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第4章温室効果ガスの排出量削減目標
第 4 章 第 4 章 温室効果ガスの排出量削減目標 温室効果ガスの排出量削減目標 1 目 標 年 次 及 び削 減 目 標 (1) 削 減 目 標 設 定の 考 え 方 本県の温室効果ガスの排出量削減目標については,本県の自然的・社会的な地域特 性,地球温暖化問題に関する国際的な動向や国の方針等を踏まえながら,基準年及び 目標年度を定めて対策・施策を実施し,その進捗状況を管理・検証するための指標と し て 設 定 す るこ と と し ま す 。 本県の地域特性や産業構造等を勘案し,実現可能な削減目標を設定 (2) 基 準 年 の 設 定 京 都 議 定 書 の基 準 年 で あ る 1990( 平 成 2) 年 度 と し ま す 。 (3) 長 期 目 標 気 候 変 動 に 関す る 政 府 間 パ ネ ル ( IPCC) の 第 4 次 評 価 報 告 書に よ る と , 化 石 燃 料起 源 の 人 為 排 出量 が 72 億 炭 素 ト ン に 対し , 自 然 吸 収 量は 31 億 炭 素 ト ン で あ り , 人 為排 出 を 50% 削 減 し て もバ ラ ン ス を と るこ と が で き ま せ ん 。 ま た ,安 定 化 シ ナ リ オ に よ る と ,気 温 上 昇 の 推 計 値 2.0~ 2.4℃ の場 合 ,温 室 効 果 ガ ス の 安 定 化 濃度 は 445~490ppm で あ り ,そ の た め に は 2000( 平 成 12)年 ~ 2015( 平 成 27) 年 に ピ ーク ア ウ ト さ せ ,2050(平 成 62) 年 の 二 酸 化 炭素 排 出 量 を 2000 年 比 で 85 ~50% 削 減 させ な け れ ば な り ま せ ん。 我 が 国 に お いて も , 「 低 炭 素 社 会 づ くり 行 動 計 画( 平 成 20 年 7 月)」に お い て, 「 2050 年 ま で の 長 期 目 標 と し て , 温 室 効 果 ガ ス 排 出 量 に つ い て 現 状 か ら 60~ 80% 削 減 を 行 う。」こ と を 閣 議 決 定 し ま し た 。ま た ,2010( 平 成 22)年 10 月 に「 2050 年 ま で に 1990 年 比で 80% を 削 減 す る 。」こ と を 長 期 目 標 と す る 地 球 温 暖 化 対 策 基 本 法 案 が , 閣 議 決 定 さ れ ま し た。 こ の よ う な こと を 踏 ま え ,本 県 に お い て は ,国 の 長 期 目 標と 同 様 に ,2050 年 度 を 長 期 目 標 年 度 と設 定 し ,『 2050 年 度 ま で に 1990 年 度 比 80% 削 減 』 を長 期 目 標 と し ます 。 『 環 境 先 進 県・か ご し ま 』の 実 現 を 目 指 し て 意 欲 的 な 目 標を 設 定 2050 年度までに 1990 年度比 80%削減を目指します。 47 第 4 章 温室効果ガスの排出量削減目標 (4) 中 期 目 標 気 候 変 動 に 関す る 政 府 間 パ ネ ル ( IPCC) の 第 4 次 評 価 報 告 書に よ る と , 最 も 低 い水 準 に 大 気 中 の濃 度 を 安 定 化 さ せ る には ,世 界 全 体 の 温 室 効果 ガ ス 排 出 量 を 今 後 10~15 年( 2000( 平 成 12)年 ~2015( 平 成 27)年 )の 間 に ピ ー クア ウ ト さ せ る 必 要 が ある と しています。 我 が 国 は ,2009( 平 成 21) 年 12 月 の第 15 回 締 約 国 会 議 (COP15) に お け る 「 コ ペ ンハーゲン合意」に基づき,中期目標として,全ての主要国による公平かつ実効性の あ る 枠 組 み の構 築 と 意 欲 的 な 目 標 の合 意 を 前 提 に 「 2020 年 に は 1990 年 比 で 25% の 温 室 効 果 ガ ス 排出 量 を 削 減 す る 。」こ と を発 表 し ま し た。ま た ,2010( 平 成 22)年 10 月 に「2020 年 ま で に 1990 年 比 で 25% を 削 減 する 。」こ と を 中 期 目 標 と す る 地 球 温 暖 化対 策 基 本 法 案 が, 閣 議 決 定 さ れ ま し た。 本 県 の 温 室 効果 ガ ス 総 排 出 量 は,2008( 平 成 20)年度 は 1990( 平 成 2)年 度( 基準 年 )と 比 較 し て 18.8% 増 と な っ て いま す 。ま た ,現 状 す う 勢 ケ ー ス に よ る 将 来 推計 で は ,2020( 平 成 32)年 度 の 総 排 出 量 は 13,393 千 tCO 2 で ,基 準 年 比 12.3% 増 と な る見 込みです。 このような本県における温室効果ガス排出状況や将来推計結果,国の中期目標など を 踏 ま え ,2020 年 度を 中 期 目 標 年 度に 設 定 し ,温 室 効 果 ガ ス 排 出 量 削 減 対 策 の 実施 等 に よ り 積 み 上 げ た 削 減 目 標 値 と 森 林 吸 収 に よ る 削 減 効 果 を あ わ せ て,『2020 年 度 ま で に 1990 年 度 比 30% 削 減 』 を 中 期 目標 と し ま す 。 削 減 対 策 実 施等 に よ る 削 減 目 標 と 森林 吸 収 に よ る 削 減 効 果を 合 わ せ て 設 定 2020 年度までに 1990 年度比 30%削減を目指します。 (千tCO2 ) 16,000 14,166 14,000 12,000 13,393 11,923 対策削減分▲3,491千tCO 2 森林吸収分▲1,411千tCO 2 合 計 ▲4,902千tCO 2 10,000 8,000 8,491 1990年度比▲28.8%:対策分17.0%+森林分11.8% 6,000 4,000 2,000 1990年度比▲80% 0 1990 2008 20102008 2020 現状 中期 すう勢 目標 2050 2020 長期目標年度 基準年 図 4-1 2,385 中長期目標設定 48 (年度) 第 4 章 温室効果ガスの排出量削減目標 2 部 門 別 削 減 目標 中 期 目 標 の『2020 年 度 ま で に 1990 年 度 比 30% 削 減 』を 達 成す る た め に ,各 部 門 別に 削 減 目 標 を 設定 す る こ と と し ま す 。 中 期 目 標 の 設定 に あ た っ て は ,県 地 球 温 暖化 対 策 推 進 条 例 に基 づ く 温 室 効 果 ガ ス 排出 量 削 減 対 策 の効 果 や 国 に お け る「 エ ネ ル ギ ー 基 本 計 画( 平 成 22 年 6 月 改 定)」, 「地球温 暖 化 対 策 に 係 る 中 長 期 ロ ー ド マ ッ プ ( 環 境 大 臣 試 案)」 等 の 対 策 ・ 施 策 に よ る 本 県 の 温 室 効 果 ガ ス 排出 量 削 減 効 果 を 見 込 むこ と と し ま し た 。 な お,今 後 の 国 内 外 の 社 会 情 勢 や 地球 温 暖 化 対 策 に お け る技 術 革 新 等 に よ り,部 門 別 削 減 目 標 に つい て は , 必 要 に 応 じ て, 見 直 し を 行 う こ と とし ま す 。 ■ 産業部門 省 エ ネ 法 に 基 づ く 大 規 模 事 業 者 の 省 エ ネ 対 策 や 電 力 CO 2 排 出 原 卖 位 の 改 善 に よ る 削 減 効 果 とと も に ,本 県 の 大 部 分 を占 め る 中 小 規 模 事 業 者 等 に お け る 県 地 球 温 暖 化対策推進条例に基づく省エネ対策の推進や設備導入等による削減効果を見込ん でいます。 ■ 民生家庭部門 ト ッ プ ラ ン ナー 家 電・高 効 率 給 湯 器 等の 省 エ ネ 機 器 や 断 熱 住宅 の 普 及 に よ る 削 減 効 果 と と も に,県 民 一 人 ひ と り の 省 エネ ル ギ ー の 取 組 に よ る 削 減 効 果 を 見 込 ん で い ます。 ■ 民生業務部門 ビ ル の 断 熱 化や 省 エ ネ 設 備 の 導 入,事 業 活 動 に お け る 省 エ ネ対 策 に よ る 削 減 効 果 を 見 込 ん で いま す 。 ■ 運輸部門 クリーンエネルギー自動車等の普及やトップランナー自動車への更新による削 減 効 果 と と もに ,県 民・事 業 者 に お ける エ コ ド ラ イ ブ や エ コ通 勤 の 普 及 に よ る 削 減 効 果 ,さ らに ,国 の 対 策 に よ る バ イオ 燃 料 の 供 給 や 鉄 道・航 空 機 等 の エ ネ ル ギ ー効 率 改 善 に よ る削 減 効 果 を 見 込 ん で いま す 。 ■ その他部門 廃 棄 物 の 発 生抑 制 や リ サ イ ク ル 率 の向 上 に よ る 廃 棄 物 焼 却量 の 削 減 ,フ ロ ン ガ ス 除 去 装 置 の 導入 等 に よ る 削 減 効 果 を見 込 ん で い ま す 。 ■ 新エネルギー 国 に お け る 新エ ネ ル ギ ー 導 入 目 標 を参 考 に ,本 県 の 地 域 特 性や 新 エ ネ ル ギ ー の 利 用 可 能 量,導 入 状 況 及 び 県 民 等 意 識調 査 結 果 に 基 づ く 導 入見 込 み 等 を 勘 案 し,太 陽 光 発 電 や 太 陽熱 利 用 等 の 導 入 に よ る削 減 効 果 を 見 込 ん で いま す 。 49 第 4 章 温室効果ガスの排出量削減目標 表 4-1 各部門別削減目標 ( 卖 位 : 千 tCO 2 ) 部 対 策 ・ 施 策 等 に よ る 削 減 目 標 門 対策効果見込み 1990 年 度 基準年 産 業 部 門 ・省エネ法に基づく大規模事業 者による省エネ対策 ・県条例に基づく中小規模事業 者等による省エネ対策 ・ 電 力 CO 2 排 出 原 卖 位 の 改 善 など 2,707 2,534 民 生 家 庭 部 門 ・省エネ機器の普及 ・断熱住宅の普及 ・待機時消費電力の削減など省 エネの取組 ・ 電 力 CO 2 排 出 原 卖 位 の 改 善 など 1,363 1,355 民 生 業 務 部 門 ・ビルの断熱化・省エネ設備の 導入 ・事業活動における省エネ対策 ・ 電 力 CO 2 排 出 原 卖 位 の 改 善 など 1,733 2,392 運 輸 部 門 ・クリーンエネルギー自動車等 の普及 ・自動車の燃費向上 ・エコドライブ,エコ通勤の普 及 など 3,541 4,210 そ の 他 部 門 ・廃棄物の発生抑制 ・リサイクル率の向上 ・フロンガス除去装置の導入 など 2,578 2,902 新 エ ネ ル ギ ー ・太陽光発電,太陽熱利用等の 導入 - - 11,923 13,393 - - 11,923 13,393 合 計 森林吸収による削減効果 合 備考 2020 年 度 現状すう勢 計 四捨五入の関係上,合計が一致しないことがある。 50 2020 年 度 目標値 2020 年 度 現状すう勢に 対する削減量 2,185 ( ▲ 349) 894 ( ▲ 461) 1,523 ( ▲ 869) 3,225 ( ▲ 985) 2,568 ( ▲ 334) - ( ▲ 493) 9,902 ( ▲ 3,491) - ( ▲ 1,411) 8,491 ( ▲ 4,902) 削減目標 1990 年 度 比 ▲ 1.7% ▲ 2.3% ▲ 4.2% ▲ 4.8% ▲ 1.6% ▲ 2.4% ▲ 17.0% ▲ 11.8% ▲ 28.8%