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第97回 国立大学医学部長会議 平成26年6月13日(金) 医学研究の在り方について ~医学部における人材養成の観点から~ 高等教育局医学教育課 本日の内容 1.医学研究の在り方について ~医学部における人材養成の観点から~ 2.医療分野における昨今の動向について 3.医学教育等に関する各種要請 1 1.医学研究の在り方について ~医学部における人材養成の観点から~ 2 医学教育改善・充実の方向性 ○ 地域で求められる医療人材の養成(総合的な診療 能力の養成、院外実習など地域と連携した医学教育) ○ 基本的な診療能力の確実な習得とそれらの評価 ○ 各大学の設立の理念や特色に応じた診療参加型 臨床実習の充実 ○ 国際的な質保証の要請への対応 ○ 研究医養成のための教育プログラムの充実 全国医学部長病院長会議「医師養成の検証と 改革実現のためのグランドデザイン」に示された 課題、提言の方向性とも共通 3 医学教育モデル・コア・カリキュラム(H13.3策定、H19.12、H23.3改訂) (概要) ○学生が卒業時までに身に付けておくべき、必須の実践的診療能力(知識・技能・態度)に関する到達目標を明確化 ○履修時間数(単位数)の3分の2程度を目安としたもの (残り3分の1程度は各大学が特色ある独自の選択的なカリキュラムを実施) ○冒頭に「医師として求められる基本的な資質」を記載、患者中心の医療および医療の安全性確保も明記 ○医学の基礎となる基礎科学については、別途「準備教育モデル・コア・カリキュラム」として記載 教養教育 選択的なカリキュラム(学生の履修時間数 (単位数)の3分の1程度) ※各大学が理念に照らして設置する独自のもの(学生が自主的に選択できるプログラムを含む) (学生の履修時間数(単位数)の3分の2程度) 医 師 と し て 求 め ら れ る 基 本 的 な 資 質 C 医学一般 個体の構成と機能 情報の科学 人の行動 と心理 病因と病態 F 診療の基本 E 全身におよぶ 生理的変化、病態、 診断、治療 A 基本事項 生活習慣と疾病 基本的診療知識 基本的診療技能 医の原則 コミュニケーションとチーム医療 B 医学・医療と社会 症状・病態からのアプローチ 医療における安全性確保 課題探求・解決と学習の在り方 社会・環境と健康 保健、医療、福祉と介護の制度 地域医療 死と法 診療情報 診察の基本 診察法 基本的診療手技 診療科臨床実習 (内科系、外科系、救急医療) 地域医療臨床実習 医 医師 師国 国家 家試 試験 験 生命現象 の科学 D 人体各器官の 正常構造と機能、 病態、診断、治療 生命現象の科学(再掲) 個体の反応 G 臨床実習 物理現象と 物質の科学 C CB BT T知 知 識・ ・ OS SC CE E技 技 能・ ・態 態度 度 )) ((識 ))O ((能 臨 臨床 床実 実習 習開 開始 始前 前の の「 「共 共用 用試 試験 験」 」 人 文 ・ 社 会 科 学 ・ 数 学 ・ 語 学 教 育 な ど 疫学と予防医学 臨床研究と医療 4 医師として求められる基本的な資質 (医師としての職責) ・ 豊かな人間性と生命の尊厳についての深い認識を有し、人の命と健康を守る医師としての 職責を自覚する。 (患者中心の視点) ・ 患者およびその家族の秘密を守り、医師の義務や医療倫理を遵守するとともに、患者の 安全を最優先し、常に患者中心の立場に立つ。 (コミュニケーション能力) ・ 医療内容を分かりやすく説明する等、患者やその家族との対話を通じて、良好な人間関係を 築くためのコミュニケーション能力を有する。 (チーム医療) ・ 医療チームの構成員として、相互の尊重のもとに適切な行動をとるとともに、後輩等に対する 指導を行う。 (総合的診療能力) ・ 統合された知識、技能、態度に基づき、全身を総合的に診療するための実践的能力を有する。 (地域医療) ・ 医療を巡る社会経済的動向を把握し、地域医療の向上に貢献するとともに、地域の 保健・医療・福祉・介護および行政等と連携協力する。 (医学研究への志向) ・ 医学・医療の進歩と改善に資するために研究を遂行する意欲と基礎的素養を有する。 (自己研鑽) ・ 男女を問わずキャリアを継続させて、生涯にわたり自己研鑽を続ける意欲と態度を有する。 5 4 平成22年度医学教育モデル・コア・カリキュラム改訂のポイント ①基本的診療能力の確実な習得 臨床実習終了時までに到達すべき総合的な診療能力の基礎としての、知識、技能、態度に関 する目標を明確化。 ②地域の医療を担う意欲・使命感の向上 地域医療に関して、入学時から段階的・有機的に関連づけて実施することに効果的に体験を 蓄積していくことが必要であることを記載。 ③基礎と臨床の有機的連携による研究マインドの涵養 「A 基本事項」に「医学研究への志向の涵養」に係る項目を新設。 ④社会的ニーズへの対応 医療安全(患者および医療従事者の安全性確保)の観点、患者中心のチーム医療(医療分野 における多職種連携)の観点 その他(少子高齢化、男女共同参画の促進)へ対応する観点から、記載を充実。 ⑤大学、学会等へ期待する事項 ・卒前の研究室配属などの学生時代から医学研究への志向を涵養する教育や、医療関係者以 外の方の声を聴くなどの授業方法の工夫など、各大学における特色ある取組の実施。 ・より効果的な医学教育方法の確立に向けた、学会等における具体の教育手法や教材開発。 ・基本的臨床能力の習得のため、各大学・大学病院が、臨床実習に参加する学生の適性と質を 保証し、患者の安全とプライバシー保護に十分配慮した上で、診療参加型臨床実習の一層の 充実。 6 医学教育モデル・コア・カリキュラムの記載内容 A 基本事項 3 課題探求・解決と学習の在り方 (3)医学研究への志向の涵養 一般目標: 生命科学や医療技術の成果を生涯を通じて学び、病因や病態を解明する等の医学研究への志向を涵養する。 到達目標: 1) 研究は、医学・医療の発展や患者の利益の増進を目的として行われるべきことを説明できる。 2) 生命科学の講義・実習で得た知識をもとに、診療で経験した病態の解析ができる。 3) 患者や疾患の分析をもとに、教科書・論文等から最新の情報を検索・整理統合し、疾患の理解・診断・治療の 深化につなげることができる。 4) 検索・検出した医学・医療情報から新たな課題・仮説を設定し、解決に向けて科学的研究(臨床研究・疫学研 究・生命科学研究等)に参加することができる。 B 医学・医療と社会 (8)臨床研究と医療 一般目標: 医療の発展における臨床研究の重要性について学ぶ。 到達目標: 1) 副作用報告と有害事象報告の違いを説明できる。 *2) 臨床研究、臨床試験、治験と市販後臨床試験の違いを説明できる。 *3) 研究目的での診療行為に要求される倫理性を説明できる。 *4) 研究デザイン(二重盲検法、ランダム化比較試験、非ランダム化比較試験、観察研究、症例対照研究、コホー ト研究、メタ研究<メタアナリシス>を概説できる。 *5) 診療ガイドラインの種類と使用上の注意を列挙できる。 *6) 薬物に関する法令と医薬品の適正使用に関する事項を列挙できる。 注1)到達目標:学生が卒業時まで(一部は臨床実習開始前まで)に身に付けておくべき個々の実践的能力 一般目標:到達目標を習得することで達成される目標 注2)*:卒業時までに習得すべきレベルの内容。ただし必要に応じて臨床実習開始前から学習すべき内容も含む。 7 研究医養成に関する現状 基礎系の大学院博士課程入学者に占める医師免許取得者の割合が低下している。 専門医取得への志向に比べ、博士号取得の志向は低調。 ◆基礎医学系・臨床医学系の大学院入学者に 占める医師免許取得者(MD)の割合 ◆臨床研修医の専門医志向と、博士号取得志向 の状況 3 2 . 9 % 臨床医学系 大学院MD率 2 5 . 1 % 基礎医学系 大学院MD率 「今後の医学部入学定員の在り方等に関する検討会」(第3回) 東京大学清水(前)医学部長(現副学長)プレゼン資料より 厚生労働省 平成18年度「臨床研修に関する調査」報告:2年次研修医への調査より 8 日本の臨床医学研究の国際競争力は低下している ●医療産業の急成長による技術の進展に伴い、世界的な競争も激化している中、日本は、医薬品・医療機器ともに貿易赤字が 拡大しており、医療イノベーション人材の養成は喫緊の課題 億円 ①医薬品の輸出入 ②医療機器の輸出入 億円 12,000 輸入が急上昇 輸入 輸入 貿易赤字 (1.2兆円) 輸出 8,000 貿易赤字 (0.6兆円) 4,000 輸出 0 1985 1990 1995 2000 2005 2010 ●臨床医学の著名な雑誌に掲載される論文数は、韓国、中国が2倍以上に増加(H15・H22年の比較)している中、日本は激減 ③臨床医学論文数 区分 日本 韓国 中国 平成15年 2,251 294 353 平成16年 2,091 372 359 平成17年 2,109 459 403 平成18年 1,841 496 438 平成19年 1,730 543 554 平成20年 1,598 617 704 平成21年 1,646 711 881 平成22年 (対平成15年増減率) 1,475 (▲34.5%) 715 (143.2%) 962 (172.5%) (独)国立大学財務・経営センター理事長 豊田長康氏、北海道大学医学研究科内科学講座呼吸器内科学 分野教授 西村正治氏による分析(PubMed,Core Clinical Journals 120誌 整数カウント法) 6 研究の意欲と基礎的素養涵養のための取組 各大学で種々の取組が行われてい るものの、医学研究者を養成するに は、さらなる取組の充実が必要 H24医学・歯学教育者のためのワークショップ 参加者アンケートより ※複数回答 ※医学には防衛医科大学校を含む(計80大学) 10 国立大学のミッションの再定義 国立大学についてはミッションの再定義を実施。今回のミッションの再定義を踏まえ、各大学において、附属病院を 軸とした地域の医療機関等とのネットワークを最大限活用しつつ、特色ある取組を推進していくことを期待。 分野ごとの振興の観点(平成26年3月31日 文部科学省高等教育局・研究振興局)(抜粋) 医療・保健分野(医学、歯学、薬学、看護・医療技術分野)については、今後の超高齢社会における医療人としての 使命感・倫理観、専門的な能力や研究マインド・課題発見解決能力等の必要な資質を備えた人材の育成はもとより、そ れぞれの大学が持つ知的資源やネットワークを活用し、教育、研究、診療・実践、地域貢献・国際化といった方向につ いて、特色ある取組を推進する観点から機能強化を図る。特に、高度な医療機能を持つ附属病院と、それを軸とした地 域の医療機関とのネットワークを最大限活用して学部教育、大学院教育、現職者の生涯にわたる研修を通じた人材育成 を強化する。その際、特に大学院で養成する人材のイメージをより明確化する。加えて、学内の理工系や人社系の学 部・研究科、研究所等はもとより、他の大学、研究機関、医療機関、地方公共団体、企業等とのネットワークを強化し、 学際的・実践的な研究、チーム医療を担うために必要となる高いレベルでの多職種連携教育等において特色ある取組を 推進する。 医学・歯学系分野については、超高齢化やグローバル化に対応した医療人の育成や医療イノベーションの創出により、 健康長寿社会の実現に寄与する観点から機能強化を図る。具体的には、診療参加型臨床実習の充実等国際標準を上回る 医学・歯学教育の構築、総合的な診療能力の育成、卒前・卒後を通じた研究医育成を推進する。また、独創的かつ多様 な基礎研究を推進するとともに、分野横断・産学連携を進め、治験・臨床研究推進の中核となり、基礎研究の成果を元 に我が国発の新治療法や革新的医薬品・医療機器等を創出する。地方公共団体と連携し、キャリア形成支援等を通じた 地域医療人材の養成・確保、高度・先進医療や社会的要請の高い医療を推進する。 薬学分野については、基礎から臨床までを通じた世界水準の創薬研究の推進と、薬学教育6年制化の目的である医療人 としての使命感・倫理観と研究マインド・課題発見解決能力を備えた、薬学教育研究を担う人材や医療の現場で先導的 役割を果たす薬剤師の育成を進める観点から機能強化を図る。 看護学・医療技術学分野については、医療・保健系大学の設置が進展する中、地域社会の課題解決に貢献する実践力 の高い地域のリーダー養成はもとより、看護学及び医療技術学の学術的追求を通じ次世代のリーダーとなる教育者・研 究者養成を推進するとともに、大学病院をはじめとした知的資源を活用した学際性・国際性を重視した研究を推進する。 11 12 12 大学・大学院を一貫した教育プログラムの例 大学・大学院一貫した研究医養成のための取組 研究医を目指す学生が、学部から大学院へ途切れなく進むことができるよう、各大学において工夫がなされている。 医学部 1 2 3 卒後臨床研修 4 5 6 2 3 4 5 6 医学部 1 2 2 4 3 D1 D2 ▲ 個別の入学資格審査 医学部 1 1 D2 D3 3 4 5 2 3 D4 臨床研修 D4 5 D1 D2 D3 D4 卒後臨床研修 6 1 2 ▲医師国家試験 大学院博士課程 6 D1 D2 卒後臨床研修 D3 D4 1 2 ▲医師国家試験 卒後臨床研修 4 5 6 Pre-ART 学部在籍中に大学院講義履修、研究開始 ART( Advanced Research Training Program) 専門的な 医学部 D3 医学部 1 2 大学院博士課程 少人数特別教育 岡山大学ART プログラム D1 大学院博士課程 1 東京大学 MD研究者育成 プログラム 2 ▲医師国家試験 従来の 学年進行 MD-PhD コース 1 大学院博士課程 1 2 D1 D2 D3 ▲医師国家試験 D4 大学院博士課程 13 医師臨床研修制度の見直しについて(平成27年度研修より適用予定) -医道審議会医師分科会医師臨床研修部会報告書(概要)- 背景 H25.12.19 ○ 医師臨床研修制度は、医師の基本的な診療能力の修得のため、平成16年度に努力義務から必修化され、まもなく10年。 ○ 今回の見直しは、前回の制度見直し(募集定員の見直し等:平成22年度研修より適用)において、5年以内に見直しを行うこととなってい たこと等を踏まえ、さらなる研修の質の向上、地域医療の安定的確保等の観点から、制度全体的に検討し、必要な見直しを行ったもの。 見直しの概要 研修の質の向上 < 課 題 > ※今回の制度見直しの施行後5年以内に所用の見直しを行う。 < 見 直 し の 方 向 > ・到達目標・評価の在り方は、診療能 力の評価等をさらに考慮する必要。 ・基本理念を踏まえ、基幹型病院、病 院群の在り方を明確化する必要。 ・小規模でも良質な研修な研修が見 込める病院がある。 ・出産育児、研究等のキャリアパスの 多様化に対して柔軟な対応が必要。 <到達目標・評価(→研修診療科、必要な症例の在り方等に反映)> ・次回(平成32年度)見直しに向け、診療能力の評価等の観点から別途検討の場を設け見直す。 <基幹型臨床研修病院の在り方> ・基幹型病院の在り方の明確化。(到達目標の多くの部分を研修可能な環境と研修医及び研修プ ログラムの全体的な管理・責任を有する病院) <臨床研修病院群の在り方> ・頻度の高い疾病等について様々なバリエーションの能力形成が可能となる群の構成が必要。 ・病院群の地理的範囲は、同一都道府県内、二次医療圏内を基本。 <必要な症例> ・基幹型病院の「年間入院患者数3000人以上」基準は維持。 ・3000人に満たない新規申請病院も、良質な研修が見込める場合には、訪問調査により評価。 <キャリア形成支援> ・妊娠出産、研究等の多様なキャリアパスに応じた臨床研修中断・再開の円滑化。 地域医療の安定的確保 ・研修希望者に対する募集定員の割 合が大きく、研修医が都市部に集まり やすい懸念。 ・研修医数は地方で増加傾向である が、地域医療にさらなる配慮が必要。 ・都市部から他県への医師派遣の実 績等も考慮すべき。 ・地域の実情を踏まえ、都道府県が 定員を調整できる仕組みも必要。 <募集定員の設定> ・激変緩和措置(各都道府県募集定員の上限、各研修病院)は、平成26年3月末に終了。 ・研修希望者に対する募集定員の割合を縮小。(約1.23倍→当初1.2倍、次回見直しに向けて1.1倍) ・都道府県上限の計算式を一部見直し。(新たに、高齢化率、人口当たり医師数も勘案) ・各病院の募集定員において、大学病院等の医師派遣の実績をより考慮。 <地域枠への対応・都道府県の役割の強化> ・地域枠、医師派遣等の状況を踏まえつつ、都道府県が、都道府県上限の範囲内で各病院の定 員を調整できる枠を追加。 14 大学における臨床研修に関する留意事項 ① 研修医の大学院への受入れについて 研修医には臨床研修に専念する義務が課せられていますが,臨床研修の到達目標を適切に達成することを前提とした 上で,臨床研修の時間外等を利用して大学院に進学することは可能です。 大学院で研修医を受け入れるに当たっては,当該研修医や研修先の病院ともよく相談し,臨床研修に支障が生じない ようにするとともに,通常の学生と比較して教育研究の質が低下することのないよう,特段の配慮をお願いします。 なお,研究,留学等の多様なキャリア形成のため,臨床研修を長期にわたり休止又は中止する場合には,「中断」と いう手続がある他,医学部を卒業後,まず大学院に進学し,大学院修了後に臨床研修を開始することも可能です。 ② 大学附属病院における地域の病院と積極的に連携した研修の実施について 各大学附属病院におかれては,臨床研修の質を向上し,魅力ある研修を作成する観点から,地域の病院と積極的に連 携した研修を多く実施していることと存じます。 施行通知第2の5(1)ア(イ)には「地域医療との関係等に配慮しつつ,全体の研修期間の半分以上に相当する1 年以上を基幹型臨床研修病院で行うことが望ましいこと。」とされています。これは,基幹型臨床研修病院が,研修プ ログラムの全体的な管理・責任を有する病院であり,自ら全体の研修期間の半分は実施することが望ましいとの観点か ら記載されているものです。地域医療との関係等から配慮が必要な場合には,直ちに1年以上にしなければならないと の趣旨ではありません。 また,施行通知第2の5(1)テ(イ)に「臨床研修病院群を構成する臨床研修病院及び臨床研修協力施設(病院又 は診療所に限る)は,原則,同一の二次医療圏内又は同一の都道府県内にあることを基本とし,それらの地域を越える 場合は,以下のような正当な理由があること。」とされています。これは,臨床研修病院群における緊密な連携を保つ 観点から記載されているものであり,①~③の例示に類するような正当な理由があれば,同一の二次医療圏又は同一の 都道府県を越えることは可能です。 引き続き,施行通知に記載された内容を参考としつつ,魅力ある研修プログラムの作成に御尽力くださるようお願い します。 平成26年4月16日付け文部科学省高等教育局長通知「『医師法第16条の2第1項に規定する臨床研修に関する省令の施行について』等の一部改正について(通知)」より 15 医師養成の改善・充実の方向性 課題 効果・達成目標 文部科学省等における取組 (H23.12全国医学部長病院長会議グランドデザインより) 卒業前の課題 1.入学者選抜 ・各大学のミッションの再設定、アドミッションポリシー等の公表 ・地域枠の効果の検証 等 ①国立大学医学部のミッションの再定義(H24年度) ②地域枠出身医師等の進路調査(全国地域医療教育協議会 にて検討中)への協力 2.臨床実習前教育 ・人間教育、リサーチマインド形成等のための教育充実 ・共用試験合格者を「資格」として認定 等 ③医学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂(H23.3) ④全国医学部長病院長会議における「スチューデントドクター 制」の検討 3.臨床実習 ・診療参加型臨床実習の充実、Advanced OSCEの導入 ・地域基盤型教育の導入による多様な疾患等の学習等 4.医師国家試験の改革 ・知識偏重試験のため、6年次後半が予備校化 等 卒業後の課題 5.初期臨床研修 ・卒前教育と卒後研修の到達目標の精査 ・医学研究者(特に基礎)を養成する視点の欠如 等 6.高度専門医療人の養成 ・大学をローテートするプログラムの構築 等 ・大学自らの能力評価を通じた 医師国家試験の合理化 ⑤「診療参加型臨床実習の充実に向けての提言」をとりまとめ (H24.3 先導的大学改革推進委託事業) ⑥「グローバルな医学教育認証に対応した診療参加型臨床実 習の充実」事業(H24年度~) ・卒前実習の充実による 基本診療能力向上に基づく 初期臨床研修の合理化 ⑦「大学病院間の相互連携による優れた専門医の養成」事業 (H20~24年度) ・高度医療を担う専門医療人の 養成 ⑧「がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン」事業(H24年 度~) 卒業前・ 後にまたがる課題 7.医学研究の振興と大学院の充実 ・MD研究者養成プログラムの構築、指導体制の確立等 ⑨「医学・医療の高度化の基盤を担う基礎研究医の養成」事 業(H24年度~) 8.生涯教育 ・学部教育、卒後を一貫した医師養成プログラムの提供 ⑩「未来医療研究人材養成拠点形成事業」(H25年度~) 【テーマA】メディカル・イノベーション推進人材の養成 【テーマB】リサーチマインドを持った総合診療医の養成 9.総合診療及び救急医療の教育充実 ・総合診療部門の充実 ・救急医療、産科、小児科等の活力向上 等 ・優れた入学者の確保 ・社会の期待に応える優れた医 師の養成 ・真の診療参加型臨床実習の 実施(時間数、内容とも) ・イノベーション創出を担う基礎 研究医、臨床研究医の養成 ・大学と地域医療機関等の連 携による優れた総合診療医等 の養成 ⑪「周産期医療に関わる専門的スタッフの養成」事業(H21年 度~) ・世界基準の医学教育評価シ ステムの構築 10.医学教育の分野別認証 ・卒前医学教育に特化した評価システムの構築 等 ⑫「医学・歯学教育の認証制度の実施」事業(H24年度~) 11.キャリア・ディベロップメント等 ・キャリア教育の構築、医師全体の過重労働の軽減 等 ⑬医学部入学定員の増員( H20年度~) ⑭定員増に伴う教育環境の整備に対する支援(H20~) ・地域の医療ニーズに対応した 人材養成による、医師の地域 偏在、診療科偏在の解消への 貢献 ⑮「大学病院における医療支援人材確保事業」(医師事務作 業補助者、地域・へき地医療支援人材の雇用等)( H21年度 ~) ⑯「チーム医療推進のための大学病院職員の人材養成シス テムの構築」事業( H23年度~) チーム医療・役割分担の推進 や女性医師の活躍支援等によ る医師全体の過重労働の軽減 12.教育環境の整備 ・定員増に見合う教員と設備の充実 等 13.医師の地域偏在と診療科偏在の解消 ・増員した定員の維持 ・地域単位で医師の養成を図る仕組みの構築 等 16 先進的医療イノベーション人材養成事業 平成26年度予算額 39億円 (平成25年度予算額 44億円) 課 題 我が国が抱える様々な医療課題を解決し、国民に提供す る医療水準を向上させるためには、大学における研究マイ ンドを持った次世代医療人材の養成が必要 対 応 左記の課題に対応するためには、高度な教 育・研究・診療機能を有する大学・大学病院 における高質で戦略的な人材養成及び拠点の 形成が必要 我が国の喫緊の医療課題(先進医療、高齢者医療、がん医療) 科学技術基本計画(H23.8.19閣議決定)(抄) ○我が国では世界で最も急速に高齢化が進行しており、今後ますます深刻とな る医療、介護の問題について、個人の人生観や死生観を尊重しつつ、その解決 の方策を見出すことが喫緊の課題 〇がん患者や高齢者の終末期における精神的、肉体的苦痛を取り除く緩和医 療に関する研究を推進 がん対策基本法(H18.6)(抄) <基本理念> ◇未来医療研究人材養成拠点形成事業 平成26年度予算額:20億円 ●メディカル・イノベーション人材の養成 ●リサーチマインドを持った総合診療医の養成 ○がんに関する専門的、学際的又は総合的な研究を推進、がんの予防、診断 、治療等に係る技術の向上 ○がん患者がその居住する地域にかかわらず等しく科学的知見に基づく適切な がん医療を享受 ○本人の意向を十分尊重してがんの治療方法等が選択されるようがん医療を 提供 <専門的な知識及び技能を有する医師その他の医療従事者の育成> ○手術、放射線療法、化学療法その他のがん医療に携わる専門的な知識及び 技能を有する医師その他の医療従事者の養成 ◇がんプロフェッショナル養成基盤推進プラ ン 平成26年度予算額:19億円 ●がんの先端研究や高度医療を担う専門医療人の 養成 17 未来医療研究人材養成拠点形成事業 (テーマA)メディカル・イノベーション推進人材の養成 課題 ◇医療の更なる高度化・効率化や治療法が未確立な疾患への対応 ◇従来の医学・医療の枠組みでは捉えきれない学際領域のニーズが増大 ◇健康・医療の分野は我が国の成長分野として位置づけられており、世界に日本の健 康・医療関連産業を展開して国富の拡大に繋げることが期待 対応 ◇各大学が理念や強み、特色、地域性等を活かして、世界の最先 端医療の研究・開発等をリードし、将来的にその成果を国内外に普 及できる実行力を備えた人材(イノベーションを推進できる人材)を 養成 ※「事業のイメージ図」はあくまでも例ですので、各大学の自由な発想で優れた事業計画を立案してください。 事業のイメージ図 大学 <アウトプットの例> ●メディカル・イノベーション推進人材を養成 するための教育プログラム・コースを設定 初期研修 医学部 臨床研究センター 後期研修 教育に 参加 研究の動機付け・導入教育 医学以外の学部 (工学、農学、情報、経済等) ○医学教育のパラダイムシフト (例) 基礎・臨床教育 ↓ 基礎・臨床・イノベーション教育 インテンシブコース (学部、大学院、臨床研修いずれでも可) 知財管理センター ○医療の高度化等に貢献できる人材 医学博士 医科学 修士 ○医療関連産業を活性化できる人材 産学連携推進室 ■研究遂行能力修得に関する教育 ■研究・開発の実践的な場での教育 ■医療イノベーションの実践教育 ○研究成果を世界展開できるマインド を持った人材 ■学内が一体となった教育体制 ■民間等の人材を活用した教育体制 ■医学生・男女医師のキャリア教育 連 携 ○男女医師のキャリア形成 連 携 連 携 教育に 参加 民間企業 海外の医療関連機関 地方自治体 取組例① 取組例② 取組例③ 取組例④ 境界領域の革新的な研究を担う「分野融合 型イノベーション人材の養成」 地域発のイノベーション創出(地域の医療 特性を踏まえた研究等)を担う「地域基盤型 イノベーション人材の養成」 海外武者修行等による国際的に活躍でき る「グローバル型イノベーション人材の養 成」 (各大学の自由な発 想でご検討ください) 18 未来医療研究人材養成拠点形成事業 (テーマB)リサーチマインドを持った総合診療医の養成 課題 ◇急速な高齢化の進展が見込まれるなか、「医療」「介護」「予防」「生活支援」「住まい」の5つの要素を柱 とした「地域包括ケアシステム」が各市町村で実現できるかどうかが新たな課題 ◇特に、医療面では、高齢者に対して、多様な医療(総合診療、在宅医療、認知症対応、緩和ケア、在宅 看取り等)を包括的かつ柔軟に提供することが必要 ◇さらに、高齢社会に伴う医療ニーズの変化に対応し得るリサーチマインドを持ち、医療の進歩と改善に 資する臨床研究を遂行できる医師が必要 対応 ◇各大学が理念や強み、特色、地域性等を活かして、 地域の医療機関や市町村等と連携しながら、将来の 超高齢社会における地域包括ケアシステムに対応 できるリサーチマインドを持った優れた総合診療医 等を養成 ※「事業のイメージ図」はあくまでも例ですので、各大学の自由な発想で優れた事業計画を立案してください。 事業のイメージ図 大学 <アウトプットの例> ●総合診療医を養成するための教育 プログラム・コースを設定 (学部、大学院、臨床研修いずれでも可) 初期研修 医学部 臨床実習 ○医療のパラダイムシフト (例) 専門医療 ➝ 専門医療・総合診療 入院・外来医療 ➝ 入院・外来・在宅医療 インテンシブコース (再教育プログラム等) 後期研修 医学博士 ■総合的な臨床推論能力・診断能力修得のための教育 ■地域・在宅の場を活用した教育 ■他領域から総合診療医移行のための再教育 ■地域医療ニーズに対応した人材養成 ■総合診療の指導医を養成 ■地域医療人等を活用した指導体制 ■医学生・男女医師のキャリア教育 ○地域包括ケアに貢献できる人材 ・総合的な診療能力を持った人材 ・全人的医療ができる人材 ・高齢者医療ができる人材 ・多職種連携・チーム医療・リーダーシップの とれる人材 ○男女医師のキャリア形成 介護・福祉施設 指導医 研修医 医学生 関連企業・団体等 市町村等 市町村等医師会 地域医療機関 取組例① 充実した機能を持つ大学病院総合診療部 を活用した総合診療医の養成 生活の場 取組例② 在宅医療(地域包括ケア)に重点を置いた 総合診療医の養成 取組例③ 取組例④ 老年医学・予防医学等に関する研究に貢 献する総合診療医の養成 (各大学の自由な発 想でご検討ください) 19 未来医療研究人材養成拠点形成事業 取組拠点の選定について 【未来医療研究人材養成推進委員会 委員名簿】 秋山 正子 池田 ◎ 大島 桐野 小森 近藤 康夫 伸一 高明 貴 達也 株式会社ケアーズ代表取締役 白十字訪問看護ステーション統括所長 早稲田大学理工学術院教授 国立長寿医療研究センター総長 独立行政法人国立病院機構理事長 公益社団法人日本医師会常任理事 独立行政法人医薬品医療機器総合機構理事長 ◎は委員長、○は副委員長 堺 常雄 ○ 猿田 享男 辻 哲夫 津田 喬子 豊田 長康 福井 次矢 古屋 彩夏 一般社団法人日本病院会会長 公益財団法人医療研修推進財団理事長 東京大学高齢社会総合研究機構特任教授 名古屋市立東部医療センター名誉院長 鈴鹿医療科学大学長 聖路加国際病院長 JR東京総合病院小児科医長 (五十音順 敬称略 計13名) 「未来医療研究人材養成推進委員会」所見 平成25年8月7日 このたび、本委員会において、本年6月に申請のあった97件の事業のうち、事業の構想(全体の理念や概要、将来を見据えた人材養成像等) 及び事業の実現可能性(実施体制、評価体制等)等について審査を行い、25件の事業を選定しました。いずれもよく練られた優れた事業であり、 これらの事業が計画どおりに実行されれば、本事業の趣旨に沿った優れた人材が多数輩出され、国内外の医学・医療の発展や課題解決に向 けて大いに活躍されるものと期待しています。 そのためにも、選定された各大学に対して、以下のことを要望します。 ① 医療のパラダイムシフトの契機となるよう、従来の固定観念にとらわれることなく新たな発想で事業を実行すること。 ② 事業期間中のアウトプット、アウトカムを年度ごとに明確にし、達成状況の工程管理を行うこと。 ③ 事業の実施にあたっては、一部の教員や一部の組織のみで実施するのではなく、学長・学部長等のリーダーシップのもと、全学的な実施 体制で行うこと。また、事業の責任体制を明確にすること。 ④ 事業期間終了後も各大学において事業を継続されることを念頭に、具体的な補助期間終了後の事業継続の方針・考え方について検討 すること。 ⑤ 成果や効果は可能な限り可視化したうえで社会に対して分かりやすく情報発信すること。また、他大学の参考となるよう、特色ある先進 的な取組やモデルとなる取組について、導入に至る経緯や実現するためのノウハウ、留意点、ポイント等についても情報発信すること。 また、優れた事業や特色ある事業でありながら、残念ながら選定にいたらなかった事業も多数ございました。選定されなかった各大学におかれ ても、本事業の趣旨をいかした医療人養成のための取組を可能な限り推進していただくことを強く期待しております。 20 未来医療研究人材養成拠点形成事業 選定結果 【テーマB】リサーチマインドを持った総合診療医の養成 【テーマA】メディカル・イノベーション推進人材の養成 申請件数:38件 No 区分 申請担当大学名 選定件数10件 連携大学名 申請件数:59件 事業名 1 国 群馬大学 地域オープンイノベーションR&D人材養成 ~医療開発研究のスタートからゴールまでを一貫する産官学連 携教育・研究プログラム~ 2 国 千葉大学 未来医療を担う治療学CHIBA人材養成 No 区分 選定件数15件 申請担当大学名 連携大学名 事業名 1 国 東北大学 コンダクター型総合診療医の養成 2 国 筑波大学 次世代の地域医療を担うリーダーの養成 3 国 千葉大学 超高齢社会に対応する総合診療医養成事業 ~地域と大学でロールモデルを継続的に育てる仕組みを作る ~ 新しい大学-地域間連携での研究人材育成 3 国 東京大学 臨床発実用化マネジメント人材養成拠点 4 国 東京大学 国 新潟大学 新潟医療福祉大学 オール新潟による『次世代医療人』の養成 新潟薬科大学 4 IQ・EQ両者強化によるイノベーター育成 ~IQ(高い知能・技能)とともにEQの強化を基点とした、医療現 場の変革を可能にするイノベーターの育成とイノベーション文化 の醸成~ 5 東京医科歯科大 国 学 6 国 富山大学 地域包括ケアのためのアカデミックGP養成 国 金沢大学 第三の道:医療革新を専門とする医師の養成 7 国 三重大学 三重地域総合診療網の全国・世界発信 8 国 大阪大学 地域に生き世界に伸びる総合診療医養成事業 ~超高齢社会を切り拓くリーダー型高度医療人養成~ 9 国 島根大学 10 国 岡山大学 11 国 九州大学 12 国 長崎大学 13 公 札幌医科大学 14 公 名古屋市立大学 15 私 5 6 国 大阪大学 国際・未来医療のための人材養成拠点創生 7 国 鳥取大学 革新的未来医療創造人材の養成 ~鳥大発独自教育プログラム「発明楽」の実践~ 8 国 九州大学 9 国 長崎大学 10 私 東京女子医科大 学 福岡大学 久留米大学 産業医科大学 イノベーションを推進する国際的人材の育成 ~アジアの表玄関における4大学双方向性教育連携~ 「医工の絆」ハイブリッド医療人養成コース ~出島マインドで医療ものづくり~ 医療機器実用化の為の突破力促成プログラム ~臨床と医理工教育を複合させたイノベーション人材育成環境 の創出~ 東京慈恵会医科大 学 神戸大学 兵庫医科大学 地方と都会の大学連携ライフイノベーション 地域を支え地域を科学する総合診療医の育成 長崎純心大学 地域包括医療に邁進する総合診療医育成 ~九州大学総合診療科を活用した総合的臨床とヘルスサー ビスリサーチ教育プログラム~ つなぐ医療を育む先導的教育研究拠点の構築 ~人と人、場と場、ケアとリサーチをつなぐ総合診療医の養成 ~ 北の地域医療を支える総合診療医養成プラン 名古屋学院大学 名古屋工業大学 地域と育む未来医療人「なごやかモデル」 卒前から生涯学習に亘る総合診療能力開発 ~地域における臨床研究の推進を目指して~ 21 がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン 平成26年度予算額 19億円 課題 ・がんは、わが国の死因第一位の疾患であり、国民の生命及び健康にとって重大な問題となっている現状から、「がん対策基本法」が制定( H19.4施行)。 ・この基本法の中で、手術、放射線療法、化学療法その他のがん医療に携わる専門的な知識・技能を有する医師その他の医療従事者の育成が 求められている。 対応策 ・本事業では、複数の大学がそれぞれの個性や特色、得意分野を活かしながら相互に連携・補完して教育を活性化し、がん専門医療人養成 のための拠点を構築する。 ※1 各大学は、下記の①~③のいずれかに該当するコースを開設。 <連携のイメージ(例)> ①がん研究者養成に重点を置くコース A大学 dコース eコース 連携・ 補完 将来、がんに関する新たな診断・治療法や看護法、医薬品・医療機器の開発研究等を担う、高度な研究 能力を有するがん研究者の養成を主目的とするコース。 【取組例】海外の機関との国際連携教育、MD-Ph.Dコースによる学部・大学院一貫がん教育、製薬企業や 理工系大学院等との連携教育、などを導入したコース 連携・ 補完 B大学 fコース ②がん教育改革によるがん専門医療人養成に重点を置くコース C大学 gコース 従来とは異なる教育手法の導入等の教育改革により、がんに関する国際的な視野を持った指導者や臨 床現場でのリーダーをはじめとした、優れたがん専門医療人の養成を主目的とするコース。 【取組例】多職種連携教育、初期研修と大学院の両立、連携大学との単位互換、全国規模のE-learning、 などを導入したコース 連携・補完 ※2 コーディネーターを配置し、他大学・他学部 ・地域医療機関・製薬企業等との調整を行う。 ※3 支援期間(5年間)終了後も、恒常的に事 業を実施できる体制基盤を確立する。 ③地域がん医療に貢献するがん専門医療人養成に重点を置くコース 地域医療機関との連携等により、地域のがん医療の質向上や医師等の確保など、地域がん医療に貢献 する優れたがん専門医療人の養成を主目的とするコース。 【取組例】医師等不足地域での研修、がん在宅医療研修、地域医療人の生涯教育、地域の休業中医師・ 看護師等の復帰教育、地域に定着するための教育上の工夫、 などを導入したコース 成果 22 ・高度ながん研究、がん医療等を実践できる優れたがん専門医療人を育成し、わが国のがん医療の向上を推進 がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン拠点マップ(15拠点) 札幌医科大学 【参加大学数】 H26年度 100大学 東北大学 山形大学、福島県立医科大学、 新潟大学 北海道大学、旭川医科大学、 北海道医療大学 岡山大学 川崎医科大学、広島大学、 山口大学、徳島大学、 徳島文理大学、香川大学、 愛媛大学、高知大学、 高知県立大学 金沢大学 筑波大学 富山大学、金沢医科大学、 石川県立看護大学、福井大学 茨城県立医療大学、獨協医科大 学、群馬大学、群馬県立県民健康 科学大学、埼玉医科大学、千葉大 学、日本医科大学 京都大学 九州大学 三重大学、滋賀医科大学、 京都薬科大学、 大阪医科大学 久留米大学、産業医科大学、 福岡大学、福岡県立大学、 佐賀大学、長崎大学、熊本大学、 大分大学、宮崎大学、 鹿児島大学、琉球大学 東京大学 自治医科大学、東邦大学、 横浜市立大学 東京医科歯科大学 弘前大学、秋田大学、東京医科大学、 東京工業大学、東京薬科大学 慶應義塾大学 近畿大学 大阪市立大学、大阪府立大学、 関西医科大学、神戸大学、 兵庫医科大学、神戸市看護大学 国際医療福祉大学、東海大学、 東京歯科大学、首都大学東京 聖路加国際大学、北里大学、 聖マリアンナ医科大学、山梨大学、 信州大学 名古屋大学 岐阜大学、浜松医科大学、 名古屋市立大学、愛知医科大学、 藤田保健衛生大学、名城大学 大阪大学 京都府立医科大学、大阪薬科大学、 兵庫県立大学、神戸薬科大学、 奈良県立医科大学、和歌山県立医科大学 東京女子医科大学 杏林大学、帝京大学、 駒澤大学 順天堂大学 岩手医科大学、東京理科大学、 明治薬科大学、立教大学、 鳥取大学、島根大学 23 大学・大学院及び附属病院における人材養成機能強化事業 平成26年度予算額 15億円 (平成25年度予算額 13億円) 大学改革推進等補助金 背景・課題 ○ 健康長寿社会の実現には、高度な医療提供体制の構築が必要であり、医療安全管理や感染制御等の病院基盤部門等 を担う医師等の養成や体制の充実、高度な知識・技術を有する医師等の養成が必要。また、高度な医療提供を支援する 看護師・薬剤師等のメディカルスタッフの養成が必要。 ○ 我が国の医学教育では、基礎医学を志す医師の減少に伴う基礎医学教育・研究の質の低下や、諸外国に比べて期間・ 内容ともに不十分とされている臨床実習の充実が喫緊の課題。 ○ 医師不足や医療の高度化を背景に、医療の効果的、効率的な提供を目的とするチーム医療の推進が医療全体の課題。 対応・内容 【対応】○ 医療の高度化等に対応するため、優れた専門医療人材(医師、歯科医師、看護師、薬剤師等)を養成するとともに教育 体制の充実を図る。 1,000,000千円【新規】 【内容】 ○ 課題解決型高度医療人材養成プログラム ◆医師・歯科医師を対象とした教育プログラム @50,000千円 ×14件 ◆看護師・薬剤師等を対象とした教育プログラム @25,000千円 ×12件 ○ 基礎・臨床を両輪とした医学教育改革によるグローバルな医師養成 291,600千円 ◆医学・医療の高度化の基盤を担う基礎研究医の養成 @16,200千円 ×10件 ◆グローバルな医学教育認証に対応した診療参加型臨床実習の充実 @8,586千円 ×10件 ◆医学・歯学教育認証制度等の実施 (医) @29,160千円 ×1件 ,(歯) @14,580千円 ×1件 ○ 専門的看護師・薬剤師等医療人材養成事業 25,982千円 ◆高度な実践能力を備えた質の高い看護専門職の養成 @5,507千円 ×1件 ◆実務実習指導薬剤師の育成を通じての臨床能力に優れた薬剤師の養成 @4,275千円 ×1件 ◆看護系大学教員養成機能強化事業 @16,200千円 ×1件 ○ 周産期医療に関わる専門的スタッフの養成 @27,702千円 ×3件= 83,106千円 ○ 看護師の人材養成システムの確立 @17,315千円 ×4件= 69,260千円 ○ 社会から求められる多様な医療ニーズに対応できる優れた専門医療人材の養成 ○ 医療の安全確保や質の向上を図るための大学病院の体制強化 ○ 質の高い医療関連職種の養成・活用促進 政策目標 24 医学・医療の高度化の基盤を担う基礎研究医の養成 平成26年度予算額 1.6億円(10件×16,200千円) 基礎系に進学する医師(基礎系MD)は極めて少なく、基 礎医学は崩壊の危機。 (MD:医師免許を持つ者) 対応 魅力ある基礎研究医養成プログラム構築等の教育 改革が必要 <取組例>※あくまでも例です。 ②ユニット型教育システムの構築 ①医学生の研究マインドをシームレスに大学院につなげる教育プロ グラムの実施 ◇研究の空白期間を作らず、学部・大学院を一貫した教育プログラムを実施 ◇学部教育段階で研究室配属、大学院講義履修等、基礎研究への動機付け 従来の 学年進行1 学部 1 2 3 4 6 1 ポスドク・助教 博士課程 卒後臨床研修 5 2 D1 D2 D3 D4 学部生・ 大学院生 研究の空白期間 従来の 学年進行2 学部 1 2 3 4 研究テーマ① 博士課程 5 6 1 2 後期研修 D1 D2 D3 D4 博士課程 学部 1 2 3 学部 4 D1 D2 D3 D4 5 1 2 3 4 5 6 D1 D2 D3 D4 視野。 2 3 4 ③その他 ・優秀な学生に対して海外の先進的な大学への短期留学による研究活動の実施 によりモチベーションアップ。 ・休職中の女性医師を基礎医学へ誘導するためのプログラム。 ・学部在席時から学会発表や論文発表の必修化。 ・入学者選抜時における基礎研究志望者の確保。 ・臨床系大学院との連携による基礎系への転向・回帰を誘導。 ・製薬会社等民間企業との連携・協力。 ・出前講義、シンポジウム等による学生や社会への基礎研究の魅力の普及啓発。 2 博士課程 卒後臨床研修 学部 1 1 5 6 1 2 D1 D2 D3 D4 研究への動機付け 研究テーマ③ 2 卒後臨床研修 研究への動機付け プログラム 例3 1 ▲個別の入学資格審査 学部 プログラム 例2 卒後臨床研修 6 研究テーマ② ◇ポスドク・助教等若手研究者を雇用し、研究テーマ毎にユニットを構成し、学 部生・大学院生に対するきめ細かい教育・研究指導を実施。 ◇ポスドク等の雇用はコース修了者の受け皿となるほか研究リーダーとしての若手 育成が期待でき、キャリアパスの構築に貢献。さらには、テニュアトラック制の導入を 研究の空白期間 プログラム 例1 教授・准教授 ユニット 博士課程 成果 基礎医学教育者の増加 優れた基礎研究医 の増加 基礎研究・橋渡し研究・臨床研究・ 創薬・医療機器産業の活性化 25 (A)医学・医療の高度化の基盤を担う基礎研究医の養成選定一覧 No 大学名 区分 プログラム名称 養成する専門分野 1 東北大学 国立 世界で競い合うMD研究者育成 プログラム 基礎医学及び社会医学全般 2 群馬大学 国立 卒前・卒後一貫MD-PhDコース 解剖学、生理学、生化学、薬理学、細菌・ウィルス・寄 生虫学、衛生・公衆衛生学、病理学、法医学 3 東京医科歯科大学 国立 シームレスな次世代研究者養 成プログラム 基礎医学全般 4 山梨大学 国立 リエゾンアカデミー研究医養成 プログラム 社会医学を含む基礎医学/生命科学全般 5 滋賀医科大学 国立 産学協働支援による学生主体 の研究医養成 解剖学、生理学、生化学、薬理学、病理、法医学、公 衆衛生学全般 6 神戸大学 国立 基礎・臨床融合による基礎医学 研究医の養成 基礎医学分野全般 7 愛媛大学 国立 医学科大学院からの基礎研究 医養成コース 基礎医学全般 8 熊本大学 国立 柴三郎プログラム:熊本発 基 礎研究医養成 発生学、再生医学、組織・解剖学、エイズ学、ウイルス 学、細菌学、免疫学、病理学、代謝・循環基礎医学、 生理学、生化学、薬理学 9 札幌医科大学 公立 死後画像診断力のある死因究 明医養成プラン 法医学、診断病理学、放射線診断学 10 順天堂大学 私立 基礎研究医養成のための順天 堂型教育改革 解剖学、生理学、生化学、細菌学、寄生虫病学、免疫 学、薬理学、病理学、衛生学、公衆衛生学、法医学 26 「医学・医療の高度化の基盤を担う基礎研究医の養成」 コース別受入れ人数 文部科学省医学教育課調べ( H26.2.1現在 ) No 大学名 プログラム名 H25年度履修者人数 コース名称 学部 大学院 合計 1 東北大学 世界で競い合うMD研究者育成プロ 研究成果展開コース グラム 24 - 24 2 群馬大学 卒前・卒後一貫MD-PhDコース 卒前・卒後一貫MD-PhDコース 31 2 33 3 東京医科歯科大学 シームレスな次世代研究者養成プ ログラム 研究実践プログラム 25 - 25 7 1 8 4 山梨大学 リエゾンアカデミー研究医養成プ ログラム 16 - 16 研究医養成コース(公衆衛生学コース) 2 - 2 研究医養成コース(法医学コース) 1 - 1 研究医養成コース(病理学コース) 2 - 2 研究医養成コース(分子医科学コース) 4 - 4 5 滋賀医科大学 産学協働支援による学生主体の研 究医養成 研究者養成コース リエゾンアカデミー研究医養成コース 6 神戸大学 基礎・臨床融合による基礎医学研 究医の養成 基礎医学研究医育成コース 14 - 14 7 愛媛大学 医学科大学院からの基礎研究医養 成コース 医学科大学院制度からの富士山型基礎研究 医養成コース 41 4 45 8 熊本大学 柴三郎プログラム:熊本発 基礎 研究医養成 柴三郎コース - 2 2 12 - 12 9 札幌医科大学 死後画像診断力のある死因究明医 養成プラン 死因究明医専修プログラム 4 1 5 基礎研究医養成のための順天堂型 教育改革 基礎医学研究者養成コース(Aコース) 1 - 1 順天堂大学 基礎・臨床統合型研究者養成コース(B コース) 56 - 56 240 10 250 10 プレ柴三郎コース 計 27 「医学・医療の高度化の基盤を担う基礎研究医の養成」事業の効果等の例(平成25年度) ※事業推進責任者等へのアンケート調査(H26.2)より(8大学から回答) 事業の実施前後で最も大きく変わった点 最も大変だった点、その際に工夫した点 ・学生の国内外の学会発表・論文発表等が大幅に増加。(東 北、群馬、愛媛) 【学生確保のための方策】 ・学生の短期留学への支援が可能になった。(山梨) ・学生発掘のため、新たに学士編入生に対する説明会を実施。 (滋賀医科) ・1年生で放課後や休日に研究を実践する学生が現れた。(熊 本) ・多くの学生が参加できるよう長期休暇や土曜日に集中講義 等を実施。(順天堂) ・入学前に本事業を知り、医学研究者を目指して入学する学生 も現れた。(順天堂) 【プログラム運営上の工夫】 ・学生の研究費を支援するため、法人の自主財源を充当。(愛 媛) その他の留意点、ポイント等 ・大学を超えた医学生等の交流会は、学生の刺激になった。 (東北、熊本) ・研究に興味を持つ医学生が想像以上に多かった。(山梨) ・参加者を広く募って裾野を広げるとともに、本格的に研究者 を目指す学生には重点的に支援するのが良い。(順天堂) ・プログラムに参加して学業成績が上がった学生がいる。(順 天堂) ・タイトな学部カリキュラムの下、ランチタイムの活用により運 営しやすくなった。(滋賀医科) ・演習ではe-learningと学生の個別面接を適宜併用した。(札幌 医科) 【大学院・初期研修の同時並行への対応】 ・大学院1~2年次の授業料相当の奨学金は、学部長裁量経 費を財源にした。(群馬) ・大学院の勉学と初期研修の進捗の管理が大変であったが、 28 指導医と定期的に密に意見交換を行った。(熊本) 国公私立大学病院臨床研究(治験)コーディネーター養成研修 人 2,000 1,800 修了者合計 1,600 1,772 1,689 1,608 1,541 1,459 1,379 1,271 1,159 1,056 1,772人 1,400 1,200 947 1,000 731 800 600 481 614 333 400 200 826 185 0 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 ○目的:高度な医療の提供・開発を担う国公私立大学病院において、質の高い治験を倫理的な配慮 のもとに科学的に適正かつ円滑に進めるため、被験者との調整を行い、治験責任医師等を 支援するCRCを養成する。 ○対象:国公私立大学病院に勤務する薬剤師・看護師等で、治験関連業務経験が3年未満の者、 又は、今後担当する者。 ○内容:5日間の集中講義、グループワーク 等。 ○実績:平成10年から平成25年まで16回開催、修了延べ人数 1,772人。 ※平成21年度までは文部科学省主催。平成22年度からは東京大学主催、文部科学省後援。 ※平成19年度までは国公私立大学病院治験コーディネーター養成研修の名称で開催。 29 【参考】臨床研究コーディネーター(CRC)養成数の推移 日本病院薬剤師会・日本看護協会・日本臨床衛生検査技師会・ 文部科学省・厚生労働省による研修の参加者の累計 8000 7000 全国治験 活性化3カ 年計画 (1年延長) 6000 5070 5000 4524 4000 3877 5540 5992 6363 6708 7268 6964 新たな治験活 性化5カ年計画 3178 3000 2468 2000 1000 524 999 1449 1920 臨床研究・ 治験活性 化5か年計 画2012 0 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 30 2.医療分野における昨今の動向について (1)健康・医療戦略推進法案及び 独立行政法人日本医療研究開発機構法案の概要 31