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Plasmodium malariae
2012/12/21 診断、治療 原虫の証明 他の感染症との合併注意 パートナーの治療 イソスポーラ Isospora belli 慢性的な下痢 25 2012/12/21 診断、治療 浮遊法でオーシスト検出 ST合剤? 26 2012/12/21 クリプトスポリジウム Cryptosporidium hominis HIV患者では重症化して死亡することあり。 27 2012/12/21 診断、治療 浮遊法でオーシスト検出 AIDS患者ではニタゾキサニド、パロモマイシン、アジスロマイシン 28 2012/12/21 サイクロスポーラ Cyclospora cayetenensis 慢性的な下痢 29 2012/12/21 診断、治療 浮遊法にてオーシスト検出 ST合剤 30 2012/12/21 31 2012/12/21 トキソプラズマ Toxoplasma gondii 急性感染症 先天性トキソプラズマ症 網脈絡膜炎 水頭症 脳内石灰化 精神運動障害 後天性トキソプラズマ症 トキソプラズマ脳炎(AIDS) 32 2012/12/21 診断、治療 虫体検出 色素テスト ELISA等 ST合剤、アセチルスピラマイシン、マクロライド等 ヒトマラリア 住血胞子虫類プラスモジウム科プラスモジウム属のうち4種に よって引き起こされる感染症。感染症新法では新四類感染症に 分類。 世界ではWHOの推計で3億人が感染し年間300万人が死亡して いる。特に熱帯サハラ以南のアフリカで猛威を振るっている。 33 2012/12/21 Mal=悪い Aria=空気 よどんだ空気で起こる病気と考えられていた。 イタリアの三日熱マラリアは沼地の近くで発生。 よい空気は BuenosAires 子供の脾臓を触診する医者 マラリア患者と思われる人を診察するヒポクラテス 34 2012/12/21 発熱発作を示す絵 ロンドン 1792年 フランス陸軍軍医ラベランが1880年にアルジェリアで死亡した兵士 から見つけ出したマラリア原虫のスケッチ。 35 2012/12/21 ロナルド ロス英国陸軍軍医少佐 はインドでマラリアが蚊によって伝播 することを発見(1897年8月20日)。 後に鳥マラリアで証明。 一方イタリアのグラッシはより科学的 方法でマラリアが人に蚊によって伝播 することを証明。 1902年ノーベル賞はロスに 与えられた。 中央ロナルド ロス、 左端スティーブンス マラリアの分布 マラリアの分布は媒介蚊であるアノフェレス属の分布に一致。 マラリアリスクのある国あるいは地域であっても条件により伝播 のリスクは異なる。 36 2012/12/21 マラリアの症状と徴候 1 2 3 4 5 6 発熱 貧血 黄疸 感冒様症状 下痢 意識障害など 第一次大戦での北アフリカ におけるマラリア感染兵士 王立空軍熱帯病病理研究所 マラリアの種類 Plasmodium falciparum 熱帯熱 悪性三日熱、 Plasmodium vivax 三日熱 48時間周期に発熱 Plasmodium malariae 四日熱 72時間周期に発熱 Plasmodium ovale 卵形 48時間周期に発熱 37 2012/12/21 マラリアのサイクル マラリアの流行度 マラリアの流行度 流行度 Hypoendemic 脾腫率 10%> %> 寄生率 10%> %> 11<< <<50 << 11<< <<50 << 意味 流行少ない 流行少 ない 一般的 地誌的影響大 Hyperendemic 50< < 50< < 季節性変動 成人で < 免疫は 成人で25< 免疫は不完全 Holoendemic 75< < 75< < 常に流行し 流行し 成人で -11ヶ ヶ月 免疫は 成人で低い 0- 免疫は小児を 小児を 除き高い Mesoendemic 2- -9歳 歳の小児における 小児における割合 における割合 38 2012/12/21 マラリア流行 マラリア流行の 流行の因子 一人 一人のマラリア 一人のマラリア患者 のマラリア患者が 患者が一定期間のうちに 一定期間のうちに媒介蚊 のうちに媒介蚊に 媒介蚊に よってどれぐらい吸血 よってどれぐらい吸血され 吸血され、 され、その蚊 その蚊の中でどれぐら い早く効率よくマラリアが 効率よくマラリアが発育 よくマラリアが発育し 発育し、その蚊 その蚊が再度人 を刺す確率などを 確率などを基 などを基に算出する 算出する。 する。 ヒトの ヒトの因子 ヒトの因子: 因子:寄生率 環境 環境: 環境:高度、 高度、気温、 気温、湿度、 湿度、雨量、 雨量、植生など 植生など 蚊 蚊:嗜好性( 嗜好性(ヒトのみか動物 ヒトのみか動物も 動物も刺すのか) すのか)習性 Endophilic Exophilic Endophagic Endophilic 産卵場所など 産卵場所など。 など。 社会的因子 社会的因子: 人口密度、人口移動、 人口移動、インフラ整備 インフラ整備 社会的因子:人口密度、 農業など 農業など人工 など人工の 人工の生活因子、 生活因子、戦争など 戦争など。 など。教育レベル 教育レベル や個人的防御なども 個人的防御なども含 なども含まれる。 まれる。 熱帯熱マラリア 分布: 広く熱帯地方に分布 特にアフリカ 感染:幼弱赤血球から古い赤血球すべてに感 染 潜伏期:9-14日 薬剤耐性:クロロキン耐性が蔓延している 再燃(Recrudescence)あり 予後:非免疫患者の場合感染後数日で死亡す ることもあり、注意が必要 コントロール方法は他のマラリアとほぼ同じ 39 2012/12/21 熱帯熱マラリアの病態は 感染赤血球にKnobと呼ばれ る突起物が生じそれが血管 内皮細胞に付着することに よっておこる。(Sequestration) このKnobは感染赤血球内の マラリア原虫が成熟する につれ出現する。 よって感染赤血球のうち未熟 なマラリアすなわち輪状体のみ が末梢血に出現する。 成熟したマラリア感染赤血球 が末梢に出現するのは重症 か脾摘出患者。 マラリア感染 赤血球の変形と付着 Sequestration 肝脾腫 溶血 貧血 循環障害 低酸素、代謝異常 細胞障害 過剰な免疫応答 様々な症状 RIP 40 2012/12/21 熱帯熱 マラリアの合併症 1 2 3 4 5 6 7 貧血 低血糖 肺水腫 腎不全 DIC様症状 ショック 脳症 熱帯熱マラリア Plasmodium falciparum ring form輪状体 比較的小型の原虫で一つの赤血球に複数感染が 見られたり、ヘッドフォーンのようにクロマチン顆粒が 2つあるものもある赤血球は腫大しない。 41 2012/12/21 熱帯熱マラリア Plasmodium falciparum Trophozoite 栄養体 モーラー(Maurer)斑点が見られることがある。 熱帯熱マラリア Plasmodium falciparum Schizont 分裂体 一般的に毛細血管に付着するため末梢血には 現れないが重症の場合や脾臓摘出後の患者では 出現する。メロゾイトの数は8-24個。 42 2012/12/21 熱帯熱マラリア Plasmodium falciparum Gametocyte 生殖母 体 バナナの形をしている。オスはピンクで メスは青である。感染回復期に見られることが多い。 蚊によって吸血され新たな感染源となる。免疫を もったヒトでは無症状でも観察されることがある。 三日熱マラリア Plasmodium vivax 分布: 広く熱帯地方に分布 温帯にも存在 感染:幼弱赤血球、網状赤血球に感染 潜伏期:12-17日一部ロシア、中国では2年 薬剤耐性:クロロキン耐性が一部に見られる 再発(Relapse)あり Hypnozoiteの存在 予後:良好 合併症:脾臓破裂 タイービルマ戦争 43 2012/12/21 世界における三日熱マラリア Mendisら2001を改変 地域 三日熱:熱帯熱その他 南・東アジア・太平洋 1:1 東地中海 1:3 中米・カリブ 5:1 南米 2:1 中央アジア・コーカサス 三日熱のみ アフリカ ほとんどが三日熱以外 アフリカを除く全世界の合計 6:5 輸入マラリア 2:1 44 2012/12/21 Plasmodium vivax 、ring form 輪状 体 感染赤血球は腫大。リングは熱帯熱に比べやや大きい。 シュフナー(Schueffner)斑点が見られる(やや成熟すると)。 Plasmodium vivax (Amoeboid) Trophozoite栄養体 アメーバ状となりシュフナー斑点 がはっきりする。 45 2012/12/21 Plasmodium vivax Schizont 分裂体 メロゾイト数は12-24個 Plasmodium vivax Gametocyte生殖母体 46 2012/12/21 三日熱マラリアの発熱パターン 四日熱マラリア Plasmodium malariae 分布: 主にアフリカに分布 感染:成熟赤血球に感染 潜伏期:18-40日 薬剤耐性:耐性なし 再燃( Recrudescence )あり Hypnozoiteな し 予後:良好 合併症:小児の糸球体腎炎(予後不良) 47 2012/12/21 四日熱マラリア Plasmodium malariae ring form 輪状体 成熟赤血球に感染。感染赤血球の腫大はない。 Plasmodium malariae Trophozoite 栄養体 バンドフォームが見られたら容易に診断がつく。 48 2012/12/21 Plasmodium malariae Schizont 分裂体 メロゾイトはやや少なく6-12個。 Plasmodium malariae Gametocyte 生殖母体 49 2012/12/21 卵形マラリア Plasmodium ovale 分布: 主にアフリカに分布、ミャンマーなど 感染:幼弱赤血球に感染 潜伏期:16-18日 薬剤耐性:耐性なし 再発( Relapse)あり Hypnozoiteあり 予後:良好 合併症:脾臓破裂は三日熱に比べ少ない 三日熱に準ずるが4種のなかでもっとも弱い 卵形マラリア Plasmodium ovale ring form 輪状体 感染赤血球の腫大はあるものもあるが 三日熱ほど顕著ではない。すべてではないが 卵形をするものが多い。シュフナー斑点(James斑点ともいう)が 見られるが三日熱より弱い。 50 2012/12/21 Plasmodium ovaleTrophozoite 栄養 体 卵型の栄養体は三日熱に似ている。 ここには生殖母体も見られている。 卵形マラリア Plasmodium ovaleSchizont 分裂体 卵形のメロゾイトは8-12個で三日熱より少ない 事が多い。 51 2012/12/21 Plasmodium ovale Gametocyte 生殖母体 形態のまとめ1 どこに注意するか 小型の輪状体のみが多数見られ感染 赤血球の拡大なく複数感染、ウォーク マン型があれば熱帯熱。バナナ状の 生殖母体で決まり。 多くのステージが見られ、(三、四、卵) 感染赤血球が腫大あり、(三)なし(四、 卵)、バンドフォームで四。卵の形、辺 縁がシャギーで卵形。シェフナーは三、 卵。 混合感染注意 52 2012/12/21 形態のまとめ 2 ステージ 輪状体のみ あるいはバナナ 補助:原虫サイズや数 様々 バンドフォーム 感染赤血球サイズ大 シュフナーあり 四日熱 熱帯熱 三日熱あるいは卵形 アメーバ様 卵の形 分裂体内 分裂体内メロゾイト メロゾイト12-24 8-12 混合感染に注意 卵形(感染赤血球の 腫大は三日熱ほどではない) マラリアの診断 方法 1 2 3 4 5 臨床診断:いわゆるClinical Malaria 染色法:ギムザ、フィールド染色など 抗体検出法:IFAT,ELISAなど 抗原検出法:ディップスティック PCR 53 2012/12/21 直接診断 ギムザ染色 バッファーのpHに注意(7.2-7. 4) フィールド染色 迅速 A液3秒 水洗5秒 B 液1秒 アクリジンオレンジ蛍光染色 スクリーニング ギムザ染色 血液を一滴たらしスライドグラス の角でまぜる。(固定しない) 血液を一滴たらし スライドグラスで 引く。 乾燥させ、メタノール にて固定。 pH7.2-7.4の燐酸バッファー で希釈したギムザ液 (2-10%)で染色。 洗浄後観察。 54