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第2回帯広市小中学校適正配置等検討委員会 次第

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第2回帯広市小中学校適正配置等検討委員会 次第
第2回帯広市小中学校適正配置等検討委員会 次第
と き 平成17年6月20日(月)
午後2時 ∼ 午後4時
ところ 帯広市役所 議会棟
3階 全員協議会室
1 開 会
2 議 事
⑴内部プロジェクト検討報告書に関する事務局説明
⑵今後の議論の進め方について
3 閉 会
第2回帯広市小中学校適正配置等検討委員会
委員長
事務局
要旨
時間になりましたので、只今から、第2回検討委員会を開
催したいと思います。
最初に事務局の方から説明があります。
お疲れ様です。
本日の会議にあらかじめ欠席の連絡をいただいてるのは、
お一人でございます。他2委員については、遅れるというこ
とで連絡が入っております。過半数を満たしておりますので、
要綱第6条の第2項により会議は成立していることをご報
告させていただきます。
これから会議を始める前に、次回、委員会の学校視察につ
いて事務局側にてご説明いたします。お手元の資料を見てく
ださい。日時につきましては、6月 28 日火曜日、10時か
ら15時までの間を予定してございます。対象学校について
は、4校。開西小学校、啓西小学校、豊成小学校、第三中学
校を予定してございます。それぞれ各学校の特徴あるところ
は、右側の方に書いてございます。共通の調査項目としまし
て6項目。学校規模の現状、小規模校のメリット、デメリッ
ト、適正規模に対する考え方、それと通学区域の状況、学校
施設の状況、地域との関わり等、各学校から説明を頂く予定
でございます。
視察日程でございますけど、10時に市役所前を出発いた
しまして、午前中に2校。12時に昼食ということで、今、
予定しているのは、啓西小学校で昼食を予定をしております。
午後についても2校。豊成、三中を予定してございます。
次のページですけど、詳細の日程が記載してございます。
それで今説明したとおり、10時に帯広市役所を出発します。
この際の集合場所でございますけど、市民ホールを予定して
ございます。帯広市役所を出発いたしまして、前回、お話も
ありました色々通学区域の問題等も含めまして、学校を回っ
ていきたいと。帯広小学校、北栄小学校、近接している学校。
それと西小、つつじ小を見ながら開西小学校に視察に入ると。
その後で啓西小学校。啓西小学校でも付近では通学区域の現
状をちょっと見てみたいと。
昼食をとって頂いて、その後、緑小、花園小学校、明星小
学校。これについては車中の方で見ていただくことになりま
すけど、近接している学校の実情を見ていただくと。
13時20分には、豊成小学校。これは帯広市内で今一番
古い学校なんですけど、そこの学校の現状を見ていただくと。
1
委員長
事務局
その後、光南小学校を経由しまして第三中学校等を視察して
いただいて、だいたい15時の予定で視察の日程を組まさせ
ていただいております。それで以上の形で小中学校の視察を
実施してよろしいか、よろしければ、視察の出席も含めまし
て、後程、次回7月会議の日程調整表を回覧いたしますので
記入の方をよろしくお願い致します。7月の会議日程なんで
すけど、左記にお示しした会議計画案では、7月 25 日とい
うことでございましたけど、委員長がその時期、丁度不在に
なりますので、2週間程早めまして調整させていただくこと
となっております。その日程表も後ほどお手元に配布という
形になりますので、回覧する形になりますので、それぞれ都
合のいい日を印していただいて、回していただきたいと思い
ます。
事務局からの報告事項は、以上でございます。
学校視察内容についてということで、ご質問はありません
か。
(「なし」)
それでは、議事に入りたいと思います。
本日、議事日程は2つですね。
1つは、内部プロジェクト検討報告書に関する事務局説明。
これは前回資料を頂いて、中身を見ておくということになっ
てます。これは今後の議論にするということで。最初に内部
プロジェクトによる検討報告書についてということで、事務
局から説明お願いします。
まず前段、私の方から今回の内部プロジェクトの検討報告
書、この策定に至りました経過等について、私の方からご説
明させていただいて、内容につきましては、担当係長からご
説明させていただきたいと思います。
学校の適正規模、あるいは適正配置の問題につきましては、
実は数年前から帯広市議会の一般質問、委員会等の議論の中
で、様々な面から問題提起がされてました。特にここ1、2
年前からは、ご承知のように地震災害が非常に国内で多発を
したということで、学校施設の耐震化、改修、改築、そうい
ったことを進めていかなければならないということも含め
まして、これらについてどう今後対応していくのかというこ
と、帯広市の教育委員会としての考え方を問われていた状況
にございます。この内部検討報告書、お手元に配布させてい
ただいております報告書につきましては、この検討委員会の
設置趣旨でもお話をさせていただきましたけども、いわゆる
少子化の進展等によりまして、学校の小規模化が進んで、学
2
事務局
校間の規模格差が進展する中、学校教育、あるいは学校の運
営面など様々な面に影響を与えているのではないかという
ふうに考えられること。また、一方では、只今申し上げまし
たように、校舎等の老朽化が進んでおりまして、現状規模の
ままの学校数を維持していくことは、非常に大きな財政的な
負担を伴うこと。こういったことを踏まえまして、子ども達
にとって良質な教育環境を安定的に提供することを最優先
に、小中学校の適正配置について教育委員会の事務部局で検
討した結果をここにまとめたものでございます。事務部局で
ということは、私をトップとしてプロジェクトチームを編成
して検討したというものでございます。
この報告書は、そういうことで、教育委員会、教育委員さ
ん5名いらっしゃいますが、この教育委員会として決定をさ
れたものではございません。あくまで適正規模・適正配置等
について検討するにあたっての事務的な資料として、問題点
の抽出やあるいは考え方、そういったものを整理していくこ
とを目的に作成したものでございます。今回この報告書を皆
様方にお示しをさせていただきましたのは、この検討委員会
の議論にあたっての基礎資料としていただくということと
共に、この報告書があくまで行政サイドからの視点で作成し
たものでありまして、ともすれば行政効率面での議論が中心
となりがちということでもありますことから、委員の皆様に
は様々なお立場から広く市民という視点から見た学校の在
り方についてご意見をいただきたいという趣旨からでござ
います。是非、この検討報告の内容についても参考としてい
ただきながら活発なご議論をいただければというふうに考
えております。
内容詳細について、担当係長から続いてご説明させていた
だきます。
それでは、私の方から報告書の内容についてご説明させて
いただきます。
まず、目次をご覧いただきたいのですが、この報告書は、
第1から第6までの6つの章で構成されております。第1は
市内小中学校の現状と課題。第2は学校規模の適正化と適正
配置の必要性。第3章は適正規模及び適正配置についての基
本的考え方。第4章は小中学校の適正規模及び適正配置の方
向性。そして第5章はこれからの学校施設整備について、そ
れから第6章として今後の進め方というような構成になっ
ております。
まず、第1章につきましては、現状と課題ということで、
3
前回の会議でご説明しました内容とかなり重複いたします
ので、前回ご説明していない部分につきまして重点的にご説
明したいと思います。
それでは、報告書2ページからになりますが、まず1番と
しまして、児童生徒数の推移。そして2番学校数の推移とい
うことでございますが、これはいずれも平成 16 年度に作成
した報告書ですので、平成 16 年度5月1日現在の数字をも
とに作成しております。それから、4ページにまいりまして、
3番学校規模の状況ですが、こちらで中ほどの表に学校間に
おける規模格差の比較ということで表形式にしております
が、市内小中学校における児童生徒数、学級数の学校間格差、
小学校で4.6倍、学級数が3.6倍。中学校で生徒数が2.
3倍、学級数が2.0倍ということで、特に小学校において
格差が生じているということでございますが。これは小学校
におきましては、規模が最も大きいのは稲田小学校、児童数
で言いますと878人、学級数で言いますと25学級という
ことです。これに対しまして、学校規模が最も小さいのが帯
広小学校の児童数190人、学級数が7学級ということで、
児童数で言いますと4.6倍、学級数では3.6倍という差
が開いております。また中学校につきましては、生徒数で最
も多いのは緑園中学校の652人。これに対しまして最も生
徒数の少ない中学校が第六中学校ということで格差が2.3
倍。また学級数におきましては最も学級数が多いのは第八中
学校、18学級。最も少ないのは第六中学校の9学級という
ことで2倍の差が開いております。それからその下の(2)
番、学校規模の今後の推計ということで、これも前回資料、
平成 17年度段階の数値をもちましてご説明したところでご
ざいます。
この中で4ページの一番下の表に宅地開発の影響を加味
した豊成小学校の児童・学級数の将来推計ということで、平
成 27 年までの推計を載せてあります。この平成 27 年と言い
ますのは、推計時における豊成小学校の児童数が最も増加す
る時期が平成 27 年と見込んでおります。ここで児童数は、
平成 16 年度384名であったものが、平成 27 年度時には7
90名まで増加するというふうに見込んでおります。これは
稲田・川西地区から発生する児童数を含んだ数字でございま
す。そしてこの際の学級数ですが、平成 16 年度現在は12
学級だったものが、最大時では24学級まで増加するという
ふうに推計しております。
それから次のページ、5ページなんですが、これは平成
4
16 年5月1日現在の児童生徒数、学級数に基づいて学校規
模を比較したものでございます。これは前回の資料でもご説
明しましたが、ここの下の方にカッコして参考として、国の
標準規模・適正規模に対する考え方というような考え方がの
っております。これは、小学校及び中学校の標準的な学級規
模ということで国の方が学校教育法施行規則等で示してい
る数字でございます。ちなみに、本日お配りしております手
元の資料をご覧なっていただきたいんですが、本日お配りし
ている資料、学校視察日程表の次の資料といたしまして、学
校規模に関する国の法令・通達・補助事業等ということでま
とめたものがございます。学校規模というものに対する様々
な補助基準ですとか指導上の基準というものを参考として
拾いあげたものです。
この中で1番といたしまして、学級数の標準というものが
学校教育施行規則で定められておりますが、これはあくまで
基準ということでして、この学級数にはまっていなければな
にか問題があるとかいうものではございません。一応、基準
として示されている数字です。
また2番としましては、施設整備の基準ということでござ
いまして、これは主に、学校の新築または改築などに当たっ
ての国庫補助上の基準を拾いあげたものです。まず、この
(1)義務教育諸学校施設費国庫負担法という中では、第 5
条において学級数に応じる必要面積を新築・増改築を行うと
か、それから(2)番では、適正な学校規模の条件といたし
まして、小中学校の統廃合により適正な規模の条件とは、1
つとして学級数がおおむね12学級から18学級までであ
ること。また、通学距離がおおむね小学校であれば4キロメ
ートル以内、中学校にあってはおおむね6キロメートル以内。
それから5学級以下の学級数の学校を統廃合する場合には、
12から18学級であるところを18から24学級という
ふうに、適正な学校規模というものを読み替える部分ですと
か。(3)番目では、公立学校施設整備事務ハンドブックと
いうところで、補助実務上の指導といたしまして、アンダー
ラインを引いてありますところに過大規模校というものを
31学級以上というふうに規定しております。また、過少規
模校というのは、小学校でいえば5学級、中学校でいえば2
学級以下というふうに規定してあります。また、小中学校舎
の新増築にあたっての過大規模校の取扱いとしては、基本的
に31学級以上の過大規模にならないようにとか、31学級
以上の大規模校いついては止む得ない場合を除いては国庫
5
補助の対象にしない等の様々な補助事業を通した指導がな
されております。
それから3番目としては学級編成の基準といたしまして、
1学級あたりの児童生徒数は小中共に40人。ただし、2の
学年の児童で編成する学級と言いますのは、複式学級のこと
ですが、複式学級ですと小学校では16人、中学校では8人
というような基準が示されております。ただしこの学級編成
の基準につきましては、(2)でございますとおり、北海道
の単独事業といたしまして、只今小学校1年生と2年生につ
いては、平成 17 年度現在35人学級というものを、北海道
の単独事業として実施しているところです。
また、4番目としまして教職員定数の基準とうことで、学
級数に応じまして、各学校に配置する教職員の数というもの
を設定しております。このように学校規模というものが学校
の建設ですとか教職員の配置というものに大きく影響して
いるというものをまとめた資料でございます。
続いて報告書の方の説明に入らさせていただきたいと思
うのですが、報告書の6ページになります。こちら4番で、
学校の小規模化・大規模化に伴うメリット・デメリットとい
うことで、総体的に見ると一定規模を超えて小規模化・大規
模化した場合は、デメリットの影響の方が大きいと思われる
ということで、報告書の 22 ページにその大規模・小規模の
メリット・デメリットを一覧としてまとめた資料がございま
す。この 22 ページの表を見ますと、それぞれ小規模校と大
規模校のメリット・デメリットがこの裏腹な関係になってお
りまして、小規模校のメリットと申しますのは、逆に言えば
大規模校のデメリットという形で現れてまいりますし、また、
小規模校のデメリットという部分は大規模校にとっては、メ
リットというような形で現れてくるとういうような関係に
なっております。
このメリット・デメリットを学習指導の視点、それから児
童生徒の生活面での視点、学校運営の視点という3つの区分
で見ますと、小規模校のメリットといたしましては、学習指
導の視点からは児童一人ひとりの個性や特性に応じた丁寧
な指導ができやすいということが挙げられますが、これに対
するデメリットといたしまして、同一グループの学習となる
ため評価が固定しやすくなるですとか、また、課題別活動だ
とか選択教科・部活動など、こういった面での選択の幅が小
さく制約を受けやすいなど、学習指導上のデメリットが挙げ
られます。また、児童生徒の生活面の視点ということからま
6
いりますと、メリットとしましては児童・生徒・教師・保護
者をお互いによく知り、より深い結びつきができるというメ
リットができる反面、人間関係が固定化序列しやすく、少数
の言動が集団を左右しやすいですとか、いじめの影響が後年
時まで残りやすい。また、学級のルールや価値観が固定化さ
れがちになり、多様なものの見方・考え方を学んだり新しい
ルールや学級文化、人間関係をつくりあげようとする機会が
少なくなるというような生活面でのデメリットというもの
があげられます。また、学校運営の面から申しますと、校務
について、共通理解が得られやすい、教職員数が少ないため
こういったようなメリットが考えられますが、その反面デメ
リットといたしましては、校務分掌で個々の教員の負担や時
間的制約が大きくなるですとか、緊急対応時などに他の教員
の支援体制をとることが難しくなる、また、教職員間での研
修・研究の機会が少なくなるなどのデメリットが挙げられる
と思われます。
これに対しまして、大規模校についてですが、学習指導の
視点から申しますとメリットといたしましては、新たな人間
関係が多様なものの見方や新たな価値観の形成に寄与し学
習意欲や競争心を活発にするですとか、学校行事に活気が出
る、選択教科や部活動などで選択の幅が広がる、こういうよ
うなメリットが挙げられます。しかしながら、これに対する
デメリットといたしまして、特別教室・体育館それからプー
ル、こういったような施設を使用する授業の割り当てにおい
ては、施設利用の制限が生じるですとか、運動会等の行事に
おいて種目を制限されたり、時間的に長時間にわたるという
ようなデメリットが考えられるということ。それから児童生
徒の生活面から申しますと、新たな価値観・人間関係を形成
する機会に富んでいるというメリットがある反面、児童生徒
一人ひとりの個性や行動を把握し、児童生徒指導を充実させ
るには目が行き届かないというような傾向が挙げられると
いうことです。それから学校運営の視点から申しますと、メ
リットといたしましては、多くの教員によって校務分掌を分
担できるですとか、緊急時における他教員の支援体制や学校
行事の運営等において柔軟な対応をとることができるとい
うようなメリットがございますが、デメリットといたしまし
ては、学校運営全般での共通認識に立ちづらいというような
傾向が見られる。このようなメリット・デメリットが全体と
して挙げられるのではないかと思われます。
それから、同じく6ページの5番ですが、通学区域の状況
7
といたしましては、各小学校を中心といたしまして半径1キ
ロメートルで円を描いたのがこの7ページの図でございま
す。この図を見ていただきますとお分かりになりますとおり、
ほとんどの小学校で1キロメートル間で小学校の通学区域
が重複している。こういったような学校が非常に多く見られ
る。帯広市の学校の通学区域の基準といたしましては、片道
で、小学校で概ね2キロ以内、中学校で概ね4キロ以内とい
うものを過去標準として設定してきたわけですけれども、現
状を見ますと多くの小学校で半径1キロメートル以内に、ま
た、中学校では、半径2キロメートル以内に通学区域の大半
が入るというような状況になってきております。ただ特徴的
なところといたしましては、この南の南部の方になります豊
成小学校、稲田小学校そして大空小学校この3校につきまし
ては、いずれもその通学区域が非常に広く設定されている。
市街地の学校に比べて、学校の中では非常に広く設定されて
いる、という特徴がございます。
それから6番といたしまして、学校施設の整備と維持運営
の状況ということですが、前回第1回の資料では校舎の建築
年次によって古い順に並べた資料を皆さんにお示しいたし
ましたが、この8ページの下の方に載っております、棒グラ
フにつきましては、面積で、建築年時ごとに面積で表したも
のでございます。これは、平成 16 年5月1日現在の数字で
すが、この面積で見ましても建築後 20 年以上経過した建物
が全体の 63%を占めている。それから改築の検討が必要と
される建築後 30 年以上経過した建物が全体の 19%を占める
状況にあるということで、校舎・屋体の老朽化が非常に進ん
でいるということがこのグラフからも伺えるのではないか
というふうに思われます。
それから同じく8ページの中ほどに、学校施設の維持運
営・整備に要する経費ということで、小学校の学級数に応じ
たその学校の運営経費の比較の表が載ってございます。これ
は各学級数、6学級、例えば市内の6学級の小学校に係る学
校の建設から管理運営に要する経費を平均化したもの。それ
から 12 学級規模の学校の建設運営経費を平均化したものと
いう形で、各学校規模ごとに比較したものでございます。こ
れによりますと、学級数に応じて学校の運営整備に要する経
費というものは増加しているわけなんですが、一方右端の対
平均という形で児童一人当たりに係る経費というものを見
ますと、逆に学級数が大きくなるほど小さくなるというよう
な傾向が伺えます。こういった面からも、学校の教育機能面
8
というものを優先的に検討はするんですけども、また、その
一方において施設整備だとか維持運営面においても、その最
大限の効果が発揮されるような学校配置計画、整備手法とい
うものを検討する必要があるのではないか、ということをと
りあげております。
それから9ページになりますが、第2章として学校規模の
適正化と適正配置の必要性ということでございます。帯広市
の学校教育の基本的な方針といたしましては、中ほどの点線
で囲んでおりますとおり、帯広市学校教育指導の重点という
ことで、毎年、この4つの重点を示して取り組んでいるとこ
ろでございます。1つには、生きる力を育む。2つ目には、
自ら学び自ら考える力を育てる。また3つ目には、人間的な
触れ合いを重視し、豊かな人間性や社会性を育てる。こうい
ったようなことを、細かく教育指導の重点ということで毎年
取り組んでいるわけでございますが、この2番にございます
とおり、学校での集団生活、この中で社会性や集団性を培い
成長を遂げてくということが、まさに学校の持つ重要な役割、
他の教育機関とは違う重要な学校の持つ役割であろうとい
うふうに捉えております。従って、学校が一定規模の集団を
確保することによって、児童生徒が双方に互いに刺激し合い、
切磋琢磨する為の、より良い環境を整えることが出来ると共
に、教師にとっても生き生きとした教育活動を展開すること
ができる。また、学校規模格差の拡大によっては、各学校に
おける教育環境の水準にも格差を生じる懸念がある。このと
ころが一定規模を確保する必要性であり、また、適正規模化
の必要性というふうに言えるかというふうに思います。
続きまして 10 ページの第3章ですが、適正規模及び適正
配置についての基本的考え方ということで、ここから報告書
での適正規模の考え方をお示ししております。
まず、1番としまして小中学校の適正規模についての検討
ですが、(1)1学級の児童生徒数ということで、この学校
の適正規模を検討するにあたっての前提条件としまして、1
学級当たりの児童生徒数をどう見るかというところがござ
います。先程もご説明しましたとおり現行制度の中では 40
人学級となっており、北海道の単独事業といたしまして、小
学校2年生まで 35 人学級という取り組みを行っております。
従って、今後の学校の適正規模を検討するに当たっては、現
行制度である 40 人学級の編成基準の元で、実態として、現
状程度の学級人数。これを維持することを、前提にするとい
うような表現をとっております。平成 17 年度現在、1学級
9
当たり平均で見ますと、市街地の小学校・中学校についてみ
ましても、小学校で31人、中学校で35人となっておりま
す。今後、検討するに当たりましては、1学級あたり 35 人
という見方で、学校の適正規模というものを報告書では検討
しております。
このような1学級あたりの人数をもとに、適正規模設置に
あたっての基本的な考え方というところに入ってくわけで
すが、この適正規模を、設定を検討するに当たって、3つの
視点というものを設定しております。1つには、児童生徒の
指導・育成環境の充実という観点。それから2つ目には、教
職員の研修・研究活動の充実という観点。それから3つ目に、
学校運営面での充実という。この3つの面から検討をして、
適正な規模というものを設定しております。
まず、①の児童生徒の指導・育成環境の充実という観点か
ら申しますと、アとしまして、児童生徒が個性を発揮して主
体性や社会性を身につけていくためには、多様な価値観を持
つ仲間とふれあえる適正な学校規模が望ましいということ。
イとしまして、適切なクラス替えが可能となる学級規模、と
いうことを取り上げております。具体的には、各学年とも2
学級以上あることによって最低限クラス替えが可能、という
ことになります。それからウといたしまして、児童生徒の一
人ひとりの個性や特性を把握し、これに応じた教育・指導が
可能となる学校規模であること。また、2つ目には、児童生
徒間において教師や学年の顔が認識でき、集団への帰属意識
や連帯感が持てる学校規模であるということで、このウでは、
どちらかと言いますと、学校規模の上限について検討してお
ります。この中で、小学校では1学年あたり4学級以下。中
学校では、1学年あたり6学級以下が適当ではないかという
ふうに設定しております。特にその全校規模で申しますと、
小学校では、1学年4学級ですから 24 学級ですが、中学校
では、1学年6学級といいますと 18 学級ということになり
ます。中学校で、特に、適正規模の学級数が小さいのは、中
学校は教科担任制であるということで、一人の教員が把握で
きる範囲におのずと限度があるということ。また、生活指導
ですとか進路指導等、生徒指導面での比重が小学校に比べて
大きいこと。こういったことを考慮いたしますと、1校当た
りの適正な学校規模というのは、小学校よりも小さくならざ
るを得ないというふうに考えております。
それから、2つ目の視点といたしまして、教職員の研修・
研究活動の充実ということで、小学校におきますと、同学年
10
の教員間での研修が行える、相互に研修が行えるということ
で、各学年とも2学級以上あることが望ましいと。また、中
学校におきましても、教科担任制ということでありますから、
少なくても指導時間数の多い教科に複数の教職員がいるこ
とによって、互いに研究し合い研修活動ができて能力向上を
図ることが可能となる。そういった意味で全学校で 12 学級
以上あることが望ましいと。報告書の 24 ページをご覧なっ
ていただきたいのですが、先程お配りした資料の中で学校の
学級数に応じて教職員の配置人数が決まるということをご
説明しましたが、それを一覧表にしたものが、この 24 ペー
ジの表でございます。小学校についても各学級が増加するに
つれて、配置される教員の数も増えてくるわけですが。中学
校におきましては、学級に応じて教科に配置される教員の数
というものも、それぞれ決まってまいります。この中学校の
表の右側に、教科担任配置基準数というのを示しております。
文部科学省では、ここまで詳しくは示してはいないわけなん
ですが、北海道教育庁が北海道の独自基準ということで、教
職員の配置の人数の基準というものを示しております。ここ
で 12 学級の欄をご覧いただきますと、国語、社会、そして
数学、理科、そして一番右側に英語とございますが、この5
教科で概ね複数の教員の配置が可能というような基準が示
されております。また、これが 18 学級になりますと、各教
科ごとに3名の教員が配置できるような基準というふうに
なっております。そういった意味では、12 学級よりも 18 学
級の方がより多く配置できるという面では、メリットがある
というふうに思われます。
それから3つ目の視点といたしましては、学校運営面での
充実ということですが、個々の教職員の学年事務、それから
校務分担、こういったものが適切に行われて、かつ、緊急事
態、学級経営上の問題点に適切に対応できるという面では、
小学校では、各学年に、また、中学校では、指導教科数の多
い教科で、複数の教職員の配置が可能である 12 学級以上で
あることが望ましいとしております。また、全体的に見た時
に、特別教室ですとか体育館、プール、こういったような施
設の利用が効率的に行われる、授業時間を適切に割り当てる
ことが可能な学校規模であること、というような考え方が示
されております。
このような3つの視点から、適正な学校規模というものを
比較検討しました結果、11 ページの2番の表にございます
とおり、適性な学校規模としましては、小学校では1学年あ
11
たり2∼4学級、1学校あたりにいたしますと 12∼24 学級。
また、中学校では1学年あたり4∼6学級、1学校にいたし
ますと 12∼18 学級というような基準を設定しております。
また、この学校の適正な規模の中でも、最も効果的、良質な
教育環境の提供が可能と思われる規模ということで、理想的
な学校規模を設定しております。小学校では1学年当たり3
学級、1学校あたり 18 学級、中学校では1学年あたり5学
級、1学校あたり 15 学級ということになっております。こ
の理想的な学校の規模につきましては、今後、校舎等の改築
を行うにあたって、教育面で最も良質な環境を提供でき、か
つ、学校運営上でも効率的な経営が行われる学校規模として、
1つの基準として示しております。
それから3番目といたしまして、学校の適正配置に向けた
取り組みなんですが、まず、基本的な考え方といたしまして
は、一時的な学級数の増減に捉われず、長期的にも、適正規
模の範囲外となる見込みの学校について、適正配置に取り組
んでく必要がある。また、取り組みにあたっては、緊急性の
高い学校から、順次取り組んでいくことが必要であるという
ような、基本的考え方を示しております。その上で、まず、
1番目としましては、適正規模の確保ということで、現時点
において適正規模の範囲外にあり、かつ、将来にわたっても
適正規模を確保することが困難と見込まれる小中学校につ
いては、速やかに適正確保に向けた検討を行う必要があると
しております。それから、学校施設整備との整合性というこ
とで、施設の改築後においては、教育面においても、また、
施設整備や維持運営面においても、最も効果的な学校規模が、
安定的に維持されることが望ましいということでして、単に、
その適正規模にあるからと言って、適正規模のまま建替をす
るということではなく、改築をする段階では、最も望ましい
学校規模となるように、学校規模の見直しも合わせて行うこ
とがいいのではないか、ということを取り上げております。
従って、改築後においては、先程の適正規模の中の、更に、
理想的な学校規模である小学校では 18 学級、中学校では 15
学級を想定した通学区域の見直しや統廃合というものにつ
いて、検討する必要があるのではないかとしております。
それから、通学区域の見直しですが、先程もお話しました
とおり通学区域の標準といたしましては、帯広市では、現在、
片道小学校で概ね2キロ以内、中学校では概ね4キロ以内を
標準としております。今後とも、この考え方を維持していく
事が望ましいとしております。それから、適正な通学区域の
12
設定ということで、小中学校間の通学区域、それから、町内
会や地域コミュニティーとの整合性。こういったものに配慮
する必要があるのではないか。また、通学路の安全性の確保
ということで、必要に応じては信号機や横断歩道等の新たな
設置を行うなど、通学環境の改善が見直しに伴って必要であ
ろう、ということに触れております。それから、通学区域の
弾力化ということで、現行の指定通学区域制度を維持しつつ
も、個別の事情に柔軟に対応するための区域外通学許可です
とか、市内一連の通学区域、校下から特定の学校に通学する
ことが可能な特認校制度。こういったような通学区域を弾力
化する制度についても、検討する必要があるというふうに取
り上げております。
それから、特に、農村地区にある小中学校について述べて
おります。その中で、農村地区の小中学校というのは、街中
と同じように、一律に、12∼24 学級ということが適正規模
であり、これによって統廃合を図るんだということは、なか
なか難しい状況にあります。従って、農村地区の小中学校に
ついては、農村地域という、特殊な地域環境にある小規模学
校が持つ特色を十分に生かした「特色のある学校づくり」を
進めることによって小規模校のデメリットを補うという基
本的な考え方で対応していくのが、よろしいのではないかと
しております。更に、農村地区においては、複式学級の解消
を最優先課題とし、併せて次の事項について取り組むことに
より、小規模校にあっても、児童生徒に、よりよい教育環境
を提供するよう努めるということで、3つの観点を取り上げ
ております。1つには、小規模校のメリットを活かした学校
づくり。2つ目には、特認校制度の導入。そして、3つ目に
は市街地の学校との定期的な交流。こういったような取り組
みを行いながら、小規模校の持つデメリットを補うというよ
うなことをとりあげております。
ここで、通学区域の弾力化ということでお話が出てまいり
ましたけれども、本日お配りした資料の中に、資料から申し
ますと、次第から始まって4枚目のところに、学校選択制導
入は小中ともに1割である、というような文部科学省の全国
調査の結果が載せてございます。通学区域弾力化ということ
で、様々な取り組みが全国で行われているわけですが、この
中で、小学校で申しますと全体の8.8%、中学校では全体
の11.1%が学校選択制を何らかの形で導入しているとい
うような調査結果を示したものです。このページの中の下の
段に、横線を引いてある部分がございますが、ここで学校の
13
通学区域の弾力化という制度について、5種類の制度につい
て説明しております。1つには、自由選択制ということです
が、これは、市区町村内のすべての学校から保護者が希望す
る学校への就学を認める、そういう制度でございます。これ
に対しまして、市区町村を幾つかのブロックに分けて、その
ブロック内の学校を選ばせるのが、ブロック選択制。また従
来の通学区域を残したまま、隣接する区域内の希望する学校
へ就学を認めるのが、隣接区域選択制。更に、従来の通学区
域を残したまま、特定の学校については通学区域にかかわら
ず、どこからでも就学を認めるのが、特認校制。逆に、従来
の通学区域を残したまま、特定の地域に住む人だけに、学校
選択をさせるのが、特定地域選択制。ということで、この学
校選択制と言いましても、種類がいくつかあります。この中
で、今回、農村地区の小学校については、特認校制と言われ
る市内どこからでも通学することを認めるというような制
度を活かしてはどうかという提案になっております。
次に、14 ぺージからは第4章ということで、小中学校の
適正規模及び適正配置の方向性というものを示してありま
す。これは、市内7つの生活圏域ごとに適正規模及び適正配
置の考え方にそって、小中学校配置の方向性というものを示
したものでございます。7つの圏域の設定にあたりましては、
帯広市の第5期総合計画による地区区分、それから今現在設
定されております中学校の通学区域、そういうものを参考に
して区分しております。
まず、東地区からご説明申し上げますが、東地区は非常に
歴史的に古い地区ということで、地域の高齢化も進んでおり
ますことから、学校の小規模化が進んでいる地域というふう
に見られます。特に帯広小学校、東小学校では、これは 16
年度現在の数字でございますが、学級数でいうと7学級、10
学級ということで、既に、適正規模と思われる学級数を下回
っている。また、中学校においても、第三中学校、第六中学
校については、適正規模を下回っている学校というふうにな
っております。ただ、これを見ますと小学校では、帯広小、
東小学校とも、児童生徒数、学級数とも若干増加の傾向にあ
るということでございます。この将来の方向性で使っている
推計は、すべて住民基本台帳に登録されている各児童生徒数
を、毎年毎年単純に、そのままスライドさせた推計です。で
すから、各校区間での移動というものは、見込んではおりま
せん。そういった形でご覧頂きたいのですけど、そう見ます
と、帯広小学校、東小学校、この2校については、将来的に
14
人口は若干増加する傾向にあります。従って、今後の推移を
十分に見極めた上で、将来的な対応というものを検討する必
要があるとしております。それに対して、中学校なんですが、
第三、第六中学校につきましては、将来的にも減少する傾向
にあるということから、適正な学校規模を維持するという面
からいきますと、将来的には、両校の統合も視野に入れ検討
する必要があるという報告になっております。
それから、2番目としましては、鉄南地区とういうことで、
小学校では明星、光南、花園小学校。中学校では第四中学校
の校区となっております。この中では、花園小学校が 10 学
級ということで適正規模を下回っております。ただ将来的に
は、若干ですが児童数は増加しているということから、これ
につきましても、今後の推移を十分に見極めた上で対応する
必要があるとしております。なお、第四中学校につきまして
は、将来的に見ると生徒数は減少傾向にあるということから、
第四中学校についても適正規模維持に向けた取り組みが必
要ではないか、というような表現になっております。
それから3番目といたしまして、川北地区ということで、
北栄小学校、栄小学校、啓北小学校。そして、中学校では、
第一中学校という区域になっております。ここの地区は、小
学校・中学校ともに比較的児童生徒数の安定した地域という
ふうに見ており、将来的にも学校数の大きな変動はないとい
うふうに見ております。
それから 16 ページに入りまして、西地区ということで、
小学校では、緑丘小学校、啓西小学校、そして若葉小学校、
広陽小学校、明和小学校という5つの小学校が入ります。そ
れから中学校では、第五、第八、西陵中学校が入ってまいり
ます。ここでも全体的に見ますと、児童の発生数、小学校で
は児童の発生数は比較的安定していますが、この中でも特徴
的なのは、明和小学校です。明和小学校では児童数が、大幅
に減少する見通しにあるということで、今後の推移を十分に
見極めた上で対応する必要があるのではないか。また、中学
校につきましては、比較的安定はしておりますけれども、将
来的には生徒数が減少傾向にあるということで、今後の推移
を十分見極める必要があるというような結果になっており
ます。
それから5番目の西帯広地区ですが、これは、今、非常に、
児童生徒数の減少が著しい地域でございます。特に、小学校
で見ますと、西、開西、森の里、つつじが丘の4校全体での
児童生徒数をご覧いただくとわかりますとおり、5年間、平
15
成 16 年から 22 年の5年間で531人が減少するというよう
な将来推計になっております。これは、まさに、小学校1校
分の児童数の規模に当たりまして、小学校1校が、この5年
間でなくなるぐらいの児童の減少が見込まれる、というよう
な推計になっております。また、中学校につきましても、緑
園中学校では、平成 16 年から 22 年にかけて 17 学級から 13
学級に減少していく。この急激な減少傾向が西帯広地区では
顕著に現れております。
それから次の 17 ページなんですが、ここは、現在非常に
児童数・生徒数が増加している地域でございます。ここには、
稲田小学校、豊成小学校、大空小学校、中学校では、大空・
南町の2校が入っております。まず、稲田小学校では、新た
な宅地開発に伴う児童数の増が、現在みられてるわけですが、
平成 18 年度の914人をピークとして平成 22 年では逆に減
少してきていることから、新たな宅地開発に伴う一時的な学
級数の増というふうに捉えております。これに対して、豊成
小学校では、今現在、宅地造成中でございますことから、今
後大幅な児童数の増加が見込まれますが、ただ、先程の推計
の部分でご説明したとおり、児童数が最も大きくなる平成
27 年度においても、最大で 24 学級という推計をしておりま
す。従って、上限でございますけれども、適正規模の範中に
入っていることから、宅地開発に伴う学校の分離新設は必要
ないのではないか、というような表現をしております。これ
はあくまでも、発生児童数による学校規模から見た時に、こ
れを2つに分ける必要がないといった意味であり、他の観点
からみますと、通学区域の見直しですとか、そういったよう
な全体的な他の要因についての検討は必要であると考えて
おります。それから中学校ですけれども、中学校については、
南町中学校では、今後、新たな宅地開発に伴う増加が見られ
る。それから大空中学校では、今現在、既に9学級というこ
とで、適正規模を下回っております。今後さらに、小規模化
が進行する可能性があるということから、街づくりの観点か
らの新たな人口誘導策ですとか、1中学校下1小学校こうい
った立地条件を活かした小中一貫校というような制度の導
入など、特色ある学校づくりを行う中で生徒数を確保してい
くというような取り組みが必要ではないかと提言しており
ます。
ここで小中一貫校ということについてご説明したいと思
いますけど、お手元に配布しました資料の中で、学校選択制
の資料が 4 ページほどございますが、その次に岡山・萱野小
16
中一貫教育特区ということで資料がついております。これは、
小学校中学校の 9 年間の枠を取り払って、1つの教育課程と
いうような捉え方をして、9年間を通した教育課程を組んで
行っているような取り組みになっております。北海道内では、
この三笠市の岡山・萱野小中学校が初めての取り組みになり
ます。これに対しまして、全国的に見ましても、非常に先進
的な取り組みを行っているのが品川区の小中一貫教育です。
特にこの品川は、東京区内でございますので、私立の学校と
の競争が激しいところでございます。従いまして、この私立
学校との生き残り策という観点から学校選択制ですとか、そ
れから小中一貫教育というものに、早くから取り組んでいる
地区でございます。ここでは、小学校・中学校の9年間を裏
のページをご覧いただければわかりますとおり、全体で4・
3・2というような区分でとらえて、その教育の課程を編成
しております。また、さらに一歩進みまして、教育課程だけ
ではなくて、学校も、小中一貫校という形で小中合わせて1
つの学校を建設するというようなことも進めております。こ
の大崎地区小中一貫校ですとか、大井地区小中一貫校では、
教育内容だけではなく、学校運営、施設、それから校長先生
も1人にするというような形で、小中一貫教育を行う学校を
現在、建設しているところでございます。このような小中一
貫校という取り組みを行うには、現在の制度のままではでき
ません。これの取り組みには、文部科学省が行っているモデ
ル校の指定を受けるとか、国の特区の指定を受けるというよ
うな制度的な裏付けが必要となってきますけれども、そこま
で至らなくても、小中連携というような教育の取り組みもご
ざいます。まずは、この小中連携的な取り組みも含めて、将
来的には小中一貫を視野に入れるような、そういうような取
り組みを大空地区では検討していく必要があるのではない
か、というような報告でございます。
それから、7番目としましては、農村地区になりますが、
農村地区は、清川・広野・愛国、この3つの小学校では、既
に、複式学級になっているということから、先程ご説明した
とおり、農村地区の特徴を活かした特色ある学校づくりをし
ていくわけでございますけれども、先ずは、複式学級の解消
を最優先課題に取り組んでいくことが必要なんではないか。
また、中学校につきましても、川西・清川・八千代の中学校
3校では、1学級あたりの児童生徒数も極めて少人数化して
いる。中でも、八千代中学校については、中学校でありなが
ら平成 21 年には複式学級化するんではないか、というよう
17
な推計になっております。非常に生徒の減少の影響が大きく
現れる学校、ということですので、中学校においても学校の
集約が必要なんではないか、というふうに報告しております。
それから8番目の、望ましい学校数についての試算につい
てでございますが、これは、理想的な学校規模に基づいて市
内の小中学校の配置数を試算した結果を示しております。こ
れは、各地区ごとに、平成 22 年度の児童生徒数の推計値を
出して、これを地区内の小学校全部について、学年ごとに児
童数を足し上げたものを1学級を 35 人として割り返して地
区内全体の学級数を出しております。さらにこれを、理想的
な学校規模である小学校では 18 学級、中学校では 15 学級で
割り返した結果、いったい何校がその地区で必要かというよ
うな出し方をしております。これによって、1つの目安とし
て望ましい学校数を示したところ、小学校では現在よりも8
校減の 18 校、中学校では現在よりも3校減の 12 校であった
ということでございます。
それから 19 ページ、これからの学校施設整備ということ
でございますが、これから新たな校舎の改築にあたりまして
は、ここにございますとおり適正規模を確保することはもち
ろん、良質な教育環境の提供と開かれた学校づくりに取り組
む。また、PFI方式など新たな学校施設整備手法を導入す
ることにより、低コストで良質な教育環境を提供するという
ことについても広く検討する必要がある。また、4番では、
学校施設の有効活用ということで、児童生徒の減少に伴って
生じる余裕教室については、生涯学習やまちづくりの核とし
て、ひろく開放を図るなど有効活用を図ることが望ましいと
いうような報告になっております。
最後に 20 ページでございますが、今後の進め方といたし
まして、まず1つには、基本方針の策定ということでござい
ますが、この小中学校の適正規模化・適正配置は非常に地域
住民の日常生活に影響を及ぼすものであるということから、
帯広市教育委員会としての基本方針を策定した上で、広く市
民の理解を得ながら進める必要があるということでござい
ます。この基本方針策定にあたりましては、ただいま取り組
んでおりますように、まずは、検討委員会を設置して審議を
行うこと。またパブリックコメント制というものを活用いた
しまして、広く市民の意見を取り込み、また、理解を得なが
ら進めるというような必要であるというふうにしておりま
す。それから2番目としましては、適正配置の推進に向けた
取り組みということですが、どういった手法で取り組んでい
18
委員長
委員
委員長
くかということは、非常に難しい問題でして、一律、ある時、
ある時点からいっぺんに統廃合して数を減らしていくとい
うは、現実的ではないのではないか。今現在、通っている子
どもたちに与える影響も非常に大きいのではないかという
ことから、緊急性の高い順に第一次計画、第二次計画という
ような段階的に取り組んでいくことが望ましいのではない
か、というようなことを、ここで報告してございます。また、
段階的に取り組んでいく中で、その年数の経過により学校規
模が更に小さくなることによって、適正配置の必要性、これ
が高まってくれば、その段階で第二次計画なり、第三次計画
というような形で適正化の取り組みを進めていくというこ
とが望ましいのではないかという報告になっております。
報告書の内容については以上でございます。
「(休憩)」
今日は、この報告書というか、今の説明を受けて色々質問
だとかご意見を自由に発言いただいて、その中で次回以降の
進め方等を進めていきたいので、今日は、特にこれについて
ということではなくて、自由にご意見いただきたいと思いま
す。今、説明受けたこの報告書の中で最初ご質問等、何でも
いいですからありましたらお願いします。
帯広小学校関係2つお願いしたいんですが。1つは、平成
17 年7学級だったのが、平成 22 年度には 12 学級という規
模になるわけなんですけれども、その為の生徒の確保が必要
となるわけなんですね。それぞれのどんな建物であるとか、
どんな施設があるのかというのが1つ。つまり、今年度から
6年後に増えるには、必要な施設だとか、あるいは団地とか
も必要であろうから、それがどのくらい具体的であるのかと
いうのが1つと、それから、帯広小学校は東地区に入ってま
すよね。で、これは、むしろ北栄小学校なんかと一緒にした
ほうが、非常に、その隣接する学校関係なんかでいうと良い
んではないかと。その帯広小学校が東地区に入ったその理由
といいましょうか、その経緯といいましょうか、それなんか
をお聞きしたいというのが1つです。
ちょっと、私の方からよろしいですか。
まずですね、私、この報告書について、委員長という立場
上あんまり意見、最初に言いたくないんですけども。この報
告書は、まず、基本的に、今の状態では、現状と課題を分析
した結果、現状ではまずいんだというようなところからスタ
ートしたわけですよね。この委員会として、そういう問題意
識でいいのか。今のままで良いと言うなら特に議論する必要
19
委員
事務局
委員長
事務局
委員長
事務局
はないんで、今あげられたような、その課題として捉え、適
正規模なり、配置なり考えるという方向でよろしいんでしょ
うかね。
それについては、どなたも議論はありませんか。
シュミレーションとして、このまま放置しておくと、具体
的にどういうことが起きるかっていうことを伺っておきた
い。
報告書に関わって、今、具体的に何もしなかったらどうな
るか、ということになりますと、色々、今の学校の規模がそ
のままでずっと継続することによって、当然、学校の児童数
だとか、1学年 1 学級という学校が市内でも出てきたりです
とか、そういうふうなその教育上の色々な問題点が出てくる
のではないかと。好ましい状態ではないのではないのかな、
という考えもあったものですから。当然、子どものことは、
十分に、教育上の配慮をしながら、そういう姿が、これから
はいいのではないか。そういうことが根本的な課題として出
てきてます。
今のままで、収容できなくなるっていうようなところは?
今のところは、今の通学区域の中ではございません。今現
在の稲田地区、豊成地区は、南地区は人口は伸びてくるわけ
ですけど、ある一定の開発期間が過ぎますと、逆にまた、今
度は児童生徒数は少なくなってくるので。先程の豊成小学校
を例にとると、平成 27 年の 24 学級をピークにだんだん減少
に入ってくると。今現在の適正規模・適正配置でいけば、今
の通学区域を飲み込めるだけの容量はあります。
現状を放っておくわけにはいかないということでよろし
いですか?
(「了承」)
よろしいですか。
それでは、何か考えなければならない。先程のような具体
的な事例だとか、ご意見で結構なんですけども。先程の具体
的なものについて。
最初のご質問ですけども、最初のご質問は帯広小学校の児
童数がなぜ 12 学級まで増加するのかというお話ですね。そ
れで、その帯広小学校の将来推計は、帯広小学校のエリア内
で生まれている0歳∼5歳までの子どもの数というのが、平
成 17 年 5 月1日現在の住民基本台帳に登録されているので、
それをただ単純に、毎年毎年スライドさせていきますと、そ
の6年後の平成 23 年、前回示した数字は平成 23 年になりま
すけど、そこの段階では全部で 12 学級、1学年あたり2学
20
事務局
委員
事務局
事務局
級ずつになる子どもたちが既に産まれているというところ
から推計したものです。この要因としましては、細かくマン
ションから何人産まれてるというような、そこまでは捉えて
はないですけど、やはり駅周辺に新たなマンションが建設さ
れていることから、そこから発生している児童数ではないの
かな、という考えております。特に、その地区ごとの住民基
本台帳の子どもの数を拾うにあたって、地区ごと、帯広小学
校の校区の中で、更にそれを細かく分割して子どもが何人か
という、そういう拾い方をしておりますけども、その中でも
やっぱり最近新しくマンションが建った地区から、子どもの
数が増えてきているという状況ですから、最近建設されたマ
ンションの影響だろうと考えております。
それともう1点。帯広小学校は東地区に入っているのか?
ええ。帯広小学校が東地区に入っているんだけども、地図
なんかで見ますとね、それはむしろ、北栄地区なんかと一緒
に川北地区に入ってもいいんじゃないかという単純な発想
なんですけども、ちょっとそのあたりどう考えたのか。なん
でその東の、東小学校から柏小学校のグループに入ったのか、
ということをちょっと疑問に感じたものですから。
それに関してもですね、7地区に区分した時に、1つには
総合計画の地区割りというものを参考にしたんですけども、
それとはまた別に、中学校の通学区域のエリアというものベ
ースにして地区を今回設定したわけです。ですから、その東
地区というのは、総合計画の中にもあるんですけども、中学
校のエリアで言いますと、三中地区までが東地区と捉えたも
のですから、そこで帯広小学校は三中地区エリアということ
で東地区に入ったんです。
ただ、補足しますと、これはあくまでも今現在の通学区域。
いわいる帯広川で切れてるわけです。しかし、これは先程か
らご説明してますとおり、今、問題認識していただきました
んでね、これが検討委員会の中で具体的にもっとこれは、こ
んな近接して区域ではなくて、見直すべきではないかという。
そういう議論はおおいに結構なことでありまして、最終的に
は、どう決定するかということは、それは教育委員会の方で
も当然あがっていきますけども、この場では、どうかそうい
う自己規制をなさらずに。次回、その先程もご説明しました
ように、その辺の近接している学校なんかも視察の時に見て
いただきますけども、そういうところもどう考えるかという
ことを自由にご発言いただいて結構だと思います。それから
必要な施設のお話も先程してましたけども、それは帯広小学
21
委員長
委員
事務局
事務局
校の場合には、今、普通学級を保有している枠というのは、
20 何学級数あるわけです。ですが、今現在は7学級しかあ
りませんから、それ以外の部分については、いわいる空き教
室ということですから、今後、もし今の単純推計のように増
えていったとしても、普通学級そのものを追加していくとか
そういった必要はない。
最初の説明でもありましたけど、これはあくまでも参考と
いうことですから、これに囚われずに考えていただきたいと
思いますけど。
他にはいかがでしょうか?
確認ですけれども。この計算をしてくださった時に、現行
の 40 人学級の基準でいて、それを 35 名での学級計算をして
くださったという説明があったように聞いてますが。最近、
文科省の方で具体的に 30 人なり 35 名の児童数に改正する、
具体的な調査研究が始められているということを見たんで
すが、それがもし、近々、改正された場合に、この 35 名の
計算というのは、そのまま受け止めて考えていけばいいのか、
そこらへんも加味しながら何か考えなければならないのか、
そのへんのとこを教えてほしいんです。
今のところにつきましては、35 名というのは、北海道が
今採用しようとしている人数です。それと全学年については
ただいま施行されておりませんけど、小学校の1年生、2年
生が試験的にやっているということでございまして、今後こ
れは拡大される見通しが非常に高いということから今のよ
うな試算が行われたというわけです。ですから、今後、これ
がどういう形で決着するかということもはっきりともして
ませんし、また、文科省本体で言いますと、今 30 という数
字もちらちら出てきておりますので、最終的なとこまではわ
かりませんけど、とりあえず、今の情勢からいけば 35 名と
いうのが1番妥当かなということです。
それと委員さんの方から、そういうもののシュミレーショ
ンをしてみてくれと。例えば 30 人学級だとしたらどうなる
んだろう、35 人も現状に合わせてやってみた数字だけども、
これを 30 人に全部置き換えたらどうなるか。そういうもの
が必要であるのなら、資料をこちらの方で用意させていただ
きたいと思います。ただ、今、中教審の特別議会で議論して
おります。確かに 30 人学級というのは、話としても出てい
ますが、実態としては、30 人学級とすれば全国で教職員の
数がとてつもなく増えることになるんです。だから、我々と
しては、今のところ概ね 35 人ぐらいのところで収まるので
22
事務局
事務局
委員長
委員
はないか、というふうには見てるんですけども。ただ、30
人学級となればですね、その学級数でみれば、それ相当の学
級数に増えてくると。今の推計よりも増えてくるというのは、
当然のことになると思います。もし、そういうのが必要とな
るのであれば、30 人推計の資料は出せるのかな?
(「了解」)
あと、それともう1つ補足いたしますけど、先程の 35 人
で計算したと申しますのは、望ましい学校数というものを先
程ご説明しましたけれども、将来的に見て小学校で言えば
18 校、中学校で言えば 12 校ということで、ある程度の学校
の減少が将来的には望ましい学校数。将来的には、一定数の
学校が減少するというお話をしましたけれども、その時の計
算根拠といたしまして、1学級あたり 35 人で計算したとい
うことでして、将来学級数の推計にあたっては、これは現行
制度ということで、小学校の2年生までは 35 人で、それ以
上は 40 人学級という、現状制度のまま推計しております。
望ましい学校数最終数値だけ 35 人で計算したということで
す。
生徒数。1クラスの生徒数を少なくするっていうことがも
し可能であれば、そうすると、小規模校のメリットと書いて
ありましたけど、それが幾つか当てはまって、なお、かつ、
クラス数が多くなると。かなり理想に近づくのかな。ただ、
その時には、経費、あるいは先生の数っていうのは、大きな
問題になりますから、そうはならないとは思いますけど。そ
の時に、そのいろいろ法律っていうか基準が示されておりま
したけど、それは本当にその基準として、勝手に帯広をスタ
ンダードみたいに考えることができるのか。やっぱり、あれ
は基準、限定となる基準で、それを超えてしまうと施設整備
とか該当しなくなるですとか、そういうことになるのかな。
普通に考えるとそうなるわけですよね。だから、あんまり勝
手には考えられないのかな。なんていうか、その策定の範囲
内というか、その中で考えないといけないのかなと思うんで
すけど。
今日、もっとここに書かれてた検討プロジェクトの中でま
とめられた内容について、反論であるとかも合わせてあれば。
先程、冒頭で部長さんから行政サイドで作った判断で、民
間側から忌憚のない意見ということでございますんで、何点
か意見を言わさせていただきたいのですが。
1点は、先程、委員長さんがお話されてた、この現状のま
までいいのかということで考えると、子を持つ親としては現
23
状のままでいてくれた方が、はるかに良いんだと思います。
特に、受験を控えた中学生をどっかのタイミングで統廃合、
適正配置とは言ってますけど、高校間口の適正化と同じで、
少子化と、それから財政的に厳しい中で統廃合するというこ
となんだと思うんです。そういったふうに考えますと、どっ
かの場所に移らなきゃならないということですから、生徒へ
の影響ということは非常に大きな問題があるんだと思うん
です。そういったふうに考えると、私自身は少子化の中で、
一人あたりの教育に関する費用というのは、従来以上にあげ
るべきだと考えておりますから。単に、人数が減ったから教
育関係の予算を減らしても良いってことにはならない。とい
うふうに個人的には実は思っております。そういうふうに考
えてる父兄は、たくさんいるんだと、私は思っております。
という中で、今回の適正化ということであれば、説得力を持
たせるためには、やっぱり数値が必要になるのではないかと
いうふうに思います。つまり、配布いただいた8ページに、
学校施設の維持運営・整備に関する経費というのが出ており
ます。学校管理経費、学校建設経費、教員等人件費、その他
いろんな諸経費があると思うんですが、現状のままで続けた
時に、具体的に、どの程度経費が負担になっていくのか。あ
るいは、ここの委員会で検討する中で、統廃合することによ
って、それがどの程度節約されていくのか。そういう数的な
シュミレーションを是非作っていただきたいな。そこの中で
オプションとして、今、お話がありました少人数学級を取り
入れることによって父兄が納得しやすいような、局面があれ
ば、それも多少加味するとか、数値っていうのは、そういう
面では非常に説得力あると思いますし、一市民として見た場
合に、財政的に破綻するぐらいの状態だったらやらないとい
うことにもなるのかなと実は思います。そういう意味では、
是非、シュミレーションを取り入れていただかないとこの委
員会の目的とするところがなかなか市民に受け入れられず
らいのかなと、実は思っております。
それからもう 1 点は、この地区割りなんですけども、この
地区割りっていうのは、とってもデリケートで重大だと思い
ます。つまり、この地区にどの学校が入ってるかによって、
この地区でこの学校がなくてもいいのではないかとか、統廃
合だとか、そういう色んな思惑をもつデーターになると私は
思うんです。そういう意味では、この地区割りをもうちょっ
と実態に応じて考えていただきたい。具体的には、先程ご指
摘がありましたように、帯広小学校について、実は平成 14
24
年に市P連で総会で8つのブロックにしてございます。そこ
において帯広小学校は、川北の北栄の中に実は入っておりま
す。これは色んな都市計画だとか色んな意味合いがあると思
うんですが、父兄の側から考えた場合に、実態として考えた
時に、北栄小学校と帯広小学校は非常に近くて人間関係もあ
るんだと。それから一中にも相当程度行くんだという、こう
いう実態が実はございます。ですから、地区の区分けについ
ては、そういった実態を関与して決めていただかないと、地
区割り自体が一人歩きすると思惑が先に来ちゃうかなと実
は思います。
それからもう1点。去年、確か商工会議所で都市計画なん
かが帯広の街づくりということで、帯広市内を幾つかのゾー
ンにするという、お話がございました。この適正配置、適正
規模ということは、例えば結果として統廃合を予定すること
になることだと思いますから、その地区によっては小中学校
がなくなる地区が多分出てくるんだと思います。そういうふ
うに考えると、例えば今、住宅建てるとか、あるいは住宅を
借りるといった場合に、必ずですね、スーパーまでの時間、
それから病院が近くにあるか、あるいは小中学校がどうか、
こういう問題が実は絡んでるんです。それを考えますと、こ
の適正規模・配置というのは、帯広市の街づくりに非常に影
響を及ぼすじゃないかなというふうに個人的に実は思いま
す。そうやって考えると、確か都市計画課が文教ゾーンとか、
幾つかゾーニングをしております。ですから、それも勘案し
て考えていただく必要があるかな。と私は市民としては思っ
ております。つまり、ここで先程、どなたかがお話されてま
したけど、将来、人口が増えるとか、あるいはそういうお話
なんですが、実は、それは街づくりの中でいかようにもなる
んではないかなという気がしております。つまり、高校の適
正間口と違って町村ではなくて、あくまで帯広市内の中でど
ういうふうに適正配置するかということは、行政サイドで街
づくりをどうするかと。この地区は文教ゾーンだから、この
地区に例えば小中学生が多くなるような街づくりにすると
か、そのへんと私は無縁ではないのではないかなと実は思い
ます。そうやって考えると、住民基本台帳の数字だけで将来
の数字を予測して、この地区は人数が減るから統廃合のター
ゲットみたいな考え方っていうのは、非常に、拙速にしする
なという考え方を持っております。
ということでちょっと言いたいことを言ってしまいまし
た。
25
委員長
事務局
どうですか?今の。
お話のとおりだと思います。今のまま、何も減らないでい
てほしいといのは素直なお気持ちであろうと思います。その
へんのところは今後また委員会の中でいろいろと、議論いた
だければと思います。その為に必要な経費負担の部分のシュ
ミレーションと言っておられましたけど、これはかなり大き
な話になります。と言うのは、単純に言えば学校改築をする
場合には、12 億くらいの経費がかかるわけです。市街地で
言えば。ですから、後でまた説明があると思いますが、札幌
で 4 校統合して1校新設しました。そういうことから考えま
すと、統廃合して、2校を1校にすれば当然に投資額は少な
くなるわけです。10 数億。そのへんのところを、どのくら
いまでシュミレーションできるか内部で検討しまして、また、
資料として出させていただきたいと思います。それからブロ
ック割りなり、ゾーン区分ですね。お話のとおりです。都市
計画上はかなり大きな用途区分。さらにもう少し細かい部分
での、いわいるゾーンというか、公園だとかというものはあ
るとは思いますが、それ以外では実は総合計画の中で、従前、
小学校エリア、概ね今で言う帯広小学校エリアで小さなコミ
ュニティーとして位置づけて、その中で、公共施設整備とい
うものを進めてきた経過があります。そして、もうひとつ大
きくして中学校エリア。概ねですね。小学校区域が「住区」
という言い方ですね。1つの小さなコミュニティーとしての
施設整備。中学校エリアが「地区」ということで、それより
も、もう少し広域的な施設整備を進めていくという区分を確
保をしながら、帯広市の街づくりを進めてきました。ただ、
平成 12 年度にスタートしました第 5 期帯広市総合計画は、
その時の考え方では、地区計画というものは持たなかった。
前までの第 4 期の総合計画までは、いわいる7ブロック、7
中学校エリアぐらいのエリア。今回、言ってるブロックエリ
ア。その中でここの地域には、こういう形での公共施設を整
備していこうという 10 ヵ年計画を全部もっていたんです。
第5期総合計画を 12 年度にスタートした時には、もう一定
程度の生活基盤整備、それから公共施設整備っていうのは、
コミセンなんかは地区エリアに1つずつくらいの整備計画
を持ってやってきました。そういったものが一定程度整備さ
れただろうと。今後は、その地区ごとの計画の中で、細かい
そういった生活基盤施設整備という計画は持たないで、今度
は質の向上を図ろうというのが、第5期総合計画のものの考
え方なんです。ただ、まさに、学校を動かす統廃合するとい
26
委員長
委員
委員
うことは、これはお話のとおり、過去いった住区の部分が、
その考え方を失うわけですから、むしろ大きな影響はあると
思います。ですからまたそれもですね、そういうご意見がま
ずあって、今後何回か回を重ねていく中で、皆さん方からも
おそらくそのへんのとこはどうなんだろうと、こうあるべき
ではないかという議論がいただけるのではないかというふ
うに、我々が結論を出すわけではなくて、今みたいなご意見
をいただければなと思います。
今、あえて反論というか反対意見を言わせていただくとす
れば、児童一人あたりの、同じ8ページの表ですけども。児
童一人あたりにかかる経費といのは、規模によって変わって
くるわけですよね、そうすると教育内容はさておき、その同
じお金をだしていて、学校によってかかる経費が違うんだと
いうのは、逆の立場からすると納得いかないというわけです
ね。できるだけ同じような教育費の負担にしてもらいたいと
いうような意見も出るんじゃないでしょうかね。だからいろ
いろ学校が変わったり、無くなったりということで、児童に
対する色んな面での負担というか、メンタルな面も影響はあ
ると思いますけど、やはり現状のままではいけないんでなん
とか、こう適正に向けて考えたほうがいいんじゃないのかな
というふうに思います。
私は、そういう道筋の中で、そういう方向にするのなら数
値のシュミレーションがないと説得力を持たないんじゃな
いかなと。数字見てて、このままの状態でいたら、こんだけ
の支出が出てくるとなれば、じゃあ、適正配置というか統廃
合もやむを得ないなというコンセンサスが得れるんでない
かなと。
それともう1つ、親の側から見た時、やっぱりなかなか辛
いよねっていうのは多分出てくるから。
私は、これから月に1回程度開かれるわけで、テーマを絞
って話しをするのであれば、個別に話しをしようかなとは思
ってたんですけど、総体的にやはり適正配置というか学校規
模の問題が一番大っきいと私は考えるんです。学校規模はあ
る程度の規模があって初めて教育環境が整うのではないか
と、ある程度の人数がいて。ただ、多き過ぎれば、昔うちら
の時代があったように1学年 15 クラスもあってしまえば、
これはまた大きな問題。それは全く適正な配置、適正な規模
とは言えない。その適正な規模があって初めてなると。それ
から1クラス、何名が本当は適正なんだろうとかと。例えば、
2クラス、3 クラス、1学年そんなに多ないクラスだとすれ
27
委員長
委員
ば、例えば 35 名だとしてしまったら 36 名だと2クラスにな
ってしまいますよね。そしたら 18 名ずつ。果たして、18 名
だという1クラスが適正なのか。確かにメリットは書かれて
るように、その通り行き届いた教育ができるかもしれないで
すけども。それは、適正だとは思えないと思ったり。それか
らまた通学距離の問題にしても確かに近いところもある。近
いところだからと言って単純にくっつけていいのかと。これ
またそうはいかないと思うんです。じゃあ、先程言ってた選
択制。選択制を帯広全部を選択制にするのはどうなのかと。
でも選択制はある程度考えていく必要はあるのではないか
と考えていますし、やっぱり将来的に総合的に全部を考えて
いった上でどうしたらいいかと最終的にはなるかと。そうし
てほしいと多分これは、この委員会はそうしてほしいんだと
いう意向の元に作られた委員会だと思うんですけれども、個
別にやっぱり1つ1つ論議していっていうことが必要なん
ではないかなというふうに思ってはいるんです。確かに子を
持つ親という言い方からすると、今のまま現実に何も変わら
ない状況で卒業してくれることが1番いいですよ。それは間
違いないですよ。その中でどんどんどんどん人数が減ってっ
たりということがあるんだとするんならば、やっぱりちょっ
と考えていかなきゃならないというのは、確かな意見だと思
います。
どうでしょう。他に。
第1回目の時に、実際に小学校・中学校のお子さんをお持
ちの委員の方が半分以上いた気もしますから、どうですか、
実際その委員としてじゃなく親として。
実は、もう数ヶ月前なんですが、私が親しくさせていただ
いているあるお母さんが、とっても具体的にある3つの小学
校の名前を言って、何かそのうちの1つが消えるっていう話
なんだけど、うちの学校はどうなるの?って私に聞くんです
ね。何がどこからそういう話になったの?って逆に私は問い
直したんですけど、もう、なんか、本当もう随分前に大変誠
しい中に親の中で悪く言えばうわさ話がどうもあったよう
で、私は大変うといものでって感じで、あれしてたんですけ
ど。やはりちょっとでもそういう話題が上ると、大変動揺し
ますよね、親っていうのは。ですから、適正という言葉は大
変美しいんですけど、我が身に振りかかることとなった時に
は、現状で続くまま卒業できれば、卒業させていただければ
みたいなところが、大変、あのどんな親御さんも大きいとは
思います。で、そのシュミレーションなりをして、数値での
28
委員
委員長
事務局
説得力を持った方がということはもちろんです。それからこ
のプロジェクトの報告書を読んでしまうと、ついつい行政サ
イドは財源ありきかなというふうな感覚を持たざるを得な
いところが大変残念に思いますね。やはり、まず財源ありき
では決して市民・親は納得しないんじゃないかなと私は思っ
ています。親という立場になった時にも。ですから、本当の
ところの適正配置っていうもののなんらかの意見を集約す
る時には、そこにどれだけ理念なり思想なりっていうものを
入れられるか、私達我々委員の一人ひとりがということが。
とても任務が重いところかなと感じている。
なかなか重たい委員になったとつくづく思いますよ。
それと今もお話があったんですけど、やっぱり高校間口で
実際ああやって中札内がなりましたですよね。その数年前か
らやっぱり親は、小中学校も少子化ですぐなるだろうなとや
っぱりあるんだと思うんです。そうすると、私もそんな話は
聞いてますから、特定の小学校で名前はどっちになるのかと
か、学校はどっちに行くのかとか、そういう話がひとり歩き
するんですね。で、そうしますとですね、実は在校生だけで
はなくてOBが結構厄介になんだと思うんです、実は。です
から、具体的に、どこまでこの委員会で詰めるか。詰めるか
っていうのは、どういうスケジュールでどうするかっていう
のが、多分、具体的にあの高校と同じように何年後に何間口
をどうするとか統廃合するとかという色んな話をここで話
し合うのか合わないのか分かりませんけど、絶えず我々はそ
ういう中に、あの外に出てくとさらされると思いますし、非
常に重たいなと正直。
前回も申し上げたんですけど、ここの委員会で具体的な報
告にはなりません。ただ、方向性というか適正配置の考え方
によっては、今の半分でいんじゃないかというような極端な
まとまり方になるかも知れないし、現状の数でいんじゃない
かということになるかもしれないですけど、具体的な話には
したくないなと。今は方向性ということで理解してるんです
が。やはり、重要なところは財政的に苦しくなるんで、仕方
なく何校減らしましょうという話ではなくてですね、子ども
達のことを考えるとこういう規模、あるいは配置がいんじゃ
ないかという、結論に持っていきたいですよね。だけど、理
想論ばかりを追いかけてててもやはりいけないんで、そこに
はかなり詳しいデーターを元に答えを出していかなければ
ならないと思うんですけど。
本日お配りした資料の中で1つまだ説明をしてないのが
29
委員長
ございまして、資料の一番最後になりますが、札幌市の街の
真ん中に建っております、資生館小学校。これに関する資料
が付いております。この札幌の資生館小学校と申しますのは、
平成 16 年度に中央区の4つの小学校が統廃合されて新しく
建った学校でございます。1つずつ個別の学校を申しますと、
創生小学校、曙小学校、豊水小学校、大通小学校。中央区に
位置する4つの学校なんですが、それぞれ都心ということで、
学校の小規模化が進行していて、その中には、1学年 12 人
という学校もあったということです。参考としまして、統合
直前の平成 15 年度の数値を申しますと、創生小学校では児
童数 108 人、全体で6学級。曙小学校では児童数 203 人、7
学級。豊水小学校では児童数が 124 人、8学級。大通小学校
では児童数 153 人の8学級というようなことでして、いずれ
も非常に規模の小さい学校でした。この4つの学校が平成
16 年に統合したわけですが、この際、街の中心部に位置す
る創生小学校の敷地に新たな資生館小学校を建設した。また
建設にあたって土地の有効利用ですとか、施設の有効活用、
こういう観点から複合施設というものを検討いたしまして、
結果としまして資生館小学校の他に、しせいかん保育園、そ
れから札幌子育て支援総合センター、資生館小学校ミニ児童
館というような、この4つの機能をもつ新しい学校を建設し
たということで、この統廃合の結果、平成 16 年5月現在の
児童数は571人、全部で19学級というような学校になっ
ております。
以上です。
これについて何か質問はありますか?
(「なし」)
今後の進め方について、用意している時間がもういっぱい
になっているのですが、確かに何を議論するのかっていうの
が、取り留めのない話をしてもしょうがないんで、次回以降
決めていこうと思ってます。1番最初に説明があったように、
来週、実際に視察、小学校・中学校を見ていただくという中
で、色々デメリット・メリットというところを直に見ながら
また色んな意見も出てくるのかなと。一番最初に進め方のと
ころでは、その後、来回の7月の委員会でそのへんから議論
して行きましょうと、意見交換して行きましょうということ
になってますんで、今のところはそういうところで、来週実
際に視察してその後の委員会で、良いとか悪いとかっていう
のを委員会として考えて行きたいなと。このプロジェクトの
報告書の中には既に書かれてますけど、それ以外、それを参
30
事務局
委員長
考にしながら、この委員会で話し合っていきたいなというふ
うに思っております。でも、一応、そういう考えではありま
すけれども、色んな意見があれば、その都度その協議内容と
か議論の中心はこの委員会で決めていきたいとは思ってま
すけども。
どうでしょうか、もうそろそろ時間なんですが、委員の
方々から発言があれば申し受けたいと思うのですが。
よろしいですか?
そしたら次回の開催日、視察についてお願いします。
次回の開催でございますけど、11 日の午前中の 10 時で設
定させていただきたいと思います。
以上で終わりますけど、何かありますか?
なければ、以上で終わりたいと思います。
ありがとうございました。
31
帯広市立小・中学校の適正規模及び
適正配置についての検討報告書
平成17年1月
帯広市教育委員会
学校教育部
適正配置検討プロジェクト
目
はじめに
第1
次
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
市内小中学校の現状と課題
1.児童生徒数の推移 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2.学校数の推移 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3.学校規模の状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4.学校の小規模化・大規模化に伴うメリット・デメリット ・・・・・・・・・・
5.通学区域の状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
6.学校施設の整備と維持運営の状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第2
10
11
11
小中学校の適正規模及び適正配置の方向性
1.東地区 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2.鉄南地区 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3.川北地区 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4.西地区 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5.西帯広地区 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
6.南地区 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
7.農村地区 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8.望ましい学校数についての試算 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第5
9
9
適正規模及び適正配置についての基本的考え方
1.小中学校の適正規模についての検討 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2.適正な学校規模の設定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3.学校の適正配置に向けた取り組み ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第4
2
3
4
6
6
6
学校規模の適正化と適正配置の必要性
1.帯広市の学校教育 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2.学校規模の適正化と適正配置の必要性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第3
1
14
15
15
16
16
17
18
18
これからの学校施設整備について
1.適正規模の確保 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2.良質な教育環境の提供と開かれた学校づくり ・・・・・・・・・・・・・・・
3.新たな学校施設整備手法の導入 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4.学校施設の有効活用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
19
19
19
19
第6 今後の進め方
1.基本方針の策定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2.適正配置の推進に向けた取り組み ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
資
料
20
20
はじめに
全国的に少子高齢化が進む中で、本市においても小学校では昭和 58 年度以降、中学校では昭
和 62 年度以降、児童生徒数の減少が続いている。本市では昭和 40 年代の後半から 50 年代の児
童生徒急増期に集中して学校施設を新築・改築し、その後も新たな宅地開発等に伴って小中学校
の分離新設を行ってきた。しかしながら、近年、少子高齢化の進展や新たな宅地開発による市内
の人口移動等によって学齢期の子供の地域的な減少や集中が生じており、このため、多くの学校
では学級数が減少したことによる学校の小規模化が進展している一方で、一部地域においては学
校の大規模化も生じている。
このような学校の小規模化や大規模化の進展は、子供たちに対して教育面や生活面で様々な影
響を与えていると思われる。また、学校運営の面においても、教職員の職務分担や研修活動に対
しても大きな影響を与えていると考えられる。
一方において、地方財政を取り巻く環境は、国の三位一体改革に示されるように地方の自己決
定と自己責任のもとに自立した財政運営が求められており、教育の面においてもこれまでのよう
な国の補助金を当てにした施設建設から大きく方向転換しようとしている中で、現状規模のまま
同じ学校数を維持していくことは将来に大きな財政負担を残すことになる可能性がある。
この報告書は、以上のような状況の変化を踏まえ、学校がもつ教育力が最大限に発揮され、子
供たちが健やかにはぐくまれる教育環境の整備を最優先としながらも、施設整備や維持運営経費
など財政的な視点も加え、帯広市立小中学校の望ましい教育環境の整備について、帯広市教育委
員会の事務部局における内部検討結果を取りまとめたものである。
なお、本報告書は現行の教育制度を前提として検討したものであり、今後、国においては、少
人数学級、教育課程や学習指導方法の改善などを含め、義務教育制度そのものの改革が打ち出さ
れてくることが予想されることから、こうした動向にも十分留意しながら整合性のある対応を図
っていかなければならない。
第1
市内小中学校の現状と課題
1.児童生徒数の推移
⑴児童生徒数、学級数の推移
昭和 50 年度以降の児童生徒数の推移を見ると、小学校児童数は、昭和 58 年度の 15,960 人を
最高に、その後徐々に減少を続け、平成 16 年 5 月 1 日現在では 10,064 人とピーク時の 63%に
まで減少している。学級数についても昭和 58 年度の 418 学級(特殊学級を除く)を最高に、そ
の後減少に転じ、平成 16 年 5 月 1 日現在では 327 学級となっている。
中学校生徒数は、昭和 62 年度の 8,144 人を最高に、その後平成 9 年度に若干増加したものの
徐々に減少を続け、平成 16 年 5 月 1 日現在では 5,314 人とピーク時の 65%にまで減少している。
学級数についても、平成元年度の 206 学級(特殊学級を除く)を最高に、その後減少に転じ、平
成 16 年 5 月 1 日現在では 158 学級となっている。
児童・生徒数の及び学級数の推移
学級
600
人
17,000
S58
15,960人
16,000
推計
実数
550
15,000
500
14,000
13,000
S58
418学級
450
H16現在
H22推計
400
11,000
10,064人
9,475人
350
S62
8,144人
315学級
250
10,000
9,000
327学級
300
12,000
8,000
7,000
H1
206学級
5,314人
200
4,980人
6,000
5,000
150
4,000
158学級
151学級
3,000
100
2,000
50
1,000
0
0
S50 S51 S52 S53 S54 S55 S56 S57 S58 S59 S60 S61 S62 S63 H1 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22
小学校学級数
中学校学級数
小学校児童数
中学校生徒数
⑵児童生徒数、学級数の今後の推計
平成 16 年 5 月 1 日現在の住民基本台帳をもとに、現在 0 歳児である新生児が小学校に入学す
る平成 22 年度までの 6 年間について推計した。
小学校児童数は 9,475 人となり平成 16 年度に対して 589 人の減少、また、学級数は 315 学級
となり 12 学級が減少する見込みである。
また、中学校生徒数では 4,980 人となり平成 16 年度に対して 334 人の減少、また、学級数で
は 151 学級となり 7 学級の減となる見込みである。
なお、1学級当りの児童生徒数については、現行制度の 40 人(小学校第 1 学年は 35 人)を前
提として推計した。
2.学校数の推移
市内小中学校数の推移を見ると、昭和 50 年度時点では小学校 23 校、中学校 15 校であったが、
昭和 54 年度から昭和 55 年度にかけて農村地区の小規模小中学校を統合し、小学校 20 校、中学
校 14 校となった。その後、市内の宅地開発による人口増に併せて小中学校の分離新設を行い、
特に昭和 60 年度以降では西帯広地区、新西帯広地区の両土地区画整理事業により小学校 4 校、
中学校 1 校が新設され現在にいたっている。
小中学校数の推移
市内小中学校数の推移
校
30
25
20
10
5
農村部小中学校
の統廃合
15
啓西土地区画
整理事業
(S48∼S55)
西帯広
土地区画整理事業
(S59∼H4)
自由ヶ丘
土地区画整理事業
(S58∼H3)
新西帯広
土地区画整理事業
(H3∼H12)
0
S50 S52 S54 S56 S58 S60 S62
小学校
【新設校】
○小学校
昭和 54 年度
昭和 57 年度
昭和 58 年度
昭和 60 年度
平成 2 年度
平成 3 年度
平成 11 年度
○中学校
昭和 53 年度
平成 4 年度
広陽小学校
花園小学校
啓北小学校
開西小学校
明和小学校
森の里小学校
つつじが丘小学校
西陵中学校
緑園中学校
H1
H3
H5
中学校
H7
H9
H11 H13 H15
年度
【統廃合校】
○小学校
昭和 54 年度 別府小学校
富士小学校
上帯広小学校
昭和 55 年度 岩内小学校
○中学校
昭和 54 年度 上帯広中学校
昭和 55 年度 岩内中学校
3.学校規模の状況
⑴学校規模の現状
平成 16 年 5 月 1 日現在の状況を見ると、小学校では、17 校が 12∼18 学級の範囲内にあるが、
市街地小学校では帯広小学校、東小学校、花園小学校の 3 校が 12 学級を下回っており、また、
農村地区では清川小学校、広野小学校、愛国小学校の 3 校で複式学級が生じている。一方、近年
通学区域内で宅地開発が行われた稲田小学校では 25 学級と大規模化している。
中学校でも同様に、ほとんどの学校が 12∼18 学級の範囲内にあるが、市街地中学校では第三
中学校、第六中学校及び大空中学校の 3 校が 12 学級を下回っており、農村地区の学校では 4 校
全てが 5 学級を下回っている。
市街地小中学校における児童生徒数、学級数の学校間格差は、小学校で児童数が 4.6 倍、学級
数が 3.6 倍、中学校で生徒数が 2.3 倍、学級数が 2.0 倍となっており、特に小学校において大き
な格差が生じている。
学校間における規模格差の比較
小
学
校
中
学
校
児童数
学級数
生徒数
学級数
帯広小学校 190人 帯広小学校 7学級 第六中学校 282人 第六中学校 9学級
稲田小学校 878人 稲田小学校 25学級 緑園中学校 652人 第八中学校 18学級
688人
18学級
370人
9学級
4.6倍
3.6倍
2.3倍
2.0倍
5月1日現在
⑵学校規模の今後の推計
各学校の平成 22 年度における学校規模について、平成 16 年 5 月 1 日現在の住民基本台帳にも
とづき推計した結果は次頁の表のとおりである。なお、1 学級の児童生徒数は、現行制度に基づ
き小学校 1 年生のみ 35 人で、その他は 40 人で推計した。
小学校では、平成 16 年度と同様に 17 校が 12∼18 学級の範囲内に入っているが、一部で小規
模校との入れ替わりがあり、帯広小学校、花園小学校ではアパート・マンション等の増加や若年
世帯の増加などにより学級数が増加し、12 学級にまで増加している。一方、住宅建設が落ち着
いた西帯広地区の 4 小学校では大幅に学級数が減少し、開西小学校、森の里小学校では 12 学級
を下回る見込みとなった。
中学校では、現状と同様に市街地中学校では第三中学校、第六中学校及び大空中学校の 3 校が
12 学級を下回っているほか、西帯広地区の緑園中学校でも学級数が減少する見込みである。ま
た、農村地区の八千代中学校では複式学級が生じる見込みとなっている。
市街地小中学校の 1 校当り平均学級数を平成 16 年度と平成 22 年度で比べると、小学校では
14.4 学級から 13.8 学級に、また、中学校では 13.2 学級から 12.7 学級へといずれも小規模化が
進行していくことが伺える。
なお、本推計では平成 16 年 5 月 1 日現在の住民基本台帳をもとに推計しているため反映され
ていないが、現在、豊成小学校の通学区域内では大規模宅地造成が行われており、分譲予定区画
数から推計した発生児童数を加えた場合の豊成小学校の児童数・学級数推計は次のとおりである。
宅地開発の影響を加味した豊成小学校の児童数・学級数の将来推計
区 分
児童数(人)
学級数(学級)
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
…
H27
(最大時)
384
435
447
474
507
557
649
…
790
12
14
13
16
15
19
20
…
24
平 成 16年 度 規 模 別 学 校 数 及 び 学 級 数
※ 5月 1日 現 在
5学 級 以 下
【
小
規
清 川 ( 5 )
広 野 ( 4 )
愛 国 ( 3 )
小
6∼ 11
模
校
】
帯 広 ( 7 )
東 (1 0 )
花 園 (1 0 )
川 西 ( 6 )
大 正 ( 6 )
学
校
中
3校
第 七 ( 4 )
川 西 ( 3 )
清 川 ( 3 )
八 千 代 ( 3 )
5校
第 三 (1 0 )
第 六 ( 9 )
大 空 ( 9 )
学
校
注
12∼ 18
【
適
正
規
西 (1 3 )
柏 (1 3 )
明 星 (1 2 )
緑 丘 (1 8 )
北 栄 (1 3 )
光 南 (1 4 )
啓 西 (1 7 )
豊 成 (1 2 )
大 空 (1 7 )
栄 (1 6 )
若 葉 (1 7 )
広 陽 (1 3 )
啓 北 (1 4 )
開 西 (1 2 )
明 和 (1 6 )
森 の 里 (1 7 )
つ つ じ が 丘 (1 7 )
第
第
第
第
第
南
西
緑
19∼ 24
模
校
】
17校
一 (1 4 )
二 (1 2 )
四 (1 5 )
五 (1 2 )
八 (1 8 )
町 (1 4 )
陵 (1 5 )
園 (1 7 )
25学 級 以 上
【 大 規 模 校 】
稲 田 (2 5 )
1校
4校
3校
8校
1.特 殊 学 級 を 除 く。
2 . 適 正 規 模 校 ∼ 学 校 教 育 法 施 行 規 則 第 1 7 条 (第 5 5 条 )
義 務 教 育 諸 学 校 施 設 費 国 庫 負 担 法 施 行 令 第 3条
平 成 22年 度 規 模 別 学 校 数 及 び 学 級 数 の 推 計
5学 級 以 下
【
小
規
広 野 (4→ 4)
愛 国 (3→ 4)
小
6∼ 11
模
校
】
東 ( 10→ 1 1 )
開 西 ( 12→ 1 0 )
森 の 里 ( 17→ 1 0 )
川 西 ( 6→ 6 )
清 川 ( 5→ 6 )
大 正 ( 6→ 6 )
学
校
12∼ 18
19∼ 24
【 適
正
規
模
校
】
帯 広 ( 7→ 1 2 )
緑 丘 ( 18→ 1 9 )
西 ( 13→ 1 2 )
柏 ( 13→ 1 6 )
明 星 ( 12→ 1 2 )
北 栄 ( 13→ 1 4 )
光 南 ( 14→ 1 3 )
啓 西 ( 17→ 1 5 )
豊 成 ( 12→ 1 2 )
大 空 ( 17→ 1 4 )
栄 ( 16→ 1 6 )
若 葉 ( 17→ 1 5 )
広 陽 ( 13→ 1 4 )
花 園 ( 10→ 1 2 )
啓 北 ( 14→ 1 3 )
明 和 ( 16→ 1 2 )
25学 級 以 上
【 大 規 模 校 】
稲 田 ( 25→ 2 5 )
つ つ じ が 丘 (17→ 12)
中
学
校
注
2校
第 七 (4→ 3)
川 西 (3→ 3)
清 川 (3→ 3)
八 千 代 ( 3→ 2 )
6校
第 三 ( 10→ 1 0 )
第 六 ( 9→ 7 )
大 空 ( 9→ 9 )
16校
第 一 ( 14→ 1 6 )
第 二 ( 12→ 1 4 )
第 四 ( 15→ 1 3 )
第 五 ( 12→ 1 2 )
第 八 ( 18→ 1 7 )
南 町 ( 14→ 1 6 )
西 陵 ( 15→ 1 3 )
緑 園 ( 17→ 1 3 )
1校
1校
4校
3校
8校
1.特 殊 学 級 を 除 く。
2 . 適 正 規 模 校 ∼ 学 校 教 育 法 施 行 規 則 第 1 7 条 (第 5 5 条 )
義 務 教 育 諸 学 校 施 設 費 国 庫 負 担 法 施 行 令 第 3条
3.小 学 校 は 、1年 生 の み 、複 数 学 級 で 35人 を 上 回 る 場 合 、35人 学 級 で 推 計 して い る 。
(参考)国の標準規模・適正規模に関する考え方
小学校及び中学校 12∼18 学級(ただし、5 学級以下の学校を統合する場合は 24 学級以下)
※学校教育法施行規則では「標準」、義務教育諸学校国庫負担法施行令では「適正な規模」とされてい
る。
4.学校の小規模化・大規模化に伴うメリット・デメリット
小規模校・大規模校にはそれぞれにメリットがある反面、デメリットも多く、総体的にみると
一定規模を超えて小規模化や大規模化した場合にはデメリットとしての影響のほうが大きいと思
われる。
学校規模による影響は主に学習・生活面からの視点、教職員の研修・研究活動面からの視点、
学校運営面からの視点に区分されると考えられる。
小規模校においては児童生徒一人ひとりの個性や特性に応じた丁寧な指導ができるなどのメリ
ットがある反面、考え方の積み上げによる集団思考が活発になりづらい、人間関係が固定化・序
列化しやすくいじめなどの影響が後年時まで残ることが多い、学年や教科で複数の教職員がいな
いため教職員間での研究・研修機会が少ないなどのデメリットがあげられる。
また、大規模校においては、多様なクラス替えにより新たな価値観や人間関係の形成に寄与し、
学習意欲や競争心を活発にするとともに学校行事などにも活気が出るというメリットがある反面、
児童生徒間で学校としての一体感を保ちづらい、施設利用面での制限が生じるなどのデメリット
があげられる。
5.通学区域の状況
本市の通学区域は、市街地の小中学校において、小学校で概ね 2km 以内、中学校で概ね 4km 以
内を標準としている。しかし、実際には多くの小学校で半径 1km 以内に、中学校では半径 2km 以
内に通学区域の大半が入り、中には半径 1km 区域の大部分が重なる学校が生じているなど、学校
数の増加によって通学区域が小規模化している状況にある。
また、新たな橋の敷設や鉄道高架の開通など地理的環境の変化、小中学校間の通学区域や町内
会区域との不整合なども一部に生じており、指定校以外への通学を希望する声も聞かれる。
現行の通学区域制度は、あらかじめ通学区域を設定し、住所によって就学すべき学校を指定す
ることによって適正な学校規模と教育の機会均等を図っているものである。したがって、学校規
模及び配置の適正化について検討を行うに当たっては、通学区域の見直しについても一体的に検
討する必要がある。
(参考)国の通学距離の考え方
○義務教育諸学校国庫負担法施行令第 3 条
「通学距離が、小学校にあってはおおむね4km以内、中学校にあって
はおおむね6km以内であること。」
6.学校施設の整備と維持運営の状況
市内小中学校における校舎・屋体の非木造建物の総面積は、平成 16 年 5 月 1 日現在で約 23 万
㎡となっている。このうち、老朽化などにより大規模な改造工事の検討が必要とされる建築後
20 年以上経過した建物が全体の約 63%を占めており、また、構造耐力の低下などにより改築の
検討が必要とされる建築後 30 年以上経過した建物が全体の約 19%を占める状況にある。
さらに、昭和 40 年代後半から 50 年代にかけての児童生徒急増期に集中的に建設された建物の
老朽化も進んでおり、これら建物の耐震補強や改築・改修等を計画的に推進していくことが重要
な課題となっている。
しかしながら、地方自治体の財政を取り巻く状況は、国の三位一体改革に示されるように地方
への税源移譲と合わせた補助金の削減など地方財政の自立が求められており、これまでのような
国の補助金に依存した施設整備は望みづらい状況となってきている。
また、参考として、小学校の維持運営に要する経費について試算してみると、道が支出する教
職員等の人件費を含め、1 校当り平均 2 億 4 千万円となっている。個々の経費についてみると、
学校管理経費や教職員の人件費は学級数に比例して増加している。また、学校建設に係る事業費
については、各学級数による標準的規模の校舎・屋体の建設に要する額としたので、学級数に応
じて増加している。その一方で、児童一人当たりに係る経費は、全小学校の平均を 100%とした
場合、学校規模が大きくなるほど逆に小さくyなっていくことがわかる。
したがって、適正な学校規模の検討に当たっては、教育面における機能・効果を最優先としな
がらも、一方においては、施設整備や維持運営の面においても最大限に効果が発揮されるような
学校の配置計画や整備手法について十分に検討する必要があると考えられる。
学校施設の維持運営、整備に要する経費(小学校)
学級数
学校管理経費 学校建設経費 教員等人件費
対平均
計
(児童一人当たり)
6
2,590万円
3,841万円
9,384万円 1億5,815万円
135.5%
12
3,147万円
5,916万円 1億4,503万円 2億3,566万円
101.3%
18
3,455万円
7,317万円 2億475万円 3億1,247万円
87.2%
26
3,709万円
9,375万円 2億9,006万円 4億2,090万円
76.6%
平 均
2,933万円
6,150万円 1億5,356万円 2億4,439万円
100.0%
※学校管理経費は、平成15年度決算数値に基づき、市人件費を含めた各学級規模校の平均額を算出した
※学校建設経費は、各学級の標準的校舎・屋体の建設費を起債償還年数である25年で割ったものである。
※道人件費は、平均給与費をもとに算出した。特殊学級分など特殊要因を除いている。
※「対平均」とは、児童一人当りの経費を全小学校の平均と比較した割合である。
市内小中学校非木造建築物の経年別保有面積(校舎・屋体の計)
平成16年5月1日現在
保有面積
(単位:㎡)
60,000
59,392
49,572
50,000
40,000
37,044
32,181
30,000
19,960
20,000
17,329
10,000
727
8,704
1,245
4,602
0
経 年
建築年
割 合
45∼49年 40∼44年 35∼39年 30∼34年 25∼29年 20∼24年 15∼19年
S30∼S34 S35∼S39 S40∼S44 S45∼S49 S50∼S54 S55∼S59 S60∼H1
0.3%
0.5%
2.0%
16.1%
25.7%
昭和57年の新耐震基準設定以前建築建物の割合
21.5%
55.6%
8.6%
10∼14年
H2∼H6
13.9%
5∼9年
H7∼H11
7.5%
0∼4年
H12∼H16
3.9%
第2
学校規模の適正化と適正配置の必要性
1.帯広市の学校教育
21 世紀を迎えたいま、わが国が真に成熟した国として発展していくためには、新世紀にふさ
わしい教育のあり方を見据え、新しい時代を切り拓く、心豊かでたくましい人の育成をめざして
教育改革を推進していくことが重要である。
これまでの知識・技能重視から自主的判断能力の重視への変化や、完全学校週五日制の導入に
よるゆとり教育の拡大など、子供たちを取り巻く環境は大きく変化してきている。本市において
も、子供たちが問題解決や探究活動に主体的・創造的に取り組む「生きる力」をはぐくむとともに、
命の大切さを知る心の教育、国際化や環境問題などの社会の変化に対応した教育の充実など、心
豊かでたくましい子供の育成が強く求められている。
各学校においては、「帯広市学校教育指導の重点」をもとに、日常の教育活動の中で上記教育
目標の具現化が図られている。
「帯広市学校教育指導の重点」
○特色ある教育を展開し、生きる力をはぐくむ開かれた学校経営の推進
○基礎・基本の確実な定着を図り、自ら学び自ら考える力を育てる指導の充実
○人間的な触れ合いを重視し、豊かな人間性や社会性を育てる指導の充実
○自他の生命を重視し、心身の調和的な発達を図る体育・健康に関する指導の充実
2.学校規模の適正化と適正配置の必要性
児童生徒は、生まれ育った環境・生活習慣などにより、ものの見方・感じ方・考え方に大きな
影響を受ける。特に、学校での集団生活の中で、協力や対立、共感や反発などの様々な人間関係
を体験し、学ぶことで社会性や集団性を培い、成長を遂げていくものである。
豊かな感性とたくましい行動力を培い、お互いのよさを認め合いながら、進んで自己の課題に
取り組む精神を育んでいくためには、児童生徒同士が学び合い、高め合うなど切磋琢磨すること
が重要であり、様々な考えや体験をもっている友達との出会いが大切である。このため、学校で
の学習・生活集団もこれにふさわしい規模を備えていることが必要である。
例えば、小規模校には学校全体が一つの家庭となり、行き届いた個別指導が行えるなどのメリ
ットがある。しかし、学校が一定規模の集団を確保することによって、児童生徒が相互に刺激し
合い、切磋琢磨するためのよりよい環境を整えることができるとともに、教師にとっても生き生
きとした教育活動を展開することができる。また、こうした中で、規範意識や良好な人間関係を
築くための力が身につく。
逆に、大規模な学校になりすぎても、きめ細かな教育や個性を重視する教育を推進するうえで
の支障となる恐れもある。
このように、学校規模の大小についてはそれぞれに問題があると同時に、学校規模格差の拡大
によっては、各学校における教育環境の水準にも格差を生じる懸念がある。
したがって、次代を担う子供たちに教育の機会均等を実現し、教育水準の維持向上をはかるた
めには一定の学校規模を確保することが大切であり、これに向けた学校の適正配置に取り組む必
要がある。
第3
適正規模及び適正配置についての基本的考え方
1.小中学校の適正規模についての検討
⑴1 学級の児童生徒数
1 学級当りの児童生徒数は「公立義務教育諸学校の学級編成及び教職員定数の標準に関する法
律」第 3 条第 2 項、第 3 項により 40 人を標準としているが、より綿密な教育指導が可能である
との観点から少人数学級の必要性について種々論議がなされている。今回の適正規模の検討に当
たっては、現行制度である 40 人学級の編成基準のもとで、実態として現状程度の学級人数を維
持することを前提とする。
⑵適正規模設定に当たっての基本的考え方
適正な学校規模について検討するに当たっては、次の三つの視点から整理することとした。
【学校規模検討の三つの視点】
1.児童生徒の指導・育成環境の充実
2.教職員の研修・研究活動の充実
3.学校運営面での充実
①児童生徒の指導・育成環境の充実
ア
児童生徒が個性を発揮し、主体性や社会性を身につけていくためには、多様な価値観を持つ
仲間とふれあえる適切な学校規模が望ましい。
イ
単学級によるさまざまな弊害を除くため、適切なクラス替えが可能となり、また、総合的な
学習等における課題別の活動や特別活動、さらには運動会等の各種行事の充実を図るためには、
各学年とも 2 学級以上であることが望ましいと考えられる。
ウ
教職員が児童生徒一人ひとりの個性や特性を把握し、これに応じた教育・指導が可能である
とともに、児童生徒間においても、教師や学年の顔が認識でき集団への帰属意識や連帯感が持
てる学校規模であることが望ましい。学年規模としてとらえた場合、小学校と中学校では子供
の発育段階や担任制度の違いに応じて適正な規模の範囲も異なるが、小学校では 1 学年当り 4
学級以下、中学校では 1 学年当り 6 学級以下が適当と考えられる。特に中学校においては、教
科担任制であるため一人の教員が把握できる範囲におのずと限度があることや、生活指導や進
路指導など生徒指導面での比重が小学校に比べて大きいことを考慮すると、1 校当りの適正な
学校規模は小学校よりも小さくならざるをえない。
②教職員の研修・研究活動の充実
ア
小学校では、同学年に関する学級運営や教科指導の面で相互に研究・研修活動が可能となり、
教職員の能力向上が図られるうえで各学年とも 2 学級以上あることが望ましい。
イ
中学校においては、各教職員は担当教科ごとの授業となることから、指導時間数の多い教科
に複数の教職員がいることによって互いに研究・研修活動を行うことができ、能力向上を図る
ことが可能となるため、全学校で 12 学級以上であることが望ましい。また、18 学級では指導
時間数の多い教科で 3 名配置でき、各学年に 1 名配置することが可能となることから、教科担
任上においても好ましい体制をとることができる。
③学校運営面での充実
ア
個々の教職員の学年事務や校務分担が適切に配分され、かつ、緊急事態や学級経営上の問題
が生じた場合などへの支援体制が適切に取れるためには、小学校では各学年に、また、中学校
では指導時間数の多い教科で複数の教職員配置が可能な 12 学級以上であることが望ましい。
イ
特別教室や体育館、プールなどの施設利用が効率的に行われ、授業時間を適切に割り当てる
ことが可能な学校規模であることが望ましく、学級ごとの教科・科目の時間配当を考慮すると、
小学校では学年数が多いため 4 学級以下、中学校では 6 学級以下が適正と考えられる。
ウ
教職員が学校の教育目標や諸課題を共通理解し、学年運営等の面においても意思疎通が迅速
に行われ効果的な取組みがしやすい範囲の教職員数となる学校規模であることが望ましい。
2.適正な学校規模の設定
上記の三つの視点からの検討をもとに、児童生徒が様々な人間関係を通して互いに高め合い、
かつ、教職員の能力向上や施設利用の面においても良好な教育環境を提供するためには、1 学年
当りもしくは 1 学校当りの学級数が次の範囲内にあることが望ましいと考えられる。
【適正な学校規模】
小学校
中学校
1学年
2∼4 学級
4∼6 学級
1学校
12∼24 学級
12∼18 学級
また、上記の範囲内にある小中学校のうちにおいても、三つの視点を総合的に判断し、最も効
果的で良質な教育環境の提供が可能と思われる「理想的な学校規模」としては、次のように考え
られる。
【理想的な学校規模】
小学校
中学校
1学年
3 学級
5 学級
1学校
18 学級
15 学級
3.学校の適正配置に向けた取り組み
市内小中学校の適正配置を進めるに当たっては、市内各地域の人口動態などに配慮しつつ将来
の児童生徒数の的確な見通しの上にたって、一時的な学級数の増減にとらわれず長期的にも適正
規模の範囲外となる見込みの学校について、以下の諸事項について十分に検討を行い、緊急性の
高い学校から順次取り組んでいくことが必要であると考えられる。
⑴適正規模の確保
現時点において適正規模の範囲外にあり、かつ、将来にわたっても適正規模を確保することが
困難と見込まれる小中学校については速やかに適正規模確保に向けた検討を行なう必要があると
考えられる。
このための具体的方策として「通学区域の見直し」と「学校の統廃合」が考えられるが、検討
の手順としては、第一に隣接校との通学区域の見直しについて検討を行い、次に通学区域の見直
しだけでは安定的に適正規模が確保されない場合、学校の統廃合について検討を行うことが望ま
しいと考えられる。
⑵学校施設整備との整合性
校舎・体育館等の施設整備には多大な投資を伴い、かつ、いったん整備された施設は長期に渡
って使用されることを考えると、施設の改築後においては、教育面においても、また、施設整備
や維持運営面からも最も効果的な学校規模が安定的に維持されることが望ましい。
したがって、現状において適正な学校規模の範囲内にあったとしても、学校の中心施設である
校舎の改築時期が到来した段階においては、改築後において「理想的な学校規模」が安定的に確
保できるよう、校舎の改築計画と整合性を持った通学区域の見直しや統廃合など理想的な学校規
模の確保に向けた検討を行うことが望ましいと考えられる。
⑶通学区域の見直し
小中学校の適正配置に伴い通学区域の見直しを行う場合には、次の点についても併せて検討す
ることが必要と考えられる。
①通学距離の基準
通学距離については、本市の冬季の気象条件や交通事情などを考慮し、小学校においては片道
おおむね2km 以内、中学校では片道おおむね4km 以内を標準とすることが望ましい。
②適正な通学区域の設定
通学区域の見直しに当たっては、小中学校間の通学区域や町内会など地域コミュニティとの整
合性について配慮する必要があると考えられる。
③通学路の安全性の確保
今日の車社会の中で、通学時における児童生徒の安全性の確保は極めて重要な問題であり、幹
線道路や河川、鉄道など通学路の交通環境を十分見極めたうえで通学区域を設定するとともに、
必要に応じて信号機や横断歩道等の新たな設置を行うなど通学環境の改善が必要であると考えら
れる。
④通学区域の弾力化
現行の指定通学区域制度を維持しつつも、個別の事情に柔軟に対応するための区域外通学許可
の適用範囲の見直しのほか、農村地区における特色ある学校づくりとの関連で通学区域外からの
通学が可能な特認校制度などについて検討する必要があると考えられる。
⑷農村地区小中学校における特色ある学校づくり
農村地区の小中学校は通学区域が広範囲に及び、スクールバスなどの交通手段を用いても通学
時間がかかることから、市街地の学校と同じ基準での適正配置を考えることはできず、適正規模
である 12 学級∼24 学級を確保することは非常に困難な状況にある。
しかしながら、農村地区の小中学校は、豊かな自然環境にめぐまれ、少人数による児童生徒一
人一人に目の行き届いた対応が可能であるなど、農村地域にある小規模学校が持つ特色を十分に
活かした特色ある学校づくりを進めることにより、小規模校のデメリットを補うことは十分に可
能であると考えられる。
したがって、農村地区においては複式学級の解消を最優先課題とし、併せて下記の事項に取り
組むことによって、小規模校であっても児童生徒によりよい教育環境を提供するよう努める必要
があると考えられる。
①小規模校のメリットを活かした学校づくり
児童生徒一人ひとりの個性や特性に応じた綿密な指導に重点をおくとともに、農村地区の資源
を活かした体験学習や地域との一体的な学校づくり、さらには行事等における学年間を通した学
校全体が一つとなった取り組みを行うなど農村地区・小規模校のメリットを最大限に活かした学
校づくりを行う。
②特認校制度(※1)の導入
農村地域の小中学校への通学区域外からの通学が可能な特認校制度の導入により、固定化しが
ちな人間関係や価値観に刺激を与えることが可能となる。
※1
特認校制度
一般的に自然環境にめぐまれた小規模の学校等で、心身の健康増進を図り、豊かな人間性を培うなどを狙いと
した特色ある教育を進めるもので、一定の条件のもとに、通学区域に関わりなく入学・転学を認める制度。
③市街地の学校との定期的な交流
市街地の学校と定期的に交流授業や行事等を行うことにより、新たな人間関係の構築やものの
見方・価値観などに触れることができる。
第4
小中学校の適正規模及び適正配置の方向性
市内小中学校の適正規模の確保及び適正配置について検討するに当たり、第五期帯広市総合計
画における地区区分及び中学校の通学区域を参考として、市内を次の 7 地区に分け、地区毎に学
校規模の現状及び将来の方向性についての検討結果を示すこととする。
地 区
東地区
名
帯広小学校
小 学 校
東小学校
柏小学校
第三中学校
鉄南地区
光南小学校
明星小学校
花園小学校
第四中学校
川北地区
啓北小学校
栄小学校
北栄小学校
第一中学校
西地区
啓西小学校 広陽小学校 明和小学校
緑丘小学校 若葉小学校
第五中学校
第八中学校
西帯広地区
西小学校 開西小学校
つつじが丘小学校
第二中学校
緑園中学校
南地区
豊成小学校
南町中学校
大空中学校
農村地区
川西小学校 清川小学校 広野小学校
大正小学校 愛国小学校
稲田小学校
森の里小学校
大空小学校
中 学 校
第六中学校
第七中学校 川西中学校
八千代中学校
西陵中学校
清川中学校
1.東地区
学校名
帯広
小
柏
学
東
校
計
中 第三
学 第六
校 計
校 舎
建設年
学 級 数 (単位:学級)
児 童 生 徒 数 (単位:人)
H17 H18 H19 H20 H21 H22 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22
7
8
9
10
11
11
12 190 202 226 245 266 272 307
13
14
15
15
15
16
16 478 480 479 475 485 496 486
10
10
10
9
10
10
11 254 260 263 255 271 278 296
30
32
34
34
36
37
39 922 942 968 975 1,022 1,046 1,089
10
9
9
9
9
9
10 373 331 328 333 331 338 344
9
9
9
8
7
7
7 282 273 263 257 243 234 228
19
18
18
17
16
16
17 655 604 591 590 574 572 572
H16
S46
S53
S54
S53
H5
-
⑴小学校(3 校)
本地区は歴史が古く、世帯年齢の高齢化によって児童数が減少したため、比較的小規模な学校
が近接して設置されている。現在、適正規模を下回っている学校は、帯広小学校、東小学校の 2
校であるが、今後、帯広小学校では再び適正規模まで学級数が増加するなど地区全体では児童数
が増加する見通しであることから、当面の間は現状の学校数を維持しつつ、今後の推移を十分に
見極めたうえで対応する必要がある。
⑵中学校(2 校)
現在、第三中学校、第六中学校ともに適正規模を下回っている。今後の生徒数の推計によって
も適正規模に達することが困難な状況となっており、隣接する中学校でも通学区域の編入可能な
大規模校は存在しない中で、今後適正な学校規模を確保するためには、両校の統合を視野に入れ
て検討する必要があると考えられる。
2.鉄南地区
学校名
明星
小
光南
学
花園
校
計
中
第四
学
計
校
校 舎
建設年
S53
S59
S56
S56
-
学 級 数 (単位:学級)
児 童 生 徒 数 (単位:人)
H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22
12
12
13
12
12
13
12 435 408 406 417 413 415 422
14
14
14
13
14
13
13 461 450 432 417 418 417 417
10
10
10
11
12
12
12 288 287 287 302 320 313 312
36
36
37
36
38
38
37 1,184 1,145 1,125 1,136 1,151 1,145 1,151
15
14
14
13
13
13
13 493 479 479 453 452 454 455
15
14
14
13
13
13
13 493 479 479 453 452 454 455
⑴小学校(3 校)
現在、花園小学校が適正規模を下回っているが、将来的には 12 学級を確保する見通しである
ことから、当面の間は現状の学校数を維持しつつ、今後の推移を十分に見極めたうえで対応する
必要がある。
⑵中学校(1 校)
本地区には、中学校は第四中学校 1 校のみであるが、将来的にみると生徒数は減少傾向にある
ことから、今後の推移を十分に見極めたうえで隣接校との通学区域の見直し等について検討する
必要があると考えられる。
3.川北地区
学校名
北栄
小
栄
学
啓北
校
計
中
第一
学
計
校
校 舎
建設年
S53
S46
S57
H11
-
学 級 数 (単位:学級)
児 童 生 徒 数 (単位:人)
H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22
13
12
13
13
13
13
14 437 431 438 445 451 440 442
16
16
15
15
16
15
16 487 478 480 492 497 501 530
14
15
15
14
15
13
13 467 476 471 435 439 428 429
43
43
43
42
44
41
43 1,391 1,385 1,389 1,372 1,387 1,369 1,401
14
15
15
16
16
17
16 540 570 569 609 603 612 571
14
15
15
16
16
17
16 540 570 569 609 603 612 571
⑴小学校(3 校)
本地区は児童発生数が比較的安定しており、現状においてはいずれも適正規模の範囲内にある。
しかしながら、今後の推計によると児童数が減少傾向にある学校も存在することから、今後の推
移を十分に見極めたうえで対応する必要があると考えられる。
⑵中学校(1 校)
本地区には、中学校は第一中学校 1 校のみであるが、適正規模を維持しており、今後も当面の
間は適正規模を維持する見通しである。
4.西地区
学校名
緑丘
啓西
小
若葉
学
広陽
校
明和
計
第五
第八
西陵
計
校 舎
建設年
S53
H14
S47
S54
H2
H5
S48
S53
-
学 級 数 (単位:学級)
児 童 生 徒 数 (単位:人)
H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22
18
18
19
19
18
19
19 609 585 606 622 622 631 664
17
15
16
15
16
16
15 501 505 506 503 520 510 502
17
16
17
16
16
16
15 519 533 532 518 510 502 497
13
14
13
13
14
15
14 440 439 442 434 450 444 456
16
15
13
14
12
12
12 491 466 445 445 420 406 392
81
78
78
77
76
78
75 2,560 2,528 2,531 2,522 2,522 2,493 2,511
12
12
11
11
11
12
12 411 391 383 400 395 418 397
18
18
18
18
18
18
17 612 636 634 629 624 624 584
15
15
14
14
13
14
13 528 531 496 485 453 470 430
45
45
43
43
42
44
42 1,551 1,558 1,513 1,514 1,472 1,512 1,411
⑴小学校(5 校)
本地区においても児童発生数は比較的安定しており、現状においてはいずれも適正規模の範囲
内にある。しかしながら、明和小学校では児童数が大幅に減少する見通しにあることから、今後
の推移を十分に見極めたうえで対応する必要があると考えられる。
⑵中学校(3 校)
現状では各校とも適正規模の範囲内にあるが、将来的には生徒数が減少傾向にあり、適正規模
を下回る学校も生じる見通しであることから、今後の推移を十分に見極めたうえで対応する必要
があると考えられる。
5.西帯広地区
学校名
西
小 開西
学 森の里
校 つつじが丘
計
中 第二
学 緑園
校 計
校 舎
建設年
S52
S60
H3
H11
S53
H4
-
学 級 数 (単位:学級)
児 童 生 徒 数 (単位:人)
H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22
13
12
12
12
12
12
12 362 354 346 358 354 338 320
12
12
12
12
12
11
10 378 365 372 345 337 318 289
17
15
14
13
11
11
10 540 488 461 431 369 351 312
17
16
14
14
13
12
12 541 518 495 484 446 399 369
59
55
52
51
48
46
44 1,821 1,725 1,674 1,618 1,506 1,406 1,290
12
13
13
13
13
14
14 419 439 463 444 443 460 486
17
15
13
12
13
13
13 652 564 500 467 471 442 428
29
28
26
25
26
27
27 1,071 1,003 963 911 914 902 914
⑴小学校(4 校)
本地区は、近年の宅地開発による急激な児童数の増加に対応するために建設された比較的新し
い学校が存在する地区である。現状では適正規模を下回る学校は存在しないが、世帯の高齢化に
ともない学級数は年々減少の一途をたどる見通しとなっており、平成 20 年度以降では適正規模
を下回る学校が生じていることから、今後の推移を十分に見極めたうえで対応する必要があると
考えられる。
⑵中学校(2 校)
両校とも現状及び将来見通しともに適正規模の範囲内にあるが、将来的には第二中学校で生徒
数が増加傾向にあるものの緑園中学校では大幅に減少するため、地区全体としては生徒数が減少
する見通しであり、今後の推移を十分に見極めたうえで対応する必要があると考えられる。
6.南地区
学校名
稲田
小
豊成
学
大空
校
計
中 大空
学 南町
校 計
校 舎
建設年
S57
S44
S45
S48
S49
-
学 級 数 (単位:学級)
児 童 生 徒 数 (単位:人)
H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22
25
25
25
26
25
25
25 878 899 914 913 908 893 860
12
12
12
12
12
13
12 370 376 361 355 359 360 372
17
17
17
18
16
16
14 543 533 524 524 501 477 429
54
54
54
56
53
54
51 1,791 1,808 1,799 1,792 1,768 1,730 1,661
9
9
9
8
8
8
9 284 291 287 269 261 270 288
14
14
15
16
15
16
16 499 510 560 569 581 588 582
23
23
24
24
23
24
25 783 801 847 838 842 858 870
⑴小学校(3 校)
本地区は、郊外に位置することから通学区域が比較的広く設定されており、近年、宅地開発の
影響による児童数の増加が著しい地区である。
稲田小学校では適正規模を上回っているが、児童数は平成 18 年度をピークに減少傾向にある
ことから新たな宅地開発にともなう一時的な学級数の増と考えられるため、現状を維持しつつも
今後の推移に十分留意する必要がある。
また、豊成小学校の通学区域内においては、平成 16 年度から平成 23 年度までの計画で宅地開
発が進められており、販売予定区画数から推計される発生児童数によると、今後、大幅な児童数
の増加が見込まれるものの、児童数が最も多くなる平成 27 年度においても適正規模の範囲内に
あることから、宅地開発にともなう学校の分離新設は必要がないと考えられる。
以上により、本地区においては将来的にも現状の学校数を維持しつつも、大空小学校と他校と
の通学区域の調整が困難であることを考慮すると稲田小学校及び豊成小学校の 2 校に児童が集中
することとなり、将来的な施設整備時においては「理想的な学校規模」の確保について検討する
必要があると考えられる。
⑵中学校(2 校)
南町中学校では将来的にも適正規模の範囲内にある見通しであるが、今後、新たな宅地開発に
ともない生徒数の増加が見込まれていることから、今後の推移に十分留意する必要がある。
大空中学校では中心住宅街が市街地から離れており、かつ、既存世帯の高齢化も進んでいるこ
とから適正規模を下回っており、今後、さらに小規模化が進行する可能性がある。しかしながら、
地理的な条件により通学区域の見直し等による適正規模の確保は困難な状況にあるため、まちづ
くりの観点からの新たな人口誘導策や、1 中学校下 1 小学校という立地条件を活かした小中一貫
校(※2)の導入について検討するなど、特色ある学校づくりについても併せて取り組む必要が
あると考えられる。
※2
小中一貫校
小学校と中学校の垣根を取り去り、9 年間を見通し一貫したカリキュラムを編成・実施し、のびのびした学校生
活の中で子供の個性と能力の伸長を図ることを目的としたもので、教育課程だけでなく、施設整備や学校運営に
ついても一体的に行われた学校をいう。
7.農村地区
学校名
川西
清川
小
広野
学
大正
校
愛国
計
第七
中 川西
学 清川
校 八千代
計
校 舎
建設年
S53
H17
S49
S47
S56
S55
S55
S55
S60
-
学 級 数 (単位:学級)
児 童 生 徒 数 (単位:人)
H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22
6
6
6
6
6
6
6
86
90
95
99
96 104 107
5
6
6
6
6
6
6
56
59
61
56
56
53
50
4
5
4
4
4
4
4
38
35
29
31
28
34
33
6
6
6
6
6
6
6 186 176 167 172 164 158 153
3
3
4
4
4
3
4
29
27
30
28
26
26
29
24
26
26
26
26
25
26 395 387 382 386 370 375 372
4
4
3
3
3
3
3 120 124 115 114 112 107 105
3
3
3
3
3
3
3
56
56
50
42
41
37
41
3
3
3
3
3
3
3
23
19
22
29
31
33
28
3
3
3
3
3
2
2
22
19
31
26
25
12
13
13
13
12
12
12
11
11 221 218 218 211 209 189 187
⑴小学校(5 校)
清川、広野、愛国の 3 小学校では既に複式学級となっており、また、川西、大正の両小学校で
も単学級となっている。農村地区の学校といえども、一定の集団活動の中で多様な価値観に触れ
るとともに、互いに切磋琢磨する中から主体性や自主性、さらには社会性や協調性を身に付けて
いくことが必要である。したがって、農村地区においては、スクールバスによる通学時間等を考
慮しつつ複式学級の解消を最優先課題に取り組むとともに、小規模校のメリットを活かした特色
ある学校づくりについて取り組む必要があると考えられる。
⑵中学校(4 校)
各中学校とも単学級となっており、特に、川西、清川、八千代中学校の 3 校では 1 学級の生徒
数もきわめて少人数化している現状では学習活動や学校生活面での制約は大きいと考えられる。
したがって、スクールバスによる通学時間等を考慮しつつ、可能な限り 1 学級当りの生徒数の確
保に向けた学校の集約化を図る必要があると考えられる。
8.望ましい学校数についての試算
市街地の小中学校については「理想的な学校規模」を概ね確保することができ、また、農村地
区ではスクールバス等による集約化が可能な学校数を市内小中学校における望ましい学校数とし
て試算したところ、小学校では現在よりも 8 校減の 18 校、中学校では現在より 3 校減の 12 校で
あった。
望ましい学校数の試算に当たっては、平成 22 年度時点における児童生徒数の推計をもとに、
市街地小中学校では地区ごとに「理想的な学校規模」である小学校では 18 学級、中学校では 15
学級が概ね確保できる学校数について検討し、また、農村地区においては上記によらず、スクー
ルバスによる通学時間等を考慮して検討したものである。
なお、今回の望ましい学校数は、現時点において推計可能な将来の児童生徒数をもとに検討し
たものであり、今後、実現に向けた取り組みを進めるに際しては、社会状況の変化等に伴う児童
生徒数の推移を踏まえて適宜見直しを行う必要がある。
第5
これからの学校施設整備について
1.適正規模の確保
今後における校舎の改築に当たっては、児童生徒に対する教育面及び生活面等において良質な
環境を提供するとともに、施設整備や維持運営の面からも適切な学校規模を確保することを基本
とし、具体的には「理想的な学校規模」である小学校では 1 校当り 18 学級、中学校では 1 校当
り 15 学級を概ね確保できるよう、適正配置についても合わせて検討することが必要であると考
えられる。
2.良質な教育環境の提供と開かれた学校づくり
情報化社会の進展や地域社会への学校施設の開放など、学校を取り巻く環境や求められる役割
が時代とともに変化してきている。このような状況を踏まえ、児童生徒の学習及び生活の空間と
して安全で快適な教育環境を提供するとともに、多様な学習内容や学習形態、情報化の進展等に
対応した高機能かつ多機能な学習環境の整備を行う必要がある。また、市民にとって最も身近な
公共施設である学校の有効活用に対する市民要望も高まってきており、学校施設の複合化の検討
や学校開放に対応した施設整備についても進める必要がある。
3.新たな学校施設整備手法の導入
地方自治体の財政を取り巻く環境が非常に厳しさを増している状況の中で、今後、集中的にお
とづれるであろう校舎・屋体の改築需要に対応していくためには、これまでのような公共主体の
学校建設手法のみにとらわれることなく、民間資金を活用した PFI 方式(※3)の導入による校
舎の建設など広く検討する必要があると考えられる。
※3
PFI 方式
公共サービスを提供するための事業手法の一つで、従来公共部門が対応してきた公共施設等の設計、建
設、維持管理、運営等について、民間の資金やノウハウを活用するとともに、公共が負担していたリスク
を民間へ移転することなどにより、一定のコストのもとで最も高い公共サービスを提供する手法。
4.学校施設の有効活用
近年の児童生徒数に伴う学級数の減により、建設当初においては普通教室として整備された教
室が普通教室以外に転用されていたり、活用されないままとなっている学校が増加してきている。
学校施設は市民の貴重な財産であり、また、最も身近な公共施設でもあることから、このよう
ないわゆる余裕教室については、学校で活用すべきものとそれ以外のものについての基準を整備
し、学校で活用する以外の教室については地域の生涯学習やまちづくりの核としてひろく開放す
るなど有効活用を図ることが望ましいと考えられる。
第6
今後の進め方
1.基本方針の策定
小中学校の適正規模化及び適正配置は、学校教育現場はもとより地域住民の日常生活にも大き
く影響を及ぼすものであることから、今後、取り組みを行うに当たっては、帯広市教育委員会と
しての基本方針を策定し、広く市民の理解を得ながら進める必要がある。
また、基本方針の策定に当っては、検討段階から広く市民に情報を提供するとともに、それに
対して寄せられた意見等を十分に踏まえて取り組む必要がある。
⑴検討委員会による審議
基本方針の策定に先立ち、専門的見地や教育現場からの意見、さらには関係団体や市民を代表
する方々の意見を広く取り入れた論議を行うため、学識経験者や小中学校長、PTA等の関係団
体や市民代表者などからなる検討委員会を組織し、小中学校の適正規模及び適正配置の在り方に
ついて審議する。
⑵パブリックコメントの実施
基本方針の策定に当っては、パブリックコメント制度の活用により、市民に情報を提供し、広
く市民の意見と理解を得ながら進めることとする。
2.適正配置の推進に向けた取り組み
適正配置の実施に当たっては、それぞれの学校ごとに適正配置の緊急性や校舎の改築予定年度
が異なることから、一定の期間内に実現が可能な学校をひとまとめとし、緊急性の高い学校から
段階的に適正配置計画を策定して取り組むことが望ましいと考えられる。
また、適正配置計画の実施に当っては、学校ごとの個別課題や事前調整を行うため教職員や
PTA・地域代表を含めた協議組織を設置するとともに、大きな環境の変化に対する子供たちの心
理的な不安等に対処するため一定の準備期間の中で学校間の交流を行うなど、通学区域の変更や
統廃合による移行が円滑に進むよう配慮する必要があると考えられる。
帯広市教育委員会
所
属
学校教育部
総務課
学校教育部
役
部
職
長
名
迫
指導参事
久
門
好
行
部次長
松
島
勝
己
課
飯
田
加
藤
勝
博
長
哲
勇
係
長
宮
川
雅
詳
主
任
中
野
雅
弘
主
事
板
倉
智
幸
課
長
目
崎
達
雄
大久保
良
信
酒
井
隆
幸
課長補佐
教職員副主幹
学校教育指導室
氏
本
課長補佐
学校教育課
適正配置検討プロジェクト・メンバー
主
事
山
谷
恵
司
室
長
馬
渕
新
司
Fly UP