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抗体反応原理

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抗体反応原理
抗体反応原理
抗体反応原理
ブロッティング後のメンブレンには標的タンパク質やその他のタンパク質が結合しています
図 1 。スキムミルクなどのブロッキング剤でマスキングして、続いて反応させる抗体がメン
ブレンやタンパク質に非特異に結合するのを防ぎます。この操作をブロッキングと言います
。次に目的タンパク質に対する一次抗体を、続いて
(ブロッキング剤詳細は 81 ページ参照)
一次抗体に特異的な標識二次抗体を反応させます。一次抗体は次項で、二次抗体の標識方法
については次ページでご紹介します。ブロッキング、一次抗体・二次抗体の反応工程を総称
して抗体反応と呼びます。
標識
標識二次抗体
一次抗体
その他の
タンパク質
ブロッキング剤
目的
タンパク質
基礎編
1
電気泳動
2
3
抗体反応
4
検出
二次抗体の標識方法
HRP で標識する化学発光が一般的です。そのほかにも蛍光物質で標識する蛍光標識、DAB な
どの発色物質で検出する発色法、放射性同位体で標識する RI 標識などがあります。
一次抗体
すべての抗体分子は 1 種類のエピトープ(抗体が認識する領域)を認識します。一般に、ハ
イブリドーマ細胞が産生する均一な抗体をモノクローナル抗体(MAb) 図 2-1 と呼びます。
一方、ポリクローナル抗体はウサギやヒツジを抗原で免疫して得られ、さまざまなエピトー
プを認識する抗体の混合物です 図 2-2 。免疫した抗原に対する抗体を特異抗体と呼び、特異
抗体の割合は抗血清中の全抗体の約 10 ∼ 20 % といわれています。モノクローナル抗体は抗
原特異性が高いため特定のタンパク質をターゲットにする実験や定量的な実験に使用され、
ポリクローナル抗体は定性的な実験で用いられます。抗体には、一次構造を認識するものと
立体構造を認識するものがあります。立体構造を認識するモノクローナル抗体の場合、変性
剤(尿素や塩酸グアニジンなど)や還元剤(DTT や 2- メルカプトエタノールなど)の存在下
で立体構造が変化した抗原は、認識されなくなります。一方、ポリクローナル抗体は多数の
抗体の集合なので、その中には立体構造を失った抗原を認識できる抗体も存在します。動物
に免疫した抗原やクローニングに使用した抗原が変性していた場合、生成した抗体は変性タ
ンパク質しか認識せず、天然型(高次構造をとった状態)のタンパク質には反応しないこと
もあります。
一次抗体が貴重な場合、実験で使用する容器を小さくすることや、メンブレンを振盪させな
い方法*で、液量を少なくできます。ミニゲル対応のメンブレンなら 10 ml 以下で行うこと
もできます。
*溶液がもれない程度に適当に折り曲げたパラフィルムに抗体溶液を垂らしてそこにメンブレンをのせて静置させます。
ただし、少液量で反応させると、ムラが出やすいのでご注意ください。
基礎編
■ 蛍光標識
二次抗体を蛍光物質で標識する方法です。定量性が高く、バンドもシャープになります。光
を増幅できないので、抗体量が多めに必要になるほか蛍光を検出するためのイメージャーが
必要となります。ECL Plex はこの標識方法を用いています。
■ RI 標識
二次抗体を RI で標識する方法です。X 線フィルムに感光して標的タンパク質のバンドを検出
します。放射性同位体を扱うための特別な施設が必要になります。
■ビオチン標識
ビオチン標識した二次抗体と、HRP 等で標識したストレプトアビジンを用いて反応を行いま
す。ビオチンとストレプトアビジンが強く結合することを利用した反応系です。二次抗体に
複数のビオチン標識をすることでシグナルが増幅され、感度が上がります。
抗体反応
4
検出
表 1 二次抗体の標識・検出法まとめ
二次抗体の標識
検出法
発色
検出試薬
メンブレン上の発色 DAB
BCIP/NBT など
酵素標識
(HRP、AP など)
RI 標識
2. ポリクローナル抗体
2
ブロッティング
以上、それぞれの標識方法の検出方法、特徴などを 表 1 にまとめました。最もよく使用され
ている化学発光および蛍光検出の使い分けについては前付 1、2 をご参照ください。
蛍光標識
(Cy3、5 など)
抗原の特定の部位の抗原性に対する
抗体の混合物
1
電気泳動
3
化学発光 X 線フィルム
CCD イメージャー
ECL
ECL Plus
ECL Advance
化学蛍光 蛍光イメージャー
ECF
(CCD イメージャー) ECL Plus
1. モノクローナル抗体
MEMO
■酵素標識
ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)やアルカリフォスファターゼ(AP)などの酵
素で標識する方法です。発色や化学発光、化学蛍光による検出が行えます。
ECL、ECL Plus、ECL Advance は抗体に標識されている HRP 酵素により基質が酸化され、そ
の際に発光する光を X 線フィルムや CCD イメージャーなどで検出する化学発光検出を用いて
います。
発色法は抗体に標識されている酵素により基質が酸化され、その際の発色を検出する方法で
す。メンブレン上に着色されたバンドが目視で確認できます。発色法には一般的に DAB が用
いられますが、感度は化学発光よりも低くなります。DAB には毒性があるため、取り扱いに
は注意が必要です。また、メンブレンに色がつくため、メンブレンを再利用して再度別の抗
体で反応する際(抗体除去・リプロービング)に不便です。
メンブレン
図 1 ウェスタンブロッティングの検出方法
ブロッティング
MEMO
標識ストレプトアビジン
・酵素
・蛍光物質
・RI
ビオチン標識
蛍光
蛍光イメージャー
β線
X 線フィルム
RI イメージャー
ECL Plex
ー
感度
安全性
簡便
コスト
低
⃝
⃝
⃝
中-高
◎
⃝
⃝
中-高
◎
⃝
⃝
中-高
◎
◎
⃝
高
△
△
△
ビオチン 検出法、基質、感度、安全性、簡便、コストなどは上記(ストレプトアビジンの
標識方法)に準じます。
標識ストレプトアビジンを用いて検出。
検出法、検出試薬、感度、安定性、簡便、コストなどはストレプトアビジンの標識方法によっ
て上記に準じます。
抗原表面の任意の部位の抗原性に対する
抗体の混合物
図 2 モノクローナル抗体とポリクローナル抗体の特徴
77
78
本マニュアルはウェスタンブロッティング攻略ガイドの抜粋です。
プロトコール本文中の参照ページは印刷版の攻略ガイドをご参照ください。
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