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最新実装信頼性規格と加速試験の実施例
最新実装信頼性規格と加速試験の実施例 財団法人日本電子部品信頼性センター 1. はじめに 電気電子製品の実装においては鉛フリーはんだの導入 が定着し次のステップとして環境配慮型実装、コストダ ウンと低温実装、高信頼性化等が求められ材料が頻繁に 変わることになる。これらを早急に評価して市場に出す ための最新の試験規格と加速試験の実施例を詳解する。 3.3 実施例 本実験は各種部品を導電接着剤で実装したサンプルを 手順例に従って試験をし解析したものである。 (1) 温度加速例 1608R を実装したサンプルの高温で導通抵抗を連続し て測定した結果を解析し、 プロットした例を図 2 に示す。 表 1 JEITA 規格類(実装技術関係) ET-7409/103A ET-7409/104A ET-7409/105A ET-7409/106A ET-7409/107 ET-7411 8 1 70 -1 30 135℃ 10 -2 5 100 条件 期限 温度 時間 製造環境 部品表面処理 高温高湿 結露 サイクル 腐食 絶縁性 接合性 高温 湿度 サイクル 複合ストレス 試験方法 光学的特性 変色 85℃ /85% ○ 60℃/85%R H □ 70℃/85%R H △ 85℃/85%R H ○ 85℃/75%R H △ 85℃/65%R H 電気的特性 導通抵抗 絶縁抵抗 累 積 不 良 率 F(t) (%) 70 60℃ /85% 50 6 0 -1 30 -2 10 5 E B L exp a exp T RH 1 70℃/85% 5 Ea :活性化エネルギー T :絶対温度 κ :ボルツマン定数 B :定数 RH :相対湿度 y = 1.0485x - 10.995 R2 = 0.9474 3 -4 10000 85℃/65% 85℃/75% 85℃/85% 4 -3 1000 60℃/85% Ea=0.38ev B=235 15 15.2 15.4 15.6 15.8 (Ea/kT)+(B/RH) 16 16.2 10 1 故障部位の分類 剪断 故障モード分類 測定方法 0.0026 図 3 ワイブルプロットとアレニウスプロット例 (3) 繰返し曲げ例 QFN を実装したサンプルの室温での繰返し曲げ試験を 行い破断回数結果を解析し比較した例を図 4 に示す。 評価方法 の開発 クリープ 腐食 吸湿 0.0025 7 試験時間(h) 機械的特性 引張り 割れ y = 21527x - 48.445 0.0024 温度(1/K) 2 99 材料組成 基板 部品 吸湿 塵埃 150℃ 0 0.0023 故障メカニズムの明確化 曲げ変位(mm) 実装方法 135℃ 3 -4 10000 1000 変位(mm) 自動 手動 125℃ 図 2 ワイブルプロットとアレニウスプロット例 (2) 湿度加速例 QFN を実装したサンプルの高温高湿環境で導通抵抗を 連続して測定した結果を解析し、プロットした例を図 3 に示す。 対象物のバラツキを 抑える ■接合材料 ■標準実装条件 保管 Ea=1.85 4 時間(h) 100 熱処理条件 5 1 10 2 マスク厚み 6 -3 2 3. 実装信頼性に関する加速試験 3.1 実装技術分野における加速試験の考え方 加速試験は図 1 に示す要因を基に実使用状態よりも厳 しい条件で試験を行わなければならない。 材料 Ea L A ・exp kT 2 90 実装方法 0 125℃ 50 7 ln寿命 (h) 累 積 不 良 率 F(t) (%) 90 累積不良率lnln(1/1-F(t)) 錫ウィスカ抑制鉛フリー材料選定のガイドライン CSP・BGAパッケージの実装状態での環境及び耐久性試験方法 表面実装技術-はんだ接合耐久性試験方法- 鉛フリーはんだによる表面実装部品又は挿入実装部品の はんだ接合部の接合耐久試験方法の選定方法 表面実装部品のはんだ接合耐久性試験方法-第101部: 引きはがし強度試験方法 表面実装部品のはんだ接合耐久性試験方法-第102部: 横押しせん断強度試験方法 表面実装部品のはんだ接合耐久性試験方法-第103部: トルクせん断強度試験方法 表面実装部品のはんだ接合耐久性試験方法-第104部: 限界曲げ強度試験方法 表面実装部品のはんだ接合耐久性試験方法-第105部: 繰返し曲げ強度試験方法 表面実装部品のはんだ接合耐久性試験方法-第106部: 繰返し落下衝撃強度試験方法 表面実装部品のはんだ接合耐久性試験方法-第107部: 繰返し鋼球落下衝撃強度試験方法 環境試験方法-電気・電子- 極小表面実装部品のはんだ付け性試験方法(平衡法) 150℃ ln寿命 (h) ET-7305 ET-7407A ○ 125℃ □ 135℃ △ 150℃ 99 累積不良率lnln(1/1-F(t)) 規格名 ハロゲンフリーはんだ材料の定義 ET-7409/102A 9 2 規格番号 ET-7304A ET-7409/101A 佐々木 喜七 3.2 実施手順例 実際の手順、特に以下に示す実験計画については表 1 に示す規格類に大まかに示されている。 (1)実験計画(ストレスの種類、試験法、試験条件 3 条件) (2)試験(劣化パラメータ抽出のための測定等) (3)データ検証(劣化の有無、異常値等) (4)ワイブル解析(信頼度パラメータ算出) (5)適用加速モデル決定(反応速度モデル等) (6)加速係数算出(信頼度パラメータ→加速モデル式) (7)寿命推定(実使用環境/加速環境) 2. 最新の実装信頼性規格 規格は材料の変遷と共に進化する。表 1 は 2010 年 10 月頃電子情報技術産業協会より発行予定の実装信頼性関 連の最新版である。これらの規格は旧版で既に IEC 規格 や JIS になっているものもある。順次国際規格や JIS に なる予定である。規格内容は研究レベルの高度の内容が 含まれているものもあり本稿では加速試験の部分につい て技術的解説と実施例について述べる。 ET-7409A 環境試験所 解析方法 信頼性評価方法の確立 ■ストレス条件、■計測方法、■故障部位、故障メカニズム 図 1 信頼性評価方法・技術開発に関係する特性要因図 1 y = 1.764x-0.097 y = 1.7043x-0.0976 y = 2.5985x-0.1707 0.1 100 1000 10000 100000 破断回数 1000000 10000000 0.1 100 1000 10000 100000 破断回数 1000000 図 4 変位と破断回数の SN 線図と相関例 10000000