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弁済充当における保証人の地位
研究ノート 遠 藤 弁済充当における保証人の地位 第一章 着 条︶でも問題となる。 ここで、債権者が債務者に対し数次に渡って金銭を貸し 付ける場合を考えてみると、前者は後者の返済能力に程度 の差こそあれ不安を感じるため、後者に対して担保の設定 を要求するのが常である。例として、二つの貸金債権の一 方にのみ保証人が立てられた場合を想定してみる。この時、 債務者が債務総額に満たない弁済をなせば、債権者として はまず無保証債権に弁済を充当し、保証付債権を温存した いと考えるであろう。だが、上に挙げた民法の規定によれ 債務者が同一債権者に対して同種の目的を有する債務 ︵例、金銭債務︶を複数負担し、前者が債務総額に満たな ば、充当すべき債権を指定できるのはまず債務者であるた め︵第四八八条一項︶、彼が保証付債権への充当を指定す れば、保証人という担保を取った債権者の期待は大きく裏 切られる。このため債権者は、自己がまず充当指定をなせ る旨の合意︵弁済前の充当合意︶を債務者となし、この合 意に基づいて弁済を無保証債権へと充当する。債権者は、 これによって保証付債権を温存し、債権回収の安全を図る ことができるのである。 合意は自己の知らない間にもなされ得るし、またその後、 他方で保証人の立場に立つと、債権者債務値間での充当 八九条︶。またこうした弁済充当は、賃料債務などの一つ これらに充当し続ければ、結果として保証人は継続的な保 債権者が債務者に無担保融資を繰り返し、債務者の弁済を 法の定める順序に従った充当がなされる︵法定充当、第四 項但書︶、あるいは両当事者の指定がなかった場合には、 文︶。もし債権者の指定に対して異議が述べられ︵同条同 弁済受領者たる債権者が充当指定をなせる︵同条二項本 定でき︵第四八八条一項︶、債務者の指定がない場合には、 定によれば、まず弁済者たる債務者が充当すべき債務を指 第四八八条から第四九一条にかけて規定を置いている。規 きかという問題が生じる。この弁済充当につき、民法典は い弁済をなした場合、なされた弁済をどの債務へ充当すべ 歩 の債務を数次に渡って弁済︵例、月毎に弁済︶する場合 ︵第四九〇条︶や、債務の元本、利息、費用間︵第四九一 エ 67 (4 ●149) 1071 払 百冊 研究ノート ぶことにする。 れている。本稿では、これを保証人の地位の不安定さと呼 手段を有しないという、法的に著しく不安定な状態に置か ずしも知り得ず、仮に知り得たとしても自己を免責に導く は、債務者の弁済があった場合にも自己の免責の有無を必 当関係を了知する機会を保障されていない。この時保証人 なされる必要がないため︵第四八八条三項︶、保証人は充 債権者及び債務者の充当指定の意思表示は保証人に対して 証または根保証をさせられたにも等しくなる。のみならず、 債権者は配当金を無保証債務に優先的に充当できなくなる 趣旨に合致するものと解される﹂と。法定充当による結果、 妥当な充当方法である法定充当によることが右競売制度の 債権について配当を受ける場合には、画一的に最も公平、 の意思表示を予定しないものであり、同一債権者が数個の 行するものであって、配当による弁済に債務者又は債権者 わく、﹁不動産競売手続は執行機関がその職責において遂 は以下の理由で債権者のなした充当の効力を否定した。い の効力を肯定し、債権者の請求を全部認容したが、最高裁 たのが本件である。一審、二審とも上記特約に基づく充当 よって得た配当金を上記特約に基づき保証人の付いていな 債権者は債務者夫妻所有の土地建物を競売に付し、売却に た者である。そして、債務者夫妻が貸金返済を怠ったので、 特約を結んでいた。被告は、上記債権の一つを連帯保証し 告の適当と認める順序方法で充当することができる﹂旨の は、﹁弁済が債務全額を消滅させるに足りないときは、原 に合計三つの貸金債権を有しており、各貸付けごとに両者 この事件では、債権者たる農協︵原告︶が訴外債務者夫妻 年である。保証契約締結から充当指定に至るまでの=二年 第一審で債権者が配当金の充当指定をなしたのが昭和六一 金交付︵昭和六〇年︶がなされた後、保証人が訴えられ、 ∼五六年︶、債務者所有不動産の競売︵昭和五六年︶、配当 する二口の融資が追加され、債務者の一部弁済︵昭和四八 保証契約締結が昭和四八年であり、その後債務者夫妻に対 位の不安定さは取り除かれない。本件の時系列を辿ると、 だが、この最高裁の見解に従ったとしても、保証人の地 う。 る この保証人の地位の不安定さが如実に表れた事件として、 のであり、この意味で保証人に有利な判決であるといえよ い二つの債権に充当した。これによって保証付債権が残っ 間、たとえ債務者の弁済がなされたとしても、保証人は必 ヨ 最高裁昭和六二年一二月一八日判決を挙げることができる。 たため、債権者が保証人に対して保証債務の履行を請求し 67 (4 ・】.50) 1072 研究ノート ずしも自己の免責を知り得ず、また自己を免責に導き得な 第一節 旧民法 第二章 民法典編纂過程 以上経った後に下された判決で、特約に基づく充当の効力 ボアソナードは、フランス民法典第一二五三条以下を基 いという、不安定な状況に置かれていたのである。=二年 ら が法定充当によって排斥されれば、保証人はそれで満足す 礎にして、旧民法財産編︵以下、旧民財︶第四七〇条以下 保証人に及ばないとするものもある。しかしながら、特約 徴と、そこにおける保証人の地位とを考察する。議論の前 較を通じて、ボアソナードの手になる旧民法充当制度の特 の草案を起草した。本節では、フランス民法と旧民法の比 ソ べきなのだろうか。学説の中には、特約に基づく充当が著 しく不当であり、信義則に反する場合には、充当の効力が に基づく充当の効力を事後的に判断すれば、それに至るま 提となる諸法文は、次のとおりである。 での保証人の状況、すなわち=二年以上にわたる地位の不 纂過程における充当制度の成立史と、そこにおける保証人 提とされなければならない。それゆえ以下では、民法典編 検討する際には、充当制度全体に対する包括的な認識が前 と論理的関連を有する問題である。そしてこれらの問題を 法定充当となった場合における保証付債務の扱いも、以上 人に対する効力、ならびに充当合意や充当指定がない結果、 係を中心的な検討課題とする。しかし充当合意一般の保証 本稿は、上で見たような弁済前の充当合意と保証人の関 そが本当に問題とされるべき事柄ではないのか。 は、弁済は、弁済期の到来した債務の間では、弁済時 同第一二五六条﹁受領証書による充当がない場合に た場合はこの限りではない。﹂ よる詐欺︵山。一︶または不意打ち︵ω霞OユωΦ︶があっ への充当を主張することができない。但し、債権者に 証書を受け取った場合には、もはやそれと異なる債務 務の一つに弁済物を特別に充当した旨の債権者の受領 同第一二五五条﹁複数債務の債務者は、それらの債 どの債務の弁済を欲するかを述べる権利を有する。﹂ 仏心第=一五三条﹁複数債務の債務者は、弁済時に、 安定さは考慮する必要がないのだろうか。むしろ、これこ の地位の考察から議論を始める。 に債務者にとって最も弁済の利益が多いものに充当さ 67 (4 ●151) 1073 研究ノート 費用及ヒ利息ヲ先ニシ元本ヲ後ニス 債務ヲ後ニス 第二 れる。但し、弁済期の到来した債務へは、たとえそれ が弁済期未到来の債務より負担が軽くても充当される。 総債務力期限思至リ又ハ至ラサルトキハ債務 当ハ各債務ノ額二応シテ之ヲ為ス﹂ 総債務力添レノ毒煙於テモ相同シキトキハ充 務ヲ先ニス キハ期限ノ最モ先二至リタル又ハ至ル可キ債 債務者力弁済ノ先後二付キ利益ヲ有セサルト 者ノ為メ最モ弁済ノ利益アル債務ヲ先ニス 第三 第五 第四 債務の性質が等しい場合には、最も古い債務に充当 がなされ、全ての事柄が等しい場合には、割合に応じ て充当される。﹂ 旧民財第四七〇条一項コ人ノ債権者二対シテ一様 ノ性質ナル数個ノ債務ヲ有スル債務者力総債務ヲ全消 スルコトヲ得サル弁済ヲ為ストキハ債務者ハ弁済ノ時 二於テ其何レノ債務二充当セントスル意ヲ述へ且此充 条文を比較するだけでも、フランス民法と旧民法の相違 当ヲ受領証書二記入セシムルコトヲ得﹂ 点を幾つか指摘できる。しかし、本稿との関係で重要なの い 第四七一条﹁債務者力有効ナル充当ヲ為ササルトキ トヲ得但財産取得二棟百二十九条ノ会社契約二関スル 指定が記された受領証書を受け取った場合に、当該指定を まず三民第一二五五条によれば、債務者が債権者の充当 は次の二点である。 規定ヲ妨ケス 争いうるのは、債権者に詐欺︵α9または不意打ち ハ債権者ハ受領証書二於テ自由二弁済ノ充当ヲ為スコ 債務者力異議ナク又ハ異議ヲ留メスシテ受領証書ヲ ソナードは、草案第四九二条二項︵旧民財第四七一条二 ︵ω一﹂﹃一P﹁一ωΦ︶があった場合に限られる。これに対してボア 隔アリタルニ非サレハ充当ヲ非難スルコトヲ得ス﹂ 項︶において、債務者は受領証書受領時に異議を述べうる 受取リタルトキハ債務者ハ自己ノ錯誤罪刑債権者ノ欺 第四七二条﹁債務者及ヒ債権者力有効二充当ヲ為サ ことを明記したうえ、受領証書受領後の異議事由に錯誤 ︵Φ﹁吋Φ⊆﹁︶を追加し、さらに、フランス民法がαo一とした サ ルトキハ当然左ノ如ク充当 ス 第一 期限ノ至りタル債務ヲ先ニシ期限ノ至ラサル 67 (4 ・152) 1074 研究ノート ところを変えて、それよりも広い概念であるヰ鋤二αΦを理 復活させることはできないとしている。理由は、弁済当事 意をなしても、それによって一旦消滅した保証人の責任を 分かる。 を組み立てる際に、債務者保護を念頭に置いていたことが 選第四七二条第三︶。ここから、ボアソナードは充当制度 定︵仏民第一二五六条一項︶は、そのまま採用した︵旧民 から先に充当するという、法定充当における債務者保護規 護であると説明している。さらに、﹁弁済の利益多きもの﹂ 検討し、かつ、旧民法と現行民法における保証人の地位の 典調査会を通じて旧民法に加えられた修正、変更を中心に 法典調査会で幾つかの修正を受けた。そこで羽箒では、法 いたと考えられる。しかし旧民法の充当制度は、その後の スの判例学説に従って保証付債務からの充当を前提にして は、債務者保護を基調とし、法定充当に関しては、フラン 以上から、ボアソナードの起草になる旧民法の充当制度 である。 れ 由とする異議を認めた。この修正の根拠を、ボアソナード 者の合意のみによって、保証人の既得権を害し得ないから は﹁債務者の保護﹂に求める。またボアソナードは、債務 の 者に第一次充当指定権が認められる理由をも、債務者の保 次に、保証人の地位をみると、まず法定充当に関しては、 相違をも合わせて指摘する。 ︹13︶ ︵14︶ フランス民法、旧民法の上記規定とも、保証付債務が無保 も債務者にとって弁済の利益が多いとしており、それを受 のローマ法源に依拠しつつ、保証付債務は無保証債務より いない。しかしフランスでは、民法典制定前の学説が後述 たことである。旧民躍増四七〇条一項は、債務者は債権者 ず指摘すべきは、充当指定と受領証書との関係が切断され 法典調査会を通じて旧民法に加えられた修正として、ま 第二節 法典調査会における修正 証債務よりも﹁弁済の利益が多いもの﹂か否かを明記して けて制定後の判例、学説も同様の解釈をなしていた。ボア をして債務者の充当指定を受領証書に記入せしめることが レ お ソナードは、草案の注釈でこの点に言及していないが、彼 できるとし、また言託四七一条一項は、債権者の充当指定 現行民法の規定︵第四八八条︶には、受領証書という語が は受領証書でなされるべきことを前提にしていた。しかし が特段の異見を述べていないことから、フランス同様の解 釈を前提にしていたものと推測できる。また、充当合意と 保証人の関係について、ボアソナードは、弁済後に充当合 67 (4 ・153) 1075 研究ノート た。第一点は、充当指定はどのような方法でなされるべき にしたが、その結果、次の二点を明らかにする必要が生じ で、弁済充当の所でも受領証書の語を条文に表さないこと める規定の削除が可決されたことに求められる。この関係 第四八六条︶の審議が行われており、そこで右請求権を認 で行われる前に、受領証書交付請求権に関する規定︵現行 見られない。その理由は、第四八八条の審議が法典調査会 条︶で同様の結論を導くことができるからであり、債務者 し、これは意思表示に関する規定︵現行第九五条、九六 は、債権者の指定を争いうるとの規定の削除である。しか 定、すなわち債務者の錯誤あるいは債権者の三盆がある時 連を有する。まず、旧民財第四七一条二項の債務者保護規 債権者と債務者の利害調整については、以下の修正も関 のである。 の異議を認めるという形で、両者の利益が調整し直された お か、第二点は、債権者の指定に対して債務者は何時まで異 保護を否定する趣旨ではなかった。さらに、スイス旧債務 ハゐ ハふ 議を述べることができるのか、である。この二つの点に関 法第一〇〇条を参考にして、一つの債務の弁済に関する現 たため、その後の整理会で、充当指定は﹁相手方に対する まず第一点に関しては、法典調査会では解決されなかっ 保護規定にはなっていない。しかしスイス旧債務法と異な 保証付部分から先に充当することを許さないという債権者 行第四九〇条が設けられたが、スイス旧債貯法とは異なり、 む 意思表示﹂によってなす、との規定︵現行第四八八条三項、 る内容にした理由を法典調査会の速記録から窺い知ること する判断が、旧民法の充当制度に変化をもたらした。 整理毎時第四八四条三項︶が追加された。意思表示でなす ができないため、ここに債権者保護の否定を見ることは性 とは、相手方の同意が不要ということであり、理論的には、 り 時に異議を述べるべきとする旧民財第四七一条二項を、債 意味する。次に第二点については、債務者は受領証書聖領 調査会の審議は終了している。しかし、その結果成立した 付債務の扱いについては、具体的な議論がなされないまま 充当合意と保証人の関係、および法定充当における保証 急に過ぎる。 務者は直ちに異議を述べるべき、と改めた︵現行第四八八 現行民法の解釈では、鳩山秀夫の頃には、法定充当に関し、 一方的意思表示による充当指定が相手方を拘束することを 条二項但書︶。その結果、債権者は一方的意思表示による ﹁債務者ノ為メニ弁済ノ利益多キモノヲ先ニス。例ヘバ利 充当指定で債務者を拘束しうるかわりに、債務者には即時 67 (4●154) 1076 研究ノート 弁済の利益に差はない。︵中略︶物上保証人のついている わち保証人のついている債務とついていない債務とでは、 ス﹂と説明されていたものが、現在では、﹁人的担保すな 息付債権、担保付債権ハ無利息債権、無担保債権ヨリ先二 人の地位に関する我国の解釈論に提言をなす。 第五章の冒頭で現行民法の充当制度を評価し、最後に保証 典編纂過程における議論を扱う。以上の成果をふまえて、 通法の充当制度について考察を行い、第四章でドイツ民法 そこでまず次章では、ドイツ民法典の基盤を形成した普 む 債務と単純な債務とでは、物上保証人は保証人と同視すべ あ きだから、弁済の利益に差なし、というべきであろう﹂、 第三章 十九世紀ドイツ普通法 本節では、ドイツ普通法を理解する前提として、古典期 第一節 古典期ローマ法の充当制度 とされている。この意味で、ボアソナードが前提にしたと 考えられるフランスの解釈は受け継がれなかった。 一方、ドイツ民法は、法定充当に際し、担保の少ない債 お 務、すなわち無保証債務から先に充当すると規定しており、 ローマ法の充当制度を概観しておく。ドイツ普通法は、古 おソ 典期のローマ法文に依拠して理論を構築したからである。 フランスとは全く逆の立場をとっている。さらにドイツ民 法は、債権者の充当指定という制度を有していないため、 古典期ローマ法によれば、弁済によってどの債務が消滅 作られたに違いないと思う。以下では、ドイツ民法の充当 生み出す下地が、ドイツ法学の影響により何処かの時点で ぼしており、現在の我妻説およびそれに追随する諸学説を 上法文︶。この指定が債務者の意に適わなければ、債権者 債権者の指定は、弁済時になされなければならない︵同 お ∪・まるvごU﹂ρρω只・︶。 は債務者の利益を考慮したものでなければならない︵⊆P 移転する︵﹀暮〇三コニω●○。。”誌︵ら。。︶”一︶が、債権者の指定 れ 弁済時に債務者が指定しない場合は、債権者に指定権能が すべきかは、まず債務者が指定できる︵⊆ロ・U.参ωし︶。 ︵39︶ ︵40×41︶ 債務者の充当指定がなければ即座に法定充当が生じること になり、充当制度の基本的な構造をもフランス民法と異に している。周知のように、ドイツ民法典が成立する過程で 作成された草案は、法典調査会での議論に大きな影響を及 規定の成立経過を追いつつ、この問題を究明する手がかり は受領を拒絶でき、また債務者は弁済を取りやめることが あ を探してみることにする。 67 (4 ●155) 1077 研究ノート ゆ できる︵固。目窪口pO﹂ρωb︶。 両当事者が弁済時に指定しなかった場合の充当関係は、 売却後に法定充当となった場合に関する竃霞8FU●膳ρ ω隔ωも、保証人の担保する部分が法定充当によって消滅 お するとしており、同法文は、その根拠を債務者の推定的意 お 以下の規則に従う。①期限の到来した債務とそうでない債 思に求めている点で示唆的である。というのも、これは お 務との間では、期限の到来した債務に︵⊆戸b●駆ρρ あろうよう﹂順序で、と軌を一つにするものであり、ここ ℃鋤豆三口PU・らρω一望で述べられた法定充当の一般準則、 付債務、第二に砂付債務、第三に質、抵当付債務、第四に から法定充当で保証付債務が優先充当される理由を、保証 ω覧︶、②両債務とも期限が到来している場合は、債務者 自己固有の債務に充当される︵⊆O・O・腿ρρご℃9。虚言鋤P 人保護ではなく債務者保護に求めうるからである。 ﹁催告を受けた注意深い債務者が自己の事務を処理したで O’幽ρP零︶。また、保証付︵ω讐δα鋤江。︶債務は無保証 そうだとすれば、債権者は﹁債務者の事柄について、そ にとって負担のより重い債務、すなわち第一に破廉恥制裁 債務よりも負担が重い︵℃o柵戸U・鼻ρρ合d一やU齢れρρ れがあたかも自己の事柄であるかのように﹂充当すべきで に︵⊆PU.心ρ。。博9﹁●︶、④以上の基準によって決まらな れた制約も、債権者は債務者のために保証付債務から充当 ある︵⊆Pu’参も。口︶という、債権者の充当指定に課さ カ 9ご。③負担の重さが同じ場合は、成立時期の早い債務 い場合は、債務額の割合に応じて各債務に︵℃鋤二一●U畳蔭ρ を売却した債権者の充当指定が、債務者のそれに優先する ただし質物売却の場合には特則がある。すなわち、質物 ρ。。︶、充当される。 務者保護の結果としてである。この債務者保護は、債権者 も保証人は保護されているが、しかしそれはあくまでも債 以上によれば、法定充当でも債権者の充当指定の場合で 指定をなすべきであるとの意味に解せる。 ズロ ︵℃磐ピ∪・腿9ω藁O隅一︶。 に、かなり徹底した形でなされている。債権者の充当指定 の充当指定にすら制約を課していることからも分かるよう ℃oヨO.O.心ゆω添及び⊆℃・U誌ρω覇凛◎から明らかなよう に対する保証人の異議等の制度を、古典期ローマ法が必要 保証人の地位をみると、まず法定充当の局面では、 に、保証付債務が無保証債務に優先して充当される。質物 67 (4 ●156) 1078 研究ノート としなかったのは、保証人が債務者保護を通じて十分に保 書が充当合意に言及しない場合でも、それは充当合意を否 法教科書等での言及は控え目である。しかし、普通法教科 ほ 護されていたからであろう。 定する趣旨ではなく、理論面からの正当化の可能性は残さ 意を基軸とした学説、特にプロイセン王国上級裁判所 ることである。この時注目に値するのは、弁済当事者の合 右で見た古典期ローマ法を如何に受容したかを明らかにす 第 二 節 充当合意 お 本節の対象は、十九世紀ドイツ普通法の弁済充当論が、 関係は合意による取決めの対象となる。そして弁済は、当 から、もし弁済が契約であれば、弁済契約の内容たる充当 つまり、当事者は合意によって契約内容を自由に定めうる 当合意が有効である根拠を弁済が契約であることに求めた。 的に行ったのが、上述のヘンリーキーであった。彼は、充 れている。こうした状況で、充当合意の理論化を最も積極 ︵OσΦ耳ユσ二轟一︶副長官ヘンリーキーの学説である。彼は 事者の合意に基づいて法律関係の変動という効果が発生す そもそもこの充当合意という考え方は、プロイセン王国 古典期ローマ法と普通法との異同を明らかにしてみる。 あるが、以下ではまず充当合意を取り上げることによって、 の試みによって彼の著作は普通法の代表文献となったので えながら受領した場合にも、弁済契約の成立を認めうるの が充当指定付きでなした弁済を、債権者が指定に異議を唱 成立するのか、という点である。すなわち例えば、債務者 そこでの問題は、弁済時の充当合意がなくとも弁済契約は 弁済を契約と構成して充当合意を理論化する場合には、 主として弁済時の充当合意が念頭に置かれるのであるが、 るため、契約である。 ケ雪国ヒスベルク大学教授ブーフホルツによって、十九世 か。ヘンリーキーによれば、充当合意が無くとも弁済契約 すなわち充当合意を理論的に基礎付けた上で、合意を軸に 紀ドイツ普通法学に導入されたものであった。ヘンリー は成立し、かつ債務者の指定した債務が消滅する。なぜな その論文の冒頭で、当事者の合意による充当関係の決定、 レ キーの他、シュタイナーやグルショーといったプロイセン らば、弁済契約成立のためには財貨移転に関する合意があ 債務者、債権者の充当指定等の諸制度を説明してゆく。こ 王国判事が著した普通法文献は、充当合意を比較的詳細に れば足り、また充当すべき債務は債務者が指定できる︵U・ ︵61︶ ︹62︶ お 論じるが、充当合意に関するローマ法源がないため、普通 67 (4 .157) 1079 研究ノート これに対してヴィントシャイトは、充当合意がなければ 心ρρH︶からである。 が、理論的な裏付けを得ることになった。第二に、債務者 との合意で自己の欲する債権へ弁済を充当するという行為 という制度が理論化され、これによって、債権者が債務者 れ 弁済は成立しない、との立場をとる。弁済による債務消滅 の充当指定との関係では、そこで債権者の意思をも顧慮す ることができた。第三に、これは後述の債権者の充当指定 れ 効の根拠を、特定の債務消滅に向けられた当事者意思の合 致に求めるからである。この見解によれば、債務者の充当 記場合には、特定の債務消滅に向けられた当事者意思の合 憂した債務が消滅するという解釈をなし得た。 らなかった場合にも、債務者の同意があれば、債権者の指 に関するが、債権者が自己の充当指定に課された制約を守 れ 致がないため、弁済は成立しない。その結果、債権者は受 要約していえば、弁済の契約的構成によって達成された 指定に債権者が異議を唱えながら弁済を受領するという上 領した物を不当利得として返還すべきことになる。この わ のは、弁済充当における債権者の法的地位の向上であった。 うな中で、保証人の地位にはどのような変化が生じたのか。 己に有利な立場の確保を模索してゆくことになる。そのよ お ヴィントシャイトの見解は、弁済を契約と構成して一つの これ以後、債権者は、特に充当合意という制度を用いて自 筋を通すものではあるが、債務者の充当指定を明記する ローマ法源U●軽9ω篇の意義を著しく損なうために、普通 法の解釈としては受け入れ難い。そのため、ヘンリーキー 次節の検討課題である。 れ の見解が普通法学の通説となっている。 典期ローマ法との間にどのような相違をもたらしたのか。 それでは、合意を軸にした充当制度の説明は、普通法と古 そしてこれが普通法における弁済充当論の特色であるが、 指定の説明を試みている点では、両者とも共通している。 違があるとはいえ、弁済を契約と構成して充当合意や充当 る旨の充当合意とが考えられ、それぞれが保証人に対する らに、特定債務への充当合意と債権者がまず充当指定しう 弁済後の充当合意がありうる。弁済前の充当合意には、さ 意には弁済時における充当合意の他、弁済前の充当合意や まず、充当合意の保証人に対する効力であるが、充当合 第三節 保証人の地位 ヘンリーキーとウィンドシャイトの問に上記のような相 まず第一に指摘できるのは、契約的構成により充当合意 67 (4●158) 1080 研究ノート 影響の仕方を異にする。まず前節で見た、弁済時における シュトルックマン説とが対立している。保証人との関係で いえば、前説は弁済後の無保証債務への充当合意によって、 く損なわれることになろう。 充当合意の実践的意義、すなわち債権者の地位強化が著し 見当たらない。もしそれを認めれば、理論化したばかりの 当が約されたとしても、保証人からの異議を認める学説は 滅するので、もし弁済当事者が弁済後に無保証債務への充 る結果、無保証債務よりも負担の重い保証付債務が先に消 法定充当による債務消滅効が即座に生じる。法定充当とな 説によれば、弁済時に充当債務が定められない場合には、 債権者が保証人を訴求することを認める。これに対し、衆 む これに対して、弁済前の充当合意については、先の二種 当を欲するならば、更改契約を結ぶべきである。しかし二 充当合意に関しては、充当合意によって無保証債務への充 類とも、普通法期にはほとんど論じられることがなかった。 当事者間の更改契約で一旦消滅した保証人の責任を復活さ せることはできないから、弁済時までに保証付債務への充 おソ の そのため一九〇〇年の民法典施行後に、学説は、弁済前に おける特定債務への充当合意によって、弁済時における債 当を主張しなかった債権者は、法定充当によって保証人の お お 務者の充当指定権が奪われるのか否かを争い、保証人との 責任を追求する道を断たれることになる。帝国裁判所が一 り 八九二年に後説を支持する判決を下して以来、前説を支持 あ 関係では、一九〇七年の帝国裁判所判決がその後の議論を 方向付けた。一方、弁済前の合意でまず債権者に充当指定 体の有効性が問題となる。一方で、弁済当事者の合意によ 弁済後の充当合意に関しては、まず、そのような合意自 学説においても議論がなされなかった。 債権者の充当指定自体を廃止したこともあり、施行直後の 債務者のなした指定に異議を述べることはできない。また、 債務者が保証付債務への充当を指定したならば、債権者は その弁済の受領を拒絶するか否かの自由を有するにすぎず、 すべき債務はまず債務者が指定できる︵∪.心ρωし︶ので、 次に、弁済時における当事者の充当指定をみると、充当 する論者は見られなくなった。 る法律関係の自由な形成という見地から、弁済後の充当合 債務者が無保証債務に充当を指定した場合においても、債 を許すことについては、後にみるように、ドイツ民法典が 意を有効とするヘンリーキー説と、他方で、弁済の効力を 務者の充当指定が決定的であり、それに対する保証人の異 ゆ が 早期に確定させる必要から、当該合意の効力を否定する 67 (4 ・159) 1081 研究ノート 債務者の充当指定がない場合には、債権者が充当指定を ることができる。 あり、他人がその内容を変更できないという考え方に求め ような異議を認めていないことと、弁済は債務者の行為で は保証人の異議が認められない理由は、ローマ法源がその 議は認められない。債務者の充当指定に対する債権者また のは、U﹂ρρ一に明記された事例、つまり係争中の債務、 限定的に解する。彼によれば、債権者が充当指定しえない ゲロウは、右制約を基本的に維持しつつも、制約の範囲を とを見落としている、という難点がある。それゆえファン マ法源はまさにその充当指定に対して制約を課しているこ はそもそも弁済時にしかありえず︵O﹂ρも。﹂末尾︶、ロー かしながら、この見解には、債権者の充当指定というもの なせるがθ.らρρご○。。”お︵おγ一︶、債権者が無保証債 保証人として負っている債務、期限未到来の債務に限られ ︵90︶ 務への充当指定をなしうるかは、普通法学における一つの 務を差し置いた無保証債務への充当指定は、許されなくな いるからであり、この制約の捉え方によっては、保証付債 に対して、債務者の利益を保護すべきという制約を加えて 務者であるかのように行動すべきという文言を根拠に、法 り 定充当規則の債務者保護基準をも右制約の中に取り込む。 ブルヒやジンテニスは、O・心ρω藁の債権者はあたかも債 他方で、制約の範囲を広く解する説もある。ミューレン る。 るからである。しかしながら、債権者の無保証債務への充 この見解によれば、債権者は保証付債務よりも先に、拳蟹 問題である。なぜならば、O.癖ρρ一は債権者の充当指定 当指定を認めないのであれば、債権者に充当指定を許した 例えばブーフホルツは、債権者が弁済時にすぐさま充当 るか、あるいは限定的に解釈する。 考える論者は、債権者の充当指定に対する右制約を除去す 当指定という制度がドイツ民法典編纂過程で排除されるこ る。この問題は、理論的な解決をみないまま、債権者の充 説紛糾しており、見解の一致は到底期待できない状況であ こうした制約の範囲をめぐる争いは、細部に至っては諸 証債務へと充当指定をすることができない。 ハ 指定をなすならば、右制約は守られなくとも良いと解する。 とにより、意味を失った。 意味が失われると考えることも可能であろう。このように この場合、債務者は弁済を取りやめることによって︵U噛 最後に本章をまとめると、債務者保護を強調した古典期 蔭ρρ卜。︶、自己の利益を守ることができるからである。し 67 (4 ●160) 1082 研究ノート ローマ法から、普通法では、弁済の契約的構成によって債 権者の地位が向上した結果、必ずしも保証人が保護されえ その際、充当制度全体の構造変化、およびそれに伴って生 第一節 キューベル草案 じた保証人の地位の変化に考察の重点が置かれる。 充当合意がなされる場合、および、債権者の充当指定に課 ない局面が拡大した、といえる。その局面とは、弁済時に された制約を排除あるいは限定する見解下での、債権者に キューベルの手による債務暗部分草案第一編第五章第一 ︵95︶ 節第六条及び第七条は、次のような規定である。 よる充当指定がなされる場合である。一方、保証人の利益 て支えられていたのかも知れないが、この点の検討をここ 体の立場対等性は、当時の経済界の構造や時代思想によっ 等な立場に置かれている。普通法の特色の一つたる、法主 護しようという発想は見られず、三者はいずれも法的に対 おいても、債権者保証人間においても、どちらか一方を保 見解を承認する場合である。ここでは、債権者債務者間に 当指定においても、その指定に課された制約を広く解する 指定したならば、債務者がこの指定に対して即座に異 債権者が給付受領時あるいは受領証書において債務を 第七条﹁債務者が第六条の指定をなさなかった場合、 が消滅を欲する旨を表示した債務が消滅する。﹂ 消滅させるに足りない場合は、給付時において債務者 滅を意図してなされた債務者の給付が、全債務関係を 付を目的とした複数の債務関係が存在し、かつ債務消 第六条﹁同一の債権者と債務者との間に、同種の給 が守られるのは、弁済後の充当合意を排斥し、債権者の充 では行わない。こうした立場対等性のその後の行方に、む 議を述べないか、あるいは異議を留めずに受領証書を よって消滅する。 受け取ることにより、債権者の指定した債務が給付に しろ本稿の関心があるからである。 第四章 ドイツ民法曲ハ編纂過程 るいは債務者が債権者の充当指定に対して即座に異議 債務者債権者の双方が指定をなさなかった場合、あ 本章では、ドイツ民法典編纂過程において、上でみた普 を述べた場合には、まず期限の到来した債務が、期限 ぬ 通法の弁済充当制度が如何に受容されたのかを検討する。 67 (4 ●161) 1083 研究ノート の到来した債務の間では債務者に負担のより重い債務 かという具体的状況によって左右されるのは好ましくない 債権者の充当指定の拘束力が債務者の利益が守られたか否 こと、を挙げている。他方でキューベルは、債務者が指定 が、負担の重さが等しい債務の間ではより古い債務が、 成立時期が等しい債務の問では各々の債務が割合に応 を怠ったからといって、債権者に無条件の充当指定を許す まず第六条からみると、同条は普通法と同様に、まず債 りうることを指摘し、債権者の充当指定に対する債務者の にも様々なもの︵例えば、法定充当規則に従う意図︶があ じて消滅する。﹂ 務者が弁済時に充当指定をなせるとするが、普通法とは異 異議を認めた。債権者は意思表示によって無制約の充当指 のは行き過ぎであること、つまり債務者が指定を怠る原因 なり、充当合意については何ら言及しない。しかしながら、 定をなせるかわりに、債務者に即時の異議を認めるとの立 場は、ザクセン民法典第九七八条にも見られるものであり、 それは充当合意を否定する趣旨ではなく、当然のこととし て規定を設けなかったにすぎない。充当合意を明文化しな ︵96︶ 債権者と債務者のバランスを良く保っているように思える。 しかしながらヘンリーキーなどの普通法学者に言わせれば、 いキューベル草案の立場は、現行ドイツ民法黒闇にまで受け 継がれている。 債権者の充当指定の本質は、債務者を指定に拘束︵玄早 αΦ昌︶することであるから、債務者の異議を認めつつ、債 ︵脱︶ 次に第七条は、債権者の充当指定は弁済受領時における 意思表示のみならず、受領証書︵O鼠愚老ゆq︶によっても 務者の異議が無いことを債務消滅の要件とするのであれば、 債務消滅をもたらすものは債権者の充当指定ではなく、む なすことができると規定する。受領証書による充当指定は、 の 普通法ではみられず、当時の諸国の法典︵草案︶にならっ された制約を排除している。その理由としてキューベルは、 者が維持していたにもかかわらず、債権者の充当指定に課 な問題を含んでいた。 らず、債権者の充当指定という制度は、未だ理論的に困難 の草案理由書は、こうした批判に対する答えを用意してお しろ当事者の黙示の合意であることになろう。キューベル ︵㎜︶ 債権者と債務者の利益は直接対立関係にあるから、債権者 法定充当に関し、第七条は以下のような債務消滅順序を て規定されたものである。さらに同条は、多くの普通法学 が が債務者の利益を考慮するのは不自然であること、および、 67 (4 ●162) 1084 研究ノート もある。保証人どの関係で重要なのは、﹁債務者にとって 中には多少異なる順序︵債権者に有利な順序︶にするもの 則を忠実に受け継いだものであるが、諸国の法典︵草案︶ 序である。この順序は、古典期ローマ法及び普通法での規 最後に各債務が債務額に応じて均等に消滅する、という順 とって負担のより重いもの、さらに成立時期の早いもの、 来する具体例が今日の状況にそのまま妥当するとは限らな 九回会議一八六三年=月七日︶において、ローマ法に由 をとっていた。しかし、予備草案第三三九条の審議︵第八 八○条と同じく、負担の重い債務の具体例を明記する立場 備委員会予備草案第三三九条は、先のザクセン民法典第九 と定めている。規定の成立史をみると、同条の原案たる準 性、債務者の自由な財産処分に与える影響、及び不履行の 場合に債務者の被る不利益が考慮されなければならない﹂、 定めている。まず期限の到来したもの、次いで債務者に 負担のより重い債務﹂に、保証付債務が含まれるか否かで いことや、裁判官の裁量の余地を広げるべきことなどが主 が負担の重い債務であるかを明記し、その中で保証付債務 は負担の重いものとされていた。一方、諸国の法典︵草 事情﹂の考慮を裁判官に認めることになった。 草案第三五三条は、冒頭において、﹁個々の事案に特有な 張され、具体例を明記する立場が捨てられた。その結果、 い ある。既にみたように、古典期ローマ法及び普通法は、何 案︶中では、何が負担の重い債務かを具体的に明記するの キューベル草案第七条は、負担の重い債務の具体例を明 い はザクセン民法典第九八○条のみであるが、そこでもロー 務の何れを負担のより重いものというべきかは、個々の事 この点につき、ドレスデン草案第三五三条は、﹁複数債 何かが次に問われることになる。 従って右判断をなすにあたって裁判官が考慮すべき事情は め、負担の重さについての判断は裁判官に委ねられる。 それ以外の法典︵草案︶は、基準の具体例を明記しないた 由に基づいて判決を下すことになろうとの批判がありうる の重さを判断するのなら、裁判官はあまりにも不確実な理 た立場に対しては、事案ごとに弁済時の状況に遡って負担 は、事案ごとに異なると言わざるを得ない。しかしこうし 保証付債務が無保証債務よりも負担の重いものといえるか 五三条の立場を受け継いでいる。この立場をとるならば、 記せず、かつ草案理由書が、負担の重さの判断は個々の事 ぜ 丸ごとに異なりうるとしている点で、ドレスデン草案第三 マ法と同じく、保証付債務は負担の重い債務とされている。 案に特有な事情に従って判断され、その際特に債務の切迫 67 (4 ●163) 1085 研究ノート 修正の第二点は、法定充当基準の﹁期限の到来した債 法典成立までの問に、二つの点で大きな修正を受けること 前節で見たキューベル草案の規定は、第一委員会から民 第 二 節 第一委員会から民法典成立 に 至 る ま で 提案が、第二委員会本会議において承認されることにより、 基準は、帝国司法庁準備委員会におけるヤクベクツキーの ら先に充当するという、債権者にとって極めて有利なこの という基準が入れられたことである。担保の少ない債務か ことに注意すべきである。 い になった。 第二草案から姿を現した。この基準を追加したことに関し、 務﹂と﹁負担の重い債務﹂との間に、﹁担保の少ない債務﹂ まず第一点は、第一委員会本会議において、債権者の充 第二委員会議事録では、﹁債務者のみを優遇することは、 定しうるのかが明らかではない。こうした議論の結果成立 なぜ債権者が債務者の弁済意思︵餌昌一玉露ω ωO一く①昌α一︶を決 が生じうる。最後に、債務者が即座に異議を述べなければ、 債務者の異議が即座になされたか否かに関して多数の紛争 さらに、債権者が受領証書で充当指定をなした場合には、 もたらされることになり、特に規定を設ける必要がない。 たことを意味するので、当事者の合意によって債務消滅が が沈黙した場合には、債務者は債権者の充当指定に同意し 下の三つである。まず、債権者の充当指定に対して債務者 おける記述の趣旨であろう。それゆえにこそ、ヤクベクツ ツ社会になじまないというのが、先の第二委員会議事録に なる。このような形での債務者保護は十九世紀後半のドイ 調した古典期ローマ法と同等か、それ以上の債務者保護と 保護されるという結果になる。これでは、債務者保護を強 定がないため法定充当に移行した場合にも、債務者のみが 条によれば、充当指定をなせるのは債務者のみであり、指 と無関係ではないだろう。というのも、第一草案第二六七 なわち第一草案が、債権者の充当指定を廃止していたこと 記述は、帝国司法庁準備委員会が行われた当時の草案、す 一般的な法感情になじまない﹂との記述がみられる。この ︵鵬︶ ︵m︶ 当指定という制度自体が廃止されたことである。その理由 ︵91i︶ したのが、第一草案第二六七条である。普通法で争われた、 キーは、債権者の利益を守る何らかの手だてを必要とした は、第一委員会議事録および第一草案理由書によれば、以 債権者の充当指定に対する制約をめぐる議論は、以後姿を のであり、それが﹁担保の少ない債務﹂から先に、という の 消した。 67 (4 ◎164) 1086 研究ノート 法定充当基準だったのである。そうだとすれば、債権者の の 前章までの考察をまとめると、現行日本民法の充当制度 第五章 解釈論的提言 るという、第一委員会本会議から第二委員会本会議にかけ は、ボアソナードの債務者保護を基調とする旧民法を原則 充当指定を廃止したかわりに、法定充当で債権者を優遇す ての充当制度の構造変化を指摘しうることになろう。 普通法の充当制度は、その構造が二度変化したということ との関係を切断することにより、一方的意思表示による充 下の論理を共有している。すなわち、充当指定と受領証書 としつつも、債権者保護生成過程におけるドイツ法と、以 ができる。一度目は、キューベル草案第七条が、債権者の 当指定が相手方を拘束︵σぎαΦ口︶することを認めた︵第 以上により、キューベル草案から第二草案へ至るまでに、 充当指定に課された制約を外すかわりに、債務者の異議を その結果、保証人の地位に注目すべき変化が生じた。す 六六条である。 した構造変化を経て成立したのが、現行ドイツ民法典第三 かわりに、法定充当で債権者を優遇したときである。こう 失われやすい。現行民法では、こうした形で債権者が有利 行うことができ、その反面で債務者の異議を述べる機会は 民法に比べ、債権者は無制約の充当指定を容易かつ迅速に の結果、債権者の充当指定は受領証書でなすべきとする旧 定に制約を課さないかわりに、債務者に即時の異議を認め るというバランス構造を採用した︵第四八八条二項︶。そ 四八八条三項︶。さらに、債権者の意思表示による充当指 なわち、債務者が弁済時に保証付債務への充当指定をしな になっているとはいえ、債権者の充当指定を廃止するかわ 認めたときであり、二度目は、第一委員会本会議から第二 い限り、債権者の充当指定という制度がないために法定充 りに法定充当で担保の少ない債務から充当するという、ド 委員会本会議にかけて、債権者の充当指定自体を廃止する 当が生じ、それによって無保証債務が先に消滅することに イツ民法第二草案の論理構造は、法文自体によっては採用 の なる。なぜならば、﹁担保の少ない債務﹂という基準が、 四八九条二号︶は、旧民法と同様に債務者保護規定である。 されていない。従って、担保に関する法定充当の規定︵第 お 保証人が保護される局面は、ローマ法から普通法にかけて、 現行法の解釈に目を向けると、法定充当における保証付 ﹁負担の重い債務﹂という基準よりも先にくるからである。 また普通法からドイツ民法典にかけて、次第に減ってきた。 67 (4 ●165) 1087 研究ノート 判例も基本的にこの通説の立場を支持している。これは第 弁済の利益に差なし、というべきであろう﹂と述べていて、 な債務とでは、物上保証人は保証人と同視すべきだから、 に差はない。︵中略︶物上保証人のついている債務と単純 のついている債務とついていない債務とでは、弁済の利益 通説は、先にも触れたように、﹁人的担保すなわち保証人 債務を債務者にとって弁済の利益多きものとしない現時の 債務者は、債権者の充当指定に対して異議を述べうるが が、保証付債務よりも先に無保証債務に充当指定した場合 に、保証人はそれに対して異議を述べうるかが問題となる。 まず充当指定と保証人の関係では、債務者または債権者 問題を中心に、弁済充当における保証人の地位を検討する。 を保護するための解釈が必要となろう。以下では、上記の つそれが甚大であると判断されるならば、そこには保証人 もそも制度自体によって予定されなかったものであり、か 四八九条二号の解釈を強引に現行ドイツ民法に引き寄せた ない。我国では、特に昭和三七年に銀行取引約定書ひな型 が、その際には、充当合意の結び方が問題とされねばなら 債権者保護は、充当合意を通じてより積極的に達成し得る 判されなければならない。また、ドイツから受け継がれた であった債務者の保護を無視するものとなっている点が批 の充当指定に対しても保証人は異議を述べることができな する不当な干渉を許すこととなろう。同じ理由で、債務者 て弁済の効力を左右させるならば、債務者の財産関係に対 のだからである。もし保証人にも異議を認め、それによっ 定に課された制約を外すかわりに、債務者に認められたも ない。債権者の充当指定に対する異議は、債権者の充当指 ︵第四八八条二項但書︶、保証人からの異議を認める規定は が制定、公表されて以来、債権者にまず充当指定を許す旨 いと解すべきである。もし債務者債権者の充当指定が無い 解釈ではあっても、ローマ法以来の充当制度の主要な関心 の弁済前の充当合意が一般化し、それによって債権者が圧 か、債権者の充当指定に対して債務者が異議を述べた場合 に解する傾向が見られるようになったが、しかしながら、 つまりどちらが第四八九条二号にいう﹁弁済ノ利益多キモ 合に保証付債務と無保証債務のどちらに充当がなされるか、 には、法定充当に移行するが︵第四八九条本文︶、この場 ゆ 倒的優位に立つという現象がみられる。その後、債権者利 益の過度の強調に対する反省もあり、ひな型を債務者有利 債権者優位の状況は未だ変わらない。保証人との関係では、 ノ﹂か、は大きな問題である。 もし債権者の地位強化によって被る保証人の不利益が、そ 67 (4 ●166) 1088 研究ノート 三月四日判決である。本件上告理由において、保証人は、 この点に関するリーディングケースは、大審院大正七年 部分が零である場合には、連帯債務と単純債務の弁済の利 両判決の整合性に気を配る学説は、他の連帯債務者の負担 ぜ 純債務とでは、単純債務の弁済の利益が多いとする。特に の 保証付債務と連帯債務の弁済の利益を争いつつ、次のよう に際しては、求償手続等の弁済の結果として生じる利益や 益は等しいとしている。しかしながら、弁済の利益の判断 ぬ 弁済の利益が多く、単純債務は連帯債務よりも弁済の利益 不利益のみならず、弁済しない場合に債務者に課され、ま に主張した。保証付債務は単純債務︵無保証債務︶よりも が多いから、保証付債務は連帯債務よりも弁済の利益が多 たは課されうる不利益の軽重をも考慮すべきである。その 理由は、﹁弁済の利益﹂が、本来﹁負担の重さ﹂を意味し ニ。ここで上告理由が、単純債務は連帯債務よりも弁 済の利益が多いとしているのは、大審院明治四〇年一二月 な ていたことに求められる。保証付債務と無保証債務では、 =二日判決、すなわち、連帯債務に充当すれば、弁済者は 務二比較シテ債務者ノ畜産ニ弁済ノ利益多キモノト謂フヲ ろう。上告理由に対して大審院が、﹁保証付債務ハ単純債 いのであるから、弁済の利益に差はない、というべきであ ば、債務者はどちらに弁済しても求償手続を取る必要がな 決の観点を保証付債務と無保証債務との場合に当てはめれ ら、上告理由に従って、大審院明治四〇年一二月一三日判 益が多いものである、を受けてのことである。しかしなが すなわちこの時、債務者は債権者と求償債権者たる保証人 二面性が現実味を帯びた負担の重さとなりうることを知る。 だが、保証人の一部弁済を考えた時、我々は、この地位の 能性がないものであれば、特に考慮すべき事柄ではない。 位の二面性に過ぎず、現実に債務者の負担を増加させる可 付債務の債務者は、債権者のみならず、保証人に対しても 求償債務者となりうる地位にあるが、もしこれが単なる地 不利益の大きさ、すなわち﹁負担の重さ﹂は異なる。保証 ︵大審院大正七年三月四日判決︶、しかし弁済しない場合の 確かに弁済の結果として生じる利益不利益に差はないが ぜ 他の連帯債務者に求償手続を取るという不利益︵訴訟に費 やす日時、費用等︶を被るがゆえに、単純債務の弁済の利 得ス﹂と判示したのは、この故である。 に対して現実に二つの債務を負うことになり、それゆえ弁 ぬ ゆ 通説も右の二つの大審院判決を支持しつつ、保証付債務 済に費やす日時や費用等が確実に増加する。これは明らか と無保証債務とでは弁済の利益に差はなく、連帯債務と単 67 (4 ●167) 1089 鴨W 研究ノート ただし現実の社会では、保証付債務が低利息であり、無 証債務よりも負担の重いもの、すなわち弁済の利益の多い ぜ ものとして、法定充当の際に先に充当されるべきである。 に債務者の負担の増加である。従って、保証付債務は無保 趣旨は、弁済時にどの債務が消滅したのかを確定し、もつ が無い場合には法定充当になるとしている︵第四八九条︶ 必要があるとし︵第四八八条一項、二項︶、弁済時に指定 度の意義及び目的に直接反するものであり、無視できない。 て法律関係の安定を図るところにある。もし、裁判官が諸 民法が債務者および債権者の充当指定は弁済時になされる 保証債務が高利息というように、弁済の利益を判断する基 準が錯綜している場合が多い。このような場合につき、従 般の事情を考慮して判決を下すまでは充当関係が明らかで 来の判例は、例えば、訴の提起された無利息債務よりも利 はない、というのであれば、形式的には第四八九条二号の ぜ 不明︶との弁済の利益が争われた事案につき、﹁利息の有 利息付連帯保証付債務と物的担保付手形債務︵利息の有無 していた。ところが、最高裁昭和二九年七月一六日判決は、 問に軽重をつけて︵特に利息を重い基準とみて︶判断を下 ぜ べきである。 合は、弁済の利益に差がないとして同条三号以下を適用す 基準が錯綜し、基準間の軽重によっても判断ができない場 ない。こうした充当関係の不明確さを取り除くために、諸 れは法律ではなく、判決による充当であると言わざるを得 解釈適用という形をとったとしても、実質的にみれば、そ 息音債務の方が、低利息の︵物的?︶担保付債務よりも高 ゆ ︵断︶ 利息付債務の方が弁済の利益が多い、というように、基準 無、担保契約の内容等諸般の事情を考慮﹂すべき、とした。 こうした諸般の事情を考慮するという判断方法を、最高裁 しかしこの判断方法は、以下の理由から支持されるべき な魎次いで、弁済時の充当合意に関しては、契約自由の て弁済時に消滅した保証人の責任を復活させることはでき 弁済後の充当合意は無効と解されているので、それによっ 最後に、充当合意と保証人の関係について述べる。まず、 の ではない。まず第一に、諸般の事情という名の下に考慮さ 原則といえども第三者の利害を当事者間で左右しうるもの は未だ取り消していない。 れるべき範囲が不明確である。第二に、どの時点での事情 ではない、との理由から、充当合意の第三者効を否定する 見解がある。第三者効を否定した結果、どのような法律関 を考慮すべきかが明確ではない。第三に、判決が下される い まで充当関係が明確にならない。特にこの第三は、充当制 67 (4 .168) 1090 研究ノート ると、この場合には三者間で保証付債権が法定充当により なる。これを、そもそも充当合意がなかった場合と比較す 権者には、債務者に対する元保証付債権だけが残ることに 権者債務者間では無保証債務が消滅するのであるから、債 てみよう。債権者保証人間では保証人の責任が消滅し、債 定充当により保証付債務が消滅する、という場合を想定し 当事者間では無保証債務が消滅し、債権者保証人間では法 係が生ずるのかは必ずしも明らかではないが、ここでは、 て保証人が免責されるのは、あくまでも充当指定の効力が 保証付債務に充当指定した結果、弁済前の充当合意に反し 当指定を肯定すべきであろう。ただし、債務者が弁済時に 者の行為であることを理由に、弁済時における債務者の充 が問題となる。この点に関しては、弁済はあくまでも債務 意は、弁済時における債務者の充当指定権を剥奪するのか、 債務への充当指定をなせるのか、すなわち弁済前の充当合 充当合意があるにもかかわらず、債務者は弁済時に保証付 貫しない。もっとも、弁済前における充当合意の場合には、 お 消滅するのであるから、債権者には、当初からの無保証債 及ぶからであって、充当合意の効力が及ばないからではな の 務だけが残る。ところで、弁済充当の問題が生じるのは、 合意をなした場合、その効力は保証人にも及ぶと解すべき 従って、債権者と債務者が弁済時に無保証債務への充当 否定するに等しいものであり、支持することができない。 え方は、実質的には当事上間においても充当合意の効力を 効とするが、第三者にはその効力を及ぼし得ないという考 は同じことである。それゆえ、当事者間では充当合意を有 初からの無保証債務であれ、保証人という担保が無い以上 項︶、債権者にとうては、それが元保証付債権であれ、当 ある。 合には、保証人に対して損害賠償の責を負うと解すべきで ることと対をなすものであり、債務者がそれに違反した場 約は、弁済前に債権者が債務者との間で充当合意をなしう 当すべきとの契約を結ぶことによってである。こうした契 きる。すなわち、債務者との間で、弁済を保証付債務へ充 この場合、保証人は次の方法で自己の利益を守ることがで の充当合意は、保証人に対しても効力を及ぼすが、しかし このように、弁済時の充当合意及び弁済前の特定債務へ いことに注意すべきである。 であるが、そう解する限りは、弁済前に当該合意がなされ 以上に対して、弁済前に、債権者がまず充当指定しうる 同種の目的を有する債権の間であるから︵第四八八条一 た場合にも、保証人に対する効力を認めなければ論理が一 67 (4 ●169) 1091 研究ノート お 保証人が債権者との紛争に巻き込まれた時である。そして きる。しかし、保証人が損害賠償請求の必要を感じるのは、 違反を理由にして、債務者に損害賠償を請求することがで 債権を消滅させることはできない。確かに、保証人は契約 たとしても、債務者との契約だけで債権者の有する保証付 ていることを常に知りうるとは限らないし、また仮に知っ との契約に違反して、債権者に無保証債務への充当を許し しも明らかではない。その結果保証人は、債務者が保証人 債務者がいつ弁済をなしたのか自体が保証人にとって必ず ため︵第四八八条三項︶、継続的に行われる取引の間で、 充当指定の意思表示は保証人に対してなされる必要がない 当合意は債権者と債務者の継続的取引を前提にするところ、 というのも、銀行取引を例にとるまでもなく、この種の充 契約によっても十分に自己の利益を守ることができない。 関する法律における保証人保護法理、すなわち債権者の保 こうした保証人の保護として注目すべきは、身元保証に ホ のである。 できる。これは、保証人に根保証を負担させたに等しいも 未払い金を、保証債務履行請求という形で保証人から回収 と種々の取引を結ぶことができ、最後に右取引での債務者 ば、保証付債務が存続している間は、それを担保に債務者 とに他ならないのであるから、債権者の立場に立ってみれ 者の弁済があるにもかかわらず継続的なものとなりうるこ この保証人の地位の不安定さは、保証人の責任が、債務 解釈を提唱する必要性が存在する。 なかったものである。ここに、保証人を保護する何らかの 律関係の安定を指向する充当制度が、そもそも予想してい の不安定さは、弁済による債務消滅効を早期に確定し、法 自己を免責に導く、あるいは自己を守りうる有効な手段を 持たないという、法的に不安定な立場に置かれている。こ 旨の充当合意がなされた場合には、保証人は債務者との右 保証人が紛争に巻き込まれるのは、債務者の資産状態が悪 証人に対する通知義務︵身元第三条︶、保証人の解約権 化した時であろう。債務者の資産状態に関して敏感なのは、 空振りに終わる可能性が高い。 係に導入されている。 これらは既に判例学説によって、根保証等の継続的保証関 ︵同率四条︶および保証人の責任制限︵同第五条︶であり、 従って、この時、保証人は債務者の弁済があっても自己 弁済充当における保証人に対しても、弁済前に、債権者 保証人よりも債権者なのだから、保証人の損害賠償請求は の免責の有無を必ずしも知り得ず、仮に知り得たとしても、 67 (4 0170) 1092 研究ノート 務者所有不動産を競売に付しても、債務全額が消滅しない 化を知りながら、弁済を無保証債務に充当し続け、かつ債 八日判決の事案では、もし債権者が債務者の資産状態の悪 る。例えば、第一章で引用した最高裁昭和六二年一二月一 を根拠に、身元保証法の保証人保護法理を導入すべきであ 保証人の責任が根保証と実質的に同じ継続性を有すること がまず充当指定しうる旨の充当合意がなされた場合には、 であろう。その際には、弁済充当における保証人の地位も、 よって一般的な保証人保護法理を確立することは十分可能 うした問題の分析は容易ではないが、しかし今後の研究に という概念も、不明確な部分を多く残している。確かにこ ていない。また、債権者の保証人に対する一般的注意義務 にも影響を及ぼしうる具体的な状況の分析は、未だなされ れる場合にも、そうした債務者と保証人との関係が債権者 められない保証もあるし、個人間の保証で情義性が認めら という事情を知っていたのであれば、その旨を遅滞なく保 一般的な保証人保護法理との関係で新たな視角から論じら しそうだとしても、穂積の挙げるもう一つの例︵同八四丁 条以下で処理できるたφに本条は無用だともいえる。しか く、月毎に独立の債務が発生するのだとすれば、第四八八 ︵同八六丁表裏︶、賃料債務は全体として一つの債務ではな 表︶。しかし、同調査会で高木豊三が指摘しているように る︵法典調査会民法議事速記録[学振版]二一巻八四丁 ︵1︶ これは本条の起草趣旨説明で穂積陳重が用いた例であ れるべきである。今後を期したい。 証人に通知すべきであった︵身元第三条一号類推︶。もし 債権者が右の通知をせずに競売を申し立て、配当金を忍野 証債務に充当した上で、保証人を訴えたのであれば、身元 第五条の類推によって、保証人の責任は一定限度に制限さ れるべきである。 ここでさらに進んで考えれば、身元保証法の保証人保護 法理は、継続的保証やそれに準じる関係のみならず、民法 典が念頭に置く一時的保証にも導入しうるものである。な ぜならば、一時的保証における債務者保証人間にも、身元 表︶、すなわち債権の一部に担保が付いている場合に一部 保証の特質たる情義性が認められる場合が少なくないし、 弁済がなされた時の処理をめぐっては、依然として本条の 六号二五頁参照︶。 存在価値を認めうる︵最判昭和三九年四月一七日判時三七 また、右の保護法理で要の役割を果たす通知義務は、債権 者の保証人に対する一般的な注意義務のあらわれだからで ある。もっとも、信用保証協会の保証等、情義性の全く認 67 (4 ●171) 1093 研究ノート ︵2︶ 保証人が弁済する場合には、被担保債務が一つである ため、弁済充当の問題は生じない。保証人が第三者として 無担保債務への弁済をなしたと認め得るかは、弁済者の意 思解釈の問題である。 ︵3︶ 書判昭和六二年一二月一八日群集四一巻八号一五九二 頁。 =二頁、大西武士﹃判例金融取引法上巻﹄︵一九九〇年︶ 五〇三頁、佐村浩之・昭和六三年度主要民事判例解説︵判 例タイムズ七〇六号 一九八九年︶二八六頁、同・民事執 行法判例百選︵初版、別冊ジュリスト一二七号 一九九四 年︶=二頁、浦野雄幸・担保法の判例1︵椿寿夫他編・ ジュリスト増刊 一九九四年︶二二九頁。 での期間︵十ヶ月間︶が長きに失するため、法定充当によ ︵4︶ 最高裁・前掲一五九七頁∼一五九八頁。 巻三号︵一九八八年︶四〇一頁、同・手形研究四二四号 るべきと主張する︵第四八八条二項本文参照︶。これは弁 評釈等、沖野眞巳・法学協会雑誌一〇六巻六号︵平成元 ︵一九八九年︶四頁、西尾信一・手形研究四一〇号︵一九八 済時から充当時までの法的不安定さを解消すべきという主 ︵5︶ 沖野・前掲=○○頁は、配当金交付から充当指定ま 八年︶四九頁、関沢正彦・金融法務事情︵金法︶一一八九 張であり、正当である。もっとも、本稿が問題としている ・年・一九八九年︶一〇八六頁、中野貞一郎・民商法雑誌九九 号︵一九八八年︶四四頁、秦光昭・金法一一九一号︵一九 不安定さは、保証契約締結時から充当時までのそれである。 〇頁[山下末人]。 ︵6︶ 磯村哲編﹃注釈民法ω 債権⑧﹄︵一九七〇年︶二一 八八年︶四頁、石川明・金法一一九四号︵一九八八年︶六 頁、川上正俊・金法=九七号二九八八年︶十一頁、佐 久間弘道・金法一二〇四号︵一九八八年︶六頁、松本恒雄・ 一一八頁、岩城謙二・法令ニュースニ四巻一号︵一九八九 四頁、石渡哲・法学研究︵慶応︶六二巻一号︵一九八九年︶ 一頁、石井眞司・判例タイムズ六八二号︵一九八九年︶四 九年︶四頁、米津稜威雄・手形研究四二七号︵一九八九年︶ 七頁[三六事件]、村田利喜弥・手形研究四一二号︵一九八 裁判所判例解説民事編昭和六二年度﹄︵一九九〇年︶七二 夫・ジュリスト九〇五号二九八八年︶六九頁、同﹃最高 αΦ一鋤弓鋤嵩置⊆o﹃9g剛9●.. 鑑Φ簿①玉章曾①三P帥ヨ05ωρ=、=コぐ鋤謬2似。一〇口ω霞冒凶ω① 血0げ蹄①霞コ①℃①三℃冨ω号∋pづO①﹁一.一§b三幅二〇口ω霞¢器 8ε.出9。冨£ω霞目、§Φ山①8ω9詳Φωω℃9ぴ一①ヨ①2し① 鋤88幕二器ρ巳簿碧80①二呂器=巴①∩﹁9昌q9四一ヨ要融 ︾﹁江b。統、、ピ。誘ρ雪げほぴ圃8霞9α一く雲ω①ω9簿Φω⇔ ①8ε簿嘆・ご 一①曾。一けαΦ山Φ巳霞Φ﹁し。﹁ωρ=、一一〇①︽ρρ器=①α①簿①一一①艮gα ︵7︶0&①。旧く鵠費鉱b。器.ド①9葺2乙Φ亘琶2噌ωαΦ§器 年︶四一頁、大西武士他・手形研究四一九号︵一九八九年︶ 法学セミナー四〇七号︵一九八八年︶一〇六頁、河野信 67 (4 ・172) 1094 研究ノート ﹀﹁自謡﹃.い。﹃。。ε巴p。ρ¢葺磐8器℃〇二①四g§①凶∋ε− 鐙け凶8﹂ΦB巻∋Φ三匹9けΦq。ぎ℃三Φω二二鋤自象①ρ⊆巴① 臼0簿昌。凶①﹁㌔、 ﹀吋け・お。。、.Q。=、凶∋ε叶巴8昌げΦ9琶樽①<巴①巨Φ∋9戸三 B二①9罫25三B二Φq$g凶ΦきΦ=①包幽ΦFα①豆①凶コ 曾。芦8∋ヨ①=ω9け α⑪σ凶8ξ餌く巴ε○霞δ﹁巴①亘¢ωα.凶三曾,Φ乙がB亘理臼①三お 8=①ωρ三ω。葺冨邑=①ヨ①三曾ピΦω旧ω圃8pω霞一餌血①§ 一。Qo⊆二①ωα①簿①ω8冨Φω①<鋤葺8=①ω8コ9ごΦω馴 。巴Φωε2Φ9玄8霞同一Φ豆二ωα、鋤く雪冨αq①帥鋤8旨8昌 ω。Qり凶①=①ωωo葺8旨①ω9巨Φωo¢8三①ωコ8Φ9器ρω霞 卜。。ω二=①ω酔巴ωΦ二暮曾偉ω鋤≦ロニ①ωo巷津鍵×甲 曾ピρρ二。δ二①∋。凶器80﹁2ω①ε①。巴Φωρ三層2①ω。巨 ℃o凶三. ω=ΦωαΦけ8ωω。三口、oσqp。δ轟ε﹁①し、冒℃三巴8ω①、邑滑 ω二二勇。且塞き。凶①弓Φ申8三Φω∩ぎω⑦ωΦひq巴Φρ①=Φω①雷一叶 戯。Q。=Φ9玄8霞コげBω℃ξω自げくp。コβσq①引当8仁葺9 ﹃彗Φε①一、き﹃ρω皇室9暮Φωす℃冨ω雪6凶①3Φ∋Φ三 只80三〇弓①=①ヨ①三.、. ︵8︶○﹄9ωω。コ巴ρ牢9①巳①OoαΦ。三ぢ。⊆ユ、国ヨ℃冨臼 〇〇εΦω2ω⊆﹁8=①ωα8け濠。ほ磐8①ωけ訂豆⊆。・b﹁9 旬。↓88の90ωΦω①ひq巴①ω﹂.§ε錺鉱8ω①雷什胃8。﹁− 一 0ゴ巴⇒⑦. 冒℃op侍.・。る巴﹂。。。。ωも℃■呂・。凸㎝ω. ﹀﹁区曾.ド。お£①冨9σ凶け2﹃鋤E⊆ω凶①霞ω9暮Φω良Φ ∋①∋①奏εおΦ口<q巴①∋σヨ①自$g︷9簿臼.=①頃①6ε① 江。コロ①=Φ∋Φコ戸、. ︵9︶ 一部新字体を用いて引用した。 量忌希幕三三ヨΦ逞二①・Φ什①巨お§け・ω﹄冨・ざ・ ∋。ヨΦ三含B垢ヨΦ上瓦曾一霞①二三器=Φ=①三①a鎖β葺・ さらに、同第四七二条第四は、仏民第一二五六条二項の ︵10︶ 例えば、旧民財第四七〇条一項における定義的説明。 略9。潔①・、. ﹁最も古い債務﹂︵訂豆⊆ωoコ。凶Φ弓①︶という成立期での判 8﹁①瓜巴おヨω曾①﹁9コωδρ前約磐8二∋℃旨讐圃8巴霧凶 ﹀雰おb。、﹀α駄9。耳位、巨佐島甑。コく巴呂δ冨﹁一① 断基準を、﹁期限ノ最モ先二至リタル又ハ至ル可キ債務﹂ ︵蕾9簿Φ巴①見二ω弩。凶①弓①∋Φ三9ゴΦω3ω霞8一蕾αo耳 9σ凶け2﹁﹂①臼9g§℃①旨量お巨白ゆヨ①=耳Φ∋①箕 Hヨ薯§凶。コ含B岩ヨ①三島碧巴鋤ε葺雪。ρω鋤a。Φ 一、099づ。①①ω二一℃一ロω只ooゲ巴コΦ︶という弁済期での判断 第四八九条三号に受け継がれている。 基準に置きかえた。両者は、現行民法第四八八条一項及び 三融ω9<①ω﹄器需葺∩﹁三£9=∋℃三巴8ρ⊆Φω.凶ζ① ︵11︶ OU9。。ωo轟創ρo戸9けもO●誤甲誤ρ 旧民財第四七一条二 67 (4 .173) 1095 2臼おξ山①ω⇔B芦8ヰ9&Φ。二ω霞9ωΦα巴9。冨ほ含 ω=①ほげ即け2墨鋤889一鋤ρ三星碧8ω睾ω只08ωけ巴8ω ρ三①ω酢9け巴、0αq鋤a含8三宗門αΦωo∩同ゆ5 一、 研究ノート 項の﹁欺隔﹂は、ボアソナード草案の原文上、それに当た る箇所︵﹀雰おト。︶を見れば、駕錘&①ないしω霞℃ユω①﹂と 表現されている。なお、井上正一﹃民法正義﹄財産編第二 部巻之二八一頁参照。 ︵ 1 2︶ じd9ωωoコ巴ρoO・o搾O . ㎝ α o 。 . ︵18︶ ζ.﹀●U霞①三〇POo霞ω住①費。詳マ鋤潟巴ρけ。ヨ為ωΦ9 一〇。G。ρp一㊤ρ ︵19︶ じuo凶ωωo轟αρo℃.o叩け・Pα①Oは、抵当付債務が単純債務 よりも弁済の利益が多いとするが、保証付債務についての 言及はない。 ︵21︶ じ09沼。舜自ρ8.9什も・α㎝S ︵20︶ じu9ωω8巴ρ8●9けも’㎝零● では、ローマ法源U・駆9G。”崖hが引用されている︵即﹀● ︵22︶ Ω・bσo一ωωo⇒巴ρo℃.o評。Oひ宅 井上・前掲七九頁。 ︵13︶ しuO凶ωωo葛位ρo℃●o搾P誤切●フランス民法典起草過程 閃①下戸力Φ2Φ=8ヨ巳①け匹①ω賃鋤く簿。×只9費鉾○蹄Φω含 ︵23︶ 法典調査会民法議事速記録[学初版]二〇巻九〇丁表 ゆだねる等の理由から。 ∼九四丁裏。同請求権自体を否定するのではなく、慣習に Oo島Φq<芦け・一ωし。。卜。8b・い。刈一︶。 ︵14︶ ボアソナードは、フランス民法を参照して﹁弁済の利 益多きもの﹂という表現を用いたが、それは﹁負担の重い 行民法第四八九条二号が﹁弁済の利益﹂という語を引き継 ︵四六︶﹂民商九六巻二号︵一九八七年︶二七九頁第一が指 [穂積陳重]。この点は、既に玉樹智文﹁︿史料V債権総則 ︵24︶ 法典調査会民法議事速記録[学振版]二一巻四〇丁裏 いだ際にも、﹁負担の重さ﹂と実質的には同じものだと考 摘している。なお、その後の整理会で受領証書交付請求権 もの﹂という意味である︵bUo凶ω。・○⇒⇔αρoPo凶侍も・㎝①O︶。現 えられていた︵法典調査会民法議事速記録[学振版]二一 の規定が復活したことについては、金山直樹﹁︿史料﹀債 権総則︵四一︶﹂民商九三巻二号︵一九八五年︶三〇七頁 巻七五丁裏∼七六丁表[穂積陳重]︶。 ︵15︶ U.軽9G。一斗U。心9ρ9 第一一一章第一節参照。 参照。 ︵25︶ 旧民財第四七一条二項参照。 ︵16︶例えばポティエは、債務者は弁済によって債権者に対 する債務と、保証人に対する求償債務という、二つの債務 ︵26︶ 民法整理会議事速記録[学振版]四巻二九丁裏∼三〇 丁表。なお、衆中俊雄﹃民法修正案︵前三編︶の理由書﹄ から解放されるからであるという。菊.旨℃9三ΦきOΩ﹂<おω 9℃o叶三①﹁葛。信く①目Φ9・↓鎚凶簾中Φωoσ=σq鋤ぼ。拐鴇け.N ︵一九八七年︶四六三頁参照。 頁。 ︵27︶ 松波仁一郎他﹃帝国民法正解債権編﹄第三版五六九 一〇。 N 伊 5 ・ ま S ︵17︶ Oδロ○江ρb。㊤旨≡﹂○。ωN︾ω●し。ω﹄.昭b。旧〇二Φきρω鋤く三 一〇。窃押O・℃.切一.卜。.Φ仲勾①ρ・一リコ。<﹂○。刈Pψ一〇。○。一・一N一一陰 67 (4 .174) 1096 研究ノート ︵28︶ 法典調査会民法議事速記録[学振版]二一巻四〇丁表 [穂積陳重]。廣中・前掲四六三頁参照。 ︵29︶ 法典調査会民法議事速記録[学振版]一=巻頭〇丁裏 ∼四一丁表[穂積陳重]。 ︵35︶ しdOじQゆω①①一H●後置・注=二。 ︵36︶ 於保不二雄﹃債権総論﹄新版︵一九七二年︶三七〇頁、 奥田昌道﹃債権総論﹄増補版︵一九九二年置五二四頁、前 田達明﹃口述債権総論﹄第三版︵一九九三年︶四六二頁。 睾自①おω一畳Φ︸Φ凶8コσqΦひqΦげ①⇒≦oaΦP。。o一ωけ9﹁ω9二一α一 じQ匹.一。。し。。零”ω・恕 ℃・内﹁2ω9∋帥さ∪圃Φ即ま=§ひq噛一8ρQり● 閃8窪ωひqΦω〇三6耳ρ カ。三明三ω江ω9①﹀σ8=巷ひq︵ωN・刀。∋・︶” ︵37︶ 白ωΦ一ρしdΦ蘭什感σqΦN霞卑評9葺三ωωα9望αq①ω8こ嵩8噌・ ロ輿三〇窪σ28ゴニσq戸①一コΦ↓冨凶一写影ニコσq鋤鼠9コαq①ω同9Φ﹁− ω㊤︵幻①NΦ房δ昌い﹂≦耳Φ圃。。−QっN’カ。∋こ。¢臼ωρ一㊤OPQo●お刈ご ︵30︶鋤O幻ゆ一〇〇.ψ民9∋9碧ぴ剛σqΦ﹁暁宥Φ貯魯霞Φ= 8Poα臼σΦω。・臼σq①三焦①隣①⇒↓冨=α頸閃oa臼旨αqきN午 閃.ω筈三N”国ぎh魯﹁毒σq一コ量ωωε鼻﹂∋血9∪圃σq①ωけ①P一㊤一9 ℃o一病二〇器P一コ N巴房。ぼ凶⇒9﹁Qo鋤く凶σq曼−ω9εコひqヨ﹁ ﹃ΦOゴコ①コ.、、 Q∩.一〇㊤ =.Qoま①きじu①圃叶感ひqΦN霞ぎ8εo一鋤二8ωho﹁ω9巷σq” ωΦ凶器﹁﹁oa臼§ひq¢Q費σq9σq①磐旨旨。α興霞9、&①﹁09﹁ スイス旧債務法第一〇〇条﹁債権の一部に保証人、質、 ωN.菊。ヨごod9ホー一撃9Qo﹂謡 ]≦内餌。・①き∪餌ωδヨ凶ωo冨 文のカギ括弧による補足および傍線は筆者が付した。学説 で行ったものである。なお、法文は次の刊本を参照し、訳 ︵38︶ 以下の概観は、上記注の文献を参照にして筆者の責任 ﹃ローマ法﹄改訂版︵一九五五年︶二四〇頁。 邑智讐尊崇戸一●﹀びωoぎ・”P>鶏ご隔り刈押Qり.$メ原田慶吉 その他の担保が設定されている場合、債務者は一部弁済を 担保付あるいは担保のより多い部分に充当することができ ない。﹂ ︵31︶ 法典調査会民法議事速記録[学謹製]二一巻八三丁裏 [穂積陳重]。 ︵32︶ ただし結果的には、第四九〇条が第四八八条を準用す 彙纂︵嘗ひq①q。叶即以下、U.︶り↓﹃ζoヨヨ。。①員嘗ひq①。。錺一亭 。。ユ三四三﹀二σq⊆ω侍凶●b。じQαρM一〇。①。。−一。。刈ρ勅法彙纂︵OoαΦ×■以 るため、︸部弁済の場合にもまず債務者が充当指定できる ことになり、債務者は保証付部分への充当をなせるから、 下、OY即開噌Oαq①おOoα①×一諺け凶詩篇2ρ一。。謡● ある債務者が複数の法律関係のうちから一つの債務を弁 ︵40︶ ウルピアーヌス 学説彙纂第四六巻第三章第一法文 者である場合を想定する。 ︵39︶ 以下では、債務者が弁済者であり、債権者が弁済受領 債権者の保護は薄い。 ︵33︶ 鳩山秀夫﹃日本債権法︵総論︶﹄増訂改版︵一九二五 年︶三五三頁Q ︵34︶ 我妻栄﹃新訂債権総論︵民法講義W︶﹄︵一九六四年︶ 二八八頁∼二八九頁。 67 (4 ・175) 1097 研究ノート ができる。そしてもし述べたならば、その債務が弁済され 済する場合、彼はどの債務に弁済したいのかを述べること 凶歪国Φω冨曾ユ津ま二≦鋤×訳二面N¢ヨ刈ρOΦσ霞房富αq”ぼωσq● 巴ω∪窪評三眠①︷宥9①団坐け乱。匹§αqα①。DN①ωωδコω噌①ぴqおωω①ρ OGω.①①仲原田・前掲二五八頁、寺田正春﹁弁済者代位制 <8U﹂≦Φ臼2ω二&=出●QoΦ出Φき一年9ω■ω㊤一 円餌ωΦき9。.騨 権能を有するからである。これに対して、どれに弁済する 度論序説︵二︶﹂法学雑誌二〇巻二号︵一九七三年置一八 る。なぜならば、我々は何を弁済するのかを述べる一定の のかを我々が述べない場合には、受領者がどの債務に対し ら解放されようとするであろう債務に対して、弁済を充当 複数の契約に基づき金銭を負担している者は、弁済時に 一法文︵後一=二年︶ 九頁。 すべきである。従って、以下のものはそのような債務には おいてどの法律関係に与えるかを表明することができる。 て受領をなすかを決める権能を有する。しかし受領者は、 当たらない。すなわち係争中の債務、他人のために保証人 もし債務者が表明しなかった時は、選択権能は受領者に移 ︵42︶ アントニヌス帝 勅法彙纂第八巻第四二︵四三︶章第 として負担している債務、期限未到来の債務である。なぜ る。もし両当事者が自己の意思を表明しなかったならば、 もし自身が債務を負担していたならば弁済し、かつそこか ならば、債権者は債務者の事柄について、それがあたかも まず弁済された債務の利息に、次いで元本へと受領がなさ ︵43︶ ウルピアーヌス 学説彙纂第四六巻第三章第三法文序 れる。 自己の事柄であるかのように行動するのが、最も公平であ ると考えられるからである。かくして債権者には、その欲 するところへ弁済を充当することが許されるのであるが、 しかし事後に[充当]することは許されない。このこと それは自己の事柄であるかのようになさねばならない。そ して債権者は、その場、すなわち弁済と同時に充当するこ なければならないこと︵U誌9ω仏●︶]は、つまり債権者は [債権者は自己の事柄であるかのようにして弁済を充当し ︵41︶ 本法文中の﹁他人のために保証人として負担している 常に負担のより重い法律関係に自己の名で充当した上で、 受領をなさなければならないということである。 ができる。<ひqピ中ぴ①<ざQo℃o⇒臨。・臣ロ①℃﹁o∋6臨ρ甑亀①貯− 従って必然的に、弁済が当事者の一方が望むのと異なる 文 ︵44︶ フローレンティヌス 学説彙直筆四六巻第三章第二法 ωω幽ρ一88ω・一2h抄U● ≦Φ臼2ρOΦ瓜ぢひQ6二①内訂ひq2評窪暁 して、債権者の主債務者に対する訴権の譲渡を求めること いる保証付債務とは区別される。なお、保証人は弁済に際 債務﹂とは、保証債務のことであり、主債務者の負担して とができる。 項 67 (4 ●176) 1098 研究ノート 銭の対象はまず第一に破廉恥制裁付債務、次に鈍付債務、 第三に抵当あるいは質の付された債務となる。上記基準に ところになされる場合には、債権者には受領しない自由が 認められ、債務者には与えない自由が認められる。 続き、自己固有の債務が他人のための債務、例えば保証人 人達は、催告を受けた注意深い債務者が自己の事務を処理 ︵45︶ 以下の規則は、ドイツ普通法期には法定充当規則と呼 の意である。ローマ法文自体は法定充当という表現を用い したであろうようにとの定義を与えている。もし上記基準 としての債務よりも先に支払金の対象となる。それゆえ先 ていないが、本稿では便宜上この表現を用いて説明するこ で区別がつかない場合には、古い契約[の債務︺が先に支 ばれる。この場合の﹁法定﹂とは﹁ローマ法文での定め﹂ とがある。 らば、まず優先される契約[の債務]が支払われ、剰余金 払われる。もし個々の契約額を超える金銭が支払われたな 一項 は血忌[の債務]の全体あるいは一部に与えられたと理解 ︵46︶ ウルピアーヌス 学説彙纂第四六巻第三章第三法文第 しかしもし両当事者が[充当の]指定をなさなかったな される。 卜。︺。。一一︶。 ︵48︶ ω9。辞凶巴卑凶。とは、保証人設定を指す語である︵○帥凶.∪. らば、期限付債務の間では期限の到来した方が支払われた ものとみなされる。 ︵47︶ ウルピアーヌス 学説彙纂第四六巻第三章第七法文 ガーイウス 学説彙馬齢二巻第八章第一法文 ω讐凶ω畠二〇とはω簿一ω審6甑。と同種の表現である。という 破廉恥制裁付債務とそれ以外の債務とが負担されている 場合、破廉恥制裁付債務が弁済されるものと考えられる。 のも、我々がある者を満足させる時にω碧一ω富。①﹁①という ω9。什凶。・ユ鋤おというからである。 いて保証人を立てることによって彼を安全にする時、 ように、我々が相手から何かを請求された時、その物につ それゆえ、判決履行債務とそれ以外の債務とが負担されて いる場合には、判決履行債務が弁済されたものと私[ウル ピアーヌス]は考え、またポンポーニウスも同意見である。 従って、濫争により責任が増加する債務[濫喜界付債務] パーピニアーヌス 学説彙纂第四六巻第三章第九七法文 債務が弁済されて解放されると考えるべきである。 菊①巴8畠6一〇8臼Φ 山臼 o一際ωω凶ω99 ≧辞臼εヨω乱ωωΦ亭 ユ①﹁け9>σ費g評9﹁9︾鼠︸.一一8メω.<.ω卑一ωω旧℃>CピkQ∩ O⊆①=9α①ωδ∋固ω9魯菊Φ9砕ωし一・﹀鼠r一リコ︺言く臼雪・ <σqド=.国①⊆∋鋤⋮\図Q。①6箒一”書庫邑一〇×葺8N⊆αg 債務者が複数法律関係の下で金銭を支払った場合、両者 ωo冨沖器¢①ud①費げ.<8Ω噸≦♂ωo≦PN≦①謬Φ菊①ぎ①矯 あるいは罰付債務が負担されている場合には、それら罰付 [債権者と債務者]の指定が欠けるならば、支払われた金 67 (4 ●177) 1099 研究ノート 亀﹃葺Φ﹁=巴げσ⇔コρ一㊤Nピω・<・ω帥ユ巴鋤鉱。 囚自。ω震b・①・OGQD・ のも、債務者が金銭を支払う場合には、債務者がどの法律 関係に弁済するのかを表明することができるのに対し、債 権者が質物を売却する場合には、債権者はその売却代金を 切ωP ︵49︶ ポンポ三月ウス学説彙纂第四六巻第三章第四法文 自然債務の方にすら充当することができ、それゆえ充当後 ︵52︶ 質物売却の場合にこうした例外が認められる理由は明 に債務︵αΦ玄ε∋︶の方を訴求できるからである。 他人の保証人として負担している債務よりも、自己の債 務として負担しているものの方が[支払われたものとみな され]、また罰の付いていないものよりも罰の付いている また期限の到来している債務の間では、どちらの債務が ウルピアーヌス 学説彙纂第四六巻藁三章第五法文序項 の方が[支払われたものとみなされる]。 に、彼の充当指定権に一定の制限を加える法文 あろう。なお、質権者が複数質物の同時設定を受けた場合 実の占有が充当指定権を導き出すと考えるのが最も素直で 指定権が認められていることを考え合わせれば、金銭の現 らかではない。しかし、通常の弁済の際には債務者に充当 弁済されたのか明らかでない場合、一致した見解によれば、 ︵℃駅馬三条pU●心◎○。導㊤◎ω︶もある。 方が、また無保証のものよりも保証付︵ρ二〇創ω鉾闘ωα讐。︶ 負担のより重い債務へと弁済されたものとみなされ、そし ︵53︶ マルケッルス 学説彙遠島四六巻第三章第七三法文 三〇金の貸金のうち二〇金分について保証人が立てられ、 てもし負担の重いものがない場合、つまり全債務が均質な 場合には、より古い債務へ弁済されたものとみなされる。 そして質が設定された。次いで質物売却により、債権者は 一〇金を回収した。もし債務者が一〇金支払いの際に何も 保証付債務の方が、無保証債務よりも負担が重いと理解さ れる。 一〇金が差し引かれるのだろうか。あるいは私が考えるよ 述べなかったならば、ある者達が考えるように、全体から ポンポ三角ウスが巧みに述べて言うところによれば、期 うに、一〇金全部について保証人が解放されるのだろうか。 ︵50︶ パウルス 学説彙纂第四六巻第三章第八法文 日及び契約[債務]の性質が等しい場合には、全額に対す 債務者は指定によってそうした効果を生ぜしめ得たのであ るから、指定しなかった場合にも保証付部分をむしろ弁済 る割合に応じて弁済されたものとみなされる。 ︵51︶ パウルス 学説彙纂第四六巻第三章第一〇一法文第一 パウルスは、債務者が弁済をなす場合と、債権者が質物 部分に受領をなすことも可能であったと私は考える。 権者としては債務者のみが[保証人なしで]負担している するつもりだったと評価できないだろうか。もっとも、債 を売却する場合とは異なる事例であると解答した。という 項 67 (4 ・178) 1100 研究ノート 来債権者が代金受領時に指定できた︵法文末尾。。h℃p。二一. ︵54︶ 質物売却代金たる一〇金をどの部分に充てるかは、元 ℃轟aω9臼勾8算ω3簿Φ﹁圃①p邑けbd①急。豊凶6匿σq§σqα①。。 お§ω●・。㎝ごρ炉閃§冨博じd①凶q譜ΦNξ国δ二①≡轟 冒憎凶ω二ω9Φ﹀喜き9§αq9窪ω9ヨ○①互①89ω冨⊆鼠2 怨。房凶ω魯魯寄曾β冨ωρω﹂りP>・︾.<・しug喜。詳N” できるが、債務者の指定もない場合にはどう考えるべきか 力O邑ω9Φコ寄。冥Φωし。。ωω℃QD●恕刈こ.﹀.男ユ昼鳶二帥三甲 U.戯9ρ一〇一︶。債権者の指定がない場合には債務者が指定 という問題が法文の論点であり、債務者の推定的意思を根 遷謁①pN二ω警N①⊆巳しu①﹁画∩藍ひq彗ひq窪窪く●妻魯ヨひq− 馬丁.鮮壽Pω.ω㊤押ρ[窪斜。。ε血雪⊆&寄三百三∋ ぎαq①弓①冒.ωい①耳ぴgげα①ωαq①∋①三8Ω<畔①筈βuu血﹄− 拠として保証付部分に充当すべしというのがマルケッルス の見解である。 なお本法文につきジーバーは、被担保債務が一つしかな O⑩甑簿α①。。胃22。。9魯︺δ邑ω9窪巷α9三ω9①コ カ8耳ω藁。。郵Go.竃。。旧ω侍①ヨ①ぴ︾諏≦巴。冨く8ヨ①ゴ﹁臼9 「ので弁済充当の事例ではないという︵Gっ凶σ①さ即騨PQ。. 一。。O︶が、一つの被担保債務のどの部分に代金が充てられ 閃oa①﹁巷ひq窪号ω9警σ凶σq臼巴ωgぎ①<8鋤Φヨω9⊆一曾9 bΦ凶ω88N偉。三量αq雪Nロお9器p茸α窪︷≦巴9Φ一ゴを①σQΦ ①言三①急ぴ9N惹ω9二二①=uσΦ島Φ⋮ひqけ魯。げ乏鋤ぽロ9憎 <9ひq言詮巷ひqα99琶αω警N①9ω寄巨ω9窪菊Φ融けω巷α U鋤。。δ慧ω6冨題彗曾Φ9什し。。心NQo.08● 閃。乙①﹁巷σq9①ヨ①ひq巴位ω葭Φ8N9。三§ひq①σN貫Φ9器⇒蜂” 昏亀§晦臼①ω自浄譜ρ㎞§﹀﹁9間く盆﹁お6窪ω惹ωω①霧9既学 α①ω牢22。。。9コ≧西①∋①ヨ2鑑aお9房Nξ田景 冨鼠ひq魯δ慧ω魯魯§飢α2けω9眺望画く鋤q8窪ω︵ごシ ω.・。尊師﹀●9⊆90時置①い①ぼ①<8α①﹁N口三巷αq9﹁ 膏冨﹀喜雪色巷σq①pぼ。。oq.Qっ9①嘱ぎぴq”しuα.N=Φ津一し。。①ド 9﹁ωこ¢σ①﹁山9吻・。①刈α①。。国三≦霞︷①ω9ωσ宥σq①島。ゴ魯 OΦ己ω。ゴ匡轟9冨猛αqΦ∋焦①三ω。げ9カ①6算①㍉・。戸ω﹄NO ︵”①N魯虫8uOo置。・9ヨ一意旦N魯。。∩汀5a﹁α器ひQΦ・ Oζ巴ωN︾¢σ血﹂凝し。。鐸Go・①①刈︶甲bσ.芝凶巳ω。冨凶ρい①汀σ¢9 宰鋤ひqρ≦巴。冨ω魯三跡σq①叶=ひq日露aα霞昏臼Φ三魯什Nξ ωεコひq︵匡Φ琶6=H︶﹂コこ●旨しu9ωNし。。㊤。。”Q。.㊤ρQ。叶﹃g写 血①ω空民①ζ①ヨΦ。窪ρ㊤・﹀二︷rσ①費σ●<8↓●囲℃O”じQα﹄︾ ω四∋ヨ8寓嚢・巳Φ属Φ9戸げ﹁。。αq.ピ.Oo左ω9∋鐸㌔.ピ①σきP ヨきpoσ①ぽ9σqN霞[Φ訂Φ<89﹁N山三差αq甘”い旨じ口血﹂9 日=σq§αq鋤=臼σq芭6冨三σq魯Q。6ぎ己窪きω邑。星群①冨一・ 67 (4 ・179) 1101 OΦω①9σ⊆9ω︷貯量ωU2辞ω魯Φ閃血魯げΦ可①頃魯α島Φ 訂ωひq・<8菊●<●旨①﹃ぎσqニコα旨dコσqΦさしdα﹂膳﹂。。録ω﹂・。・。脳 ︵言言。=︶”旦冒ぼ巨∩冨﹁噛貸α凶①O。σQヨ①鼻山Φω ωq①搾N⊆ヨ﹀二ω耳垢①N二耳一⇒σq窪∼∪鋤曇Φ=慧αq§α σq ︵55︶出9ユ9¢σ臼α凶①孚①σq① 翌︷≦①ド冨く8ヨΦぼ9象 てよい。<αqピ9。⊆O戸ω∩7三Nb・PO.”Qo.一嵩こ・9bd鋤。ゴO噛ΦP るかというのも、被担保債務が複数ある場合に準じて考え 研究ノート お09ψお二㈲も。§ 寓・O①ヨσ霞αq㌔鋤&Φ簿ΦpS>二Pbdg O①。ゴづσq匙⑦﹁閃。a①﹁§ひ・Φ⇒雲ω邑。品定N藷。9①⇒ツ <○ヨGっ9已号臼ひq色画ω88N9ゴξコσQ一芝Φ︸9①三9けN貫 9①房壽こ差押力・○ω⑭一αq︸♪無爵喜①.<8屋冨Φ憎曾 Nおoρ曽9︵ゆ蜀甲αΦ﹃ω;守ω凍雪脅Φ。耳89α窪 9§良ω讐N魯α①ωゴ2二σq①部δ含ω92聖。窪ρuu匹.卜。藁。。①♪ Ω邑略署巴匹富㊤掴を・薯δひq。。邑博9①<①護8ぎ§σq<。昌 閃。a9§αqΦ三ω8貯①N魯三コσqきN二二8ぎΦp≦色。冨三。窪 <。<磐σq臼。多ピ9﹁宮曾9﹁霊&Φ簿①pS>魯こbd亀・ρ N鋤三§σq①ロ舞9αq①ヨ①言Φ琶.幻8窪ρ卑冨5σq9田㊤・。 芝. ω.N=︵励一一ω︶旧○青函⇔巳曾σ三。音量ぼ9。げ留ω霊亭 冨①Pω﹄禽︵客。。り︶旧菊.<.=。房。冨重き↓げΦ9①§自 幻。αqσqρ︾亀壽喜①<8墓ぼ9Φ昌閃。a臼琶σqΦ三ω3冨 N霞ゴに巷αq緯三盛二二①︻国oa巽琶σq2磐ω邑。耳吋” 9ω9。。鉱匠9。。ぴq①∋Φ言2Ω≦同①o簿ω・田づ出鋤&9。ゲh旨 BぼΦ言Φき∪δ>9巳Φ﹃§αq包①﹁﹀霞①。ぎ§ひq。ぎ臼鋤=暁 吻。募ヨ鼠Φ目窪窪きω﹃①凶。耳ぎ9Φ凶︷箸匿§。旧O N9巳毒σqきN霞①。ゴ①p≦①一節N霞蒙碕量ひq怨玉茎ニ陶筈臼 α実8霞8算ωし・﹀魯‘↓冨=“。﹂。。鼻の﹄器︵㈲ミO︶w内・﹀. 67 (4 .180) 1102 旨鴇江冨がω・﹀信Pじd島.ω口。。①倉ω﹂㊤①︵㈲・。・。刈罫・㊤︶旧内・﹀. じ●d算Φ吾。訂コ9、ωε巴窪旨農圃αQΦN島9ヨ∋①霧θ巴琶σq山臼 い①ぼ①α①ωδヨ凶。。9gカ①oゴ葺く8山2ω同仁δ<Φ良器け三ω− ω魯自θuσΦ急。δ8藍σq巷ひq9﹁冨琶ひq2>コぞΦ邑巷αqv 耳ωσq・<8雷.国.訟5n穿①植臣・Hレ。。心ρQ。.まω旧○閃●頃. ωぎ8艮ρ∪鋤ω只鋤aω魯Φαq①ヨΦ冒①Ω芭噌Φ09ω・︾魯こbσ住. “。℃冨①。。”ω.心臼︵貿Oω︶ い芝①圃ωパρ勾Φ9邑Φ×貯。⇒︷⇔同 言蔚8口聾9けΦ簿。。魯Φ⇒Qっ8讐g29巴8&臼ΦαqΦ− ω⇔ヨヨ8菊8算ω§ωω窪ωoプ臥叶切創﹂ρお釦9ψω①㊤ω.<. ωoζδ︵国Φ§9魯ω①巳。﹃︶・ ∪凶ωωΦ二巴8Φ署ζ.bd2①﹁博乏δひQΦω琶8什ωドぼ轟。ゴ ヨΦ再臼①ω9巳9。。。什窪σqΦ蛋ω辞①8つN㊤三8ひq矯国二鎖嶺①口 HりO館団.OoΦωω色Φ5臣①﹀母①。ゴ§ひq①ぎ臼い①醇§αQ鴛脇 Φヨ窪くg∋Φぼ臼窪ω9三α℃oω8P幻。ω8穿おβ︾・ 守ω什①轟≦望Φω9巳鼻一一ひq口径ぴ①凶ζΦぼ9詳<。昌 智aΦ凄づσQ2ユ①ω臼警玄槻頸ωひQ罐窪ユ雲ω巴げ①づQ。。プ日置話づ 9号賦ひqちOω旧出.ud円8ぎ∪δ﹀目8ぎ§ひqΦ言Φ﹃N魯一§ひq σΦ巨じd①ω8冨昌ヨ①訂①﹁臼閃。a①毎⇒σqΦpじdおω冨FちO切● ︵56︶ ヘンリーキー︵℃。○=Φ⇒鼠。圃一。。H守8︶は、上級裁判 センがオーストリアとの戦争で獲得した地域を管轄する上 所︵○げ①﹁肝﹃凶げ二⇒鋤一︶副長官になる前、一八六六年にプロイ 器﹁ヨΦぼ9臼団oa9§σq㊦づ。冨①愚叢話じdΦωニヨヨ§ひq アの地域︵例、ハノ﹂ファー、ゲッティンゲン︶は、プロ 級上訴裁判所︵○σ①﹁餌℃づ①=簿一〇コωひq臼凶。葺︶判事であった。 σqΦヨΦヨ①ヨ幻①98島①﹀訂①。ぎ⊆昌σq①ぎ9<8山①∋ω筈巳阜 G。 @N鋤手事ω⊆ヨヨ①押国ユ彗ひq①昌富。。。。 ρ切①ヨ①がく①﹃・ ・8ぎ旨σq<8N壁§σq①poαけ§σq①ξ。。㊤・。岱・・の出①旨撃 =巳①p︾鼠芝巴町Φ<oづヨ①訂92男Oa①毎づσq窪凶ω叶Φ冒Φ イセン領とされた後もプロイセン一般ラント法ではなく、 σq 研究ノート 普通法地域であり続けたため︵匡.U①﹁コぴ舞ひq”ピ①ぼげ⊆oゴ α①ω℃噌①二ゆ一ωOプ①コ勺ユ<①什目①6げ房⊆コ匹α①﹁勺ユ<Oq①Oげ冨づO学 監留匹①ω幻巴。ゴρ切・﹀自ピ”じUα]口。。㊤企ω﹄一︵㈲一一︶︶、彼はプ ロイセン王国判事として普通法に基づき判決を下していた。 ⑦ヨ①ヨお。鐸ω三ω8ユωoゴ①コQo①ヨヨ碧ヨω80評ゴ○︸ヨ一∋Q∩Φ℃− 8∋び①﹁一㊤㊤卜。どお㊤ω℃ω・一一8 ︵62︶ シュタイナー︵QDけ①冒①さ卑卑04ωe曽一﹀の挙げるU. A9ρ卜。癖は、保証人の弁済が複数主債務者のいずれを解放 δご﹀=σqΦ∋①ぎ①OΦ三ωoび①uu一〇σq田℃三ρ訂ωαq’α霞。ゴ巳Φ の動機となっている。国①コ﹁凶9目一Go・誌。。抄=①コ﹁一9H朗ω. ︵65︶ =Φコユ9どω.おH ︵64︶ =Φ=﹁一9一加.おOh ︵63︶ <ひqピω凶99凶ρP①・OこQoσ心Oい するかに関するものであり、事案を異にする。 嵐ωεユ8げΦOoヨ∋尻ωδ⇒げ虫α臼内〇三σq一・﹀評聾血①∋凶Φユ臼. ︵66︶ =①コ門8同同”Qo﹂ωO−膳G。卜。﹄ω黒︷● ヘンリーキーによれば、 そうした際に弁済充当事件を扱ったことが、彼の論文執筆 ≦凶ωω魯ωo人足①Pしuα.切ρδ09ω.お9ω・︿・出2ユ。一[﹀の まさにこの場合に充当指定、すなわち一方的意思表示に よって相手方を拘束︵げヨ亀①コ︶すること、の意義が認めら ↓Φ言 プ ヨ 雪 三 . ﹁ ︵57︶ 富Φ霞昼ごQo・おO噛● れる。 ッ8は、本文の事例に関し、債権者の異議が弁済受領と ﹁方、シュトルックマン︵の賃二鼻∋鋤⇒P鋤.鋤.○こQり● ︵58︶じロ⊆o耳。一貫①﹄・ρω.ω窃ρ彼のこの著作全体に渡っ て、ドネルス︵一宣旨−㊤一︶の影響が見られる。充当合意の 部分にもドネルスの影響を認めえよう。<σq一.=.Uo器=⊆ρ ︵ 5 9︶ G∩8冒①き斜9。・○こω●N 一 一 . をなす。彼によれば、債権者が異議を留めつつ、債務者と ﹁行為反対抗弁﹂︶か否かという観点から、一定の場合分け いう自己の行為に矛盾する︵胃08ω88融908耳茜︻冨 ︵60︶ Ω三〇ず。ゴ窪鋤.Q︸ω・器Oh● の合意に至るまで一時的に弁済物を保管する場合には、債 権者の異議と受領行為とは相矛盾しないため、債務者の指 ︵61︶ プロイセン︼般ラント法にも同趣旨の規定があり ︵﹀ピ刃﹂一一①吻.一切P早落注六九︶、ここにラント法と普通法 定した債務は消滅しない。 ︵67︶ ≦、凶ロ房9鉱負鋤●①●○こω●心身﹀ロ∋・い。σ. をなるべく近づけようとする裁判官の配慮を見てとれよう。 <αQピ=.]≦oげ=ゴ曽仁℃ゴ菊8窪ωΦヨゴ①詳α霞。げ力8葺ω只Φ− ︵68︶ 箋冒亀ω9虫9ω.お一・債権者は、債務者の不当利得返 ばハ結果として債権者に充当指定を許すことになろう︵Gっ. 還請求権を受動債権とする相殺権を有しない。さもなけれ oプ⊆⇒αq∼ N仁日﹃ΦoユΦ⊆コα℃門①凶ωσq①ユ。算=oゴ①﹁幻⑦αqΦ一σ=・ αニコゆq一ヨ一㊤.冨ξゴニコ9昌一口∪Φ三ω〇三餌ロ負ヨ 一二二ω瓜8ゴ① ↓プΦoユΦげ=α⊆嵩ひq⊆⇒α勾①oゴニ団。ゴΦ国ぎげ①匿︵bd①詳贔αq①N⊆ 67 (4 ●181) 1103 Oo∋ヨΦ艮費山口9凶霞①o凶<=一圃=ぴ.×≦一$P×戸㈲㎝. b。 研究ノート 8ヨ塑餌・04ω・NO押の歪。プ○戸餌・騨O‘oD.器ω・ ︵71︶ 具体的には、上の注で挙げたシュトルックマンの 湊bQ> づ ヨ ・ N O ︶ 。 ︵69︶ なお、プロイセン一般ラント法︵﹀い幻・Hレ①ゆ嵩O︶及 この点に関しては、後にヘンリーキーも﹁受領﹂概念をよ 宮08ω冨ユ○鼠0800三噌霞冨﹁行為反対抗弁﹂論である。 は当事者の合意によってなされるとしているが、合意が無 り厳密に解することで、恐らくはその概念の中に債権者の びオーストリア一般民法典︵﹀ゆOじu吻謀5︶も、弁済充当 い場合を法定充当とする点で︵﹀いカ●澄し①ゆ一認捧﹀ゆ○ゆ 追認したようである︵雷①⇒﹃凶O凶一H” ω● 一〇① ︾づdP■ω︶。また 意思を取り込むことによって、シュトルックマンの結論を ︿ひqピ﹀ピカ﹂しΦ吻一㎝9、、房けユ臼鑓巨Φ⇒αΦ志度国ヨbh蝉⇒− ヴィントシャイトの見解は、債権者の意思を最大限に顧慮 ㈲置ま︶、ヴィントシャイトと異なる。 αq99。島ヨΦ耳①ヨ﹁oa①歪づゆq①づ<Φ︸臥8けωoヨgじDげ蝉信喜− しょうとする試みだったといえる。 るかは、今後考究すべき課題である。 ︵74︶ これを当時の経済界の要請に応答するものと評価しう ︵73︶ 自①コユ9一一ω.潔い 心ρωし旧U・駆ρωる嘆・︶。 ︵72︶ 債務者の利益を考慮した指定でなければならない︵O巳 怨〇三けげづ餌。げαΦBd①σΦ鴨ΦぎぎOヨ3①⇒O臼℃巽8︽Φづσ①二村− 9①淳≦ΦaΦP鋤鼠≦Φ綻び①α①﹁ωoび巳旺ひq①コ勺。ω8⇒島① α q Φ 冨δ98N餌三=コαq鋤づN霞Φo げ 口 ① ⇒ ω ① ︽ 9 ご プロイセン一般ラント法第一部第一六章第一五〇条﹁弁 済者が弁済受領者に対して複数債務を負担する場合、提供 された弁済がどの債務へと充当されるかは、まず当事者の OΦωΦ9σ⊆O倒しuρbQ︵菊ΦOゴ樽α霞ωOゴ三α<Φ跨9、剛節〇・ω①︶矯一8ρ ︵75︶ 閃●ωoゴ。ζヨ①<Φ5 区。ヨ∋Φ算費 Nニヨ bσ費ひQ臼=oげ①昌 ﹀じdObdゆ辰嵩Qっ讐Nトの.、.ω貯鋤餌びΦ﹁<臼ω〇三Φ自①口①勺Oω8⇒ ω・卜。○。刈︵N信ゆω①①Y ︵76︶ O●霊自。9ぎ じ。宥σqΦ島9①ω ΩΦω簿Nげ9ゴ 器げω蝕 国冒− 3げ≡=ひqωσq①ω2N”ω.﹀象一●し88ω﹄一〇︵N二姻ω①①︶・ が負担されている場合には、債務者が債権者の同意の下に 時における債務者の保証付債務への充当指定権が排斥され されていた事案で、帝国裁判所は、当該合意によって弁済 ︵77︶ 幻ON①9置\も.。。・弁済前に無保証債務への充当が合意 消滅させる意図を明示した債務が、弁済されたものとみな な不利益を被るから、というのが理由である。 る、とした。さもなければ充当合意をなした債権者が不当 ︵70︶ <ひQドUΦ毎σ霞ひq導ρ鋤・O・︵℃①づαΦ簿①昌︶℃ω.一㎝9<①口ひq①・ される。﹂ オーストリア一般民法典第一四一五条第二文﹁複数債務 包αq①づN=≦o=ΦP臨。げ鋤二ω◎昌。匹ドげ二巴轟けげ讐.、、 芝ΦドずΦ血9ωoげ巳自⇒9∋詳切一⇒≦≡幽αq¢⇒σq創①ωO感¢σ凶σqΦ﹃ω N二鎚三①員ω○ぞ凶a臼色①鵠戯Φ︷冒鋤ぴαqΦ叶δひq①⇒αqΦプ二一けΦP 合意を基準に判断されねばならない。﹂ 67 (4 。182) 1104 研究ノート いる。<σqピしdΩ=NOザω二業旨O①﹁コげ⊆げ①が︼︶δ団瓜已冨昌σq ︵78︶ 最近では、約款規制法第九条との関係で問題とされて ことはできないとした。なお、控訴審は、右合意がなされ したが、帝国裁判所は、右合意で保証付債務を復活させる に債務者との間で無保証債務への充当合意をなしたと主張 る前に、保証人は保証付債務の消滅を債権者に主張してお ¢邑凶ぼ①QD霞噌。ひq碧ρい。●﹀¢︷r一㊤㊤企Qo﹂お. ︵79 ︶ 寓 Φ 霞 同 。 同 H 一 ω ・ & ① R くべきであったとの理由で、保証人の請求を斥けていた。 ︵88︶ =8ユ。一ゴG∩●お拝OΦヨげξひq”餌■鉾○.層Qo・5①﹀コヨ。 ︵寓9ユ。一ゴω.置い。︶。 みならず、債務者が充当指定する場合にも適用する ︵87︶ 通説は、一﹀戯◎ρ卜。を、債権者が充当指定する場合の ︵N⊆㈲ω①①︶. ︵86︶ ︿αqピ○ω甑σqb・鋤.○こQっ﹄畦︷ コ磐。貫①﹄●O﹂QD・・。一㊤︷ ︵80︶ ω貫9評戴冠P鋤﹄●○こψ卜。①自h ︵81︶ =Φ霞一2どω﹂①㊤﹀コ∋・ωり.ただし、弁済時に両当事 者の充当指定が無かった場合に限る。弁済時に保証付債務 への充当指定がなされた場合には、その後の合意による充 当変更は可能であるが、しかし保証人の責任は復活しない ︵ψま斜ご。 ︵82︶ 古典期ローマ法の法定充当基準、O・鼻9ρ倉∪.心9ρ ジンテニスは、保証付債務は債権者と保証人に対する二重 ︵90︶ <雪ひq臼。牽PPOこGo﹄O卜。● ︵89︶ じσ9げ﹃o一9℃四・卑04Qっ.ωαN。。器﹀コ∋﹂一’ 鐸. の債務であり、かつ、債務者は保証人に対してある種の道 ︵91︶ ζ〇三①暮︻9戸ρPOこQD●αωω ω凶ヨΦ三ρ鋤.斜○こω・ ㎝冒.は、普通法学及び実務でもそのまま維持されていた。 徳的圧迫を感じるからという。ω凶9①三。。一PPOこ。り.お① ︵92︶ ]≦魯三白σ歪9b●p・・P一Qり。沼ω剛 お念. ︿oヨリ.ζ巴一Q。親﹂⊇ωΦ三暁Φ冨ω﹀円甘く巨費国ヨ。。9①一α§σq9 ︵93︶ じσ2Φ5p﹄●○こω.b。卜。・ ﹀=ヨ﹂刈 国葺ω昏①凶曾畠α①ω○σ臼ヨσ巷巴ωぎQっε簿σq①ユ α①﹁oσ臼ω8⇒○Φユ98ぎユΦ⇒号旨8ゴ9Qっβ舞①Puご血.一ρ ツ民法典の編纂と法学﹄︵一九九九年︶三頁︶が、編纂史 ︵94︶ 石部雅亮﹁ドイツ民法典編纂史概説﹂︵石部編﹃ドイ ︵ 8 3︶ ωoぼ①ぎΦき蝉﹄●○こGo・ ω N ︷ ︷ ● の全体像を明らかにしている。編纂資料の訳語に関しては、 一〇。㎝ρZ﹁.“。ω. ︵84 ︶ ω o ξ Φ 冒 Φ き 鋤 。 鋤 . O こ Q っ ﹂ ら 。 暁 ・ 児玉寛﹁ドイツ民法典編纂資料一覧﹂︵石部編・同書巻末︶ ︵95︶ 芝●Qo9二げ①昼9①<〇二9。σq窪鳥9力①量算○﹁2︷9︻臼① に従った。 ︵85︶ 力ON・。P=P 債務者が充当指定なしに弁済した後、 保証人が法定充当による保証付債務の消滅を理由に、債権 者に対して保証書の返還を求めた事案。債権者は、弁済後 67 (4 ・183) 1105 研究ノート δ8h日中ωoピ乙押﹀σ。・・ピ目口.9H・ aωω①HΦ二一︵ω。9σ①芦<oユ鋤ひqΦpω魯三旦菊目︶しO。。ρQ。. ゆ旨αqΦ島。冨⇒O①ω簿Nε。冨ρ寄。簿α臼Qり。9冠く①門げ璋− ①邑Φ内oB巨ω臨8N霞﹀=ω霞9津二轟9ω国嵩薯霞hωΦヨΦω ︵97︶ 本稿で﹁諸国の法典︵草案︶﹂という場合には、以下 ︵96︶ω。εσ①昼<〇二四ひq①Pω魯¢富力↓鉗ω﹂8“。. 号⇒<Φ島四三ゆ∋9、2σqσq①巳ひq叶・、. 巴8﹁ρ⊆&σ飢αq互。蕃一8﹁置①三巴Φα臼ヨΦぼ臼①⇒Qっ魯巳− フ法典または草案を指す。プロイセン一般ラント法︵﹀ぴ即 N宅⑦畠Φα臼ω9三壮盛αq§ひQぴΦ三﹁簿Φい虫ωεづひq三。算動⊆ρ 臨ひq①∋い①凶。。叶巷αqω凶嘗巴け二&﹁巴。山鼠Φく。⇒①﹁ω8同①∋N二∋ げ8臼警窪σq臼ヨΦぼΦおω。ゴ巳涌くΦ昏巴g凶ωω①二二σq一Φド訂﹁− 一。。①一\①心︶、ザクセン民法典︵ω鋤Oげoo・ じd︵︸bσ 一QQ①ω︶、ドレスデ 国葺≦.崔おム刈︶、バイエルン民法典草案︵げ鋤旨・国三≦. 一般民法典︵>bd︵甲じd 一〇〇一一︶、ヘッセン民法典草案︵げ①ω。。. 嵩逡︶、フランス民法典︵OoαΦ〇三一一。。O心︶、オーストリア ゆ﹃.じuΦ。。8げ魯N三ωo冨昌①宣ΦヨGooげ翼壁Φ﹁§島9ヨω①∵ 犀ヨ怨∋∋島9①ω9巳良窪N¢巳σq①pωo豪富①﹂Φ乱σQ① ン草案︵︵一門ΦQD創● 国昌再ぐ雫. 一〇〇ΦΦ︶、スイス旧債務法︵鋤○幻 留.出簿血臼ω島巳曾費圃∋閃動=Φ位Φωゆ.①Φ貯Φud①ω=ヨー ﹀い即H口Φ満身 O&①。圃く︷ξ﹁ρ旨♂旧冨Q。ω・穿葺’㈲・。りω旧 ︵98︶Gっ9昌①昼く〇二等σq①PQ。9=民力↓押ψさω9<ひqド 一。。。。一︶。 論旨ひq三∩窪ひq①qo睦①P。・o圃ω∬≦①弓伍臼9警⊆ひqΦ﹁σ画 鋤○菊留8・ ︵99︶ω6冨σΦ井く。量σQ①PGっ9⊆δ菊日押ω﹂8Φ● ω9三αα霞9臼Φピ⑦韓§σqαqΦ艶σqけ ∋§σqN信9Φ幣ロニ三Φ匿。。ω①pωo冨弓α臼9讐玄σq①﹁・9一 ︵101︶留魯ω●じdΩじd竃刈。。.出讐α①﹁ω9三曾臼Φヨ①し。Φωθ巨. ︵㎜︶○っ9昌①肯く。﹁訂σqΦpω曾信管勾↓押○っ﹂8①. 缶讐≦巴Φ﹁自Φ﹁G。9巳号臼田09α費9讐甑αq臼Φぎ① ウωけ①=8昌O葺εロσqげ①ω鉱ヨヨ①コも亀≦色9Φω魯三αα一① 国ヨ葺きゆq轟ゴヨΦ号﹁N⇔三⊆⇒σq&⑦ユp9﹁紆呂げ嘆碧ω− 雪ひq①83∋窪富戸臼Φ<8良①∋9讐玄αq①﹁げΦωニヨヨ8 ω08答a山臼ω只。9窪§良臼①〇二葺巷ひq三α①誘蔑⊆2巴○ω σ①。・賦ヨヨけ⊆邑臨9ωoゴ己器﹃旺⑦ωΦ﹁bdΦωユヨヨ§ひq昆筈侍 げ錯﹃﹄三≦.留刈9怨9ω.じ。Ωbd㈲り刈。。琶お巴望ヨ..吻ω貫 67 (4 ・184) 1106 ︾弓魯∋Φ9﹁ぴ巴ω什琶ひq&ΦユpαΦ﹁O極洋巷ひq島①ω。げ三傷 鳥臼い ① 圃 ω 侍 § σ q ① 時 莚 詳 冨 け ・ 、 . ω。ゴ三◎αqΦ艶σq戸≦巴魯①9噌ω9昌昌Φ﹁包σq2No≦2一①昌びΦ凶 じQΦω菖∋登呂σqαq①qo陳①paΦ﹁α臼ω9三曾①﹃α9<8窪①ヨ O鼠⊆ぼαq臼σqΦ需。自Φ器づじd①ω辞巨ヨ§αqωo暁。冨惹自認ω℃門。− 6冨pω〇三a含﹁9臼①いΦ圃。。εおヨ①曇臼定免①α一Φ 壁鼠①Q。9三鼻¢三9∋Φ耳①﹃Φぼ芭圃σq窪ω9⊆己Φコ島①9∋ ω9三曾Φ二蹄二αq巽ρ§一華ヨΦ汀臼9伽Q蛋9富ω什一σq2臼Φ ザクセン民法典第九七八条﹁債務者が充当指定をなさな 史〇洋①ぎく臼ω冨巳⑦pωoヨ落目ω08博≦こ臼。。凛①6ゴ①昌.. N①包§αqひqΦ﹁8ぎ簿芝Φa①口ω○=.ぼα臼ω9結言①﹁母昌侍 αq 研究ノート 弁済につき作成された受領証書において、どの債務へ弁済 α陣①ωΦ一げΦ鋤二︷稲臼①h﹁①圃①<①円︷曽σq⊆昌σq良①ωω07=一飢コΦ﹁ω魯げ①﹁ω①圃昌 α一〇一︶ユ昌σq=6げ犀①制辞◎Φ﹁ωOげ=一塁⇔二︷α①昌国一コゆ二ゆ℃≦6一6ゴ①コ ①凶昌N⑦一コΦコ閃gΩ=①ωN⊆①﹁ヨΦωω①づ石車α側①ぴ①凶一昌ωσ①oDO昌山①﹁Φ9=︷ が充当されるべきかを指定することができる。債務者がそ く①﹁∋Oσq①嵩ゴ出戸ニコ学園¢h画一①Z鋤6げ樽7①=ΦN二ω①ゴ①づ曽≦①一〇びΦ かった場合、債権者は弁済受領時において、あるいはその の指定を了承しない場合は、即座に異議を述べねばならな ︵Oll︶ <O﹁一鋤σq①α①ω︿○﹁げ①﹁①謬①コαΦ昌﹀=ωωOゴ⊆ωω①ω︵﹂♪コ一①σq①切︶” ゆωωり、帆力①Oゴけω評﹁帥︷鉱σqN二①﹁評鋤ココ辞ρ侮二﹁O=勺喘①コユ﹁ΦOゴけO匹①﹁ 餌一ω山陣①︺①コ一αqΦコ℃h爵目芝①一〇げΦ①圃コ①ωO一〇ゴ①N二①﹁犀①ココ⊆昌σqOOΦ﹁ ︼W曽﹁σqω6ぴ勉沖晩①臨Oげ①憎博Φ閃O﹁血①憎G昌ひqΦ=m巴け①ご眺O﹁︼帥匂Dぼひq①き O.鼻9ω一心旧]ワ・膳ρω︾切℃﹁・ ︼∪・ら◎ω一刈 ]ワ・幽◎ρ㊤刈・ 鋤︼oD ωO一6げ①噂h曽﹁≦①一6ずΦω一6ぽ一Φ∋鋤=賎 <①﹁σO門晦叶 げ鋤蝕㌔”一ロ一 ω一〇げ⑦﹁ゴ①津ロ凶Oゴ再げΦωけ①ゴ什・ ﹀鑑OゴσQ①一什①コ閃O﹁αO﹁ニロσq①コ一︷⇔﹁ 評﹁帥一 嘗 σq N ¢ Φ ﹁ 計 目 口 二 一 Φ ω O げ = 一楠 亀飴﹁一帥ω鉱σq①き艶︼ω飢簡①ω6げ=一虹︸ ℃﹁OけOOO=①血Φ︻OOヨヨ凶ωω一〇口N二二﹀儀ω餌﹁げ①騨二づoq①一口①ω自。=− U・軽◎ω鴇蔭随一∪・心◎ω一窃O﹁. ≦①一〇ゴ①リコOOげ昌凶Oゴ豊凶コカ①Oゴ什ω犀﹁鋤hけσ①﹁ニプ戸α凶①α⊆﹁∩げ①一づ ひq①ヨ⑦一コ口⇒血①⊆辞ωOゲ①コ○σ一門ひq餌二〇コ①コ﹁①∩ゴけ①ρゴ﹁ωひq●<Oコ自. ≦Φ一∩げ①︸Φ∋2Ωコα餌一ω=鋤信冒けωOゴ偉一畠コΦ﹁ゴ①︷滑①戸︷O﹁一眠ω二σq①﹁ 勺︷鋤コα﹁ΦOびけOα①﹁Φ凶⇒Φ切⇔﹁αqωOゴ四沖σqΦω一∩﹃Φ﹁け①︷O﹁一98ω臨σq①5 権、質あるいは保証によって担保されている債権は、そう ωOゴ‘げΦ﹁戸一W血・N℃一㊤Q◎企ω’一トQωoO● ザクセン民法典第九八○条﹁既判力を附与された債務は、 でない債権よりも負担が重いものとする。また、主債務者 鋤一Qつα一Φ⇒一〇ゴけσqΦω凶Oプ①同け①℃⊆コαユ凶①①凶ひq①口①hO﹁一月目辞凶ひq①き四一〇り 未だ既判力を有しない債務よりも負担が重く、質あるいは として負っている債務は、保証人として負っている債務よ 準備委員会予備草案第三三九条﹁既判力を附与された債 保証人によって担保された債務は、そうした担保のない債 りも負担が重いものとする。﹂ 旨曽h囲. 鋤=σq①∋①間づΦコα①感けωOげ①コ○げ一陣σq鋤鉱05日目﹁①Oプ什Φρ鋤・卑○こω・ ︵m︶牢088一一①α臼O§∋一ωω喜N霞﹀⊆ω鋤﹁げΦ詳§ひqΦ冨ω 務よりも負担が重く、また、本人としての債務は、保証人 としての債務よりも負担が重い。﹂ ︵901︶ 一︶﹁①ωユ.国昌辞≦.㈲ω切らQ^戯く雫①一〇プ①ωOゴ⊆一望ニコ辞①目∋Φゴ﹁①﹁①コ α凶①一帥ωユひq①﹁①ω①蝕一ω什コ鋤∩げ自①コげ①ωO嵩α①﹁①コCヨω辞98昌山①づ創Φω 67 (4 .185) 1107 α助①山隈ω①凶嵩①門︼W⇔﹁σqωOび鋤暁闇7Φ﹁︻燵ぽ﹁①昌自Φご ω帥Oゴω. 一WΩ︸W吻りoQO ^^一昌ωげΦoDO⇒αΦ﹁① σq=什 α一① ﹁ΦOゲ什ω・ 」♪ プ讐・.、 αΦ﹁ωOゴ=一︵一昌Φ﹁<OコαΦ﹁Φ昌]Z凶Oゴ叶σΦN四ゴーロコひqN=げ①QoO吋αq亀コ 「勾。一一一①吻一U切︷噛引9ΩO菊吻一〇一. H︶.腿⑦博しQ一ω一一h︷. ぼ①昌﹃凶O一 H鴇ω.軽α一● =①コユO一 H一ω・心軽oohh引ωけ﹁二∩昇∋鋤⇒コ導鋤.鋤.○こω・い○切oQ. い。﹂ 107 106 105 104 103 1022 lO8 研究ノート ︵311︶︿αqピ鵠Φ9qどω.ミ。。﹀づB・お・ ︵211︶ω9二げΦ置く。ユ鋤σqΦ戸ω警⊆5即↓どωレOω。。G 夋ヨ呂﹁σqΦ﹁=魯gOΦωΦけNげ=9Φω︷宥畠ωUΦ昇ω魯Φ力魯ゴ. 村臼魯ω筈三傷g<Φ吾讐づお導設置σqΦ巳αqけ・、.宣田ヨξ︷ ︵411︶牢。8ざ二Φ9円ロ]課。ヨ邑ωω凶8N霞﹀器雪げ虫叶§αq Φ言Φω9﹁。q①島9魯Ω①ωΦけNび二9ωし。。・。緊お。。PQ。﹂ω。。P旦 O冨ゆ①莚け巷ひqαΦωbd費ひq専一窪gOΦω①訂喜9ωぎ 醇ω8いΦω§σq層﹀ヨ忌。冨﹀島σq9Φし・。。。。。鴇.ω.身熟 第一草案第二六七条﹁債務者が複数の債務関係に基づき、 債権者に同種の給付を負担し、彼の債務消滅を意図してな 。耳2ρ二巴①戸力Φ9巳①Hω。叢書く①島言置ωω①一℃ゴ誘αq.く8 債務者の当該指定がない場合は、まず期限の到来した債 時に消滅させる意思を表示した債務が消滅する。 した給付が全債務を消滅させるに足りない場合、彼が弁済 国・団・冨ざげρ詔.ω。ピげ9個口蜜ざげω・ω9旨①﹁戸bd臼鋤ε轟 務が、期限の到来した債務の間では、債務者にとって負担 のより重い債務が、負担の等しい債務の間では、より古い 債務が、成立時期の同じ債務の間では、各々の債務が割合 瓜σq9ピ巴ωε轟窪く臼風一言鐸2一ω戸睾ヨN≦①畠Φ亀Φ﹁ O感二互αq㊦﹁薮の∋①町92ω。9匡く①忌巴け三ωω2旨αq一位。守門− ︵511︶国一吻N①刈、、国讐Φヨω9巳号①さを巴。げ韓亀Φヨ bd①ω二8∋巷ひq三a藍鼠島曾α凶①建=ひq①ω。萱葺⊆暮⑦目 ︵811﹀国島ω昼﹀げω﹄..ぎ国∋きひq巴§ひQ魯臼。・。一島2 ︵711︶冒ざσωあ9呂①芦しu①建εおω9巳島田︸Q。.①器. ︵611︶冒ざσωあ9二げ法博じd①﹁讐§ぴqω9南島ごω.①ω腿・ に応じて消滅する。﹂ ω9巳象㎡§αqΦぎ①N日日一画§ひq怨∋日岳9臼ω9⊆置2 ⊆三連ヨΦξ臼Φづ ¥島ωド冨﹁2臼①仙①ヨω6げ巳号臼邸ω二。qΦ﹁ρ⊆馨‘﹄p ぎ田星羅αq色巷ぴq①ぎΦぴ。一。げ9じ。Φω餓ヨヨ旨σq餌Φωω9偉寧 ω9Φ寄凶9.N≦①冨い①ω§ひq﹂■藪。・日・bdgげ.︾亀目ヨ辞− 国三≦ニユ①貯①ωじd貯σq①島。げ90Φω①冒σg房二目9ω︼︶2学 ω臼巳曾Φ発酵二αq9㊦二民¢雌臼ヨ①ぼΦ﹁魯ひq蚕9醇ω=ひq2 期限の到来した債務が、期限の到来した債務の間では、債 第二草案第三一五条二項﹁前項の指定がない場合、まず 浮冨く①莚三四器琶ひq口。。り禽”ω]8● 臼①巴8おωoゴ匡章ασ①凶αq邑9①ヨ≧8ユΦ9匹臼ヨ①7 ω098二三臼B⑦耳①﹃窪融一汗2ω9三α窪島①9ヨ ⇒臼。。乱aα霞9臼①い①δ四目ひqN巨9、。げω&δ︷帥≡αq①Gっ9巳ρ α臼ピ虫ωεおΦ昏国昏昏滑● ωo冨δαq㊦艶ひq戸≦巴。ゴ2凶西2N二≦o濠⇒α臼ω9巳匹器﹁σ位 当Φぼ臼2琶轟gω09一9つ9色①三ひqρ≦鮎9①鎚⑦ヨ 67 (4 .186) 1108 三9辞錯ω邑。穿話ΦU飢ωε⇒σqσ①乱星章ω。圃ωけ臼Φ︸Φ三σqΦ 冨。。。。珍●。。刈︷. ・。一力Φ。年創Φ﹁ω。ピ冠︿⑦︸巴g剛ωωρ﹀葺膏冨﹀二ωαq普ρ bσ費oqΦ島920①ω簿Ngo冨ω胤費審ω︼︶①三ω畠①菊①一〇貫じd9 ω。巨匡菊一︶しり刈。。あ.⑰ω・。甲ζo自くΦN二山①ヨ団づ薯⊆猟Φ①︸βΦω 紹ω8∋巴ω筈臼N器鋤ヨヨ①コω野田§σq色臼§<Φδ映①三零 ①凶 σq 研究ノート 権者にとって担保のより少ない債務が、担保の等しい債務 の間では、債務者にとって負担のより重い債務が、以下 略。﹂ ︵911︶ ℃目08﹃o=①α臼内。∋ヨ一ωω凶。コ︷宥臼ΦN≦①圃8ピ①ω⊆昌σq ロΦ。。国三≦長噛ωαΦωbd臼ウq①≡09⇒○①ωΦ辞Nσg房℃じdα.眞﹀=・ ウヨΦぎ①﹁↓冨=仁&菊8耳α9Qっ筈三創<①島巴侍三ωωΦ︾げω.押 ﹀σω幽N↓凶叶一口○。Φメω・し。ω①. ︵021︶ この基準は、既に、プロイセン一般ラント法およびス イス旧債務法が用いていた。﹀ピ幻﹂︸一Φ吻嵩◎四〇ヵ吻一臼. の債務を消滅させるに足りない場合、債務者が弁済時に指 記した債務が消滅する。 債務者の指定がない場合、まず期限の到来した債務が、 期限の到来した債務の問では、債権者にとって担保のより 少ない債務が、担保の等しい債務の間では、債務者にとつ て負担のより重い債務が、負担の等しい債務の間では、よ り古い債務が、成立時期の等しい債務の間では、各債務が 割合に応じて消滅する。﹂ ︵221︶ 穂積陳重は、現行第四八八条及び第四八九条の起草趣 旨説明の冒頭で、旧民法の主義に原則として賛成したと言 う。法典調査会民法議事速記録[重訂版]二一巻三八丁表、 七四丁裏。 ︵321︶ 前掲注六六、︼〇二参照。 ︵421︶ 第四章第一節、法典調査会民法議事速記録[学振版] ﹁銀行取引約定書ひな型の改正・新設条項をめぐる法律的諸 割引︵銀行取引セミナー4︶﹄︵一九六三年︶八九頁以下、 き、かつては肯定する発言もあったが︵鈴木竹雄編﹃手形 における債務者の充当指定権を剥奪するものであるかにつ ︵721︶ 例えば、後で引用するひな型第九条の規定は、弁済時 二八八頁∼二八九頁。 ︵621︶ 我妻栄﹃新訂債権総論︵民法講義N︶﹄︵一九六四年︶ 二一巻七五丁表裏[穂積陳重]参照。 ︵521︶ 第四皆皆二節、法典調査会民法議事速記録[学振版] 一=巻四〇丁表[穂積陳重]参照。 ︵121︶ bdOじd吻ω①①、、一ωけ9﹁Qり9巳曾臼α①ヨ9帥呂一σQ2鋤二ω ヨΦξ臼9 Qっ。巨葺く①島巴肖三ωω窪 窪ひq芭9狸汁σq①コ ぴ①や ωε謁Φ⇒<Φ6塗6鐸Φ樽§α﹁①凶9け9ω<8ぎ∋O①一①凶ω88 艮6洋N霞目︼ひq§αq怨§二一筈頸ωoピ一層窪偉。器一ωo惹円亀 臼εΦ三σq①ωoげ三血σq2一一σq戸≦色6冨99圃α臼ピ虫ω滑§σq σ ① 曾圃∋∋e ↓ユh津α臼ω9禁忌p9箒一器bσ①ω二∋∋§σq”ω〇三aN二− 昌9、9ω叶臼①賊=凶σq①ω9三α一巷什臼∋①ぼ①﹁2融≡σqΦコ ω9三α雪臼Φ冨三σqρ≦Φ一9Φα⑦ヨQ碧⊆σq臼αq臼ぎσq臼Φ Qっ凶9①︸①評σ一①8叶ヒ三①﹁∋Φ耳①﹁2ひqζ9ω凶9臼①ロ臼①血①∋ ω9三号①二言ω鉱σQ⑦﹁ρロコ8﹁∋Φぼ臼窪αq蛋9一帥。・辞一αq雪臼⑦ 巴8﹁①ω魯巳α⊆巳σ①凶σq一①皆冨∋≧8﹁︺巴Φω9三α <①島巴け三ゆ∋帥露σqαq9=σqけ・”. ドイツ民法典第三六六条﹁債務者が複数の債務関係に基 づき、債権者に同種の給付を負担し、債務者の給付が全て 67 (4 。187) 1109 ひq 研究ノート 木禄弥発言]︶、そのような見解は今ではみられない。 問題下・完﹂手形研究二五八号二九七七年︶一九頁[鈴 とって弁済の利益が多いとする異説もあるが,︵山本進一 履行の責に任ずる場合には、無保証債務の方が債務者に 強く意識させられている、といえる。なお、保証人が直接 同上=二五二頁。 民集八巻七号一三五〇頁。 大判大正七年一二月十一日民主二四輯二=二九頁。 大判大正七年一〇月一九日民録二四輯一九八七頁。 一九五六年︶七︸頁以下参照。 三淵乾太郎﹁弁済の充当﹂︵﹃総合判例研究叢書民法 考えておらず、一面的にすぎる。 一九五八年︶一七七頁︶、保証人と債務者間の求償関係を ﹁弁済の充当﹂︵谷口他編﹃民法演習m︵債権総論︶﹄初版 ︵821︶ 沖野眞巳・法学協会雑誌一〇六巻六号︵一九八九年︶ 一〇九八頁以下参照。 ︵921︶ 債務者が異議を述べた場合には、彼が改めて指定をな せるとの説︵林︵安永補訂︶・石田・高木共著﹃債権総論﹄ 第三版二九九六年目二八四頁注八[石田喜久夫]︶もあ るが、当事者のみならず第三者の法律関係までもが不安定 になるため、支持できない。 ︵㎜︶ 民録二四輯三二六頁。 ︵131︶ 同上三三六頁以下。 ︵231︶ 民録=二輯一二〇〇頁。 ○号三 六 〇 頁 ︵訟務月報二八巻四号八四八頁︶。相続税法 例、山口地判昭和五六年八月二七日税務訴訟資料︼二 ︵431︶ 前掲民録二四輯三三七頁。 き、消極的判断。 ︵741︶ 前掲注一一三参照。 二年︶二三四頁。なお、普通法期の判例、通説が弁済後に ︵一九七二年︶三七〇頁、奥田昌道﹃債権総論﹄増補版 三笠︵一九九三年︶四六二頁。 おける充当合意を否定したのも、この趣旨からである。第 ︵841︶ 梅謙次郎﹃民法原理 債権総則 完﹄復刻版︵一九九 ︵731︶ 我妻・前掲二八八頁。 ︵941︶ 同旨、石田・前掲二八二頁。 三章第三節参照。 ︵931︶ 前掲注一六、八二参照。 巻︶﹄︵一九三六年目一二九頁、磯村哲編﹃注釈民法働 債 ︵051︶ 近藤英吉・柚木馨他﹃注釈日本民法︵債権編総則下 ﹁弁済の利益﹂に変わったことにより、﹁弁済した結果﹂を ︵041︶ 上記の判例、通説は、﹁負担の重さ﹂という表現が ︵831︶ 前掲注一四参照。法典編纂後に見失われた観点である。 ︵一九九二年︶五二四頁、前田達明﹃口述 債権総論﹄第 ︵631︶ 我妻・前掲二八八頁、於保不二雄﹃債権総論﹄新版 第=二条により債務控除を受け得る利益が含まれるかにつ ︵331︶ 同上一二〇四頁。 』 ︵531︶ 同上三四〇頁。 146145 聖逃埋(2)坦 ) ) 67 (4 。188) 1110 研究ノート な型でみられる特約を問題にする実益は失われていない。 ︵651︶ 第九条型の特約が結ばれた場合にも、弁済前に特定債 権㈲﹄︵]九七〇年︶二〇九頁[山下末人]。充当関係を弁 済時に決定しようとする立場であり、妥当である。 債務者の充当指定権は排斥されない。全国銀行協会連合会 務への充当合意がなされた場合と同様に、弁済時における ないものとし、他の債務が消滅したものとする契約を当事 法規小委員会編﹃新銀行取引約定書ひな型の解説﹄︵一九 ︵151︶ 近藤・柚木・前掲一二九頁は、充当された債務を消滅し 空間で結ぶことは可能であるが、第三者に対する効力は生 七七年︶一五三頁、田中誠二﹃新版銀行取引法﹄三全訂版 ︵一九八四年︶三八六頁。 じないとする。この種の契約が更改契約であると否とに拘 わらず、当然であろう。 ︵751︶ この種の不安定さは、﹁債務者が債権者に対して負担 することのあるべき一切の債務を極度額の範囲で担保す ︵魏︶ 石田・前掲二七八頁。 ︵351︶ 利息等の条件は等しいものとする。 る﹂旨の、いわゆる包括根抵当の設定に際し、右極度額の 三二年七月一七日高民集一〇二五号二九二頁参照︶、しか の責任は極度額によって限定されているが︵東京高野昭和 債務を保証した場合にも生じる。この場合、確かに保証人 ︵451︶ 近藤・柚木・前掲一二九頁。その結果、債権者が損害を 被れば、契約違反を理由に損害賠償が可能である︵玉田弘 毅﹁弁済の充当﹂谷口正編﹃民法例題解説11︵債権︶﹄初 版︵∼九五九年︶八二頁以下︶。 それは各銀行に約定書の作成を委ねたにすぎず︵金法一五 もっとも、ひな型は近時廃止されるに至ったが、しかし ができ、その充当に対しては異議を述べません。﹂ ときは、貴行が適当と認める順序方法により充当すること る差引計算の場合、私の債務全額を消滅させるに足りない 第九条︵昭和五二年改正条項︶﹁弁済または第七条によ ︵物権法︶﹄初版 一九六三年︶二五三頁以下、二六四頁。 のである。清水誠﹁包括根抵当﹂︵柚木他編﹃判例演習 の︵第三九八条ノニ第二項︶、否定論の重要な論拠だった そしてまさにこれが、包括根抵当が立法的に否定された際 れるのかを予測できないという不安定な立場に置かれる。 しているのかを知り得ず、従っていつ保証債務から解放さ ことはできない。この時保証人は、どの範囲の債務を保証 し債権者が極度額をあらかじめ高めに設定することを防ぐ 七八号︵二〇〇〇年︶八四頁︶、第九条例の特約が不使用 ︵851︶ 既に、沖野・前掲一〇九八頁が指摘している。 ︵551︶ 銀行取引約定書ひな熊石九条が、この典型例である。 に帰したわけではない。また、信用金庫、信用組合や農協 ︵951︶ 通知義務については、西村信雄﹃継続的保証の研究﹄ ︵一九五二年︶二六六頁以下、大阪地裁昭和四九年一〇月 は、ひな型をほぼそのまま採用しているので︵第一章で引 証した最高裁昭和六二年=一月一八日判決がその例︶、ひ 67 (4 ●189) 1111 研究ノート 制限﹂立命館法学二五〇号︵一九九六年︶=二八九頁︶、 を導く判例学説もある。例、中井美雄﹁包括根保証の責任 ’頁[同人執筆]、責任制限については︵ただし、身元第五 条の類推ではなく、信義則や意思解釈によって同様の結論 西村信雄編﹃注釈民法ω 債権②﹄︵一九六五年︶一六四 しては否定︶、解約権に関しては、西村・同書八六頁以下、 権および責任制限法理の導入を肯定。しかし事案の解決と 一六日金融商事判例四三一号一九頁︵通知義務の他、解約 掲︵身元保証の研究︶二七〇頁以下。 ︵361︶ 西村・前掲︵継続的保証の研究︶一=二頁以下、同・前 ○頁以下。 ︵261︶ 西村信雄﹃身元保証の研究﹄再版︵一九六六年︶一八 言]、野山宏・法曹時報五一巻四号二九九九年︶一〇一頁 行法務21、五三五号︵一九九七年︶六〇頁[石井眞司発 根抵当権が実行された場合における配当金の充当方法﹂銀 は、最判平成九年一月二〇日民団五一巻一号一頁、﹁共用 注五参照。 最判昭和四八年三月一日金法六七九号三五頁︵評釈、村松 俊夫・金法六九二号︵一九七三年︶一六頁︶、最判昭和五〇 年十一月六日金法七七七号二七頁、大阪高判昭和三八年九 月五日高民集一六巻七号四九三頁、福岡地判昭和四五年十 一月二五日判時六三三号八八頁、大阪地判昭和五〇年七月 一五日下民集二六巻五∼八号六三二頁、東京高判昭和五一 年四月六日金法八〇一号三四頁、東京地判昭和五三年二月 二七日判タ三六九号二四九頁、参照。 ︵061︶ 銀行取引約定書ひな型全体が用いられた場合には、そ の保証条項によって保証人の責任が包括根保証となるから、 これが身元保証法の類推根拠となる。本文で述べる昭和六 二年判決においても、判決文上からは明らかではないが、 ひな型同様の保証条項が用いられていたならば、同様のこ とがいえる。 ︵161︶ 競売による配当金の充当は法定充当によるべきとする、 昭和六二年判決の射程には疑問の余地があることについて 67 (4 。190) 1112