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松本 理寿輝議員 提出資料(PDF)

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松本 理寿輝議員 提出資料(PDF)
 資料7
一億総活躍国民会議資料
平成28年1月29日
松本理寿輝
「分配と成長の好循環」
「希望出生率1.8」を目指す上で重要になる子育て、保育・幼児教育に対する、国をあげてのまなざしと
具体的な手立ては、単に個人に利益をもたらすだけではく、社会全体にとって多くのメリットがあるこ
とが様々な研究や調査からわかってきました。格差是正による公平・公正な社会の実現、子どもの貧困
対策、教育水準の向上、社会的連帯の強化、希望する女性が働き続けられる環境、生産性増加・経済へ
の好影響につながるとされており、まさに「一億総活躍社会」のよりよき実現のため、大切な施策とな
ります。これまでの議論の中で、多くの視点を取り入れていただきましたが、今後も一層議論を深めて
行きたいと考えております。私が注目したいのは、子育て、保育・幼児教育のことは、①単純な再分配
ではなく、それよりもはるかに効果的な「事前分配」であること。また、諸外国では、幼児教育の費用
便益分析から、個人や社会に効果のある投資として肯定的な意見が多くあるわけでして、②この分配自
体が「成長」にも資するものとなることから、まさに、「分配と成長の好循環」となるということです。
・ 「再分配はある時点では確実に社会の不公平を減らすものの、それ自体が長期的な社会的流動性やイ
ンクルージョンを向上させはしない。事前分配は、インクルージョンを育くみ、同時に、経済効率や
労働生産性を高める上で、単純な再配分よりもはるかに効果的。社会政策の戦略は、選択肢のある、
質の高いプログラムの提供が必要」(J.ヘックマン)
・ 保育の費用対効果は、年齢が進めば進むほど高くなる。(米国「ペリー就学前教育研究」の調査によ
る)
1、幼児教育・保育の質の向上について
⃝この分配と成長の好循環の実現のため、待機児童の解消のため量の拡充を進めつつも、幼児教育・保
育の質向上が極めて重要。
⃝「質」は、個人・家族のためのみならず、国に対しても経済的、社会的、文化的影響。
⃝幼児教育・保育の「質」とは何か。幼児教育・保育の内容やプロセスをどのように議論して質を保証
して行くか。諸外国の研究成果を踏まえつつ、我が国でも研究開発を行う必要がある。(国立教育政策
研究所における「幼児教育研究センター」の整備等)。
⃝併せて、各地域・各園の幼児教育・保育の質のために、国・都道府県・市町村・園がそれぞれの役割
に応じて、きめ細やかに質の保障をして行ける体制を整備することが必要(各都道府県に「幼児教育セ
ンター」、市区町村に「幼児教育アドバイザー」の整備等)。
⃝さらに、この質について、国民的な議論が深まって行くための、様々な知見や研究成果、先進事例、
保育・教育実践等についての情報発信を、各所からして行く必要がある。
⃝もちろん、質には、保育・幼児教育に携わる職員の資質向上、職場環境の改善は欠かせない。研修制
度の充実、「チーム保育推進」によるキャリアアップ体制の整備、園間で人材交流の支援についての取
り組みはありがたい。また、「資質向上」と同時になるが、乳幼児期が、生涯にわたる教育のはじまり
において大事な時期であり、もっと言えば、人生で重要な意味を持つ時期だということが、様々なエビ
デンスをもってわかってきた中で、その環境を支える保育士、幼稚園教諭等の社会的地位が高まって行
くよう、実践をもって示して行けるとよい。
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2、出産後・子育て中も、就業希望者が就業可能な多様な保育サービスの充実
⃝待機児童対策(量の拡充)は待ったなし
⃝「保育士確保プラン」の推進を。勤務環境の改善等を進めていただいたのは大変ありがたい。また、
処遇改善を視点として入れていただいていることは、保育者の勇気になる。この点は、財源確保ととも
にさらなる改善を進めていただきたい。(単純比較が難しい点はあるが、「小学校教諭」対「保育者」
の処遇。小学校教諭を100とすると、OECD加盟国平均は94、日本は61。これは22国・地域中22位。
OECD2012,2013)
⃝企業主導型保育事業の推進。本取組みは、待機児童解消のみならず、職場の意識改革、働き方の理解、
こども理解の促進にも。企業姿勢を職員に前向きに捉えられる例も少なくない。(オフピーク出退勤等
などの課題はある。同時に働き方改革を進める必要がある)
3、幼児教育の無償化の拡大について
(希望する教育を受けることを阻む経済事情など様々な制約の克服)
⃝28年度予算案において、子ども・子育て支援の経費が確実に措置され、中でも幼児教育の無償化に
ついて、対象範囲が拡大したことはありがたい。
⃝幼児教育の無償化は、子ども、家庭、社会、経済、女性などすべてにとって価値の高いものであり、
財源確保とともに、さらなる無償化の拡大を進めていただきたい。
4、安心して出産・子育てできる環境のためや、地域が一体となって福祉を増進して行くために
⃝日本版ネウボラの推進。地域の子育て拠点として位置づけられている認定こども園、保育所、幼稚園
を活かすことができる。気軽に通いやすい場であり、こまめに話をきいてくれて、寄り添ってくれる、
行くとほっとする場。訪れるきっかけづくりも大事。
⃝多機能型保育連携の推進。地域の高齢者等と子育て世代が交流する場として保育所等を活用して行く。
5、小学校にあがってからの環境のために
⃝学童保育の充実や、小学校での教育体制の議論(様々な環境にあるこどものためや、すべてのこども
のよりよい学び環境のため)等。
以上
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