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中期経営計画 2015̶2017
中期経営計画 2015 ̶ 2017 安全・安心・快適を追求し、 いつも首都圏のひと・まち・くらしを支えます 本冊子は再生紙および ベジタブルインクを 使用しています。 はじめに 首都高速道路は、平均で1日約95万台のご利用をいただいている首都圏の 大動脈であり、多くのお客様に安全・安心で快適なサービスを提供し続けること が会社としての最も重要な使命であります。 首都高速道路は、開通から40年以上経過した区間が約4割を占める等、道路 の高齢化が進行するとともに、道路法違反車両の通行が道路の損傷に影響を及 ぼしています。安全・安心を守り続けるために、日々の点検や補修を的確に実施し、 東品川桟橋・鮫洲埋立部等の大規模更新・大規模修繕事業にも工事着手すると ともに、道路法違反車両に対する取締を強化して参ります。 2015年3月7日に首都圏3環状道路として初となる中央環状線が全線開通し、 ネットワーク効果によって、都心の渋滞緩和が図られることとなりました。より快 適にご利用いただくために、引き続き、横浜環状北線等のネットワーク整備や板 橋熊野町ジャンクション間改良等のボトルネック対策の取組みを行って参ります。 これらの取組みを効率よく実現するため、50年以上にわたり培った国内外で トップクラスの橋梁の建設・維持管理技術を活かしつつ、社員の技術力向上や 技術継承に取組むとともに、道路事業以外の新たな分野にも挑戦して参ります。 また、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、 景観向上等の取組みや大会の運営を支える交通ネットワークとしての役割を果た すことにより、その成功に貢献して参ります。 会社設立10年を迎えるに当たり、 「安全・安心・ 快適」と「ひと・まち・くらし」をキーワードとして、 「中期経 営計画 2015−2017 安全・安心・快 適を 追求し、いつも首都圏のひと・まち・くらしを支え ます」を策定しました。その実現に向けて首都高 グループ一丸となって取組んで参ります。 代表取締役社長 2 目 次 はじめに 2 中期経営計画の位置づけ 4 第 1 章 安全・安心の追求 ◎道路の安全・安心の追求 6 ◎大規模更新・大規模修繕の推進 9 ◎交通安全対策の推進 11 ◎防災対策の強化 13 ◎道路法違反車両対策の強化 14 第2章 快適・便利なサービスの提供 ◎着実なネットワーク整備と渋滞対策の推進 16 ◎走行快適性の向上 20 ◎お客様サービスの向上 21 第3章 新たな事業の展開 ◎幅広い事業の展開 24 ◎「都市型PA」の展開と駐車場事業の拡充 26 ◎コンサルティング事業の拡大 27 第4章 技術開発の推進 ◎技術開発の推進と活用 30 ◎技術力向上と技術継承 32 第5章 2020年東京オリンピック・ パラリンピック競技大会に向けて ◎2020年東京オリンピック・パラリンピックの成功に貢献 34 ◎おもてなし 35 第6章 経営基盤の強化 ◎組織・人材育成 38 ◎首都高グループの組織力強化 39 ◎リスク管理とコンプライアンスの徹底 40 ◎コスト縮減の取組み 40 ◎IR活動の取組み 41 ◎広報活動の取組み 41 ◎CSRの取組み 42 数値目標 43 主な全体計画 44 3 中期経営計画の位置づけ 基本理念 私たちは、首都圏のひと・まち・くらしを安全・円滑な首都高速道路 ネットワークで結び、豊かで快適な社会の創造に貢献します。 経営理念 お客様第一 安全と快適を追求し、お客様に満足頂ける質の 高いサービスを提供します。 地域社会との共生 地域の皆様とともに、よりよい環境の実現と地 域社会の発展を目指します。 社会的責任 高い倫理観と透明性をもって、お客様、地域の 皆様、投資家の皆様との信頼関係を築きます。 自立する経営 効率的で健全な経営を行い、新しい分野での事 業も積極的に展開します。 活力あふれる職場 社員が自らの力を高め、誇りと達成感を持てる 職場をつくります。 中期経営計画 安全・安心の追求 技術開発の推進 基本理念 快適・便利な サービスの提供 新たな事業の 展開 2020 年 東京オリンピック・ パラリンピック 競技大会に向けて 経営理念 中期経営計画 経営基盤の強化 4 第1章 安全・安心の追求 お客 様が安 全・安心に首都 高を利用いただけるよう、 道路のきめ細かな点検、損傷の的確な補修、大規模更新・ 大規模修繕等を進めます。 ◎道路の安全・安心の追求 道路を安全な状態に保つため、24時間365日、様々な方法によりきめ細かな点検及 び監視を実施し、的確な補修・補強により、お客様に安全で安心な首都高を提供し ます。 ◎大規模更新・大規模修繕の推進 道路の高齢化に対して長期の安全・安心を確保するため、大規模更新・大規模修繕 を実施します。 ◎交通安全対策の推進 事故多発地点での事故要因に応じた安全対策や啓発活動を実施し、事故削減に努め ます。 ◎防災対策の強化 災害時に、道路交通機能を確保し、お客様の安全を図り、社会的役割を果たします。 ◎道路法違反車両対策の強化 道路法(車両制限令)違反車両に対しては、道路構造の保全と交通の危険防止の観 点から取締を強化します。 5 ◎道路の安全・安心の追求 第 道路を安全な状態に保つため、24時間365日、様々な方法により きめ細かな点検及び監視を実施し、的確な補修・補強により、お 客様に安全で安心な首都高を提供します。 章 安全・安心の追求 1 ○点検・監視の実施 ・立地条件や構造に応じて、適切な手法・頻度できめ細かな巡回 点検、接近点検等を実施します。 構造物比率の状況 総延長約310㎞のうち、 高架橋(約240㎞)やト ン ネル( 約40 ㎞) 等 の 構 造 物 比 率 が 約95 %、 道 路施 設 物は 約350種 類、約24万個。 高所作業車による点検 施設管制室での監視 ポールカメラによる点検 ・点検技術者資格認定制度により点検技術者の技術力向上を推進します。 6 ・モバイル端末やデジタル地図等を活用し、効率的な維持管理業務を支援する保全情報管理 システムを開発します。 情報機関の情報データ 気象情報 豪雨情報 地震情報 業務システム 取得 連携 デジタル首都高 保全情報管理システム 3D地図 2D地図 ビデオ映像 3 次元位置情報 保全情報管理システム(イメージ) ・大学、他企業、首都高速道路技術センター等との共同研究を実施し、情報通信技術を活用 した構造物の損傷や劣化に対する早期発見と確実な監視を行うための点検診断技術の開 発・高度化を進めます。 ○補修・補強の実施 項目 要補修橋梁率 ※1 数値目標 (2017年度) 10%以下 ※1 要補修橋梁率:点検の結果により補修・補強が必要な橋梁の割合 参考:約 12,000径間の全橋梁のうち、補修を必要とする橋梁を、約 1,200径間以下となるよう計画的に補修する。 ・きめ細かな点検により道路の損傷等を早期に発見し、損傷等の 緊 急 対 応 が 必 要な 損 傷 ( 第 三者 被 害 の 恐 れ等 ) は、直ちに応急又は恒久 措置を実施。計画的に補 修が必要な損傷は、補修 度合いにあわせてランク分けし、計画的に補修・補強を実施し の優先順位を設定し、計 ます。 画的に補修を実施。 ・2012年度までに発見された損傷のうち、未補修の約10万件 を2016年度までに補修・補強を完了します。 7 補修・補強の実施状況 ・コンクリート床版補強、鋼床版SFRC補強※2、鋼桁疲労対策により道路の耐久性向上を進 めます。 ※ 2 鋼床版 SFRC 補強:鋼鉄でできた床(鋼床版)の上を、 通常より強いコンクリート(SFRC:Steel Fiber Reinforced Concrete)を敷き、疲労耐久性を向上させる補強工法 第 章 安全・安心の追求 1 コンクリート床版補強 鋼桁疲労対策 ・コンクリート剥落防止対策や吊り施設物等の道路附属物に対する安全性向上対策を推進し ます。 吊り施設物(トンネル内ジェットファン)フェールセーフ対策 ○工事品質の向上と工事安全の強化 ・新設や保全の工事において、適切な施工管理を行い、工事品質を向上させます。 ・また、検査結果を踏まえ、PDCAサイクルによる適切な対応を行い、新設、改築及び修繕 の設計・施工に対する工事品質の向上を推進します。 ・工事施工中に発生した事故については、その原因を究明し、再発防止策を取りまとめま す。同様のすべての工事で再発防止策が確実かつ継続的に実施されるよう、定期的にフォ ローアップを行います。 8 ◎大規模更新・大規模修繕の推進 道路の高齢化に対して長期の安全・安心を確保するため、大規模 更新・大規模修繕を実施します。 ○大規模更新・大規模修繕の実施 ・大規模更新では、長期の耐久性を確保し、維持管理が容易な 構造に更新します。また、更新に併せて渋滞緩和や走行安全 性の向上等、道路機能の強化を図るとともに、周辺のまちづ くり(都市再生)と連携して検討を進めていきます。 現況 道路の経過年数の状況 総 延 長 約310 ㎞ のうち、 約4割の路線が経過年数 40年を超過。 更新後 海水面 大規模更新のイメージ【1 号羽田線(東品川桟橋・鮫洲埋立部) 】 ・大規模修繕では、橋梁単位で全体的に補修を行うことにより、新た な損傷の発生・進行を抑制しつつ長期の耐久性を向上させます。 東品川桟橋 (コンクリート剥離、鉄筋腐食) 鮫洲埋立部 (路面陥没) 床版補強 桁補強 橋脚補強 鋼床版 コンクリート床版 鋼桁 コンクリート桁 鋼橋脚 コンクリート橋脚 SFRC補強 炭素繊維補強 疲労補強 被覆補強 隅角部補強 被覆補強 大規模修繕の実施内容 9 ◆大規模更新・大規模修繕の対象箇所図 第 章 安全・安心の追求 1 ◆大規模更新・大規模修繕 一覧表 区分 路線 1号 羽田線 大規模 更新 3号 渋谷線 都心 環状線 開通年度 東品川桟橋・ 鮫洲埋立部 1.9km 1963 912 億円 2014 ~ 2026 (2015) 高速大師橋 0.3km 1968 244 億円 2015 ~ 2023 (2016) 池尻~三軒茶屋 1.5km 1971 648 億円 2015 ~ 2027 (2015) 竹橋~江戸橋 (日本橋区間) 2.9km 1964 1,412 億円 2015 ~ 2028 (※) 銀座~京橋 (築地川区間) 1.5km 1962 559 億円 2015 ~ 2028 (※) 3 号渋谷線、4 号新宿線 他 合 計 事業年度 (工事着手年度) 延長 小 計 大規模 修繕 事業費(税込) (用地費含む) 対象箇所 8km − 3,775 億円 55km − 2,487 億円 63km − 6,262 億円 2014 ~ 2024 (2014) ※日本橋・築地川区間については、都市再生(まちづくり)と連携した更新検討・調整を進めます。 10 ◎交通安全対策の推進 事故多発地点での事故要因に応じた安全対策や啓発活動を実施 し、事故削減に努めます。 ○事故多発地点における安全対策の実施 項目 死傷事故率※1 数値目標 (2017年度) 15.0 件 / 億台㎞以下 ※1 死傷事故率:走行台㎞(各自動車の走行距離の総和)当たりの死傷事故件数 参考:全道路(市町村道、都道府県道、一般国道、自動車専用道路等)の 2011年の死傷事故率は93件/億台km (国土交通省HPより) ・死傷事故率を確実に低減させるため、事故多発地点での事故要 因に応じた安全対策を実施します。 追突事故区間対策(看板の設置) カーブ部区間対策(カラー舗装) 合流部等対策(看板の設置) 11 死傷事故率の状況 2013年の死傷事故件数 は1,361件*、死傷事故率 は17.1件/億 台 ㎞(1,361 件/79.4億台㎞) *警察庁調べ ・自動車の逆走、歩行者や自転車等の立入による事故の発生を防止するため、これまでの注 意喚起対策を引き続き実施するとともに、ジャンクション・入口等合流部でのUターン防 止対策として、高輝度矢印板設置等の取組みを強化します。 ・また、上記に加え、他企業と共同研究を行い、新しいシステム(歩行者や自転車等の立入 第 者、逆走車を検知し、警告を発するシステム)を導入します。 章 安全・安心の追求 1 歩行者等立入対策 歩行者等立入対策、自動車逆走対策 (検知カメラ・警告表示板の設置) 進行方向 進行方向 高輝度矢印板・文字板 ラバーボールの延伸 自動車逆走対策(イメージ) ○交通安全啓発活動の推進 ・安全走行の啓発活動のため、コミュニケーションの力で首都高の事故を減らす「東京スマート ドライバープロジェクト」の更なる定着を図ります。 ・安全走行支援のため、安全運転に対する交通安全講習会やキャペーン等の啓発活動を実施し ます。 市民参加型イベント「SMART DRIVER‘S DAY」の様子 交通安全講習会の様子 12 ◎防災対策の強化 災害時に、道路交通機能を確保し、お客様の安全を図り、社会的 役割を果たします。 ○首都直下地震の対応 ・地震発生直後から開始される点検、パトロールによる段差発生等の損傷箇所の確認から、 放置車両の移動及び段差等に対する応急復旧の実施による道路交通機能の確保までの対応 について、継続的に見直します。 ・平時から関係機関と意見交換や訓練等を実施し、協力体制を強化します。 ・道路交通機能を確保するため、段差修正用資材、車両用燃料等を備蓄します。 ・パトロールカーによりお客様の避難誘導を適切に実施します。 放置車両の移動作業訓練 (ローラー式ジャッキの活用) レッカー移動作業訓練 段差の復旧作業訓練 ○大雪・大雨の対応 ・積雪・凍結対策期間前に幅広く関係機関と情報共有・連携するとともに、積雪時の通行止 め箇所を最小限に留めるために、降雪前より凍結防止剤の散布等を実施します。 ・大雨時に通行車線に雨水が滞水しないための体制を強化するとともに、滞水注意地点の定 期的清掃及び排水設備の改良等による対策を実施します。 ○防災対策の体制強化 ・災害対策基本法の改正(道路管理者に放置車両移動の法的権限を付与)を踏まえて、早期 道路啓開のための体制を強化します。 13 ◎道路法違反車両対策の強化 第 道路法(車両制限令)違反車両に対しては、道路構造の保全と交 通の危険防止の観点から取締を強化します。 ○道路法違反車両に対する取締の強化 ・道路法違反車両の撲滅に向けて、首都高の複数料金所での同時 道路法違反車両の状況 取締や国道との同時取締等、効果的な取締を実施します。 2013年度には18万台も の軸重違反車両が存在。 首都高(川口本線料金所) 国道4号 ( 足立区平野) 国道との同時取締実施状況 ・重大な違反者には、その場で積荷の分割により総重量の軽減措置を命じる等、厳正に対応 します。 料金所での取締の様子 総重量の軽減措置 ・料金所で実施している重量の自動計測・カメラ画像に基づく警告書の発行対象者を拡大 し、重量違反者への取締を強化します。 ○道路法違反者に対する指導の強化 ・反復違反者には、講習会により、是正指導を行います。 ・講習会欠席者や悪質違反者には、個別訪問による指導 を行います。 ・是正が見られない違反者は速やかに告発します。 違反者講習会の様子 14 章 安全・安心の追求 1 第2章 快適・便利なサービスの提供 お客様が快適・便利に首都高を利用いただけるよう、ネ ットワークの整備や渋滞対策等のハード対策と、的確な 道路交通情報の提供や料金施策等のソフト対策を実施し ます。 ◎着実なネットワーク整備と渋滞対策の推進 首都圏の道路交通の円滑化に向けて、ネットワーク整備や渋滞対策等を実施し、お客 様に快適・便利な首都高を提供します。 ◎走行快適性の向上 快適に走行できるようにするため、舗装等の補修を実施します。また、お客様へ的確 な道路交通情報を提供します。 ◎お客様サービスの向上 お客様の声を真摯に受け止め、その対応に全社を挙げて取組むことにより、お客様満 足度の向上を図ります。また、お客様にとってわかりやすく、道路網全体が効率的に 利用いただける料金体系の実現に向けた検討を進めます。 ◆中央環状線が全線開通しました! 2015年3月7日(土)に、中央環状品川線が開通し、中央 環状線が全線開通しました。 中央環状線のネットワーク効果によって、都心に集中する 交通が分散され、開通後1週間のデータでは、中央環状線 内側の渋滞・混雑量※が約5割減少する等の効果が発揮さ れています。 開通式典の様子 また、3月29日(日)には、中央環状線に「王子南出入口」 が新たに開通し、既設の「王子北出入口」と合わせて、中 央環状線の両方向への利用が可能になりました。 ※渋滞・混雑量:40㎞/h以下の区間の長さ×継続時間 大井JCT 15 ◎着実なネットワーク整備と渋滞対策の推進 第 首都圏の道路交通の円滑化に向けて、ネットワーク整備や渋滞対 策等を実施し、お客様に快適・便利な首都高を提供します。 ○ネットワーク整備の推進 ・2015年3月に首都圏3環状道路の中で、初めて中央環状線が全線開通し、ネットワークが 強化されるとともに、都心の渋滞緩和が図られました。 ・引き続き、快適・便利な首都高を目指して着実なネットワーク整備を推進します。 横浜環状北線 建設状況 晴海線 建設状況 16 章 快適・便利なサービスの提供 2 ◆ネットワーク整備とボトルネック対策 ボトルネック対策 ①板橋熊野町JCT間改良 ボトルネック対策 ②堀切小菅JCT間改良 ボトルネック対策 ③小松川JCT新設 ネットワーク整備 高谷JCT新設※ ④渋谷入口(下り)新設 ネットワーク整備 ③晴海線 [晴海~豊洲] ネットワーク整備 ②横浜環状北西線 ネットワーク整備 ①横浜環状北線 南本牧ふ頭出入口新設※ ※高谷JCT新設、南本牧ふ頭出入口新設についても推進します。 17 ネットワーク整備 ・横浜環状北線及び第三京浜道路と東名 高速道路を結ぶ約7.1kmを整備。 概要図 ③晴海線[晴海~豊洲] (2017年度完成予定) ・都心部と高速湾岸線を結ぶ、 晴海出入口~豊洲出入口間の 約1.2kmを整備。 2 章 快適・便利なサービスの提供 ・横羽線と第三京浜道路を結ぶ 約8.2kmを整備。 ②横浜環状北西線 (事業年度:~ 2021年度) 第 ①横浜環状北線 (2016年度完成予定) 概要図 ④渋谷入口(下り)新設 (事業年度:~ 2018年度) ・渋谷線(下り)の入口を新設。 ・中央環状線の利用が可能に。 概要図 概要図 ボトルネック対策 ①板橋熊野町JCT間 ②堀切小菅JCT間 ③小松川JCT新設 改良 改良 (事業年度: (2017年度完成予定) (2017年度完成予定) ~ 2019年度) ・中央環状線の内回り・外 回りを片側3車線から4 車線に拡幅。 完成イメージ ・中央環状線の内回りを 片側3車線から4車線 に拡幅。 完成イメージ ・中央環状線の埼玉方向 と小松川線の千葉方向 を接続。 完成イメージ 18 ○渋滞対策の推進 項目 数値目標 (2017年度) 新たに導入する渋滞対策の実施累計箇所数 8 箇所 ・渋滞・混雑量を東京オリンピック・パラリンピックに向けて半減※1、概ね10年後には、さ らに半減を目指した「首都高 快適走行ビジョン」に基づき、次のような各種施策を推進す るほか、事故・故障車による渋滞対策や工事渋滞対策を併せて推進し、スムーズな走行を提 供します。 ※ 1 渋滞・混雑量:40km/h 以下の区間の長さ×継続時間(中央環状品川線の開通前との比較) ・首都高のネットワーク効果をより有効に発揮させるため、ボトルネック箇所の拡幅による車 線増やJCTの連結路の新設を推進します。 ・従来からの施策に加え、エスコートライト※2や可変 チャンネリゼーション※3等の新たな技術を活用した 渋滞対策を推進します。 ※ 2 エスコートライト:上り勾配区間において LED ライトを順 次点灯させる速度低下対策 ※3 可変チャンネリゼーション:合流部の車線数や優先/非優先 の バランスを時間帯により変 エスコートライト 化させる交通制御手法 (3 号渋谷線 ( 下り ) 池尻付近) 可変チャンネリゼーションの実施イメージ ○広域的ネットワーク整備 ・国際競争力の強化、物流の効率化、大規模災害時の迅速な対応等の観点から、首都圏のミッシ ングリンクの解消に向けた取組みを推進します。具体的には、高速埼玉大宮線の延伸、川崎縦 貫線、湾岸線の機能強化等、広域的なネットワークの整備について、幅広く検討を進めます。 ・お客様の更なる利便性向上、新たな都市開発により発生する交通需要、災害時に必要な諸対 応等に資する出入口の設置検討を進め、 「アクセス力」の強化を目指します。 19 ◎走行快適性の向上 第 快適に走行できるようにするため、舗装等の補修を実施します。 また、お客様へ的確な道路交通情報を提供します。 章 快適・便利なサービスの提供 2 ○快適走行を目指した舗装等の補修 項目 数値目標 (2017年度) 97% 快適走行路面率 ※1 ※1 高速走行でも快適で安定走行が可能となる路面舗装の割合 参考:約 310km の道路延長のうち約 300km を、お客様が高速で快適に走行できる路面に維持する。 ・点検車によるデータと日常の巡回点検等により得られ た路面点検データ等を用いて、路面補修箇所の判断を 支援する路面マネジメントシステムを開発します。 ・新しい舗装材料の開発等により舗装耐久性を向上させ ます。 ・お客様の快適な走行性を確保するために、路面にある 継ぎ目を無くすノージョイント化工事を実施します。 点検車による路面点検 ノージョイント化工事 ○道路交通情報の改善 ・道路交通情報を的確にお客様へ提供するため、通信網の信頼性向上や文字情報板を使った 簡易図形表示等の改善を行います。 簡易図形による情報提供 ・国の動向等を踏まえ、ITSを活用した道路を賢く使う方策等に向けた検討を進めます。 20 ◎お客様サービスの向上 お客様の声を真摯に受け止め、その対応に全社を挙げて取組むこ とにより、お客様満足度の向上を図ります。また、お客様にとって わかりやすく、道路網全体が効率的に利用いただける料金体系の 実現に向けた検討を進めます。 ○お客様満足度の向上 項目 数値目標 (2017年度) 総合顧客満足度(5 段階評価) 3.50 ・お客様の声への対応については、社長をトップとした推進体制により施策方針を決定し、全 社的に取組みます。 ・お客様のニーズを的確に把握するため、お客様満足度調査、グリーンポストやお客様センタ ーへ頂いたお客様の声を分析します。 ・お客様の声に迅速かつ的確に対応し、改善した主な事例はホームページに公表します。 ・ISO 10002 / JIS Q 10002(品質マネジメントー顧客満足ー組織における苦情対応のため の指針)の自己適合宣言に基づき、社員のCS※1意識の一層の向上を図り、適切なお客様対 応プロセスを実行します。 ※1 CS(Customer Satisfaction) :お客様満足 お客様センターの様子 21 当社の取組みを紹介した「お客様とともに」の発行 ○料金のあり方に関する検討 ・お客様にとってわかりやすく、道路網全体が効率的に利用いただける一体的な料金体系の実 現に向けた検討を進めると同時に、債務の確実な返済に支障をきたさないように関係機関と 調整します。 ※1 連続利用となる料金所:首都高に入って最初の料金所を通行後、首都高を出ることなく、再度通行される料金所 ○ドライブをサポート ・ホームページや情報誌「首都高じゃらん」 、ラジオ等で地域のおすすめスポットやグルメ情 報等を提供し、車でのお出かけをバックアップします。 ホームページ特設サイト「首都高で行こう!」 ドライブ情報誌「首都高じゃらん」の発行 ・地域と連携し、エリアキャンペーン、PAにおける観光物産展等を開催します。 地域と連携したエリアキャンペーン (レインボーブリッジスペシャルライトアップ) 千葉県観光物産展(川口 PA) ・沿道イベントへの出展を通じ、周辺エリア等の魅力を広く伝え、車を利用した国内観光を推 進するとともに、地域振興もバックアップします。 ・レンタカー、カーシェアリング業界と協働し、車離れが進む若いお客様や外国人個人旅行者 がドライブをしたくなるようなプランを提供します。 22 2 章 快適・便利なサービスの提供 所、大井本線料金所、大師本線料金所等)の撤去に向けた料金所の再配置事業に着手します。 第 ・お客様がスムーズに走行できるように、首都高で連続利用となる料金所※1 (平和島本線料金 第3章 新たな事業の展開 お客様が快適で、より利用しやすいPA・駐車場を展開し ます。また、多種多様なアイデアと技術を活かして、幅広 い事業を展開し、長期安定的な経営基盤を確立します。 ◎幅広い事業の展開 長期安定的な経営基盤を確立するため、現行のPA・駐車場事業等に留まらず、道路 事業と相互に連携し、幅広い事業を展開します。 ◎「都市型PA」の展開と駐車場事業の拡充 PA事業ではビジネスドライバーやファミリー層のニーズに合った、短時間利用のお客 様も安心して、便利に利用できる「都市型PA」を展開します。また、海外からのお客 様にも配慮したPAを創出します。 駐車場事業ではお客様が快適で、より利用しやすい駐車空間の創出と質の高いサービ スを提供します。 ◎コンサルティング事業の拡大 50年以上にわたり首都高の計画、新設、維持管理、交通運用等で培った技術力や ノウハウを活かし、道路技術等に関するコンサルティング事業を国内外で拡大します。 23 ◎幅広い事業の展開 第 長期安定的な経営基盤を確立するため、現行のPA・駐車場事業等 に留まらず、道路事業と相互に連携し、幅広い事業を展開します。 項目 数値目標 (2017年度) 関連事業収益(連結) 55億円 関連事業利益(連結、 税引前当期利益) 9億円 章 新たな事業の展開 3 ○不動産事業の推進 ・道路区域外における賃貸事業の第2弾に着手し、新たに不動産管理事業にも取組みます。 不動産事業(トリアス新百合ヶ丘) ○飲食事業の拡大 ・既存店舗の経営安定化に向けた営業努力(メニュー開発や集客向上)に併せ、商圏や候補 地の分析等を実施し、新たな業態も見据えた新店舗開業を推進します。 飲食事業(韓国料理店 銀座MUN) 24 ○ETCの更なる活用 ・従来のETC設備よりもコストダウンが図られる「ネットワーク型ETC技術」を活用 し、駐車場等におけるETCの導入や路外PA※1を検討することにより、車を利用するあら ゆる場面での快適・便利を目指します。 ※ 1 路外 PA:ETC を活用し、首都高を一旦降りて一般道路の店舗等で休憩や給油を行い、再度、首都高へ戻れる仕組み ○新たな広告情報媒体事業の開始 ・現行の「首都高じゃらん」をより発展させ、お客様サービスの向上を図りつつ、新たに広 告情報媒体を提供します。 ○首都高関連グッズの開発と販売 ・首都高を代表する名所のPRと地域への貢献を目的として、首都高関連グッズを開発し、販売し ます。 ○道路空間等の有効活用 ・立体道路制度の既存道路への適用拡大等を踏まえ、お客様サービスに資する施設の設置 等、道路空間の有効活用策を検討します。 廃材を活用した商品開発事例(サーキュレーション首都高) 25 ◎「都市型PA」の展開と駐車場事業の拡充 第 PA事業ではビジネスドライバーやファミリー層のニーズに合った、 短時間利用のお客様も安心して、便利に利用できる「都市型PA」 を展開します。また、海外からのお客様にも配慮したPAを創出し ます。 駐車場事業ではお客様が快適で、より利用しやすい駐車空間の創 出と質の高いサービスを提供します。 章 新たな事業の展開 3 ○都市型PA事業の展開 ・「都市型PA」としての機能を満たす商品開 発、店舗創り、サービス等についての調査検 討を進め、各PAの特性に合った空間を創出 します。 ・新たな食事メニューの開発や電子マネー対応 機器を、各PAへ順次導入します。 ・海外からのお客様へのサービス向上のため、 代々木 PA タブレット機能の活用等により多言語化表示の充実を推進します。 ・PAに設置している無料公衆無線LANを活用し、新たにおすすめメニューやイベント情報 等を配信し、サービス環境の向上を図ります。 ○駐車場事業の拡充 項目 数値目標 (2017年度) 駐車場事業収益(連結) 29億円 ・近隣企業への営業により新規需要を開拓 し、駐車場事業を拡充します。また、旅行 会社等とのタイアップによる割引施策を導 入する等、より利用しやすいサービスを提 供します。 ・新しい駐車場支払システムやLED照明の 導入、満空表示等の場内案内方法の見直し 等、施設を改善します。 高架下駐車場 (門前仲町) 26 ◎コンサルティング事業の拡大 50年以上にわたり首都高の計画、新設、維持管理、交通運用等 で培った技術力やノウハウを活かし、道路技術等に関するコンサル ティング事業を国内外で拡大します。 ○国内コンサルティング事業の拡大 項目 数値目標 (2017年度) 国内技術コンサルティング業務受注金額 4億円 ・高齢化が進行する全国の道路構造物を対象に、点検・維持管理分野を重点としたコンサル ティング事業を、首都高グループで協働し、積極的に推進します。 ・首都高を日々管理してきた実績を活かし、点検、診断、補修設計、補修工事までの個々の 専門技術力や、パッケージ化したサービスの提供により事業の拡大を図り、道路構造物の 適切な維持管理を支援します。 ・首都高等の幹線道路沿道の建物を対象に、耐震診断、耐震補強設計の事業を推進し、耐震 化促進に貢献します。 ・用地取得の技術やノウハウの活用・継承を踏まえ、新たに用地補償コンサルティング業務 を受注します。 道路構造物の 点検、診断実施状況 建物耐震診断の 現地調査状況 27 ○海外コンサルティング事業の拡大 項目 数値目標 (2017年度) 海外技術コンサルティング業務受注金額 1.5億円 や、海外の政府機関・民間の道路事業者を対象に、コンサルティングサービスを拡大し、 ETCアドバイザリー業務 (タイ) 建設事業準備調査 (ネパール) ・バンコク駐在員事務所を中心に、東南アジアでの営業活動を積極的に展開します。また、 国内外の関係機関との情報交換や、海外からの研修・視察者の受入れによる国際貢献事業 での日本技術の情報発信等を活用し、業務機会の拡大を図ります。 海外からの研修の受入れ 海外からの視察の受入れ 技術者現地派遣 (ミャンマー) ・技術協力に関する覚書を締結している海外企業・政府機 関等との関係をさらに発展させるとともに、新たな海外 企業等との協力関係の構築を進め、中長期的視野で幅広 く市場開拓を進めます ・海外におけるPPP ※1事業等の道路投資事業について、 日本高速道路インターナショナル㈱と連携して、新たな 投資案件の形成を図ります。 3 章 新たな事業の展開 世界各国での高速道路事業の発展を支援します。 第 ・都市内での厳しい制約条件の中で培った技術力をベースに、ODA(政府開発援助)案件 セミナーの開催 (タイ) ※1 PPP(Public Private Partnership):官民が連携して、民間の資金やノウハウを活用し、公共サービスの提供を行う手法 28 第4章 技術開発の推進 お客様へ高品質なサービスを提供するために、社員の技 術力向上と技術継承に取組み、新技術を開発します。ま た、技術の活用により事業の効率化や事業領域の拡大を 図ります。 ◎技術開発の推進と活用 技術開発の推進や知的財産を活用することにより、事業の効率化や事業領域を拡大 します。 ◎技術力向上と技術継承 より高度な技術力が求められる事業においても着実かつ柔軟に対応し、将来にわたっ てお客様へ高品質なサービス提供をするために、技術力向上と技術継承等を推進し ます。 29 ◎技術開発の推進と活用 第 技術開発の推進や知的財産を活用することにより、事業の効率化 や事業領域を拡大します。 章 技術開発の推進 4 ○技術開発の推進と活用 項目 数値目標 (2017年度) 技術開発件数 10件 開発技術活用件数 25件 LED照明導入率 明かり部25% トンネル部50% ・国内外でトップクラスの橋梁の建設・維持管理技術や、トンネルの建設・防災技術の開発 を一層進めるとともに、構造物の更新技術についても新たに開発に着手します。 ・お客様への高品質なサービス提供、首都高グループの事業の効率化及び事業領域の拡大の ため、国、大学、他企業、首都高速道路技術センター等と幅広い連携を図ります。 ・省電力化及びコストの低減を図るため、適用可能箇所には省エネルギー・再生可能エネル ギー技術を活用します。 <主な技術開発と活用> (防災・減災) ・首都直下地震に対する道路構造物の防災、減災、早期復旧を可能とする高架橋の制 震装置等の技術開発 (道路の点検・補修・補強・更新) ・鋼構造物疲労損傷への補修・補強技術、点検診断技術開発及び活用 ® ※1 の技術開発及び活用 ・三次元点群データを活用した InfraDoctor(インフラドクター) ・走行しながら道路照明の照度測定及びETC電波環境測定等ができる特殊測定車両の技術開発 ・維持管理業務を軽減する高架橋の床版上面保護工法等の耐久性向上技術開発 ・損傷した高架橋の床版の確実かつ効率的な更新技術開発 (省エネルギー・再生可能エネルギー) ・省電力化を目的としたLED照明の最新技術の道路照明への活用 ® ※1 InfraDoctor(インフラドクター) :構造物の維持管理の支援を目的としたシステム 30 従来照明 LED 照明 LED照明 床版の更新技術・耐久性向上技術 照度測定 点群データを活用した点検 高架橋の制震装置 高架橋桁 制震ダンパー 橋脚 31 鋼製橋脚隅角の補強・補修 ◎技術力向上と技術継承 第 より高度な技術力が求められる事業においても着実かつ柔軟に対 応し、将来にわたってお客様へ高品質なサービス提供をするため に、技術力向上と技術継承等を推進します。 ○技術力向上と技術継承 ・社内の技術力向上と技術継承の基本的な指針となるエンジニア育成プランに基づき、高度 な専門技術力と幅広い仕事力を身に付けたエンジニアの育成を推進します。 ・職場の上司・先輩が若手エンジニアの技術レベルと取組み状況を把握し、日頃の日常業務を 通じて指導することで、若手エンジニアの基礎技術力・専門技術力の向上に結び付けます。 ・VE※1活動を継続的に実施し、社内へ浸透させることで、道路施設・サービスの機能向上 とコスト最適化を推進すると同時に、総合的な技術力の向上を促進します。 ※1VE(Value Engineering):施設・サービスの機能面とコスト面に着目し、その両面から価値の向上を図っていく管理技術 VE 全国大会での発表の様子 社内の VE 活動報告会の様子 ・技術系研修や技術発表会、社内勉強会等の内容の充実を図ることで、技術力向上及び着実 な技術継承を推進します。 技術発表会の様子 社内勉強会での実験見学の様子 ・積極的な論文等投稿・発表、技術力向上に資する技術系資格の取得を支援・奨励すること で、専門技術力や適応能力を持続的に向上させます。 32 章 技術開発の推進 4 第5章 2020年東京オリンピック・ パラリンピック競技大会に向けて 2020年東京オリンピック・パラリンピックの成功に貢献 するため、大会関係者の安全で確実な輸送をはじめ、国 際化に向けたサービス向上に取組みます。 ◎2020年東京オリンピック・パラリンピックの成功に貢献 ネットワーク整備等を着実に推進するとともに、オリンピックレーン等の適切な交通 運用計画の策定を推進します。 ◎おもてなし 観向上に取組みます。また、海外からのお客様へのサービス向上策の検討を進め 景 ます。 2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けた施策については、外部有識者の 助言をいただき、実施に反映していきます。 ☆「2020東京オリンピック・パラリンピック首都高推進本部」を設置 東京での2020年オリンピック・パラリンピックの開催決定を受け、当社が取組むべき諸課 題に対して迅速かつ的確に対応するため、招致決定の翌日(2013年9月9日)に、 「2020 東京オリンピック・パラリンピック首都高推進本 部」 (略称:首都高五輪推進本部) 【本部長:代表 取締役社長】を設置し、 下記の検討を進めています。 《主な検討テーマ》 ○新設・改築・大規模更新等、 関連プロジェクトの整備工程 ○開催期間中の交通管理 ○開催に向けた高速道路の補修、 景観向上 等 :大会関連施設 各競技会場と首都高速道路ネットワーク ※「立候補ファイル(東京都)」を基に作成 33 ◎2020年東京オリンピック・パラリンピックの 成功に貢献 第 ネットワーク整備等を着実に推進するとともに、オリンピックレー ン等の適切な交通運用計画の策定を推進します。 章 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて 5 ○ネットワーク整備の着実な推進 ・選手村にアクセスする晴海線等のネットワーク整備を着実に推進します。 オリンピック選手村 (予定地) オリンピック選手村 (予定地) ○大会関係者の安全・確実な輸送 ・関係機関と協議して「オリンピックレーン(大会関係車両専用道路) 」等の適切な運用計画 の策定及び必要な準備工事に着手します。 2012年ロンドン大会 2012年ロンドン大会 34 ◎おもてなし 景観向上に取組みます。また、海外からのお客様へのサービス向 上策の検討を進めます。 2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けた施策について は、外部有識者の助言をいただき、実施に反映していきます。 ○景観向上の実施 ・「五輪景観向上アクションプログラム(仮称) (Ⅰ期2015 ~ 2017) 」を策定し、計画的に 実施する補修・補強等に併せて、美化対策、塗装の塗替え等を実施していきます。 高架橋の塗替え 6号向島線隅田川沿い PAの緑化 1号羽田線平和島(下り)PA PAの改修 3号渋谷線用賀PA 35 ○海外からのお客様へのサービス向上策の検討 ・料金所における海外からのお客様へのサービス向上や外国語パンフレットの配布を実施し ます。 ・海外からのお客様が首都高を安心してご利用いただけるよう、 「お客様センター」の体制強 第 化に向けて準備を進めます。 ・ユニバーサルデザインを取り入れたPAの推進等、障がいを持つお客様等へのサービス向上 策を検討します。 ◆2020年東京オリンピック・パラリンピック時までに完成するネットワーク等 ボトルネック対策 板橋熊野町JCT間改良 ボトルネック対策 堀切小菅JCT間改良 ネットワーク整備 渋谷入口(下り)新設 ボトルネック対策 小松川JCT新設 ネットワーク整備 環状第2号線※ (東京都施行) 晴海線 [晴海~豊洲]1.2㎞ :大会関連施設 ※環状第2号線の一部(都心環状線交差部)を、当社が東京都より受託しています。 36 章 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて 5 ・インターネットを用いた交通情報提供の多言語化対応を検討します。 第6章 経営基盤の強化 高い倫理観と透明性をもち、効率的で健全な経営を行う ために、経営基盤を強化します。 ◎組織・人材育成 当社を取巻く状況に機動的・効率的に対応できる組織体制を構築します。また、未来 の首都高グループを担う社員の育成と多様な人材が働きやすい職場環境づくりを推進 します。 ◎首都高グループの組織力強化 安全・安心・快適なサービスを提供するために、首都高グループの組織力と業務体制 の強化を図ります。 ◎リスク管理とコンプライアンスの徹底 外部講師による講演会や研修等を実施し、リスク管理とコンプライアンスの徹底を図 ります。 ◎コスト縮減の取組み 道路の安全・安心に影響のない範囲で可能な限りのコスト縮減を実施します。 ◎IR活動の取組み 積極的なIR活動を実施し、投資家との信頼関係を強化します。 ◎広報活動の取組み 積極的で正確な情報発信を行い、信頼性の向上やお客様との信頼関係を強化します。 ◎CSRの取組み お客様、地域の皆様、投資家等、あらゆるステークホルダーに貢献し、広く社会から 認知され、信頼される企業を目指し、CSRの取組みを社会に発信していきます。 37 ◎組織・人材育成 第 当社を取巻く状況に機動的・効率的に対応できる組織体制を構築 します。また、未来の首都高グループを担う社員の育成と多様な人 材が働きやすい職場環境づくりを推進します。 ○組織体制の整備 ・道路の安全・安心の確実な確保(大規模修繕を含む。 )と大規模更新への適切な対応を行い つつ、既定の新設・改築事業を効率的に実施できる体制を構築します。 ・具体的には、より機動的かつ効率的な本社組織に見直すとともに、管理局と建設局とを統 合してエリアを所掌する局体制へ段階的に改編します。 ○人材育成の推進と職場環境の充実 ・未来の首都高グループを担う社員の計画的、体系的な育成を推進するために、育成プラン を構築します。 ・社員の育成プランに基づき、ジョブローテーションや関係機関、首都高グループに留まら ず、他の企業へも積極的に出向機会を設ける等により社内外のキャリア蓄積を推進すると ともに、現場研修等を通じ、若年時における一定レベル以上の基礎的な知識・スキル・技 術力の習得を強化します。 現場研修の様子 ・女性や経験者等の多様な人材の採用・登用等を推進するとともに、業務改善の実施、ワーク サポート・ライフサポートやIT等の充実を図ることで、働きやすい職場環境を実現します。 ・社会・経済のグローバル化の進展に柔軟に対応できる社員を育成するため、国内外の留学 制度等のさらなる活用を検討します。 38 章 経営基盤の強化 6 ◎首都高グループの組織力強化 安全・安心・快適なサービスを提供するために、首都高グループの 組織力と業務体制の強化を図ります。 ○首都高グループの組織力強化 ・道路の安全・安心・快適のために、首都高グループ一丸となって高品質なサービスの提供 に努めます。 ・当社の経営方針を首都高グループに徹底するとともに、人事交流等を通じて経営課題を解決 します。首都高グループのガバナンス強化や業務の効率化を推進します。 【料金収受業務】 【交通管理業務】 首都高トールサービス西東京㈱ 首都高トールサービス東東京㈱ 首都高トールサービス神奈川㈱ 首都高パトロール㈱ 首都高カー・サポート㈱ お客様が快適に料金 所をご通行いただけ るように、丁寧かつ 正確なお客様サー ビスに努めます。ま た、料金収受に留ま らず、お客様の運転 料金所での接遇 サポートができるよ うに、お客様からの道案内等のお問い合わせ対応や 必要に応じた情報提供を行います。 【関連事業】 【維持修繕業務】 首都高速道路サービス㈱ 首都高保険サポート㈱ 首都高パートナーズ㈱ 首都高技術㈱ 首都高メンテナンス西東京㈱ 首都高メンテナンス東東京㈱ 首都高メンテナンス神奈川㈱ 首都高電気メンテナンス㈱ 首都高ETCメンテナンス㈱ 首都高機械メンテナンス㈱ 道路を安全な状態に保つた め、24時 間365日、 様 々 な方法によりきめ細かな点 検を実施し、点検の結果に 応じた的確な補修・補強を 実施し、お客様に安全で安 心な首都高を提供します。 39 お 客 様 に 安 全・ 安 心・ 快適に利用いただける よう、定期的に巡回パ トロールを行い、道路 状況、交通状況や気象 状況等を常に的確に把 パトロールカーによる巡回 握するとともに、事故 車、故障車や落下物等に対して迅速な対応・処理を 行います。また、道路構造の保全及び交通の危険防 止の観点から、警察等の関係機関と連携して道路法 違反車両に対する取締を行い、指導・警告を実施し ます。 接近点検 お客様に快適な運転を続け ていただくため、パーキン グエリアではお客様のニー ズに合った良質なサービス を提供します。駐車場事業 ではお客様が安心して利用 いただける駐車場の提供と 代々木 PA 管理を行います。また、保 険代理店事業や労働者派遣事業を展開します。 ◎リスク管理とコンプライアンスの徹底 第 外部講師による講演会や研修等を実施し、リスク管理とコンプライ アンスの徹底を図ります。 ○リスク管理の徹底 ・具現化したリスクに基づき、想定されるリスクについては、毎年度のPDCAサイクル等に より、必要な見直しを行い、工事の安全をはじめとしたリスク管理の徹底を図ります。 ・講習会等により社員のリスクに関する意識の醸成や向上を図ります。 ○コンプライアンスの徹底 ・外部講師による講演会やコンプライアンスマニュアルを用いた研修等を実施し、社員への 継続的な啓発によりコンプライアンスの徹底を図ります。 ・首都高グループへ情報提供を行い、首都高グループ全体のコンプライアンス意識の向上に 努めます。 ◎コスト縮減の取組み 道路の安全・安心に影響のない範囲で可能な限りのコスト縮減を 実施します。 ○コスト縮減の徹底 ・LED機器等の導入、首都高で連続利用となる料金所の撤去、 料金精算機の導入等によりコスト縮減を継続的に実施します。 ・補修・補強の効率化等により継続的なコスト縮減努力を図りな がら、道路の安全・安心の確保に努めます。 ・新設・改築・更新事業においても、施工計画の工夫による架設 費用の縮減、他社の技術力・ノウハウを活用し、コスト縮減を 継続的に実施します。 料金精算機 (23 箇所で運用中) 40 章 経営基盤の強化 6 ◎IR活動の取組み 積極的なIR活動を実施し、投資家との信頼関係を強化します。 ○積極的なIR活動の実施 ・これまで実施してきた決算説明会、現場見学会、個別訪問等を引き続き行うとともに、積 極的なIR活動※1を実施し、投資家との信頼関係を強化します。 ※ 1 IR(Investor Relations)活動:企業が投資家に向けて経営状況や財務状況、業績動向に関する情報を発信する活動 決算説明会の様子 現場見学会の様子 ◎広報活動の取組み 積極的で正確な情報発信を行い、信頼性の向上やお客様との信頼 関係を強化します。 ○積極的で正確な情報発信 ・社長の記者会見や現場見学会を適時適切な時期に開催するとともに、記者発表やホームペ ージを通じた情報発信を積極的に実施します。 ・首都高講座等のお客様向け現場見学会の実施やSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サ ービス)を活用した現場からの生きた情報を積極的に発信します。 ・事故等が発生した際には、正確かつ迅速な情報発信を行います。 社長記者会見 41 首都高講座(現場見学会) ◎CSRの取組み 第 お客様、地域の皆様、投資家等、あらゆるステークホルダーに貢 献し、広く社会から認知され、信頼される企業を目指し、CSRの 取組みを社会に発信していきます。 ○CSR基本方針の策定 ・「CSR※1の基本方針」を策定し、CSRの取組みを推進するとともに、社会に発信してい きます。 ※1 CSR(Corporate Social Responsibility):企業が利益を追求するだけでなく、組織活動が社会へ与える影 響に責任をもち、あらゆるステークホルダーからの要求に対し て適切な意思決定をすること ○社会貢献活動の実施 ・「地域連携」、「教育」、「環境」 、 「福祉」等の分野に寄与する活動を念頭に置き、公益事業団 体等とも連携し、地元小学生等を対象とした社会実習、各種親子現場見学会、清掃活動、 地方自治体等に対する技術講習会等の社会貢献活動を実施します。 社会貢献活動 (地元小学生の社会実習の様子) 環境イベントの様子 ・地方自治体と包括連携協定を締結し、災害発生時の相互協力、観光・産業振興等を通じ て、地域社会の発展を図るとともに、お客様の利便の向上、利用の拡大を図ります。 ・環境にやさしい「エコ・ロード」を目指して、営業中及び建設中路線の沿道環境への配慮 やヒートアイランド対策等に取組み、地域社会のよりよい環境の実現を目指します。 ・地球温暖化抑制への取組みの一環として、低炭素社会実現に向けたFCV(燃料電池自動 車)等低炭素型モビリティの普及や水素ステーションの展開に協力していきます。 42 章 経営基盤の強化 6 数 値 目 標 区 分 項目 要補修橋梁率※1 安全・安心 の追求 2015年度 池尻~三軒茶屋更新工事着手年度 2015年度 高速大師橋更新工事着手年度 2016年度 死傷事故率 サービスの 提供 の展開 技術開発の 推進 15.0件/億台㎞以下 横浜環状北線完成年度 2016年度 晴海線[晴海~豊洲]完成年度 2017年度 板橋熊野町JCT間改良完成年度 2017年度 堀切小菅JCT間改良完成年度 2017年度 新たに導入する渋滞対策の実施累計箇所数 8箇所 快適走行路面率※3 97% 総合顧客満足度(5段階評価) 3.50 関連事業収益(連結) 新たな事業 10%以下 東品川桟橋・鮫洲埋立部更新工事着手年度 ※2 快適・便利な 数値目標 関連事業利益(連結、税引前当期利益) 駐車場事業収益(連結) 55億円 9億円 29億円 国内技術コンサルティング業務受注金額 4億円 海外技術コンサルティング業務受注金額 1.5億円 技術開発件数 10件 開発技術活用件数 25件 LED照明導入率 明かり部25% トンネル部50% ※1 要補修橋梁率:点検の結果により補修・補強が必要な橋梁の割合 参考:約12,000径間の全橋梁のうち、補修を必要とする橋梁を、約1,200径間以下となるよ う計画的に補修する。 ※2 死傷事故率:走行台キロ(各自動車の走行距離の総和)当たりの死傷事故件数 参考:全道路(市町村道、都道府県道、一般国道、自動車専用道路等)の2011年の死傷事故 率は93件/億台km(国土交通省HPより) ※3 快適走行路面率:高速走行でも快適で安定走行が可能となる路面舗装の割合 参考:約310kmの道路延長のうち約300kmを、お客様が高速で快適に走行できる路面に維持 する。 43 主な全体計画 東京オリンピック・ これまでの これからの3年 中期経営計画 パラリンピック開催まで 3年 (2018 ~ 2020) (2021~) 6 章 経営基盤の強化 (2012 ~ 2014) (2015 ~ 2017) 第 項 目 ○ネットワーク整備 2016年度開通予定 ・横浜環状北線 2017年度開通予定 ・晴海線[晴海~豊洲] (事業年度 ~ 2018年度) ・渋谷入口(下り)新設 ・横浜環状北西線 (事業年度 ~ 2021年度) ○ボトルネック対策 ・板橋熊野町JCT間改良 2017年度完成予定 ・堀切小菅JCT間改良 2017年度完成予定 (事業年度 ~ 2019年度) ・小松川JCT新設 渋滞・混雑量を中央環状 品川線開通前に比べ半減 ○「首都高 快適走行ビジョ ン」 の取組み ○2012年度までに発見さ 2016年度完了予定 れた損傷の補修・補強 ○大規模更新 ・東品川桟橋・鮫洲埋立部 ・池尻~三軒茶屋 ・高速大師橋 ・日本橋・築地川区間 2015年度工事着手 (事業年度 ~ 2026年度) 2015年度工事着手 (事業年度 ~ 2027年度) 2016年度工事着手 日本橋・築地川区間については、 都市再生(まちづくり)と連携 した更新検討・調整を進めます。 (事業年度 ~ 2024年度) ○大規模修繕 2014年度工事着手済 ○東 京オリンピック・パラリ 「2020東京オリンピック・パラリンピック首都高推進本部」設置 ンピックの成功に貢献す るための取組み (事業年度 ~ 2023年度) 「五輪景観向上対策アクションプログラム(仮称)」に基づく取組み (第1期) オリンピック・パラリン ピックに向けた準備期 間 (オリンピックレーン の運用計画策定等) (第2期) 検討した 施策の実施 44 参 考 ○当社の基本的な収支構造 ・当社は、 (独)日本高速道路保有・債務返済機構と協定を締結し、協定で料金収入や貸 付料等を定め、業務を実施しています。 ・協定に基づき、債券・借入金にて高速道路の新設、改築、修繕を行い、完成後に道路資 産と債務を(独)日本高速道路保有・債務返済機構に承継しています。また、お客様か ら通行料金を徴収し、その料金収入で協定に基づく道路資産の貸付料を支払い、高速 道路の維持管理を行っています。 ・(独)日本高速道路保有・債務返済機構は、当社からの料金収入を原資とする道路資産 の貸付料により、2065年までに債務を返済することとなっています。 ○当社と (独)日本高速道路保有・債務返済機構との協定 (単位:億円 (税込)) 2015年度 2016年度 2017年度 料金収入 2,741 2,963 3,061 貸 付 料 1,988 2,209 2,312 注1)2014年11月17日付で協定変更をした数値です。 注2)億円未満は切り捨てです。 45 シンボルマーク:トライアングルストリーム 東京を中心に神奈川・千葉・埼玉の3方面へ 伸びる首都高速道路のネットワークと、その ネットワークづくりを通じて「ひと・まち・ くらし」を支えていくという当社の姿 勢を 表現したものです。 社 名 首都高速道路株式会社 (Metropolitan Expressway Company Limited) 代 表 者 代表取締役社長 菅原 秀夫 所 在 地 東京都千代田区霞が関1 ー 4 ー 1 設 立 2005年10月1日 資 本 金 135億円 事業概要 高速道路の新設、改築、維持、修繕、災害復旧その他の管理等 国、地方公共団体等の委託に基づく道路の新設、改築、維持、修繕等 駐車場、高速道路の休憩施設及び高架下賃貸施設の運営及び管理等 46 中期経営計画 2015 ̶ 2017 安全・安心・快適を追求し、 いつも首都圏のひと・まち・くらしを支えます 本冊子は再生紙および ベジタブルインクを 使用しています。