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C3 人生に歌がある

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C3 人生に歌がある
C
C3
人生に歌がある
○対象学年のめやす
○実践する場面
○プログラムのねらい
C3
レッスン1
文化と生活
小学校(高学年)、中学校
総合的な学習の時間、音楽科
○自分のあるがままの存在(Being)を認める。
○自分と自分のまわり(家族・友達)を見つめ、お互いを認め合う関係づ
くりを進める。
○辛いこと・差別を乗り越えて生きている人の生き方に学び、自分はそれ
らにどう向き合うか、自分自身の生き方を考える。
人生に歌がある
プログラムの流れ
自分という存在(Being)に自信をもつ:「神様がくれた贈り物」
テノール歌手 新垣勉さんの生き方
*「神様がくれた贈り物」(『にんげん∼ひと
きぼう』)
○自分が与えられた「贈り物」は何だろうか!?
レッスン2
私からできること:「小さな手のひらに」(『にんげん∼ひと
きぼう』)
ソプラノ歌手 渡辺千賀子さんの生き方
*「小さな手のひらに∼私からできることを」
○私からできることを考える。
レッスン3
自分をふり返る:「自分史カード」を書こう
○生まれてから今までの自分をふり返る。
○あるがままの自分の存在を肯定的にとらえる。
「小さな手のひらに
「小さな手のひらに
レッスン4 人と出会おう
○歌に込められた思いを聞き、自分の生
き方を考える。
クラスミーティング
自分を語る会
歌詞を作ろう
(音楽表現・創作)
歌詞を作ろう(音楽表現・創作)
レッスン5
発表会「コンサートをしよう」
○人に伝えたいことを、心に残る歌・励ましてくれる歌と一緒に発表する。
○歌に込められた友達の思いを受けとめる。
他校との交流会
地域のお祭りに参加
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レッスン1 自分という存在(Being)に自信をもつ:「神様がくれた贈り物」
意義
○視力を失い、両親に憎しみを抱き、絶望の淵にいた新垣勉さんが、人との出
会いや自らの力を発見することで両親への感謝の気持ちを持つようになっ
たということを学び、自分自身のよさ(「神様がくれた贈り物」)に気づく。
目的
○あるがままの自分という存在(「Being」)に自信をもち、前向きに生きること
の大切さについて考える。
手法・準備 ○「神様がくれた贈り物」(『にんげん∼ひと きぼう』)
時間の目安 ○約 50 分×2h
展開
区分
学習活動・学習内容
指導者の働きかけ・留意点
導入
○「さとうきび畑」(新垣勉)を聴く ○どんな光景が目に浮かぶか。
○どんな人が歌っているのだろう?
展開
○「神様がくれた贈り物」を読む。
○みんなは投げやりになったことは?
○投げやりだった新垣さんが変われ ○親のことをどう思っているか?
たきっかけは?
○自分にとって感謝できる人はいるか?
○自分にとって「神様がくれた贈り ○だれもがオンリーワン=「贈り物」を
物」は何だろう?
持っていることに気づかせる。
感想・
反応
参考
感想より
◆私は、沖縄で昔、戦争があったことを知っていたけど、くわしいことは知りませんでした。ビ
デオを見てこの人は、父と助産師さんを殺したいと思っていました。失明し、父もアメリカ人
でうらんでいると思いました。沖縄で生まれ育った人だから、この人は人の命の大切さや友達
の大切さを、いろいろな人と出会っていくなかでわかったと思います。
◆…「目が見えないことは、不便ではあるが不幸ではない」という言葉はすごく心に残りました。
◆新垣さんの言うとおり、つねに一番にならなくてもいい。オンリーワンになればいい。あきら
めずにしていれば、いいことはきっとくるとあのビデオでわかったし、ぼくもあきらめずにし
ていきたいと思った。ぼくも新垣さんと一緒で、親を憎んだこともあるけど、このビデオで話
していたとおり、親をにくむのをやめて仲良くしたいと思います。
◆「自分に与えられた人生やから、人の人生をうらやましがったりしてはいけない」ということ
にめちゃ感動した。もしこれから先、何があっても、新垣さんが言ってたみたいに、
「人のせい
にしない」
「被害者にいつまでたってもならない」ということ。私は自分の人生 今 を大事に
していきたい。自分のやりたいこと、どんどんしていって 私の人生 を自分でつくりあげた
いと思った。私は悲しいことがあっても、恵まれている体に誇りをもって、苦しいことにも耐
えていきたい。…あと、お母さんに「ありがとう」って気持ちでした。
◆いいビデオでした。歌声がとても「きれいだなぁ」と思いました。生の歌声を聴いてみたいで
す。目が見えなくてもいろんなことができてすごいと思いました。でも、それはまわりの人た
ちが助けてくれたのもあるけど、自分の強い気持ちがあったと思います。私の親は別居してい
て、お母さんの方に私はいてるんですけど、やっぱりお父さんがいてほしいです。だから、新
垣さんの気持ちがちょっとはわかると思います。…一度、新垣さんに会ってみたいです。
(※新垣勉さんのことをTVで放映した「わが人生に歌あり」をビデオで鑑賞した感想)
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レッスン2
私からできること:「小さな手のひらに」
意義
○差別に憤り、すべての人が誰からも不当に邪魔されることなく自分の夢に向
かって生きていける社会をめざして、自分のできることを通して働きかけて
いる渡辺千賀子さんの生き方を通して、自分の生き方を考える。
目的
○自分の存在に誇りをもち、差別やいじめを許さず、自分にできることから行
動することの大切さと素晴らしさに気づく。
手法・準備 ○「小さな手のひらに∼私からできることを∼」(『にんげん∼ひと きぼう』)
○歌声を聴く
時間の目安 ○50 分
展開
区分
学習活動・学習内容
指導者の働きかけ・留意点
導入 ○「耳をすまして」(渡辺千賀子)、「上を向い ○歌を聴いて、どういう気持ちにな
て歩こう」「翼をください」を聴く。
ったか?
展開 ○「小さな手のひらに」を読む。
○渡辺さんの差別への憤りは何か。
○(「耳をすまして」は結婚差別と
○立ち直ったきっかけは?どんな人とのつな
いう作者の体験から生まれた曲)
がりがあったか?
○「小さな手のひらコンサート」で何を伝えた
いのか?
○自分にとって「私からできること」は何か?
予告
発展
○自分のこれまでの歩みをふり返ろう。
○自分を励ましてくれる歌、希望がもてる歌を出し合う。
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レッスン3
自分をふり返る:「自分史カード」を書こう
意義
○自分の存在や置かれた環境を肯定的にとらえるために、自分をふり返り、親
の思いを聞き取りながら、自分という存在が期待され大切に思われていたこ
とを感じる。
目的
○生まれてから今までの自分をふり返る。
○あるがままの自分の存在を肯定的にとらえる。
手法・準備 ○「自分史カード」
時間の目安 ○50 分×2
展開
区分
学習活動・学習内容
指導者の働きかけ・留意点
導入 ○「神様がくれた贈り物」「小さな
手のひらに」を思い出す。
展開 ○「自分史カード」を書こう。
○書きにくい子どもには、一緒にアルバムを見
2
・自分が生まれた時からの、自分や
たり、保護者の話を一緒に聞きながら、思い
家族にとっての大きな変化
出し、気持ちを引き出す。
・思い出に残っている出来事
○子どもが書いてきたことの中には、子ども自
・今も自分がこだわっている出来事
身が受けとめきれていないこともある。しか
(今の自分にとって影響が大き
し、書いてきたということは、そのことも含
いと思うこと)
めて自分を知ってほしいということの表れ
○今までの自分、今の自分、カード
である。気持ちをていねいに受容し共感する
を書いて気づいたことをふり返
ことで、その子自身もそのことを受けとめら
る。
れるようになることにもつながる。
○新垣さん・渡辺さんにとって人とのつながり
は大きな意味をもったが、そうした力になっ
たまわりの人のかかわりについて学ぶ。
ま と ○どの子も自分が期待され、大切に ○みんな一人一人がかけがえのない大切な存
め
思われてきたことに気づく。
在であることをおさえる。
留意点
○聞き取りをするにあたっては、様々な家庭があること、子どもはいろいろな
受けとめをしていることを踏まえ、保護者や支えてくれている周りの方の理
解と協力を得るために、ていねいな働きかけが必要である。また子どもの心
に寄り添った支援をする等のていねいな配慮が必要である。
○A1「ありがとう!いのち」レッスン3、B1「わくわくワーク」レッスン
6を参照
参考
個人情報やプライバシーに関することへの配慮
地域社会における体験活動においては、様々な個人情報と否応なく接する機会が多い。
個人情報保護法の精神と内容を十分に踏まえ、事前に担当者同士で、個人のプライバシ
ーや個人情報に関する考え方を確認し、その原則を侵すことのないように配慮することが
必要である。特に、このような地域社会における体験活動に児童生徒が積極的にかかわろ
うとすればするほど、個人情報に接する度合いが増し、それだけ慎重な取扱いが要求され
発展
○クラスミーティング、自分を語る会
るようになることを確認しておきたい。
そのため、各関係者間の信頼関係を作る中で、本人及び保護者からの同意を得た上で、
取組を進めていくことが重要である。
文部科学省「人権教育の指導方法の在り方について<第二次とりまとめ>」(H18.1)より
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【参考】「プライバシー保護と個人データ流通についての原則(OECD 理事会勧告(1980
年 9 月)より)」
1.収集制限の原則
2.データ内容の原則
3.目的明確化の原則
4.利用制限の原則
5.安全保護の原則
6.公開の原則
7.個人参加の原則
8.責任の原則
ワークシート
「自分史カード」(参考例)
★生まれてから今までのプロフィール
○自分が生まれたときからの大きな変化。
○思い出に残っている出来事。
○今も自分がこだわっている出来事。(今の自分にとって影響が大きいと思うこと)
年齢/学年
できごと
どうだった
0∼5
6∼11
(小 1∼6)
12∼14
(中1∼3)
★今までの自分
★今の自分
★カードを書いて気づいたこと
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レッスン4
人と出会おう
意義
○差別や生きることについての思いが込められた歌を聴き、その生き方にふれ、
前向きに生きることの素晴らしさや力強さを感じる。
目的
○歌を聴き、その歌詞に込められた思いや話から、自分を振り返り、これから
の自分の生き方・差別について考える。
手法・準備 ○人との出会い「ここが好きやねんコンサート」
○手紙用紙
時間の目安 ○50 分
展開
区分
学習活動・学習内容
指導者の働きかけ・留意点
展開
○出会いの場を設定する(ここでは、 ○指導者が事前に出会う人との打合せを
「ここが好きやねんコンサート」)
ていねいに行う。
・ はじめのことば
○歌詞の意味やそこに込められた思いを
・ 紹介
十分に聞き取らせる。
・ 歌と語り
・ 感想の発表
○子どもが司会進行役をすることで、よ
・ おわりのことば
り子どもが主体的に学ぶ場となるよう
に配慮する。
まとめ ○お礼の手紙を書く。
○感じたこと、気づいたこと、自分自身
をふり返って思ったこと、これからの
生活にどう生かすか等を手紙に書くよ
うに指導する。
発展
○自分たちで歌を作る。
○→レッスン5 発表会(コンサート)を開く。
感想・
反応
「ここが好きやねんコンサート」の感想の紹介
◆ 人を差別することは、人の心を傷つけるとわかりました。助けたり、助けられたり、思ってい
ることを話せる親友をつくりたいと思いました。人生、何があっても前向きに進もうと思いま
した。
◆ 「差別って何?」そう聞かれたとき、ちょっとこまりました。差別はしてはいけないと思って
いても、どうしてしてしまうのか考えたいと思いました。
◆ 「差別はだめ。」だと普段言っているのに、私は差別のことをあんまり知らないことに気づき
「私こんなんではあかんな。」と思いました。歌と話を聞いて、小学校、中学校、高校生活、
いろんな出来事がわかりました。がんばって、本当の友達を何でも話せる友達をつくりたいと
思いました。
◆ もし、ぼくが周りの人と(国籍が)違うと知ったら友達に言うこともできずショックから立ち
直れないかも知れない。でも、今日のコンサートを聞いて、何でも言える、本当のことを言え
る親友をつくり、困ったときは、自分のことを打ちあけて、乗り越えていきたいと思います。
◆ いろいろな問題を乗り越えるのに勇気が必要ですね。私は、差別をしないようにしようと思っ
た。これからそういうことを周りの人たちに伝えたいです。親孝行はこれからもしていきたい
し、友達がしんどいときは助けていこうと思いました。歌を聞かせてくださってありがとうご
ざいます。
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