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国際私法 松永 詩乃美
国際私法 授業科目 松永 担当者 授業科目群 展開・先端 必修・選択の別 詩乃美 選択 開講年次・学期 2 年次・後期 履修条件 新司法試験の選択科目で、「国際関係法(私法系)」を選択する意思のある者は、3 年前期の 「国際取引法」も必ず受講すること。 学習の目標 国際私法の仕組みおよび基本的な法政策を理解し、国際的私法関係事件に慣れて国際的 感覚を持つことが第1の目標である。 この授業では、①国際私法総論、②国際家族法、③国際財産法、および④国際民事手続 法を学習対象とするが、重心は、法選択規則の理解に関わる①国際私法総論と②国際家族 法に置く。基本的に、準拠法選択における国際家族法各論の各課題にそって授業を進める なかに、国際私法総論の課題(法性決定、連結点、公序など)を挿入する。 授業の計画 第1回 第2回 第3回 第4回 第5回 第6回 第7回 第8回 第9回 第 10 回 第 11 回 第 12 回 第 13 回 第 14 回 第 15 回 教科書 1 松岡博編『国際関係私法入門』(有斐閣・2007) 2 櫻田嘉章=道垣内正人編『ロースクール国際私法・国際民事手続法[第 2 版]』(有斐閣・ 2007) 主な参考文献 1 2 3 4 試験・成績評価 の方法 授業における質疑応答等(30%)、期末試験(70%) 国際私法序論、国際婚姻の成立要件/[総論]法性決定 国際離婚の、離婚1(基本)/[総論]属人法、国籍、常居所 離婚2(発展)/ [総論]不統一法国法、未承認国法、外国法の適用 国際的な実親子関係の成立/ [総論]公序 国際的な養子縁組、親子関係の効力、扶養、氏名/[総論]適応問題 第 1 回中間テスト 国際相続法/[総論]反致、先決問題 国際民事手続法序論、国際裁判管轄1(基本理論) 国際裁判管轄 2 (家族関係事件) 外国判決の承認執行 第 2 回中間テスト 国際契約法 国際物権法 国際不法行為法 全体のまとめ 櫻田嘉章=道垣内正人編『国際私法判例百選[新法対応補正版]』(有斐閣・2007) 木棚照一ほか『国際私法概論[第 5 版]』(有斐閣・2007) 山田鐐一『国際私法 第 3 版』(有斐閣・2004) 本間靖規=中野俊一郎=酒井一『国際民事手続法』(有斐閣・2005) 科 目 国際私法 担 当 者 松永 詩乃美 第1回 全 15 回 国際私法序論、国際婚姻の成立要件 [総論] 法性決定 事例(授業内容) (1) 日本に常居所を有する 18 歳の日本人男性 A は、日本に常居所を有する 17 歳のフランス人女性 B と結婚 することができるか。フランス民法の婚姻適齢は、男女とも 18 歳である。 (2)日本に常居所を有する韓国人 A 男は、親が決めた相手(日本に常居所を有する日本人 B 女)と不本意ながら 日本で韓国式の儀式婚を行い、生活していたところ子 C が生まれた。そこで A の父 D は、B と相談の上、日本 の R 市役所に A と B との婚姻を届け出て、本件届出は受理された。本件届出は A の意思に基づかず、A が知ら ないものであった。A はその後、韓国人 E 女と親しくなり、E との婚姻を韓国で届け出た。しばらくして A は、 本件届出がされていたことを知り、本件届出に基づく AB 間の婚姻の無効確認を求めて日本で訴えを提起した。 AB 間の婚姻の有効性は、いかなる国の法によって判断されるか。 要点 (1)国際的私法生活関係は、国際私法によってどのように規律されているか。 (2)婚姻の実質的成立要件および方式は、それぞれどこの国の法によって判断されるか。 (3)配分的適用および選択的適用とは何か (4)法性決定とは何か。 (5)届出意思を欠く婚姻届の効力の問題は、密室的成立要件の問題か、それとも方式の問題か。 関係条文 法の適用に関する通則法 24 条 キーワード 国際的私法生活関係、法選択規則、準拠法/配分的適用、選択的適用/法性決定、国際私法自体説 必ず予習すべき文献・判例 (1)『国際関係私法入門』2-38、181-189 頁 (2)『ロースクール[第 2 版]』UNIT7 Prreparation1, 2 (34 条との違いはしなくてよい)、 U7-1 Questions 1~4、U1-1、 P1、 Q1 *以下、UNIT は U、Preparation は P、Questions は Q と表示する。 参考資料(さらに理解を深めるために学習するのが望ましい文献等) (1)櫻田嘉章=道垣内正人編『国際私法判例百選[新法対応補正版]』102-107、4-5 頁(有斐閣・2007) (2)山田鐐一『国際私法 第 3 版』396-422、47-57、97-99 頁(有斐閣・2004) (3)木棚照一ほか『国際私法概論[第 5 版]』200-205、33-39 頁(有斐閣・2007) (4)溜池良夫『国際私法(第 3 版)』417-435、125-146 頁(有斐閣・2005) (5)南敏文『改正法例の解説』52-64 頁(法曹会、1992) (6)木照一=松岡博編『基本法コンメンタール 国際私法』86-90 頁(日本評論社、1994) 科 目 国際私法 担 当 者 松永 詩乃美 第2回 全 15 回 国際婚姻の効力、離婚1(基本) [総論] 属人法、国籍、常居所 事例(授業内容) イギリス人 A 男は、1963 年に観光目的で日本にやってきた後、日本とイギリスとの間を行き来しながら日 本で生活をしていたが、自作のヨットで 1977 年にイギリスへ船出した途中のスリランカでフランス人 B 女と 出会い、生活を共にするようになった。A と B は 1979 年に日本に帰って来て生活していたが、2人の間に C 男(イギリスとフランスの重国籍者)が出生した。A,B および C は自作のヨットで世界一周の旅に1983年 から8年間出かけるなどしていたが、A と B は C のためにも婚姻した方がいいと思い、1990年に婚姻した。 しかしその後、B は放浪的な生活を嫌うようになり、A と離婚したいと考えている。 (1)AB 夫婦の離婚の準拠法は、どこの国の法になるか。 (2)離婚が認められた場合に、C の親権者の指定はどこの国の法によって判断されるか。 要点 (1)離婚の身分的効力および夫婦財産制の準拠法はどのようにして決定されるか。 (2)離婚の準拠法はどのようにして決定されるか。 (3)同一本国法、同一常居所地法、最密接関係地法とはどのようなものか。 (4)属人法とは何か。 (5)国籍、常居所、住所の概念は、それぞれどのようなものか。 (6)重国籍者および無国籍者の本国法はどのようにして決定されるか。 (7)離婚の際の親権者指定は、離婚の問題か、親子関係の効力の問題か。 (8)親子関係の効力の準拠法は、どのようにして決められるか。 関係条文 法の適用に関する通則法25~27条、32条、38条1、2項、39条 キーワード 段階的適用、同一本国法、同一常居所地法、際密接関係地法、日本人条項、子の福祉/属人法、無国籍 必ず予習すべき文献・判例 (1)『国際関係私法入門』190-202、202-206、225-227、38-45 頁 (2)『ロースクール国際私法・国際民事手続法[第 2 版]』U7P3~5、U7-1 Q6,7, U8P2、U2P4,5、 U2-2 Q1(3)(4),2 参考資料(さらに理解を深めるために学習するのが望ましい文献等) (1)櫻田嘉章=道垣内正人編『国際私法判例百選[新法対応補正版]』108-111、10-11 頁(有斐閣・2007) (2)山田鐐一『国際私法 第 3 版』422-338、96-107、111-128 頁(有斐閣・2004) (3)木棚照一ほか『国際私法概論[第 5 版]』206-220、40-52 頁(有斐閣・2007) (4)溜池良夫『国際私法(第 3 版)』435-458、89-124 頁(有斐閣・2005) (5)南敏文『改正法例の解説』64-9、178-202 頁(法曹会、1992) (6)道垣内正人『ポイント国際私法 総論(第 2 版)』143-167 頁(有斐閣、1999) 科 目 国際私法 担 当 者 松永 詩乃美 第3回 全 15 回 離婚2(発展) [総論]不統一国法、未承認国法、外国法の適用 事例(授業内容) (1)日本に常居所を有する米国人夫婦(ともにハワイ州出身)の婚姻関係はすでに破綻し、離婚の申立てが日 本の家庭裁判所になされた。この離婚を調停または審判で行うことができるか。なお、ハワイ州法によれば、離 婚は判決で行わなければならないと定められている。また、A がアリゾナ州出身、B がメリーランド州出身の場 合、離婚の準拠法の決定はどのように行われるか。 (2)日本人妻 A は、インドネシア人夫 B(イスラム教徒)と離婚をし、子 C ら(インドネシア国籍・特定の 宗教なし)の親権者を自己にしたいと考えている。この離婚と親権者指定の準拠法は、どのようにして決定され るか。 (3)ハワイ州法、アリゾナ州法、メリーランド州法やインドネシア法の内容は、どのようにして調べられるか。 これらの法の内容が不明の場合、どのように扱われるべきか。 要点 (1)準拠外国法が判決離婚のみを定めている場合に、調停離婚または審判離婚ができるか。 (2)場所的不統一法国および人的不統一法国とは何か。その国の法の指定にはどのような問題があるか。 (3)準拠法所属国として指定された国が日本の承認していない国であるとき、その国の法を適用できるか。 (4)分裂国家に所属する者の本国法は、どのようにして決定されるべきか。 (5)外国法の内容はどのようにして調査されるか。外国法の内容が分からなかった場合、準拠法はどうなるか。 (6)外国法の内容や解釈を誤った場合、それは上告理由となるか。 関係条文 法の適用に関する通則法 27 条、38 条 3 項、40 条、家審法 18 条、23-25 条 キーワード 調停・審判離婚、不統一法国、間接・直接指定、未承認国家法、分裂国家、外国法の調査・解釈・適用・不明 必ず予習すべき文献・判例 (1)『国際関係私法入門』202-205、46-51.40、55-60 頁 (2)『ロースクール [第 2 版]』U8-1 Q2、U8-2 Q1,2,3(2)(3)、U3P1,3,4、U3-1 Q2,3、 U3-2、Q1,2(1)、U2-1 Q3,4, U30P 全、Q1(3),3,4(1),5(2) 参考資料(さらに理解を深めるために学習するのが望ましい文献等) (1)櫻田嘉章=道垣内正人編『国際私法判例百選[新法対応補正版]』112-117、16-19、8-9 頁(有斐閣・2007) (2)山田鐐一『国際私法 第 3 版』448-459、75-94、107-111、129-140 頁(有斐閣・2004) (3)木棚照一ほか『国際私法概論[第 5 版]』220-249、63-79 頁(有斐閣・2007) (4)溜池良夫『国際私法(第 3 版)』461-471、175-206.243-252 頁(有斐閣・2005) (5)道垣内正人『ポイント国際私法 総論(第 2 版)』168-207 頁(有斐閣、1999) 科 目 国際私法 担 当 者 松永 詩乃美 第4回 全 15 回 国際的な親子関係の成立 [総論] 公序 事例(授業内容) (1)日本人夫 A は、タイ人妻 B が自己との婚姻中に日本人 C 男との間で生んだ D 女について、嫡出否認をし ようと考えている。この嫡出否認の準拠法は、どのように決定されるか。 (2)韓国人 A 男は、日本人 B 女と内縁関係にあったが、B が韓国人 C 男との間で生んだ子 D 男を、B と C の 仲を引き裂く目的で自分の非嫡出子として認知した。A の死後に事情を知った D は、その 9 年後(認知からは 29 年経過)に、認知の無効を求めて出訴した。この認知無効が認められるか否かに適用されるのは、いかなる国の 法か。 (3)韓国法によれば、認知の無効は、認知の届出があることを知った日から1年内に訴えを提起しなければな らないとされている場合(なお、日本法には認知無効の出訴期間に制限はない)、(2)の認知無効は認められ ない結果になるか。 要点 (1)嫡出否認の準拠法はどのように決定されるか。 (2)認知の準拠法はどのようにして決められるか。 (3)子の福祉・子の保護とは、どのようなものか。 (4)準正の準拠法はどのようにして決められるか。 (5)外国法の適用の結果が、わが国の公の秩序や善良の風俗に反する場合、それでもその外国法を適用しなけ ればならないか。 (6)国際私法上の公序とは、民法上の公序とはどのよう違う概念か。 関係条文 法の適用に関する通則法 28-30、42 条 キーワード 選択的連結、子の福祉、嫡出否認、認知主義、セーフガード条項/国際的工場、国内的公序、欠缼否認説 必ず予習すべき文献・判例 (1)『国際関係私法入門』207~216、61-69 頁 (2)『ロースクール [第 2 版]』U9 P1、U9-2 Q2、U9-3 Q1、U5P1,2 (民訴 118 条 3 号との異同はしなくてよい)、 Case 5-1-2 Q1(2), 2(2), 4、 U5-2 Q1(1)~(3),2 参考資料(さらに理解を深めるために学習するのが望ましい文献等) (1)櫻田嘉章=道垣内正人編『国際私法判例百選[新法対応補正版]』124-129、20-27 頁(有斐閣・2007) (2)山田鐐一『国際私法 第 3 版』475-501、140-154 頁(有斐閣・2004) (3)木棚照一ほか『国際私法概論[第 5 版]』225-233、86-93 頁(有斐閣・2007) (4)溜池良夫『国際私法(第 3 版)』461-471、175-196 頁(有斐閣・2005) (5)南敏文『改正法例の解説』102-134 頁(法曹会、1992) (6)道垣内正人『ポイント国際私法 総論(第 2 版)』252-278 頁(有斐閣、2007) 科 目 国際私法 担 当 者 松永 詩乃美 第5回 全 15 回 国際的な養子縁組、親子関係の効力 扶養、氏名/適用問題 事例(授業内容) (1)日本人夫 A は、S 国人妻 B の妹 C(S 国人。未成年)を、B と共同して養子にしようと考えている。この 養子縁組の準拠法はどのようになるか。仮にこの養子縁組が認められたとして、後に、養父となった A が養子 C を虐待したため C が離縁を望んでいる場合、離縁の準拠法はいかなる国の法か。 (2)日本に常居所を有する台湾籍の A は、台湾に常居所を有する台湾籍の B の非嫡出子であり、B から認知 されている。A の B に対する扶養請求が認められるか否かは、いかなる国の法により判断されるか。 (3)日本人 A 男とスイス人 B 女が婚姻する場合、夫婦の氏がどのようになるかは、いかなる国の法によって 決められるか。 要点 (1)養子縁組の準拠法はどのようにして決定されるか。 (2)養子縁組の成立について第三者の承諾・同意または公的機関の許可が必要なとき、それらはどのように処 理されるか。 (3)扶養の準拠法は、どのようにして決定されるか。 (4)氏名の準拠法は、どのようにして決定されるか。 (5)適応問題とは何か。どのように解決されるか。 関係条文 法の適用に関する通則法 31 条、扶養義務の準拠法に関する法律、戸籍法 107 条 キーワード 決定型養子縁組、セーフガード条項、補正的連結、氏名の準拠法、本国法説、氏名公法説、適応問題 必ず予習すべき文献・判例 (1)『国際関係私法入門』216-238、71-72 頁 (2)『ロースクール [第 2 版]』U10 P 全、Q1,2(3),3、U8Q(4)、U7-2 Q1(!)(2), Q2(1)、Q3 参考資料(さらに理解を深めるために学習するのが望ましい文献等) (1)櫻田嘉章=道垣内正人編『国際私法判例百選[新法対応補正版]』130-135、138-143、158-163 頁(有斐閣・ 2007) (2)山田鐐一『国際私法 第 3 版』501-527、559-564、450、165-172 頁(有斐閣・2004) (3)木棚照一ほか『国際私法概論[第 5 版]』233-243、248-251、82-85 頁(有斐閣・2007) (4)溜池良夫『国際私法(第 3 版)』504-525、234-242 頁(有斐閣・2005) (5)南敏文『改正法例の解説』134-156 頁(法曹会、1992) (6)道垣内正人『ポイント国際私法 各論(第 2 版)』86-103 頁(有斐閣、2000) 科 目 国際私法 担 当 者 松永 詩乃美 第6回 全 15 回 第1回中間テスト 事例(授業内容) 第1~5回の復習。 要点 (1)準拠法選択のプロセスの基本を正確に理解し、身につけているか。 (2)後半に活用できる十分な理解を身につける度量ができているか。 関係条文 第1~5回で学習したもの キーワード 第1~5回で学習したもの 必ず予習すべき文献・判例 (!)第1~5回で学習したもの 参考資料(さらに理解を深めるために学習するのが望ましい文献等) (1)第1~5回で学習したもの 科 目 国際私法 担 当 者 松永 詩乃美 第7回 全 15 回 国際相続法 [総論] 反致、先決問題 事例(授業内容) 日本に営業所を有するイギリス人(イングランド出身)が、日本とイギリスに財産(土地家屋、貴金属品、現金、 預貯金、有価証券等)を遺して死亡した。A には日本人妻 B、その間に生まれた子 C(日本とイギリスの重国籍者)、 およびイギリス人 D 女との間に生まれたイギリス人子 E(A による出生の認知届はない)がいる。 (!)相続人になるのは、だれか、相続財産に含まれるのはどのような財産か、A の遺産はどのように分配され るか、のそれぞれの問題に適用されるのは、いかなる国の法か。 (2)A が旅先の中国で作成した遺言にいて、E を認知する旨を記していたとする。認知を遺言ですることがで きるか否かは、いかなる国の法によって判断されるか。 (3)イングランドの国際私法によれば、「不動産の相続については不ドンさん所在地法が、その他の財産につ いては被相続人の最後の常居所が適用される」とされているとする。A の相続に適用されるのは、いかなる国の 法か。 要点 (1)相続の準拠法はどのようにして決定されるか。 (2)相続人不存在の場合に特別縁故者への財産分与がされるか否かは、いかなる国の法によって判断されるか。 (3)遺言の成立と効力の準拠法はどのように決定され、どのような問題を規律するか。 (4)反致とは何か。 (5)反致についてどのような問題点があるか。 (6)先決問題とは何か。どのように解決されるか。 関係条文 法の適用に関する通則法 36、37、遺言の方式の準拠法に関する法律、41 条 キーワード 相続統一主義、遺産管理、相続人不存在、特別縁故者、遺言/反致、先決問題 必ず予習すべき文献・判例 (1)『国際関係私法入門』246-247、51-54、185、189-190、192、198、206、109-210、213、215.223、227-228、 252-253、69-71 頁 (2)『ロースクール [第 2 版]』U12 P13、U12-1 Q1~3、U12-2 Q1,2、 U12-3 Q1(1),2、U4 P 全、 U4-1Q2(1)(2)、U4-2 Q1,2、 U1-2 Q 全、U1-1 Q2,3 参考資料(さらに理解を深めるために学習するのが望ましい文献等) (1)櫻田嘉章=道垣内正人編『国際私法判例百選[新法対応補正版]』146-157、12-15、6-7 頁(有斐閣・2007) (2)山田鐐一『国際私法 第 3 版』565-592、58-75、159-164 頁(有斐閣・2004) (3)木棚照一ほか『国際私法概論[第 5 版]』256-277、53-62、79-82 頁(有斐閣・2007) (4)溜池良夫『国際私法(第 3 版)』539-546、147-170、227-234 頁(有斐閣・2005) (5)道垣内正人『ポイント国際私法 総論(第 2 版)』208-230 頁(有斐閣、2007) (6)道垣内正人『ポイント国際私法 各論(第 2 版)』86-103 頁(有斐閣、2000) 科 目 国際私法 担 当 者 松永 詩乃美 第8回 全 15 回 国際民事手続き法序論 国際裁判管轄1(基本理論) 事例(授業内容) (1)マレーシアの航空会社 A の運行するマレーシアの国内線の旅客機が、マレーシアで墜落した。この自己で 死亡した日本人の遺族 B らが、航空会社 Y に対して損害賠償を求める訴えを、日本の裁判所に提起した。この 裁判は日本で心裡できるか。 (2)自動車やその部品の輸入業を営む日本法人 A が、長年ドイツに在住する日本人業者 B にヨーロッパで自 動車を買い付け、日本に向けて船積みする業務を委託し、約1億円を買い付け等の資金として B のドイツ国内の 銀行口座に送金した。その後、A は、B との取引における信頼関係に疑問を抱き、資金の残金約 2,500 万円の返 還を求めて、日本の裁判所に訴えを提起した。この裁判は日本で真理できるか。 要点 (1)国際裁判管轄とは何か。 (2)国際裁判管轄に関する法規は日本にあるか。 (3)国際裁判管轄はどのように決定されるか。 (4)裁判実務において、国際裁判管轄の決定にはどのような要素が重視されているか。 関係条文 民訴法 4~22 条参照、国際航空運送についてのある規則の統一に関する条約 キーワード 国際裁判管轄、裁判権、裁判の適正・公平・迅速の理念、条理、特段の事情論(修正逆推知説)、被告住所地原則 必ず予習すべき文献・判例 (1)『国際関係私法入門』259~278、285~287 頁 (2) 『ロースクール [第 2 版]』U22 P 全、U22-1 Q2,3,4(1),5、Case22-2-1 Q1,2(1),3~5、Case22-2-2 Q1, 3(2)、 U23 P2、U23-1 Q1(1)(4)(5),2 (Case36 の参照はしなくてよい)、Case22-2-2 Q2 参考資料(さらに理解を深めるために学習するのが望ましい文献等) (1)櫻田嘉章=道垣内正人編『国際私法判例百選[新法対応補正版]』166-169、172-173 頁(有斐閣・2007) (2)木棚照一ほか『国際私法概論[第 5 版]』233-243、248-251、82-85 頁(有斐閣・2007) (3)小林秀之『国際取引紛争[3版]』113-142 頁(弘文堂、2003) (4)最判平成 9 年 11 月 11 日民集 51 巻 10 号 4055 頁 (5)山田鐐一『国際私法 第 3 版』459-461 頁(有斐閣・2004) 科 目 国際私法 担 当 者 松永 詩乃美 第9回 全 15 回 国際裁判管轄2 (家族関係事件) 事例(授業内容) (1)日本人 A 女は、ドイツ人 B 男と婚姻し子 C を生み、ドイツで生活していたが、B と不仲になり、C を連 れて日本に帰国した、A は B に対して離婚の請求をしようと考えているが、この裁判は日本でできるか。 (2)日本に常居所を有する日本人 A 男と B 女は、米国ハワイ州に常居所を有する身寄りのない C(満 3 歳)と特 別養子縁組をしたいと考えている。この特別養子縁組の審判を日本の裁判所ですることはできるか。 要点 (1)身分関係事件において、国際裁判管轄はどのように決定されるか。 (2)身分関係事件の国際裁判管轄について、財産関係事件と比較して注意すべきことは何か。 (3)身分関係事件の国際裁判管轄を認める基礎には、どのような特徴があるか。 (4)身分関係事件の国際裁判管轄については、訴訟事件と非訟事件とで、どのような取り扱いの差異があるか。 関係条文 判例 キーワード 条理、裁判の適正・公平・迅速の理念、被告住所地原則、子の福祉、子の住所地 必ず予習すべき文献・判例 (1)『国際関係私法入門』324-332、 335-339、341-342 頁 (2)『ロースクール [第 2 版]』U24 P2、 Case24-1-1 Q1,2(1)~(3)(6)(7),3、 Case24-1-2 Q 1, 2, 3(1)(4), 4、 U24-2 Q1(1)~(3),3 参考資料(さらに理解を深めるために学習するのが望ましい文献等) (1)櫻田嘉章=道垣内正人編『国際私法判例百選[新法対応補正版]』182-189 頁(有斐閣・2007) (2)木棚照一ほか『国際私法概論[第 5 版]』308-317 頁(有斐閣・2007) (3)山田鐐一『国際私法 第 3 版』461-469、527-531、543-544,563-564 頁(有斐閣・2004) (4)溜池良夫『国際私法(第 3 版)』471-476 頁(有斐閣・2005) 科 目 国際私法 担 当 者 松永 詩乃美 第 10 回 全 15 回 外国判決の承認執行 事例(授業内容) (1)米国ミネソタ州法人 A は、ナイロン皮膜を購入する契約を日本会社 B との間で締結したが、届けられた 商品に瑕疵があったので、ミネソタ地区連邦地方裁判所において損害賠償を求める訴えを B に提起し、勝訴した。 A は、日本にある B の財産について、このミネソタ判決に基づいて強制執行をしたいと考えている。この強制執 行は、どのようにして実現されるか。 (2)カリフォルニア州法人 B が日本企業 A を訴えたアメリカ合衆国カリフォルニア州の裁判所において、A に対して、40 の財産に対して強制執行を行おうとしている。この強制執行は認められるか。 要点 (1)外国判決の承認・執行とは何か。 (2)外国判決の承認・執行は、何法何条に従って決定されるか。 (3)間接管轄は何で、どのような基準により決定されるか。 (4)外国判決の承認・執行に必要な訴状等の送達とはどのようなものか。 (5)外国判決の内容がわが国の公序に反する場合、承認・執行は認められるか。 (6)懲罰的損害賠償を命じる外国判決は承認・執行されるか。 (7)外国判決の承認・執行に必要な相互の保証とは何か。 関係条文 民訴法 118 条、民執法 24 条、民訴法 108 条 キーワード 外国判決、間接管轄、送達、公序、相互の保証、懲罰的損害賠償、外国における送達 必ず予習すべき文献・判例 (1)『国際関係私法入門』308-323、332-335、3390340、242、205-206、224.301-305 頁 (2)『ロースクール [第 2 版]』U27 P 全、U27-1 Q1(1),2~5(1), 6, 7(1)、 U27-2 Q2(2)~4、U27-3 Q1~2(3)、 U26-1 Q2~4 参考資料(さらに理解を深めるために学習するのが望ましい文献等) (1)櫻田嘉章=道垣内正人編『国際私法判例百選[新法対応補正版]』152-153、12-15 頁(有斐閣・2007) (2)山田鐐一『国際私法 第 3 版』586-592、58-75、頁(有斐閣・2004) (3)木棚照一ほか『国際私法概論[第 5 版]』268-277、53-62、頁(有斐閣・2007) (4)溜池良夫『国際私法(第 3 版)』540-550、147-174、頁(有斐閣・2005) (5)南敏文『改正法例の解説』205-211 頁 (法曹会、1992) 科 目 国際私法 担 当 者 松永 詩乃美 第 11 回 全 15 回 第2回中間テスト 事例(授業内容) 第1~10回の復習 要点 (1)国際私法総論、国際家族法および国際民事手続法の基本の総合的理解の確認が目標 関係条文 第1~10回で学習したもの キーワード 第1~10回で学習したもの 必ず予習すべき文献・判例 (1)『国際関係私法入門』175~180、324~342 頁 (2)第1~10回で学習したもの 参考資料(さらに理解を深めるために学習するのが望ましい文献等) 第1~10回で学習したもの 科 目 国際私法 担 当 者 松永 詩乃美 第 12 回 全 15 回 国際契約法 事例(授業内容) 日本の IT 機器製造会社 A は、米国 NY 州会社と B との間で、IT 機器1台を 10 万$で B に売り渡す契約を、 A の東京本社で締結した。 (1)A と B は、「この契約から生じるすべての法的紛争は、日本法による」という準拠法選択合意をした。国 際私法上、この合意はどのような意味があるか。この準拠法選択合意の有効性はどのようにして判断されるべき か。A と B はいったん決めた準拠法を後で変更することができるか。 (2)A と B が準拠法を選択していない場合、契約の準拠法はどのようにして決められるか。 (3)契約書を作成しないとならないか否かは、どこの国の法によって決められるか。 (4)仮に B が米国 NY 州に常居所を有する米国人であって、趣味の IT 機器組み立てのためにこの契約をした 場合、(1)~(3)の各門に関してどのような特則があるか。 要点 (1)契約の準拠法は、どのようにして決定されるか。 (2)当事者自治の原則とは何か。その根拠は何か。 (3)準拠法選択合意の有効性、準拠法の事後的変更、準拠法の分割指定についてどのように考えるか。 (4)契約の方式の準拠法は、どのように決められるか。 (5)当事者が準拠法を決めなかった場合、契約の準拠法はどのようにして決定されるか。 (6)特徴的給付の理論とは何か。 (7)国際的な消費者契約および労働契約に関して、国際私法上、強行法規の適用はどのように確保されるか。 関係条文 法の適用に関する通則法7~12条、各種労働法、各種消費者保護法 キーワード 当事者自治の原則、最密関係地法、特徴的給付の理論、「場所は行為を支配する」の原則、国際的強行法規 必ず予習すべき文献・判例 (1)『国際関係私法入門』94~116 頁 (2)『ロースクール [第 2 版]』U15 P1,2,4,6、U15-1-1 Q1(1)(2),2,3(3),4、U15-1-2 Q 全、 U15-4 Q3.5.6 参考資料(さらに理解を深めるために学習するのが望ましい文献等) (1)櫻田嘉章=道垣内正人編『国際私法判例百選[新法対応補正版]』58-59、62-63 頁(有斐閣・2007) (2)神前禎『解説 法の適用に関する通則法』49-60、 69-79、25-35 頁(弘文堂、2006) (3)小出邦夫編著『一問一答新しい国際私法』42-49、60-67 頁(2006) (4)山田鐐一『国際私法 第 3 版』586-592、58-75、頁(有斐閣・2004) 科 目 国際私法 担 当 者 松永 詩乃美 第 13 回 全 15 回 国際物権法 事例(授業内容) (1)ドイツで登録されていたドイツ人 X 所有の自動車がイタリアで盗まれて、アラブ首長国連邦経由で日本に 輸入された。日本で自動車登録がされていない時点において、この自動車は、自動車販売を業とする日本業者 A から日本人 Y に日本で売買されて Y が占有を取得し、Y が日本で登録し使用していた。X が Y に対して、所有 権に基づいてこの自動車の返還を求めてきたとしたら、Y はこの自動車を X に変換しなければならないか。 (2)米国 NY 州の銀行 A は、日本の海運会社 B に 100 万ドルの融資を行ったが、その際、B 所有のパナマ船 籍 W 号上に船舶抵当権が設定され、パナマの船舶登記簿上に投機された。他方、オーストラリアの C 社は、B からの注文を受けて W 号に燃料と物資を 50 万ドルで補給する契約を締結した。ところが、支払期日になっても B から代金 50 万ドルが支払われなかったため、C は W 号上の船舶先取特権を主張して W 号を日本の横浜港で 差し押さえたが、これを知った A は、自己の船舶抵当権が C の船舶先取特権に優先すると主張して、競売手続 きに加わった。本件競売において、A と C のいずれが配当において優先するかは、どこの国の法によって判断さ れるか。 要点 (1)物権の準拠法はどのようにして決められるか。 (2)物権変動の準拠法はどのようにして決められるか。 (3)担保物件の準拠法は、どのようにして決められるか。 関係条文 法の適用に関する通則法 13 条 キーワード 目的物所在地法主義、善意取得、船舶先取特権、船舶抵当権 必ず予習すべき文献・判例 (1)『国際関係私法入門』162~171 頁 (2)『ロースクール [第 2 版]』U18P1、U18-1 Q 全、 U18-2 Q1(1)~(3)、 U1-1 Q2 参考資料(さらに理解を深めるために学習するのが望ましい文献等) (1)櫻田嘉章=道垣内正人編『国際私法判例百選[新法対応補正版]』50-57 頁(有斐閣・2007) (2)小出邦夫編著『一問一答新しい国際私法』87-92 頁(2006) (3)木棚照一ほか『国際私法概論[第 5 版]』157-167 頁(有斐閣、2007) (4)山田鐐一『国際私法 第 3 版』586-592、58-75、頁(有斐閣・2004) 科 目 国際私法 担 当 者 松永 詩乃美 第 14 回 全 15 回 国際不法行為法 事例(授業内容) (1)日本に常居所を有する日本人 A と B は、自分たちの所属する日本のスキークラブが計画した海外スキー 旅行に参加したところ、カナダのスキー場で、滑走中の A と B が激突し、A は全治1カ月のけがを負った。日 本で入院療養中の A が日本の裁判所で、B に対して不法行為に基づく損害賠償を請求した。この請求の準拠法は、 どこの国の法か。 (2)日本人 A は、旅行先の韓国で2年前に購入した電化製品を、1年前から出張して来ている中国で使用して いたところ、製品の欠陥が原因で出火し、6カ月の火傷を負った。この電化製品は、アメリカのメーカーB が3 年前に EU 向けに製造したものであるが、EU の市場から韓国市場に持ち込まれものであった。A は B に対して 損害賠償請求を行うつもりだが、その準拠法はどこの国の法か。 要点 (1)不法行為の準拠法はどのようにして決定されるか。 (2)不法行為地法主義の根拠は何か。 (3)当事者の常居所は、どのように考慮されるか。 (4)当事者は準拠法を選択する合意をすることができるか。 (5)特別留保条款とは何か。 (6)名誉または信用の毀損の準拠法は、どのようにして決定されるか。 (7)生産物責任の準拠法は、どのようにして決定されるか。 関係条文 法の適用に関する通則法 17~22 条 キーワード 結果発生地法、際密接関係地法、当事者による準拠法変更、日本法の累積的適用、名誉・信用棄損、生産物責任 必ず予習すべき文献・判例 (1)『国際関係私法入門』122~144 頁 (2)『ロースクール [第 2 版]』U16 P1~5、U16-1 Q1,2(1)(2), 4(1)(2), 5(2), 6、U16-2 Q1,2,5,6、 U19 P2、 U19-1 Q2, 3, 5 参考資料(さらに理解を深めるために学習するのが望ましい文献等) (1)櫻田嘉章=道垣内正人編『国際私法判例百選[新法対応補正版]』72-83 頁(有斐閣・2007) (2)神前禎『解説 法の適用に関する通則法』115-117 頁(弘文堂、2006) (3)小出邦夫編著『一問一答新しい国際私法』98-124 頁(2006) (4)木棚照一ほか『国際私法概論[第 5 版]』168-181 頁(有斐閣、2007) 科 目 国際私法 担 当 者 松永 詩乃美 第 15 回 全 15 回 全体のまとめ 事例(授業内容) (1)授業全体のまとめ (2)質疑応答 要点 (1)国際家族法における準拠法選択プロセスを理解しているか。 (2)国際裁判管轄の理解を身につけているか 関係条文 授業で学習したもの キーワード 授業で学習したもの 必ず予習すべき文献・判例 (1)授業で学習したもの 参考資料(さらに理解を深めるために学習するのが望ましい文献等) (1)授業で学習したもの