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平成22年2月15日資料2( PDF:1.0MB )

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平成22年2月15日資料2( PDF:1.0MB )
資料
(平 成 22年 2月 15日
/病 院運営審議会
)
経営形態 の見直 しについて
市 立豊 中病院
1.病 院 を取 り巻 く環 境 の 変化 ―経営形態を見 直 しする背 景 ―
(1)急 速に変化する経 営環境 への対応
国 の医療費抑制策を受けt診 療報酬制度など目まぐるしく経営環境 が変化しています。
診療報酬 の改定もここ数年 はマイナス基調にあり、改定への対応 の遅れが経営に大きく影響
することとなつています。経営環境の変化に迅速かつ機動的 に対応 しなけれ ばなりません。
(2)医 事職員 の専門性 向上が求められている
診療報酬 の請求も出来高算定から包括算定へ と大きく変化しました。包括算定 上必要とな
る病名決定には、医師だけではなく医事職員も関与しなければなりません。医事職 員には、こ
れまで以上 に医療 に関する専門的知識が求められており、そのような人材 の確保 が望まれま
す。
(3)医 師確保 に向けた民間病院との競争激化
医師不足 の問題 は、病院 の存続を左右する大きな問題です。診療科を一 部閉 鎖するなど
存続 が危 ぶまれている公立病院もいくつか出てきています。医師に限らず人材の確保 は、民
間事業者 との競争 であり、公立病院といえども例外ではありません。人材確保に向けて迅速に
対処す ることは勿論 のこと、人の集まる魅力的な病院であり続ける必要があります。
2.企 業体 として望 ましい経 営形態 の あり方
このような環境 の変化 に対応 していくためには、企業体として柔軟 で機動的な経 営形態で
あることが望ましいと考えます。公立病院として公共性を担保しつつ 、人事・給与面 において、
現状よりも弾力的な運用 がおこなえる体制を整備したいと考えます。
3.病 院 経 営 に相 応 しい経 営 形態
病院 の経営形態としては、現在いくつかのメニューが用意されています。
「地方公
それらのなかで、指定管理者制度など民間事業者 へ の委託形式 のものを除くと、
1
2
「地方独立行政法人制度」
営企業法の全部適用」と
あふたっあ制度が挙げられます。
'
それぞれの制度比較については、明J紙 1」 を参照ください。
「地方公営企業法の全部適用」と
また、
「地方独立行政法人制度」では、次のようなメリットと
デメリットがあると考えてぃます。
地方公営企業法 の全部適用
くメリット>
地方独立行政法人制度
・直営方式 による医療 の継 続 性 の確 ・直営方式 による医療 の継続性の確
保 (職 員 の継続雇用等 )
保 (職 員の継続雇用等)
。
事業管理者 を設置するため 、人事給 ・市か ら独 立した法人が運営するため
与 面にお いて一 部適 用 より柔 軟な運
全部適用以上に柔 軟な運営が可能
・中期計画の策定や 評価委員会の設
営 が可能
:短 期間での経営形態の変更 が可能
置等により透明性が向上
) :
(6ヶ 月程度
<デメリット>
・独立行 政法人と比 較 すると経 営 の 自 ・職 員 の 非公 務 員 型
化 (公 務 員 型は
律度が低 い
.
選択不可)
。
議会等 の 関与 の低 下
`経 営形 態の変更 に時 間を要する
医療制度改革など外部r2-境 め変化に通速かつ柔軟に対応しなければならない病院事業の
特性を考えると、より自律度の高い「地方独立行政法人制度」
が、病院事業には適した形態で
あると考えます。 1
. :
しかしながら、
(1)職 員の身分が非公務員となること
(2)経 営形態の変更に相当の期間(1年 6ヶ 月)と 労力を要すること
なること(他 市の事例において、このことが導入に向けた
(3)制 度的に市 `議 会の関与が少なく
障害とならている。)
い制度でぁり
(4)比 較的新し
、
運用面でどのよう
な課題や問題点があるのか、
現時点で不明確
な部分 が多 いことか ら、
「地方 公 営企業法の全部適用」へ 移行 したいと考えて ます
まずは、
ぃ
。
°
2
‐
4.地 方公 営企 業法 の全音
「適用とは
全部適用 の制度概要については、賜J紙 2」 に取りまとめています。
なお、移行時期については、現在の厳しい経営環境を考慮すると出来るだけ早期に移行す
ることが望ましいと考えており、平成 23年 4月 1日 を目途に移行を目指します。
5.法 の全 音F適 用移 行後の病院運営について
全部適用移行後は、市長部局から独立し、新たに「病院事業管理者」
を設置します。
・カネ」に関するす べての権限が移譲されることか
事業管理者 には、経営 に必要な「ヒト モノ
ら、企業体 としての 自律性を高め、経営課題 に迅速かつ柔軟 に対応 します。
具体的には、次 のような制度の創設を検討 します。
(1)業績 に応 じた手 当ての創設
民間病院では当たり前となっている医師の評価制度 (手 当への反映)に ついては、現在ヤく
つかの公 立 病院でも導入が進められています。当院においても、優秀な医療スタッフを確保
する(離 職 防止 も含む )た めにも、業績に応 じた手当ての創設を検討します。
(2)職員 のワークライフバランスに応 じた勤務形態の導入
近年、医師 に 占める女性医師の割合 が高くなってきています。医師の安定的確保 に向けて
は、女性医師を如 何 に有効に活用するかが今後 の課題となります。離職防止や復職支援など
ライフワークバ ランスに応じた勤務形態 の創設を検討します。
(3)病 院事業専属 の事務職 員 の採用
医事職員 の専門性欠如に対応するため、専門性 の高い企業職員を病院独 自に採用します。
診療報酬請 求 の精度を向上させるとともに、診療報酬改定などの制度改正に的確 に対応しま
す。また、日常業務 においても医療職とのコミュニケーションが円滑となり、事務局としても医療
の専門分野 に踏み込んだ対応も可能となります。
6.経 営状 況 の 改 善 に 向けて
今般 の経 営形態 の見直しだけで、直ちに経営状況が改善されるわけではありません。しか
し、新たな経 営形態 のもと、このょぅな組織機能面での改善を図ることにより、現在 の診療体制
を維 持 、さらには強 化 できることが期待できます。これまでの「病院運営健全化計画 」の取り組
みとあわせて一層 の経営改善を目指します。
3
(別 紙 1)
地方公営企業 (全 音F適 用)と 地方独立行政法人との
制度比較表
地方独立行政法人
(非 公務員型)
部 済 用 r現 行
①定義・設立 目的
地方公共 団体が、直接地域住民の福祉の
増進の 目的として経営する企業
②施設の所 有者
市
③市長の関与
はず
止
]gfttEr無 蠍 傷
密 必
独 立 行 政 法人
・予算の調製、議案の提 出等
④ 議会 の関与
設置等に関する条例の議決
予算の議決
決算の認定
⑤財務会計
・公営企業会計制度
・地方 自治法の財務 定の適用あり(予
輝
算
単年度主義)
⑥監査
・監査委員 の審査
・会計監査人の監査は義務づけなし
⑦評価制度
なし
③職員の身分
地 方公 務員
⑨ IIn員 の給与
(給 与の決定 原則 )
7禾 H嬌 憫 り 1■ つ●、能 兄 、思 及 処 分
・中期 目標 の制定
・予算の調製、議案の提出等
。
法人が作成する中期計画の認可
(事 業管理者は予算・議案の原 案を作 し
成
目標 の期 間終 了時の検討、所 要の
髯
・定款 の議決
・中期 目標の議 決
・中期計画の議決
しノ
・地方独立行政法人会計
原則
や
財
務
運
χ
営
等
場
蓄
覆男
潟
偲
麗季
寄
t´
ノ
・監事 (役 員)の 審査
・会計監査人の監査は一定規
模の法人あり
・中期 目標 の作 成
・中期 計 画・年度 計 画の
作成
による業務実績の評価
非公
― 務員
・人事院勧告に基づき市の決定する給与ご
同額
※人事院FdJ告 の対象
・
並
び
に
員
民
間
事
傍
塾
胤 落鵠 購 紋
冒
ξ
磐
∫
・企業の経営状況等を考慮
※人事院勧告の計鼻凛
⑩定員管理
て
組織
の関係
定員に含まれる
こlplじ ′
定員に含まれない
(そ もそも地方公務員の身分を有さない
)
,
地方独立行政法人
(非 公務員型 )
一部適用
①組織の長 (任 用)
市長
事業管理者
(事 業管理者は市長が任命 )
(理 事長・監事は市長が任命)
(Ell理 事長・
澤事は理事長が任命)
0職 員 の任命
0糧
貞 の身分
⑮労rr2基 本権
・設 置条例で設置及び経 営 の基本を定め ‐瞑 に 本 悧 ゞ
取 画 及 ひ 栓 官 の 基 本 を 定 め
定歌 で定 め る
る
る
.
・その他は法人の規程で制定
。
その他は市長が規則 等で制定
・その他は事 業管理者が事 業管理
規程で
制定
市長
法人の長
地方公務員
tレ
′
(適 用 外 )
※職 員 団体を結成 し当局との協定締結は ・団結権・団体交渉権あり
可能
し法的拘束力は無し
・争議権なし
`但
労働組合法・労fJJ関 係 調
釜甚儡
4
非公 務 員
労働 三権あり
※ 労働 基 準法・労働組合法・労働 関係 調
整法の適用
F・
(男
」
紙2)
地方公営企業法の全部適用について ・
市立豊 中病院
I.地 方公 営企 業法 の全部適用とは・・・
「地方公 営企業法の全部適用」とは、地方公営企業法の
規定のすべてを適用することであ
り、水道事業・交通事業など多くの公営企業で全部適用となっています。
病院事業 については、財務 (予 算・決算・契約等)に 関する規定のみを適用しており その
、
他 の規定については、地方 自治法・地方公務員法等を適用しています。これを「地方公 企
営
の一
業法
部適用」と言いますが、現在、市立豊中病院を含む多くの公立病院でこの経営形態
を選択しています。
<全 部適用 の状況 >
都 道府 県
政令 市
市
町村
組合
合計
42
413
198
104
うち全部適用
141
17
89
19
6
70.5%
40.5%
21.5%
9.6%
5.8%
全 部 適 用割 合
・
OZ
200
0フ
病院数
28.4%
(出 典 :平成 19年 度地方公 営企業年鋤
大阪府 内 (大 阪市除く)で は、16の 市立病院のうち、8病 院で全部適用を選択していま
丸
。
・
(池 田市 箕面市・吹 田市・枚方市 人尾 市・和泉市・貝塚市・泉佐野市)
Ⅱ.法 の ァ 部 適 用 との 違 い は …・
法 の全部 適用と一部適用では(大 きく2つ の違いがあります。
1つ 目は、事業管理者を設置することです。
事業管理者は、経営に必要となる
「ヒト
・モノ
・カネ」に関するすべてめ権限を有 しています。
しかし、このような権限を有する反面、経営の責任を問われることにもなります。
2つ 目は、職員給与の決定原則です。
一部適用 の場合、人事院勧告をベ ースに決定しますが、全部適用の 合は、
企業 の経営
場
状況を考慮した上で、事業管理者と労働組合との交渉によって決定されます。企業の業績を
5
:
「
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に、
職員あ経営章議の間上にらながると
言われて│
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法?全 蔀│"ヤ │キ 事業管理者を
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権帳か与え
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団体の長に送行する
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盛に申す0資 材を作成し、
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事業管理者は1地 芳1治 法上の執行機申IIキ │り ´李│││く 事IⅢ Ⅲ芳ム共由Ⅲみ│‐
││.(■ 足説│)│・ │■
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Ⅳ .全 部 適 用 と一部適用 との比 較
このように、法の全部適用では、これらの権限が市長から事業管理者へ移譲されることから、
一般 的に次 のような違いが生じるとされています。
全部適用
経営責任
一部適用
事業管理者 (経 営状況が悪 化 不 明確
した場合は罷免 の可能性あり)
組織・体制 に関する権限
事業管理者
地方公共団体 の長
職員 の採用 に関する権限
事業管理者
地方公共団体の長
職員 の身分
地方公務員
地方公務員
職員 の給与
経営状況その他 の事情等を考 人事 院勧告をもとに市 の決定
慮して労使交渉を経て決定
する給与と同額
一般会計 か らの繰入金
地方公営企業法に基 づき負担 地方公 営企業法に基づき負担
労働組合
金・補助金として繰入
金・補助金として繰入
団結権 。
団体交渉権は認めら なし
れているが争議権はなし
また、以 上のことか ら、一般的に次 のようなメリット、デメリットがあると言われています。
全部適用
<メ リット>
一部適用
機動性、迅速性の発揮
・行政施策へ の反映が容易
。
人 事 院勧告 どお りの人事管
自律性 の拡大
理が可能
経営責任 の明確化
業績 に応じた給与体系導入
職員の経営意識 の向上
<デメリット>
。
人事 。
給与管理など事務 の負
経営責任が不明確
担増
機動性 、迅速性に欠ける
職員の経営意識が低い
7
地方公 営企業法の規定一覧
8
参考】
〔
大阪府 内公 立 病院 の法適用 の状況
医療 圏
病院名
病床数
適用区分
1
市立池 田病 院
364床
全部
昭和 31年 4月
箕面市 立病院
317床
全部
平成 21年 6月
市立豊 中病院
613床
一部
吹 田市民病 院
431床
全部
平成 19年 4月
枚方 市民病院
419J末
全部
平成 16年 4月
東 大阪市立総合病院
573床
一部
八尾 市立病 院
380床
全部
市 立 柏原病院
240床
一部
藤井寺市民病院
108床
一部
豊能
北河 内
中河 内
南河 内
襲
堺市
備 考
21年 4月
平成 20年 度末閉鎖
327床
泉大津市立病院
215床
=部
岸和 田市民病 院
400床
一部
市立貝塚病 院
249床
市立 泉佐野病 院
阪南市立病院
市 立総合医療センター
平成
榔
.全
和泉 市 立 病 院
平成
8年 4月
全部
昭和
36年 1月
平成 24年度独法化
358床
全部
昭和 32年 1月
平成 24年 度独法化
185床
一部
泉州
大阪市
適用年月
部
平成 24年度独法化
1,063床
十 三 市民病院
280床
北市民病院
175床
住吉市民病院
198床
市立堺病院
493床
全部
一部
9
平成 21年 4月
平成 22年 度民間譲渡
Fly UP