...

② - 京都府教育委員会

by user

on
Category: Documents
11

views

Report

Comments

Transcript

② - 京都府教育委員会
本日のお話
1. 食物アレルギーの基礎知識
2. 学校における食物アレルギーへの取り組み
3. 学校生活における配慮・管理(給食)
4. 学校生活における配慮・管理(給食以外)
5. 緊急時の対応(エピペンの取り扱い)
6. 検証 調布市児童死亡事故
27
学校における食物アレルギー対応
1. 食物アレルギーを有す児童生徒への給食の提供
2. 組織で対応、学校全体で取り組む
・食物アレルギー対応委員会
・職員への啓発と役割分担(文科省研修資材の利用)
3. 「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライ
ン」と「学校生活管理指導表」に基づいた対応
4. 原則として、完全除去対応
5. 学校、調理場の状況により可能な範囲での対応
6. 教育委員会等による、方針提示と取り組み支援
7. 連携(保護者、学校間、主治医、医師会、消防機関)
8. 事故及びヒヤリハットの情報共有
28
本日のお話
1. 食物アレルギーの基礎知識
2. 学校における食物アレルギーへの取り組み
3. 学校生活における配慮・管理(給食)
4. 学校生活における配慮・管理(給食以外)
5. 緊急時の対応(エピペンの取り扱い)
6. 検証 調布市児童死亡事故
29
調理の工夫
(ア)全児童生徒が原因食物を使用しない調理方法
(イ)原因食物の使用が一目でわかる料理
(ウ)一目で形の違う除去食(代替食)
チーズをのせたハンバーグ
形の違うフライ
30
学校全体でのアレルゲンを含まない献立
鶏卵・牛乳を使用
肉、魚、豆腐などを使用
しない献立
鶏 卵 ・ 牛 乳 を 使 用 衣、ハンバーグのつなぎに使用せず、
しない調理方法
馬鈴薯デンプンや重層を使用
鶏 卵 ・ 牛 乳 を 使 用 かまぼこ、ちくわ、カレールー、
しない加工食品
肉団子、パン
鶏卵・牛乳を両方使用しないことで、
鶏 卵 ・ 牛 乳 を 両 方 一つの除去食、代替食が鶏卵アレル
ギー、牛乳アレルギー両方の子どもに
使用しない
対応できる
主食として小麦の
米食の主食を増やす
頻度を減らす
31
料理名・使用食品の明確化
(ア)献立表(複数で、誤表示・記入漏れチェック)
・原材料の詳細の記入した同一の献立表の共有
・加工品に含まれる原因食物を明記
(イ)料理名
・原因食物が使用されていること明確な料理名
例:かにと卵のスープ、えび入りはんぺん
32
献立・調理・配膳時の注意点
1. 作業工程表
業務を始める前に、全体の調理からの取り分け
の手順、使用する調味料などの確認を複数で行
い、ホワイトボードなどに明記
2. 食札・ダブルチェック
食札や手順書(献立表)を用いて、作業工程に
間違いがなかったか指差し呼称しながらダブル
チェック
3. 専用トレイ・食器
専用トレイ・食器を用いて区別し、その場で本
人専用の袋やコンテナに入れて、教室まで配膳
33
食物アレルギー対応作業工程表 【牛乳・乳製品除去】 年
月 日
主食:白ごはん 主菜:タラのムニエル 副菜:野菜サラダ 汁物:シチュー
8時
献立名
10時
9時
11時
12時
担当者名
検収
ルウ作り( 牛乳・ バター・ 小麦粉)
鶏肉炒める・煮込み・調味
配食・配送
人参、玉ねぎ、じゃがいも切り
鶏肉炒める・煮込み・調味
配食・配送
(清掃作業)
A
シチュー
〈下処理〉
B
鶏肉、人参、玉ねぎ
じゃがいも
野菜サラダ
その他
〈 アレルギ ー 用
シチュー )
C
D
(F)
※アレルギ ー
対応食専用調
理員を配置でき
ない場合
ブロッコリー、人参
ブロッコリー、人参切り
コーン(缶詰)
缶切り
茹・冷却
調味
配食・配送
和える
【シチュー】
煮込み・調味
(豆乳)
アレルギ ー対応食 4人分
シチュ ー( 牛乳除去・豆乳代替)
○年○組 ○○ ○○
配食(専用食器
・専用トレイ)
配送準備・積み込み
○年○組 ○○ ○○
○年○組 ○○ ○○
○年○組 ○○ ○○
鉄板準備
タラの
ムニエル
E
タラ下味
小麦粉をまぶす
F
牛乳数え
小麦粉をまぶす
タラを焼く(ひまわり油)
片付け
配食・配送
(アレルギ ー用シチュ ーづくり )
34
アレルギー対応食表示(参考例)
シール(ラップ等に貼付)
食札
年
月
日
年
組 名前 ○○ ○○
年
組 氏名 ○○
○○
献立名:エビ春巻き(エビ入り)
除去食物:エビ
対応食:肉春巻き(エビ抜き)
対応している料理(品)
主食 主菜 副菜 汁物
除去食物:エビ
一般食
アレルギー対応食(代替食)
主食:チャーハン
主食:チャーハン
主菜:エビ春巻き(エビ入
主菜:肉春巻き(エビ抜き)
り)
副菜:サラダ
副菜:サラダ
汁物:春雨スープ
汁物:春雨スープ
確認者
調理
盛り
付け
配
膳
35
専用トレイ・食器(参考例)
36
調理・加工による低アレルゲン化
・卵 :加熱による抗原性の低下
・牛乳:加熱による抗原性の低下なし(実際にはある)
製造ライン混入あり、注意
・小麦:加工品の抗原量、抗原タンパクの違い
→うどん摂取可でもパン症状認めることあり
調理過程混入注意、グルテン入り米粉パン
・大豆:納豆>豆腐>豆乳の順に摂取可能
・魚類:缶詰加工で摂取可能な場合あり
・野菜・果物:口腔アレルギー症候群が多いが、
仮性アレルゲンによる反応もある
多くが加熱により抗原が失活し、摂取可
バナナ、ももは加熱しても、不可
ハンノキ花粉症と関連
37
紛らわしい食品
 鶏卵アレルギー
卵殻カルシウム:鶏卵タンパクの混入はほぼなく、除去不要。
 牛乳アレルギー
乳糖:乳タンパクとは異なるが、「食品衛生法」により、乳タン
パクの代替表記として含有されていることあり。
乳化剤(ショートニング):乳ではない。
 小麦アレルギー
醤油:小麦タンパクは完全に分解され、除去不要。
味噌:タンパクも分解され微量であり、多くは摂取可
酢:わずかの含有であり、基本的に可。
麦茶:大麦であり、摂取可。わずかに交差反応あり。
 大豆アレルギー
醤油・味噌:タンパクも分解され微量であり、多くは摂取可。
大豆油:大豆タンパクは含有されず、除去不要。
 ゴマアレルギー
ゴマ油:精製度が低いゴマ油は含有の可能性あり、注意。
 魚、肉アレルギー
だし・肉エキス:含有量はわずかで、多くは摂取可。
38
本日のお話
1. 食物アレルギーの基礎知識
2. 学校における食物アレルギーへの取り組み
3. 学校生活における配慮・管理(給食)
4. 学校生活における配慮・管理(給食以外)
5. 緊急時の対応(エピペンの取り扱い)
6. 検証 調布市児童死亡事故
39
学校生活における配慮
給食の時間のみでなく、日常の授業における教材や
遠足・修学旅行といった食事を伴う行事では、保護
者との綿密な打ち合わせが必要
1. アレルゲン食品への接触防止策
・接触だけで症状が出てしまう場合には配慮が必要
・座席配置(低年齢児は担任の近くにする、机を少し離す)
・子ども同士が食べながら接触することを防ぐ
・給食当番や片付け、掃除当番でアレルゲン食品に触れない
・保護者に給食時の様子を見てもらい対応への理解を求める
・一部の重症者では、湯気や揮発、飛まつアレルゲン、粉塵
中のアレルゲンでも反応することがある
40
2. 食物・食材を扱う授業・活動
・調理実習ではアレルゲン食品を扱わないメニューを考慮
・小麦粘土を使った工作
・牛乳パックの清浄(リサイクル体験)
・パン食い競争
・植物栽培、豆まき等で使用しない
・理科実習:生物の解剖実習で魚、イカ等のアレルゲン
食品使用時に注意
3. 運動(体育・部活動)
・運動誘発アナフィラキシー
・食物依存性運動誘発アナフィラキシー:
原因食物の摂取後4時間は運動控える。
41
4. 学外活動・地域活動
○食事の配慮
・修学旅行や林間学校での宿泊先との確認(旅行代理店活用)
・給食のない学校では、保護者の申請のみによる対応に注意
○その他
・工場見学、体験学習(ソバ打ち体験、乳搾りなど)
・遠足のおやつ(友だち同士の交換)
・学童保育、子ども会行事などで指導員や他の父兄の理解
○緊急時の受診先医療機関の確認と確保
・アナフィラキシーのリスクのある場合、搬送先の医療機関
の調査・確認(主治医からの紹介状)
・参加職員の共通理解、エピペンの使用
42
Fly UP