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動脈硬化予防のための 運動プログラム

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動脈硬化予防のための 運動プログラム
平成25年3月3日(日)
第3回心臓・血管病市民公開講座
於:かごしま県民交流センター
動脈硬化予防のための
運動プログラム
鹿児島医療センター リハビリテーション科
理学療法士 山野朊博
本日の内容
①ご自身の心拍数を知る
②運動とは
③適切な運動のやり方
④動脈硬化予防のための運動プログラム
⑤運動の注意点
ご自身の心拍数を測ってみましょう
橈骨動脈
心拍数とは1分間に脈が打つ回数
親指以外の3本の指を当てて
脈が打つのを確認してください
簡易的に15秒間測定し4倍しま
すが、不整脈の確認を行うため
1分間測定して下さい
運動とは
●運動基準(2006)によると、
身体活動は安静にしている状態より
多くエネルギーを消費するすべての動き
●そのうち、体力の維持・向上を目的として
計画的・意図的に実施するものを運動、
運動以外のものを生活活動
●運動は有酸素運動とレジスタンス(筋力)運動に
大別される
有酸素運動
●有酸素運動とは、酸素
を消費しながら行う運動
→生活習慣病の
予防・改善に効果的
代表的な有酸素運動は
自転車エルゴメーター(左図)
その他にウォーキング、
ジョギング、水泳など全身を
使用するもの
逆に無酸素運動とは、100m走
や腕立て伏せなど呼吸を止めて
最大の力を発揮させる運動
レジスタンス(筋力)運動
●レジスタンス運動とは、筋肉ト
レーニングの一つで、呼吸を止
めずに筋肉を動かす負荷運動
通常、トレーニングマシーンや
ゴムチューブ、ダンベルを使用
低体力者や高齢者には、自分
の体重を利用して動作での筋
力強化を図るのが効果的
強い強度では血圧や心拍数が 後ほど例を紹介します
上昇し心血管への負担も大きく
なるので注意が必要
動脈硬化に対しての影響
動脈が硬くなる動脈硬化度(作用)からみると
有酸素運動
→ 動脈硬化度を下げる
筋力運動
→ 動脈硬化度を上げる
動脈硬化予防には
筋力運動は不要?
様々な研究によれば、高強度の筋力運動
は動脈硬化度を上げる。
中高年女性では軽度~中強度の運動では
動脈硬化度は有意に上げないと報告あり
活動を行うには筋肉は必要です。動脈硬化
予防のために運動強度を考慮して行う
運動強度(強さ)とは?
日常生活や病院で耳にする会話の中で、
運動はやりすぎず、
中くらい(中強度)
でやってください
「中くらい」の運動って
どのくらいのこと?
運動強度
運動の強さを決める際には、心拍数または息切れ
をもとに決定します。
心拍数をもとに算出(カルボーネン法)
(最大心拍数-安静時心拍数)×強さ+安静時心拍数
運動により心拍数が上昇し、強度が強いほど上昇します。
ここでの「強さ」とは、限界を「1」として、強さの程度の割
合を掛けて計算します。
高強度 0.7~0.9
中強度 0.4~0.6(有酸素運動に相当)
低強度 0.2~0.3(心筋梗塞直後や低体力者)
実際の例では
例:安静時心拍数70回/分の60歳の方が中強度
の運動を行う場合
(最大心拍数-安静時心拍数)×強さ+安静時心拍数
最大心拍数(220-年齢) 220-60=160
強さ
ー安静時心拍数
70
90 × 0.4~0.6(中強度)⇒36~54
+安静時心拍数
中強度の運動時
106~124回/分
70
90
106~124
運動中に脈拍を測り、設定した心拍数
で行えているか確認をしましょう。
超えていると強すぎるため運動の見直
し、強度の調整(歩くスピードを落とす
など)
運動強度
息切れをもとに算出(自覚的運動強度)
Borg(ボルグ)スケール
20
19
18
17
16
15
14
非常にきつい
かなりきつい
きつい
13
12
11
10
9
8
ややきつい
楽である
かなり楽である
有酸素運動はBorg11~13程度
の運動強度が望ましい
有酸素運動の実施時間
有酸素運動の動脈硬化度を改善させる
最短の時間は?
数分~数十分の有酸素運動を
1回行っただけでも動脈硬化度
は低下する
あくまでも一過性の変化であり、運動終了1時間
後には、動脈硬化度は運動開始前の水準に戻る
有酸素運動による動脈硬化度の改善が
期待できる期間は?
中年者に対し1日30分、週3回、
4週間(約1ヶ月)は必要
運動を中断したら?
若年男性に8週間自転車
トレーニングを行いその後
中断したら、2週間は効果
を維持したが4週間後には
もとに戻った
0.23
0.22
0.21
引用 臨床スポーツ医学:Vol.28 No.12,p1347
硬い
0.2
0.19
0.18
0.17
0.16
軟らかい
0.15
運動前
運動直後
2週間
4週間
つまり、運動の継続が重要(継続は力なり)
推奨する運動内容
これまでをまとめ、推奨される運動内容は
①有酸素運動は生活習慣病予防・改善さ
せる代表的な種目
②有酸素運動を主体とし、その中に強度
に配慮した筋力運動を取り入れる
③有酸素運動を1ヶ月以上継続的に行う。
具体的なプログラム
①運動の前に十分なストレッチ体操(準備体操)
②脈拍を測定しながら中強度の筋力運動
③中強度の有酸素運動(30分)
④ストレッチ体操(整理体操)
回数は週3回以上、1ヶ月以上は継続し
ましょう
ストレッチ体操(上半身)
わき腹・背中のストレッチ
首のストレッチ
決して反動つけずにゆっくりと
ストレッチ体操(下半身)
アキレス腱
太もも
足の裏全体
つま先立ち
足の内側
筋力運動(上半身)
ペットボトルやダンベルを用いて行います
まずは左右10回ずつから行いましょう
筋力運動(下半身)
階段の1段を使い、踏み台昇降
手すりは転倒防止、手の力を緩
めるとより足への負担が増加
図のようなスクワットは最大の
負担が足にかかっています
手すりや膝の曲げる角度で調
整しましょう
有酸素運動
どなたでも出来る有酸素運動の中で
代表的なものはウォーキングです
鹿児島市のホームページより
鹿児島 ウォーキング で検索
有酸素運動 ウォーキング
動脈硬化進行を止めるための
欧米の基準である身体活動量
「1500kcal/週」以上を満たすには,
ウォーキング(一日の歩数)に換算
すると8500歩となり,距離にすると
5~6km(1時間)になる.
さらに厚生労働省が提唱している
健康づくりのための運動基準には
中強度以上の強度の運動を週1回
(約60分)組み入れることが,勧めら
れている.
牧田茂:日本臨床スポーツ医学会誌15(3) 2007(一部改)
写真提供 佐藤真治:臨床スポーツ11(2);240-244,2003
心臓リハビリ 運動の注意点
体調が良いときだけ行う
脈拍を測定する
空腹時、薬の朋用前は避ける
食事の直後は避ける
水分補給を行う
伊東春樹:NHKテレビ;今日の健康, 著書;心臓病のリハビリと生活
虚血性心疾患に運動療法はなぜ有効なのか?
冠危険因子に対する効果
冠動脈硬化病変進展抑制と退縮
冠血管内皮機能に対する効果
血液凝固線溶機能に対する効果
自律神経機能に対する効果
運動耐容能や生命予後に対する効果
心臓リハビリテーション 知っておくべきTips
運動を行うことで再発率が低下
最後に

今回紹介した運動や運動強度は循環器の
病気を発症していない方を設定しております

すでに何らかの循環器の病気で病院にかか
っていらっしゃる方は主治医にご確認の上で
運動を行ってください

運動中に動悸や不整脈などの症状がみられ
る方は循環器専門医に相談を行いましょう
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