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2010年度(玉川大学生による研修レポ-ト①

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2010年度(玉川大学生による研修レポ-ト①
リピーター獲得へ
~新しい観光の提案~
玉川大学 経営学部 観光経営学科
2年
松本真里奈
2010年8月17日から30日までの2週間、日航財団のインターンシップ研修に参
加した。研修内容である「観光調査」では、日航財団の研修生である沈さんが中国留学生
ということもあり、日本を訪れる中国人観光客にもうける東京近郊の魅力の再発見という
内容であった。
2010年5月10日、日本政府は中国本土からの旅行客に対する個人観光ビザの発給
要件を7月から大幅に緩和すると発表した。
中国人観光客のビザ規定は従来は団体旅行のみとされていたが、2009年7月に個人
向けビザが解禁された。ここで、中国人観光客が増加すると予想されていたが、発給対象
が年収25万元(約350万円)以上の富裕層に限られていたため、予想より申請者数が
伸びなかった。そこで、7月の改正では、大手クレジットカード発行のゴールドカード所
有者を対象に含め、年収3万~5万元(約42~70万円)の中間層もターゲットの中に
入れられた。
また、中国大手ポータルサイト・捜狐(SOHU)が行った「日本の観光ビザ規定緩和は魅
力的ですか?」というアンケート(2010年5月11日午後時点で1501票の回答を
得た)での、「日本に旅行に行きたいですか?」という質問では、
「とても」-711票(47.4%)
「まあまあ」-420票(28.0%)
「いいえ」-369票(24.6%)
という結果になり、「とても日本に行ってみたい」と思っている中国人が5割近くを占め、
中国人の日本への関心が高いことが分かった。
そして、これまでの中国人観光客は45万人であったが、2009年の改正により10
1万人に、そして今回の改正によって140万人に増加すると予想されている。
このようなこともあり、今後増加する中国人観光客にどのようにしたら「日本の良さを
より知ってもらえるか」に焦点を置き、以下の観光調査を実施した。
________________________________________________________________________________
●目的●
・渋谷、浅草、新宿など shopping 以外の観光スポットを発見するため。
・景色で楽しめる場所や実際に何か体験できる場所を東京という近場にも広めたい。
⇒観光調査Bを通して何か新しい観光を提案できないか
●目的地●
・ひまわり畑
・足湯
●なぜ?ひまわり畑●
中国人観光客がよく訪れる場所に北海道のラベンダー畑があげられる。
沈さんによると、中国人も「花」に季節を感じたりするが、日本人のように繊細に「花」
を感じないようである。
しかし、ランベンダー畑のような大きい花畑にはとても興味を持つようである。また、そ
のような花畑は中国には少ない。
そこで、日本の夏の花の代名詞である「ひまわり」はどうだろう?
沈さんに話を聞くと、ひまわり1本見ただけで感動したとのこと。
では、一面に咲き誇るひまわり畑を中国の人が見たらどう感じるのだろうか?
感動してもらえるのではないか?
●なぜ?足湯●
外国人が日本で訪れてみたいところに「温泉」があげられる。
最近では、外国人のお風呂場でのマナーの悪さが目立ってきているようだ。
そのことで、外国人とは一緒に入りたくないと思う日本人が増えたり、また、外国人お断
りなどとしている温泉までもがでてきて問題になっている。
しかしそれは、入り方知らないのである。
そんな中、多くの人と一緒にお風呂に入る習慣のない外国人が、温泉を最初から体験す
るのは少し勇気がいるものなのではないだろうか?
そこで、足だけで入れる温泉、つまり「足湯」を体験してもらったらどうだろう。
足湯ならば難しいマナーもなく体験できるので、良い観光物になりえるのではないか?
●リピーター●
日本へのビザが緩和されたばかりの中国では、日本への入国はほとんどの人々が初めて
である。1回で回るところは限られていて、やはり初回は、有名な東京の渋谷、浅草など
で、shopping を楽しむであろう。
また、最近のニュースによると、すでに日本に訪れた中国観光客でまた日本を訪れるケ
ースが少ないという結果がでている。これから、日本の景気回復のために観光に力を入れ
ようとしている日本では、もっと日本の魅力を「伝える」また、
「伝えやすくする」のが重
要なのではないか。
そこで、短い滞在時間の中、1回ではなかなか訪れにくい shopping 以外の場所、景色な
どの「観賞」や温泉などの「くつろぎ」といったような、体験しなければわからないこと
を体験したいと思ってもらえる環境をつくることが必要である。
そこで、リピーターを増やすために、最も観光客の訪れる東京にそのように思わせる仕
掛けを作ったらいいのではないか?という視点から、少し離れた場所にしかない温泉地に
行ってもらえるように手軽に利用できる「足湯」を近くにつくることで、次回日本に来た
時は、今度は「温泉」などを楽しみたい。と思ってもらえるのではないか。
更に、その足湯で温泉を入り方などを教えることができれば、温泉入浴の際の外国人の
マナーの悪さが目立つといったような声が少なくなるのではないか。
また、今回は夏の景色である「ひまわり畑」だが、日本には、桜だけではない、アジサ
イ、梅、つつじといったように、季節ごとに必ず花が咲き、また、一面にそれが広がって
いるスポットが沢山ある。夏に来た観光客が、「今度は冬の景色が見たい」といったように
日本人が大事にする四季折々の魅力を、花を通じて知ってもらうことで、日本へのリピー
ター率は高まるのではないだろうか。
●中間層●
現在、中国人が日本で訪れている場所で多いのは、銀座での買い物や秋葉原のような場
所での電化製品類の買い物。また、若い人には、化粧品のまとめ買い。といったように、
今後も shopping にお金を使う人が多いと予想される。
今までは、富裕層の人たちしか日本に訪れることができなかったが、これからはどんど
ん下の層が日本を訪れることになる。中国に比べ、比較的物価が高いこの日本では、
「観光
にはあまりお金をかけずに買い物をいっぱいしよう」という考えの観光客も増えてくるの
ではないか?
今回あげた、「ひまわり畑」は入場無料であり、「足湯」は大人 300 円、小人 200 円とと
てもリーズナブルである。安価で体験ができることは中国人側に魅力的であり、次に来て
もらう為の日本の魅力の植え付けとしては日本側にとっても魅力的なものになると考える。
●新たなスポットとして●
現在足湯は日本の中で、独立して使用できる場所は少ない。あっても、やはり温泉地に
なってしまう。東京にもできるところはあるが、大江戸温泉など、温泉施設の1部として
組み込まれている。また、足湯のみの場所が登場しても、期間限定となってしまう。
温泉の良いところは、源湯の効能だけでなく、他の人と入ることによって沢山の人とリ
ラックスしながらコミュニケーションをとれる憩いの場になるところである。足湯は、服
を脱がずに、それが体験できるのである。
そんな日本の良さを残していく為や、日本の良さを手軽に味わえるように、東京の中心で
自由に足湯ができるところをつくってはどうだろうか?ということを提案したい。
●調査内容●
・沈さんに実際に「ひまわり畑」と「足湯」を体験してもらうことによって、本当に中国
人などの日本を訪れる観光客に「行きたい」
「体験したい」と思ってもらえるか。
・今回訪れるひまわり畑では、比較的近くではあるが、新宿から約 50 分である。所要時間
も合わせて「行きたい」と思ってもらえるか。また、どうすれば「行きたい」と思って
もらえるのか。
・足湯を通じて温泉に「行ってみたい」と思ってもらえるか。
●訪問地●
「ひまわり畑」
フルーツパーク長後
神奈川県藤沢市長後 363
0466-43-5840
「足湯」
湯河原万葉公園 独歩の湯
神奈川県足柄下郡湯河原町宮上 566
0465-64-1234
交通の便を考慮し1日でひまわり畑と足湯のどちらも訪れることが可能な場所としてこの
2つを選んだ。
●訪問ルート●
今回は1日かけて、日航財団の中学留学生である沈さんと共に調査する。
長後フルーツパーク→湯河原万葉公園
長後駅→(小田急江ノ島線)→藤沢駅→(JR 東海道本線)→湯河原駅→(バス)→落合橋
11:20-12:20 ひまわり畑見学
12:30-1400 湯河原へ移動
14:30-16:00 足湯体験
『ひまわり畑』
同じ向きで咲き誇るひまわり、ひまわり畑の中に道があり近くで楽しむことができること
を想像し行ったところ、少しピークが過ぎていたようで、想像していたようなひまわりは
見られなかったが、それでも近くで自然が感じられ、約10万本のひまわりは圧巻で、楽
しめる場所であった。
●良かった点●
・人が少なく、穴場
・周りにもいくつかのフルーツ畑が存在→直売所としてぶどうや梨などを安く売っていた
・1面に咲き誇るひまわりは感動
・中の道に入り、ひまわりを間近で見られることもおもしろい
●問題点●
・駅からは距離があり、道案内も少ない
・雑草や虫などが沢山で見る用に整備がされてない
・展望台という張り紙があったが、展望台がなかった
●見解●
観光用として整備されていない為、このままでは新たな観光スポットとしては難しいが、
1本1本力強く咲き誇るひまわりにはどこかパワーを感じることができ、人も少なく穴場
スポットとしてなり得る場所である。
観光用に整備をし、周りのフルーツ畑とリンクして、ひまわりを見た後にフルーツ狩りが
できたり、ひまわりで出来た何かをグッズとして販売できたら面白いのではないか。
ひまわり畑内の道
近くにあるフルーツ直売所
『足湯』
足湯ができるところが個々に分かれていて、それぞれが話をしながら団らんできるよう
な場所を想像して行ったところ、思ったよりも、山の中にあった(道は整備され、案内もし
っかりあった)が、個々のお風呂が沢山あり充実していた。
とても暑く、行くまでに体温が上がっていて、夏に足湯はどうだろう?という疑問も浮
かんだが、入るととても気持ちがよく、風や虫や葉が揺れる音などくつろぎの空間になっ
ていて楽しむことができた。
●良かった点●
・小さい足湯が沢山あり、1団体ごとに入れるようになっていた
・1つ1つ、つぼの刺激の仕方や効能が違い様々な種類がある
・パラソルがあり、日陰を作っている
・風が吹き、のんびりすることができる
・他のお客さんとも仲良くなれ、人とふれあう場所ができる
●問題点●
・湯の色などが全て一緒で視覚的効果が少ない
・温度が少し高く、どの温泉の温度もあまり差がなかった
●見解●
東京につくるとしたら
・湯に色をつけたり、ライトアップすることによって視覚からも楽しみを出す
・浸かりながら、食べたり、飲んだりできるようにする
・様々な温度の足湯をつくる
このようなことをするともっと良い足湯がつくれるだろう。
『観光調査Bを通じて(まとめ)』
調査結果をもとに、2点提案したい。
●足湯から学ぶ●
観光調査Aで訪れた「東京ミッドタウン」のような、まだはっきりとした魅力ができて
いないような場所に「足湯」をつくることによって、1番の売りになるものができるので
はないか。ミッドタウンはショッピングの施設が備わっているので、魅力的な場所になる
だろう。
そして今回、4人のおばあちゃんグループの方々と一緒に足湯に浸かることができ、そ
こで、色々なお話がきけたことがとても印象に残った。このように足湯は、普段出会わな
い人たちと出会う場にもなることを実感した。
「東京ミッドタウン」のような場所に「足湯」
をつくることによって普段出会わない人と出会う場になったり、外国人も含めてコミュニ
ケーションがとれる場所になったら、もっと東京があたたかい良い街になるのではないか。
そしてそんな東京を訪れた人の友達がその話を聞いたら行ってみたいと思うのではない
だろうか。
●ひまわり畑から学ぶ●
ひまわり畑を調査した理由として、
「季節の花が観光資源になりえないか?」ということ
であった。今回の調査において、それは実現可能と考えられる。冒頭でも述べたように、
日本では年中違う花が見頃を迎えている。
そこで、下の表のようなものが外国人用のパンフレットに記載されていたとしたら、も
っと花に興味を持ち、その地を訪れる人が増えるのではないだろうか。
花言葉も一緒に載せてあるのは、沈さんから、中国人がプレゼントなどをする時によく
花言葉をよく利用するようであるからである。花言葉を生かした展示ができるとより一層
よくなるのではないだろうか。
写真
1月
花
花言葉
場所
説明
水仙
うぬぼ
葛西臨海公
日本水仙が5万球植えら
れ
園
れていて新しい名所とな
っている。観覧車との景色
もおもしろい。
2月
梅
高潔
羽根木公園
紅白合わせて約60種、6
50本の梅が見られる。
箏曲演奏や抹茶野点など
のイベントも開催される。
3月
桜
精神美
千鳥ヶ淵
夜はライトアップされ、夜
桜が見れるだけでなく、水
面に映る桜もまた味わい
があり美しい。
4月
つつじ
恋の喜
根津神社
び
2000坪ほどのつつじ
苑には、約50種3000
株のつつじが咲き乱れる。
斜面に咲いたつつじの間
も歩くことができる。
5月
バラ
愛・美
旧古河庭園
ライトアップされた雰囲
気のある洋館と華やかな
バラの組み合わせを体験
できる。音楽会等のイベン
トも行われる。
6月
アジサイ
優しさ
明月院
竹とともに植えられてい
るアジサイはとても神秘
的。都会の忙しさを忘れら
れる空間である。
7月
朝顔
愛情の
真源寺
絆
江戸末期から続く朝顔祭
りは毎年多くの人で賑わ
う。早朝の出かけるのがポ
イント。
8月
ひまわり
あこが
長後
れ
1面に広がるひまわり。1
本1本凛として咲き誇る
その生命力にパワーをも
らえる。
9月
彼岸花
情熱
塩船観音寺
阿弥陀堂の参道で鮮やか
に咲く彼岸花。秋を感じる
ことができる。
10
コスモス
真心
月
国営昭和記
丘一面がピンクに染まる
念公園
コスモスの丘や5800
平米の広さに咲き誇る黄
色いコスモスが圧巻
11
菊
高尚
湯島天神
月
千本咲・大懸崖・盆庭・菊
人形など約 2000 株が並
ぶ。菊人形は毎年テーマが
設けられる。
12
サザンカ
月
ひたむ
新宿御苑
きな愛
新宿御苑駅から徒歩5分
という都会の中にいなが
らサザンカの通りを歩く
ことができる。
________________________________________________________________________________
現在日本政府は、日本の経済状況を良好なものにするために、観光業に力を入れている。
そんな中緩和された中国人への観光ビザ。ただ規制緩和するだけでなく、受け入れる側の
体制がしっかりと整っていないと意味がない。そして、1回目は、「興味」から来てもらえ
るが、だいたい日本がどんな場所かを知ってしまった2回目以降、どれだけの人に来ても
らえるかがカギになる。
観光調査Bを通して
「日本の魅力を東京で沢山知ってもらい、そして、また日本にきてもらう」
ということを「新しい観光」という点において提案した。
●参考文献●
フルーツパーク長後
http://www.kajyuen.com/
湯河原万葉公園
http://www.yugawara.or.jp/doppoinfo.htm
観光庁
http://www.mlit.go.jp/kankocho/
花の名所カレンダー
http://flower.enjoytokyo.jp/
Google 画像
http://www.google.co.jp/imghp?um=1&hl=ja&rlz=1T4TSHJ_jaJP319JP320&tbs=isch:1&btn
G=%E6%A4%9C%E7%B4%A2&aq=f&aqi=&oq=&gs_rfai=
excite news
http://www.excite.co.jp/News/china/20100511/Recordchina_20100511025.html
リピーター獲得へ
~新しい観光の提案~
玉川大学 経営学部 観光経営学科
2年 松本真里奈
目的
●渋谷、浅草、新宿など
shopping以外の観光スポットを
発見するため
●景色で楽しめる場所や実際に
何か体験できる場所を東京とい
う近場にも広めたい
提案スポット
足湯
ひまわり畑
「ひまわり畑」
フルーツパーク長後
神奈川県藤沢市長後363
「足湯」
湯河原万葉公園 独歩の湯
神奈川県足柄下郡湯河原町
宮上566
なぜ?
ひまわり畑
中国人観光客がよく訪れる場所
<北海道のラベンダー畑>
東京近辺にも
このような観光地があってもよいのでは?
中国人は四季をあまり感じない?
沈さんによると・・・
日本人
花=四季
中国人
花≠四季
だからこそ!
四季を感じてもらいたい!!
なぜ?足湯
外国人アンケート
「日本で行ってみたいところはどこですか?」
参考
「ジャパンガイド」とエクスポート・ジャパン株式会社が行った調査結果
ジャパンガイドユーザーで、合計109 ヶ国・1360 人が回答。
http://www.export-japan.co.jp/jg/pdf/press.pdf#search='
外国人の温泉マナー
知らないから!!
想像してください
もしも、私たちの文化に人
と一緒にお風呂に入る習慣
がなかったら・・・
そしてそこが異国だった
ら・・・
勇気がいりませんか?
もし!
服を脱がずに足だけで体験で
きたら?
行きたいと思いませんか?
●ビザの緩和
⇒ほとんどの中国人観光客は
日本が初めて!
●観光庁によると・・・
50.9%がshoppingが目的!!
約半数が東京
約15%が大阪近辺
に滞在
調査内容
●沈さんに「ひまわり畑」と「足湯」を体
験してもらうことによって、中国人観
光客に「行きたい」「体験したい」と
思ってもらえるか
●所要時間も合わせて「行きたい」と
思ってもらえるか
●足湯を通じて温泉に「行ってみた
い」と思ってもらえるか
今回のルート
長後駅「ひまわり畑」
小田急線・JR東海道線
約1時間20分
湯河原駅
バス 約10分
万葉公園 独歩の湯
「足湯」
ひまわり畑
良い点
●人が少なく、穴場
●周りにもいくつかのフルーツ畑が存在
→直売所としてフルーツを安く販売
●中の道に入りひまわりを間近で体験
●力強く咲くひまわりに
感動できる!!
問題点
●駅から距離があり、道案内も少ない
●雑草や虫が沢山
●展望台という張り紙があったが、
なかった
整備されていない!!
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