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松倉 紗野香氏
2016/09/07 JICA 公立中学校における グローバルシティズンシップ科の取組 埼玉県上尾市立東中学校 研究主任 松倉 紗野香 埼玉県上尾市立東中学校 昨年度より文部科学省「研究開発学校」の 指定を受ける 新教科「グローバルシティズンシップ科」 を創設し、中学校におけるシティズンシッ プ教育のあり方を研究 生徒数 教職員 676名(19クラス) 48名 上尾市 人口20万人 東京のベットタウンとして人口が 増加している 研究について 研究の目的 グ ローバル化に対応する力を身に付け、 持続可能な社会づくりの担い手を育成す るために 「グローバルシティズンシップ 科」を設置し、中学校の教育課程におけ るシティズンシップ教 育の在り方に関す る研究開発 研究の3つの柱 ① 18歳選挙権 実施に向けた 社会参画意識の向上 ② 持続可能な社会の担い手を育成 ③ 多様な他者と協 働できる力の習得 ロジャー・ハート 「参加のはしご」 ロジャー・ハート『子どもの参画』より 研究方法 配当時間:1年生 50時間 2・3年生 70時間 (総合的な学習の時間を削減し、 「グローバルシティズンシップ科」へ充当) 学習形態:教師を「ファシリテーター」とした参加型学習 評 価:学習した内容を踏まえワークシート等やグループ 活動のまとめからポートフォリオ評価を行い、文 章記述で行う 学習内容 まちづくり 学校づくり 開発 環境 平和 人権 教育 ジェンダー 多文化共 生 難民 貧困 国際協力 授業実践(研究2年目の取組) 2年生が昨年度の「学び」を1年生へ伝えるところからスタート! 1年生 年間指導計画 1学期 「世界の課題を”自分ごと”へ」 ワークショップ体験 講演会実施 2学期 「メディアを知ろう」 新聞やニュースの読み方を理解しよう 3学期 「伝えよう! 知らせよう!」 パンフレット、ポスター、新聞記事の作成 世界がもし100人の村だったら 上尾東中1年生編 アジア 南アメリカ 麦茶で「富の分配」を 実感! ワークショップ体験 国際協力 難民 環境 福祉 2年生 1学期 年間指導計画 「働くこと」から学ぶ 2学期 持続可能な社会づくりのために 3学期 提案書を作ろう 自分たちの考えをアピールしよう 2年生 職場体験学習 「職」と「職」とのつながりに気づく 「学校」に関わる仕事って どんな仕事? 通学路にある「職場」 マップ 2年生 職場体験学習 「体験」を発信する 学習発表会 ○×クイズ 3年生 年間指導計画 1学期 「京都」からの学び 2学期 「上尾をプロデュース!」 まちづくりをしよう 3学期 政策を作ろう、伝えよう! アクションリサーチ *京都の町歩き in 京都 3つの「視点」 •「街づくり」 景観条例 駅前開発 「町家」の再利用 •「観光」 観光客の増加 言葉の問題 ホテルの数 •「伝統」 手入れ(修復作業) 伝統食 文化の継承 京都でインタビュー! 旅館のおかみさんへ観光や 伝統についてインタビュー 錦市場で「伝統」や「まちづくり」 についてインタビュー 教員研修 教員研修も「参加型学習」で! 他教科との連携(英語科) ガーナとの文通プロジェクト (2年生) 5月 文通 6月 ガーナについて学習 7月 文通 日本→ガーナ 10月文通 ガーナ→日本 11月 1月 2月 ガーナ→日本 スカイプ 文通 日本→ガーナ スカイプ 文通&スカイプ 大学生がお手伝いに来てくれました! 英語の時間を使ってお手紙を書く ガーナから留学生をゲスト に迎えました! 外部機関との連携 3年生 『15人の15歳と語る15年後の世界と日本』 2015/10/07 @参議院議員会館 2年生 校外学習 NGO/省庁/企業 等 訪問 Mother House JICA地球ひろば グローバルシティズンシップ科の中で調 べて来たことをより深めるために、関係 機関を訪問。現場に近い方々と出会い、 対話を通して学びを深めてきました 1年次を終えた結果 2009年2月(財)日本青少年研究所「中学生高校生の生活と意識 ―日本・アメリカ・中国・韓国の比較-」より 【生徒の感想から】 (1年前の自分と比べて「変化」したことは?) • ニュースを見る時間が増えたり、新聞を気にするようになった • 自分たちが調べている話題がニュースで流れていると 「おっ!」と思って見るようになった • 日本のことだけではなく、世界のことや今、調べている国のこ とに目をむけるようになった • シリアの難民のことを調べていた。シリアの人や難民として日 本に来ている人に会ってみたいと思うようになった。 • 地球温暖化について調べてみたら、自分たちの生活と深く関 わっていることが分かって生活を見直そうと思った。 【グローバルシティズンシップ科を 自分のことばで説明するとしたら?】 ・自分と他人の意見を交換しあい、テーマに対しての疑問や解決方法を協 力して考える教科 ・友達と協力して新しい知識を育む教科、他の国と自分の国を比較したり、 良いところ、悪いところを話したり、自分たちが社会のためにできるこ とを考える教科 ・世界の現状を知り、それについて考えたり議論したりして、発表したり 解決のために行動する教科 ・広い視野から課題を考え意見を出し合う。自分たちで決めて自分たちで 考える教科