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国際協力の現状と課題B
国際協力の現状と課題B 国際協力研究科 国際協力の現状と課題B 1 国際協力の現状と課題B • 講義概要 – 授業のテーマと目標 • 本講義では開発途上国への国際協力について学習し、 その現状と課題について基礎的な知識を習得します。 • 「国際協力とはどのような意義・効果を持つ活動である のか」を、社会科学の観点から考えます。 • 国際協力に関する諸事情を、メディア等での報道内容 にとどまらず、より理論的・分析的に考察します。 – 本講義での視点 • 経済学、政治学、法学 etc. 国際協力の現状と課題B 2 国際協力の現状と課題B • 授業計画 – 4名の講師による各2回の連講形式で行います。 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 国際経済協力の現状 国際経済協力の課題 発展と格差 格差と協力 ODAの政治学 緊急援助の政治学 国際協力に関する国際法 国際協力法の課題 国際協力の現状と課題B (川畑康治) (川畑康治) (陳 光輝) (陳 光輝) (松並 潤) (松並 潤) (岡田陽平) (岡田陽平) 3 国際協力の現状と課題B • 成績評価と基準 – 成績評価 • 4名の講師がそれぞれ2回目の講義の最後に小テスト (25点満点)を行い、その合計点(100点満点)により成 績評価(小テスト日程は変更の可能性有)。 – 成績基準 • 小テストは、各講師の講義内容のうち最も重要なポイ ントから出題します。 • 試験時間、持ち込み可否等は各講師ごとに異なります。 国際協力の現状と課題B 4 6/16 & 23の講義内容 • 国際経済協力の現状(6/16) – 世界の現状 – ミレニアム開発目標 • 成果と課題 • 国際経済協力の課題(6/23) – 持続可能開発目標 – アジアとアフリカ 国際協力の現状と課題B 5 国際協力の現状と課題B 6 世界の現状 • 現在、地球上に暮らす人 73.5億人 – 豊かな人:欧米諸国、日本など 12.5億人(17%) – 貧しい人:アフリカ、アジア地域など • • • • • • 毎年600万人の5歳未満の子供が死亡 栄養失調の人 安全な水を飲めない人 衛生設備のない人 極度の貧困($1.25/日未満) 中程度の貧困($2/日未満) 8.0億人 (11%) 6.6億人 ( 9%) 23.5億人 (32%) 8.4億人 (12%) 22.0億人 (30%) • 人類の3人に1人は貧困に直面 – 国際経済協力の重要性 国際協力の現状と課題B 7 ミレニアム開発目標MDGs • ミレニアム開発目標とは? – 2000年、世界189ヵ国が合意した「国連ミレニアム 宣言」をベースに、国連、各国政府、国際機関が 掲げる共通の目標。 – 開発途上国の貧困問題解決のために、2015年を 期限として8目標、21ターゲット、60指標を決定。 2000年9月、国連ミレニ アムサミットに出席した 各国首脳(当時) 国際協力の現状と課題B 8 ミレニアム開発目標MDGs 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 極度の貧困と飢餓の撲滅 初等教育の完全普及の達成 教育と女性 男女平等推進と女性の地位向上 乳幼児死亡率の削減 健康 妊産婦の健康の改善 エイズ、マラリア等、疾病の蔓延の防止 環境・衛生 環境の持続可能性確保 8. 開発のためのグローバルパートナーシップの推進 国際協力の現状と課題B 9 MDG1:極度の貧困と飢餓の撲滅 • 貧困率&貧困者数が半減 – 1990年には、開発途上国人口の約半数が1日 1.25ドル以下で生活。2015年には14%に減少。 • 10億人以上が極度の貧困状態から脱出 • 開発途上地域における栄養不良の人々の割合は、 23.3%(1991年)から12.9%(2015年)ほぼ半減 極度の貧困の中で暮らす人々の世界的な数 国際協力の現状と課題B 10 MDG2:初等教育の完全普及の達成 • 2000年以降、初等教育就学率が著しく向上 – 開発途上地域の小学校純就学率は、2000年の 83%から2015年の91%に上昇 • 初等教育を受けられない児童は、2000年の1億人から ほぼ半減 国際協力の現状と課題B 11 MDG3:男女平等推進と女性の地位向上 • 開発途上地域で男女格差の解消 – 各地域の全教育レベルで格差はほぼ解消 • 南アジアの小学校では、男女比100:74(1990年)から 100:103(2015年)に改善 – 174カ国で90%の女性が政治参加 南アジアと開発途上地域の男女比率 国際協力の現状と課題B 12 MDG4:乳幼児死亡率の削減 • 疾病による幼児死亡数の著しい低下 – 5歳未満の幼児死亡率は、1,000人あたり90人 (1990年)から43人(2015年)と、半分以下に減少 • 特に「はしか」の予防接種は、2000年から2013年の間 に1,560万人の死亡を回避 5歳未満乳幼児の世界的な死亡数 国際協力の現状と課題B 13 MDG5:妊産婦の健康状態の改善 • 妊産婦の健康状態に一定の改善傾向 – 妊産婦の死亡率は45%減少 – 医療従事者の立会いの下に行われた出産は、 59%(1990年)から71%(2014年)に上昇 世界の妊産婦死亡率(出産10万対) 国際協力の現状と課題B 14 MDG6:エイズ等、疾病蔓延の防止 • マラリアと結核の蔓延阻止 – マラリアによる死亡率は世界全体で42%低下 • 9億以上の殺虫剤処理済み蚊帳を配布(2004-14年) – 結核予防、診断、治療により3700万人を救命 • HIV感染者が世界的に減少 – 感染者数は350万人(2000年)→210万人(2013年) • 新規感染者数40%低下 • 抗HIV療法を1400万人が 受療し、これまで760万人 を救命 国際協力の現状と課題B 15 MDG7:環境の持続可能性の確保 • 安全な飲み水とオゾン層保護の目標を達成 – 2015年には世界人口の91%が改良された飲料 水源を使用(1990年には76%) – オゾン層破壊物質消費は98%減少 • オゾン層は今世紀半ばまでに回復の見込 国際協力の現状と課題B 16 MDG8:グローバル・パートナーシップの構築 • 情報通信分野の進歩 – インターネット、携帯電話の爆発的普及 – ODAは2000年から2014年の間に実質66%増加し、 1,352億ドルに到達 – 途上国から先進国への輸出増加 国際協力の現状と課題B 17