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原則編に対して、こちらは各技のポイントを詳しく示すことで、より実践的に

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原則編に対して、こちらは各技のポイントを詳しく示すことで、より実践的に
詳細各論
原則編に対して、こちらは各技のポイントを詳しく示すことで、より実践的に
利用できるように編集した章です。
効果的な利用の仕方
技の上達は、守るべき簡単なポイントさえ外さなければ、稽古時間に比例します。ポイント自
体は稽古場などで、よく聞くことができるし、その場では簡単なのですが、私が指導をしていて
気付くことは、次に稽古するまでにポロポロと忘れてしまっている人が非常に多いことです。ポ
イントの量が多いことが原因でしょう。メモをここの余白に取っておけば、次は大丈夫でしょう。
そういう積み重ねを確実に行うことが、早くうまくなる秘訣です。
また、上の級の技は、初級の技(5~3級)の組み合わせであることが多いので、その技自体
のポイントは少ないです。しかし必要に応じて、関連する初級の技の項を参照して利用して欲し
いと思います。基礎のつまずきが応用力の頭打ちを引き起こしますので、丁寧に学んでください。
イラストについて
1級までの30体技ほぼ全てに対してイラストを付けました。また審査基準外の技についても、
挑戦してみました。あまり稽古する機会が無いでしょうから、基準外の技は特に詳しく解説しま
した。すぐ使用出来るように「氣の流れ」を添加したものは本書に、実際の稽古で発見したこと
を各自書き留められるような「シェイプのみ」は別冊(Workbook)に載せてあります。全ての
イラストには『通し番号』をつけてあり、別冊の「シェイプのみ」にも対応しています。また『手
引き』全体で統一してあるので効率良く使用出来ると思います。橘木氏(技イラスト担当)渾身
の作品であるので、十分活用して欲しいと思います。
「氣の流れ」について
「氣の流れ」については3種類に分類して記しました。
①自分の氣(作用・移動・意識)の流れる方向については【黒矢線】
、
②相手の氣(作用・移動・意識)の流れる方向については【白矢線】
、
③自分と相手の氣の合成によって、実際に反映される動き(氣の流れ)については【斜線矢印】
、
せ い か たんでん
として表しました。また臍下丹田の位置には【白丸】を用い、脱力して氣を入れる(折れない腕
様)必要がある部位には【アローヘッドを持たない白線】を被せました。
【Comment】
Comment】
補足になりますが私自身がモデルをさせてもらいました。実際に技を掛けたところをデジカメ
で撮影し、それを正確にトレースしました。それによって体勢から重心の位置を、指先の細かい
形状から効果的なキメを学ぶことができます。うまくなるためには、うまい人の形を細かいとこ
ろまで観察し、寸分違わず真似ることが一番の近道です。それを自習可能にしました。
各技の動きの中で、重要な瞬間をイラストとして、抜粋しています。初心者はまずここを真似
て自分のものにしてください。通し番号をつけたポイントに注意しながら、イラスト上にあるベ
クトルを再現してみる。その際ベクトルの解説も利用する。このセクションは非常に内容が濃く、
冊子を愛用している多くの先輩が言うように、卒業まで目を通すことになると思います。
技シェイプ
検定基準全30体技と、一部検定外の技も掲載しました。十分活用して欲しいと思いま
す。もちろんバイブルの方には全解説を載せてあるので、そちらも参照して欲しいです。
対応表においては、技の名前から、一目でイラストの検索が出来るようにしました。技
五 であれば『5級の技』であることを示していますし、○
外 であれ
の前の数字は、例えば○
ば『検定外の技』という意味を表しています。
Workbook は稽古場、Bible は自宅にて使用すれば効率が良いと思います。
【対応表】
五 片手交差取り呼吸投げ(fig.1.2)
○
一 片手取り両手持ち呼吸投げ(八の字) (fig.35)
○
五 片手取り転換呼吸投げ(fig.3.4.5.6.7)
○
一 横面打ち小手返し(円運動) (fig.36)
○
四 肩取り一教 (fig.8.9.10.11)
○
一 横面打ち呼吸投げ(八の字) (fig.37)
○
四 胸突き小手返し (fig.12)
○
一 正面打ち小手返し (fig.38)
○
四 横面打ち四方投げ (fig.13.14.15)
○
一 正面打ち一教
(入り身・転換) (fig.39)
○
四 正面打ち呼吸投げ (fig.16)
○
一 後ろ手首取り小手返し (fig.40)
○
三 肩取り二教 (fig.17)
○
一 後ろ手首取り一教 (fig.41.42)
○
三 肩取り三教 (fig.18)
○
外 杖技 (fig.43.44.45.46.47.48)
○
三 肩取り四教 (fig.19)
○
外 剣技 (fig.49.50.51)
○
三 横面打ち呼吸投げ(前方投げ) (fig.20)
○
外 胸突き肘面打ち (fig.52)
○
三 両手持ち呼吸投げ (fig.21)
○
外 横面打ち巻き込み (fig.53.54)
○
二 後ろ手首取り呼吸投げ (fig.22)
○
外 片手取り両手持ち二教 (fig.55)
○
二 後ろ手首取り首締め三教投げ (fig.23)
○
外 横面打ち切り返し (fig.56.57)
○
二 天地投げ(fig.24.25)
○
外 正面打ち切り返し(fig.58)
○
二 後ろ取り呼吸投げ (fig.26)
○
外 逆手持ち五教(fig.59.60.61.62)
○
二 片手取り両手持ち呼吸投げ (fig.27)
○
外 後ろ肩取り呼吸投げ(前方投げ)
○
一 坐技半立ち正面打ち呼吸投げ (fig.28)
○
(fig.63)
一 坐技半立ち胸突き小手返し(固め) (fig.29)
○
外 呼吸動作(fig.64.65)
○
一 坐技半立ち横面打ち呼吸投げ(前方投げ)
○
外 短刀(fig.66)
○
(fig.30)
一 胸突き呼吸投げ(前方投げ) (fig.31)
○
一 胸突き呼吸投げ(素通り) (fig.32)
○
一 胸突き呼吸投げ(回転投げ) (fig.33)
○
一 片手取り両手持ち小手返し (fig.34)
○
~片手交差取り呼吸投げ~
(Fig.1.2)
合氣道の花形ともいえる代表的な技。基本中の基本であるがその難易度は非常に高い。
初心者は状態が傾き、バランスがとりにくく、一見してとても効くような技ではないよ
うに思える。しかし、自分を信じて流れるように技を行うと上達が早い。
①相半身で構える。
⑩ナイフのように刈落とす。
②交差取り。
11 相手を回す時、しっかりと相手の頬を押さえる。
○
③始終統一体。
12 図では左手で相手の頬を制し、軸とする。
○
④手を引き伸ばして相手の統一体崩し。
13 相手の首の付け根に自分の手を当て、
○
自分の体に密着させる。
⑤動作を大きく。
14 相手が踏み込んだと同時に、相手に持
○
⑥体を浮かせない。(重心は常に下)
⑦ムチのように腕をしならす。
(腕の脱力
たれている自分の腕を上に上げる。
15 最後の顔の向きは始めにいた方を向く。
○
を意識する)
⑧動きはメリハリをつけて。
16 残心を意識する。
○
⑨相手の動きに合わせて技をかける。
17 全身を制する。
(残心)
○
相手は右手の導きによって崩れまい
と踏ん張ってしまう。
NO.1
下の『流れ』によって相手の重心が浮く、
自分の重みと右手
つまり体が浮いてしまう。
の導きによってこ
この状態で手を刈り込んだ時、簡単に崩
の流れが発生する。
す事ができる。
NO.2
相手の顔を左手で制すると同時に、この手を軸に顔を巻き込みな
がら、右手でその軸の円弧を描く。
~片手取り転換呼吸投げ~
(fig.3.4.5.6.7)
相手をいかに自分の思うままに動かせるか、という合氣道特有の難しさを体得するには
もってこいの技である。最初はこの技の一体何が効くのかわからないだろうが、相手が
自分の思うままについてくるようになった時、その破壊力に気付くはずである。
①逆半身に構えて順手でとる。
初は相手より少し早く、動き出したら
②入る時、指先から導く。
導くため、同じ速さ程度で良い。
③猫のような手で入る。
⑩自分は小回り。(相手より距離が短い)
④肘を相手の懐に入れて、体を相手の真
11 手と体の角度は直角に。
○
横に入れる。
⑤相手の横に入る時、自分の体と 90°に
なるように。
⑥相手の後ろに回りこむ時、相手にぶつ
かるぐらい近くに回る。
⑦腰に手をつけない。
⑧前向きに回る。
(×後ろ向き)
12 手をしっかりキメる。
○
13 目線は前。(ずっと先の方)
○
14 あまり回し過ぎない。
○
15 下ろす時は体重(重み)を乗せる。
○
16 足を腕より内側にして勢いよく下ろす。
○
17 相手に合わせて両手を上まで上げて下
○
ろす。
⑨歩く早さは、早過ぎず、遅過ぎず。最
NO.3
重みを乗せること。
すると相手の腕は反射的に抵抗して上に上がり、
くっつくので、簡単に導くことができる。
NO.3
NO.4
孤を描く際に無理矢理ではなく、自然なスピードで。
無理矢理やると、相手が抵抗してしまうので注意。
NO.5
肘を乗せる。
重みを乗せてくっつける。
氣を一体化(一本化)させる。
NO.6
NO.4
腕は肩と平行ではなく、やや前方に出るように
する。
合成 されると この よ
うになる。あくまで重
心は下げる。
NO.7
ro
r
力まない。臍下の一点が下がる事で重み
を伝える。ro≪r より崩れてしまう。
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