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第6章 学生支援(基準6)
第6章 第6章 1 学生支援(基準6) 学生支援(基準6) 現状の説明 1.学生が学修に専念し、安定した学生生活を送ることができるよう学生支援に関す る方針を明確に定めているか。 建学の理念に基づき、学生支援に関する大学の基本方針を以下の 通り定めている。 ひとりひとりの学生が持つ能力を引き出し、技術者として社会人として社会に 貢献できる人材を育成するための環境を整備し、入学手続き後から卒業までの期 間を通じて修学面、生活面、進路面などさまざまな方面から学生を支援する体制 を構築する この基本方針は、教育および研究に関する全学的事項を審議する第1学部運営委員会 (本 学の委員会構成はiiページ参照)において発議し、大学の教学面の意思決定機関である大 学協議会で承認している。基本方針を実現するための具体的な方策は、第1学部運営委員 会において審議・決定し(資料6-1)、重要な審議事項については教授会および大学協議 会の議を経て実施している。第1学部運営委員会での審議内容は各学部の教授会に報告す るとともに、議事録を全教職員にメール配信し、周知している。 さまざまな施策の実施状 況や前年度比を第1学部運営委員会で報告しており、分析・評価結果に基づいて次年度に 向けた改善策を検討している。 2.学生への修学支援は適切に行われているか。 チューター制度を設け、チューターと学務部、キャリアセンター、健康管理センター、 学習相談室とが連携しながら、修学面、生活面、進路面で学生を支援する体制を作ってい る。前期・後期オリエンテーションの開催、教育進路懇談会・就職進路懇談会の開催、学 期ごとの成績の保護者宛送付、成績不振者に対するチューターとの面談および修学相談会 の開催、障がい者・経済的困窮者・災害救助法適用者への対応など 、さまざまな支援を行 っている。以下、個別に述べる。 1)チューター制度 チューター制度は、学生の修学面・生活面・進路面の指導のために設けており、 各学科 各学年に2名(4年次生はゼミ担当教員)を配置している(資料6-2)。チューターの業 務は、『指導教員(チューター)規程』(資料6-3)に定めており、学生からの修学、生 活、進路相談に応じている。相談内容によっては、チューター、学務部、キャリアセンタ ー、健康管理センター、学習相談室が協力して問題解決に取り組む体制をとっている。学 123 第6章 学生支援(基準6) 生支援に対する情報をチューター間で共有できるよう、毎年度末にチューター説明会を開 催している。この説明会では、『チューターの手引』(資料6-4)を配付し、チューター の役割、学生対応における連携体制、学業不振者への指導法、オリエンテーションにおけ る指導内容、退学願の手続き、具体的な対処事例等を詳細に説明している。また、前年度 に引き続きチューターを担当する教員には、チューター制度に対する意見を聞き、制度の 充実を図っている。 このチューター制度は、開学当初から継続して実施しているため、教員間にその重要性 は十分認知されており、学生支援として十分機能している。 2)新入生への支援 新入生が大学での学修をスムーズにスタートできるよう、入学前教育や新入生オリエン テーション(入学式前、入学式後、宿泊研修)を実施している。 専願入試(AO、特別推薦)および推薦系入試(推薦、加計学園推薦(スカラシップ制)) 合格者を対象に、入学前の1月中旬から3月上旬にかけて、通信型の教育を実施している (資料6-5)。学科が指定する科目の中から、専願入試合格者には2科目、推薦系入試合 格者には1科目を選択させ、DVDまたはビデオによる学習後、課題の提出・添削で学習 を進める方式をとっている。受講料の約半額は大学が負担している。受講開始前にプレテ ストを、受講終了後にアフターテストを実施しており、受講前後の成績を比較すると、各 科目とも教育効果が上がっており、実施の適切性が確認されている。また、同じ敷地内に ある岡山理科大学附属高等学校からの入学予定者を 対象に、学習相談室の職員を講師とし て、入学前の2月に約2週間、英語、数学、物理、化学、生物の入学準備教育を行ってい る。一連の入学前教育については、入試委員会の下部組織である「入学前教育検討ワーキ ンググループ」で実施計画を立案しており、実施結果に基づき、次年度に向けた改善案を 検討している(資料6-6)。 新入生に対しては、入学式前日に「入学前オリエンテーション」 (学生生活全般、履修手 続き、健康管理、交通安全講習などの指導)を実施し(資料 6-7)、学則および学修を進 めるために必要な事項(単位制度、授業、学部学科別カリキュラム、試験、成績など)を まとめた『学生便覧』を配付し、説明・周知を行っている。入学式翌日から4日間は、 「新 入生オリエンテーション」を実施し、履修手続きやカリキュラムなどの説明、新入生の学 力を調査し補習教育の対象者を把握するための学力多様化度調査、宿泊研修を行っている。 学力多様化度調査は、英語、数学、物理学の3科目のうちで各学科が指定する科目につい て実施している。2012年度の数学の調査結果は資料6-8の通りである。また、英語 に関する調査は、全新入生を対象に実施し、結果に基づいて英語のクラス分けを行い、学 力レベルに応じた教育を行っている(資料6-9)。また、「入門数学」、「入門物理」、「入 門化学」、「入門生物」の4科目のうちで、学科の専門性と関連する科目を各学科のA群科 目(専門科目)として開講しており、学力多様化度調査の結果および高校における理数系 科目の選択状況に基づいて、個別に履修指導を行っている(資料 6-10)。 以上に加えて、入学前教育の状況、学力多様化度調査の結果、高校における理科科目選 択状況などから判断して、補習教育が早期に必要と思われる学生については、チューター を介して学習相談室における学習指導を受けるよう指導している。 新入生研修として、全員参加型の新入生一泊研修を学外施設において 1泊2日で行って 124 第6章 学生支援(基準6) いる。研修は学科ごとに実施し、時間割の作成要領、受講・施設利用の注意点などの説明 を行っている。この一泊研修は、学生同士や教員との親睦を深める目的ももっている。 3)在学生への支援 2012年度、新たな「学務ポータルシステム」を導入した。これまで、学生の履修登 録、試験時間割確認、教員の採点データ提出、面談報告など の諸手続きは、そのほとんど が紙ベースであった。また、これらの紙ベースのデータを処理する学務部の 旧システムも、 学務部内で閉じていたため、教員が受講者データなどをWeb上で閲覧することはできな かった。これに対して、新システムでは、全学生、全教員、全事務部署が履修関係のデー タをWeb上の統合システムで入力・出力や閲覧ができるようになった。この学務ポータ ルシステムに、学生がログインすると、履修登録、履修訂正、試験時間割確認、大学から の連絡確認、資料ダウンロードなどが、Webを介して可能となっている。教員 がログイ ンすると、受講者リストや学生の単位修得状況の確認、出欠や成績の入力、修学相談記録 の入力、各種資料のダウンロード、さらには、シラバスや教員データベースのデータ入力 や訂正が可能となっている。この学務ポータルシステムの導入により、時間的にも資源的 にも、学生の修学指導・支援の効率が上がった。なお、各学科から選出された学務システ ム担当者を通じて、学科の要望を把握し、要望に応じた機能の追加を行うなど、よりよい システムとなるよう充実に努めている。 成績不振者の修学面の不安を取り除き、以降の修学が順調に進められるよう、チュータ ーが成績不振者を対象に「修学相談」を行っている。修学相談の期間は、進級判定教授会 を開催する3月上旬から新年度の履修手続きが完了する4月下旬まで、および、教育・進 路懇談会を学内や地方会場で開催する9月上旬から10月上旬までとしている。また、こ れらの期間以外でも学生の希望があれば、チューターが随時相談に応じている。修学相談 の案内(資料6-11)は、家庭宛に送付する成績連絡表(進級・留年の表示あり)に同 封しており、留年者や成績不振者に対し、チューターと保護者との直接面談や電話による 相談を勧めている。また、1年次生については、成績不振者(基準:1年次の年間取得単 位数が30単位以下または年間GPA値が0.7以下)の保護者がチューターと直接面談す る「修学相談会」を3月中旬に学内で開催している(資料6-12)。相談の結果、苦手な 科目の授業担当者による個別の補習教育や学習相談室の利用を勧めている。これらの保護 者・学生とチューターとの修学相談の結果は、今後の指導の参考となるよう、チューター が学務ポータルシステムに入力しており、相談履歴は学科内で共有できるようにしている (資料6-13)。また、各学科における修学相談の対象者数、学科内比率、相談実施状況 等については、教育および研究に関する全学的事項を審議する第1学部運営委員会におい て定期的に報告している。第1学部運営委員会では、相談対象者数や相談実施状況につい て、前年との比較を行い、増減の原因を分析し、次年度に向けた改善の方策を検討してい る。また、実施に関するデータおよび検討内容は、各学部教授会で報告しており、全 教員 に周知し、改善に向けた協力を依頼している(資料 6-14)。 休学あるいは退学を希望する学生は、まずチューター(4年次生はゼミ指導教員)と面 談することになっている。チューターは、当該学生の希望理由を十分確認し、退学から休 学への変更や転学部・転学科、あるいは退学を再検討させることも視野に入れ ながら、学 生と面談する。また、保護者にも連絡して意思確認を徹底し、それらの面談内容および所 125 第6章 学生支援(基準6) 見を基に『チューター面談票』 (資料6-15)を作成し、教務課に提出する。教務課では、 学生から提出された『休学願』または『退学願』に『チューター面談票』および当該学生 の在学中の成績を添付し、学長、関係学部・学科長、事務局長等の許可をとっている。な お、本人の状況把握のため、在学中の授業への出席状況、大学生活に対する満足度、クラ ブ・サークル活動の参加状況、アルバイトの状況、退学後の進路などを記入した 『退学調 査票』 (資料6-16)も任意に提出してもらっている。離籍者(退学および除籍)の各学 科における人数・学科内比率・事由別状況・前年比等(資料 6-17)については、毎年 5月と10月の第1学部運営委員会で報告し、現状を把握するとともに、状況を改善する ための方策を検討している。 4)障がいのある学生への支援 本学に今まで入学してきた障がいのある学生は、障がいの程度が比較的軽度だったため、 修学支援においては特段の配慮をしてこなかった。2012年度は 、視覚障がい学生(全 盲)が1名、肢体不自由学生(車いす使用)が1名入学したため、受入実績のある大学の 見学や視覚障がい学生の出身校の教員からのアドバイスを参考に、支援体制の整備を進め た。視覚障がい学生のためには、点字プリンターや点字ディスプレイといった特殊な機器 や点訳ソフト、画面読み上げソフトなどを購入している(資料 6-18)。また、定期試験 に関しては、点字出題、試験時間の1.5倍確保、別室での受験といった特例措置を、第1 学部運営委員会の議を経て実施している(資料6-19 議題の2)。また、支援のあり方 を検討するために、教養教育センター主催で、 「視覚障がい学生への教育・支援研究会」を 継続的に実施し、全学で支援体制を検討する体制をとっている。また、車いすの学生に対 しては、本人の希望に応じ、スロープを付けるなどの措置をとっている。 一方、2011 年度から、聴覚に障がいのある学生、肢体不自由学生が入学してきたときに支援できるよ う、ノートテイクやパソコンテイクの講習会を開催している(資料 6-20)。 なお、修学支援に関する適切性の検証については、第1学部運営委員会で検討を行い、 改善案については教授会や大学協議会の議を経て実施している。 3.学生の生活支援は適切に行われているか。 安定した学生生活を送るために知っておくべき事項(福利厚生、安全、就職、課外活動、 生活情報など)は、 『Campus pus Life』 (資料6-21)に記載している。 『Cam Life』は、入学前オリエンテーションにおいて全入学生に配付している。 学生生活全般、健康診断等の健康管理、安全面の配慮、ハラスメントへの対応など、生 活支援のための方策は、第1学部運営委員会で検討を行い、改善案については教授会や大 学協議会の議を経て実施している。 学生の健康管理・健康増進のための各種活動や学生指導を目的として、健康管理センタ ーを設置している。健康管理センターでは、入学前オリエンテーションにおいて、学生相 談、救急措置、飲酒上の注意点、喫煙問題など、健康に関する全般的な説明を 行い、入学 後に健康な学生生活が送れるように指導している。また、健康相談だけでなく、対人関係、 家庭問題、精神的問題、大学生活など、さまざまな悩みの相談に も応じている。さらに、 匿名での相談ができるように相談用のメールアドレス([email protected])を設定 126 第6章 学生支援(基準6) している。このアドレスに相談内容を送信すると、健康管理センター、学生課、教務課の 担当者に届くことになっており、相談内容に応じて、関係する部署が対応 している。相談 メールは、月に1~2通届いており、学生の悩みの解決に役立っている(資料 6-22)。 健康管理センターでは、他にも、心身の健康保持のため、全学生を対象とした健康診断、 臨床心理士によるカウンセリング、医師による内科診療などを行っている(資料 6-23)。 また、健康増進のため、第25号館3階にフィットネスルームを作り、トレーニング機器 等を29台設置している(資料6-24)。このフィットネスルームの機器を安全に使用で きるよう、利用者には講習会の受講を義務づけており、万一の事故に備え、複数人での利 用を指導している。フィットネスルームに隣接して、温水シャワールーム15室 (男子用 9室、女子用6室)も設置しており、学生が自由に利用できるようにしている 。 安全面での配慮として、AED(自動体外式除細動器)を4箇所(正門インフォメーシ ョンセンター、理学部事務室、工学部事務室、総合情報 学部・生物地球学部事務室)に、 緊急シャワーを13箇所(第12号館、第13号館、第22号館、第27号館)に、担架 を3箇所(第一学舎、第十学舎、第15号館)に、車椅子を4箇所(正門インフォーショ ンセンター、第4号館、第21号館、加計記念体育館)に配置している。また、テーピン グ講習会を開催し、スポーツサークル所属学生に対して、ケガの予防、応急処置、再発防 止などの教育を行っている(資料6-25)。 セクシャル・ハラスメントあるいはアカデミック・ハラスメントなどの人権侵害を受け た場合のために、 『岡山理科大学のセクシャル・ハラスメント及びアカデミック・ハラスメ ントに対する相談・苦情の受付及び処理に関する規程』 (資料6-26)を2005年1月 に施行している。被害を受けた際は、被害を受けた当事者(本人)だけでなく、被害者の 代理人、被害を目撃した第三者からでも申し出ることができる。申し出先は、学科長、学 務部、各学部事務室、健康管理センターのどこでもよく、その方法も、直接出向く以外に、 電話、電子メール、手紙など、いずれの方法も可能とし、申し出やすい環境を作っている。 上記以外にも学生生活全般を支援するため、岡山西警察署員による交通安全講話、無灯 火・暴走自転車安全指導、普通救命講習、分煙化(受動喫煙防止)の推 進、性感染症に関 する講演などを実施している(資料6-27~6-30)。これらの施策は、必要に応じて、 学生課や健康管理センターで企画・開催している。また、初めて一人暮らしを始める新入 生の中には、洗濯機の使い方がわからない学生、仕送り金を計画的に使えない学生、時間 の管理がうまくできず寝不足や食事が不規則な学生などがおり、改善のための相談に個別 に応じている。学務部入り口の脇には、意見箱を設けており、学生のさまざまな意見を汲 み上げるようにしている。意見箱には月当たり4~5通程度の投書があり、改善の必要が ある意見にはその都度対処し、対処の状況は文書にして学生課の掲示板に掲示している。 経済的な問題を抱える学生に対して、日本学生支援機構の奨学金利用の支援を行ってい る。2012年度現在、学部生・大学院生とも利用者が半数を超えており、経済的な支援 を必要とする学生が増加していることがうかがえる(資料6-31)。 本学独自の給付奨学金制度として、学部新入生に対する「入試特待生制度」がある。こ れは、入学試験の成績上位合格者を対象に、入学金を除く学費(授業料、施設設備費、実 験実習費)の全額を免除する制度で、入学試験の成績によって、4年間学費全額免除、2 127 第6章 学生支援(基準6) 年間学費全額免除、1年間学費全額免除の3タイプがある(資料 6-32)。 在学生に対しては、前年度成績上位者から特待生を選出す る「在学生特待生制度」があ り、選ばれた学生は、授業料の半額が免除される(資料 6-33)。 授業料を納付期限までに完納する見込みが立たない学生に対しては、 『 岡山理科大学学生 納付金取扱規程』 (資料6-34)に基づき、納付期限の延期や分割納付を認めている。ま た、想定外の自然災害に被災し、授業料の納付が困難になった学生に対して授業料を減免 する『岡山理科大学自然災害による修学困難学生に対する授業料等減免措置に関する規程 』 (資料6-35)を定めており、これまで、雲仙・普賢岳噴火や東日本大震災などの被災 学生に対して、授業料の減免を行った。 他にも、 「岡山理科大学同窓会奨学金」 (貸与) (資料6-36)および「岡山理科大学若 林奨学金」(給付)(資料6-37)がある。これらは、卒業年次の学生を対象とした奨学 金であり、経済的な理由で卒業が困難となった学生の救済に機能している。 以上のように、学生支援の基本方針である、ひとりひとりの学生への対 応に重点を置き、 事細かな個別指導に心がけており、学生生活面の支援に効果を上げている。 4.学生の進路支援は適切に行われているか。 本学の進路支援は、広く学生の社会的な自立や職業的な自立を促すものとして、 「キャリ ア形成」を念頭において、その体制をとっている。進路支援の中心的な役割を果たすキャ リアセンターだけでなく、キャリアセンターとは別組織である教育開発支援機構内の教養 教育センターによるキャリア支援科目への取り組み、教職・学芸員センターによる教職希 望学生に対する支援など、学生のキャリア形成・進路支援に対して、教学組織全体で連携 をとるべく、2010年度に体制を組み直し、進路支援を行っている。 以下、進路支援に係わる具体的な取り組みについて述べる。 1)キャリア支援科目 生涯を通じての主体的な学びの意味を学び、自律的に判断・実践していくための技能や 知識、表現力を身につけるため、正課授業科目の中に、 「教養演習」、 「文章表現法 Ⅰ、Ⅱ」、 「プレゼンテーションⅠ、Ⅱ」、 「企業情報特論」、 「インターンシップ」、 「企業と人間」、 「キ ャリア形成講座」をキャリア支援科目として開講している。これらの授業では、キャリア 形成に効果が上がるよう少人数のクラスを編成している。2011年度入学生からは、キ ャリア形成を確実なものとするために、キャリア支援科目を卒業までに1科目以上修得す ることを義務付け(選択必修化)、キャリア形成が着実に行えるようにした(資料 6-38 議題の1)。 2)キャリアセンターの支援 進路を支援するために、キャリアセンターを設置し、専門的な支援体制をとっている。 独自のキャリアガイダンスの実施や就職支援冊子の編集・発行、保護者との就職進路懇談 会や企業懇談会の開催、さらに、求人情報や在学生・卒業生の就職活動情報を管理するデ ータベース「理大就職ナビ」の構築・運用などを行っている。また、メーリングシステム によるリアルタイムな情報発信や土日・休講期間における学生からの情報受信体制の整備 により、迅速な就職支援体制を整えている。データベースの情報共有は、学生とキャリア センターだけでなく、全教員や企業にも組織的に拡大し、双方の連携やリアルタイムな情 128 第6章 学生支援(基準6) 報提供により、タイムリーな、進路支援・指導を行っている。なお、これらの取り組みは、 大学教育・学生支援推進プログラム「地方理工系大学における迅速で組織的な就職支援シ ステムの構築」として助成金を得て、それまでの取り組みを一層充実させたものである。 以下、個別の内容について記載する。 ① 就職支援マガジン 各年次に応じた冊子『ME(Magazine for Employment)』(資料6-39~6-42) を作成し、各年次のキャリアガイダンスで使用している。1年次に配布するVol.1は、 大学生活のオリエンテーション、2年次生で配布するVol .2は、進路への意識づけを目 的として編集し、3年次生に配布するVol.3は、当該年次対象の第2回~第5回のキャ リアガイダンスのテキストであると同時に、就職活動のマニュアル本としての役割を もた せている。4年次生用のVol.4は、社会人としての準備をするための内定者フォローセ ミナーで使用している。 ② キャリアガイダンス キャリアセンターが提供する就職進路支援行事を表6-1に示す。 キャリアガイダンスは、各年次で行っており、特に、3年次生のガイダンスは、実際の 就職活動のスケジュールと対応させ、 「就職活動の流れ」→「自己分析」→「企業研究」→ 「エントリーシート・履歴書の書き方」→「面接対策」→「合同企業説明会」と6回開催 している。未内定の4年次生については、就職相談(随時)が中心になるが、学内で、合 同企業説明会や個人相談会を設けるなどして、支援を行っている。後期には、追加求人情 報を提供し、情報収集の指導をしている。 1年次からキャリアガイダンスを始めるのは、就業意識を早い時期から 持たせるためだ けでなく、目的をもって大学時代を過ごさせ、社会人として必要な生活習慣や知識を身に 付けさせるためでもある。 ③ 各種セミナー 3年次生を中心に、専任の講師を招いて、各種セミナーを開催している。表6-1の通 り、就職サイトの活用セミナー、人事担当者によるシンポジウム、模擬面接セミナー、ス ーツ・マナーセミナー、女子学生用のメイクアップ講座、内定者報告会などである。 ④ 合同企業説明会 毎年2月の最終火曜日に、市内のホテルを借り切って、本学の学生のみを対象とした合 同企業説明会を開催している。毎年、250社の参加がある。また、業界ごとの合同企業 説明会も学内で随時開催している。5月中旬には、4年次生を対象とした合同企業説明会 を学内で開催し、4年次生の未内定者が企業にコンタクトできる機会を意図的に増やして いる。前記の合同企業説明会は、基本的に3年次生(M1生)が対象であるが、昨今の就 職環境を鑑み、2010年度より、4年次生(M2生)の受け入れも可能な企業には、そ の旨を提示してもらい、未内定の4年次生(M2生)も参加できるようにしている。また、 留学生の受け入れについても同様に参加企業に明示してもらい、留学生への支援も積極的 に行っている。 ⑤ 各種講座および資格取得支援 進路適性検査を2年次生に有料で、3年次生に無料で実施している。2年次生は、有料 であるためか、受検者が少ないが、3年次生は、2011年度は500名、2012年度 129 第6章 表6-1 年 次 学 部 入学前 学 部 1年次 学 部 2年次 時 内 容 11月~ 入学予定者に本学の就職支援についての冊子ME Vol.0を配布 4月上旬 12月 新入生就職・進路ガイダンス(大学4年間の過ごし方) ME Vol.1 を配布 4月上旬 5月下旬 インターンシップガイダンス 第1回キャリアガイダンス(就職活動の概要、筆記試験対策) 進路適性検査 就職試験対策講座・就職模擬試験 第 2 回 キ ャ リ アガ イ ダ ン ス( 進 路 の 決 定 に向 け て 、 事例 に 基 づ く 就 職・ 就 職活動の実際) ME Vol.2 を配布 企業・公務員セミナー インターンシップガイダンス 第1回キャリアガイダンス(就職活動の流れ、就職環境、筆記試験対策) 就職模擬試験・適職適性検査 第2回キャリアガイダンス(自己分析について) ME Vol.3 を配布(以降のガイダンスでは、本冊子をテキストと して使用) 9月中旬 4月~ 4月上旬 5月~ 6月上旬 6月下旬 9月中旬 大学院 1年次 就職支援行事(キャリアガイダンス・模擬試験・セミナー等) 期 9月下旬 学 部 3年次 学生支援(基準6) 10月中旬 10月下 11月上旬 11月上旬 11月中旬 11月下旬 12月中旬 1月中旬 2月上旬~ 2月上旬 2月下旬 学 部 4年次 4月~ 大学院 2年次 4月中旬 5月中旬 7月中旬 10月中旬 第3回キャリアガイダンス(企業研究について) 就職セミナー(ネット活用) 就職シンポジウム(人事担当者) 就職模擬試験・適職適性検査、フォローガイダンス 第4回キャリアガイダンス(エントリーシート、履歴書の書き方) 模擬面接セミナー スーツ・マナーセミナー 就職シンポジウム(内定者報告会) 第5回キャリアガイダンス(面接対策) 進路調査票の提出 業界セミナー 業界セミナー 学内会社説明会(随時開催) 第6回キャリアガイダンス(合同企業説明会オリエンテーション) 本学合同企業説明会(岡山プラザホテル) 毎年、2月最終火曜日に実施 就職相談(随時) ME Vol.4 を配布 就職活動相談会 学内合同企業説明会 学生相談会 学生相談会 は410名が受験している。2012年度からは、1年次生にも実施することにし、入学 時と3年次の進路選択時での能力・適性の違いや変化を把握させるようにし ている。 就職筆記試験対策として、模擬試験を3年次生に1回実施している。2011年度 には 500名、2012年度は420名が受験している。また、筆記試験対策講座については、 年間を通して15回開講している。自己負担はテキスト代のみで、2011年度は430 名、2012年度は470名が受講している。 公務員対策講座も開講しており、2年生対象の2年間コースと3年生対象の1年間コー スがある。それぞれ、2011年度60名と50名、2012年度70名と60名が受講 している。(公務員セミナーは、3年次の9月に実施している。) 資格取得支援としては、教職・学芸員センターが教職を目指す学生 を対象に行う面接指 導、小論文対策指導、DVD講座がある。また、教員採用試験一次合格者には、模擬授業 130 第6章 学生支援(基準6) の指導を行っている。情報処理関係の資格取得支援は、教育開発支援課が行っている。 こ の資格試験は春と秋の2回あり、2011年度は27名、2012年度は25名が受験し ている。 ⑥ 進学指導 大学院進学を視野に入れている学生に対しては、3年次生対象のキャリアガイダンスで 進学指導を行っている。また、各研究科単位で4月と12月の2回、大学院進学希望者に 対する進学説明会を開催している。毎年、100名超の本学学生が参加している。 ⑦ 大学院学生の進路支援 修士課程の学生については、学部学生とは別日程でキャリアガイダンスを開催し、大学 院学生としての特徴を念頭においた支援を行っている(資料6-43)。なお、博士課程の 大学院生については、指導教員が支援を担当している。また、『大学院研究教育概要』(資 料6-44)を発行し、大学院学生の研究内容を学内学外に公開し、企業・研究所への就 職支援を行っている。 ⑧ 就職支援Webシステム キャリアセンターのホームページは、 「4年次生・M2生」、 「3年次生・M1生」、 「2年 次生」、「1年次生」、「卒業生」、「教職員」、「企業採用担当者」、「保護者」と、対象別に情 報を提供している(資料6-45)。 同ページには、「理大就職ナビ」と名付けられたサイトへのリンクがある。「理大就職ナ ビ」は、就職活動を始めた3年次生とM1生および4年次生とM2生 を主たる対象として、 「求人情報検索」、「推薦応募企業一覧」、「公務員試験情報」、「学内会社説明会」など、 本 学の学生を対象とした最新の就職関係情報を提供するWebシステムである。配付された IDとパスワードでログインし、いつでもどこでも、これらの情報にアクセスできるよう になっている。また、求人企業関係の情報以外にも、 「理大就職ナビ」からリンクされてい る学内専用ページからは、毎年、卒業時に行っている「進路に関するアンケート調査」の 結果(資料6-47)や「入社試験体験レポート」などの情報も得られる。さらに、動画 配信対応Webサーバを2009年度に導入し、本学で開催したキャリアガイダンスや各 種セミナーの録画をオンデマンドで配信し、自己フォローに役立てるようにしている。 この「理大就職ナビ」のシステムは、学生個人の就職活動ポータルサイトにもなってお り、受験状況や内定報告の登録、情報分析、後輩のための就職試験情報や受験企業情報の レポートができるようになっている。教職員は、これらの情報をいつでも参照することが できる上、教職員が行った学生や保護者との就職相談の記録も登録できるため、全学的に 学生の就職活動状況の把握が可能となっている。 ⑨ 卒業生に対する支援 卒業生に対しても在学生と同様に、求人情報を集め、2012年12月の時点で、既卒 者求人1,100件(2011年度は1,800件)を「理大就職ナビ」に掲載している。 卒業生は、卒業後も学外から、これらの情報を手に入れることができ、必要に応じて、相 談・面談が行えるようにしている。これまで、60名(2011年度は50名)の卒業生 に対して、就職相談や指導を行っている。 ⑩ 保護者との連携 全学年を対象に、毎年9月に全国8ヶ所で開催する「教育・進路懇談会」 (2011年度 131 第6章 学生支援(基準6) 600名、2012年度670名参加:資料6-48)と、3、4年次生を対象に、毎年 4月に本学で行う「就職・進路懇談会」 (2011年度340名、2012年度400名参 加:資料6-49)において、直接保護者と面談・相談を行っている。それぞれの懇談会 では、学生の就職をとりまく環境、企業の採用活動の早期化、筆記・面接など採用試験の 実際、本学の就職支援内容などを説明し、その後、個別の就職進路相談を行っている。 上記の各取り組みに対する支援体制としては、カリキュラムの中で行う正課の「キャリ ア支援科目」については、教養教育センターが中心となって、アカデミックスキルにとど まらず、発展知として「生きる力」を養う組織体制を構築している。問題点や改善点は、 第1学部運営員会などを通じて、全学的に検討する体制ができている。 一方、正課外での支援となる各種のキャリア支援は、 キャリアセンターを中心に行われ る。このキャリアセンターは、学長直轄機関である。2012年度現在の構成は、部長(職 員)1名、副部長(教員)1名、次長1名(教員)、事務職員5名、アルバイト1名の計9 名である。このうち、カウンセラーの有資格者は6名である。 近畿、中国地区の2か所には、「就職連絡事務所」を設け(資料 6-50)、各事務所に 常駐する嘱託職員1名が、連日、地域の企業を訪問し、 求人開拓や企業情報の収集を行っ ている。この2名は、学内で行われる面談会でも学生の相談に乗り、 収集した地域の情報 を基にした就職アドバイスを行っている。 各学科には就職委員を配置している。キャリアセンターは、就職委員と連絡・協力し、 学生の就職支援および学科の就職問題に対応するとともに、年5回、就職委員会(資料 6 -51)を開催し、内定率、就職率向上のための対策、キャリアセンターの活動、進路支 援行事の内容、就職関連の諸問題などを報告・審議し、学生の進路に関する支援が適切に 機能しているか検証・改善を行っている。 現在のキャリアセンターは、就職支援だけでなく、広く学生の社会的な自立や職業的な 自立を促し、 「キャリア形成」をより確実に行うため、2011 年度に「就職部」を改組し たものである。これにより、学生が描く進路を実現させるためのキャリア形成に関わる相 談業務や、さまざまな行事の企画・実施を推進する体制を作り上げている。 なお、進路支援に関する適切性の検証は、就職委員会で行い、関係する会議(学部運営 委員会、教授会、大学協議会)での審議を経て、改善案を実施している。 2 点検・評価 1.効果が上がっている事項 新入生が入学直後に学科の教員、先輩、同級生と宿泊し交流する 一泊研修では、学科の 教育方針や履修方法を聞くことができ、同じ学科の友人作りができるため、円滑な学生生 活のスタートに寄与している。 健康管理センター、学習相談室の設置により、健康面、基礎学習の支援ができている。 また、チューター制度は、各学科が学生の動向を把握することに効果が上がっている。退 学、休学、他大学の受験等の事案が発生した場合、チューターが本人や保護者 と面談し、 事情を聞いて報告書(『チューター面談票』 :資料6-15)を作成する。報告書は学科長、 132 第6章 学生支援(基準6) 学部長、学務部長、副学長、学長と回覧していくため、学科での動向、大学全体での動向 を把握することができ、問題のある場合には、対応策の発案、審議が行える。ケースによ っては、他学部・他学科への転学部・転学科制度(資料 6-52)や加計グループの関連 大学(倉敷芸術科学大学、千葉科学大学、吉備国際大学、九州保健福祉大学)への編・転 入学制度(資料6-53)を利用して、休学・退学を思いとどまらせることができており (2012年度の転学部・転学科は8名、2011年度の関連大学への編・転入 学は4名)、 学生支援に効果が上がっている。 2012年度に導入した学務ポータルシステムは、逐次機能を追加している。このシス テムにより、学生はWeb上で履修状況や単位修得状況を確認できるようになった。また、 教員も自分の授業科目の受講者をWeb上で把握でき、受講者データのダウンロードも可 能になった。履修登録、採点データ入力、定期試験実施伺い、シラバス登録など、従来、 紙ベースで行っていたものが、Web上で学生や教員が直接登録できるようになったため、 学生、教員、事務職員の3者にとって、手続きの簡略化・省力化に効果が上がっている。 進路支援においては、低年次(1、2年次)におけるキャリアガイダンスの出席率は 、 65%を超え、3年次生では45%前後の学生の参加がある(資料 6-54)。就職希望者 の大半が参加し、進路選択の情報を知ることができている。それぞれの学年に応じた冊子 『ME』は、テキストとして使われるだけでなく、読み物としても就職活動マニュアルの 機能を十分果たす充実した内容となっている。各種セミナーも好評で、スーツ・マナーセ ミナーは、320人強の参加がある。合同企業説明会では、毎年250社の参加があり、 企業側の本学学生への関心は高いといえる。この合同企業説明会の参加企業の約4割から、 毎年、内定が出ており、その内定者数は、総内定者数の約2割になることから、合同企業 説明会の効果はあると評価している。 進路支援としての保護者との連携については、教育・進路懇談会や就職・進路懇談会の 全体会で、保護者にも就職活動に関わりをもってほしい旨、啓発をしてきているので、保 護者の理解と協力が得られるようになっていると判断される。 これら就職支援システム構築への取り組みは、平成21年度「大学教育・学生支援推進 事業」学生/就職支援プログラム評価において、学士力の向上や厳しい就職環境の中で、 就職活動満足度も高水準を維持している(2012年3月卒業生で満足・大体満足が82% であった:資料6-47 4.1.4項)などの大きな成果をあげて いることに対し、独立 行政法人日本学生支援機構より、総合評定「S」を受けた(資料6-55)。 2.改善すべき事項 学生支援の基本方針は明確に定めているが、修学面、生活面、進路面に対する個別の方 針を定めるに至っていない。 健康管理センター、学習相談室、学務部の連携が有機的に機能しているとはいえない。 学生の質の変化が著しい現状を踏まえて、それぞれの部署が持つデータを総合し、より よ い施策が速やかに提案できる体制が必要である。また、効果が上がっている事項を「1 現 状の説明」の2の学修支援と3の生活支援の項で述べたが、それらの体制や活動が、学生 の状況が変化する中で、適切かどうかを専門的に検証することも今後の課題である。たと えば、チューターによる相談体制の充実をあげたが、それでも離籍率の微増が続いている。 133 第6章 学生支援(基準6) そのため、離籍理由を分析し、上昇に歯止めをかける改善が必要とされている。最近の主 な離籍率上昇の要因は、進路変更と学習意欲喪失である。進路変更の内容は、国公立大学 への編入学や専門学校への進学となっており、第1志望校への再チャレンジや資格 志向が 理由となっている。これらの理由については、学生本人の意志が堅い場合が多く、チュー ターによる指導で思いとどまらせることは困難なケースが多い。学生から見て魅力のある カリキュラムの編成が求められている。また、学習意欲の喪失による離籍を防ぐには、チ ューターと学習相談室の連携をより強化すべきである。 『岡山理科大学のセクシャル・ハラスメント及びアカデミック・ハラスメントに対する 相談・苦情の受付及び処理に関する規程』は、パワー・ハラスメントに対応できていない。 「理大就職ナビ」については、十分な情報が提供されているが、学生の十分な活用がさ れていないことが改善を要する点である。 3 将来に向けた発展方策 1.効果が上がっている事項 新入生研修を活性化する目的で、2013年度から、工学部の2学科が宿泊研修に替え て、学内で2日間連続のグループワークを行うことにした(資料6-56 議題の1)。こ れにより、学生の修学意欲やチームビルディング力の向上を 目指すことになるが、この取 り組みの効果の検証を行い、2014年度以降のグループワーク実施方針を検討 していく。 チューター制度は、長年の実績があり、継続していくが、より質の高い支援をめざし、 学生の状況把握や個別指導を密にしていく。 学務ポータルシステムに関しては、今後、講義室の予約、休講・補講の手続き、学生情 報の照会なども可能になるため、授業の円滑な運用や学生指導に効果を上げることが 期待 できる。さらに、授業の出欠状況を登録する機能の利用を促進することにより、チュータ ーがいち早く学生の出欠状況を把握し、欠席の多い学生やその保護者に早急に連絡をとる ことで、欠席が原因で単位が取れない留年者の救済に期待がもてる。 進路支援の各種プログラムおよび就職支援システムについては、一定の評価・効果があ り、将来に向けて発展的に継続していく方針である。また、 進路に関するアンケート調査 についても継続し、検証のデータとして活用・改善していく。 2.改善すべき事項 学生支援の基本方針に基づき、修学面、生活面、進路面の支援に対する個別の方針を早 急に定め、これまでに実施した各支援策やその検証体制との整合性を検証して改善する。 学務ポータルシステムの機能拡張を行い、学生支援関係部署の連携をしやすくしたり、 学生も自分自身で学修状況を確認し、卒業と卒業後の進路の目標を自主的に探せるポート フォリオの導入を検討したりすることが次の課題である。また、同システムと連動して、 入学前後の学習状況や在学中の修学状況の把握体制を強化することで、関係部署による緊 密な連携体制を整えていくことにする。さらに、 「入学前教育」や「学力多様化度調査」で 学力不足が指摘された学生に対し、より厳格に入門科目の履修指導を行うことにする(資 料6-57、資料6-58 議題の2)。また、主として修学相談対象者に、学習相談室や 134 第6章 学生支援(基準6) 教員のオフィスアワーをより有効活用するよう指導・周知していく(資料 6-56 の2、資料6-59 報告 報告の2)。 『岡山理科大学のセクシャル・ハラスメント及びアカデミック・ ハラスメントに対する 相談・苦情の受付及び処理に関する規程』がパワー・ハラスメントを含めたハラスメント 全般に対応できるよう規程の改定を行う。 「理大就職ナビ」については、より積極的な活用を促すために、学生への情報提供の仕 方にも工夫が必要である。求人情報や求人企業(資料6-60)に付帯情報をつけるなど して、改善を図る。また、キャリアセンターのWebからの情報だけでなく、学務ポータ ルシステムの学務情報(履修・成績)、学生情報(生活・健康)などの学生情報も、全学的 に共有し、学生指導を行っていくことが望ましいと考えている。ただし、学内・学外から のアクセスにおけるセキュリティの問題や、学生情報のプライバシーの問題などがあるの で、技術的な問題も回避しながら、システムの見直しと改良を行っていく。 4 根拠資料 6-1 6-2 6-3 6-4 6-5 6-6 6-7 6-8 6-9 6-10 6-11 6-12 6-13 6-14 6-15 6-16 6-17 6-18 6-19 6-20 6-21 6-22 6-23 6-24 6-25 6-26 6-27 6-28 6-29 6-30 岡山理科大学第1学部運営委員会規程 平成24年度チューター表 岡山理科大学指導教員(チューター)規程 チューターの手引き 2012年度入学前教育のご案内(既出 資料4-22) 第3回入学前教育検討委員会ワーキンググループ検討会議議事録 平成24年度新入生オリエンテーション日程 数学学力多様化度調査集計結果 (2012年度) 2012英語・講義群別人数分布 入門科目の履修指導について 保護者宛修学相談案内状 修学相談会案内状 修学相談登録画面 修学相談対象者人数表 (2011年度) チューター面談票 退学調査票 離籍状況表(2012年10月) 障がい学生対応用購入リスト 第100回第1学部運営委員会議事録 (既出 資料1-49) ノートテイク・パソコンテイク講習会の案内 Campus Life 2012(既出 資料1-26) 岡山理科大学健康管理センター規程 健康管理センター業務内 容(大学ホームページ) (http://www.ous.ac.jp/FACIL/kenkan/about.html) トレーニング機器一覧 テーピング講習会資料 岡山理科大学のセクシャル・ハラスメント及びアカデミック・ハラスメントに対す る相談・苦情の受付及び処理に関する規程 無灯火・暴走自転車安全指導実施要項 普通救命講習会の開催案内 分煙化(受動喫煙防止)推進資料 性感染症に関する講演案内 135 第6章 6-31 6-32 6-33 6-34 6-35 6-36 6-37 6-38 6-39 6-40 6-41 6-42 6-43 6-44 6-45 6-46 6-47 6-48 6-49 6-50 6-51 6-52 6-53 6-54 6-55 6-56 6-57 6-58 6-59 6-60 学生支援(基準6) 平成24年度日本学生支援機構奨学金受給者数一覧 岡山理科大学入試特待生規程 岡山理科大学特待生規程 (既出 資料4-78 ) 岡山理科大学学生納付金取扱規程 岡山理科大学自然災害による修学困難学生に対する授業料等減免措置に関する規程 岡山理科大学同窓会奨学金規程 岡山理科大学若林奨学金規程 第76回第1学部運営委員会議事録 就職支援冊子(ME Vol.1) 就職支援冊子(ME Vol.2) 就職支援冊子(ME Vol.3) 就職支援冊子(ME Vol.4) 就職状況・大学院進学 岡山理科大学大学院研究教育概要 2012(既出 資料1-18) キャリアセンターホームページ (http://www.job.office.ous.ac.jp/index.html) 理大就職ナビ (https://www.uni-career.jp/student/app/web.php?XCID=LGIN_M0010&id= aa5c1ad559ed39be99cf9baeea8dde32) 進路に関するアンケート調査結果(201 2年3月卒業・修了生) 教育・進路懇談会のしおり (平成24年度) 就職・進路懇談会参加人数 (平成24年度) 学校法人加計学園就職連絡事務所 設置運営規程 岡山理科大学就職委員会規程 転学部・転学科に関する申し合わせ 加計グループ内編転入学規程 キャリアガイダンス参加人数 (平成23年度) 平成21年度「大学教育・学生支援推進事業」学生支援推進プログラム及び就職支 援推進プログラム評価結果 第103回第1学部運営委員会議事録 (既出 資料1-37) 第2回入学前教育検討委員会ワーキンググループ検討会議議事録 2010年度第3回入試委員会議事録 第98回第1学部運営委員会議事録 求人企業月別推移一覧表 136