日・時限により多少の変動はあるものの、全体平均で
前期 52.0%、後期 48.9%であり、都市創造学部や既存学部の時間割編成に柔軟に対応可能
である。
63
(2) 教員研究室の状況
都市創造学部所属の個人研究室は 20 室、1 室あたりの平均面積は 17.04 ㎡となる。その
他、共同研究室を 2 室(計 63.3 ㎡)設ける。
また、現在、平成 30 年 8 月竣工を目指して事務室・研究室棟の建替計画を検討している。
平成 23 年 5 月開催の理事会第 3 号議案「武蔵野キャンパス再開発について」において承
認された「武蔵野キャンパス再開発計画」に基づき、旧 5 号館の解体跡地に既存の 1 号館
(地下 1 階地上 6 階建て、総床面積 8,195.74 ㎡)と総合研究館(地下 1 階地上 10 階建て、
総床面積 5,444.60 ㎡)の 2 棟を統合する新研究・事務棟「新 1 号館(仮称)」(地上 15 階
建て、総床面積約 15,600 ㎡を想定)の建設計画を検討している。
この計画は、前述の「武蔵野キャンパス再開発計画」の一環として基本計画が承認され
ており、各建物の具体的な建替計画については、別途個別に理事会へ上程することが定め
られている。
届出時点(平成 27 年 4 月)における新 1 号館(仮称)の建替計画(案)は、基本計画が
確定し基本設計が検討されているものの建物の平面図や金額等の詳細については確定して
おらず、平成 27 年 9 月の理事会に上程し、正式な承認を得る予定である。
(当該計画案に
関する資料等は、
「2.校地校舎の図面」の平面図の最後に添付する。)
この新 1 号館(仮称)は、既存の 2 棟を合わせた床面積の 13,640.34 ㎡から約 1,959 ㎡
増加し、総床面積約 15,600 ㎡とする見込みであり、個人研究室 1 室当りの面積は現状の約
1.46 倍の約 25 ㎡となり、研究環境は格段に向上することとなる。また、個人研究室の数
は、現状 188 室(うち届出時点でも 32 室は空室)から 194 室へ拡充する予定である。
なお、建設工事や解体工事においては、授業運営や学生指導の障害とならないよう万全
を期し、さらに、竣工後の引越期間を平成 30 年 8 月初旬から 9 月中旬までの夏季休暇期間
とすることで、授業運営や学生指導の障害とならないよう万全を期す。
以上のとおり、教室棟、学生食堂、研究・事務棟の建設のほか、緑化、歩道、屋外広場
といった外構整備を年次計画に基づき段階的に進めることにより、教育研究施設・設備の
一層の充実を図り、より安全で快適なキャンパスの実現に向けて取り組んでいる。
(3) マルチメディア機器の装備
大学の共用教室として、視聴覚設備のある教室(AV 教室 52 教室、コンピュータ教室 7
教室、PC315 台、LL 教室 2 教室に PC98 台)を有しており、ネットワークを経由して得ら
れる様々な情報(資料文書ファイル、参考動画・画像など)を投影しながら授業や研究会
活動が出来るマルチメディア機器が設置されている。また、ラーニングコモンズを図書館
内や新学生食堂 3 階に設置し、グループ学習、プレゼンテーションスキル向上を目的とし
た機器(プロジェクター、電子黒板、貸出用ノート PC110 台)が整備されている。
コンピュータ教室と LL 教室の平成 26 年度稼働率は、全体平均で前期 55.4%、
後期 47.9%
であり、都市創造学部の ICT スキル科目群の演習等で必要となる学習施設が整備されてい
64
る。
(4) 上記以外の施設
キャンパス内には、体育館、武道館、トレーニングセンター、クラブ部室棟など、学生
の課外活動施設のほか、学生を精神面でサポートするカウンセリングセンターなどの施設
がある。
また、地球温暖化対策として、節水・節電の推進や、太陽光発電、屋上緑化、雨水の再
利用等にも積極的に取り組んでいる。平成 25 年に竣工した 5 号館では、太陽光を有効活用
しながら採光をコントロールする外壁ライトシェルフや、センサーで自動開閉する屋上ト
ップライトを利用した自然換気システムによって、年間空調負荷を 20%程度削減するなど、
自然エネルギーを利用した環境対策に取り組んでいる。
そのほか、ゴミ分別とリサイクルの推進を行うことにより、武蔵野市より「ごみ減量資
源推進事業者」の認定を受けており、また、防災対策の取り組みでは、東京消防庁より「優
良防火対象物」の認定を受けるなど学外からも高い評価を得ている。
このように、都市創造学部の設置に際して、既に十分な教育研究環境、校舎施設状況が
整備されている。今後はさらに、老朽化した事務室・研究室棟の建替えを計画しており、
これと同時に緑化、歩道、屋外広場などの整備を進めることによって、より安全で快適な
キャンパスの実現を目指している。
ウ
図書等の資料及び図書館の整備計画
図書館は、平成 6 年に竣工、開館した学内中央に位置する「太田耕造記念館」
(地上 8 階、
地下 2 階)内にある。閲覧フロア等は 7 フロアあり、2 つのプレゼンテーションルームと、
自習 PC フロア、ラーニングコモンズを付帯し、座席数は 725 席を有している。また、平
成 27 年 3 月新たに完成した「ASIA PLAZA」地下1階及び別館にある閉架書庫を含めると
収容可能冊数は約 83 万冊となり、延べ床面積は 8,352 ㎡となる。
図書館の蔵書数は平成 26 年 4 月 1 日現在、次のとおりである。
・ 蔵書数
約 67 万冊
(内 洋書 約 24 万冊)
・ 学術雑誌
約 5,000 誌
(内 洋雑誌 約 1,950 誌)
・ その他
雑誌・新聞、法令・判例、内外電子ジャーナル、統計情報等のデータベ
ースを所蔵
情報通信サービスが高度化、多様化する今般の社会情勢の中で、電子情報への対応のほ
か、社会科学系の図書の充実、亜細亜大学図書館としての特徴ある学術情報の収集を図っ
てきた。特に、アジア地域を中心とした人文・自然科学系図書、哲学、歴史、言語、文学、
コンピュータ関係の資料の収集を積極的に行っている。
都市創造学部に必要とされる図書資料のうち、経済・経営分野については既存の学部に
て十分整備してきており、今回は、都市社会学を中心にした社会学及び文化・ソフト面で
65
の資料の充実を図る。また、ICT 関連では、従来の基本的な情報技術教育以外に、データ
分析・コンテンツ制作等の教育に適した図書資料も揃えていく。都市創造学部の図書資料
等にかかる経費としては開設前年度から完成年度までで約 5,000 万円を想定し、関連する
図書資料の充実を図る。
以下に利用者ニーズに対応した環境整備の特徴を掲げる。
(1) 学習形態の変化に対応して、静粛空間や図書館資料を活用してのグループ学習ができ
るフロアなど各階ごとのゾーニングを行っている。特に、ラーニングコモンズはグル
ープでプレゼンテーションの練習ができるような空間になっており、館内貸出のノー
ト PC を用意し、利用者のニーズに応えている。また、プレゼンテーションルームには
電子黒板、プロジェクター、書画カメラ、マイク等の設備を保有し、利用者ガイダン
スや授業での実習にも利用されている。
(2) インターネットを介して、教室を含む学内各所から多様なオンラインデータベースに
アクセスできる環境が整備され、いつでもどこからでも学術資料を収集できる環境で
ある。
(3) 図書館システムには、個人ポータルサイトが設定され、手続きの簡略化など利便性を
高めるとともに、スマートフォンへの対応も考慮している。
(4) 学術情報をより多く所蔵する観点から、オンラインデータベースの充実を図っており、
契約概要は次の通りである。
社会科学系データベースを中心に、約 40 種の契約である。
e-journal:ProQuest Central / EBSCO-host / Science Direct / Emerald
etc.
企業情報:マージェント / 総合企業情報データベース eol / ダイヤモンド企業情報 /
日経テレコン 21 / 東洋経済 / NEEDS-Financial QUEST / 日経 BP 。資料22
その他:書誌 、新聞記事、年鑑、辞書・辞典、統計資料、法律雑誌、判例・法令など
(5) 図書館からの開館情報、新着図書情報、オンライン契約情報は、電子掲示システムに
よって、図書館内や教室棟 5 ヵ所の 1 階に設置された大型液晶モニタに情報が配信さ
れ、最新情報の提供を行うほか、図書館ホームページや学生ポータルサイトから、利
用者向けガイダンスなどの情報発信を行っている。
(6) 開館時間は、平日 8:45~21:00、土曜日 8:45~19:00、年間 10 日間程度の休日開
館を実施している。
今後も引き続き、学術情報の電子化とデータベースの構築、電子教材の提供と検索手段
の整備、館内の安全性の向上など段階的に対応して、より合理的な自学・自習環境の整備
を実施する。
⑧
入学者選抜の概要
ア
アドミッションポリシー
亜細亜大学では、入学者選抜にかかわるアドミッションポリシーを以下のとおり定め
66
ている。
国際社会、特にアジアへの関心が高く、国際的に活躍し貢献するという夢を抱き、学び
に対して強い意欲を持つ、次のような人を求めます。
1.
学問に関心を抱き、自ら学ぼうとする意欲が旺盛で、新しい課題に積極的に取り組
もうとする人。
2.
広く世界に目を向け、アジア地域を中心とした国際舞台で活躍したいと希望してい
る人。
3.
誠実で温かい心を持ち、人々と真摯に議論、対話ができる人。
亜細亜大学全体のアドミッションポリシーを踏まえつつ、都市創造学部では、以下のと
おりアドミッションポリシーを定める。
都市創造学部の学士課程においては、経営学及び都市社会学の観点で都市を考察し、未
来都市、特に、アジアの未来都市に活気と心地よさをもたらすビジョンを打ち立て、実践
する人材の育成を目指します。
そのため、都市創造学部の入学者選抜においては、次のような人を求めます。
1.
都市の競争力を高めるソフトパワーの構成要素であるコンテンツを活用したさまざ
まな活動に参画することを希望する人。
2.
行政(条例・規制)・企業(ビジネスモデル)・社会(社会環境)をまとめて、都市
の魅力を創りだす(プロデュースする)ことを目指している人。
3.
未来都市のデザインを実現するうえでの顕在的・潜在的課題を、生活者の視点でく
み取ろうとする人。
4.
未来都市のビジョンの実現のためのソリューションを、公共性(生活者の視点)
・国
際性(異文化共生)
・持続可能性(環境・資源・エネルギー)の観点で提案すること
を望む人。
これらの人材は、学力を中心として能力で判断する一般入試(本学独自試験を用いる方
式と大学入試センターを用いる方式)
、学力で計ることのできない能力や適性等で判断する
推薦入試(調査書、小論文、面接等を多面的・総合的に判断する方式)、受験者の様々な状
況(帰国生徒、社会人、外国人留学生)を勘案し学力とそれ以外の能力、及び適性等で判
断するその他の入試(基礎知識、小論文、調査書、面接等を組み合わせて判断する方式)
によって選抜する。
イ
選抜方法、選抜体制(推薦入試と一般入試の募集定員の割合など)
(1) 選抜方法
入学者の選抜は、前述のアドミッションポリシー及び受け入れ学生像との合致の度合い
を基準に行う。選抜の方法としては、学力試験を中心として選抜する一般入試、志願者の
能力や適性等を様々な視点から多面的・総合的に判断して選抜する推薦入試やその他の入
67
試を行う。
1) 一般入試
都市創造学部では、学力試験を中心として選抜を行う一般入試として、本学独自の出題
による試験と大学入試センター試験を利用した試験を実施する。また、この一般入試では、
本学試験場で実施する形態だけでなく、全国に複数の会場を設けて、受験生に広く受験機
会を提供する形態の試験も実施する。募集定員は 80 名。
2) 推薦入試
都市創造学部が行う推薦入試は学力試験では計ることのできない受験者の能力や適性等
を、調査書や小論文、面接などを組み合わせることにより、多面的・総合的に判断して選
抜する。募集定員は 50 名。
3) その他の入試
都市創造学部では、志願者の特性に応じて、帰国生入試、社会人入試、外国人留学生入
試を実施する。募集定員は 15 名。
4) 入試制度別の入学者割合
都市創造学部の行う選抜方式は、上に示したとおりである。推薦入試については、募集
定員合計が 50 名、一般入試、その他の入試の募集定員の合計は 95 名であり、推薦入試と
一般入試等の募集定員の比率は、34:66 となる。
5) 3 年次編入学試験
都市創造学部では 3 年次編入学生定員として 10 名を計画している。都市創造学部の学生
が留学するアジアの各都市で編入学試験を実施するとともに、日本国内でも実施する。海
外で実施する編入学試験は基本的に 9 月入学であり、海外大学に 2 年以上在籍した者(見
込み含む)で卒業要件単位数の半数以上を取得した者及び海外の短期大学等を卒業した者
が対象となる。日本国内で実施する編入学試験は日本及び海外の大学に 2 年以上在籍した
者(見込み含む)で卒業要件単位数の半数以上を取得した者及び短期大学等を卒業した者
が対象となる。
ウ
科目等履修生や聴講生等、正規学生以外の受け入れ人数や方策等の具体的な計画
都市創造学部では、講義科目に加えて、3 年次後期に開設される「ゼミナール」において
も、積極的に科目等履修生や聴講生等を受け入れる。また、日本人の海外留学と同時に、
海外大学からの日本留学も促進するため、前述した正規生としての留学促進に加え、交流
協定締結大学からの半期又は 1 年間の非正規留学生である委託生を積極的に受け入れる。
68
ただし、これら非正規生については、各クラスにおいて、正規の学生の学修に支障の来さ
ない範囲(約 10%程度まで)になるように管理する。
⑨
資格取得を目的とする場合
都市創造学部に学ぶ学生において涵養する能力については、すでに述べたところである
が、これらの能力のうち、
「社会調査能力」については、民間によるものではあるが資格を
付与することが可能である。一般社団法人社会調査協会は、社会調査の基礎能力を有する
専門家として、調査企画から報告書作成までの社会調査の全過程を学習し、基本的な調査
方法や分析手法の妥当性、また、その問題点を指摘することができる人材に対して「社会
調査士」の資格を認定している。社会調査士の認定にあたっては、大学において、次のカ
リキュラムに相当する授業科目を修得することが必要とされる。すなわち、【A】社会調査
の基本的事項に関する科目(90 分×15 週)
、
【B】調査設計と実施方法に関する科目(90 分
×15 週)
、
【C】基本的な資料とデータの分析に関する科目(90 分×15 週)
、
【D】社会調査に
必要な統計学に関する科目(90 分×15 週)
、
【E】量的データ解析の方法に関する科目(90
分×15 週)
、
【F】質的な分析の方法に関する科目(90 分×15 週)
、
【G】社会調査の実習を中
心とする科目(90 分×30 週)である。都市創造学部専門基盤科目の都市社会学科目群及び
演習科目においては、これらの要求されるカリキュラムに相当する科目を配置しており、
すべての科目が開講される前年度の平成 30 年度に、定められた手続きに則り社会調査協会
に申請する予定である。なお、各カリキュラムに対応する授業科目は以下のとおりとなっ
ている。
カリキュラム
対応する授業科
科目概要
目
【A】社会調査の基本的事
社会調査概論
社会調査の意義と諸類型に関する基本的事項を
解説する科目。
社会調査法
社会調査によって資料やデータを収集し、分析し
得る形にまで整理していく具体的な方法を解説
する科目。
官庁統計や簡単な調査報告・フィールドワーク論
文を理解するための基本的知識を解説する科目。
項に関する科目
【B】調査設計と実施方法
に関する科目
【C】基本的な資料とデー
フィールドワー
タの分析に関する科目
クとデータ分析
【D】社会調査に必要な統
社会調査の統計
計学に関する科目
学
【E】量的データ解析の方
量的データ解析
法に関する科目
【F】質的な分析の方法に
質的データ解析
関する科目
【G】社会調査の実習を中
社会調査実習Ⅰ
69
統計的データをまとめ、分析するために必要な、
基礎的な統計学的知識を教える科目。
実証的データ分析で用いる基礎的な多変量解析
法について、その基本的な考え方と分析手法を解
説する科目。
さまざまな質的データの収集や分析方法につい
て解説する科目。
社会調査における調査企画から実証的な調査の
計画までを実習させる科目。
心とする科目
ア
社会調査実習Ⅱ
仮説実証のための質問紙法による調査の実際を
学ばせる科目。
取得可能な資格一覧(国家資格、民間資格の別、資格取得、受験資格、修了要件、追
加科目履修の必要の別)
事項
内容
備考
社会調査士
平成 30 年度中にカリキュラ
ムの申請予定
国家資格/民間資格の別
民間資格
一般財団法人社会調査会
資格取得/受験資格取得の別
資格取得可能
修
修了要件とはしない
資
格
了
名
要
称
件
追加科目履修の必要の別
イ
定められた授業科目を修得
した場合
「社会調査概論」について
は、必修科目
なし
資格取得のための方策
社会調査は、社会調査士の資格を有していなくとも実施可能な行為である。しかしなが
ら、正規のカリキュラムでの学修を経ずして社会調査を実施した場合、必要な手続きや誤
った解釈、そして倫理的な問題を引き起こすことにもなる。こうした事実を学生が認識す
るために、都市創造学部では、
「社会調査概論」を 1 年次前期の必修科目とし、入学後直ち
に社会調査に対する適切な認識を形成する。また、こうした認識は、都市創造学部の学び
においても、社会全体にとっても、そして学生個々人のキャリアにとっても、社会調査が
重要であることの理解を促進する。
「社会調査概論」を必修科目とすることによって、社会
調査士資格の取得に向けた動機づけを高めていく。
ウ
その他の資格
都市創造学部では、資格取得あるいは受験資格取得の可能な資格以外に、学生の自発的
な資格取得に寄与する授業科目を、専門教育科目及び資格関連科目群に配置している。資
格の種類と資格取得に対応した科目は以下のとおりである。
資格名称
対応科目
CG の概論を学ぶ科目。基本用語、
歴史、基礎技術を概観する。
CG にかかわる写真・動画撮影及び
映像編集のスキルを学ぶ科目。
CG 制作における表現方法と 3 次
元 CG の制作過程を学ぶ科目。
CG 制作でのモデリング、マテリア
ルの実際を学び、アニメーション
の手法を演習する科目。
CG スキルⅠ
CG クリエーター検定
エキスパート(民間資
格、公益財団法人 G-
ARTS 協会)
科目概要
CG スキルⅡ
CG スキルⅢ
CG スキルⅣ
70
資格名称
対応科目
CG デザイン
CG クリエーター検定
エキスパート(民間資
デジタル映像表現
格、公益財団法人 G-
ARTS 協会)
CG クリエーター演習Ⅰ
CG クリエーター演習Ⅱ
IT パスポート(国家資
格、独立行政法人情報
オフィススキル
科目概要
数理造形の仕組みと実際を学び、
CG におけるデザインのスキルを
修得する科目。
CG を使ったディジタル映像制作
の制作組織やフローに関する知識
を学ぶ科目。
CG クリエーターの基本的な演習
を行う科目。
CG クリエーターの応用的な演習
を行う科目。
現代人の基本スキルである文書・
プレゼンテーション、データ処理
スキルを演習する科目。
処理推進機構)
ネットワーク・データベース
スキル
IT パスポート(国家資
格、独立行政法人情報
処理推進機構)
システム開発とプロジェクト
マネジメント
カラーコーディネータ
ー検定試験 2 級(民間
資格、東京商工会議所) 情報システムの活用
知的財産論
カラーコーディネーションの
カラーコーディネータ
ー検定試験 2 級(民間
資格、東京商工会議所)
インテリアコーディ
ネーター(民間資格、
公益社団法人インテリ
ア産業協会)
基礎
カラーコーディネーションの
実際
カラーコーディネーション
演習Ⅰ
カラーコーディネーション
演習Ⅱ
71
現代社会の極めて重要な基盤をな
すネットワークとデータベースに
関する技術を演習し、使いこなす
ための科目。
システム開発方法論を歴史的に概
観し、今日的な開発手法を理解す
るとともに、これを実行するプロ
ジェクト組織特有の管理技術を検
討する科目。
情報システムを活用した業務改善
の事例を、様々な分野で概観し、
改善の基本的な着眼点を学ぶとと
もに、ICT の活用にかかわる様々
な法律を概観し、情報システムの
適切な運用を考える科目。
知的財産権制度を概観し、知的財
産の活用の方法を考える科目。
色の性質や色と心理など、色にか
か わ る幅 広い 基礎 知識 を学 ぶ科
目。
カラーコーディネーションの歴史
や色彩の基本的な考え方を学ぶ科
目。
色にかかわる基礎的な知識を演習
する科目。
カラーコーディネーションの知識
を演習する科目。
資格名称
対応科目
科目概要
インテリアコーディネーター
インテリアコーディネーターの役
割を歴史的に理解し、その仕事の
要素を学ぶ科目。
インテリアコーディネーションの
方法を学ぶ科目。
の
基礎
インテリアコーディネーター
インテリアコーディ
の
実際
ネーター(民間資格、
インテリアコーディネーショ
公益社団法人インテリ
ン
演習Ⅰ
ア産業協会)
インテリアコーディネーショ
ン
⑩
演習Ⅱ
住まいのインテリアに関する課題
について、これを理解・判断し、
的確な文章で明瞭に表現できる能
力を養う科目。
インテリアの基礎知識をもとに、
住まいのインテリア空間に関する
課題について、これを理解・判断
し、プレゼンテーションとして図
面等で的確に表現できる能力を養
う科目。
企業実習や海外語学研修など学外実習を実施する場合は,その具体的計画
都市創造学部では、インタビューや企業実習を含む演習科目、海外留学に伴う語学実習
を取り入れ、学修した知識を実践する機会を提供する。
ア
企業実習等
都市創造学部では、先に示したとおり、演習科目においてアクティブラーニングの手法
を多く取り入れる。具体的には、自治体、商店経営者等への「インタビュー実践」や調査
を取り入れる「オリエンテーション・ゼミナール」
「基礎ゼミナール」
、留学準備のための
研修と「海外インターンシップ」
「国内インターンシップ」のためのビジネスマナー研修等
を行う「都市準備研究」
、企業での実習を行う「海外インターンシップ」「国内インターン
シップ」
、都市の実態を調査する「フィールドワーク」、都市の専門家をゲストアドバイザ
ーとして招き論議する「ゼミナール」
、都市創造を実践する「卒業プロジェクトⅠ」
「卒業
プロジェクトⅡ」
、社会調査スキルの高度化を目指す「社会調査実習Ⅰ」
「社会調査実習Ⅱ」
がこれにあたる。これらは演習科目であり、必ずしも実習科目としての取り扱いではない
が、多分に実習を含むという意味で、ここで説明を行う。なお、学生個人の研究を深化さ
せる「卒業研究Ⅰ」
「卒業研究Ⅱ」も同様にアクティブラーニングの要素を有し、また、イ
ンタビュー等の実習的な要素を含み得るが、実習要素自体が目的となっていないという意
味で、ここでの説明には該当しないものと考える。
1) オリエンテーション・ゼミナール(1 年次前期・必修)
入学直後の演習科目として、
「オリエンテーション・ゼミナール」を開設する。都市創造
学部入学者は全員必修とし、初年次における大学教育への動機づけを与える。具体的には、
亜細亜大学経営学部が先駆的に展開している「インタビュー実践」の手法を取り入れ、学
72
生が都市実務家にインタビューを行う中で、特に、初年次は亜細亜大学の所在する地域に
ある課題や魅力のレパートリーを把握させることを通じ、その後の学習において注目すべ
き事柄を体得させる。
経営学部においては、1 年次前期に、個々の学生がインタビュイーを選定し、自ら日程調
整し、一人で相手先に出向き、インタビューを行う形式を採っている。これは、学生個々
人の聴き取り、行動し、自立する力を養い、生き抜く力と文章を作る力を養うことを目的
としている。なお、本取り組みは、文部科学省平成 22 年度「大学生の就業力育成支援事業」
に採択された事業の一環である。
都市創造学部においてもこの基本的なコンセプトを踏襲するものの、インタビュイーに
ついては、都市の実務家、例えば、近隣自治体職員(都市計画等を中心に)
、都市の課題解
決や魅力の開発にかかわる NPO・NGO 等の職員、商店街店舗経営者、近隣住民を中心に
選定する。また、インタビュー方法については、数名(4 名~6 名程度)のチームを編成し、
1 名のインタビュイーを取材する。学生は、インタビュイーから都市の課題や魅力を取材し、
チームで論議しながら都市の課題・魅力について記事を作成する。経営学部同様に、作成
された記事は、新聞社出身者による校正を受けるとともに、教員の添削を受けたうえで、
インターネットを通じて発信していく。
計画では、オリエンテーション・ゼミナールを担当する専任教員は 13 名で、入学定員 145
名+3 年次編入学定員 10 名=155 名、平均約 12 名の学生を各オリエンテーション・ゼミナ
ールのクラスで受けもつこととなる。したがって、各クラスで 2、3 チーム程度を編成し、
教員は各チームのインタビューを指導するが、学生の側は、他のチームのインタビュー内
容と自らの内容を比較し、各自の感じた都市の魅力や課題を相対化する。なお、全体とし
てインタビュイーは 26 名から 39 名を要する。
ⅰ) インタビュー先の確保のための連携関係
経営学部において先駆的に展開しているインタビュー実践においては、基本的には学生
個々人がインタビュイーを自ら選定し、自ら日程調整することを求めている。ただし、学
生が個人でインタビュイーを選定できない場合には、大学が事前にインタビュー受け入れ
を許諾した個人を紹介し、これに代えている。例年、こうした学生のために 20 名前後のイ
ンタビュイーを選定している。都市創造学部では、初年次において都市の課題・魅力を把
握させることに目的を置くため、むしろ大学として選定した都市の実務家を紹介し、そこ
からインタビュイーを学生が目的に応じて選択する方式とする。なお、経営学部のインタ
ビュー実践のために確保している大学選定インタビュイーは、都市創造学部のインタビュ
ー実践とある程度共有可能と考えており、また、これを増員することも可能である。
インタビュイーの増員については、亜細亜大学が平成 26 年に、所在する武蔵野市との間
で締結した包括連携協力協定を活用する。同協定では、(1)教育研究・生涯学習に関する
こと、
(2)人材育成に関すること、
(3)協働のまちづくりに関すること、(4)国際交流及
73
び文化・スポーツの振興発展に関すること、について協力していくことを確認した。都市
創造学部の「オリエンテーション・ゼミナール」におけるインタビュー実践は、教育研究・
人材育成・協働のまちづくりに関連した取り組みとして位置づけられ、インタビュイーの
紹介について武蔵野市の協力を得る。さらに、亜細亜大学では、地域社会との交流を深め
るため、さまざまな形での取り組みを展開している。例えば、地域で街づくりに携わる方々
との相互理解と協力関係の促進を目的として、「地域交流懇談会」を平成元年から実施して
おり、そこでのネットワークを通じても、インタビュイーを確保する。加えて、亜細亜大
学は、平成 25 年に、本学が位置する武蔵野地域を含む東京都西部の地域金融機関である西
武信用金庫とも包括連的携・協力協定を締結し、(1)中小企業研究の成果の中小企業への
還元に関する取り組み、(2)海外からの留学生も含めた、インターンシップを通じた中小
企業の就業支援や国際化の支援、グローバル人材育成支援に関する取り組み、
(3)その他、
街づくり支援、地域産業振興、中小企業支援のための事業協力に関する取り組み、を連携・
協力して実践している。これらの取り組みの中で、インタビュイーを依頼することも可能
となっている。
ⅱ) インタビュー内容の質的水準確保
インタビュイーは、基本的に自治体において都市開発に携わる職員や都市のさまざまな
課題の解決・魅力の開発に貢献することを目的とした NPO・NGO 等の職員、地域商店街
店舗経営者、大学周辺の住民を想定している。自治体職員、NPO・NGO 等の職員について
は、都市に関する課題解決・魅力開発を本務とする人々であり、インタビューにおいては
具体的かつ包括的な課題・魅力に関する情報を得ることが期待される。また、地域商店街
店舗経営者は、経営者として極めて明確な問題意識を地域に対して抱いているはずである。
こうした経営者の考え方を直接聴取することは、個々の経営者の哲学に偏った見方となる
ものの、都市の課題や魅力についての極めて重要な意味をもつものと推測している。そし
て、大学周辺の住民は、
「大学」という都市コンテンツであると同時に都市の景観の一部を
成す都市デザインの対象についてのステークホルダーであり、肯定的にも否定的にも明確
な意見を有していると考える。こうした住民へのインタビューは、都市コンテンツのプロ
デューサーや都市景観のデザイナーにとって意識すべきステークホルダーの観点を植え付
けるためにも重要な要素であるといえる。都市の課題や魅力の把握のためのインタビュー
においては、インタビュイーを大学として確保することによって、内容の質的水準を確保
できると考える。
ⅲ) インタビュー前の準備状況(保険等の加入状況)
インタビュー実践は、学生がインタビュー先等を訪問して実施されるため、学外に出る
ことで生ずるリスクを考慮しなければならない。インタビュー実践をすでに先駆的に展開
している経営学部では、こうしたリスクに対処するため、事前の指導において考慮すべき
74
リスクを説明している。これに加えて亜細亜大学では、インタビュー実践に限らず、学生
が授業に関連して学外等で活動することに伴い、顕在化する可能性のあるさまざまなリス
ク(交通事故や盗難、物品破損等)を保障する損害保険に加入している。学生は、活動前
に登録することで、保障を受けることができる仕組みとなっている。
ⅳ) 事前・事後における指導計画
「オリエンテーション・ゼミナール」におけるインタビュー実践に対する事前指導は、
すでに先駆的にこれを展開している経営学部での知見を活用する。経営学部では、インタ
ビュー実践のための独自教科書を制作し、これまでのノウハウを組織的に蓄積している。
都市創造学部においても、このノウハウを継承する形で事前教育を実施する計画である。
ただし、都市の課題・魅力の把握という学部固有の目的を有していることから、各ゼミナ
ール担当教員が学生の取材目的に応じた質問事項の設計についてアドバイスを行ったうえ
で、インタビューを実践させる。
インタビューチームの編成は、各担当教員の裁量で、極力希望する履修コースが偏らな
いように配慮する。各チームにおいて武蔵野地域の特性を調査し、インタビューテーマを
設定したうえで、適切なインタビュイーを選択し、インタビューを実施する。
事後的な指導は、インタビューで得た情報をまとめ、記事とするためのチーム内での論
議を促進することに力点が置かれる。この論議を通じて、個々の学生は、その後に取り組
むべき都市の課題や魅力について明確なイメージをつかむことになる。
ⅴ) 教員及び助手の配置並びに巡回指導計画
「オリエンテーション・ゼミナール」は学生に都市の課題と魅力を把握させることを主
たる目的としている。初年次の教育としては、都市の課題と魅力を都市の住人としての視
点で把握させることに注意を払い、その後に続く専門教育を受ける際の問題意識を形成さ
せることが重要になる。したがって、都市に関する専門的な知識を駆使してインタビュー
を行うというよりは、むしろ、都市に関する素朴な疑問を膨らませることが肝要となる。
そこで都市創造学部では経営学部同様に、「オリエンテーション・ゼミナール」を専門科目
とはせず教養的な科目として位置づけ、必要数の専任教員を専門分野とは切り離して配置
する。
インタビューの実施については、4 名~6 名程度の学生で構成されるチームがインタビュ
イーと日程調整する。これにより自立する力を養うものである。したがって、インタビュ
ー当日の教員の立ち会いは考えていない。
ⅵ) 成績評価体制及び単位認定方法
「オリエンテーション・ゼミナール」は、各回 1 時限で 15 週の授業を受講するとともに、
インタビューの実施を含めた授業外での学習を以て 2 単位を認定する。授業では、インタ
75
ビュー実践に関するアドバイスを与える他、インタビュー内容に関するチームでの検討、
インタビュー後のまとめも含み、授業外の学習には、インタビュー実施・記事作成と修正
等が入る。学修時間は、授業 30 時間相当、インタビュー準備と実施 25 時間(準備のため
のチーム打合せ 15 時間、実施 3 時間、各自の予復習 7 時間)
、記事作成 30 時間(分担執筆
10 時間、原稿調整 10 時間、Web ページ作成 10 時間)、個人レポート作成 5 時間となり、2
単位分 90 時間を確保する。学生に対する成績評価は、インタビュー実践の成果である記事
をチームとして評価するとともに、個人においては各自の都市研究に関する問題意識の形
成程度をレポートにより評価する。これらを総合的に評価し、合格と判定された場合に 2
単位を付与する。
2)
基礎ゼミナール(1 年次後期・必修)
1 年次後期には、
「オリエンテーション・ゼミナール」の受講を終えた学生が、履修する
コースを選択し、さらに主体的に学ぶことを促す「基礎ゼミナール」を開設する。必修と
し、2 年次以降の都市に関する研究への動機づけを与える。具体的には、前期に履修した「オ
リエンテーション・ゼミナール」において把握した都市の課題や魅力を掘り下げていく中
で、
「研究」の過程を体験し、特に、成果の発表(プレゼンテーション)についてのスキル
を涵養する。研究対象は、大学近郊の都市の課題又は魅力とし、前期の演習との接合を図
る。研究対象に対しては、直に観察するなどのアプローチを採用する。なお、担当者は、
オリエンテーション・ゼミナールと同一の 13 名であり、各基礎ゼミナールで平均約 12 名
となる。
ⅰ) 調査先の確保のための連携関係
「基礎ゼミナール」での研究対象は、大学近郊の都市の課題・魅力であることから、前
述した武蔵野市との包括連携協力協定(締結済み)
、地域交流懇談会(設置済み)、西武信
用金庫との包括的連携・協力協定(締結済み)を活用して確保していく。具体的には、学
生が把握している課題・魅力に対応した自治体組織や施設、商工業者等の紹介を受け、訪
問調査等を行う。
ⅱ) 研究の質的水準確保
「基礎ゼミナール」の学びにおいては、学生が主体的に考え、行動することを旨とする
が、実際には初年次でもあり、研究の方法を初歩から解説する必要がある。1 年次後期の段
階では、研究に一定の結論を求めるものではなく、2 年次以降に都市の研究に着手する前の
基礎訓練として位置づける。各「基礎ゼミナール」内では、学生が把握している課題・魅
力の内容を総合したテーマをゼミナール内で論議し決定する。研究の進捗状況は随時プレ
ゼンテーションさせ、担当教員が進捗を管理すると同時に、このプレゼンテーションによ
り学生の情報発信能力を高めていく。こうした取り組みにより、初年次生としての一定の
76
研究の質的水準を確保していく。
ⅲ) 学外活動前の準備状況(保険等の加入状況)
「オリエンテーション・ゼミナール」におけるインタビュー実践同様に、学外調査につ
いては、事前の登録により損害保険を設定する。
ⅳ) 事前・事後における指導計画
各「基礎ゼミナール」においては、担当教員が研究者や実務家としての立場で一般的な
研究プロセスの解説を行い、初年次に相応しい範囲での研究の方法についての理解を事前
に深める指導を行う。研究期間中も随時研究チームにプレゼンテーションを行わせ、研究
の進捗について指導するが、研究の終了後には、研究結果のプレゼンテーションをコンテ
スト形式で審査する。
ⅴ) 教員及び助手の配置並びに巡回指導計画
「基礎ゼミナール」は、個々の学生が把握している都市の課題や魅力を掘り下げていく
中で、
「研究」の過程を体験し、特に、成果の発表(プレゼンテーション)についてのスキ
ルを涵養することを主たる目的としている。初年次後期でもあり、専門的な研究を行うも
のではなく、
「研究」という行為を体験し、その中でも情報発信能力の開発に主眼を置いた
教育を実践する。したがって、「基礎ゼミナール」の授業時間における担当教員の指導は、
研究の進め方に関する解説と学生の研究活動の進捗管理、プレゼンテーションへのアドバ
イスが中心となる。
「基礎ゼミナール」はそうした意味で研究活動に関する教養的な色彩の
強い科目であるが、2 年次以降の都市の研究の入口になる科目であることから、これを専門
教育科目として位置づけ、同時に担当教員については学部に所属する専任教員を個々の専
門分野とは切り離して配置する。
なお、研究対象となる自治体組織や施設、商工業者等への訪問調査は、学生が主体的に
行うものとし、担当教員の引率は想定していない。
ⅵ) 成績評価体制及び単位認定方法
「基礎ゼミナール」は、各回 1 時限 15 週の授業と研究対象への訪問調査、訪問調査前後
のグループでの授業外での学習及びプレゼンテーションを以て 2 単位を認定する。授業で
は、研究活動のプロセスの解説と研究方法の演習の他、研究内容に関する検討、訪問調査
後のまとめ方の指導を行う。調査結果についてのプレゼンテーションの作成は授業時間外
の学習とする。学修時間は、授業 30 時間相当(プレゼンテーション練習と指導 4 時間程度
を含む)
、訪問調査関係 20 時間(訪問調査実施 3 時間、訪問調査前後の打合せ 10 時間、各
自の予復習 7 時間)
、プレゼンテーション作成関係 25 時間(プレゼンテーション設計 15 時
間、プレゼンテーション作成 10 時間)
、プレゼンテーションによる報告 5 時限(10 時間相
77
当)
、個人レポート作成 5 時間となり、2 単位分 90 時間を確保する。学生に対する成績評価
は、研究の成果であるプレゼンテーションの評価を全体の評価とするとともに、個人にお
いては各自が把握した都市の課題や魅力について、研究から理解した内容をレポートさせ
評価する。最終的な成績評価は、これらを総合し、合格と判定された場合に 2 単位を付与
する。
3) 都市準備研究(2 年次前期・必修)
2 年次前期には、本格的な都市研究の最初の科目として「都市準備研究」を必修で開設す
る。この科目では、続く 2 年次後期での海外留学に向け、さまざまな準備を行う。第 1 に、
海外での長期滞在には不慣れであると考えられる学生に対して、海外生活上の注意事項な
どを知識として与える。第 2 に、海外留学期間中に行うインターンシップへ向けた準備を
行う。第 3 に、学生の留学先都市に関する事前知識を得るためのゲストスピーカー講演聴
講。第 4 に、3 年次後期をにらんだフィールドワークの方法について解説をする。本科目は、
専任教員が担当し、一部において外部ゲストスピーカーを招聘して実施する。
ⅰ) ゲストスピーカー確保のための連携関係
本科目で行う四つの演習事項(海外留学事前研修、インターンシップ事前研修、留学先
都市事前研修、フィールドワーク事前研修)に合わせて、適切なゲストスピーカーを招聘
するため、次のような連携を図る。なお、フィールドワークの方法については、科目担当
者が演習を行う。
海外留学事前研修
亜細亜大学では永年にわたり海外へ学生を派遣してきた経験を有している。留学を予定
しているすべての学生は、本学国際交流センターが行う事前研修に参加することが義務づ
けられている。この事前研修では、これまでの派遣経験を活かし、座学での知識伝授の他、
グループワークやケーススタディによって、学生に知識を疑似体験させ、その定着を図っ
ている。
「都市準備研究」においても、この事前研修を適用するため、本学国際交流センタ
ーとの連携を深める。
インターンシップ事前研修
インターンシップは、国内・海外の 2 科目から選択必修となるが、海外インターンシッ
プの受け入れ先は、主として日本企業の海外現地法人等になるため、国内インターンシッ
プ準備事項(基礎的ビジネスマナーと日本の組織の職場常識、
(「ホウレンソウ(報告・連
絡・相談)
」
「5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)
」など)は共通した研修項目となる。
日本企業海外現地法人を主たる研修先とした海外インターンシップ準備事項としては、
ダイバーシティ組織の理解が中心となる。多様な構成員間のコミュニケーションと共通目
78
標の設定方法、協働意欲の醸成について事前研修を行う。こうした事前研修は、本学キャ
リアセンターとの連携によって実施する。
留学先都市事前研修
海外留学する候補都市はアジアを中心とした成長著しい中核都市のうち、本学が学術文
化交流協定を締結している大学の所在都市を中心に計画している。具体的には、中国(大連、
上海)、韓国(釜山)、インドネシア(ジャカルタ)、タイ(バンコク)、ベトナム(ハノイ)がこれ
にあたる。資料23-1~23-6また、本学が平成元年より実施している、5 ヵ月間の米
国語学留学を目的とした亜細亜大学アメリカプログラム(AUAP)を利用し、米国(ワシン
トン州)にも学生を派遣する。資料23-7米国は、世界経済の中心であり、世界のメガ
シティをリードしているニューヨーク(都市戦略研究所(2014),『世界の都市総合力ラン
キング 2014』において 2011 年まで第 1 位、2012 年から第 2 位)を擁していることから、
日本やアジア各国の都市開発にも大きな影響力をもっており、これを視野に入れる。
資料24
2 年次前期において学生の留学先都市はすでに確定しているが、自らが留学しない同級生
の留学先都市の事情も含め、アジア・世界の中核都市に関する知識を有しておくことは重
要であろう。各都市の専門家(駐在経験者、都市研究者)をゲストスピーカーとして招聘
し、講義を展開する。招聘する各都市駐在経験者は、次に説明する海外インターンシップ
協賛企業に依頼し、都市研究者は日経 BP 社(同社クリーンテック研究所においては、スマ
ートシティの各国での開発状況を調査研究しており、都市開発に関係するさまざまな情報
を蓄積している)と連携し、招聘する。
ⅱ) ゲストスピーカー講演の質的水準確保
「都市準備研究」においてゲストスピーカーを招聘する三つの研修のうち、海外留学事
前研修(国際交流センター)及びインターンシップ事前研修(キャリアセンター)は、そ
の内容や手法などが確立されており、一定の質的水準を確保できるものと考える。各都市
の事情を解説する講演は、アジア 6 都市とニューヨークについて比較が可能なように、①
名称由来、②歴史、③文化的特徴、④社会・経済状況、⑤課題と魅力、について、全講演
に取り込むように依頼する。
ⅲ) 学外活動前の準備状況(保険等の加入状況)
「都市準備研究」では学外での活動は想定しておらず、保険等の加入は必要が生じた場
合に検討する。
79
ⅳ) 事前・事後における指導計画
「都市準備研究」でのアクティブラーニングは、授業時間内での演習が中心となる。各
演習は、演習前に十分に解説し、演習後に振り返りの時間を確保する。
ⅴ) 教員及び助手の配置並びに巡回指導計画
海外留学事前研修、インターンシップ事前研修では、グループワークが想定されており、
これにアドバイスするアシスタントが必要となる。海外留学経験者、インターンシップ経
験者である上級生(初年度は他学部の経験者)をアシスタントとして配置し、また、キャ
リアセンターの事務職員にも立ち会いを依頼することで、円滑な学習を補助する。「都市準
備研究」は 1 クラス(150 名程度)で開設し、専任教員 1 名が科目担当者として配置され
るが、前述の学生アシスタント、国際交流センター及びキャリアセンター事務職員が補助
し、教員の負担を緩和する。また、グループワークの実施を想定していることから、履修
者数よりも大きな収容能力のある教室を配当し、また、周辺の小教室等でのグループワー
クも可能なように配慮する。なお、本科目については、巡回指導は該当しない。
ⅵ) 成績評価体制及び単位認定方法
「都市準備研究」は、各回 1 時限で 15 週にわたり実施し、合格の場合には 2 単位を認定
する。学修時間は、授業 30 時間相当、研修前後の予復習 45 時間、レポート等作成 15 時間
となり、2 単位分 90 時間の学修時間を確保する。成績は四つの研修成果に応じて評価を行
う。海外留学事前研修では、提出されるケーススタディに関するレポートを、インターン
シップ事前研修では、グループワークで研修するビジネスマナーの修得状況とビジネスマ
ナーに関するレポートをそれぞれ作成する。留学先都市事前研修では、解説される都市と
自身が留学する都市との比較レポートを、そして、フィールドワーク事前研修については、
フィールドワーク実践の知識についてレポートさせ実際のフィールドワークに際しての各
自のマニュアルとする。これらを総合的に評価し、合格と判定された場合に 2 単位を付与
する。
4) インターンシップ(2 年次前期(国内インターンシップ)・2 年次後期(海外インター
ンシップ)
、選択必修)
インターンシップは、2 年次前期夏季休暇期間中に実施する「国内インターンシップ」と
2 年次後期留学期間中に実施する「海外インターンシップ」の 2 科目を開設し、いずれか 1
科目の選択必修とする。2 科目を履修し、単位修得した場合には、4 単位を卒業要件単位数
に算入する。なお、都市創造学部では、2 年次後期に海外留学することを必須としているた
め、
「海外インターンシップ」の履修を学生に対しては推奨する。ただし、海外インターン
シップ受け入れ先企業の一部では、同社の国内事業所にて一定のインターンシップを経験
してから海外で受け入れることを条件としている。
80
インターンシップ先は、国内インターンシップは 2 年次前期中に決定し、海外インター
ンシップは 2 年次夏季休暇期間中(留学のために離日する前まで)に決定する。海外イン
ターンシップ先のうち、国内インターンシップも義務づける企業等を希望する場合には、
海外インターンシップ先として未確定であっても対象企業の国内インターンシップを行う
ように指導する。
ⅰ) インターンシップ先確保のための連携関係
現在、海外インターンシップの推進については、全学を挙げて取り組んでおり、幾つか
の協賛企業を得ている。協賛企業は、本学の国内外のインターンシップへの取り組みに賛
同するものであり、条件を充足する場合にインターンを受け入れる。これまでのところ、
以下の企業から、亜細亜大学の海外インターンシップ協賛企業としての受諾を得ている。
日本電気株式会社、サムスン経済研究所、綜研化学株式会社、株式会社内田洋行、丸善株
式会社、株式会社紀伊國屋書店、デロイトトーマツコンサルティング株式会社、セコム株
式会社、東急グループ
これらの企業においては、基本的に国内インターンシップについても協賛を得ており、
一定の条件を充足する学生のインターン受け入れを依頼する。また、亜細亜大学国際関係
学部は、平成 24 年度文部科学省「経済社会の発展を牽引するグローバル人材育成支援」に
選定され、平成 26 年度から海外インターンシップをアジア各国・米国で展開している。こ
こでのインターン受け入れ先も活用可能である。なお、亜細亜大学では、平成 27 年度から、
特に、海外インターンシップを推進するためのインターンシップコーディネーターの業務
を外部委託、インターンシップ先の開拓とインターンへの事前研修を開始する。これによ
って、海外インターンシップがさらに活発化するものと考えている。
ⅱ) インターンシップの質的水準確保
インターンシップの目的は、国内であれ海外であれ、社会人として働く意義と常識を身
に付け、キャリア意識を醸成することにある。特に、都市創造学部では、2 年次前期・後期
という比較的早い段階でのインターンシップ実施であることを考慮して、インターンシッ
プ先での研修は、簡単な調査補助業務、事務補助業務や工場等での作業補助を中心とし、
業務自体よりもむしろ組織で働くことの意味を理解させることに主眼を置く。インターン
受け入れ先企業に対しては、毎年度、こうした都市創造学部でのインターンシップの狙い
を説明するとともに、研修内容について連絡を取りながら決定していく。
ⅲ) インターンシップ前の準備状況(保険等の加入状況)
インターンシップに参加する前に保険加入をする。
「国内インターンシップ」は 1 年次前
後期の演習科目同様に、事前の登録により損害保険を設定する。「海外インターンシップ」
については、留学時の海外旅行損害保険において特約等を設定する。
81
ⅳ) 事前・事後における指導計画
インターンシップの事前研修は、すでに述べたとおり 2 年次前期「都市準備研究」で行
うが、派遣直前の夏季休暇期間の最初に 3 時限をかけてビジネスマナー等の復習を行う。
これとは別にインターンシップの目的を明確化するため、国内・海外インターンシップ担
当者が 2 時限の指導を行う。また、インターンシップ期間中(最低 2 週間~4 週間=8 時間
/日×(10 日~20 日)=80 時間~160 時間)は「国内インターンシップ」
「海外インターン
シップ」ともに報告書(業務日誌)を一定間隔で提出する(1 週間に 1 回程度)
。インター
ンシップ修了後は、インターンシップ協賛企業にも参加を求め、報告書に基づく成果報告
会を行い、コメントを与える。
ⅴ) 教員及び助手の配置並びに巡回指導計画
「国内インターンシップ」は、派遣先企業への対応をとる担当教員を適宜配置(7 名を計
画、うち 1 名は海外インターンシップにも対応)する。派遣先企業への連絡と調整、学生
への必要事項の指示を行うとともに、学生に対してインターンシップの目的明確化へ向け
た指導(2 時限)を行う。派遣前にはビジネスマナー等の復習を集合教育(3 時限、海外イ
ンターンシップ履修者と合同)で行う。実習形式で復習を行うため、インターンシップ経
験上級年次生(初年度は他学部学生)をアシスタントとして数名配置する。研修内容は本
学キャリアセンターと連携し、同センターが他の学部のインターンシップ参加前に行って
いる研修を援用する。インターンシップ参加期間中は、一定間隔で報告書の提出を学生に
求めるが、問題のある場合には担当教員がインターン派遣先を訪問する。なお、報告書の
提出に際しては、集合教育形式で担当者が直接学生を指導する。インターンシップ参加後
は成果報告会を実施する。
「海外インターンシップ」については、学生の留学先各都市担当専任教員を 1 名以上配
置(11 名を計画、うち 1 名は「国内インターンシップ」にも対応、学生の留学状況に応じ
て都市別の担当者数を決定する、学生は各都市に配置された担当教員別に指導を受ける)
する。派遣先企業への連絡と調整、学生への必要事項の指示を行うとともに、学生に対し
てインターンシップの目的明確化へ向けた指導(2 時限)を行う。留学前に 3 時限をかけて
行うビジネスマナー等の復習は、
「国内インターンシップ」履修者と合同で実施する。参加
期間中には、一定間隔(おおむね 1 週間に一度)で報告書の提出を学生に求めるとともに、
Skype 等での複数人コミュニケーションを用いて問題の確認や解決にあたる。大きな問題
の生じた場合には担当教員を臨時で派遣し、問題解決にあたる。また、実施後の参加報告
会については、担当教員が現地に赴き、報告を受ける。
なお、「国内インターンシップ」「海外インターンシップ」の担当教員については、教員
の専門領域とは切り離して配置するが、次に説明する「フィールドワーク」との関係で大
まかな専門性(都市社会学系、産業社会系等)を考慮する。
82
ⅵ) 成績評価体制及び単位認定方法
インターンシップ参加直前のビジネスマナー復習 3 時限(6 時間相当)と目的明確化のた
めの指導 2 時限(4 時間相当)
、実際にインターンシップに参加している期間(国内・海外
ともに最低 2 週間~4 週間程度=8 時間/日×(10 日~20 日)=80 時間~160 時間、期間中
の報告書(業務日誌)作成時間、並びに成果報告をまとめる時間を含む)
、参加後の成果報
告会、が学修時間として計算され、2 単位分の 90 時間を上回る。Skype 等での担当教員と
のコミュニケーションは授業時間外の相談として扱う。成績評価は、インターンシップ派
遣前のビジネスマナー等の復習の取り組み状況、インターンシップ参加期間中の報告状況、
インターンシップ後の成果報告状況により総合的に評価する。合格と判定された場合に 2
単位を認定する。
5) フィールドワーク(3 年次前期・必修(海外又は国内))
3 年次前期「フィールドワーク」は、続く 3 年次後期の「ゼミナール」での都市を対象に
した研究のためのデータ収集を目的に必修で開設する。
「フィールドワーク」は、2 年次後
期から引き続き留学している場合には海外で実施され、留学から帰国している場合には国
内(渋谷、横浜、吉祥寺)で実施される。3 年次前期に海外留学を継続した場合、3 年次後
期からの 3 学期で卒業要件単位数を修得しなければならないが、履修上限単位数を年間 48
単位としているため、留学時、2 年次前期末までに 54 単位以上修得していれば、帰国後の
3 学期で卒業要件単位数以上の単位修得が可能なように設計されている。3 年次以降は発展
科目を主として履修することになるが、発展科目については、前期・後期での履修順序は
影響しないため、留学継続者が 3 年次後期から履修しても問題はない。実際には、留学継
続にかかる生活費等も考慮すると継続者はさほど多くはならないものと考えており、おお
むね留学生の 10%から 20%程度であると想定している。なお、海外留学を継続する場合、
生活の安定を考慮し、留学先は 2 年次後期と同一大学を原則とする。
学生は、街に出て直接研究対象を調査・観察し、あるいは施設などを訪れる人々にイン
タビューを行う。3 年次後期の「ゼミナール」は、そこで得たデータに基づいて考察される
ため、フィールドワークの設計においては、3 年次後期の考察プロセスを含めて検討するこ
とになる。なお、データ収集に際しては、ビッグデータの利用(SNS データ、オープンデ
ータ等)にも配慮し、各都市の住民の発信する SNS データの収集、各政府・自治体等の公
開しているオープンデータの活用を視野に入れる。
ⅰ) フィールドワーク対象の確保のための連携関係
学生がフィールドワークを行う対象は、特定の施設や場所に限定されない。また、国内
だけではなく、海外にもその対象は広がる。したがって、事前にこれを確保することは難
しいが、亜細亜大学が包括的連携・協力協定を締結している武蔵野市、西武信用金庫につ
いては、事前にそうした対象となり得ることを連絡し、実際に調査・観察・インタビュー
83
対象となった場合には協力を得られるようにしておく。また、それら以外の場合には、大
学の授業の一環での調査・観察・インタビューであることを付記した大学発行の書類に基
づき、対象施設等を管理する機関に学生が直接交渉し、事前に許可を得るようにする。
資料1~2
ⅱ) フィールドワークの質的水準確保
学生は、フィールドワークの実施対象と調査等の内容を事前に計画し、担当教員に実施
に関して相談をする。その時点で、一定程度の質的水準を確保することが可能となる。さ
らに、調査・観察・インタビュー中に生じた問題についても、担当教員に相談し、これを
解決することで、所期の目的を達成するよう援助する。調査・観察・インタビュー後のデ
ータの整理については、集合授業で指導を行い、質的水準を確保する。
ⅲ) フィールドワーク前の準備状況(保険等の加入状況)
他の演習科目同様に、事前の登録により損害保険を設定する。海外での「フィールドワ
ーク」については、留学時の海外旅行損害保険において特約等を設定する。
ⅳ) 事前・事後における指導計画
「フィールドワーク」の方法については 2 年次前期必修の「都市準備研究」において解
説を行っている。また、同じく 2 年次の前期「社会調査法」、
「フィールドワークとデータ
分析」で詳細を説明する。しかしながら、3 年次前期に実際に調査・観察・インタビューを
行う際には、直前にそれらの知識を復習(2 時限)する必要がある。フィールドワーク担当
者は、こうした復習のための解説を行うが、海外留学を継続している学生のためには、担
当教員が指導のために現地に赴く。海外留学継続者のためのフィールドワークの担当者は、
海外インターンシップ担当者と同一教員を計画しており、海外出張の負担は一定程度軽減
可能と考える。指導時には、フィールドワーク方法の解説の他、3 年次での研究を意識した
データ収集対象を指導する。なお、受講確認のためのレポートを国内・海外ともに求め実
施前の復習とし、実施期間中は、国内においては必要に応じて学生が担当教員にアドバイ
スを求める。海外にいる学生に対しては Skype 等での複数人コミュニケーションを使い、
アドバイスを行う。実施後については、プレゼンテーションによる報告を行い(海外でフ
ィールドワークを行った学生は帰国後)
、その後の研究へのデータの活用方法の指導を別途
行う。
ⅴ) 教員及び助手の配置並びに巡回指導計画
「フィールドワーク」は、同一科目で国内外に分散した学生の調査・観察・インタビュ
ーを指導・管理する必要があり、専任教員であっても 1 名では対応が難しい。そこで、フ
ィールドワーク担当者は全体で専任教員 19 名、国内実施担当教員(8 名を計画)
、海外実施
84
担当教員(11 名を計画、海外インターンシップ担当者と同一)、を配置する。3 年次後期必
修科目の「ゼミナール」での研究を意識するため、大まかな分野別(都市社会学系、産業
社会系等)に、国内担当、海外担当の教員を適宜配置する。ゼミナールを担当する教員は
基本的に、フィールドワークも担当し、必要に応じて海外各都市を巡回し、また、国内に
居る学生のためにはキャンパスにおいて指導を行う。なお、海外留学中の学生と担当教員
の日常的なコミュニケーションは、Skype 等での複数人コミュニケーションを使い、担当
者が留学継続者と定期的に連絡を取る。また、海外担当者は、3 年次前期始業前に担当都市
を訪問し、留学継続学生のフィールドワーク計画に関する指導を行う。フィールドワーク
成果報告のプレゼンテーションは、帰国後の夏季休暇期間中を計画しており、前述した「海
外インターンシップ」と合わせ、学生が海外留学を 3 年次前期まで継続した場合の担当教
員の海外出張スケジュールは、以下のとおりとなる。
「海外インターンシップ」担当者と「フ
ィールドワーク」担当者は同一であるため、2 月中旬 1 回 4 泊 5 日程度、3 月中旬 1 回 5 泊
6 日程度となる。それぞれの出張においては、インターンシップ受け入れ先企業等への訪問
も含む。インターンシップ参加期間中及びフィールドワーク実施期間中は、基本的には
Skype 等での複数人コミュニケーションを用いて状況を確認するが、問題などの必要に応
じて担当教員を現地に派遣する。授業期間中である場合には休講も発生するが、補講によ
って対応する。
科目
海外留学(学生)
月
8月
9月
~1 月
海外インターンシップ
(担当教員海外出張)
下旬出発
(一部都市中旬出発)
語学研修
インターンシップ
ビジネスマナー研修
3月
インターンシップ参加
報告
報告会(インターンシ
ップ)
8月
備考
ビジネスマナー研修
(国内、初旬)
2月
4月
~7 月
フィールドワーク
(担当教員海外出張)
フィールドワーク指導
インターンシップ中
指導(Skype 等での複
数人コミュニケーショ
ン)
フィールドワーク終了
フィールドワーク中
指導(Skype 等での複
数人コミュニケーショ
ン)
フィールドワーク実施
報告(帰国後)
報告会(フィールドワ
ーク、国内)
フィールドワーク実施
必要に応じて随時出張
ⅵ) 成績評価体制及び単位認定方法
「フィールドワーク」は、実施前の方法の解説(復習)への対応状況と実施計画に対す
る指導対応状況、実施後の成果報告、及び報告書により総合的に評価する。授業時間数と
しては、実施前のフィールドワーク方法の復習(2 時限、4 時間相当、国内は集合教育、海
外は教員が赴き同様の教育)と実査に要する時間(最低 5 時間×5 日=25 時間)
、実査後の
85
、フィールドワーク成果報告用プレゼンテーション・報告書
データの取りまとめ(25 時間)
作成(25 時間)
、フィールドワーク成果報告会(5 時限、10 時間相当)、フィールドワーク
データの研究への活用方法に関する講義(2 時限、4 時間相当)により、2 単位分 90 時間
以上の学修時間を確保する。海外留学継続中の学生に対する担当教員との Skype 等での複
数人コミュニケーションを利用した日常的なコミュニケーション時間はこれに算入してい
ない。合格と判定された場合に 2 単位を認定する。
6) ゼミナール(3 年次後期・必修)
3 年次後期には、
「ゼミナール」を必修で開設する。
「ゼミナール」は、1 年次からの演習
科目の一つの到達点であり、各自が、基本的には「フィールドワーク」でデータを収集し
た都市について、課題解決や魅力発信をテーマに考察を行う。考察を進めていくうえでは、
専任教員がそれぞれの専門領域の観点で指導し、学生の考察内容の妥当性や、実現可能性
などを論議しながら進めていく。専任教員の専門領域はそれぞれ異なっており、学生は指
導を受ける教員の専門領域を意識したフィールドワークを行い、データを収集する。なお、
考察対象都市は、留学先都市の他、国内 3 都市(渋谷、横浜、吉祥寺)を追加し、国内で
フィールドワークを行った学生に対応する。
ⅰ) ゲストアドバイザーの確保のための連携関係
「ゼミナール」では、学生の考察が現実の都市の課題や魅力を取り扱うことから、各都
市の実情を知る都市の専門家のアドバイスを受けることが欠かせない。こうしたアドバイ
スは研究方法に関するものではなく、都市の自治体の政策意図や生活者の感覚、開発事業
者の狙いといった観点でなされなければならない。そこで、各都市に精通した都市研究者
を外部ゲストアドバイザーとして招聘する。ゲストアドバイザーとして招聘する各都市研
究者は、㈱日経 BP 社と連携し派遣を求める。また、海外インターンシップ受け入れ先企業
にも要請し、各都市駐在経験者を生活者としてのゲストアドバイザーに招く。ゲストアド
バイザーには、学生の都市研究の内容に対してコメントを与えることを求める。
ⅱ) ゲストアドバイザーの質的水準確保
担当教員は、都市創造学部専任教員がこの任にあたるが、ゲストアドバイザーには、生
活者や実務家の観点から、各都市に関する学生の考察内容を評価できる能力が求められる。
そこで、各機関等には、都市滞在期間や都市とのかかわりの大きさを基準として選任する
ことをアドバイザー招聘時に伝え、正当な評価が可能な水準を確保する。また、
「ゼミナー
ル」においては、地域住民もゲストとして参加を要請する。亜細亜大学においては、平成
16 年度から地域住民参加型の公開討論形式の全学共通科目「街づくり未来塾Ⅰ・Ⅱ」を開
設し、地域住民参加型の教育を実践している(地域住民参加時の人数は 20 名程度)
。同様
の形式で地域に呼び掛け、可能な限り多くの住民参加を得て、学生の考察を生活者の視点
86
からも評価可能なように工夫する。担当教員に加え、これら、都市専門家(駐在経験者、
都市研究者)
、地域生活者、学生が論議することで、より一層現実的な考察を学生は行うこ
とが可能となる。
ⅲ) 都市研究前の準備状況(保険等の加入状況)
「ゼミナール」においては、追加的な学外活動は想定していない。必要が生じた場合に
は、保険等への加入を促す。
ⅳ) 事前・事後における指導計画
「ゼミナール」での考察の基本計画は、
「フィールドワーク」においてなされているが、
必要に応じて担当講師が考察の計画を修正する。考察後は学内での報告大会形式での発表
に向け、プレゼンテーションをするための素材と要旨作成を指導する。
ⅴ) 教員及び助手の配置並びに巡回指導計画
「ゼミナール」は、都市創造学部専任教員が専門に応じて担当する。例えば、経営戦略
を専門とする教員にあっては、研究対象都市と他の都市との競争や当該都市の成長等を論
じようとする学生が指導の対象となる。人的資源管理を専門とする教員の場合には、都市
開発やコンテンツ制作のプロジェクトマネジメントを考察する学生が指導対象となる。当
然のことながら、
「都市」に関する研究を専門とする教員においては、指導対象となる学生
の幅は広くなる。つまり、
「都市」を専門とするか否かに限らず、経営学及び都市社会学を
専門とする教員においては、都市を対象とした学生の研究を、各々の専門の観点で指導可
能であると考えている。ただし、
「都市」に関する知見はこうした場合でも重要であること
から、都市の研究者や都市の生活者の観点での助言を得るため、ゲストアドバイザーを招
聘し、住民参加を促す。また、設置第 2 期生以後は、上級年次生で都市を研究した学生を
アシスタントとして配置し、論議の活性化を図る。なお、本科目については、巡回指導は
該当しない。
ⅵ) 成績評価体制及び単位認定方法
「ゼミナール」の研究成果は、各ゼミナール内で報告させるとともに、3 年次末に報告大
会を学会形式で実施し、報告した内容と、報告要旨、聴講者の評価を総合して担当講師が
評価する。授業は週 1 回 1 時限を 15 週にわたり実施し、必要な予復習時間に各自の研究を
進め、
2 単位分 90 時間の学修時間を確保する。合格と判定された場合に 2 単位を付与する。
87
7) 卒業プロジェクトⅠ・Ⅱ(4 年次前期・後期・選択)
ⅰ) 都市創造企画の確保のための連携関係
都市創造企画は、具体的な都市やその開発事業者等との連携により案出される。現在、
亜細亜大学では所在する武蔵野市と東京都西部に基盤を置く西武信用金庫との間で包括的
連携・協力協定を締結しており、こうした協定を活用していく。また、渋谷や横浜の都市
再開発事業に取り組む企業とも連携を図り、適切なテーマを求めていく。
ⅱ) 都市創造企画の質的水準確保
都市創造企画の具体的内容については、連携する機関との協議により決定していくが、
都市コンテンツ履修コースについては、例えば、大学が位置する武蔵境を舞台に都市の魅
力を高めるキャラクターを地域社会と連携してプロデュースする企画や、都市デザイン履
修コースであれば、例えば、同様に武蔵境について地域の国際化のあり方と商店街での多
言語化対応の方策について検討する企画などを考えることができる。実際には、連携機関
と担当教員との協議により、都市に関する実際のニーズを把握する。学生参加プロジェク
トの対応可能な範囲には限界もあるが、その範囲の中で最大限の成果を、都市創造企画参
加経験(実際のコンテンツのプロデュースやデザイン実現に向けたソリューション提案の
経験)を有する専任教員がリードしていくことで、一定の質的水準を確保していく。
ⅲ) プロジェクト前の準備状況(保険等の加入状況)
プロジェクト活動の内容によっては、学外での調査やインタビューなどを伴うことが考
えられる。他のアクティブラーニング同様に事前登録することで、損害保険を設定する。
なお、海外へ赴くことも想定されるが(費用は学生が負担、担当教員については大学で負
担)
、その際には、海外留学同様に損害保険の特約を設定する。
ⅳ) 事前・事後における指導計画
前期の「卒業プロジェクトⅠ」は企画全体の準備プロセスに相当し、後期「卒業プロジ
ェクトⅡ」が実施プロセスに相当する。
「卒業プロジェクトⅠ・Ⅱ」の履修者は、都市創造
企画の説明を受け、プロジェクトの選択を行う。この説明と履修者の選考が「卒業プロジ
ェクトⅠ」の事前の指導を成す。
「卒業プロジェクトⅠ」の事後的な指導は、学生が主体的
に検討し、準備した内容を担当教員が評価することがこれに相当し、実施に向けた準備・
調整が「卒業プロジェクトⅡ」の事前指導にあたる。
「卒業プロジェクトⅡ」の事後指導は、
都市創造企画の実施内容に対する担当教員の評価がこれにあたる。
ⅴ) 教員及び助手の配置並びに巡回指導計画
「卒業プロジェクトⅠ・Ⅱ」は、都市創造企画のプロデューサー、デザイナーの経験を
有する専任教員(各コース 2 名)を配置する。なお、本科目については、巡回指導は該当
88
しない。
ⅵ) 成績評価体制及び単位認定方法
「卒業プロジェクトⅠ・Ⅱ」は、各々週 1 時限 15 週の授業で構成され、必要な演習(都市
創造企画の実施等)を授業時間以外で推進し、それぞれ 2 単位を認定する。4 年次前期の「卒
業プロジェクトⅠ」では、企画実施の準備を行う。4 年次後期の「卒業プロジェクトⅡ」で
は、企画の実施や提案をする。科目の目的に応じて、履修する学生の役割行動やプロジェ
クトへの貢献度といった観点で、学生を個々に評価し、合格と判定された場合に 2 単位を
付与する。
8) 社会調査実習Ⅰ・Ⅱ(4 年次前期・後期・選択)
「卒業プロジェクトⅠ・Ⅱ」と並び 4 年次のアクティブラーニングとして、
「社会調査実
習Ⅰ(前期)
」
「社会調査実習Ⅱ(後期)
」を選択必修科目として開設する。3 年次までの社
会調査に関する知識を、実習により再確認するとともに、実際に運用することで学生個々
のスキルとして定着させる。
「社会調査実習Ⅰ・Ⅱ」で取り扱うテーマは、都市創造学部の
二つの履修コースを意識したものとするが、選択履修した学生に応じて柔軟に決定する。
例えば、都市コンテンツ履修コースに対応したテーマであれば、都市のご当地キャラクタ
ーが住民に受容される過程に関する社会調査や地域コンテンツ(地域の特産品)の事業化
が地域の活性化をどの程度高めるかといった社会調査が考えられる。また、都市デザイン
履修コースであれば、都市の景観が住民の都市への愛着にどの程度影響を与えるかといっ
た社会調査、あるいはゴミの分別が守られる程度を決める要因を探索する社会調査、また、
大規模商業施設の地域商店街への影響などもこれにあたる。
「社会調査実習Ⅰ・Ⅱ」の担当
教員は、実際に社会調査に携わった経験を有する専任教員を 3 名配置し、包括的連携・協
力協定を締結している武蔵野市や西武信用金庫との連携に基づいて実施する。学生は社会
調査に関する以下の科目を一定科目以上修得していることを前提に、4 年次初頭に希望する
クラスに参加申込を行い、担当教員が適切に選考する。
「社会調査実習Ⅰ・Ⅱ」履修前提科目(6 科目中 4 科目以上修得)
社会調査概論、社会調査法、社会調査の統計学、フィールドワークとデータ分析、量的デ
ータ解析、質的データ解析
ⅰ) 社会調査対象の確保のための連携関係
社会調査の対象は、都市の具体的な課題や魅力になる。その際、学生の調査活動の便宜
を考慮して、調査対象は、包括的連携・協力協定を締結している武蔵野市及び西武信用金
庫に調整を依頼する。先に挙げたテーマ例については、武蔵野市が展開するキャラクター
の調査が考えられる。また、武蔵野市の特産である「うどん」の事業化をする中小事業者
については、武蔵野市観光機構及び西武信用金庫との連携が有効であろう。都市の景観に
89
ついては武蔵野市の都市計画部門への調査も必要となり、ゴミ問題については、やはり武
蔵野市の環境部門と連携する必要がある。あるいは、商店街への調査については、本学が
長年取り組んでいる街づくり活動との連携、あるいは商店主については西武信用金庫との
連携が有効である。なお、担当教員の専門性から、海外の調査を行うことも想定される。
その場合には、海外インターンシップ受け入れ先企業や留学生受け入れ大学との連携関係
を活用する。
ⅱ) 社会調査の質的水準確保
社会調査のテーマは年度の初めに担当者が学生に対して提示するが、調査自体の企画・
設計、実査、データ分析、成果報告書の作成に至るまでの全般を学生主体で実施する。担
当教員は、学生の行う調査過程を観察し、適切なアドバイスを与え、報告づけていく。調
査はクラスを履修する学生の共同研究の形式で行い、担当者が適切に介入することにより、
調査の質的水準を確保する。
ⅲ) 調査前の準備状況(保険等の加入状況)
多くの調査テーマは対象が学外にあるため、学生の外部での調査やインタビューなどを
伴う。他のアクティブラーニング同様に、事前登録することで、損害保険を設定する。な
お、海外へ赴くことも想定されるが(費用は学生が負担、担当教員については大学で負担)
、
その際には、海外留学同様に損害保険の特約を設定する。
ⅳ) 事前・事後における指導計画
前期の「社会調査実習Ⅰ」は、調査全体の企画・設計プロセスに相当し、夏季休暇期間
中及び後期「社会調査実習Ⅱ」が実施プロセスに相当する。
「社会調査実習Ⅰ・Ⅱ」の履修
者は、テーマの説明を受け、クラスの選択を行う。この説明と履修者の選考が「社会調査
実習Ⅰ」の事前の指導を成す。
「社会調査実習Ⅰ」の事後的な指導は、学生が主体的に検討
し、企画・設計した調査内容を担当教員が評価することがこれに相当し、調査実施に向け
た準備・調整が「社会調査実習Ⅱ」の事前指導にあたる。
「社会調査実習Ⅱ」の事後指導は、
調査結果と報告書に対する担当教員の評価がこれにあたる。
ⅴ) 教員及び助手の配置並びに巡回指導計画
本科目は、社会調査の経験を有する専任教員(都市社会学系 3 名)を配置する。なお、
本科目については、巡回指導は該当しない。
ⅵ) 成績評価体制及び単位認定方法
「社会調査実習Ⅰ」
「社会調査実習Ⅱ」は、各々週 1 時限 15 週の授業で構成され、必要
90
な演習(インタビュー等)を授業時間以外で推進し、それぞれ 2 単位を認定する。4 年次前
期の「社会調査実習Ⅰ」では、調査の企画・設計を行う。4 年次後期の「社会調査実習Ⅱ」
では、調査を実施し、分析を行い、報告書にまとめる。
「卒業プロジェクトⅠ・Ⅱ」と異な
り、学生個々人の調査活動への寄与度は測りにくいため、クラス全体(12 名前後)での報
告書とは別に、各学生の独自な考察を記述したレポートを提出させ、個別に評価を行い、
合格と判定された場合に 2 単位を付与する。
イ
海外語学実習
都市創造学部では、2 年次後期には全員にアジアのメガシティ・準メガシティに留学する
ことが必須となっている(一部米国ワシントン州)
。留学期間中は、英語及び各都市公用語
を学び、語学能力が一定水準以上の場合には、受け入れ先大学が開設する正規生向けの英
語で教授している授業科目も受講させる。ただし、正規生向け授業科目を受講する語学水
準 は 、 留 学 先 大 学 に よ っ て 異 な る が お お む ね TOEFL®530 ~ 550 点 以 上 で あ り 、
TOEIC®670~730 点相当となる。したがって、留学前にこの水準に到達している学生は少
ないものと予想され、学生の留学期間中の学修は主として語学研修となる。亜細亜大学で
は、大学等で行った語学研修の成果を授業時間と研修内容、成績に基づいて単位認定する
ための科目「海外語学実習Ⅰ~Ⅳ」を全学共通科目として開設している。
海外語学実習は、語学研修等で外国語を学び、当該外国語を公用語とする国々の文化に
ついて学ぶことで、語学能力に止まらない広範なコミュニケーション能力を涵養するため
の科目である。語学能力は、その言語を用いる話者とのコミュニケーションにおいて最低
限必要な能力であるが、コミュニケーション相手の価値観を知らずしては、正しいコミュ
ニケーションは成立しない。海外語学実習は、こうした話者間の異文化の壁を乗り越えた
コミュニケーションを実践する能力の獲得を目指す。なお、単位の認定にあたっては、語
学研修の授業時間と成績、当該外国語を公用語とする国や都市の文化の調査研究報告書を
もって、適切に評価する。なお、海外留学期間中には、英語科目の選択必修科目単位数、
英語以外の外国語科目の「外国語中級Ⅱ・Ⅳ」の単位を認定する予定であり、「海外語学実
習Ⅰ~Ⅳ」の単位認定は、これらを上回って語学研修を受講した場合とする。
ⅰ) 語学研修プログラムの確保のための連携関係
都市創造学部の学生が海外都市に留学する場合、亜細亜大学がすでに学術文化交流協定
等を締結している大学に受け入れを依頼する。受け入れ大学は、すでに示しているとおり、
中国(大連)大連外国語大学、中国(上海)華東師範大学、韓国(釜山)東西大学校、イ
ンドネシア(ジャカルタ)インドネシア大学、タイ(バンコク)バンコク大学、ベトナム
(ハノイ)ハノイ大学及び米国(ワシントン州)である。このうち、ハノイ大学、バンコ
ク大学を除く大学は、相互に学生を派遣する交換留学協定も締結しており、実際に毎年度
学生を交換している(本学からの派遣のみの場合もある)。交換留学プログラムにおいても、
91
都市創造学部の学生の留学同様に語学研修が中心となっており、語学研修の確保はすでに
なされている。一方、ハノイ大学とバンコク大学については、交換留学協定を締結してい
ないものの、いずれの大学も外国人のための英語研修プログラム、現地語研修プログラム
を有しており、都市創造学部の学生受け入れを許諾している。
以下に、学生が留学する予定の各都市における亜細亜大学との学術文化交流協定・交換
留学協定締結大学と学生が学習するプログラムの内容を示す。資料25-1~7
国名・都市
中国・大連市
留学先候補大学
大連外国語大学
英語プログラム
英語特別プログラム
(亜細亜大学学生専用の特
別クラス)
中国・上海市
華東師範大学
中英バイリンガルコース
韓国・釜山市
東西大学校
英語学科開設英語科目
インドネシア・
ジャカルタ市
インドネシア大学
英語特別プログラム
タイ・バンコク
市
バンコク大学
ベトナム・ハノ
イ市
ハノイ大学
米国・ワシント
ン州
ウェスタンワシント
ン大学、イースタン
ワシントン大学、セ
ントラルワシントン
大学のいずれか
(亜細亜大学学生専用の特
別クラス)
Preparatory English
Course
Department of English
Language
英語特別プログラム
(「亜細亜大学アメリカプ
ログラム(AUAP)」に準
ずる)
受入可能人
留学先公用語
プログラム
数
漢学院中国語プログラム
(「亜細亜大学アジア夢カレ
ッ ジ 中 国 プ ロ グ ラ ム
(AUCP)」に準ずる)
資料25-1
中英バイリンガルコース
資料25-2
外国語教育院韓国語正規課程
資料25-3
Bahasa
Indonesia
for
Non-Native
Speakers
Program
資料25-4
Introductory Thai Course
資料25-5
Vietnamese Language VIP
course(亜細亜大学学生専用
の特別クラス)
資料25-6
該当なし
資料25-7
計
ⅱ) 語学研修の質的水準確保
交換留学協定締結大学での語学研修の質的水準は、すでに交換留学生の単位認定におい
て確認済みであり、十分な水準にあると判断する。交換留学制度を運用していない大学は、
ハノイ大学、バンコク大学であるが、ハノイ大学は前身が外国語大学であったことから十
分な実績を有している。また、バンコク大学についても外国人を対象とした英語及びタイ
語のコースを有し、これまで運用していることから質的水準は確保できると考える。
海外留学同様に損害保険の特約を設定する。
92
30 名
30 名
30 名
30 名
30 名
20 名
合
ⅲ) 調査前の準備状況(保険等の加入状況)
30 名
200 名
ⅳ) 事前・事後における指導計画
留学前の 2 年次前期必修科目である「都市準備研究」において、留学全般に関する研修
を行い、留学後は、語学研修の成果としてレポートを提出する。レポートは、留学した都
市の、社会、文化、経済(経営を含む)
、政治に関するテーマを各々設定し、留学先留学先
公用語により作成して、帰国までに提出する。これにより、
「海外語学研修Ⅰ~Ⅳ」で求め
ている、広範なコミュニケーション基盤の形成を促す。
ⅴ) 教員及び助手の配置並びに巡回指導計画
学生が大学等の語学研修成果によって単位を認定する「海外語学実習Ⅰ~Ⅳ」について
は、事後的に研修成果を認定するものであり、研修前に履修を登録するものではない。し
たがって、語学研修に関する担当者は配置しない。なお、海外留学期間中の必修科目であ
る「海外インターンシップ」担当教員が語学研修中のフォローアップを行うものとし、問
題がある場合には、現地に担当教員が赴き、問題解決にあたることとする。
ⅵ) 成績評価体制及び単位認定方法
「海外語学実習Ⅰ~Ⅳ」については、本学以外の教育機関での語学研修成果に基づき単
位を認定する。単位認定にあたっては、語学研修の学修時間が他の語学教育科目同様に 45
時間(うち授業時間 30 時間)1 単位を基本とする。5 単位以上の授業時間の場合には、卒
業要件単位には算入しないが、授業時間数に応じて「海外語学実習Ⅰ~Ⅳ」を重複して認
定する。
⑪
編入学定員設定の具体的な計画
都市創造学部では、3 年次編入として募集定員 10 名を設定する。この編入学生は、海外
から直接、都市創造学部に留学する学生(9 月入学)と日本国内で志願する外国人留学生、
日本人学生(いずれも 4 月入学)である。外国人留学生は、主として日本語を専攻する学
生を想定している。海外から留学する学生の対象国・都市は、都市創造学部の学生が海外
留学する都市であり、受け入れ先大学の学生が主要な志願者になるものと考えている。海
外大学の多くが 9 月を学年の始期としているため、海外から直接都市創造学部に編入する
学生の受け入れは 9 月とする。
ア
既修得単位の認定方法(既修得単位の読替え表等を添付)
外国人留学生において、日本語を専攻とする学生の場合、大学によっては社会学や経営
学、あるいはその他の社会科学に関する科目を修得していることもある。こうした科目に
ついては、大学によっても授業内容が大きく異なり、多様な科目を修得していることも予
想される。したがって、既修得単位の認定は、その都度カリキュラム、シラバスを参照し、
検討しなければならない。なお、外国人留学生については、日本人学生が履修する英語以
93
外の英語以外の外国語の代わりに、
「日本語Ⅰ~Ⅷ」を履修するが、出身大学での日本語カ
リキュラムとシラバスを確認し、
「日本語Ⅰ~Ⅷ」のうち適切な科目については単位を認定
していく。なお、亜細亜大学学則第 24 条及び同条 2 において規定するとおり、他大学等で
の既修得単位は 40 単位まで認定する。資料26
イ
履修指導方法(編入学後の履修モデル)
都市創造学部の編入学生は 9 月入学の外国人留学生、4 月入学の編入学生・日本人学生と
なる。9 月編入学生ついては、すでに、
「④教育課程の編成の考え方及び特色」の「ク 学年
の始期を 4 月以外に設定する場合(年複数回学生を受け入れる場合)の教育課程の体系的
編成」において述べている。ここでは、4 月編入学生について述べる。
4 月に 3 年次編入学した学生が 2 年間で卒業するためには、必修及び選択必修で開設され
る演習科目の修得について工夫を要する。すでに説明したように、都市創造学部の演習科
目は、1 年次前期必修「オリエンテーション・ゼミナール」
、後期必修「基礎ゼミナール」、
2 年次前期必修「都市準備研究」
、前期「国内インターンシップ」又は後期「海外インター
ンシップ」
、3 年次前期必修「フィールドワーク」
、後期必修「ゼミナール」
、4 年次「卒業
プロジェクトⅠ・Ⅱ」又は「卒業研究Ⅰ・Ⅱ」又は「社会調査実習Ⅰ・Ⅱ」である。これ
らは本来、順序性のある科目であり、4 年間を要するカリキュラムとなっている。しかし、
実際には都市創造学部に 1 年次に入学した学生においても、いずれかの科目が不合格とな
り再履修せざるを得ない学生が想定されるため、各学年で修得しないイレギュラーな履修
パターンを計画しておく必要がある。3 年次編入学生は、こうした学生と同様にイレギュラ
ーな履修をせざるを得ない。
まず、1 年次の演習科目(いずれも必修科目)については、9 月編入学生同様に同一学期
に並行して履修させる。
「オリエンテーション・ゼミナール」でのインタビュー実践を入学
後早い段階で実施し、「基礎ゼミナール」観察調査前には終わらせておくように配慮する。
2 年次前期に配当されている「都市準備研究」は、留学先都市に関する知識とインターンシ
ップのためのビジネスマナー、フィールドワークの基礎知識を講義するが、これらを同じ
く入学後の 3 年次前期に並行して学ぶ。都市に関する課題や魅力を把握し、掘り下げた後
での受講が望ましいものの、編入学生の場合には、ある程度、大学での学びに慣れている
こともあり、並行して履修させることが可能と考える。各「オリエンテーション・ゼミナ
ール」
「基礎ゼミナール」の担当者は、こうした点に配慮し、指導するように注意する。3
年次後期には、海外留学も可能であるが、入学前の既修得単位の認定の状況によっては、
留学を求めない。また、留学先都市の公用語学修についても、半期のみとなるため、履修
言語を変更した学生同様に現地での生活に困難を伴うことも予想される。しかし、留学受
け入れ先大学においては、初歩から留学先公用語を教育するプログラムもあり、十分学修
は可能である(留学先語学プログラムについては、対応する都市創造学部開設全学共通科
目の単位を認定)
。なお、海外留学を都市創造学部として必須としない 3 年次編入(外国人)
94
学生においても、希望がある場合には、卒業までの修学期間が延長される可能性のあるこ
とを説明したうえで、これを認める。留学を行った場合には、
「海外インターンシップ」を、
留学しない場合には「国内インターンシップ」を 3 年次に履修する。
3 年次前期に必修で配当される「フィールドワーク」については、3 年次後期に履修する。
国内、海外の担当者を 2 名配置し(したがって、1 年次入学者の 3 年次前期「フィールドワ
ーク」担当者は 2 名減)
、同様に対応する。
4 年次前期には「ゼミナール」を履修する。編入学生については、9 月編入学生において
説明したとおり、
「卒業研究Ⅰ・Ⅱ」を選択することとし、4 年次夏季休暇期間中に「卒業
研究Ⅰ」を集中講義形式で開設し、事例研究を行う。4 年次後期に「卒業研究Ⅱ」を必修で
履修し、必要な講義科目の単位も修得した場合、卒業となる。資料27~28
これらをまとめると以下のとおりのスケジュールとなる。
学
年
次
4 月編入学生
セメスター
演習科目
専門基盤科目
必修科目
都市創造科目
必修科目
3 年次
前期
第 5 セメスタ
ー
オリエンテーシ
ョン・ゼミナー
ル(編入生クラ
ス)
基礎ゼミナール
(編入生クラ
ス)
都市準備研究
都市社会学Ⅰ
都市社会学Ⅱ
社会調査概論
産業社会と企業
経営
ビッグデータ活
用概論
都市プロデュー
ス論
都市デザイン論
専門選択科目
(専門基盤・都
市創造)
ウ
夏季休暇
国内インタ
ーンシップ
(選択)
4 年次
後期
第 6 セメス
ター
春季休暇
フィールドワ
ーク
海外インター
ンシップ(選
択)
集中講義
「オフィス
スキル」
前期
第 7 セメスタ
ー
ゼミナール
集中講義
「造形スキ
ル」
夏季休暇
卒業研究Ⅰ
(編入生ク
ラス)
後期
第 8 セメス
ター
卒業研究Ⅱ
(編入生クラ
ス)
集中講義
「オフィス
スキル」
教育上の配慮
編入学生においては、一部の順序性のある科目、具体的には演習科目の履修が並行し、
履修できる演習科目の選択の幅が無いといった問題が予想されているが、これらの問題に
ついては、上述したように詳細に対応を計画しており、問題は大きくならないものと考え
ている。また、編入学前の専攻分野が異なることが予想されることから、編入学後に修得
すべき授業科目が相当単位数残されているものと考えている。そこで、年間履修登録上限
単位数 48 単位を、編入学生については特別に緩和し、50 単位までとする(前期 28 単位、
後期 28 単位まで)
。これにより学生の授業負担は増すが、長期休暇期間中等にも集中講義
を配置する予定であるため、編入学生の履修登録単位数については、問題は生じないもの
95
と考えている。
⑫
管理運営
本学の教学面における管理運営体制は、教授会、学部長会、教務委員会を中心に構成さ
れ、次のとおりとなっている。
ア
1)
教授会(教授会の役割、構成員開催頻度の予定、審議事項)
教授会の役割
教授会の役割については、亜細亜大学学則第 43 条に以下のとおり定めている。
第 43 条 各学部に、教授会を置く。
2
教授会は、学長が次に掲げる事項について決定を行うに当たり意見を述べるものと
する。
(1)学生の入学、卒業及びその他学生の身分の取扱いに関する事項
(2)学位の授与に関する事項
(3)前2号に掲げるもののほか、教育研究に関する重要な事項で、教授会の意見を
聴くことが必要なものとして学長が別に定めるもの
3
教授会は、前項に規定するもののほか、学長及び学部長(以下、
「学長等」という。
)
がつかさどる教育研究に関する事項について審議し、学長等の求めに応じ、意見を
述べることができる。
4
教授会は、次に掲げる当該学部の教育研究に関する事項について、審議決定するこ
とができる。
(1)教育課程の編成
(2)教員の教育研究業績の審査
5
前項に定める教授会の決定に対し、学長から異議や疑義が示されたときは、学長が
教授会の意見を聴き、最終的な決定を行う。
2) 構成員
教授会は、都市創造学部の専任教授をもって構成する。ただし、海外出張中の者、休職
中の者及び病気その他の理由により引き続き 2 ヵ月以上の欠勤中の者は、構成員に算入し
ない。なお、学部長が必要と認めたときは、教授会に専任の准教授、講師、助教を加える
ことができるようになっている。
3) 開催頻度の予定
教授会は、長期休暇期間中を除き、月 2 回の開催を予定しているが、入試判定や卒業判
96
定など重要事項を審議する不定期での教授会も開催する。
4) 審議事項
教授会の審議事項は、教授会規程第 6 条に以下のとおり定めている。
(審議事項)
第 6 条 教授会は、学長が次に掲げる事項について決定を行うに当たり意見を述べるもの
とする。
(1)学生の入学、卒業及びその他学生の身分の取扱いに関する事項
(2)学位の授与に関する事項
(3)前 2 号に掲げるもののほか、教育研究に関する重要な事項で、教授会の意見を聴
くことが必要なものとして学長が別に定めるもの
2
教授会は、前項に規定するもののほか、学長及び学部長(以下、「学長等」という。
)
がつかさどる教育研究に関する事項について審議し、学長等の求めに応じ、意見を述
べることができる。
3
教授会は、次に掲げる当該学部又は短期大学部の教育研究に関する事項について、審
議決定することができる。
(1)教育課程の編成
(2)教員の教育研究業績の審査
4
前項に定める教授会の決定に対し、学長から異議や疑義が示されたときは、学長が教
授会の意見を聴き、最終的な決定を行う。
平成 27 年 4 月 1 日施行の「学校教育法」及び「学校教育法施行規則」の一部改正に伴い、
法改正に関連した諸規程の総点検・見直しを平成 26 年度に実施した。
具体的には、教授会は「重要な事項を審議する」と従来規定してきたが、教育研究に関
する事項について審議する機関であり、また、決定権者である学長等に対して、意見を述
べる関係にあることを明確化した。
平成 27 年 4 月 1 日から、新たな教授会規程及び学則が施行となり、平成 28 年 4 月 1 日
からは、都市創造学部都市創造学科が学則に追加される予定となっている。
イ
学部長会
各学部に共通する教学に関する事項を協議するため、学部長会を置いている。学部長会
は、月 2 回の定例で開催されている。
学部長会の構成員は、学長、各学部長、教務委員長、学生委員長、国際交流委員長、事
務局長、総合企画部長、教学センター部長、学生センター部長となっており、学長が召集
しその議長となっている。
97
ウ
教務委員会
学部長を補佐するために、各学部に教務主任 1 名を置いている。この教務主任を中心に、
教学センター部長・課長、総合企画部長、学務課長等で構成する教務委員会を置いている。
この委員会は、本学における教務に関する事項や学部長会から付託された事項について、
協議、検討、調整し、教務に関する業務を円滑に遂行することを目的としている。
本委員会は、月 1 回定例で開催している。
なお、各学部には教務主任を補佐する教務主任補佐を置いている。
エ 全学共通教育委員会
全学共通科目の円滑な運営を図るために必要な事項を協議する全学共通教育委員会を学
部長会の下に置いている。
構成は、教務委員長を委員長に、副委員長、各学部及び短期大学部の教務主任、共通教
育委員等で構成し、共通教育委員は、一般教育、数理・情報教育、英語教育、英語以外の
外国語教育、体育教育から各1名が委員となる。
この委員会では、①全学共通科目カリキュラム原案の作成及び運営・調整に関すること、
②全学共通科目担当非常勤講師の資格審査及び嘱任に関すること、③その他日常的な全学
共通科目の開設・廃止及び運営に関することについて協議し、月 1 回定例で開催している。
委員会は、全学共通科目を担当する専任教員の採用にあたり、全学共通教育のカリキュ
ラム体系を考慮し、担当分野及び所属学部について協議し、当該学部との調整を図る。
オ その他
各教授会には、全学的な委員として、教務主任の他に、①学生の厚生補導に関する諸問
題を扱う学生委員、②学生のキャリア指導の策定等を行うキャリア委員が置かれている。
また、これらの委員で構成する全学の委員会として、学生委員会、キャリア委員会が設
置されている。さらに、教務主任が委員となり、国際交流に関する事項を審議する国際交
流委員会が置かれている。
⑬
自己点検・評価
自己点検・評価については、亜細亜大学学則第 3 条に定め、点検・評価項目について継
続的に実施することになっている。
本学は、平成 17 年度に(財)大学基準協会による認証評価で「適合」の認定を受け、さら
に、平成 24 年度には、第二サイクルの認証評価においても「適合」の認定を受け、今日に至
っている。
現在、本学では、平成 24 年度に大学基準協会の 2 回目の認証評価結果を受け、指摘事項
について改善すべく、達成目標や評価指標基準等細部について検討を重ねているが、都市
創造学部においても同様なプロセスの中で自己点検・評価活動を行うことになる。
98
また、本学では、平成 32 年度に第三サイクルの認証評価を受けることになるため、都市
創造学部においても完成年度までの 4 年間の中で評価項目に沿って順次、計画的に点検・
評価を進める。
さらに、平成 16 年度、平成 19 年度には、自己点検・評価の客観性を確保するために、
学外有識者による第三者評価を行い、その結果の報告会(評価者と学内関係者との意見交
換)及び外部評価報告書を刊行した実績を踏まえ、積極的に外部評価を取り入れた自己点
検・評価活動を全学的に展開いたしたい。
ア
実施方法
(1) 自己点検・評価に関する規程及び点検・評価項目に基づき、当該年度の自己点検・評
価実施計画を決定する。
(2) 個別実施単位である各学部、大学院各研究科、附置研究所、事務部門で点検・評価計画
に基づいてそれぞれ点検・評価活動を行う。
(3) 各個別実施単位は、評価基準に対して点検・評価、それを将来の改善・改革に向けた
方策にまとめ、自己点検・評価委員実施委員会に提出する。
(4) 自己点検・評価実施委員会は、取りまとめた活動報告書を自己点検・評価委員会に諮
り、当該年度の自己点検・評価報告書として公表する。
イ
実施体制
点検・評価を円滑に実施するために、自己点検・評価委員会、自己点検・評価実施委員
会、自己点検・評価個別実施委員会を置いている。
この自己点検・評価委員会は、点検・評価に関する最高意思決定機関として、①自己点
検・評価実施計画の策定(基本方針・点検項目等)、②自己点検・評価実施委員会委員長の
選出、③点検・評価結果の活用等を任務としている。
自己点検・評価委員会のメンバーは、学長、副学長、教務委員長、各研究科委員長、各
学部長、自己点検・評価実施委員会委員長等で構成されている。
また、自己点検・評価実施委員会は、点検・評価の総括機関とし、その任務は①学園運
営、教育の理念、目的の点検・評価、②点検・評価実施要領の作成、③個別実施単位に対
する指導、助言、調整、④自己点検・評価報告書の作成、結果の検証及び自己点検・評価
委員会への提言等である。
実施委員は、各研究科から 1 名、各学部から 1 名、研究所から 1 名等で構成されている。
さらに、自己点検・評価個別実施委員会は実施単位ごとに設け、担当する分野、領域、
項目の点検・評価及び点検・評価結果の報告書の作成を任務としている。
自己点検・評価報告書は、
「現状と課題」という表題で毎年冊子の形で公表し、各大学等
に送付し供覧していたが、平成 21 年度から Web 上で閲覧できるようになっている。
99
ウ
結果の活用・公表
(1) 自己点検・評価報告書(各種年度データを含む)を学内外に公表する。
(2) 自己点検・評価実施委員会は、報告書を中心に活動内容を検証し、改善・改革案を自
己点検・評価委員会に提案する。
エ
評価項目
理念・目的/教育研究組織/教員・教員組織/教育内容・方法・成果/学生の受け入れ/
学生支援/教育研究等環境/社会連携・社会貢献/管理運営・財務/内部質保証/各種年度
データ(数量)
⑭
情報の公表
ア
教育研究活動等の状況に関する情報の公表についての内容(公表の方針や考え方を含
む)
教育研究活動の状況を社会や受験生に提供することは、大学における社会的責任である
と同時に、大学の広報活動の観点からも重要なことである。このような観点から、本学の
教育研究活動の状況は、各媒体を通して主に次の内容について公表している。
(1) 自己点検・評価報告書(各種年度データを含む)を学内外に公表する。
(2) 広報「アジア」を月 2 回発行し、学内だけでなく、第 3 種郵便物の認可を受け、全父母、
全国の高等学校、企業やマスコミに郵送している。
(3) 主な内容は、大学の動き、学生への連絡事項、イベント案内、学生の諸活動、教員の学
会発表執筆状況等である。
(4) 受験生に対して、毎年「大学案内」冊子を作成し、受験生や高等学校等に配布している。
(5) 主な内容は、大学の特色、各学部の教育内容や特色、大学の沿革、就職状況、入試に関
するデータ等である。
(6) 受験生はもとより、社会一般に対して、インターネットを活用した、公式ホームページ、
メールマガジン、SNS 等を活用して情報を発信している。
(7) 主な内容は、大学の教育研究内容をはじめ、大学の特色、学部学科の内容・特色、入試
状況、就職状況、学生の諸活動等である。
(8) 父母に対する情報提供として、毎年父母会を全国で開催し(平成 26 年度実績 33 会場)
、
大学の現況を報告している。更に、学生個人の成績や出欠状況等を父母に知らせながら
個別相談に応じている。
なお、学校教育法施行規則で公開すべきとされている情報はこれまでも公開してきたが、
更に整理し積極的に公開していくことにしている。
100
イ
掲載している(又は掲載予定の)ホームページのアドレス等
(1) 大学の教育研究上の目的に関すること
http://www.asia-u.ac.jp/information/disclosure/#anchor3
(2) 教育研究上の基本組織に関すること
http://www.asia-u.ac.jp/information/disclosure/#anchor11
(3) 教員組織、教員の数並びに各教員が有する学位及び業績に関すること
http://www.asia-u.ac.jp/information/disclosure/#anchor17
(4) 入学者に関する受入れ方針及び入学者の数、収容定員及び在学する学生の数,卒業又は
修了した者の数並びに進学者数及び就職者数その他進学及び就職等の状況に関するこ
と
http://www.asia-u.ac.jp/information/disclosure/#anchor37
(5) 授業科目、授業の方法及び内容並びに年間の授業の計画に関すること
http://www.asia-u.ac.jp/academics/syllabus/
(6) 学修の成果に係る評価及び卒業又は修了の認定に当たっての基準に関すること
http://www.asia-u.ac.jp/information/disclosure/#anchor76
(7) 校地・校舎等の施設及び設備その他の学生の教育研究環境に関すること
http://www.asia-u.ac.jp/information/disclosure/#anchor81
(8) 授業料、入学料その他の大学が徴収する費用に関すること
http://www.asia-u.ac.jp/information/disclosure/#anchor97
(9) 大学が行う学生の修学、進路選択及び心身の健康等に係る支援に関すること
http://www.asia-u.ac.jp/information/disclosure/#anchor100
(10) 教育上の目的に応じ学生が修得すべき知識及び能力に関する情報
http://www.asia-u.ac.jp/about/educationalideal/
【3つのポリシー】
<大学>
・経営学部 http://www.asia-u.ac.jp/academics/business/purpose/
・経済学部 http://www.asia-u.ac.jp/academics/economics/purpose/
・法学部 http://www.asia-u.ac.jp/academics/law/
・国際関係学部 http://www.asia-u.ac.jp/academics/international/
<大学院>
・アジア・国際経営戦略研究科 http://www.asia-u.ac.jp/academics/aibs/policy/
・経済研究科 http://www.asia-u.ac.jp/academics/gs_economics/policy/
・法学研究科 http://www.asia-u.ac.jp/academics/gs_law/
【4年間の学び】
<大学>
・経営学部
101
(経営学科)
http://www.asia-u.ac.jp/academics/business/business/class/
(ホスピタリティ・マネジメント学科)
http://www.asia-u.ac.jp/academics/business/hospitality/class/
・経済学部
(経済学科)
http://www.asia-u.ac.jp/academics/economics/economics/class/
・法学部
(法律学科)
http://www.asia-u.ac.jp/academics/law/law/class/
・国際関係学部
(国際関係学科)
http://www.asia-u.ac.jp/academics/international/international/class/
(多文化コミュニケーション学科)
http://www.asia-u.ac.jp/academics/international/multiplecultures/class/
【主要科目の特長】
<大学>
・経営学部
(経営学科)
http://www.asia-u.ac.jp/academics/business/business/feature/
(ホスピタリティ・マネジメント学科)
http://www.asia-u.ac.jp/academics/business/hospitality/feature/
・経済学部
(経済学科)
http://www.asia-u.ac.jp/academics/economics/economics/feature/
・法学部
(法律学科)
http://www.asia-u.ac.jp/academics/law/law/feature/
・国際関係学部
(国際関係学科)
http://www.asia-u.ac.jp/academics/international/international/feature/
(多文化コミュニケーション学科)
http://www.asia-u.ac.jp/academics/international/multiplecultures/feature/
【履修モデル】
・経営学部
(経営学科)
102
http://www.asia-u.ac.jp/academics/business/business/curriculum/
(ホスピタリティ・マネジメント学科)
http://www.asia-u.ac.jp/academics/business/hospitality/curriculum/
・経済学部(経済学科)
http://www.asia-u.ac.jp/academics/economics/economics/curriculum/
・法学部(法律学科)
http://www.asia-u.ac.jp/academics/law/law/curriculum/
・国際関係学部
(国際関係学科)
http://www.asia-u.ac.jp/academics/international/international/curriculum/
(多文化コミュニケーション学科)
http://www.asia-u.ac.jp/academics/international/multiplecultures/curriculum/
【科目ごとの目標】
(学部・大学院ともシラバスに記載)
http://asia-u.e-campus.gr.jp/browse/
(11) 学則等各種規定
http://www.asia-u.ac.jp/about/regulations/
(12) 設置認可申請書、設置届出書、設置計画履行状況報告書
http://www.asia-u.ac.jp/information/disclosure/
(13) 自己点検・評価報告書、認証評価の結果等
http://www.asia-u.ac.jp/about/checkup/
⑮
授業内容方法の改善を図るための組織的な取組
本学の教育理念及び学部等の教育目的を実現するために、各教員が主体的に取り組む教
育内容・方法の改善・向上を推進するために全学的な組織とし「亜細亜大学・亜細亜大学
短期大学部FD委員会」(以下全学FD委員会)を設置している。
この委員会は、学長が委員長となり、学部長会及び大学院研究科委員長会議メンバーで
構成され、全学的なFD活動及び各学部、各研究科等が行うFD活動の方針の作成、支援・
調整等を担当している。
具体的内容は、(1)授業の内容及び方法の改善・向上のための方策に関する事項、(2)研修
会及び講習会等の開催に関する事項、(3)授業改善のためのアンケート調査、結果分析に関
する事項、(4)その他各FD委員会が必要と認めた事項、である。
また、全学FD委員会の下には、各学部及び各研究科等にそれぞれFD委員会が設置さ
れ、毎年のFD活動方針にしたがい授業内容方法等の改善活動を推進し、年度末には 1 年
間の活動状況の報告を行っている。なお、これらのFD活動に関する情報は、
「FDレター」
(年 3 回)に掲載し、全学で共有するとともに大学ホームページで広く社会へも公表して
103
いる。
平成 27 年度は、平成 25 年度に設置した全学FD推進ワーキンググループの授業改善活
動をさらに発展拡大させ、特に、知識の伝達を中心とした受け身の学習から、課題解決に
向けた主体的・協同的な学習方法(アクティブ・ラーニングなど)を集中的に取り上げ、
全学的なFD活動を展開していく。
ア
全学的な授業内容方法の改善を図るための組織的な取組
全学FD委員会では、平成 27 年度以下のとおり活動テーマを掲げ、全学をあげての組織
的なFD活動を推進していく。
取り組み内容としては、アクティブ・ラーニング(能動的学修)を見据えたFD活動の
展開として、外部講師による講演会開催、非常勤講師も参加する「授業を語る会」の開催、
全学FDグループ研究の促進や学外研修会への派遣など、平成 27 年度は、専任教員が必ず
一度はFD活動へ参加・参画し、非常勤講師にもできる限り多くの参加を求めていく、全
員参加型のFD活動の展開していく予定である。
【活動テーマ】
組織的なFD活動による教育の質向上~全学的な取り組みのさらなる推進~
イ
都市創造学部の授業内容方法の改善を図るための組織的な取組
都市創造学部では、学部FD委員会を設置し、全学FD活動方針に従い授業内容方法の
改善に取り組んでいく。FD活動の促進には、専任教員、特任教員のみならず、客員教員、
非常勤講師を含めた、学部全教員の知見を結集することが、極めて重要になる。
学部FD委員会を中心としたFD活動を積極的に推進する。
特に、重点的に取り組む内容は以下のとおりである。
【テーマ:学士課程教育の質保障】
(1) アクティブ・ラーニング(能動的学修)の実現と検証
都市創造学部では、教育カリキュラム上の特色であるアクティブラーニング科目を 1 年
次から 3 年次まで演習科目を中心に配置する。「オリエンテーション・ゼミナール」「基礎
ゼミナール」
「都市準備研究」
「フィールドワーク」
「ゼミナール」は、こうしたアクティブ
ラーニング科目であり、学生に自ら学ぶ姿勢を形成することを目指す。
アクティブラーニング科目は、それぞれの科目のシラバスに基づき複数教員がそれぞれ
の専門分野の視点から担当するが、多彩である反面、統一性が弱く、教員相互の教授法に
関する情報共有が欠かせない科目でもある。
また、各科目のシラバスにおいて成績評価基準をもちろん提示するが、知識伝授型の講
義科目とは異なった達成度評価の難しさもあり、学部FD委員会では最優先で取り組んで
いく予定である。
104
(2) インターンシップ科目の充実と検証
大学という空間から飛び出し、現実の社会を体験しながら学ぶ科目として「国内インタ
ーンシップ」
「海外インターンシップ」の 2 科目を、いずれか 1 科目以上履修する選択必修
科目として配置している。インターンシップ科目と他の科目との接続、特に、キャリア教
育関連科目との接続に配慮しているが、学生へのアンケートのみならず受け入れ企業から
の受入れ状況を把握し、充実を図っていく。
⑯
社会的・職業的自立に関する指導等及び体制
都市創造学部では、学生を社会人として、あるいは職業人として自立した人間に育成す
るため、教育課程内、教育課程外にわたり、十全の取り組みを展開する。教育課程内では、
都市創造学部の目指す人材像そのものが、社会人、職業人としての一つの理想像であり、
そのために身に付けさせる能力は社会人・職業人としての自立性を支える能力であると考
える。教育課程外では、亜細亜大学キャリアセンターが展開するさまざまなキャリア開発
プログラムが、教育課程と密接に連動しながら展開されている。
ア 教育課程内の取組
都市創造学部の教育課程においては、すでに説明したとおり、1 年次から必修又は選択必
修で開設される一連の演習科目が重要な役割を果たしている。演習科目ではアクティブラ
ーニングの考え方が多く取り入れられ、学生は演習科目を修得していくに従い、自立性、
社会性、実践性を身に付けてゆく。演習科目においては、「オリエンテーション・ゼミナー
ル」や「基礎ゼミナール」において、インタビュー実践や自らアポイントメントをとって
の調査を求めており、社会性を身に付けさせる。大学初年次において、こうした社会性を
身に付けさせることによって、
「大学」という社会においても適切な振る舞いをすることが
でき、また、社会人として巣立つ前の準備にもなる。「都市準備研究」「海外・国内インタ
ーンシップ」
「フィールドワーク」においては、社会性を磨きつつ、さらに実践性をも身に
付ける。ビジネスマナーや企業等の組織での就業経験は、初年次に身に付けた社会性を実
践するものであり、また、実務における「労働」の意味を考えさせることが、学生個々の
実践性を高めることになるだろう。そして、自ら調査し、データを収集する過程では、さ
まざまな困難に直面する。これを乗り越えたときに学生は一回り大きな人材に育ち、社会
人・職業人への途を見定めることになるだろう。
「卒業プロジェクトⅠ・Ⅱ」
「卒業研究Ⅰ・
Ⅱ」
「社会調査実習Ⅰ・Ⅱ」は、3 年次までに涵養した社会性や実践性と学部全体で、ある
いは各履修コースで培った能力を以て、自立的に学修を完成させるための演習である。4 年
次選択必修の演習科目を通じて、自立した社会人・職業人に育っていくものと考える。
(1) 社会的及び職業的自立を図るために必要な能力を培うための具体的な取組内容
前述したとおり、都市創造学部においては、一連の演習科目を修得していくことによっ
105
て、社会的及び職業的自立を達成できるように教育課程が設計されている。これをさらに
サポートする体制として、教育課程内においてスキル獲得のためのカリキュラムを構築し
ている。都市創造学部での学びを支え、また、学びを活かすスキルとしては、ICT スキル、
CG スキル、カラーコーディネートスキル、インテリアコーディネートスキルを考えている。
これらのスキルは、同時に取得可能な資格としても設定されており、対応する科目が配置
されている。演習科目において社会性・実践性・自立性を獲得していくうえで、これらの
スキルは直接・間接に寄与することになる。ICT スキルは演習の効率を格段に高めるとと
もに、新たなアイデアの源泉として ICT 環境を使いこなすことを可能にするであろう。CG
スキルは、アイデアや企画を表現する強力なツールとなる。カラーコーディネート・イン
テリアコーディネートのスキルは、実際にアイデアや企画を形にする際に役立つ知恵とな
る。身に付いたスキルは、学生が演習科目を修得するうえでの大きな支えとなり、結果と
して社会的・職業的自立性を養うこととなる。
(2) 社会的・職業的自立に関する指導等の方法と関係する授業科目一覧
演習科目、全学共通科目と社会的・職業的自立性を確立することとの関係性は、以下の
とおりである。なお、都市創造学部で身に付ける能力と科目との関係は、
「①設置の趣旨及
び必要性 エ 教育研究上の目的と養成する人材像及び学生に習得させる能力 (3)学生に習
全学共通科目・人生と進
路
イ
オリエンテーション・ゼミナール
基礎ゼミナール
都市準備研究
国内インターンシップ
海外インターンシップ
フィールドワーク
ゼミナール
卒業プロジェクトⅠ・Ⅱ
卒業研究Ⅰ・Ⅱ
社会調査実習Ⅰ・Ⅱ
キャリア・インターンシップ
現代アジアとキャリアデザイン
テーマ研究[中国キャリア開発入門(経営)
]
テーマ研究[中国キャリア開発入門(経済)
]
O
O
O
O
O
O
O
O
O
O
O
O
O
O
自立性
専門教育科目・演習科目
科目名称
実践性
科目区分
社会性
得させる能力」において既に述べている。
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教育課程外の取組
亜細亜大学では、学生の社会的・職業的自立を図るための支援組織として、
「キャリアセ
ンター」
(事務組織)を設置している。キャリアセンターは、キャリア開発支援、キャリア
形成支援、就職支援の三つの機能を有し、入学から卒業までの一貫した支援を行っている。
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具体的には、次のような取り組みを行っている。
(1) 入学直後の新入生ガイダンス
キャリアセンターの職員が将来の進路を考え大学 4 年間をどのように過ごすかが重要で
あることを説明し、職業意識の高揚を図る。
(2) キャリアデザインガイドの活用
職業意識が希薄な、低学年次生に対しては、亜細亜大学が独自に開発した「キャリアデ
ザインガイドⅠ」を教材に、キャリア教育(キャリアガイダンス)を実施し、学生生活の
行動目標を具体化させる。
(3) 学部の補完教育を軸とした課外講座の充実
各学部の教育目的に合わせ、公務員講座等の資格取得講座の運営や、各種検定試験等を
実施している。さらには、学生のキャリアデザインを支援する、スキルアップ講座、キャ
リアアップ講座等を開講している。
(以下、主な内容を記載)
・公務員試験講座(1 講座 3 コース)
・資格取得講座(11 講座 11 コース)
・英語学習講座(2 講座 9 コース)
・SPI3 対策講座
・手話講座
(4) 企業、卒業生との連携プログラムの実施
就職年次生には、
「キャリアデザインガイドⅡ」を利用し、自己の強みを発見し、自分と
マッチした企業との出会いを創出できるよう指導する。また、エントリーシートの記載方
法、筆記試験対策、面接指導等、就職活動のノウハウについて、きめ細かく対応している。
(5) 企業、卒業生との連携プログラムの実施
学生のイメージ先行の就職活動を、より現実的に捉えることを目的として、企業連携に
よる、就職支援ガイダンス、人事担当者による模擬面接、学内で実施される優良企業合同
説明会を実施している。さらには、企業で活躍する卒業生や、内定者との連携プログラム
を通じて、職業観の涵養を図っている。
(6) 個別面談の強化
キャリア支援、就職支援を目的とした、学生との個人面談を実施している。専任職員の
他、ハローワークとの連携による、キャリアカウンセリングや、専属のキャリアカウンセ
ラー(有資格者:4 名)を配置し、より一層の強化を図っている。
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ウ
適切な体制の整備
(1) 社会的・職業的自立に関する指導等の学内体制整備状況
教育課程内外を通じて充実したキャリア支援を行うため、事務部署としてキャリア支援
課と生涯学習課の二課体制をとるキャリアセンターを設置している。
平成 26 年 9 月には、学生の利用促進を図るべく、キャンパス中央に移転し、施設設備の
リニューアルを実現した。センター内には、個別面談ブース(12 ヵ所)や学生ラウンジを
完備。センター内に設置したセミナールーム(マルチメディア対応、30 名収容)では、ミ
ニガイダンスや模擬面接など、グループ支援に活かされている。
また、社会的・職業的自立に必要なアセスメントも、積極的に活用している。低学年次
から職業興味検査(VRT、GATB 等)や一般職業適性検査を実施し、自己理解を深め、学
生生活のグランドデザインを描く機会を提供している。
(2) 社会的・職業的自立に関する学内の関係組織の有機的・緊密な連携
各教授会との連携を密にした学生のキャリア・就職支援を展開していくために、キャリ
ア委員会を設置している。
キャリア委員会は、学長の指名による、キャリア委員長 1 名(教員)と各学部から選出
された委員各 1 名、キャリアセンター部長及び課長によって構成されている。
このキャリア委員会は、平成 5 年に設置された就職委員会が前身であるが、当初より学
生の就職に関する問題は教授会と事務部門で連携して行っていくことが重要であるとの認
識で設置され、今日に至っている。
また、雇用環境の変化に伴い、キャリア教育のあり方を検討する、「キャリア教育推進ワ
ーキンググループ」を設置し、学長の指名による、教務委員長(教員)や教学関連部門と
の連携のもと、「全学的なキャリア教育のあり方」
「既存のキャリア科目の有機的連携の在
り方」について検討している。
今日、教育課程内外を通じた学生のキャリア支援を行っていくことの重要性が指摘され
ているが、本学の各教授会並びに各委員長とのパイプ役を兼ねる委員会は、まさにこれに
適合したものであり、これら委員会の役割も、これまでに増して重要となっているため、
更なる充実を図っていくこととしている。
以上
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