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本文ファイル - 長崎大学 学術研究成果リポジトリ

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本文ファイル - 長崎大学 学術研究成果リポジトリ
NAOSITE: Nagasaki University's Academic Output SITE
Title
大学生の恋愛傾向に関する研究
Author(s)
川口, 奈菜; 篠原, 昂太; 前田, 拓也; 松林, 朱音; 山下, 志緒里; 谷口, 弘
一
Citation
教育実践総合センター紀要, 14, pp.133-135; 2015
Issue Date
2015-03-20
URL
http://hdl.handle.net/10069/35565
Right
This document is downloaded at: 2017-03-30T03:37:58Z
http://naosite.lb.nagasaki-u.ac.jp
研究論文
大学生の恋愛傾向に関する研究 1)
川口奈菜(教育学研究科教職実践専攻)
篠原昂太(教育学研究科教職実践専攻)
前田拓也(教育学研究科教職実践専攻)
松林朱音(教育学研究科教職実践専攻)
山下志緒里(教育学研究科教職実践専攻)
谷口弘一(教育学部人開発達講座)
問題と目的
水 野 (2006)は,色彩理論 (Lee,1977)に基づく恋愛傾向測定尺度(松井ら, 1990)
を再構成し,その尺度を用いて,恋愛傾向の男女差や恋人の有無による恋愛傾向
の違いを検討した。色彩理論では,恋愛は以下の 6つのタイプに分類される。(1)
アガベ(お返しに自分を愛してくれることさえも求めない献身的な愛), (
2
)プラ
グマ(相手が自分の目的を満たせないと分かると恋愛をやめてしまう実利的な愛),
(
3
)ルダス(交際相手に執着せず嫉妬や独占欲を示さない遊びの愛), (
4
)マニア(自
分が愛されているかどうか何度も確認したくなる狂気的な愛), (
5
)エ ロ ス ( 相 手
の外見に強烈な反応を起こし,ロマンチックな考えや行動をとる耽美的な愛), (
6
)
ス ト ル ゲ ( 穏 や か で 友 愛 的 な 愛 ) の 6つである。
水 野 (2006) の 研 究 結 果 に よ る と , 男 子 は ア ガ ベ や エ ロ ス が 高 い の に 対 し , 女
子はプラグマが高い。また,恋人がいる人はストルゲが低く,恋人がいない人は
マ ニ ア と エ ロ ス が 低 く , 片 想 い の 人 は ア ガ ベ が 高 い 。 こ の 他 に , 豊 田 (2006) の
研究では,女子が男子よりもアガベが高いことが明らかになっている。
本研究では,これら先行研究の知見に基づき,長崎大学教育学部生を対象にし
て,性別や恋人の有無によって,恋愛傾向に違いが見られるかどうかを検討した。
1)
本論文は,教育学研究科教職実践専攻の必修科目「児童・生徒の理解と指導 1J
(担当:谷口弘一)において,受講生が 3つの少人数グループに分かれ,グルー
プごとに行った調査研究の結果をまとめたものである。
1ム
90
qO
方法
聞査参加者と手続き
長 崎 大 学 教 育 学 部 4年 生 138名(男子 30名,女子 108名,平均年齢 21
.61歳
,
SD=.
8
4
) が調査に参加した。 2014年 7月 14 日に,講義時間の最後 15分 程 度 を
利用して調査を実施した。実施に先立ち,データは厳重に管理されることが参加
者に伝えられた。各自のベースで質問紙に回答してもらい,講義時間中に調査用
紙を回収した。
質問紙聞査の内容
質問紙には,フェイスシートに記載された回答者の年齢,性別,恋人の有無を
質問する項目の他に以下の尺度が含まれていた。
恋愛心理尺度
水 野 (2006) が作成した 36項 目 か ら な る 恋 愛 心 理 尺 度 を 用 い
た 。 本 尺 度 は Lee (1977) の 色 彩 理 論 を も と に 作 成 さ れ て お り , 下 位 尺 度 と し て
ア ガ ベ , ル ダ ス , マ ニ ア , プ ラ グ マ , エ ロ ス , ス ト ル ゲ の 6つ が あ る 。 調 査 参 加
者は,自身の恋愛に関して,どのように考え行動しているかについて,
てはまる J (4点
)
,
r
とてもあ
r
ど ち ら か と い え ば あ て は ま る J (3点) r
あまりあてはまらな
い J (2点) r
まったくあてはまらない J(
1点 ) の 4件 法 で 回 答 し た 。 分 析 に は 各
下位尺度の合計点を用いた。
結果
性別・恋人有無別の恋愛傾向得点
Table 1 に 恋 愛 傾 向 得 点 の 平 均 値 と 標 準 偏 差 を 示 す 。 性 別 , 恋 人 の 有 無 を 被 験
者 問 要 因 , 恋 愛 傾 向 を 被 験 者 内 要 因 と し た 3要 因 分 散 分 析 を 行 っ た 結 果 , 性 別 と
(
F
¥5,
670)=2.02,
p=.74)。 単 純 主 効
果検定を行った結果、ストルゲにおいて性別の主効果が有意傾向となり (
F
¥1,
804)
恋愛傾向の交互作用に有意傾向が認められた
=2.77,
p=.97)、女子が男子よりも高い得点を示した。
T
a
b
l
e1 恋愛鍾向得点の平均値と彊準偏差
性別恋人
ストルゲ
マニア
ルダス
エロス
プラグマ
アガペ
5
.
2
7(
1
.
9
5
)1
5
.
0
0(
3
.
6
0
)1
6
.
2
0(
2
.
3
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3
.
8
0(
2
.
2
3
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5
.
2
7(
3
.
4
5
)1
5
.
2
7(
3
.
5
7
)
男性 あり 1
なし 1
4
.
0
0(
3
.
1
4
)1
4
.
3
3(
4
.
21
)1
5
.
0
7(
2
.
1
8
)1
4
.
1
3(
3
.
7
6
)1
4
.
0
7(
4
.
2
8
)1
4
.
8
7(
4
.
8
6
)
女性
あり 1
5
.
5
6(
3
.
4
7
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5
.
3
3(
3
.
9
8
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3
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7
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3
.
9
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4
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3
.
6
8
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5
.
0
2(
4
.
1
4
)1
3
.
5
1(
4
.
9
0
)
なし 1
6
.
5
3(
3
.
9
2
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4
.
3
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4
.
2
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)1
5
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0
2(
4
.
0
8
)1
4
.
0
8(
4
.
2
7
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4
.
2
9(
4
.
6
5
)1
4
.
4
1(
5
.
0
7
)
Note:n=15(男性・あり), 1
5
(男性・なし.), 5
7
(女性・あり), 5
1(女性・なし)
-134ー
考察
本 研 究 で は 長 崎 大 学 教 育 学 部 4年 生 を 対 象 に し て , 性 別 な ら び に 恋 人 の 有 無 に
よる恋愛傾向の違いを検討した。その結果,ストルゲでは、女子が男子よりも高
いという男女差が確認された。その一方で、恋人の有無による恋愛傾向の違いは
見 ら れ な か っ た 。 こ う し た 結 果 は , 水 野 (2006) や 豊 田 (2006) とは異なるもの
であり,地域差や学校差を含めて,今後,さらに詳細な検討が必要であろう。今
後の研究では,地域性などの詳細な検討を行うためにも,他大学の学生も含めた
調査を行う必要がある。
引用文献
Lee,J
. A. (
1
9
7
7
)
. A typology of s
t
y
l
e
s of l
o
v
i
n
g
.P
ersonalityandS
o
c
i
a
l
PsychologyB
u
l
l
e
t
i
n,3,173-182.
松井豊・木賊知美・立津晴美・大久保宏美・大前晴美・岡村美樹・米回佳美(19
9
0
)
.
東京都立立川短期大学紀要, 23,13-23.
青年の恋愛に関する測定尺度の構成
水野邦夫 (
2
0
0
6
)
. 恋 愛 心 理 尺 度 の 作 成 と 恋 愛 傾 向 の 特 徴 に 関 す る 研 究 ー Leeの 理
論をもとに
聖泉論叢, 14,35・52
豊田弘司・岸田麻里 (
2
0
0
6
)
.教 育 用 簡 易 版 恋 愛 感 情 尺 度 の 作 成
5,1
5
.
育実践総合センター研究紀要, 1
奈良教育大学教
FhU
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