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課題名:小学校への農業教育の支援
担い手の育成と確保 課題名:小学校への農業教育の支援 指導対象 農業士、担い手農業者、他 1.ねらい 学校教育支援事業等を活用し、子どもたちに農業体験や農家と触れ合う機会を設けることで、 農業についての理解を深め、将来農業を職業として選択する意欲を醸成する。また、作物の栽培 など子どもたちの農業体験活動の機会の継続的な提供等を図ることを目的とする。 2.普及活動の経過及び成果 1)昨年までの取り組み 昨年度は、学校教育推進事業の一貫で地元のボランティアの指導のもと、岩出市中央小学校の 4 年生を対象に、また、農業士の指導のもと紀の川市立池田小学校の 5 年生を対象に稲作授業を 行った。両校とも田植え、稲刈り体験を行い、収穫後は中央小学校ではそのお米を使っておにぎ り作りをした。また池田小学校では給食で頂いた。 2)本年の取り組み (1)岩出市立中央小学校 6月17日に4年生91名が昨年度と同様、地元のボランティ ア 3 名の指導のもと、小学校に隣接する田んぼを借りて田植 え体験を行った。田んぼにアメンボやオタマジャクシ等の生 き物がたくさんおり、生き物の観察をしながら約 5a 分の田 植えを行った。 また、10 月 10 日には稲刈りを行った。 鎌で刈った稲をま とめてコンバインへと運んだ。前日の雨で地面はぬかるんで いて、多くの児童は足取られていたが、楽しんで稲刈りをし ていた。 (2)紀の川市立池田小学校 同小学校では、毎年 5 年生を対象として籾まきから稲刈り までの体験学習と調理実習を実施しており、1 年を通して食 育活動を行っている。 5月26日に地域農業士の西川武志氏を講師に招き、田植前 の事前授業として稲作栽培の授業が行われた。また、児童ら は育苗箱に種籾をまいて生長過程を観察した。 6 月 12 日には 5 年生が西川氏や東三谷保全会の方々の指導 のもと、西川氏の田んぼで田植え体験を行った。手植えをし た後、機械植えを見学した児童らは、手植えとのスピードの 違いに驚いていた。 10月7日には稲刈りを行い、西川氏がバインダーで刈ると ころを見学した後、鎌で稲を刈り、稲をまとめて藁で縛って はざ掛けまで体験した。児童らは藁で縛るのが難しかったよ うで苦戦していた。 田植え体験(中央小) 稲作の授業(池田小) 刈った稲のはざ掛け(池田小) (3)和歌山大学教育学部付属小学校 同小学校の 3 年生が社会科の授業で農業について学んでおり、その一貫で 1 クラス 29 名が 紀の川市の農家を訪れた。 児童らは 10 月 2 日に業務用野菜を中心に栽培している七色畑ファーム(代表 河西伸哉)と、 無農薬・無化学肥料で野菜を栽培している元ちゃんファーム(園主 小林元氏)を見学した。 七色畑ファームでは、河西氏から栽培の概要を話して頂き、肥料を撒いているところを見学 した。河西代表が「牛丼屋さんで出されているハクサイの中にはうちで栽培したハクサイも使 われています」と言うと、児童らは「身近に感じた」と話していた。 元ちゃんファームでは、小林氏より栽培の概要や野菜作りへの思いを話して頂き、その後畑 に植えられているカラシナを試食した。 その後、10 月 16 日に小林氏が小学校へ出向き、1 年間の作業について授業をし、10 月 23 日 に再び元ちゃんファームを訪れた。児童らは、実際に農家と話したり畑へ出向くことで刺激を 受けたようであった。 河西氏に質問(七色畑ファーム) 説明を聞く児童ら(元ちゃんファーム) (4)岩出市立山崎小学校 1 月 21 日に紀北地方の担い手農業者グループ「紀州やさ い」の会員 6 名が岩出市立山崎小学校へ出向き、5 年生 114 名を対象に農業の魅力について話した。 紀州やさいのメンバーは 3 名ずつ 2 組に分かれ、「なぜ農 業を始めたのか」 「どのような作物を栽培しているのか」 「田 んぼにはどのような生き物がいるのか」などを話した。 直接、農家から話を聞くのは初めてという児童もおり、皆 真剣に聞いていた。将来は農家になりたいという児童もい た。 「紀州やさい」による授業 3.今後の普及活動方向 今後も小中学校など子ども達への農業教育を推進していく。また、子どもや消費者へ農業の魅 力や農業の現状などを伝えたいと考えている農家の支援も行っていく予定である。 (報告者:普及グループ)