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作品紹介(PDF 1.38MB)

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作品紹介(PDF 1.38MB)
POSTER GIRL
ポスターガール
イラク帰還女性兵士の“人間回復”のドキュメント
ロビン・マレーはイラク帰還米軍女性兵士の一人。
米 軍 人 復 員 局 か ら の“復 員 給 付 決 定”を 待 つ だ け の
日々・・。携帯電話のコールはクレジットカード会社から
―“債務限度額オーバー=決済不能予告”にいささかウン
ザリしながら事情説明をくり返すばかりのロビン・マレー
だった。
彼女には同僚女性兵士とともに“ポスターガール”とし
て陸軍広報雑誌『ARMY』の表紙を飾ったという経歴があ
る。“復員給付決定”にストップがかかることなどは考えら
れない。“セクハラ?無関係よ”とばかりに“タフに軍務に
つく女性兵士”のキャラクターも演じていたのだ。復員給
付に“プラスα”があってもよいくらいなのだ。
し か し“復 員 給 付 決 定”を 待 つ 彼 女 の 左 手 指 に は
“VETO”(= 拒否・禁止)のタトゥーが印字されている。
州兵としてイラク占領に動員され、ハンビー装甲車両の後
サラ・ネッソン監督(左)と
アカデミー賞授賞式会場にて
部銃座で機関銃を操作したみずからの左手指にである。同
じ左手首には銃身をへし折られた銃の刺青。そこには“二度と銃はとらない”という彼女の決意
が込められている。同時にそれは、自分で自分をコントロールできなくなったとき、自分が何を
しでかすかわからない状態になったときに“人間にもどるための呪文・標章印”でもある。イラ
ク占領に駆りだされた多くの州兵たちと同様、彼女もまた PTSD ( 心的外傷ストレス障害 ) に苦
しみ、のたうつ日々を送っていた。
ポスターガールを務めたイラク帰還女性兵士=ロビン・マレーは、IVAW(反戦イラク帰還兵
の会)を知り、VVAW ( 反戦べトナム帰還兵の会 ) のサポートで IVAW の“健康回復作戦”に
参加する。そこでの“なかま”との協同作業 = 作品制作をとおして“人間性を奪われた怪物”で
あった自己と向きあい、そのなかから自己の人間性を“回復”していく。彼女は、自己を対象化し、
かつて“ポスターガール”を務めさせた自分の BODY をして“人間性回復”のための“ 素材・原型 ”
として活用・再生させていく。
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