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No.341 10・11月合併号

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No.341 10・11月合併号
社会から必要とされない大学は姿を消し、活力があり社会から支持される大学は生き残るという大学淘汰
の時代が、目前に迫ってきています。
こうした厳しい時代を見据えた杏林大学の大学改革案を検討するために昨年11月に発足した「大学改革プ
ロジェクト委員会」(委員長・長澤俊彦学長)が「八王子キャンパスの将来構想に関する提言」をまとめま
した。
本号では、9月の理事会に提出された提言のうち要旨を特集として掲載いたします。なお、提言の全文は
「あんずNET」に掲載していますのでご覧ください。
(広報・企画調査室)
杏 林 大 学
八王子キャンパスの将来構想に関する提言
平成15年11月に理事長の指示による八王子キャンパスの改革について提言するプロジェクト委員会が、長
澤学長をリーダー、総合政策学部武田教授をサブリーダーとし、将来の大学の核となる若い世代の10人を含
め12人体制で発足した。
延べ43回に及ぶ討議を重ねてこの度改革案を完成させたので、平成16年9月21日に開催される杏林学園理
事会に報告書を提出する運びとなった。
平成16年9月21日
大学改革プロジェクト委員会
委員会構成
長澤 俊彦 (学園理事、学長)
武田 耕一 (学園参与、総合政策学部教授)
大嶺 智子 (保健学部助教授)
小野 恭男 (総務部総務課係長)
島 幸夫 (保健学部講師)
田中 信弘 (総合政策学部教授)
遠山 菊夫 (外国語学部教授)
西 孝 (総合政策学部教授)
原田 範行 (外国語学部教授)
平野多嘉弘(入学センター入試企画課・事務課課長)
山川 佳高 (八王子事務部教務課課員) 渡辺 裕一 (八王子事務部教務課主任) <五十音順>
・提言要旨
図るために、本提言の3年以内完全実現を目指す。
Ⅰ.現状確認
文系2学部は、大学全入時代を控えて受験生確保
中・長期目標:医学部とその付属病院を持つ総合
とともに入学者の質の確保に早急の対策をたてるこ
大学である利点を活用して、特色ある新学部の設立、
とが必要である。
キャンパス移転も視野に入れた学部と研究科の再編
保健学部については、安定的に受験生を確保でき
などのビジョンを構築する。そのために、実行可能
ているが、競合校の増加(直接的には看護学科、間
性調査も含めて、全学的委員会を立ち上げる。この
接的には薬科大学の新設ラッシュなど)、国家資格
改革については5年後を目途に改革を順次実行す
取得者の需給バランスの推移などを考慮するとき、
る。
将来を楽観できない。
Ⅲ.八王子キャンパス改革の骨子
3学部に共通した事項としては、IT教育が不十
「学部・大学院研究科に関する事項」
分でありハード、ソフト面での改善を必要とする。
(1)保健学部:現行3学科の体制を維持し、取
大学院2研究科は国際協力研究科の国際文化交流
得可能資格の再編とカリキュラムの見直し
専攻を除いて定員割れをしており、社会人入学者の
により、専門職者教育の一層の充実を図る。
激減、留学生の増加等の問題がある。定員割れにつ
国家試験、教員採用試験のさらなる合格率
いては医学研究科も例外ではない。
向上に努める。
こうした大学の現状について、教員の意識改革が
(2)総合政策学部:学部の存在理由を受験生と
必要である。
社会に強力にアピールする。公務員試験受
Ⅱ.改革の目標
験環境を整備し、少人数教育を一層充実さ
せる。
短期目標:現行の3学部・2研究科の基盤強化を
― 2
―
(3)外国語学部:従来のA∼E群を廃し、卒業
の醸成を図り、個々の学生に付加価値をつ
後の進路に沿った5専攻の設置、英語は
けて卒業させる。②実質的就職率の向上を
TOEFL500点以上、中国語はHSK(漢語水
目指し、個別指導の徹底と組織的な就職先
平考試)6級以上を目指す実践的外国語教
開拓を推進する。
・提言の推進にあたって
育を実施する。
(4)大学院研究科:各研究科における創意工夫
に基づき、社会人にも魅力のある、時代に
本提言が確実に実行されるためには、改革実行の
責任の所在と責任者を明確に定める必要がある。
適合した制度に改善する。従来休止状態に
学部・研究科に関する事項については、各学部
あった大学院委員会の活動を活性化させて、
長・研究科長に今後の改革の責任と実行を委ねる。
研究科間の横の連絡を密にする。
提言のどの項目を、いつから、どのように実行でき
(5)IT教育:IT教育を「コンピュータリテ
るか、学部内のしかるべき常置委員会と諮り、年内
ラシー」と「情報リテラシー」に区分し、
に実行計画を立案し、平成17年1月の学部長会議に
前者は情報教育センター、後者は各学部が
報告する。その後の改革の進捗と達成状況について
責任を持って行う。
は、毎月開かれる学部長会議に報告する。学長はそ
の成果を逐次運営審議会と理事会に報告する。
八王子キャンパス共通の横断的事項については、
「学部横断的事項」
(1)教員の意識改革:①新規採用者から任期制
①IT教育は情報教育センター長と3学部長、②学
を導入する。②教員の教育と研究に対する
生サービス(奨学金関係を含む)については現体制
評価制度の導入を図る(例えば、学生によ
では3学部学生部長と学生課長の合議(学生関係諸
る授業評価の拡充、ホームページの積極的
事項を統括する責任者制度が施行されれば、その
活用、教育GP・研究COEへの積極的参
者)、③就職関係はキャリアサポートセンター長、
加、公的・民間の補助金の積極的獲得など)
。
④入試関係は入学センター長、⑤カウンセリング関
(2)学生サービス:①奨学金制度を更に充実さ
係は保健センター長が責任者となる。
せる。②学生の意見を吸い上げ、活用する
なお、三鷹キャンパス(医学部)についても本提
ための仕組みの確立。③学生相談室とカウ
言に同調すべき点が多々あり、学部長会議において
ンセリング体制の強化。④八王子キャンパ
医学部長は3学部長と同様に逐一医学部における状
ス全体の学生に関する諸事項を統括し、意
況、八王子キャンパスとの協調事項(医療福祉関係
思決定権(例えば、災害時の危機管理、天
などのカリキュラム協力、保健学部の実習協力、大
候不良時の休校措置、杏園祭の運営指導、
学院関係(とくに国際医療協力専攻への協力など))
交通事故処理など)を持つ専従者を1名置
を報告、審議する責任を持つ。
く(必ずしも教員である必要性はない)
。
本委員会はこの提言をもって解散し、今後の中・
(3)入試戦略:学部ごとに実質倍率と偏差値目
長期的改革については、理事長の任命する委員長の
標を設定し、目標達成のための強力な広報
もとに全学的な組織として「杏林学園の中・長期的
活動を実施する。
構想に関する委員会」を年内に設立して、引き続き
(4)就職指導:①低学年よりキャリア形成意識
― 3
改革を推進することとする。
―
天津外国語学院(大学)と学術交流協定締結
河北大学との学術交流協定を改定
て、協定の調印と今後の交流について懇談が行われ
ました。河北大学は河北省(人口6千万人)に最大
規模の病院を併設する計画があり、その協力依頼な
どが話し合われました。
夕刻には北京滞在の邦人専門病院の医師団と懇談
も行われ、短いハ−ドな中国滞在の日程を終えられ
ました。
なお、天津では日本から祝典に参加した常葉大学
9月28日天津外国語学院の創立40周年記念を機
講師中村聰さん(本学外国語学部1992年卒)、河北
に、3年間の交流を経て準協定校から正式な協定校
大学では改定式の通訳を務めた河北大学4年生の李
となるための調印式が松田博青理事長、長澤俊彦学
梁さん(本学との交換学生、この8月に帰国)、北
長、千葉洋総合政策学部長・国際協力研究科長、藤
京では伊藤忠との合弁会社で活躍する石井博子さん
井明国際交流センター長が訪中し、天津外国語学院
(本学外国語学部2000年卒)、中国中央テレビ見習生
において行われました。
の盛 雅加さん(同1999年卒)、河北大学で日本語
この日、天津外国語学院では創立40周年記念式典
が行われており、多くの海外からの招待大学を代表
専家として活躍する武部幸恵さん(同2004年卒)等
を理事長・学長が激励されました。
して松田理事長が祝辞を述べられました。祝典日の
帰路、急病人の機中アナウンスに応え理事長・学
午後には世界学長会議が行われて最初に長澤学長が
長が6歳児の熱傷の治療にあたられたというハプニ
講演され、ともに好評をいただきました。また、天
ングもありました。
津医学院(大学)との意見交換も行われました。
(国際交流センター長 藤井明)
翌日29日には河北省保定市にある河北大学におい
平成16年9月学位記授与式・卒業式
杏林大学大学院各研究科、社会科学部、外国語学
部の秋の学位記授与式・卒業式が9月24日(金)三鷹
キャンパス・大学院講堂で行なわれ、17名に博士、
13名に修士の学位が、また学部卒業生50名に学士の
学位がそれぞれ授与されました。
9月卒業式は平成10年にセメスター制が導入され
たことによって行なわれており今回で7回目です。
今回は大学院国際協力研究科で今までで一番多い4
名の博士課程修了者が誕生しました。
各研究科、学部代表者へ学位記が授与されたあと、
これは医療従事者として考えれば『患者の立場も考
長澤俊彦学長は「これからは生涯勉強を続けていく
えよ』、社会人として考えれば『自分だけでなく会
ことが求められています。大学を卒業したことで満
社の立場からもものを見よ』ということではないか
足せず卒業後も母校である杏林大学を生涯教育の場
と思います。このような点も心に留めつつ、それぞ
として使っていただきたい。」と挨拶し、さらに
れの分野で活躍してください。」と式辞を述べまし
「『世の中の裏側を見よ』という言葉がありますが、
― 4
た。
―
続いて、跡見裕医学部長・医学研究科長は「本日
をとるトルコからの留学生や再びドクターとして活
手にした学位記には、大学・大学院の所定の課程を
躍する中国からの留学生なども含まれています。ま
修了したと本学園がそして、わが国が認めたという
た、医学研究科・薬理学教室でアミノ酸トランスポ
意味が込められています。これからこの学位記にふ
ーターについて研究をしていた松尾洋孝さんは防衛
さわしい人生を歩んでください。冷静な目で物事を
医科大学に戻り、専門の神経科学と分子生物学の分
見る重要さと、それを実践するしっかりとした心を
野の研究を続けられるそうで「杏林の薬理学教室で
もって研究者としてまた、社会人としての道を歩ん
行なった共同研究をさらに進めていきたい」と意欲
でほしい。
」とはなむけの言葉を贈りました。
を示していました。
この日卒業した人たちの中には、母国に帰り教鞭
平成16年10月入学式
た際、本学外国語学部を卒業した留学生が非常に優
れた通訳を務めたというエピソードを紹介して「皆
さんも与えられた時間を大切にして、学部生活の4
年間によい成果を残してほしい」と励ましました。
この後、千葉洋総合政策学部長・国際協力研究科
長が「本学では10月の入学でも4月入学と全く同じ
ように勉強できる仕組みになっています。明日から
と言わず、今日から勉強に励んでほしい」と述べ、
杏林学園入学式が快晴の10月1日(金)午前11時
留学生に対しては「日本人の友達を多く作り、日本
から八王子キャンパスで行われました。この日入学
の良いところ悪いところをありのままに学んでほし
したのは、大学院医学研究科に2名、国際協力研究
い」と祝辞を述べました。
科に21名、総合政策学部に9名、外国語学部に40名
入学生宣誓を行った王薇さん(中国出身、本学別
科修了生)は「入学式を挙行していただき感謝する
の合わせて72名です。
入学式ではまず、長澤俊彦学長が大学院に入学し
とともに、学業を全うすることを誓います。知識と
た学生に対してそれぞれの分野で高い知識と優れた
社会に貢献できる能力を身に付け、仲間同士の絆も
技術を身につけてほしいと激励した後、学部入学者
深めたい」と抱負を述べました。
の大半を占める留学生に対して、この程中国を訪れ
平成16年9月別科入学式
9月8日
(水)、平成16年9月別科入学式が八王子
キャンパスで行われました。50名の志願者のうち26
名が合格し、在留資格を得て22名が晴れて入学する
ことができました。
式には、交換留学生13名(高麗大学校〔韓国〕2
名、ソウル保健大学〔韓国〕1名、香港中文大学
〔香港〕4名、南台科技大学〔台湾〕1名、河北大
学〔中国〕5名)と韓国建陽大学校の委託学生9名
も出席しました。
― 5
―
藤井明国際交流センター長をはじめ、国際交流委
員の先生方、別科の授業を担当する先生方と多くの
科生たちの真剣なまなざしは、やる気に満ち溢れ、
期待に応えようと決意したように見えました。
(別科事務係)
方々に見守られる中、式は行われました。
先生方のお祝いと激励の言葉に耳を傾けている別
平成16年10月1日付けで教授に就任された保健学部 中竹俊彦教授に教授就任の抱負を寄せていただきまし
たのでご紹介します。
中 竹 俊 彦 教授
所 属 保健学部 臨床血液学
生年月日 昭和16年 8月15日
最終学歴 熊本医学技術専門学校(爾後、発展的に銀杏学園短期大学、現・熊本保健
科学大学へ改組)
職 歴 東京三鷹新川病院臨床検査科(昭和38年)
、杏林学園短期大学助手(昭和41
年)
、杏林学園短期大学講師(昭和45年)
、同・助教授(昭和50年)を経て、
平成5年より杏林大学保健学部助教授。
抱 負
杏林学園の血液学担当は開学当時、有名な寺田秀夫先生に始まり、臨床経験豊富な松本真一先生(当時、
内科)、工藤久雄教授(小児科、客員)へ、そして八王子で今日の「血液学・血液学検査」へ不肖の私が引
き継いできました。今後、三鷹キャンパスからも特定の講義がLAN経由で相互受講できるシステムが構築さ
れる運びになりますので、私は時代への新展開を期待しています。反面、学生諸君は個人的には多忙な時代
で「自宅学習の少なさ」、「学習形態の変貌」、「情報網の多様化」などがあると同時に、学ぶべき血液学一つ
を例にしても「情報量の爆発的かつ著しい発展」があります。「臨床検査医学の技術教育が現状で追従でき
るのか」という問題点もあり、私も及ばずながら微力を注ぎたいと思います。従来から私は学生諸君へは正
面から「君が諦めなければ在学中ならいつでも、私も諦めずに勉強相手をするよ」と、「教育とは待つこと」
の実践を平常心で継続します。
趣 味
一般的に言うと絵画(最近は観るだけ)と釣り(これも往年への郷愁)、虫(血液の原虫から自然界の昆
虫そして、「腹の虫」等の生態観察:冗談)。また、卒業生から「ケツエキ(血液学的検査の意)をやってい
るのです」と聞くと何よりも嬉しく、活躍の話が聞けることが楽しい。三鷹・八王子での40年、植木職の
「植木剪定技術」に強い興味:弟子入りして確かめたい位。
秋学期入試を振り返って
(
◇学 部
試験区分
平成16年度秋学期入試が外国語学部と総合政策学
ャンパスで、一般入試、外国人留学生入試、外国人
外国人留学生
入 試
7月28日
(水))に行いました。秋学期入試の結果は
外国人留学生
編・転入試
右のとおりです。
志願者
受験者
合格者
外国語
( 2)
1
( 2) 1
( 2) 0
総合政策
0
( 6) 0
( 4)
( 5) 0
一般入試
部の2学部で実施されました。試験会場は八王子キ
留学生編・転入試を、7月25日(日)(合格発表日:
学部
)は昨年
外国語
29
(22)28
(18)
(22)18
総合政策 11
(13)11
( 8)
(13) 8
外国語
総合政策
22
(19)22
(16)
(19)22
2
( 3) 2
( 2)
( 3) 2
(入学センター)
― 6
―
◇大学院医学研究科
9月1日
(水)に平成16年度大学院医学研究科の秋
であり、外来及び病棟の患者様からも医療について
学期入学試験が、実施されました。結果は次のとお
多くのことを求められます。今後、更に老年病学を
りでした。
中心に高度な学識と技能を身に付けていき、指導的
志願者2名
受験者2名
合格者2名
入学者2名
入学者の専攻分野は、2名とも内科系高齢医学専
臨床医を目指します」と抱負を語ってくれました。
医学研究科では今後とも、広く学内、学外から医
学研究に情熱を有し、明日への医学・医療の進歩に
寄与していこうとする方の入学をお待ちしておりま
攻でした。
2名はいずれも本学医学部を卒業後、杏林大学病
す。
(医学研究科)
院研修医を修了して現在医師として活躍していま
す。「高齢化社会と言われる今、私達の役割は重要
◇大学院保健学研究科
志願者
受験者
合格者
博士前期課程
4名
4名
4名
博士後期課程
0名
―
―
今の学問や技術革新の加速にみあった、高度に専門
化された職業人に対する社会の要請があると思われ
ます。そのような人材の養成を考えたときに、大学
院への期待が今後さらに高まっていくのは容易に想
保健学研究科の9月入試は9月3日に行われ、博
像できます。保健学研究科におきましても、とくに
士後期課程の受験者は残念ながらおりませんでした
博士前期課程は高度に専門化された職業人の養成を
が、博士前期課程に4名が受験致しました。うち2
強く意識し、かつ多様化する各学生の希望に添った
名は4年に在学中の学生,1名は本学卒業生、1名
きめの細かい教育をめざし、カリキュラムなどを整
は他大学の4年生でした。いずれも優秀な成績であ
備検討中です。
なお論文博士申請のための語学試問が、大学院入
りましたので、全員合格いたしました。
さてこのところ本邦においては大学院の整備・改
革が急速に進められております。この背景には、昨
試とあわせ行われました。こちらは5名が受験し4
名が合格いたしました。
(保健学研究科)
◇大学院国際協力研究科
9月4日に2004年秋学期大学院国際協力研究科入
っております。ただし、留学生といっても、その多
学試験が実施されました(今回の試験は来年度の春
くが、杏林大学をはじめとして、日本の大学の学部
学期からの入学を希望する、繰上志願者も含まれて
卒業生もしくは卒業見込の者であることをご報告い
います)。ご存知のように、国際協力研究科には国
たします。今日、専門知識習得ニーズの高まりのな
際開発、国際文化交流、国際医療協力の3つの専攻
かで、社会人の間で大学院への入学希望者が増えて
がありますが、今回の志願状況には、次頁の表に明
いると言われております。たしかに、本大学院にお
らかなように、減少がみられました。内容的には、
いても、以前はそのような傾向がみられました。そ
前回の試験におけると同様に留学生の比率が高いこ
れだけに、今回の結果は残念に思います。今後の検
とが挙げられます。特に、今回は、一般および社会
討課題というべきでしょう。
(国際協力研究科)
人の志願者が少数であったために、それが顕著とな
― 7
―
博士前期(修士)課程
選 抜
(
志願者
一般
受験者
合格者
)は前年
選 抜
入学手続者
志願者
受験者
合格者
入学手続者
1(0)
1(0)
0(0)
0(0)
国
一般
0(−)
0(−)
0(−)
0(−)
国
留学生
9(13)
9(13)
8(10)
7(10)
際
留学生
1(−)
1(−)
1(−)
1(−)
際
社会人
0(2)
0(2)
0(1)
0(1)
医
社会人
0(−)
0(−)
0(−)
0(−)
開
10月入学計
10(15) 10(15)
8(11)
7(11)
療
10月入学計
1(−)
1(−)
1(−)
1(−)
発
繰上一般
2(2)
2(2)
2(2)
2(2)
協
繰上一般
0(−)
0(−)
0(−)
0(−)
専
繰上留学生
1(2)
1(2)
1(1)
1(1)
力
繰上留学生
0(−)
0(−)
0(−)
0(−)
攻
繰上社会人
0(0)
0(0)
0(0)
0(0)
専
繰上社会人
0(−)
0(−)
0(−)
0(−)
翌年4月入学計
3(4)
3(4)
3(3)
3(3)
攻
翌年4月入学計
0(−)
0(−)
0(−)
0(−)
13(19) 13(19)
11(14)
10(14)
1(−)
1(−)
1(−)
1(−)
2(1)
2(1)
1(1)
1(1)
31(42) 31(42)
23(32)
22(31)
留学生
9(15)
9(15)
8(11)
8(10)
社会人
2(5)
2(5)
1(5)
1(5)
13(21) 13(21)
10(17)
10(16)
0(0)
0(0)
0(0)
0(0)
繰上留学生
3(2)
3(2)
0(1)
0(1)
繰上社会人
1(0)
1(0)
1(0)
1(0)
翌年4月入学計
4(2)
4(2)
1(1)
1(1)
17(23)
17(23)
11(18)
11(17)
小 計
一般
国
際
小 計
3専攻小計
※2004年秋学期在外協定校制入学試験合格者(国際開発専攻1名)は含まず。
10月入学計
化
繰上一般
交
流
専
(
博士後期(博士)課程
文
開
発
問
題
専
攻
選 抜
)は前年
志願者
受験者
合格者
入学手続者
一般
1(1)
1(1)
1(1)
1(1)
留学生
0(2)
0(2)
0(2)
0(2)
社会人
1(4)
1(4)
1(3)
1(3)
2(7)
2(7)
2(6)
2(6)
計
攻
小 計
杏林大学大学院医学研究科
勝木 元也 氏
基礎臨床共通講義 特別講演会
大学共同利用機関法 人自然科学研究機構(旧岡崎国立共同研究
日時:平成16年11月24日(水)17:30∼18:30
機構)基礎生物学研究所長。理学博士。日本分子生物学会会員、
場所:杏林大学三鷹キャンパス 大学院講堂【第2病棟4階】
日本発生生物学会会員、日本癌学会会員。1943年生まれ。67年
東京大学理学部生物科学科卒業。
「最 近 の 発 生 工 学」
72年九州大学大学院理学研究科生物学専攻博士課程修了。アメ
講師 大学共同利用機関法人 自然科学研究機構
リカ・ジャクソン研究所の訪問研究員、九州大学生体防御医学
基礎生物学研究所長 勝木 元也氏
研究所教授、東京大学医科学研究所教授などを経て現職。専門
は分子遺伝学・発生工学。マウスのES細胞を使った遺伝子発現
の調節機構の解析研究に取り込む。
お問い合わせ∼杏林大学医学部事務課教務係 内線:3213
― 8
―
E-mail:[email protected]
オープンキャンパスを終えて ■2004オープンキャンパス終了<入学センター>
2004オープンキャンパスは、8月28日(土)の医
オープンキャンパスは終了いたしましたが、八王
学部入試説明会をもちまして終了いたしました。今
子キャンパスにおける施設見学と学部説明は、随時
年も本学を志望する受験生や保護者の方々に多数参
(平日9:00∼16:00、土曜日9:00∼12:00)行っ
加いただき、活気溢れるキャンパスの見学や各学部
ております(ただし、日曜・祝祭日・創立記念日11
の紹介、授業体験、先輩ガイダンス、予備校講師に
月11日を除く)。今後も進学相談会などを通して一
よる大学受験スペシャルアドバイスなどを実施いた
人でも多くの受験生確保に力を入れていくことにし
しました。参加人数は、合計2,485名(昨年2,426名)
ています。
で昨年を上回る参加状況となりました。
今後の進学相談会日程
11月17日(水) 全学部対象【新宿NSビル 14:30∼18:30】
11月25日(木) 全学部対象【大宮ソニックシティ14:30∼18:30】
11月26日(金) 全学部対象【横浜新都市ホール14:30∼18:30】
■医学部入試説明会を終えて<医学部事務課>
医学部の入試説明会が7月31日(土)と8月28日
ラブ活動や学生生活など、5年生には基礎、臨床を
(土)に開催され、両日とも受験生とご父母合計約
勉強してきた印象や、臨床実習が始まり何を感じた
200名が参加しました。高橋信一教授の司会進行で
か、研修医からは国家試験について、また臨床医と
大荷満生助教授がスライドを用いてわかりやすく医
なった印象などを話してもらいました。個別相談コ
学部を紹介しました。先輩からの一言コーナーを設
ーナーには、担当教員と職員と学生が参加し、受験
け2年生には受験生に対する医学部受験のこつ、ク
生やご父母からの質問に答えました。
■2004オープンキャンパス<看護専門学校>
受験生や父母を対象にしたオープンキャンパスを
8月27日(金)に実施しました。今年の参加者は約
300名。入試概要説明のほか、模擬演習や体験、個
専用の機械は興味深かったようで、参加者同士比べ
あっている姿も見受けられました。
また、「在校生からの一言」では、徐々に増えつ
別相談、学生寮の見学会等のプログラムで実施し、
つある男子受験生のことも考慮し、男子・女子学生
どのコーナーも盛況のうちに終了しました。模擬演
の代表からそれぞれの学生生活を語ってもらいまし
習・体験コーナーには、昨年までの血圧測定、老人
た。学生寮の見学会には約120名の参加者があり、
体験、妊婦体験、沐浴・赤ちゃんあやし体験、車椅
相変わらずの関心の高さを実感させられました。今
子移送、救急蘇生等に加え、今年初めて「手洗い体
後は毎月第1・第3(土曜)の学校見学会、戴帽式や、
験」を取り入れました。日常的に行っている手洗い
学園祭時に説明会を実施します。
ですが、手洗い後の汚れ具合が視覚的に確認できる
― 9
―
特集・e−Learning報告①
B特集:e-Learningへの取り組み
教育効果を高め、分かりやすい授業を実現するため、いま多くの大学でITを利用したe‐Learningに本格
的に取り組み始めています。
本学でも学生がより積極的に学習を行えるようにと早くからe‐Learningを授業に取り入れている教室が
いくつかあります。大学改革を進める中で主要な役割を担うようになったともいわれているこのe‐
Learningの本学での取り組みの例を随時紹介していきます。1回目は保健学部環境生命科学研究室の取り組
みです。それぞれの教室でのe‐Learningの取り組みについて是非情報をお寄せください。
(広報・企画調査室[email protected])
環境生命科学教室の教育コンテンツIT化
松本 誠治(保健学部環境生命科学研究室)
環境生命科学研究室では、保健学部のいくつかの
研究室と共同で、学術フロンティア推進拠点を創設
して、その活動の一環としてLINUXウェブサーバ
を設置しました。その管理運営を担当したことで
htmlファイルなどの作成や、telnetによるファイル
管理などが身近なものになりました。このことと平
行して、環境生命科学教室が担当する講義科目に、
学会発表等では当たり前になってきたパワーポイン
ト(以下、PPと略記)を使うことを計画し、資料
の収集や電子ファイル化を行ない、順次、パワーポ
イントファイル(以下、PPTと略記)を作成しまし
た。PPを使った講義の利点は数多くあります。も
保健学部研究室紹介から「環境生命科学研究室」へアクセスした画面
ちろんいくつかの欠点も。また、これらのファイル
◆経緯◆
を履修学生が学内外から閲覧できるように、本学の
講義内容の電子メディア化とウェブページへの掲
公開ウェブサーバに保存して、保健学部の研究室紹
載の経緯は上述の通りですが、PPTおよびウェブペ
介のページから閲覧できるようにリンクを作っても
ージへ掲載するファイルの作成についていくつか補
らいました。この経緯を、雑誌「大学教育と情報」
足をします。
に「プリントからCAE、そしてe-Learningへ」と
PPTの作成には、講義プリントをワードプロセッ
題して投稿したところ、12巻4号(2004年3月)
サで作成するのと同じ方法、同じ手間で行なえます。
(http://www.juce.jp/LINK/journal/0402/mokuji.html)
電子メディアになっている文字、図、表、動画、音
声などの一つの画面への取り込みや、文字や図の画
に掲載して貰うことができました。
今回、上記のような題名で本稿を作成することに
面に合わせての拡大縮小、図の必要部分の操作画面
なったのは、広報・企画調査室から、講義内容の電
内での切り出し、グラフの作成、編集、作成した画
子メディア化とウェブページへの掲載についての先
面の順序の変更ができるなど多くの利点がありま
行的事例として紹介文の作成を依頼されたことによ
す。勿論、ファイル作成には、資料の収集やその電
ります。本学でもいくつかの研究室がウェブページ
子メディア化、例えば印刷された図を電子メディア
を持ち講義内容等を公開していることを考えると、
として取り込まねばなりませんが一度電子ファイル
言わずもがなのことと躊躇したのですが、公開サー
にしておくと、講義画面をイメージしながらPPTを
バを使用していることもあり以下、本教室の「講義
作成できます。
一回分の講義のPPTの画面(スライド)数は、30
内容のIT化」を紹介していきます。
∼50画面と変化しますが、保健学部、総合政策学部、
― 10
―
外国語学部では90分の講義時間なので、それに見合
◆効果◆
う量が必要になります。毎回の講義はPPを搭載し
PPを使うと講義の構成が明確になり、スライド
たコンピュータと液晶プロジェクタを教室に持って
を表示しながら説明できるので内容に具体性を持た
いきますが、総合政策学部と外国語学部での講義に
せやすくなります。カラー写真は勿論、図も板書よ
は、液晶プロジェクタが設置されている教室を使わ
り多くの色を使えること、また、一画面内での動的
せて貰っています。
な表示によって説明にメリハリが出せること、一画
講義内容をウェブページに掲載するには、PPTを
面の説明に必要な図や写真のみを表示することで、
htmlファイルに変換しています。htmlファイルへ
複数の図を載せたプリントよりも明確な提示ができ
の変換は、PPが自動的に行なうので手間はかかり
ることなど利点は多いと考えていますが、これは以
ません。ただし、サーバの負担を軽くするために、
下に述べる問題点と裏腹の関係にあるとも言えます。
htmlファイルに取り込む画像は、極力小さなファイ
ルサイズに再変換しています。この再変換作業には
PPとは別のソフトウエアを使っています。毎回の
講義のhtmlファイルは、保健学部ホームページ
(http://www.kyorin-u.ac.jp/hogaku/)から、保健学
部案内、研究室紹介、環境生命科学教室、講義科目、
科目シラバス、講義目次と順次たどると表示できま
すが、科目シラバスと講義目次の間にパスワード入
力画面を設定しています。また、講義目次には掲示
生物学(春学期)のhtmlファイルの最初のスライド
板と出席カードに書かれた質問の回答へのリンクを
PPを使った場合、板書事項は自ずと少なくなり
作ってあります。
ますから、板書内容(のみ)を記録することに慣れて
いる学生は、見ているだけ、聞いているだけの講義に
なりがちです。そこで、スライドの右上にスライドの
番号を比較的大きく表示して、ノートにはその番号と
講義内容やスライドには書かれていない内容を記録し
ておき、自宅でスライド番号を確認しながらウェブペ
ージを見るように勧めています。講義形態がどのよう
なものであっても、それらの内容や資料を、さらには
質問への回答等をウェブページに掲載して公開するこ
とは、履修学生の自学自習に役立ちます。
ウェブページを閲覧した学生からは「授業の確認、
科目シラバスから該当科目の資料・質問のページを閲覧するた
めのパスワード入力画面
復習ができる」、「質問の回答が載せてあるのがい
い」
、
「自宅で閲覧できるのがいい」など概ね好評で、
ウェブページの公開は学習意欲を高めるのに有効な
方法と考えています。
◆問題点◆
PPを使った講義の問題点は経験的に、スライド
の数が多くなりがちで、一枚のスライドを表示する
時間や説明する時間が短くなってしまうことです。
もちろんこのようなことはスライド作成時に調整す
ればよいことで、プリントによる資料を作成する場
合でも実際の講義で使用する数よりも多く作成し
パスワード入力後の生物学(春学期)の画面。1行目には掲示板
へのリンク、各講義題目の下に資料と質問の回答へのリンクを
作ってある。
― 11
て、講義に使用しなかったものは参考資料として自
宅学習で利用するように指示するのではないでしょ
―
うか。PPでの講義に使用したPPTはウェブページ
いように思っています。とはいえ、タイトルや講義
にそのまま掲載できるので、より明確な形で提示資
予定画面など毎回同じものが出てきて煩わしいとい
料を再現できます。そのため、もし講義で説明しな
う学生もいたので、この点は検討していきたいと考
かったスライドがあったとしても、プリントの場合
えています。
と同様に自宅学習での参考資料とするように指示で
◆今後の計画◆
きます。このような形でウェブページ閲覧による自
現在の方式は昨年から始めたばかりなので、しば
宅学習を促していますが、学生からの反応は効果の
らくはこのままの形で続けたいと思っています。で
項で述べたような肯定的なものばかりでなく、「自
きればスライドの解説に音声をつけたいと思ってい
宅で閲覧する時間がない」、「閲覧の仕方が分からな
ますが、現在のカリキュラムと科目構成ではウェブ
い」、「パスワードを忘れた」、
「表示に時間がかかり
ページは講義そのものに代わるものとは考えられま
すぎる」
、「スライドの数が多くプリントすると膨大
せん。また、現在はサーバの負担を考慮してウェブ
な量になる」、「スライドごとにプリントするので膨
ページ掲載時には省略しているビデオファイルの掲
大な量になる」など、否定的なものもありました。
載も、将来は掲載可能になることを期待しています。
これらの中で、「表示に時間がかかりすぎる」点
◆提案等◆
は改善すべきことと考えますが、その他は、学生が
本学のIT化推進の動きにおされて、環境生命科
自らの「コンピュータリテラシー」さらには「メデ
学教室の研究および教育コンテンツを電子メディア
ィアリテラシー」を開発、発展させていく契機にな
化し、公開サーバに掲載させて貰ったことは、発信
るはず、と思う事柄と考えています。例えば、スラ
する側も受信する側もその利便性を享受している状
イドごとにプリントをしないですむように、画面の
況で感謝しています。授業の形態は科目によって異
文字をコピーしてワードプロセッサに貼り付けてか
なるので、環境生命科学教室の方式が最善であると
らプリントするなどの工夫で、プリントの量は十分
は言えません。
敢えてサーバ使用について提案をするとすれば、
少なくなるはずです。
ウェブページを作成する側に要求される改善策
あんずネット等で述べた内容と重複しますが、1)
は、表示時間の短縮とファイルサイズの縮小です。
公開ドメインに全教科のサブホルダを設置してカリ
これは、サーバへの負担を軽くするためにも必要な
キュラム表や教科時間割表から各教科のウェブペー
ことです。前述のPPTをhtmlファイルにする理由も
ジが閲覧できるようにすること、2)各教科のウェ
このためです。インターネット環境ではhtmlファイ
ブページにシラバスを掲載すること、3)担当教員
ルの表示が一番簡便なこと、PPはファイルを全部
にサブホルダへのログオンに必要な情報を知らせ
読み込んでから表示するので表示に時間がかかるこ
て、自由に教科内容を掲載できるようにすること、
ととその分サーバに負担をかけてしまうこと、コン
4)講義資料の掲載に必要、充分な容量をサーバに
ピュータにPPを搭載していない学生がいること、
配分すること、5)ウェブページの作成方法、掲載
などを知っておく必要があります。また、PPTを
方法についての支援を担当教員の要求に応じて行な
PDFファイルにすることでも比較的小さなファイル
うこと、6)全研究室、できれば全教員のサブホル
を作れますが、PPTの動的な表示に制限が出る上、
ダも教科のそれと同様に設置して、教育コンテンツ
無料配布されているとはいえ専用のソフトウエアが
とは別に公開できるようにすることの以上6項目を
必要なことやファイルの読み込みにhtmlファイルよ
提案したいと思います。とはいえ、1,2,6の項
り時間がかかることも、htmlファイルにしている理
目については、新しい公式ページでは計画されてい
由の一つです。
る内容のように思えますので、ここで改めて提案す
ファイルサイズの縮小のためには、講義に使った
ることではないのかも知れません。また、公開サー
スライドを取捨選択して掲載することが考えられま
バを利用するか否かは、各教員、各教科担当者の考
すが、講義時のスライド番号とウェブ上でのスライ
えが優先されることは当然のことと考えます。上記
ド番号が一致しなくなるなどの不都合が出てくるの
の5については、ウェブページ利用についてほんの
で(整合させることはもちろん可能ですが)、閲覧
少し先行している本研究室も可能な限り協力をした
する学生の便宜を考えるとそのまま掲載した方が良
いと思います。
特集・e−Learning報告①
― 12
―
八王子だより
台湾人日本語教師本学で研修
台湾より日本語の先生方をお迎えして、日台交流
協会及び杏林大学主催の第7回台湾日本語教師本邦
研修が、7月22日(木)から8月7日(土)まで、17日間
にわたり行われました。
台湾各地の大学等で日本語を教えておられる先生
方10名が、日頃抱えている日本語に関する疑問、教
授上の問題をどう考え、どう扱えばよいのか、この
機会にぜひとも解決の道を見いだしたいと、強い意
気込みをもって参加されました。それだけに団結力
も強かったように思います。
の講義・活動・自由研修に熱心に取り組み、研修の
研修の内容としては、講義(日本語の意味・語
一日一日が非常に有意義なものであったようです。
彙・文法、日本文学、教授法、コンピュータ利用教
台湾に帰って、各教育機関に戻って、地理的には
育、教材研究、日本語能力試験解説)をはじめ、凡
以前と同じように離ればなれになりますが、先生方
人社(日本語教育専門書店)・国際交流基金への訪問、
の間に絆が生まれたこの研修を機に、新しい形での
修善寺への文学研修を兼ねた合宿旅行があり、最後
研修が始められることになると思います。杏林のこ
に、昭和女子大で開催された日本語教育学会の国際
の八王子キャンパスがその象徴となれば幸いです。
大会への2日にわたる参加がありました。この大会
このような機会を与えていただいた交流協会に感
で研究発表をされた先生もいました。
謝いたします。
短い期間ではありましたが、先生方は一つひとつ
(外国語学部教授 今泉喜一)
大仁技術学院夏季日本語研修
学生や観光専攻の学生も数名まじっているところ
は、さすがに「世界で一番日本語教育が盛んなとこ
ろ」と自負する台湾らしいと思います。
研修は本学の主に別科担当の講師の先生方が担当
し、日本語によるコミュニケーションをテーマに授
業を行いました。本学の日本語教育担当講師は、そ
の質の高さに定評があり、授業も「楽しくて、わか
りやすい」と好評でした。また、高尾山へのハイキ
昨年に引き続き台湾の大仁技術学院の夏季日本語
ングや、秋川渓谷でのバーベキューなど、アウトド
研修会が、今年も8月9日(月)より21日(土)まで、
アでの活動、さらに茶道や、少林寺拳法部の協力を
杏林大学八王子キャンパスで行われました。大仁技
得ての護身術入門講座など文化の面から日本に親し
術学院は、台湾南部の大都市、高雄にほど近い屏東
む行事も組まれました。
にある学院です。薬科学校として創設されたそうで
すが、現在は12の専攻があります。
研修に参加した学生は、この研修をとおして、日
本語運用力の向上と、日本社会・文化の理解を深め
今年は、その中の外国語専攻の学生16名が、お二
たことと思います。
人の先生に引率されて訪日しました。今回参加した
(外国語学部助教授 本田弘之)
学生は、ほとんどが日本語専攻ですが、英語専攻の
― 13
―
杏林大学オクスフォード語学研修
オクスフォードでの語学集中研修は、杏林大学外
な知識や技能を磨く手助けをする。個人主義の徹底
国語学部で英語を学ぶ学生にとっては、檜舞台のよ
した英国ならではの方法だ。チューターは、オクス
うなもの。この研修に参加する為に、一年生の時か
フォード大学に学ぶ大学院生や、語学学校に登録し
らアルバイトをして旅費を貯めながら、心待ちにし
ている経験豊かな講師まで様々だ。チューターの個
ている学生もいるほどだ。文字通りの不安と期待で
人レッスンは、土日を除く毎日だが、週二回のグル
胸一杯の学生たち19人は、空港までお見送りにいら
ープレッスンもある。グループの授業では、個人的
っしゃった御父兄と、外国語学部赤井孝雄教授、田
な会話ではなく、お互いに他人の意見を聞きながら
中茂彦教授にしばしの別れを告げて、8月22日(日)
、
自分の意見も言う、ディスカッション形式の会話練
晴天の成田空港を飛び立った。
習が行われる。英国文化を知るための行事も目白押
研修のメインは「チューター制度」の個人レッス
ンだ。日本ではあまり馴染みがないようだけれど、
しだ。
学生たち自身による、感謝のパーティが催され、
オクスフォードでは一般的な制度だ。チューター
皆それぞれに研修の成果を発揮しながら、列席のホ
(tutor)と呼ばれる教師は、担当の学生の勉強の進
ストファミリーや講師を十分に楽しませてくれた。
度や個人の性格に合わせて、勉学や生活について
日常生活で気づいた日本と英国の文化の違いを英語
様々なアドバイスを与え、授業の中では学生に必要
で発表したり、書道やかるた、折り紙などを英語で
紹介するなど、学生の成長ぶりは感動的ですらあっ
た。修了証授与式では、チューターやホストファミ
リーを日本に連れて帰りたい、と嘆いた学生もいて、
涙と笑いの別れとなった。
最後のロンドン滞在では、研修で培った英語を活
かしてミュージカルを観劇した者もいて、まさに頼
もしい杏林学生であった。
(外国語学部講師 伊藤 盡)
日本語教育実習Ⅱ(海外実習)報告
9月6日(月)から20日(月)まで、中国広東省深 しています。実習はその学校の外国語学部で行われ
市の深 職業技術学院にて、「海外日本語教育実
ました。
現在、深 ・広州を中心とする珠江デルタには、
習」が行われました。
今年、参加したのは、7セメスター5名・5セメ
7000ともいわれる日系企業が進出しているので、卒
スター1名の6名です。この教育実習は、実際に海
業生の求人率が極めて高く、それにともなって学生
外で日本語教師として活躍できる人材の育成を目標
にしています。従って、事前に「日本語教授法演習」
と「日本語教育実習」に真剣に取り組んだ学生のみ
に参加が認められます。
今年、実習を引き受けてくださった深 職業技術
学院は、その名のとおり職業教育を専門とする、日
本でいえば短大と高等高専と専修学校を総合した学
校です。開学してまだ10年という若い学校ですが、
すでに学生総数1万6千人という大きな学校に成長
― 14
―
たちの学習意欲もなかなかのものです。また、この
運だったと思います。
深 には、中国全土から実力のある人材が集まって
恵まれた環境で、実習生たちは実力を十分に発揮
きます。学校も同様で、この学院に教師として就職
し、最終日には職業技術学院の学生と涙で別れを告
するのは難しいのですが、その中に、杏林大学外国
げました。このようないい実習をさせていただいた
語学部・大学院国際協力研究科を卒業した羅如新先
学院と先生方に深く感謝したいと思います。
生がいらっしゃいます。今回、実習の指導の中心と
そして、深 での実習後、帰路に立ち寄った香港
して活躍してくださったのが、この羅先生でした。
でも、杏林大学卒業生の呂氏と三浦さん夫妻にお世
また、羅先生の後輩ということで、張学科長をはじ
話になりました。参加学生にとっては、教育実習だ
めとする諸先生方にも、厳しく、また温かく指導を
けではなく、外国語学部の卒業生が世界で活躍して
していただくことができました。ふつうの海外実習
いることを実感できたという意味でも、大きな収穫
では、これほど親身になって指導を受けることがあ
をおさめた実習だったと思います。
(外国語学部助教授 本田弘之)
まりないので、今回、実習に参加した学生は実に幸
八王子キャンパス自転車駐輪場を増設
八王子キャンパスでは、自転車通学をする学生が
られていました。
増えており、現在の自転車駐輪場が手狭になったこ
このため学生課員が今年の4月下旬から7月末ま
とから、10月1日より新たに隣接地(261.3㎡)を
で約3ヶ月間に渡り路上駐輪の撤去・駐輪場の整理
確保して140台程度の駐輪スペースを増設しました。
作業などを行なうとともに、学生に対しても駐輪マ
学生が利用する自転車は、毎日延べ300台を越え
ナーの指導をして来ましたが、はみ出し駐輪を無く
ますが、今までの駐輪場は最大200台程度しか収容
すことができず、駐輪場を増設しました。駐輪場を
できず、出入口付近の一般道に駐輪する学生が多数
利用する学生へは交通マナーを守り、地域社会の構
いたため、近隣住民や通行人から大学に苦情が寄せ
成員としての自覚を持ち一人ひとりがより良い地域
の 環境づくりに協力・実践することを願っています。
また、学生課では学生に対し、
・歩行者(児童・お年寄り)の安全を優先して走
行する
・二人乗りや夜間の無灯火による走行などを絶対
にしない
などの交通安全の指導を引き続き実施してまいり
ます。
(学生課長 上野文英)
八王子キャンパス構内『タクシー待機場所』完成
八王子キャンパス構内の正門を入った右手、警備
室前道路を挟む向かい側へ「タクシー待機場所」が
10月1日より開設しました。
今までは、教職員・学生がキャンパスから八王子
駅等に向けてタクシーを利用する際、電話でタクシ
ー会社へ配車を依頼していたため、利用料金に迎車
回送料金が発生していました。今回の「タクシー待
機場所」開設に併せ、タクシー会社の協力も得られ
常時数台の空車が配置され、利用料金負担軽減にも
つながることと思います。
(八王子事務部庶務課)
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―
三鷹だより
医学部感染症学 田口助教授 カンボジア王国保健省より功労賞を受賞
本年8月6日より24日の間、カンボジア王国保健
省 Maternal & Child
省Maternal & Child Health Centerへ感染症専門家
Health Centerへのマネ
として派遣された田口晴彦助教授は、当センターよ
ージメント能力の向上、
り功労賞を授与されました。
トレーニング活動の強
これは重症急性呼吸器症候群(SARS)や鳥インフ
化、臨床レベルの向上
ルエンザの流行が危惧されるカンボジア王国に対
などに対する援助・指
し、独立行政法人 国際協力機構(JICA)を通じて感
導を行って来ました。
染症対策指導(薬剤耐性菌への対応と抗菌薬の適正
また、先にも述べた
使用、院内感染防止対策指導)を行ったことに対す
通り、メコン川対岸の
る功労賞であります。
国であるベトナムでは
カンボジア王国はポルポト政権により多くの貴い
SARSが院内感染とし
命が犠牲となったことは周知の事実です。その影響
て流行しました。そこで今回、田口助教授はマネー
により現カンボジアでは医師の不足に加え、病院と
ジメント能力の向上の一環として感染症対策指導を
そのマネージメントシステムまでもが破壊されてし
行いました。JICAを通じて派遣される専門家がそ
まっている現状です。
の派遣国より表彰されることは異例なことです。
(感染症学主任教授 神谷 茂)
特にEvidenceに基づく医療、院内感染防止と感
染症対策に関してはほとんど考慮されていません。
この様な状況に対し、これまで日本国政府は保健
医学部薬理学教室平田助手が分子腎臓研究会最優秀研究賞を受賞
9月4、5日東京椿
分子同定及びHartnup病関連変異の実証」と題する
山荘で開催された「第
平田助手の研究は、長年分子実体の不明であった
10回分子腎臓研究会」
Na + 依存性中性アミノ酸輸送機構(輸送系B 0 )を
において、医学部薬理
Hartnup病遺伝子座の塩基配列解析により同定し、
学教室の平田拓助手が
Hartnup病3家系の遺伝子解析により本トランスポ
最優秀研究賞を受賞し
ーターがHartnup病原因遺伝子であることを明らか
研究助成金(50万円)
にしたものである。さらに酵母ツーハイブリッド法
が授与されました。本
を用いた解析により、このトランスポーターの細胞
研究会は毎年一回開催
内C末端側に、dyneinと呼ばれるモータータンパク
され、全国の施設から
質が結合し、細胞膜へのターゲティングが行われる
応募のあった演題のうち厳選された25題のみが発表
可能性を示唆した点も高く評価され、本グランプリ
され、審査の対象となります。
の獲得となった。
「ヒトゲノム塩基配列情報をもとにしたポジショ
(薬理学教室教授 金井好克)
0
ナルクローニングによる上皮型アミノ酸輸送系B の
― 16
―
ベトナム国立病院の医師が本院を見学
杏林大学病院の高度救命救急センター、熱傷セン
Dr.Nguyen Nhu Lam同 病 院 集 中 治 療 部 部 長 、
ターおよび腎・透析センターの施設見学のためベト
Dr.Vu Quang Vinh同病院形成外科医師の4名と、今
ナム国立熱傷研究所病院(ハノイ)の医師団ら5名
回の訪問にあたり仲介の労をとられた日本医科大学
が8月27日(金)三鷹キャンパスを訪れました。
形成外科青木律先生です。
この日、本院を訪れた医師団はベトナム国立熱傷
現在、ベトナム国立熱傷研究所病院では熱傷・救
研究所病院のDr.Le The Trung前院長(ベトナム熱
急センターの拡充と透析センターの新設を計画して
傷 学 会 会 長 )、 Dr.Le Nam同 病 院 現 院 長 、
いることからそのモデルとして本院の施設見学を希
望されたもので、各施設の紹介は救急医学 山口芳
裕助教授、形成外科・熱傷センター副センター長
の高見佳宏助教授および第1内科 福岡利仁助手ら
が約2時間にわたって行いました。見学後は活発な
質疑応答と討論が行われ、ベトナムの医師団の熱意
が伝わってきました。また本院の充実した施設とシ
ステムを高く評価し、今後さらに交流を続けていく
ことを希望していました。
(形成外科学助教授 高見佳宏)
防災の日・三鷹キャンパスで防災訓練を実施
「防災の日」の9月1日、三鷹キャンパスでは大
規模地震の発生に備え全職員が参加して防災訓練を
行ないました。訓練は、午後1時30分に放送室から
流した地震の擬音テープを合図に「身体の安全確
保」、「出火防止措置」等地震発生時の初動措置訓練
からはじまりました。
そして、大学院講堂に自衛消防隊員、看護部や病
棟の看護師、勤務明けの警備員等70名余の自衛消防
隊員が集まり、自衛消防隊長の後藤義次総務部長と
防火管理者の鈴木芳男総務副部長からそれぞれ「阪
止し使用不能であることを想定し、訓練資器材を台
神淡路大震災から10年目を迎え防災意識の風化が取
車に積載し第1病棟地下1階備蓄倉庫から訓練場所
りざたされている中、東京では南関東直下の地震の
までの搬送ルートの確認と搬送訓練を実施しまし
切迫性が指摘されています。これらに対処するため
た。資器材取扱訓練は、体育館前とプール周辺にお
には平素の備えと職員一人ひとりが防災行動力を高
いて3班編成で行ないました。簡易水槽や簡易トイ
めることが大切です。自衛消防隊員の皆さんの力に
レの組立、浄水器でプールの水を浄化する訓練、発
負うことは大きく非常に期待されています」と挨拶
電機による照明訓練、ベッド兼担架で傷病者の搬送
がありました。続いて、自衛消防隊員による防災資
要領訓練を行ったあと、全員がTCC地階発電機室
器材の取扱訓練を行ないました。自衛消防隊員は資
で非常用発電機の運転による非常電源確保訓練を見
器材の保管場所や品名、数量等を把握しておく必要
学しました。この後、消火班4名が可搬消防ポンプ
があるため、先ず病院庶務課員から資器材の保管管
による放水訓練を行ない、最後に栄養科職員が野外
理状況の説明を受けた後、地震でエレベーターが停
炊飯器で調理したカレーライスを参加者に配る給食
― 17
―
訓練を行ない、盛り沢山だったこの日の訓練を終了
たこの日は、東海地震を想定して静岡県浜松市で国
しました。
の総合防災訓練が行われたのをはじめ東京都総合防
この日の訓練は前日、西日本を中心に全国各地に
災訓練など全国各地で防災訓練が行なわれました
大きな被害をもたらした台風16号の余波が残る猛暑
が、このうち三鷹市総合防災訓練には杏林大学付属
の中で行われました。自衛消防隊員のみなさんが滴
病院の発足したばかりの災害医療チームDMATが
る汗を流しながら真剣に取り組む姿には感銘し、き
はじめて参加しました。
(総務部 福田功)
っとこの日の成果は生きるものと確信しました。ま
敬老週間キャンペーン開催
9月13日から9月20日の間、ケイ・アール・ロジ
スティックス運営の「介護ショップ」・「デイリー
ストアKRL」共催にて敬老週間キャンペーンを行
便利な衣類、健康食品、雑貨等を通常より割引にて
販売致しました。
今回のイベントに対する患者様等の反応は好評で
あり、当社と致しましては定期的に行っていきたい
いました。
病院側のご協力の下、外来棟1F入口にブースを
と考えております。こうした催しについての当社の
設け、歩行杖、入浴補助用品、ポータブルトイレ、
基本的理念は患者様へのサービス、ひいては学園へ
車椅子、介護用衣類、下着、円座、ケア・シューズ、
の福利厚生が基となっております。その理念に基づ
紙おむつ、サポーター類等さまざまな介護用品を展
き当社では今後、より一層の業務展開を行う所存で
示し、用品メーカーに協力を仰ぎ専門スタッフにサ
あります。それには学園とのさらなる協力体制が不
ポート頂きながら、介護ショップの福祉用具専門相
可欠かと思われます。つきましては、当社事業にご
談員により、外来患者及び付き添いの方々へわかり
理解ご協力の程、各位宜しくお願い致します。
(企画営業部 西海石 洋介)
やすいよう説明を行いました。また同時に、デイリ
ーストアKRL店頭においても病院利用者にとって
文化・スポーツ
第30回 松田理事長杯争奪職場対抗バレーボール大会
今年も松田記念館を熱くするイベント「松田理事
長杯争奪職場対抗バレーボール大会」が開催されま
ような熱戦の連続でした。
そうした連日の接戦の末、決勝戦は整形外科Aチ
した。30回目となったこの大会に今年は38チーム、
ームと放射線部Bチームの対戦となりました。どち
500名近い教職員が参加し、9月27日(月)から10月
らも力強いプレーと素晴らしいチームワークで激し
1日(金)までの5日間、白熱した試合が展開されま
い戦いの結果、セットカウント2−0で整形外科A
した。
チームが優勝し、放射線部Bチームが準優勝となり
今回の大会も初日から様々な印象に残るプレーや
チームワーク、応援が見られました。強烈なスパイ
クを打ったり、ブロックやレシーブで繋げるチーム、
ました。また1内AチームとTCCチームが3位入
賞を果たしました。
参加されたどのチームもこの大会を通じて職場
応援に盛り上がりをみせるチーム、仮装して大会に
内、また職場間の親睦を深める機会が得られたので
彩りを添えたチームなど、観客も引き込まれていく
はないかと感じます。
― 18
―
最後にこの大会を無事に終了する事ができたの
援に来られた方、スタッフとして協力して戴いた看
は、ひとえに皆様のご協力のおかげだと思います。
護専門学校の学生、その他この大会にご協力戴いた
業務多忙のなか参加された選手の方々をはじめ、応
方々にこの場を借りて御礼申し上げます。
(総務部 人事課)
優勝 整形外科A
準優勝 放射線部B
第3位 1内A
第3位 TCC
私立医科大学野球大会
相手チームの棄権により杏林大学の不戦勝となり、
準々決勝に進出することができました。
翌日の試合は1回戦を12対4で圧勝し、勢いに乗
る昭和大学医学部との対戦となりました。
試合は序盤から昭和大学のペースで進みました
が、ピッチャー中野の緩急をつけたピッチングとシ
ョート森川、セカンド田村の再三にわたる好守の前
にランナーは出すものの得点を許さず、予想外の投
第26回日本私立医科大学協会加盟大学職員野球大
手戦となりました。杏林大学は4回表、田口、中野
会が、8月25日(水)、26日(木)の両日にわたり栃
のヒットでチャンスを掴みましたが、あと1本が出
木県総合運動公園野球場において開催されました。
ず、その裏、ついに1点をとられてしまい残念なが
前日には開会式を兼ねた懇親会も開かれ参加15大
ら1対0で敗れてしまいました。
学が、それぞれの目標と意気込みを語り、互いの健
しかし、アテネオリンピックでの準決勝、日本対
オーストラリア戦を思わせる好試合となりました。
闘を誓い合いました。
杏林大学の1回戦の相手は抽選の結果、日本大学
医学部となりました。試合は2回表、日本大学が1
点を先制したところで突然の雷雨に見舞われ、その
ままノーゲーム翌日再試合となってしまい、結局、
― 19
敗れはしたものの、全員が最後まであきらめず、悔
いの残らないプレーをすることができました。
また、野球を通じて各大学の方々と親睦を深める
ことができたことは大きな収穫となりました。
―
と、大会運営にあたりご尽力下さいました人事課の
最後に本学園職員野球部を多方面よりご支援いた
方々にこの紙面をもちまして厚く御礼申し上げます。
だいております松田理事長をはじめ、選手派遣にあ
(野球部主将 入学センター 安藤英視)
たり快くご協力をいただきました職場関係者の皆様
(出場選手名)
監督(内野手)
篠原 高雄
薬剤部
内野手
野村 久祥
薬剤部
助監督(外野手)
渡辺 元夫
総務部付
内野手
田村 勝彦
薬剤部
主将(内野手)
安藤 英視
入学センター
外野手
関根 康央
医学部
投 手
中野 貴仁
庶務課
外野手
佐藤 信彦
入学センター
捕 手
柴田 祝男
八王子教務課
外野手
田口 直寛
庶務課
内野手
吉岡 達也
放射線部
マネージャー
青木 光代
医事課
内野手
森川 英樹
キャリアサポートセンター
活躍する卒業生
今回ご紹介する卒業生は、社会科学部を卒業し、13年間の社会人生活を経て現在、起業家を目指し大学院
で勉強する傍ら、ラジオのインタビュアーとしても活躍している伊藤幸久さんをご紹介します。
学生、社会人としての経験を活かして
伊藤 幸久(社会科学部 1991年卒)
私は、杏林大学社会学部社会科学科91年3月卒業
で4期生の伊藤幸久です。
大学時代は、体育会アメリカンフットボール部を
通じて、血と汗と涙により「チームワーク」を学び、
田久保ゼミナールの2年間で、ゼミ生と共に厳しい
研究活動を通じて、人と人との結びつきの大切さを
学びました。特に杏園祭で行った「空想政治劇・東
京裁判」で見せたゼミ生の団結力や合宿で人生・恋
愛などを真剣勝負で一晩中語り合った事などはよい
左から パーソナリティ:渋谷なみこ氏、インタビューア:筆者
ゲスト:古川 康 佐賀県知事、重信知義氏
思い出です。また杏林大学医学部付属病院高度救命
思わず「工場で私も貢献していますか?」と聞くと、
救急センターで3年間夜間看護助手のアルバイトを
「貢献しているよ」と答えがありました。会社に入
経験し「生命の尊さ」も学びました。
って営業時代の社長賞よりも嬉しいひと言でした。
大学卒業後、精密部品から自動車等の部品の加工
用工具などを製造する超硬メーカーのダイジェット
日頃全く誉めない職人さんから誉められた事は今で
工業(株)<1部上場>で日産自動車、本田技研工
も私の勲章です。この経験は営業時代の「驕り」や
業、ヤマハ発動機を中心に生産加工技術の提案・改
「傲慢」を反省出来た大切な時期だったと思います。
善をするセールスエンジニアとして13年間勤務し、
そのような時、多摩大学の中谷巌学長の教育改革
全国受注売上総合1位となり社長賞も頂きました。
と田坂広志教授の「心のマネジメント」に未来の可
この後思いもかけぬ、工場現場への辞令が発令され、
能性を感じて、多摩大学大学院(MBA)に入学し
やった事もない旋盤加工を担当しました。現場の職
ました。そしてそれを機会に退社し、家業の機械工
人さんの指導を受けて、2ヵ月後にその職人さんか
具総合商社を手伝いながら、「社会起業家」を目指
ら「伊藤君が来てから職場は明るくなったし、仕事
すことにしました。「夢」を実現する為には、「志」
もはかどるようになったよ」と言われました。私は
や「情熱」が原動力となります。そしてこれからの
― 20
―
時代は、社会に貢献出来るプロフェッショナルつま
大切にする事」と話された言葉は印象に残っていま
り「社会起業家」という人材が必要とされる時代と
す。
未来への可能性を感じる生き方をしている生命力
確信したからです。
更に縁があって4月よりFM西東京で「西東京カ
の強い人をゲストとしてお迎えするにあたり、私が
フェテラス:伊藤幸久のキャッチ・ザ・フューチャ
全て交渉を行い、ボランティア出演をしていただい
ー」という番組を月に1度持たせて頂いております。
ています。
西東京市、近郊も含めて地域活性化と新しい未来へ
私は、将来母校の杏林大学の教壇に立ち、後輩達
の糸口を探る番組です。私がインタビューアとして
に私が学んだ人生における「形式知」と「暗黙知」
毎回、素晴らしいゲストを迎えて対談しています。
を伝授することが夢です。
お迎えしたゲストの中でも古川康様(佐賀県知事)
s番組サイトをぜひ一度、御覧下さい。
が「市民一人ひとりが「故郷」に対する「思い」を
http://www.west-tokyo.co.jp/~842fm/catch_top.htm
11月の杏林大学公開講演会
三鷹キャンパス大学院講堂
11月13日(土)13:30∼15:00
高齢化社会における美容医療―より若々しく、美しく生きるために―
医学部形成外科学教授 波利井清紀
八王子市学園都市センター
11月19日(金)18:30∼20:00
‘うつ’と診断されたとき
保健学部教授 大瀧純一
【問合せ先 杏林大学広報・企画調査室】
第17回 日本内視鏡外科学会総会
調和ある進歩
―Endoscopic Surgery のさらなる発展をめざして―
2004.11/24・25・26
会場:パシフィコ横浜
会長:東原英二(杏林大学医学部泌尿器科)
◆本学会に関する問い合わせ◆
第17回日本内視鏡外科学会総会事務局
杏林大学医学部泌尿器科学教室内
電話:0422-47-5511(内線5815、5833)
FAX:0422-42-8431
E-mail:[email protected]
― 21
―
秋の全国火災予防運動(三鷹キャンパス・八王子キャンパス)
◆ 目 的
これから、空気が乾燥し火災が発生し易く、大火になりやすい冬の季節を迎えます。火災予防思想の一層
の普及啓発を図り、一人ひとりが防火、防災意識を高め、防災行動力を身につけ、家庭や地域、事業所から
火災の発生を防ぎ、火災から尊い命と貴重な財産を守ることを目的に火災予防運動を実施します。学園にお
いても、火災の未然防止と万一、火災や地震などの災害が発生しても被害を最小限にとどめることが出来る
よう平素の火気管理を徹底するとともに、避難経路の確保等防火安全対策を積極的に推進しましょう。
◆
実施期間 平成16年11月9日(火)∼11月15日(月)
◆
重点目標
(1) 自主防火管理の推進
ア 東京では、昨年6,234件の火災が発生し(火災概要参照)、
151名の尊い命と貴重な財産が失われました。このように、
火災の発生危険は至る所に潜在しています。特に、多数
の患者様が利用する病院や化学薬品等の危険物類を取り
扱う施設では、一端火災が発生すると多くの死傷者が出
昨年秋の消防訓練
る恐れがあります。
イ 事業所の防火対策は、職員一人ひとりが火災予防の重要性を十分認識してはじめて効果があがります。
「火は消した? いつも心に きいてみて」自分達の職場から絶対火災を出さないためにも、平素の気
くばり、目くばりが大切です。各所属では日常の防火点検を徹底し火災予防に努めましょう。
(2)防火設備の維持管理の徹底 ア 火災や地震等の災害が発生した時、初期対応の遅れや失敗は大災害につながります。迅速、的確な初
期活動にあたるために、平素から防火設備等の維持管理に努め、取扱いに習熟しておくことが極めて
重要です。この機会に訓練を通して、火災や地震が発生した時、一人ひとりが取るべき役割、行動を
再確認しましょう。
イ 各所属では万一、火災や地震等の災害が発生しても被害を最小限にとどめる事が出来るよう通報、初
期消火、避難誘導要領等の自主訓練を計画し実施する。
ウ 消火器、屋内消火栓等の設置場所の確認をする。非常口の確認等避難経路の確認訓練を実施する。
(3)放火されない環境づくりの推進
ア 昨年、都内で発生した火災の出火原因の第一位は放火による火災で、2,337件と全体の38パーセントを
占めました。病院の火災は32件発生し、その出火原因は「放火」が16件で半数を占めました。放火さ
れない、させない環境づくりが大切です。
イ 非常口、階段、通路、防火戸等の避難設備や屋内消火栓等の消防用設備の付近に物品を置かない。火
災や地震の発生時に避難障害・消防用設備の操作障害となるばかりか放火される要因にもなります。
ウ 使用していない部屋の施錠管理やトイレ、階段、通路等にダンボール等の可燃物品を置かない。
― 22
―
■火災の概要(平成15年中、東京消防庁統計書)
東 京 消 防 庁 管 内
火 災 の 特 徴
・1日あたり17件発生:火災は都内で1日あたり平均17件発生。
火災件数
6,234件
・住宅火災の増加:住宅火災は2,279件発生。前年比80件(3.6%)増加。
・病院火災の増加:病院火災は32件で、前年比15件(88%)増加。過去5年
間で最も多く発生。出火原因は「放火」が16件と半数を占める。
焼損床面積
36,809㎡
・火災による死傷者:火災による死者は151人で前年より23人増加。負傷者
火災による
は1,151人で10人増加。
死 者
151名
負傷者
1,151名
出火原因
放火、疑い
2,337件
たばこ
909件
(上位三位)
以下学校火災の事例参照。
・放火、放火の疑いによる火災は、昭和52年以降第一位を占める。
・病院火災の出火原因:病院火災の出火原因は、
「放火」が16件と半数を占
ガスコンロ
611件
め、次いで「たばこ」
「医療機器に起因」による出火。
以下病院火災の事例参照。
病院火災の事例
病院火災は、32件で出火原因は「放火」が16件と半数を占めている。放火の出火場所は病室が7件、
エレベーター室、玄関等で3件発生している。次いで「たばこ」が7件で「放火」と「たばこ」で出
火原因の7割以上を占めるほか、医療機器に起因した火災が3件発生している。
・医療機器の火災は、電気滅菌器が2件、光線治療器が1件発生している。1月に病院の手術室で、看
護師が光線治療器の具合を確認するためフットスイッチを踏んだところ、ハンドピース先端が手術装
置のそばにあったごみ箱に向いていたため、レーザーがごみ箱内のごみくずに照射され出火した事例
がある。
学校火災の事例
大学を含む学校の火災は55件発生し、前年より15件増加している。出火原因は「放火」が28件、「た
ばこ」が5件でこの2つで6割以上となっている。
・千代田区内の大学体育館から出火した火災では、在館していた6人が避難の際に、警備員1人が避難
誘導の際に負傷している。
・新宿区の医科大学の化学準備室から出火した火災では、15平方メートルが焼損し消火活動中1名が負
傷しています。
・大学理工学部実験室内で実験中に発生した火災では実験室のドラフト内において実験中にシャーレ内
のへキサンが揮発してシャーレ内に結露を生じ、露出したナトリウムと反応したことにより、ナトリ
ウムが発火し火災となった。
― 23
―
9月の理事会・評議員会
平成16年9月21日
(火)
議案・報告
1. 新外科病棟の建設について
2. 長期借入金の申し込みについて
3. 校地の一部用途変更及び面積変更について 4. 教授人事について 5. セカンドオピニオン外来開始について[報告]
6. 東京薬科大学との姉妹校締結並びに教育研究協力に関する協定書の締結について[報告]
7. 杏林大学の将来構想に関するプロジェクトチームの理事会答申について[報告]
寄付金・物件寄付申込者芳名
寄付金申込者芳名(平成16年8月分)
寄付金申込者芳名 (平成16年9月分)
手術棟建設寄付金
手術棟建設寄付金
金 500,000円 年永秀雄様
金 名前のみ掲載 医療法人社団康明会様
金
300,000円 小野武人様
73,400,000円 (株)ケイ・アール・ロジスティックス様
一般寄付金(教室分)
名前のみ掲載 前田陽子様
匿名寄付 7件 金 5,000,000円 杏林大学奨学基金
(感染症学、産婦人科学、整形外科学、脳神経
金 1,600,000円 (株)ケイ・アール・ロジスティックス様
外科学、皮膚科学、薬理学、第二内科学)
一般寄付金(教室分)
匿名寄付 60件 金 39,000,000円 (産婦人科学、整形外科学、耳鼻咽喉科学、衛
生学公衆衛生学、第三内科学、皮膚科学、生
化学、第一内科学、外科学、心臓血管外科学、
第二内科学、高齢医学、総合医療学、感染症学、
脳神経外科学、医療管理学、救急医学、形成外
科学、放射線医学、小児科学、眼科学、精神神
経科学)
◆物品寄付申込 者芳名 (平成16年8月1日∼9月30日)
物件名・規格など
パーソナルコンピュータ
数
設置・使用場所
寄付申込み者名
3
看護専門学校・第1校舎
杏林大学医学部付属看護専門学校杏会 様
― 24
―
慶 弔
※ ご結婚おめでとうございます ※
H16. 7.7
耳鼻咽喉科学
松田 明史
H16. 7. 20 総合周産期母子医療センター
(NICU・GCU)
奥出 もえ
(旧姓 亀田)
H16. 7. 22 3−3A
平山 千登勢
(旧姓 遠藤)
H16. 8. 22 2−2C2−3C
野田 耕介
H16. 9. 1 感染症学
小林 治
H16. 9. 12 3−2A3−2B
梶浦 千佳
(旧姓 近藤)
H16. 9. 14 共同研究施設電子顕微鏡部門
植木 麻衣子
(旧姓 幸松)
※ お誕生おめでとうございます ※
H16.7. 10
看護部
井上 美和子
(長女 すずさん)
H16.7. 26
〃
松浦 早苗
(長女 楓夏さん)
H16.7. 27
放射線部
小松 一之
(二男 夏祈君)
H16.7. 28
看護部
村松 るつ子
(長女 光さん)
H16.7. 31
キャリアサポートセンター
田倉 由紀子
(二男 壮真君)
H16.8. 2
放射線部
中西 章仁
医事課
中西 擁子
(長女 優希さん)
H16.8. 10
泌尿器科学
桶川 隆嗣
(長女 怜音さん)
〃
看護部
池上 美恵子
(二男 快斗君)
H16.8. 20
放射線部
茂手木 高視
〃
茂手木 弘美
(二男 颯人君)
H16.9. 1
外科学
三井 秀雄
(二男 大慎君)
H16.9. 2
臨床工学室
菊地 信行
(長男 駿太君)
H16.9. 14
内科学(Ⅰ) 福岡 利仁
(長男 世成君)
※ 心よりお悔やみ申し上げます ※
H16.8.11
保健学部
村椿 春博
(父 春男様)
H16.8.27
総合政策学部
馬田 啓一
(父 和夫様)
H16.8.31
〃
斉藤 元秀
(母 敬様)
H16.9.16
泌尿器科学
宍戸 俊英
(父 英泰様)
H16.9.19
総合医療学
林 潤一
(母 登代子様)
H16.9.30
栄養科
石井 ケイ子 (義父 均様)
― 25
―
日経トレンディ
杏林大学病院
「居心地のいい病院ランキング」で紹介される
月刊誌「日経トレンディ」
(日経ホーム出版社・2004年11月号)に「居心地のいい病院ランキング」が
特集され、「サービス」「安全」に関するものなど70項目を調査し、150点満点で評価した結果、杏林大学
病院は関東エリアで9位、全国では34位にランキングされました。この調査は全国600床以上の病院およ
び特定機能病院を中心にアンケート形式で行われ、回答のあった251病院について各項目を点数化して評
価しています。調査は、診察の予約や共用設備などを評価した「サービス」、カルテ開示に代表される「情
報公開」
、病院間の「連携体制」そして「救急体制」
「安全対策」の5つの分野で行われました。
此の度「居心地のいい病院ランキング」で当院が一
定の評価を得た事は、全職員の日頃の努力の結果であ
り大変喜ばしい。しかしこの評価に満足したり油断し
ないで、さらなる向上を目指して地道な努力を重ねた
いと考えている。
病院長 石井良章
調査は全国600床以上の病院を中心に行われ、251
杏林大学病院が掲載された日経トレンディ
病院のデータから算出された。
〔2004年11月号〕の表紙と掲載ページの一部
◆杏林大学の評価(95点/150点満点)◆
サービス 31点/60点満点
情報公開 16点/30点満点
連携体制 11点/15点満点
救急体制 18点/20点満点
安全対策 19点/25点満点
文藝春秋
月刊誌に本院で白内障手術を受けたジャーナリストが寄稿
文藝春秋11月号に杏林大学病院・アイセンターで白内障の手術を受けた徳岡孝
夫さん(ジャーナリスト)が執筆した記事『独眼で受けた白内障手術』が掲載さ
れています。徳岡さんは以前脳下垂体腫瘍の手術中に原因不明の出血で右眼を失
明したことから、僅かに視力の残る左眼が白内障であると診断されても信頼する
医師、病院にめぐり合えず、手術に踏み切れずにいたそうです。その時知人から
本院を紹介され、種々の検査のあと手術を受け、視力を取り戻したいきさつがさまざまな思いとともに綴られています。
この記事の中で松田博青理事長・藤原隆明教授をはじめ、最初に徳岡さんの診察にあたられた眼科学教室の岡田アナベ
ルあやめ助教授、執刀された永本敏之助教授などが感謝の気持ちとともに紹介されています。
発 行 平成 16 年 11 月 1 日
あんず編集委員会
東京都三鷹市新川6- 20 -2
連絡先 TEL
― 26
―
0422
(44)
0611
広報・企画調査室
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