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事業系一般廃棄物調査報告書

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事業系一般廃棄物調査報告書
事業系一般廃棄物調査報告書
2015 年 3 月
目 次
第 1 章 総 括 ································································································································· 1
1.1 本業務の背景と目的 ································································································································· 1
1.2 本業務の適用範囲 ···································································································································· 1
1.3 共通の留意事項 ········································································································································· 1
1.4 本業務の内容 ············································································································································· 3
1.5 調査結果の概要 ········································································································································· 4
1.5.1 既存資料調査結果の概要 ················································································································· 4
1.5.2 ヒアリング調査結果の概要 ················································································································· 9
1.5.3 アンケート調査結果の概要 ·············································································································· 15
1.5.4 組成調査結果の概要 ························································································································ 19
1.6 事業系一般廃棄物搬入量の増加要因等の考察 ············································································ 25
1.7 事業系一般廃棄物に関する減量目標 ······························································································· 27
1.8 事業系一般廃棄物の減量施策の方向性 ·························································································· 28
1.9 事業系一般廃棄物の減量施策の提案 ······························································································ 32
1.9.1 ステップ 1 意識改革 ························································································································· 34
1.9.2 ステップ 2 指 導 ······························································································································· 39
1.9.3 ステップ 3 品目別施策 ····················································································································· 42
1.9.4 ステップ 4 将来に向けて ·················································································································· 48
1.9.5 その他 ···················································································································································· 48
第1章 総 括
1.1 本業務の背景と目的
町田市では、2011 年 4 月に策定 した「町田市 一般廃棄物 資源化基本 計画」において、
2020 年度までに「ごみとして処理する量を 2009 年度比で 40%削減する」ことを目標に掲げて
いる。このうち事業系一般廃棄物については、2020 年度までに 18,038t/年まで削減することを
目標としている。
しかしながら、町田リサイクル文化センター内の清掃工場(以下、町田市清掃工場という。)
に搬入される事業系一般廃棄物量は、2013 年度において計画の基準年である 2009 年度に
比べ 1,799t 増加しており、さらなる減量施策が必要となっている。
そのため、本業務は、町田市の事業系一般廃棄物の実態を把握し減量施策立案のための
基礎情報を得るとともに、上記目標の達成に向けた具体的な減量方法を提案することを目的
とする。
1.2 本業務の適用範囲
本業務の対象となる「事業系一般廃棄物」の範囲は、排出事業者及び一般廃棄物収集運
搬許可業者が町田市清掃工場へ持ち込む事業系一般廃棄物とする。
なお、少量排出事業所から排出される事業系一般廃棄物は、市で収集を行っており、家庭
系ごみ量として計上していることから、本業務の対象外とした。
1.3 共通の留意事項
(1)用語の定義
本報告書における用語の定義等は、表 1.3-1~2 に示すとおりである。
排出事業者
排 出 量 による区 分
延 床 面 積 による区 分
事業系一般廃棄物の
表 1.3-1 町田市内の事業系一般廃棄物の排出事業者である事業所の定義
多量排出事業所
中量排出事業所
少量排出事業所
大規模事業所
中小規模事業所
1日平均 200kg 以上の事業系一般廃棄物を排出する事業所。
「町 田 市 廃 棄 物 の処 理 及 び再 利 用 の促 進 に関 する条 例 (以 下 、町 田 市
廃棄物条例という。)」第 42 条により「一般廃棄物管理票(マニフェスト)」
の提出が義務付けられている。
少量排出事業所及び多量排出事業所以外の事業所。
週 2 回の回収で 1 回当たり事業所用有料指定収集袋(30 リットル)で 2
袋までの事業系一般廃棄物を排出する事業所(登録制)。
少 量 排 出 事 業 所 から排 出 される事 業 系 一 般 廃 棄 物 は、市 で収 集 を行 っ
ており、家 庭 系 ごみ量 として計 上 していることから、本 業 務 の対 象 外 とし
た。
事業用途に供する部分の延床面積が 3,000m 2 以上の事業所。
町田市廃棄物条例第 20 条により、次の事項が義務付けられている。
① ごみの減量・再利用の促進
② 廃棄物管理責任者の選任・届出
③ 廃棄物の減量及び再利用に関する計画書の作成・提出
④ 再利用対象物保管場所の設置・届出
大規模事業所以外の事業所。
注)他の自治体では各事業所の定義(要件)が異なるため、その都度必要に応じて明記する。
1
表 1.3-2 本報告書における廃棄物等の定義
産業廃棄物
一般廃棄物
事業系一般廃棄物、
事業系ごみ
事業系廃棄物
医療系廃棄物
感染性廃棄物
不適正物
「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」で規定されている産業廃棄物。
産業廃棄物以外の廃棄物。ただし、本報告書ではし尿は含まない。
事業活動に伴い発生する廃棄物のうち、産業廃棄物以外のもの。
町田市清掃工場で受け入れ処理している事業系一般廃棄物は、表 1.3-3 に示
すとおりである。
なお、既存資料調査、アンケート調査、ヒアリング調査等においては、「事業系ご
み」と表記している場合がある。
事業系の一般廃棄物及び産業廃棄物。
医療行為等に伴って生じる廃棄物で、産業廃棄物と一般廃棄物とがある。
本来は、医療行 為に伴うものだけをいうが、本報 告 書では、医療 機関 以外の施
設から排出された注射器等についても医療系廃棄物と表記する。
医 療 関 係 機 関 等から生じ、人が感 染し、若しくは感 染するおそれのある病 原 体
が含まれ、もしくは付着している廃棄物又はこれらのおそれのある廃棄物。産業
廃棄物と一般廃棄物とがある。
町田市清掃工場で受け入れ処理していない廃棄物(表 1.3-3 に示す廃棄物以
外のもの)。なお、資源化可能な紙類も町田市清掃工場では受け入れ処理しな
いものではあるが、本報告書では不適正物とは区別して取り扱っている。
表 1.3-3 町田市の清掃工場で受け入れ処理している事業系一般廃棄物
出典:「事業系ごみの減量と適正処理について」(2012 年 7 月、町田市環境資源部 3R 推進課)
(2) その他の留意事項
アンケート調査結果や組成調査結果においては、四捨五入の関係で個々の割合等の総和
と合計が合わない場合がある。
2
1.4 本業務の内容
本業務は、「既存資料調査」「ヒアリング調査」「アンケート調査」「組成調査」を実施し、事業
系一般廃棄 物の減量・リサイクル等の取り組み事例や、町田市の事業系一般廃棄物 の実態
を把握し、その結果を踏まえて具体的な減量方法を提案するものである。
本業務の業務フローは図 1.4-1 に示すとおりである。
基礎情報調査
減量方法
図 1.4-1 業務フロー
3
1.5 調査結果の概要
各調査の内容及び結果の概要は、以下に示すとおりである。
なお、各調査の詳細は、「第 2 章 調査結果の詳細」を参照のこと。
1.5.1 既存資料調査結果の概要
(1)調査概要
統計資料や町田市の内部資料、インターネット検索等により、町田市の概況(人口、産業、
事業系一般廃棄物搬入量の推移)及び事業系一般廃棄物に関する施策の実施状況、他の
自治体や関 係団体 等及 び民間企業 による事業系一般 廃棄 物の減量・リサイクル等の取り組
み事例を調査した。
(2)調査結果の概要
① 町田市の概況と施策の実施状況
ア.人 口
町田市の人口は年々増加しており、2014 年 10 月 1 日現在で 426,447 人となっている。
年齢別人口の推移をみると、40 歳代及び 65 歳以上の人口が増加傾向にあり、特に 65 歳
以上の人口の増加が顕著である。(図 1.5-1 参照)
<総 数>
(年)
2014
426,447 2009
416,664 2004
400,530 1999
364,365 0
100,000
200,000
300,000
人口(人)
400,000
500,000
<65 歳以上人口>
(年)
2014
46,305 2009
104,680 58,375 87,275 48,160 39,115 2004
女
67,736 37,072 30,664 1999
26,618 21,085 0
20,000
40,000
総数
男
47,703 60,000
80,000
100,000
120,000 (人)
注)各年 10 月 1 日現在
出典:「町田市町丁別世帯数・人口表<住民基本台帳による>」(各年版、町田市ホームページ)
図 1.5-1 町田市の人口の推移
4
イ.産 業
「平成 24 年経済センサス-活動調査」(2014 年 2 月 26 日公表)によると、2011 年の町田
市の卸売業・小売業の年間商品販売額は多摩地域で第 4 位、工業製造品出荷額は多摩地
域で第 12 位に位置している。
2012 年の町田市の事業所数(公務除く)は 11,985 事業所であり、そのうち 50%以上を従業
員数 1~4 人の小規模事業所が占めている。事業所数(公務除く)の推移をみると、2004 年以
降 2009 年までは増加を続けていたが、その後減少に転じ、2012 年には 2009 年比で 6.3%
(812 事業所)減少した。減少した事業所の半数以上が 1~4 人の小規模の事業所である。ま
た業種別で比較すると、ほぼすべての業種で減少しているが、医療・福祉のみは、わずか 7 事
業所ではあるが増加している。(図 1.5-2 参照)
なお、「町田市統計書第 48 号 2014 年度版」によると、2010 年の総農家数は 460 件、経営
耕地面積は、334ha で、2005 年から 2010 年までの 5 年間で、総農家数は減少したが、経営
耕地面積は微増している。
<従業者数規模別>
1~4人
5~9人
10~19人
(年)
2012
20~29人
30~49人
6,420 2009
2,601 6,879 2006
2,569 6,067 2001
2,523 6,484 0
2,000
4,000
100~299人
1,498 624 446 2,756 6,367 2004
50~99人
1,587 632 533 1,532 615 499 6,000
8,000
事業所数(事業所)
1,483 586 432 10,000
総数
11,985
12,797
11,950
11,332
1,419 595 386 2,572 300人~
12,000
11,868
14,000
<業種別>
建設業
不動産業
製造業
飲食店、宿泊業
(年)
2012
1,197 493 2009
1,315 601 2006
1,161 569 3,267 2004
1,186 585 3,134 2001
1,259 640 0
2,000
3,057 3,203 3,231 4,000
情報通信業
医療、福祉
207 983 運輸業
教育、学習支援業
1,501 226 1,032 200 766 194 724 226 718 1,079 602 1,568 1,585 1,513 1,570 卸売・小売業
その他
2,435 1,072 700 956 712 847 584 2,566 2,344 2,213 833 666 6,000
8,000
事業所数(事業所)
金融・保険業
2,297 10,000
12,000
14,000
注)2001~2006 年は事業所・企業統計調査(各年10 月 1 日現在)、2009 年は経済センサス-基礎調査(7 月 1
日現在)、2012 年は経済センサス-活動調査(2 月 1 日現在)のデータ。
出典:「町田市統計書 3 産業・経済」(2004 年度版、2006 年度版、2009 年度版、2013 年度版、町田市ホームペ
ージ)
「平成 24 年経済センサス-活動調査 事業所に関する集計-産業横断的集計(事業所数、従業者数)」
(平成 26 年 2 月 26 日公表、総務省統計局)
図 1.5-2 事業所数(公務除く)の推移
5
ウ.事業系一般廃棄物搬入量の推移
(ア)事業系一般廃棄物搬入量(総量)の推移
町田市清掃工場への事業系一般廃棄物搬入量(総量)は、2009 年度までは大きく減少を
続けており、特に 2009 年度は、新たに開始した町田市清掃工場における搬入物検査により、
大きく減少した。しかし 2010 年度に増加に転じ、その後は微増傾向にある。(図 1.5-3 参照)
(t/年)
30,000
26,371
25,000
24,652
21,221
22,297
22,259
2009
2010
2011
23,064
23,020
2012
2013
20,000
15,000
10,000
5,000
0
2007
2008
(年度)
出典:「2011 年度(平成 23 年度)清掃事業概要」(2013 年 2 月 1 日、町田市環境資源部環境政策課)
「2012 年度(平成 24 年度)清掃事業概要」(2014 年 1 月 20 日、町田市環境資源部環境政策課)
「2013 年度(平成 25 年度)清掃事業概要」(2015 年 2 月 27 日、町田市環境資源部環境政策課)
図 1.5-3 事業系一般廃棄物搬入量(総量)の推移
(イ)事業系一般廃棄物搬入量の内訳の推移
2009~2013 年度に事業系一般廃棄物搬入量の内訳の推移を図 1.5-4 に示す。
事業系一般廃棄物搬入量(総量)は、2009 年度から 2010 年度にかけて約 1,000t増加し、
その後は微増傾向にあり、2013 年度は 2009 年度に比べ約 1,800t増加している。
多量排出事業所及び大規模事業所を除くその他の中量排出事業所の搬入量は 2010 年
度に約 1,700t増加し、その後はほぼ横ばい状況にある。反対に、継続多量排出事業所・大規
模事業所の搬入量は 2010 年度に約 800t減少したが、2011 年度に一旦微増し、その後はま
た微減傾向にある。特に継続多量排出事業所の搬入量はこの 5 年間減少を続けている。
6
(t/年)
25,000
20,000
15,000
総量
21,221
22,297
22,259
23,064
23,020
45
657
481
410
854
47
1,550
28
1,782
0
7,316
7,543
7,432
7,365
8,156
(4,528)
(4,780)
(4,404)
(4,242)
(4,108)
閉鎖等多量排出事業所・
大規模事業所合計
継続多量排出事業所・大
規模事業所合計
10,000
5,000
新設等多量排出事業所・
大規模事業所合計
12,363
14,089
13,815
14,054
13,872
2010
2011
2012
2013
その他の中量排出事業所
合計
0
2009
(年度)
注)1.新設等多量排出事業所・大規模事業所:
2009~2013 年度の 5 年間に新設・大規模リニューアル、あるいは、その他の理由で、新たに多量排出事業
所あるいは大規模事業所となった事業所(34 事業所)。
2.閉鎖等多量排出事業所・大規模事業所:
2009~2013 年度の 5 年間に閉鎖、あるいは、その他の理由で対象外となった多量排出事業所あるいは大
規模事業所(8 事業所)。
3.継続多量排出事業所・大規模事業所:
2009~2013 年度の 5 年間に継続して多量排出事業所あるいは大規模事業所であった事業所(237 事業
所)。なお、グラフ中の( )内の数値は、継続多量排出事業所の事業系一般廃棄物搬入量(内数)を示す。
4.その他の中量排出事業所:多量排出事業所及び大規模事業所を除くその他の中量排出事業所
5.大規模事業所のうち、減量・再利用計画書未提出の事業所は、集計対象から除外した。
出典「2013 年度(平成 25 年度)清掃事業概要」(2015 年 2 月 27 日、町田市環境資源部環境政策課)
町 田 市 環 境 資 源 部 資 源 循 環 課 資 料(一 般 廃 棄 物 管 理 票 データの集 計 結 果 (一 部 減 量 ・再 利 用 計 画 書 の
数値により補正))
町田市環境資源部 3R 推進課資料(減量・再利用計画書の処分量(産業廃棄物、医療系・感染性廃棄物、
廃材等を除く)の集計結果)
図 1.5-4 事業系一般廃棄物搬入量の内訳の推移
エ.町田市の事業系一般廃棄物に関する施策の実施状況
町田市では、事業系一般廃棄物に関する施策として、以下のような施策を実施している。

大規模事業所(2014 年度現在 264 事業所)への廃棄物の減量・再利用計画書作成・提
出、廃棄物管理責任者の選任・届出、再利用対象物保管庫の設置・届出の義務付け

大規模事業所への戸別訪問指導(2014 年度実績:36 事業所)

多量排出事業所(2013 年度現在 35 事業所)への一般廃棄物管理票(マニフェスト)提出
の義務付け

少量排出事業所への事業系一般廃棄物の排出ルール等に関する説明(登録時)

搬入物検査器による搬入不適正物検査の実施

事業系 一般 廃棄物の適 正処理に関 する冊子「事業系ごみの減量と適 正 処理について」
の作成

飲食店に対する「生ごみ水切りキャンペーン」の実施
7
② 先行事例調査
他の自治体や関係団体等及び民間企業による事業系一般廃棄物の減量・リサイクル等の
取り組み事例をインターネット検索により収集、整理した。なお、民間企業の取り組みについて
は、減量・リサイクルの取り組みが進んでいない生ごみと、今後問題となる可能性のある紙おむ
つの減量・リサイクル等の取り組みを調査対象とした。
他の自治体・関連団体等の取り組み事例のうち、町田市で未実施の先行的な取り組みとし
ては、以下のような事例が挙げられる。

オフィス町内会

資源物無料持ち込み場所の設置

事 業 系 一 般 廃 棄 物 の減 量・リサイクルに対する経 済 的 支 援 のための原 資 確 保 の仕 組み
(基金、ファンドの設置など)

事 業 系 一 般 廃 棄 物 の減 量・リサイクルに対する経 済 的 支 援 (事 業 系 食 品リサイクル支 援
モデル事業への補助金など)

不適正排出者に対する罰則(過料など)

事業所で実践されている減量・リサイクル取り組み事例の紹介

わかりやすいパンフレット等の作成、配布(写真等を多用したわかりやすい分別区分の表
示、外国語版、減量・リサイクルの取り組み事例の掲載など)

事業系一般廃棄物に関する施策、適正排出処理ルールの周知徹底(パンフレット等の直
接送付、細かな機会をとらえた普及啓発など)

飲食店等での食品ロス削減事業(食べきり協力店など)

食品リサイクル法の普及啓発(食品リサイクルに関するリーフレット作成・配布など)

食品リサイクルに関する研究会の設置と食品リサイクルループの構築

食品リサイクル業者の紹介

生ごみバイオガス化施設の設置(事業系生ごみも受け入れ)

紙おむつのリサイクルシステムの検討

紙おむつのサーマルリサイクル
など
また、民間企業の生ごみ及び紙おむつのリサイクルに関する取り組み事例としては、以下の
ような事例があった。
生ごみのリサイクル

食 品 ロスの発 生 抑 制 (余 分 な商 品 、無 駄な廃 棄 物を出 さない仕
組みの構築、ドギーバッグ * サービスなど)

食品リサイクル(廃油リサイクル、余剰食品の肥料化・飼料化、食
品残渣のメタンガス化、飼料化など)

食品リサイクルループの構築
*
紙 おむつのリサイク
ル
ドギーバッグ:外食した際に食べ切れなかった料理を持ち帰るための容器の
こと。

水溶化処理システム

高温処理
8
1.5.2 ヒアリング調査結果の概要
(1)調査概要
他の市町村・関連団体等(他の市町村・関連団体 10 件、東京都、環境省)、多量排出事
業所(10 件)及び一般廃棄物の収集運搬許可業者(市内業者 2 件、他市業者 1 件)の計 25
件に対しヒアリング調査を実施した。
ヒアリング対象者及び主なヒアリング内容は、表 1.5-1 に示すとおりである。
表 1.5-1 ヒアリング対象者及び主なヒアリング内容
区 分
ヒアリング対象者
主なヒアリング内容
八 王 子 市 、多 摩 市 、府 中 市 、むさし府
中 商 工 会 議 所 (府 中 市 )、株 式 会 社 小
先行取り組 みの内容や実施状 況、課題
池 商 店 (府 中 市 )、相 模 原 市 、横 浜 市 、
等
他の市町村・
千 葉 市 、富 士 市 、鶴 川 団 地 センター名
関連団体等
店会(町田市)
事 業 系 廃 棄 物 の減 量 ・リサイクルの取 り
東京都、環境省
組み方針・事例、市町村への支援策等
事業系廃棄物の排出状況や適正処
商業施設 5 件、医療・福祉施設 3 件、
多量排出事業所
理・減量・リサイクルに関する取り組み内
飲食店 1 件、教育施設 1 件
容、市の取り組みに対する意見等
排 出 事 業 者 の排 出 実 態 や不 適 正 物 混
一般廃棄物の
入時の対 応 、搬入 検査 への対応、重 量
市内業者 2 件、他市業者 1 件
収集運搬許可業者
計 測 方 法 、市の収 集 運 搬 許 可 業 者 の
許認可等への意見等
(2)調査結果の概要
① 他の市町村・関連団体等
ア.他の市町村・関連団体
他の市町村・関連団体に対するヒアリング調査結果の概要は、以下に示すとおりである。全
体を通して、事業系一般廃棄物の減量を進めるにあたって、特に重要と思われる事項を抽出
して示した。
<事業系一般廃棄物搬入量(または収集量)の推移>

ヒアリング調査対象の 7 市においては、2013 年度の事業系一般廃棄物搬入量(または
収集量)は概ね 2009 年度に比べ減少している。
<事業系一般廃棄物の減量・リサイクル等の取り組み事例>

事業系一般廃棄物の排出ルールや減量・リサイクルの取り組み推進について、様々な
機会をとらえて説明・啓発活動を実施している。パンフレット等も、単に市のホームペー
ジに掲載するだけでなく、直接事 業 所へ送付したり、常に目 につく所に掲示できるよう
な形態のものを作成するなど、周知徹底のための様々な工夫がされている。

特 に新 規 事 業 所 を対 象 とした啓 発 が重 要 であり、様 々な機 会 を捉えて排 出 ルール等
の周知徹底を図っている。

戸別訪問指導なども積極的に実施されている。大規模事業所に対しては、少なくとも 2
9
~3 年に 1 回は訪問指導を実施している自治体がほとんどであった。

紙類の減量 ・リサイクルについては、排出 量が少 なく単独でのリサイクルが難しい事 業
所の支援策として、共同で回収する拠点の設置や、事業所内での雑紙の分別アイテム
の提供などの取り組みを行っている事例がある。

生 ごみの減 量 ・リサイクルについては、どの自 治 体 においても難 しい状 況 で、食 べきり
協 力 店 の普 及 や啓 発 活 動 など、地 道 な活 動 を継 続 的 に推 進 している状 況 であるが、
市内の商店会では、商店会と近隣自治会とでごみ処理機を設置して生ごみのリサイク
ルを実施しており、処理後にできる肥料もすべて近隣住民によって利用されており、良
好な運用状況である。
<事業系一般廃棄物の減量・リサイクル推進にあたっての重要ポイント>

事業系一般廃棄物の減量・リサイクルを進めていくためには、市が積極的に排出事業
者とかかわること、担当者の熱意、事務方の職員と現場の職員との密な連携等が重要
である。
イ.東京都
東京都に対するヒアリング調査結果の概要は、以下に示すとおりである。
<ごみ減量方針>

ごみ減量の方針として、「最終処分量の削減」「サプライチェーン全体での資源効率の
向上」「廃棄物の循環利用のさらなる推進」が必要であり、また、マテリアルリサイクルが
困 難 な場 合 は、全 体 のエネルギー回 収 効 率 を高 め、処 理 残 渣 を減 らしていくことも検
討していく必要があると考えている。
<生ごみの減量・リサイクルについて>

食品ロスの削減はきわめて優先度の高い問題と考えている。単にごみの減量ということ
ではなく、世界に飢餓がある中で我々の社会の姿勢として考えるべき問題である。

都としては食品ロスの削減に力を入れていく方針だが、ただちに新しいアイデアはない。
外食産業の食べ残しもまだまだ多く、これらをどう削減していくかが課題である。区市町
村と連携して事業を実施する予算的な枠組みもあるが、今のところどの区市町村からも
手は上がっていない。一般廃棄物の処理を担う区市町村での取り組みと連携しつつ、
予算面でもバックアップしながら、食品ロスについて何らかのモデル的な事業が実施で
きればと考えている。
<プラスチック類の減量・リサイクルについて>

事業系の廃プラスチック類も、リサイクルできるものはリサイクルしていかなければならな
い。家庭では分別してリサイクルしているのに勤務先では違うとなると混乱するので、事
業系についてもわかりやすいルールを作っていく必要があると考えている。

廃プラスチック類のリサイクル業者については、都で調査を行っており、調査によって得
られたリサイクル業者等の情報は、区市町村へも提供していく予定である。
10
<区市町村との連携について>

事 業 系 廃 棄 物 の更 なるリサイクルを促 進 するため、区 市 町 村 と都 との連 携 を強 化して
いく必要がある。これから、区市町村と検討していくための場をつくる予定である。
ウ.環境省
環境省に対するヒアリング調査結果の概要は、以下に示すとおりである。
<生ごみの減量・リサイクルについて>

食品リサイクルに関しては、環境省として現在も推進している。去年、食品リサイクル法
の見直しの時期で、中央環境審議会の意見具申が昨年(2014 年)10 月になされた。

新しい論点のひとつとしては、そもそもの発生をいかに抑えていくかということがある。食
品ロスの削減をしっかりと推し進めていくべきといったことも、今回の見直しの中で言わ
れたことであり、国としても推進していくべきだと考えている。

生ごみについては、分別を行ってメタン発酵すれば焼却量を減らすことはできるのでは
ないか。生ごみのメタン発酵に関して、実施してからうまくいかなかったという話は今のと
ころ聞いていない。ただ、先行的な事例が少ない中で導入の際、自治体のハードルが
高いという印象はある。
<事業系一般廃棄物削減にあたって>

2020 年度に向けてどういった対策をとるか考える場合、今回の分析結果を踏まえて、
町田市が 2020 年にどういった産業構造をしているのかを予測したうえで、どこの部分を
減らせるか、それを実現するためにどのような施策があるのか、参考となる事例はあるの
か、といったような順序で検討していくのが良いと思う。

町田 市としてどのように市民の意 識 を高めていくかといったことが、町田 市 が施策を考
えるうえで重要になってくるのではないかと思う。

町田市としての施策を考えていく時には、しっかりと市民や事業者への説明を行うべき
である。それは他の自治体の事例からも言えることである。
<一般廃棄物の処理を行う市町村に対する支援策>

一 般 廃 棄 物 の処 理を行 う市 町 村に対する支援 策として、「一 般 廃 棄 物 有 料 化の手 引
き」「一般廃棄物処理システムの指針・システム評価支援ツール」「一般廃棄物会計基
準」の 3 つのガイドラインを作成している。
11
② 多量排出事業所
多量排出事業所に対するヒアリング調査結果の概要は、以下に示すとおりである。
なお、多量排出事業所へのヒアリング調査実施時には、廃棄物保管庫の確認も行っており、
確 認 した限 りでは、いずれの事 業 所 においても、一 部 可 燃 ごみ中への紙 資 源 やプラスチック
類の混入が確認されたものの、ほぼ適正に分別排出されていた。
ア.廃棄物の排出状況、リサイクル等の実施状況
<商業施設>

商業施 設では、独自の細かな分別 基準を定めている事業 所が多く、中には排出時 に
品目ごとに重量を計量している事業所もある。

商業施設で排出の多い一般廃棄物は、ダンボール、その他の紙類、生ごみであり、ダ
ンボールを含む紙類はリサイクルが進んでいる。生ごみの内容は、調理くず、食べ残し、
売れ残り商品等である。生ごみについても、リサイクルやフードバンクへの提供を実施し
ている事業所もある。

プラスチック類(袋 類、梱 包 材 、ハンガー等)の排 出も多いが、リユース・リサイクルして
いる事業所が多い。

さらなる減量・リサイクルの取り組みとして、一部事業所で従業員の啓発強化が挙がっ
ているが、その他の事業所では特に予定はなく、現状の取り組みを継続するとした事業
所が多い。
<医療・福祉施設>

医療・福祉施設では、紙おむつと生ごみの排出量が多く、発生抑制や減量に努めてい
る事業所もあるが、リサイクルは進んでいない。特に紙おむつは、衛生面での問題もあ
り、新聞紙に包んで排出している事業所もあり、さらに重量が重くなっている。

また、安全面への対策として、マスクやエプロン、手袋等の使い捨てが推奨されており、
廃棄物の減量が難しい面もある。

さらなる減量・リサイクルの取り組みとして、一部事業所でペーパーレス化が挙がってい
るが、その他の事業所では特に予定はなく、現状の取り組みを継続するとしている。
<飲食店>

飲食店では、事業系一般廃棄物の約 90%が生ごみである。食べ残しがほとんどで、食
品ロス削減の取り組みを行っているものの、事業者側の取り組みだけでは、減量が難し
い状況である。

ダンボール、ペットボトル、缶類はリサイクルしているが、その他はリサイクルしていない。

最近は、コンビニエンスストアやスーパーマーケットのニーズに合わせ、パン等も小袋製
品が主流となっており、プラスチック類の包装材の廃棄物量が増えてきている。

さらなる減量・リサイクルの取り組みとしては、食べきれるようなメニューの工夫や量の微
調整等を行う予定である。
<教育施設>

教育 施 設では、生ごみとプラスチック類の排 出が多い。特に、学生が持ち込んだ弁当
ガラ等の容器包装プラスチック類が多い。
12

他の事業所と異なり、学生等は従業員ではないので、分別の徹底を図ることが難しい。

さらなる減量・リサイクルの取り組みは現在のところ特になく、学生等への分別・減量の
徹底が課題に挙がっている。
イ.処理等に困っている廃棄物

処理に困っている廃棄物として、事業所敷地内に不法投棄された家庭系ごみ・家庭系
の粗大ごみを挙げた事業所が多い。
ウ.町田市に望む支援策、市が行うべき施策、その他市への意見等
町田市に望む支援策、市が行うべき施策、市への意見等として、以下のようなものが挙がっ
ている。
<町田市に望む支援策>

不法投棄された廃棄物処分への支援

廃棄物の減量のサポートやアドバイス等(減量化・減容化のアイデア)

事業系一般廃棄物の日曜日の町田市清掃工場への受け入れ

レジ袋の有料化を市条例等で規定

事業者の減量・リサイクル等の取り組みの PR

機密書類(個人情報等)等の市での受入処理

啓発用のポスター等の作成・配布(減量すべき品目等が明確になっているもの)

生ごみの脱水・乾燥機への補助

半官半民等による生ごみの 1 次処理施設(脱水・乾燥処理施設)の市内設置の音頭
取り
<事業系一般廃棄物を減量するために町田市が行うべき施策>

事業者との協力体制の構築

大規模商業施設の新規開設時の訪問検査、指導等

廃棄物 処理 業者やリサイクル業者(機 密書類を細 断せずそのまま受入可 能なリサイク
ル業者等)の紹介

排出後の廃棄物の流れ、処分先やリサイクル先の情報等の提供(事業者へ届く形での
提供)

無駄な買い物等をしない、ごみを出さない教育・啓発(エンドユーザー(市民)の意識改
革)

「食育」における「食べきり」教育

分 別用のごみ箱や、生 ごみ専 用の回 収袋・箱、紙おむつの回 収容 器(臭 気や水 漏 れ
防止対策されたもの)等

トータル循環システムの構築

不適正物が混入する廃棄物の受け入れ拒否強化

不法投棄の取り締まり強化
<その他町田市への意見等>

個人または家庭系ごみを事業所へ持ち込まないというような、市民に対する教育・啓発
が必要ではないかと思う。
13

町田市の職員はもう少し現場に出て事業者の声を聴いた方が良いと思う。

広報等に掲載しただけでは周知したことにはならないと思う。もう少し現場へ踏み出した
形での周知や取り組みが必要だと思う。

処理料金の改定について、事業者への事前説明は全くなかった。事前に周知してほし
かった。
③ 一般廃棄物の収集運搬許可業者
一般廃棄物の収集運搬許可業者に対するヒアリング調査結果の概要は、以下に示すとお
りである。主に市内の収集運搬許可業者に対するヒアリング調査結果について示した。
<排出事業者の排出実態等について>

排出事業者(契約事業者)のごみの分別状況の実態について、1 社は契約時に分別
ルールの説明は行っているが、分別状況は良くない(特に原町田周辺)としている。もう
1 社は基本的には理解されているとしているが、不適正排出を注意すると「契約を切る」
と言われることもあるようで、意識の低い排出事業者も存在する。

プラスチック類については、産業廃棄物であるという認識が低く、テナント等の従業員の
入れ替わりが激しい事業所では、正しい認識が浸透しにくい。
<町田市の事業系一般廃棄物に関する施策等について>

町田市清掃工場での搬入物検査の強化については、賛成、反対に意見が分かれた。

生ごみのリサイクルについては、難しい状況である。サーマルリサイクルであれば可能だ
が、肥 料 化 等は塩 分 の問 題 や分 別 徹 底 の問 題 もあり難 しく、さらに、原 発 事 故 以 降 、
廃業に追い込まれている農家が多く、肥料の販売も低迷している。

町 田市が行 う一般 廃 棄 物 収集 運 搬 許 可業の許 認 可については、申 請 許 可の基 準を
厳しくし、適正に業務を行っている許可業者が損をしないよう、不適正な業者を取り締
まってほしいという意見が挙がっている。

収集運搬料金を市が決めることに関しては、反対意見のみである。
<町田市に望む施策>

プラスチック類の受入緩 和(プラスチック類は助燃材にもなるので、少々のプラスチック
類(汚れたものなど)は町田市清掃工場で受け入れても良いのではないか)

少量しか排出のない資源物の回収システム

土石等の廃棄物ではないものの受け入れ

収集運搬許可業者を対象とした廃棄物に関する講習会等(許可の認可時や更新時)
の開催(廃棄物に関する知識のない許可業者も多いため)
<事業系一般廃棄物を減量するために町田市が行うべき施策>

収 集 運 搬 許 可 業 者 の収 集 実 態 を知 ったうえでの法 律 ・ルールに則 った廃 棄 物 政 策
(産業廃棄物(不適正物)受け入れ拒否等)の実施

市が実施している取り組みの事業者への紹介(中小規模事業所を対象)

新規に事業所を設置時の町田市の事業系廃棄物の分別ルールの周知徹底
14
1.5.3 アンケート調査結果の概要
(1)調査概要
中量排出事業所約 1,000 件に対してアンケート調査(郵送法、ハガキによる督促 1 回)を実
施し、廃棄物に関する基本的認識・関心度や分別を行う際の課題・問題点、事業者の視点か
らみたごみ減量のアイデア等について、調査した。
調査項目は、以下に示すとおりである。
なお、宛先不明による返送件数を除いた有効調査対象件数は 967 件であり、有効回収件
数は 332 件、有効回収率は 34.3%であった。
<調査項目>

事業所で排出している廃棄物の状況

事業所でのごみ減量・リサイクルの取り組み状況

町田市の事業系一般廃棄物に関する施策の認知度・意見等

事業者の視点からみたごみ減量のアイデア

その他(町田市への意見・要望等)
(2)調査結果の概要
① 回答事業所の概要

回答事業所の業態は、「オフィス系」(26.8%)、「医療・福祉施設」(23.2%)が多く、両
者で半数を占める。

回答事業所の所在地は、「町田地区」が 33.4%と最も多く、次いで「南地区」「鶴川地
区」である。

回答事業所の従業員数は、「5 人未満」「5~9 人」「10~19 人」が各々20%前後を占め、
19 人以下の事業所が全体の約 60%を占めている。

回答事業所の建物形態は、「自らの事業所単独の建物」が最も多く約半数を占める。
次いで「ビル・商業施設などのテナントの 1 つ」である。
② 事業所で排出している廃棄物の状況
<排出している廃棄物の種類(複数回答)>

一般廃棄物では「雑紙」が 61.7%と最も多く、次いで「新聞・雑誌・ダンボール」「生ごみ」
が多い。産業廃棄物では「プラスチック類」が 42.2%と最も多く、次いで「有害物」「金属
類」「びん・ガラス・陶磁器くず」となっているが、「無回答」も「金属類」と同じ 34.6%と多
かった。

一般廃棄物として排出している廃棄物として、「プラスチック類」(27.4%)や「びん・ガラ
ス・陶磁器くず」(17.8%)等の産業廃棄物を挙げた事業所も多く、また、弁当ガラ等の
容器包装を含むプラスチック類やその他の不燃物等が産業廃棄物であることを「知らな
かった」事業所が 29.5%、町田市清掃工場で産業廃棄物を処理できないということを
「知らなかった」事業所も 25.0%あり、一般廃棄物と産業廃棄物の違いやどのようなもの
が産業廃棄物かということを理解していない事業所も多いことがうかがえる。
15
<事業系一般廃棄物の排出方法(自由回答)>

事業系一般廃棄物の排出方法としては、「収集運搬許可業者に委託して民間の廃棄
物処理施設へ搬入」が 66.3%と最も多く、「収集運搬許可業者に委託して町田市の廃
棄物処理施設へ搬入」(40.1%)を上回った。
<ここ 2~3 年間の事業系廃棄物の排出量の増減状況>

ここ 2~3 年間の事業系廃棄物の排出量は「変わらない」と回答した事業所が半数以上
を占め、「減った」とした事業所も 22.9%あった。

排出量が減った理由(複数回答)は、「分別してリサイクルするようにしたから」が最も多
く、次いで「来店者数・利用客数などの減少」「従業員教育の徹底」である。
③ 事業所でのごみ減量・リサイクルの取り組み状況
<事業所で実施しているごみ減量等の取り組み(複数回答)>

事業所で実施しているごみ減量等の取り組みとしては、「空き缶・びん等の分別回収箱
を設置している」が 63.6%と最も多く、次いで「OA 用紙は両面を使用している」「可能な
ものは再使用(リユース)している」が多い。
<廃棄物の品目ごとのリサイクル実施状況>

廃棄物の品目ごとのリサイクル実施状況をみると、リサイクル実施率が 50%を超える廃
棄物の品目は、「新聞」「雑誌」「OA 用紙」「ダンボール」「ペットボトル」「空きびん」「空き
缶」であり、特に「ダンボール」は高く、78.0%のリサイクル実施率であった。

反対にリサイクル実施率が低い品目は、「機密文書」「生ごみ」「繊維類」「木くず・剪定
枝」であり、特に「生ごみ」の実施率 が低い。「生ごみ」をリサイクルしていない主な理由
(複 数 回 答 )は、「ほとんど出ない」「排 出 が少 なくリサイクルが困 難 」「特 になし」であっ
た。

「雑紙」のリサイクル実施率は 40%強である。
<共同リサイクルシステムへの参加意向>

「新聞・雑誌・ダンボール、紙パック」「OA 用紙」「雑紙」「空き缶」「空きびん」「ペットボト
ル」「発泡スチロール」「その他のプラスチック類」の共同リサイクルシステムについては、
「費用等の条件が合えば参加したい」とした事業所が 25%前後あり、「ぜひ参加したい」
と「費用等の条件が合えば参加したい」を合わせた「参加したい(計)」は概ね 30%前後
であった。

「機密文書」については「参加しない」とした事業所が 41.0%と多かった。
<共同ごみ処理機の利用意向>

共 同ごみ処 理 機 の利 用 意 向 については、「利 用 しない」が 34.9%と最も多 かったが、
「費用等の条件が合えば利用したい」とした事業所も 30.4%あった。「ぜひ利用したい」
と「費用等の条件が合えば利用したい」を合わせた「利用したい(計)」は 37.3%である。
16
④ 町田市の事業系一般廃棄物に関する施策の認知度・意見等
<町田市の事業系一般廃棄物に関する施策の認知度>

「町田市のごみ処理削減目標」「新しいごみ処理施設の稼働計画」「町田市清掃工場
での事 業 系 一 般 廃 棄 物 処 理 手 数 料 改 定 」「不 適 正 物 が混 入 した廃 棄 物 の搬 入 拒 否
強化」についての認知度を調査したが、全体的に認知度が低く、「この調査票で初めて
知った」あるいは「知らなかった」と回答した事業所が上記の全設問で 60%を超えてい
る。

特に、町田市清掃工場での事業系一般廃棄物処理手数料改定についての認知度が
低く、「知らなかった」と回答した事業所が 78.0%あった。
<事業系一般廃棄物の減量・リサイクルのために町田市が行うべき施策(複数回答)>

「ごみ収集運搬業者・リサイクル業者に関する情報提供」「リサイクル業者の紹介」「リサ
イクル手法の紹介」「事業者に対するごみ減量・リサイクルの啓発、指導」が 35%前後と
多い。

次いで「ごみ処理に関して気軽に相談できる窓口や体制の充実」が 30.1%、「ごみ減
量に努めている事業者に対する優遇策」が 22.6%である。
<町田市に望む支援(複数回答)>

自らの事業所に対し町田市に行ってほしい支援については「無回答」が 27.4%と最も
多かったが、これを除くと、上位に挙げられている支援策としては、上記の「事業系一般
廃棄物の減量・リサイクルのために町田市が行うべき施策」とほぼ同様であった。
<望ましいごみ減量・リサイクル情報の入手手段(複数回答)>

「広報・パンフレット」が最も多く 64.2%、次いで「市のインターネットサイト」が 44.0%で
ある。
⑤ 事業者の視点からみたごみ減量のアイデア
<自らの事業所で実践している特に効果があった取り組み(自由回答)>

自らの事業所で実際に行っているごみ減量・リサイクルの取り組みのうち、特に効果が
あった取 り組 みを自 由 回 答 で調 査 したところ、「分 別 箱 の設 置 等 による分 別 の徹 底 」
(22 件)、「ペーパーレス対策」(13 件)が多く挙げられた。そのほか、「資源ごみのリサイ
クル(紙類等)」(8 件)、「運輸に伴う仕組み・利用資材の見直し」(8 件)、従業員教育
及び個人ごみの持ち帰り等の実施(7 件)なども挙げられている。

「その他」の内容としては、「フードバンクの活用・推進」や「リサイクルパーツの制作・販
売」等の新しい取り組みも挙げられている。
17
<事業系一般廃棄物の減量化取り組みのアイデア(自由回答)>

事業系一般廃棄物の減量化取り組みのアイデアについて自由回答で調査したところ、
下記のようなアイデアが挙げられた。
 「エコアクション 21」など中小規模事業者が取り組みやすい環境対策への支援(周
知、研修、専門家派遣など)
 一般家庭以外の電池や蛍光灯などを市で回収するシステムの構築
 主要地区道路に常設のドライブスルー型リサイクルボックスを作る(分別型)。
 生ごみ処理機(コンポスト等)の利用促進
 古紙回収業者に回収してもらうような取り組み
 「リサイクルコーディネーター」等の資 格 (あるかは分 かりませんが)を持った人 の事
業 所 (会 社 )への配 置 をアプローチしていく。その取 り組 みをした事 業 所 は減 税 等
の優遇を受けられる。リサイクルコーディネーターには計画の作成も求めていく。
 外で飲んだり食べたりしたごみを会社に持ち込まない。
 利 用 者 にも相 応 の負 担 をお願 いする(例 えば、使 用 済 み紙 おむつは利 用 者 持 ち
帰りにする)
 食材備品等の軽量化
など

そのほか、「必 要 以 上 買 わない。各 自 無 駄を省 く」「安い使 い捨て商 品 を販売しない。
本当に必要なものだけ購入する。物品を大事に使う意識をもう一度育てる必要がある」
など、根本的な意識改革が必要という意見もあった。
⑥ その他
<事業系一般廃棄物の減量・リサイクルの促進についての意見・要望(自由回答)>

分別方法や具体的な減量・リサイクル方法等の情報が不足しているため、「情報提供」
や従 業 員 教 育 用やリサイクル手 法を紹 介した「パンフレット配 布」などの要 望が挙 がっ
ている。また、市は「もっとアピールした方が良い」という意見や「簡便でわかりやすい方
法が成果に結びつく」という意見もあった。

「料金引き下げ」や「なんらかの特典」「リサイクルすれば数円でも得をするというインセン
ティブが必 要」などの優 遇 策を望む意 見や、「利 用 者(市 民 等)によるポイ捨てや不 法
投棄のごみの処理負担への支援」「利用者への啓発活動、意識改革」を求める意見も
挙がっている。反対に「罰則」を求める意見も挙がっている。

リサイクルしやすい仕組みとして、「リサイクル用品回収日等の設定」「ごみステーション
(資源物ステーションと思われる)などの設置」「保育園・幼稚園(希望する園)への生ご
み処理機の設置」などのほか、「市の焼却場を発電所として活用し、ごみをエネルギー
資源として考えてみた方が将来得策ではないか」といった意見も挙がっている。

「収集・処理は委託業者に任せているのでよくわからない」という意見も多数挙がってい
る。

そのほか、チェーン店等のため、自らの事業所だけでは「判断できない」「決められない」
「対応できない」という意見もあった。
18
1.5.4 組成調査結果の概要
(1)調査概要
中量排出事業所 102 件及び多量排出事業所 12 件の事業系一般廃棄物の組成調査を実
施し、各々業態別に集計を行った。
組成調査の対象事業所は表 1.5-2 に示すとおりである。
中 量 排 出 事 業 所 については、調 査 対 象 地 域 (町 田 駅 周 辺 )の業 態 別 事 業 所 数 比 率 を考
慮して業態別の調査対象件数を設定した。多量排出事業所については、業態を考慮して調
査対象事業所を選定したものの、事業所数比率は考慮していない。
表 1.5-2 調査対象事業所
調査対象件数
事業所の業態
調査対象事業所の主な種別
(事業所)
中 量 卸売・小売店
28
小売店(薬局除く)
排 出 宿泊施設・飲食店
19
飲食店
事業所 医療・福祉施設
9
一般診療所、歯科診療所、薬局
オフィス系
銀行、保険・証券会社、不動産業、
(様々な業種の
教 育 施 設 、 学 習 塾 、 美 容 院 ・理 容
46
事務所・営業所等)
院、エステサロン、郵便局 等
計
102
多量排出事業所
卸売・小売店(5 事業所)、
宿泊施設・飲食店(1 事業所)、
12
医療・福祉施設(5 事業所)、
オフィス系:教育施設(1 事業所)
合 計
114
(2)調査結果の概要
① 中量排出事業所
中量排出事業所の組成調査結果は、図 1.5-5(1)~(2)に示すとおりである。
ア.中量排出事業所(全体 102 件)
中量排出事業所全体では、「紙類」が 46.6%、「不適正物」が 27.2%、「生ごみ」が 16.4%と
なっている。細かな品目でみると、「古紙 雑紙」の割合が 23.1%で最も高く、次いで「その他
プラスチック類」(22.7%)、「一般生ごみ」(14.4%)となっている。「紙類」のうち、資源化ルート
が確立し定着している古紙(新聞、雑誌、OA 用紙、ダンボール)の割合は全体の 8.9%を、資
源 化ルートはある程 度 確 立 しているものの、十 分 定 着 していない古 紙(雑 紙)、資 源 化ルート
はあるが普及が進んでいない古紙(禁忌品、シュレッダー紙)を含めると、資源化可能な古紙
の割合は、全体の 36.2%を占めている。
「その他プラスチック類」の内容は、主にポリ袋(ごみ袋含む)や商品パッケージ用の袋、トレ
イ、カップ、ボトル、弁当ガラ、包装材など、プラスチック製の容器包装類であった。また、「その
他の不適正物」の内容は、石膏のようなもの(内容不明)、医療系廃棄物、液体(内容不明)、
乾燥剤、使い捨てカイロなどであった。
イ.中量排出事業所(卸売・小売店 28 件)
中量排出事業所の卸売・小売店では、中量排出事業所全体と概ね同様の傾向を示してい
るが、「紙類」及び「不適正物」の割合がやや高くなっている。反対に、「生ごみ」の割合は低く、
19
1 割を下回っている。また、「その他の不適正物」の割合が他の業態と比べ高くなっているが、
その主な内容は、石膏のようなもの(内容不明)、液体(内容不明)、乾燥剤などであった。
ウ.中量排出事業所(宿泊施設・飲食店 19 件)
中 量 排 出 事 業 所 の宿 泊 施 設 ・飲 食 店 では、中 量 排 出 事 業 所 全 体 と大 きく傾 向 が異 なり、
「生ごみ」が半分を占めている。「生ごみ」の 8 割が「一般生ごみ」、2 割が「生ごみ 骨、貝類、
エビやカニの殻等」である。また、「紙類」の半分以上を「紙くず」が占めており、中量排出事業
所全体や他の業態のと異なった傾向を示している。
また、「繊維くず」の割合が他の業態に比べ高くなっているが、その主な内容は、雑巾(ある
いは布巾)等である。
エ.中量排出事業所(医療・福祉施設 9 件)
中量排出事業所の医療・福祉施設では、中量排出事業所全体と大きく傾向が異なり、「紙
類」が全体の 2/3 以上を占めている。「紙類」の半分が「古紙 雑紙」、2 割強が「紙くず」である。
また、「古紙 シュレッダー紙」の割合が全体の 7.5%と、中量排出事業所全体や他の業態に
比べやや高くなっている。反対に「生ごみ」の割合は非常に低く、5%を切っている。
そのほか特徴的な傾向として、「紙おむつ」の割合が 3.5%と、他の業態に比べ高くなってい
る。
オ.中量排出事業所(オフィス系 46 件)
中量排 出事 業所のオフィス系では、中 量排出 事業 所全体と概 ね同様の傾向を示している
が、「紙類」の割合がやや高く、全体の半分以上を占めている。反対に、「生ごみ」の割合は低
くなっている。
そのほか特徴的な傾向として、「古紙 OA 紙」の割合が他の業態に比べ高くなっている。
<中量排出事業所(全体)>
発泡スチロール
0.0%
ペットボトル
0.5%
その他金属類
0.5% 缶
0.2%
ビン
0.1%
その他雑芥等
3.3%
剪定枝(資源化
できない剪定
枝)
紙おむつ
1.3%
1.2%
有害物・危険物
古紙 新聞
0.0%
1.3%
その他の
廃油
不適正物
古紙 雑誌
0.0%
3.2%
1.4%
ガラス・
古紙
陶磁器類
ダンボール
0.0%
古紙
1.0%
OA紙
5.2%
その他
プラスチック類
資源化
可能
不適
22.7%
紙類 古紙
正物
36.2%
雑紙
27.2
紙類
%
23.1%
46.6
生
ごみ
16.4
%
一般生ごみ
14.4%
木くず
畳(プラスチック
1.1% 手付かず
入りを除く)
生ごみ
繊維くず
0.0%
0.3%
2.9%
%
紙くず
10.4%
古紙
禁忌品
1.3%
古紙 シュレッ
ダー紙
生ごみ 骨、貝 2.8%
殻、えびやカニ
の殻等
1.7%
図 1.5-5(1) 中量排出事業所の組成調査結果(全体)
20
<中量排出事業所(宿泊施設・飲食店)>
<中量排出事業所(卸売・小売店)>
古紙 新聞
1.6% 古紙 雑誌 古紙 OA紙
3.3%
2.8%
有害物・危険物
0.2%
ビン
0.1%
0.1%
その他
プラスチック類
25.5%
不適
正物
紙類
33.7
49.2
%
%
生
ごみ
8.9%
0.5%
その他雑芥等
3.7%
剪定枝(資源化
できない剪定 紙おむつ
枝)
1.1%
0.1%
ペットボトル
0.2%
その他金属類
0.9%
缶
ビン 0.1%
古紙
ダンボール
1.5%
その他の
不適正物
6.5%
ペットボトル
0.6%
その他金属類
0.2% 缶
古紙 新聞
0.7%
一般生ごみ
8.6%
木くず
1.0%
繊維くず
2.3%
紙おむつ
0.2%
紙くず
8.7%
ペットボトル
その他金属類 1.5%
0.1%
その他雑芥等
0.3%
剪定枝(資源化
できない剪定
枝)
0.6%
繊維くず
1.7% 木くず
0.2%
古紙 新聞
0.5%
不適
正物
17.6
生 %
ごみ
3.3%
一般生ごみ
3.3%
繊維くず
7.9%
紙くず
10.5%
紙類
18.8
%
生
ごみ
50.7
%
生ごみ 骨、貝
殻、えびやカニ
の殻等
9.6%
手付かず
生ごみ
0.2%
一般生ごみ
40.8%
<中量排出事業所(オフィス系)>
古紙 雑誌
1.5%
古紙 OA紙
1.4%
その他の
不適正物
2.9%
古紙
ダンボール
1.1%
その他
プラスチック類
14.4%
紙おむつ
3.5%
資源化
可能
紙類
8.3%
手付かず
生ごみ
0.3%
<中量排出事業所(医療・福祉施設)>
その他の
不適正物
1.7%
不適
正物
18.0
%
木くず
1.2%
古紙 禁忌品
2.4%
古紙
シュレッダー紙
1.0%
古紙 禁忌品
0.8%
その他
プラスチック類
16.0%
その他雑芥等
3.2%
古紙
雑紙
28.0%
資源化
可能
紙類
40.6%
その他の
不適正物
0.5%
古紙
古紙 OA紙
ダンボール
0.1%
1.3%
古紙 雑紙
5.4%
紙類
72.8
%
資源化
可能
紙類
49.0%
古紙
雑紙
35.5%
紙くず
23.8%
古紙 シュレッ
古紙 禁忌品
ダー紙
1.5%
7.5%
ペットボトル
0.5%
その他金属類
0.4%
ビン
0.1%
その他雑芥等
3.5%
剪定枝(資源化
できない剪定
枝)
紙おむつ
2.3%
1.3%
繊維くず
1.6%
その他
プラスチック類
24.6%
不適
正物
28.6
%
生
ごみ
10.1
%
一般生ごみ
9.6%
木くず
1.2%
古紙 雑誌
1.1%
古紙
OA紙
8.2%
紙類
51.4
%
資源化
可能
紙類
41.8%
紙くず
9.6%
生ごみ 骨、貝
手付かず 殻、えびやカニ
生ごみ
の殻等
0.4%
0.1%
注)図中に表示していない品目の割合は、すべて 0.0%である。
図 1.5-5(2) 中量排出事業所の組成調査結果(業態別)
21
古紙 新聞
1.5%
古紙
ダンボール
0.8%
古紙
雑紙
25.4%
古紙 禁忌品
1.1%
古紙
シュレッダー紙
3.9%
② 多量排出事業所
多量排出事業所の業態別組成調査結果は、図 1.5-6 に示すとおりである。
なお、多量排出事業所については、業態を考慮して調査対象事業所を選定したものの、事
業所数比率は反映していないため、調査対象全体の集計は行っていない。
ア.多量排出事業所(卸売・小売店 5 件)
多量排出事業所の卸売・小売店では、「紙類」が 35.1%、「生ごみ」が 33.0%、「不適正物」
が 29.3%となっている。細かな品目でみると、「その他プラスチック類」の割合が 25.3%で最も
高く、次いで「一般生ごみ」(25.1%)、「紙くず」(19.0%)となっている。「その他プラスチック類」
の主な内容は、容器包装類(ごみ袋含む)、梱包材等である。
中量排出事業所の卸売・小売店と比較すると、「紙類」の割合が低くなっており、特に「古紙
雑紙」の割 合が低い。反対に「生ごみ」の割合が高くなっているが、これは、多量 排 出 事業 所
の卸売・小売店では食料品の販売や飲食店を併設している施設が多く、生ごみの排出も多い
ためと考えられる。また、「紙類」のリサイクルが進み廃棄量が少なくなっていることから、相対的
に「生ごみ」の占める割合が高くなっていると考えられる。
イ.多量排出事業所(宿泊施設・飲食店 1 件)
多量排出事業所の宿泊施設・飲食店では、「生ごみ(一般生ごみ)」が 87.4%を占めている。
調査対象が 1 事業所のみのため単純には比較できないが、参考に中量排出事業所の宿泊
施設・飲食店と比較しても、はるかに高い。これは、分別・リサイクルが進んでおり、紙類やプラ
スチック類の混入も中量 排出事 業所 の宿泊施設 ・飲食店に比べ少ないためと考えられる。な
お、「生ごみ(一般生ごみ)」の主な内容は、残飯(食べ残し)である。
残りの 1 割は「不適正物(その他プラスチック類)」であり、主に残飯に混入していたフィルム
カップ(おかずカップ)やポリ袋である。
ウ.多量排出事業所(医療・福祉施設 5 件)
多量排出事業所の医療・福祉施設では、「紙おむつ」が全体の 67.6%を占めており、中量排
出事業所の医療・福祉施設と比較しても傾向が大きく異なる。これは、本調査で対象とした中
量排出事業所の医療・福祉施設は主に病床数の少ない小規模な医療施設であったが、多量
排出事業所の医療・福祉施設は、病床数の多い大規模な病院や福祉施設が対象となっており、
入院・入所者数も多く、「紙おむつ」の排出も多くなっていると考えられる。また多量排出事業所
の医療・福祉施設では分別・リサイクルが進んでおり、「紙類」等の廃棄量が少なくなっているこ
とから、リサイクルが困難な「紙おむつ」の割合が相対的に高くなっていると考えられる。
エ.多量排出事業所(オフィス系:教育施設 1 件)
多量排出事業所の教育施設では、「紙類」が 70.7%を占めている。
調査対象が 1 事業所のみのため単純には比較できないが、参考に中量排出事業所のオフ
ィス系と比較しても、「紙類」の割合が高くなっている。全体の 40.8%を占める「古紙 雑紙」の
内容は、主に紙箱や紙カップなどである。
「その他プラスチック類」の割合はほぼ同程度で、その内容は、主に弁当ガラ、菓子類等の
袋やその他のプラスチック製袋、カップ麺等の容器などであった。
22
<多量排出事業所(卸売・小売店)>
<多量排出事業所(宿泊施設・飲食店)>
古紙 雑誌
古紙 OA紙
古紙 新聞 0.5%
1.2%
その他の 0.4%
古紙
不適正物
ダンボール
3.1%
0.9%
古紙
古紙 禁忌品
資源化 雑紙
1.2%
可能紙類
12.0%
その他
プラスチック類
25.3%
ペットボトル
0.2%
その他金属類
0.5%
その他雑芥等
0.2%
繊維くず
1.5%
資源化
可能紙類
0.9%
16.1%
不適
紙類
正物
35.1
29.3
%
% 生
ごみ
33.0
%
一般生ごみ
25.1%
紙おむつ
0.3%
木くず
0.2%
古紙 新聞
0.1% 古紙 雑紙
0.7%
紙くず
2.0%
その他
プラスチック類
9.5%
不適 紙類
正物 2.9%
9.5%
生
ごみ
87.4
%
紙くず
19.0%
手付かず
生ごみ
7.8%
木くず
0.7%
一般生ごみ
87.4%
生ごみ 骨、貝
殻、えびやカニ
の殻等
0.1%
<多量排出事業所(医療・福祉施設)>
<多量排出事業所(オフィス系:教育施設)>
古紙 OA紙
0.5%
古紙
その他の 古紙 新聞
ダンボール
不適正物
1.2%
0.4%
ガラス・ 0.3%
古紙 雑紙
陶磁器類
4.3%
古紙 禁忌品
0.2%
0.2%
その他
その他金属類
プラスチック類 資源化
手付かず
可能
紙くず
0.1%
10.2%
生ごみ
紙類
10.0%
0.3%
6.5%
不適 紙類
一般生ごみ
木くず
正物 16.4 生
4.0%
0.1%
10.8 %
%
紙おむつ
67.6%
ごみ
4.3%
その他の
不適正物
0.2%
ペットボトル
0.4%
その他金属類
その他
0.1%
プラスチック類
缶
23.1%
0.3%
その他雑芥等
0.4%
繊維くず 剪定枝(資源化
0.8%
できない剪定
枝)
0.7%
繊維くず
0.3%
木くず
0.4%
一般生ごみ
3.5%
紙くず
7.0%
紙類
70.7
%
古紙
雑誌
14.8%
資源化
可能
紙類
63.6%
古紙 雑紙
40.8%
古紙 禁忌品
0.6%
注)図中に表示していない品目の割合は、すべて 0.0%である。
図 1.5-6 多量排出事業所の組成調査結果
23
不適
正物
24.0
生 %
ごみ
3.5%
古紙
新聞
5.6%
古紙
OA紙
1.5%
古紙
ダンボール
0.5%
(3)事業系一般廃棄物(総量)の組成の推計結果の概要
中量排出事業所及び多量排出事業所の組成調査結果と 2013 年度の事業系一般廃棄物
の搬入量を基に、町田市の事業系一般廃棄物(総量)の組成を推計した。
事業系一般廃棄物(総量)の組成割合の推計結果は、表 1.5-3 に示すとおりであり、「紙類」
が 43.5%、「不適正物」が 26.6%、「生ごみ」が 17.9%であった。「紙類」のうち、資源化ルート
が確立し定着している古紙(新聞、雑誌、OA 用紙、ダンボール)は全体の 8.2%を、資源化ル
ートはある程度確立しているものの、十分定着していない古紙(雑紙)を含めると 28.7%、さら
に資源化ルートはあるが普及が進んでいない古紙(禁忌品、シュレッダー紙)も含めると、資源
化可能な古紙の割合は全体の 32.1%と推計された。
不適正物の大半を占める「その他プラスチック類」の割合は 22.3%と推計された。
表 1.5-3 事業系一般廃棄物(総量)の組成の推計結果
区分
組成
総 量
湿ベース
多量排出事業所
湿ベース
中量排出事業所
湿ベース
(
分類 小分類
重量(t/年) 比率(%) 重量(t/年) 比率(%) 重量(t/年) 比率(%)
紙類
古紙
新聞
282
1.2
47
0.9
236
1.3
市
雑誌
307
1.3
59
1.2
248
1.4
で
OA紙
985
4.3
48
1.0
936
5.2
受
ダンボール
317
1.4
133
2.6
185
1.0
け
雑紙
4,722
20.5
582
11.5
4,140
23.1
入
禁忌品
274
1.2
36
0.7
238
1.3
れ
シュレッダー紙
513
2.2
3
0.1
510
2.8
て
紙くず
2,606
11.3
731
14.4
1,874
10.4
い
計
10,006
43.5
1,640
32.4
8,367
46.6
る
骨、貝殻、えびやカニの殻等
313
1.4
3
0.1
310
1.7
生ごみ
ご
手付かず生ごみ
210
0.9
154
3.0
56
0.3
み
一般生ごみ
3,587
15.6
1,001
19.7
2,586
14.4
計
4,110
17.9
1,158
22.8
2,952
16.4
一
木くず
291
1.3
100
2.0
191
1.1
般
繊維くず
583
2.5
66
1.3
518
2.9
廃
畳(プラスチック入りを除く)
0
0.0
0
0.0
0
0.0
棄
837
3.6
620
12.2
216
1.2
物 紙おむつ
剪定枝(資源化できない剪定枝)
243
1.1
6
0.1
237
1.3
その他雑芥等
825
3.6
233
4.6
592
3.3
産業廃棄物
ビン
20
0.1
2
0.0
19
0.1
(資源物)
缶
30
0.1
2
0.0
28
0.2
その他金属類
100
0.4
17
0.3
82
0.5
不
ペットボトル
117
0.5
23
0.5
94
0.5
適
発泡スチロール
4
0.0
0
0.0
4
0.0
正 産業廃棄物等 その他プラスチック類
5,133
22.3
1,065
21.0
4,069
22.7
物 (資源物以外)
ガラス・陶磁器類
6
0.0
2
0.0
4
0.0
廃油
0
0.0
0
0.0
0
0.0
有害物・危険物
9
0.0
0
0.0
9
0.0
その他の不適正物
706
3.1
136
2.7
570
3.2
6,126
26.6
1,247
24.6
4,879
27.2
計
事業系一般廃棄物搬入量(合計)
23,020
100
5,068
100
17,952
100
注)1.総量及び多量排出事 業所の事業系 一般廃棄物搬入量(合計)は 2013 年度の実績値、中 量排出事業所
の事業 系 一 般 廃 棄 物 搬 入 量 (合 計 )は、2013 年度の総量 実績 値から多量排 出 事業 所 の実績 値を差 し引
いた値である。
2.四捨五入の関係で個々の重量、比率の総和と合計が合わない場合がある。
)
24
1.6 事業系一般廃棄物搬入量の増加要因等の考察
既存資料調査結果を基に、2009~2013 年度に事業系一般廃棄物搬入量が増加した要因
を考察した。
2009~2013 年度に事業系一般廃棄物搬入量の内訳の推移を図 1.6-1 に示す。
事業系一般廃棄物搬入量(総量)は、2009 年度から 2010 年度にかけて約 1,000t増加し、
その後は微増傾向にある。
多量排出事業所及び大規模事業所を除くその他の中量排出事業所の搬入量は 2010 年
度に約 1,700t 増加し、その後はほぼ横ばい状況にある。反対に継続多量排出事業所・大規
模事業所の搬入量は 2010 年度に約 800t減少し、2011 年度に一旦微増し、その後はまた微
減傾向にある。
以上のことから、2010 年度の増加は、主にその他の中量排出事業所の搬入量の増加によ
るものと考えられる。その後の増加については、図 1.6-2 に示すとおり、新設等多量排出事業
所・大規模事業所以外の継続多量排出事業所・大規模事業所やその他の中量排出事業所
等 の搬 入 量 は、微 減 傾 向 にあることから、主に新 設 等 多 量 排 出 事 業 所 ・大 規 模 事 業 所 の搬
入量が追加されたことによるものと考えられる。
なお、新 設 等 多 量 排 出 事 業 所・大 規 模 事 業 所 としては、大 規 模 商 業 施 設 のほか、老 人 ホ
ーム等の大規模福祉施設の事業所数の増加が顕著である。
25
(t/年)
25,000
21,221
20,000
21,176
22,297
22,259
21,816
21,405
23,064
21,514
23,020
21,238
新設等多量排出事業所・
大規模事業所合計
閉鎖等多量排出事業所・
大規模事業所合計
15,000
継続多量排出事業所・大
規模事業所合計
その他の中量排出事業所
合計
10,000
町田市事業系一般廃棄物
搬入量(総量)
新設等多量排出事業所・
大規模事業所以外の事業
所合計
5,000
0
2009
2010
2011
2012
2013
(年度)
注)1.新設等多量排出事業所・大規模事業所:
2009~2013 年度の 5 年間に新設・大規模リニューアル、あるいは、その他の理由で、新たに多量排出事業
所あるいは大規模事業所となった事業所(34 事業所)。
2.閉鎖等多量排出事業所・大規模事業所:
2009~2013 年度の 5 年間に閉鎖、あるいは、その他の理由で対象外となった多量排出事業所あるいは大 規
模事業所(8 事業所)。
3.継続多量排出事業所・大規模事業所:
2009~2013 年度の 5 年間に継続して多量排出事業所あるいは大規模事業所であった事業所(237 事業所)
4.その他の中量排出事業所:多量排出事業所及び大規模事業所を除くその他の中量排出事業所
5.大規模事業所のうち、減量・再利用計画書未提出の事業所は、集計対象から除外した。
出典「2013 年度(平成 25 年度)清掃事業概要」(2015 年 2 月 27 日、町田市環境資源部環境政策課)
町 田 市 環 境 資 源 部 資 源 循 環 課 資 料(一 般 廃 棄 物 管 理 票 データの集 計 結 果 (一 部 減 量 ・再 利 用 計 画 書の
数値により補正))
町田市環境資源部 3R 推進課資料(減量・再利用計画書の処分量(産業廃棄物、医療系・感染性廃棄物、
廃材等を除く)の集計結果)
図 1.6-1 事業系一般廃棄物搬入量の内訳の推移
26
1.7 事業系一般廃棄物に関する減量目標
町田市では、「町田市一般廃棄物資源化基本計画」(2011 年 4 月)において、2020 年度ま
でに 2009 年度比で「ごみとして処理する量を 40%削減する」という目標を掲げている。
このうち事業系一般廃棄 物については、2020 年 度までに「ごみとして処理する量を 18,038
t/年まで削減(2009 年度比で 15%削減)する」こととしているが、2013 年度の事業系一般廃
棄物搬入量が 2009 年度に比べやや増加していることから、2013 年度比では約 21.6%の削減
が必要となる(図 1.7-1 参照)。
なお、「ごみとして処理する量」には、資源化量は含まない。
(t/年)
25,000
2013年度比では
21.6%削減が必要
23,020
21,221
20,000
18,038
15,000
2009年度比で
15.0%削減
10,000
5,000
0
2009年度
2013年度
2020年度
目標処理量
図 1.7-1 事業系一般廃棄物の減量目標
27
1.8 事業系一般廃棄物の減量施策の方向性
調査結果や調査の実施過程で抽出された町田市の事業系一般廃棄物に関する課題を踏
まえた減量施策の方向性は、以下に示すとおりである。
(1)町田市の基本ルールの徹底
① 排出事業者に対する基本ルールの徹底、新規事業所に対する基本ルールの徹底、
悪質排出事業者への罰則強化
 一般廃棄物と産業廃棄物の区分や、町田市清掃工場へ搬入できるもの、できない
ものの区分など、基本的なルール等の認識が不十分である。
 特にプラスチック類が産業廃棄物であることの認識が不十分である。
 事業系一般廃棄物の減量・リサイクル手法やリサイクル業者等の情報が不足してい
る。市も情報は発信しているものの、排出事業者へ十分届いていない。
 2009~2013 年度の事業系一般廃棄物の増加要因は、新設等多量排出事業所・
課 題
大規模事業所の搬入量の追加である。
施策の
方向性

事業系一般 廃棄物の減量・リサイクルのために町田市が行うべき施策及び自らの事業
所への支援策として、「ごみ収集運搬業者・リサイクル業者に関する情報」「リサイクル業
者 の紹 介 」「リサイクル手 法 の紹 介 」「事 業 者 に対 するごみ減 量 ・リサイクルの啓 発 、指
導」が上位に挙げられている。

町田市の基本ルールを周知・徹底する。特に、プラスチック類の取り扱いについて、
周知徹底を図る。
事業系一般廃棄物の減量・リサイクル手法やリサイクル業者等の情報を、排出事業
者へ確実に届く方法で提供する。
新規事業所に対しては、事業開始時に町田市の基本ルールの周知・徹底を図る。
不適正な排出事業者への指導強化、繰り返し指導しても改善しない悪質な排出事
業者への罰則強化を図る。



② 収集運搬許可業者に対する基本ルールの徹底
課 題

収集運搬許可業者の中には、基本的なルールの認識不足等の業者も存在する。
施策の
方向性

収集運搬許可業者の講習会や許可基準の見直し等を実施し、優良化を図る。
(2)紙資源のリサイクルの推進

町 田 市 清 掃 工 場 に搬 入 される事 業 系 一 般 廃 棄 物 には、資 源 化 可 能 な紙 類 ( 以
下、紙資源という。)が約 30%混入している。中でも「雑紙」の割合が高く、混入する
紙資源の 2/3 を占めている。

紙資源のリサイクルを推進し、町田市清掃工場に搬入される事業系一般廃棄物に
混入する紙資源の減量を図る。
特に、混入割合の高い「雑紙」に重点をおいて、リサイクルの推進を図る。
「雑紙」は中量排出事業所からの排出が多いことから、特に中量排出事業所に対し
リサイクルの推進を図る。
28
課 題
施策の
方向性


(3)不適正物の混入防止

課 題



施策の
方向性

町田市清掃 工場に搬入される事業系一般廃棄 物には、「不適正物」が約 27%混
入している。中でも、ペットボトルと発 泡スチロールを除く「その他プラスチック類」の
割合が高く、全体の約 22%を占めている。
事 業 所 から排 出 される弁 当 ガラやポリ袋などの容 器 包 装 プラスチック類 (汚 れが付
着したもの含む)も産業廃棄物であり、町田市清掃工場へ搬入できないことが十分
に認識されていない。
プラスチック類以外にも、医療系廃棄物や液体等の不適正物の混入がある。
事 業 所 から排 出 される弁 当 ガラやポリ袋などの容 器 包 装 プラスチック類 (汚 れが付
着したもの含む)は産業廃棄物であり、家庭から排出されるものと取り扱いが異なる
ことを周知徹底するとともに、プラスチック類混入に対する指導強化を図る。
プラスチック類以外の不適正物の混入に対する指導強化も図る。
(4)生ごみの減量(発生抑制)の推進


課 題

施策の
方向性

町田市清掃工場に搬入される事業系一般廃棄物の約 18%が生ごみである。
事 業 系 一 般 廃 棄 物 の生 ごみの中 には、調 理 くず等 のほか、従 業 員 や飲 食 店 等 の
利用客の「食べ残し」も多く含まれている。
町 田 市 及び近 隣 地 域には生ごみのリサイクル施設が少なく、施 設があったとしても
受け入れ可能量に十分な余裕がない施設が多い。
事業系一般廃棄物の生ごみを削減するためには、飲食店等の利用客でもある市民
の意識改革も必要であるため、排出事業者に対する啓発だけでなく、市民に対し、
食育や様々な方法・機会を活用し、「食べきり」についての啓発を行う。
(5)優良排出事業者への支援の強化

課 題


施策の
方向性

ヒアリング調査結果によると、多量排出事業所では分別排出、減量・リサイクルに積
極 的 に取 り組 んでいる事 業 所 が多 い。また、既 存 資 料 調 査 結 果 によると、2009~
2013 年度の 5 年間に継続して一般廃棄物管理票適用対象であった多量排出事業
所の事業系一般廃棄物の搬入量は減少傾向にある。
これらの減量・リサイクルの取り組みは、各事業所の自主性に任されており、ヒアリン
グ調査結果によると、さらなる減量・リサイクルの取り組みを予定している事業所は少
なく、現状の取り組みを継続実施するとした事業所が多い。
アンケート調 査 結 果 によると、事 業 系 一 般 廃 棄 物 の減 量 ・リサイクルのために町 田
市が行うべき施策及び自らの事業所への支援策として、「ごみ減量に努めている事
業者に対する優遇策」が比較的上位に挙がっている。
適 正 排 出 や減 量 ・リサイクルに積 極 的 に取 り組 んでいる優 良 排 出 事 業 者 に対 して
は、インセンティブが働くような優遇策等を実施する。
29
(6) 紙おむつの動向把握


課 題


施策の
方向性

2009~2013 年度の事業系一般廃棄物の増加要因は、新設等多量排出事業所・
大規模事業所の搬入量の追加である。
新設等の多量排出事業所・大規模事業所としては、大規模商業施設のほか、特に
大規模福祉施設の事業所数の増加が顕著である。
多量排出事業所の医療・福祉施設から排出される事業系一般廃棄物の 70%近く
を紙 おむつが占 めているが、衛 生 面 や技 術 面 等 からリサイクルが難 しい状 況 であ
る。(大規模商業施設からの事業系一般廃棄物 は、主に紙類、生ごみ、プラスチッ
ク類。)
町田市の高齢者人口も増加している。
福祉施設の増加や高齢者人口の増加に伴い、紙おむつの排出量も増加すると予
想されるがリサイクルが困 難な状 況にあることから、将 来に向 けて、その排 出 量やリ
サイクル手法等の動向を把握していく。
(7)その他
① 市の積極的な関与

課 題


施策の
方向性

事業系一般廃棄物の減量・リサイクルを進めていくためには、市が積極的に排出事
業 者 とかかわることが必 要 (少 なくとも、施 策 実 施 当 初 には積 極 的 なかかわりが必
要)である。
アンケート調査結果によると、ごみ処理に関して気軽に相談できる窓口や体制の充
実を望む声も挙がっている。
事 業 所の戸 別 訪 問など、現 場レベルでの関 与 を強化し、コミュニケーションの機 会
を増やす。
ホームページによる情 報 発 信 だけでなく、情 報 の直 接 送 付 や相 談 窓 口 の設 置 な
ど、積極的にかかわる形で情報を提供する。
② 事業系一般廃棄物に関する基礎資料の整備

一 般 廃 棄 物 管 理 票や減 量 再 生 利 用 計 画 書のデータ、収 集 運 搬 許 可 業 者の収 集
先リスト等の事業系一般 廃棄物に関する基礎資料があるが、データの精査や整合
性の確認等が不十分な状況である。

事業系一般廃棄物に関する基礎資料の精度向上を図る。
課 題
施策の
方向性
30
③ 家庭系ごみ(粗大ごみ含む)の不法投棄の防止

課 題
施策の
方向性


ヒアリング調査結果によると、排出事業者が処理に困っている廃棄物として、事業所
敷地内に不法投棄される「家庭系ごみ・粗大ごみ」が挙げられている。
事業所敷地内に不法投棄された家庭系ごみ(粗大ごみ含む)は、各事業所が事業
系一般廃棄物または産業廃棄物として、処理している。
市民に対する家庭系ごみ(粗大ごみ含む)の不法投棄防止に関する啓発や不法投
棄パトロール等を強化する。
31
1.9 事業系一般廃棄物の減量施策の提案
「1.8 事業系一般廃棄物に関する課題と減量施策の方向性」を踏まえ、2020 年度の減量
目標 達成に向け、町田 市で実行 可 能と思われる事業系 一 般廃 棄物の減量 施策について提
案する。
事業系一般廃棄物の減量施策の進め方のイメージは、図 1.9-1 に示すとおりである。施策
の進め方の流れをイメージ化するため、優先度、重要度等を考慮して、便宜上、ステップ 0~4
の段階に区分したが、段階が異なっている施策であっても同時に実施する場合もある。なお、
ステップ 0 は、ステップ 1~4 の施策を進めるにあたって、事前に実施しておくべき事項である。
また、各施策については、「減量につながる仕組みに関する提案」「減量につながる啓発活動
に関する提案」「その他の提案」に区分した。
各施策の概要は、「1.9.1 ステップ 1 意識改革」~「1.9.5 その他」に示すとおりである。ス
テップ 0 については、事前に実施しておくべき事項であることから、「1.9.5 その他」に示した。
<共通の留意事項>
各施策の概要の中で当該施策による見込み削減量及び概算経費を算定しているが、見込
み削減量については、各種啓発施策とともに各々の当該施策を実施した場合の見込み量で
あって、施策間で重複する場合もあることから、単純に合算して総減量を算出することはできな
い。
概算経費については、一部を除き、各々の当該施策を単独で実施した場合の委託等に係
る経費である。他の施策と同時に実施した場合は、経費の削減を図ることも可能である。
なお、パンフレット等の送料は、標準の郵便料金で算定しており、各種割引制度を活用する
ことで、経費削減が可能である。
32
注)1.便宜上、ステップ 0~4 の段階に区分しているが、段階が異なっている施策であっても同時に実施する場合
もある。
2.施策の区分 ◆:減量につながる啓発活動に関する施策、■:仕組みに関する施策、◎:その他の施策
図 1.9-1 事業系一般廃棄物処理量の減量施策の進め方のイメージ
33
1.9.1 ステップ 1 意識改革
(1)事業系一般廃棄物排出ルールブック等の作成、直接配布
施策区分
啓発
一般廃棄物と産業廃棄物の区分や町田市清掃工場で受け入れていない廃棄物について、
排出事業者の認識が不十分であることから、事業系廃棄物に関する基本的事項や町田市に
おける排出 ルール等をわかりやすく示したルールブック等を作成し、市内の事業所 へ直接配
布して周知徹底を図る。
特に、プラスチック類の取り扱いについて写真等を使用してわかりやすく示すとともに、雑紙
やシュレッダー紙、禁忌品のリサイクルを推進するための情報等を示したものとする。
<施策の概要>
対象とする

廃棄物
対象者




方法等



概算経費
事前検討事項 
等

参考とした事例 
事業系廃棄物全般(一般廃棄物、産業廃棄物)
町田市内の事業所
町 田 市の事 業 系 一 般 廃 棄 物 排 出 ルール等をわかりやすく示 したルールブック等
を作成し、市内の事業所へ直接送付する。
分別区分を示したページは、事業所内に掲示できるような形式のものとする。
一般廃棄物と産業廃棄物の区分、家庭系ごみとの排出ルールの違い等がわかる
ような内容とする。
併せて、減 量 ・リサイクルの取り組み事 例や事業 系 紙 資 源の回 収 拠 点の案 内、リ
サイクル業者の紹介等も掲載する。
直接配布のほか、事業所立ち入り調査や戸別訪問時、説明会、講習会等におい
ても活用する。
対象者への周知費用
 ルールブック等のパンフレット作成費:約 130 万円(A4 版、カラー、12 ペー
ジ、3,000 部。特注画像素材費等は含まない。)
 事 業 場 内 掲 示 用 リーフレット作 成 費 :約 60 万 円 (A3 版 両 面 カラー1 枚 、
12,000 部。特注画像素材費等は含まない。)
 送付代:約 160 万円(12,000 部、定形外郵便、その他発送作業代として)
事業所への配布方法の検討
外国語版(英語、中国語等)の作成有無の検討
八王子市、相模原市
(2)新規事業所に対する町田ルールの徹底
施策区分
啓発
新たに町田市内で事業活動を開始する事業所を対象に、様々な機会を活用して、町田市
の事業系一般廃棄物排出ルール等の周知徹底を図る。
<施策の概要>
対象とする

廃棄物
対象者


方法等
事業系廃棄物全般(一般廃棄物、産業廃棄物)
町田市内で新たに事業活動を開始する事業所
新規事業所開設の届出や講習会など、様々な機会を通して、事業系一般廃
棄物排出ルールブック等を配布・説明し、町田ルールの徹底を図る。
※ルールブック等の作成費等は「(2)① 町田市の事業系一般廃棄物排出ルールブッ
概算経費
ク等の作成、直接配布」参照。
事前検討事項 
市 役 所 内 の関 係 各 課 や関 係 機 関 との調 整 (建 築 関 係 課 、産 業 振 興 関 係 担 当
等
課、介護施設関係課、保健所等)
参考とした事例 
八王子市、千葉市、横浜市、相模原市
34
施策区分
(3)様々な機会を捉えた啓発活動の実施
啓発
新規 事業 所 以外に対しても、様々な機会を捉えて直接出 向 き、町田ルールに関する啓発
活動を実施する。例えば、大規模商業施設のテナント店長会議や飲食店の各種関連団体の
総会等の場を借りて、町田ルールの周知・徹底を図る。また、教育施設については、施設内で
説明会を開催し、学生等への周知・徹底を図る。
<施策の概要>
対象とする

廃棄物
対象者


事業系廃棄物全般(一般廃棄物、産業廃棄物)
町田市内の事業所(少量排出事業所除く)
大 規 模 商 業 施 設 のテナント店 長 会 議 等 へ直 接 出 向 き、町 田 ルールの周 知 徹 底
を図る。

飲 食 店については、保 健 所の食 品 衛 生 講 習 会のほか、各 種 関 連 団 体の総 会 等
の場を借りて町田ルールの周知徹底を図る。

教育施設については、施設内で説明会を開催し、学生等へ施設内で排出する廃
方法等
棄物はすべて事業系廃棄物となり、家庭系ごみとは排出ルールが異なることを周
知・徹底する。

その他の事 業 所 についても、要 望 等 があれば、直 接 出 向 き、従 業 員 等 への町 田
ルールの周知徹底を図る。

説明等には事業系一般廃棄物排出ルールブック等を活用する。
※ルールブック等の作 成 費 等 は「1.9.1 (1) 町 田 市の事 業 系 一 般 廃 棄 物 排 出 ルー
概算経費
ルブック等の作成、直接配布」参照。
事前検討事項 
訪問先事業所や関係機関等との調整
等

説明会・講習会準備
参考とした事例 
相模原市、千葉市
35
(4)減量再利用計画書の届出様式の見直しと廃棄物管理責任者・担当者の講習会開催
施策区分
啓発
大規模事業所に対しては減量再利用計画書の届出が義務づけられているが、現行の様式
では、一 般 廃 棄 物・産 業 廃 棄 物の区 分や廃 棄 物 品 目ごとの処 理 方 法 や処 理 先 等 が不 明 確
である。今後 、排出 事 業 者に対する指導 強 化等 に活用できるよう減 量再 利用 計 画書 届 出 様
式の見 直しを行う。併せて、大規 模 事業 所 向けに減量 再 利 用計 画 書の記入 方 法をわかりや
すく示した冊子を作成・配布する。
また、廃棄物管理責任者・担当者の意識向上を図るため、講習会を定期的に開催する。
<施策の概要>
対象とする

廃棄物
対象者





事業系廃棄物全般(一般廃棄物、産業廃棄物)
町田市内の大規模事業所
今 後の指 導 等に活 用できるよう様 式 を見直す。一 般 廃棄 物・産 業 廃棄 物の区分
や廃棄物品目ごとの処理方法や処理先等を明確にし、自らの事業所の廃棄物が
どのように処理されているか、排出事業者にも認識しやすい形式とする。
併せて、大規模事業所向けに減量再利用計画書の記入方法をわかりやすく示し
た冊子を作成し、届出様式とともに直接送付する。
減 量 再 利 用 計 画 書 は、データの入 力 作 業 の省 力 化 を図 るため、電 子 データ
(Microsoft Excel 等)での提出についても検討する。
廃棄物管理責任者・担当者の講習会を定期的に開催し、意識向上を図る。
方法等
再利用計画書記入例(横浜市事例)
概算経費



事前検討事項

等

参考とした事例 
廃棄物担当者向け講習会(八王子市事例)
講習会会場費:67,000 円+付属設備使用料/回(市民ホール平日全日)
冊子作成費:220 万円(A4 版、両面カラー、52 ページ、1,000 部。特注画像素材
費等は含まない。)
関係機関(商工会議所等)との調整
条例の改正(様式変更)
条例改正内容の周知方法(様式変更)
横浜市、八王子市
36
(5)収集運搬許可業者の優良化
施策区分
啓発
不適正な事業系廃棄物を収集・搬入したり、越境廃棄物を搬入・搬出するような収集運搬
許可業者があり、適正な収集運搬の妨げとなっている。講習会の実施や許可基準の見直し等
により、収集運搬許可業者の優良化を図ることで、排出事業者の適正排出を促す。
<施策の概要>
対象とする

事業系一般廃棄物全般
廃棄物
対象者

町田市の事業系一般廃棄の収集運搬許可業者

許可の更新時等に収集運搬許可業者の講習会を実施する。

収集運搬許可業者の許可基準を見直す。
方法等

搬入物検査により、不適正収集運搬許可業者への指導を強化する。

併せて不適正な排出事業者の指導強化も図る。
見込み削減量 ※「1.9.2 (1) 搬入物検査の強化と悪質排出者に対する罰則強化(過料)」参照
概算経費

講習会開催費用:約 10 万円/回(会場費、資料代等)
事前検討事項 
講習会の内容の検討
等

講習会資料の作成
参考とした事例 -
(6)リサイクル手法・業者、収集運搬許可業者等の情報提供
施策区分
啓発
事 業 系 の紙 資 源やプラスチック類 等 のリサイクル手 法やリサイクル業 者、収 集 運 搬 許 可 業
者・処分許可業者等の情報を、市のホームページや広報、排出ルールブック等で紹介する。
<施策の概要>
対象とする

廃棄物
対象者


事業系廃棄物全般(特に紙資源、プラスチック類)
町田市内の事業所
事 業 系 の紙 資 源 やプラスチック類 等 のリサイクル手 法 やリサイクル業 者 、収 集 運
搬 許 可 業 者 ・処 分 許 可 業 者 等 の情 報 を町 田 市 のホームページや広 報 、排 出 ル
ールブック等で紹介する。

紙資源については、特に雑紙や機密書類、シュレッダー紙、禁忌品を取り扱うリサ
イクル業者の情報提供を強化する。

ホームページに掲載するリサイクル業者、収集運搬許可業者・処分許可業者の情
報には、各業者で取り扱う廃棄物品目やリサイクルの有無等を一目でわかるような
方法等
形で掲載する。

リサイクル手 法 やリサイクル業 者をホームページで紹 介 する場 合 、写 真 や動 画 等
を用いて、わかりやすく示す。

リサイクル手法(業種別、廃棄物品目別)やリサイクル業者の紹介は、排出ルール
ブック等にも掲載する。収集運搬許可業者・処分許可業者については、排出ルー
ルブック等には情報を掲載するホームページのアドレス等を示し、ホームページで
確認できるよう誘導する。
概算経費
※情報収集整理費用、ウェブデザイン費等が発生する。

業種別、廃棄物品目別のリサイクル手法等の情報収集

市内の事業所で実施されている取り組みの情報収集(多量排出事業所のほか中
事前検討事項
量排出事業所での取り組みについても情報収集する。)
等

リサイクル業者、収集運搬許可業者・処分許可業者の情報収集

掲載内容・形式等の検討

紹介するリサイクル業者、処分許可業者の施設の事前確認(必要に応じて)
参考とした事例 
福岡市ほか多数
37
施策区分 仕組み
(7)相談窓口の設置
ホームページや排出ルールブック等による情報発信のほか、廃棄物の適正処理や減量・リ
サイクルについて、排出事業者が気軽に相談できる窓口を設置する。
<施策の概要>
対象とする

廃棄物
対象者



方法等

概算経費
事前検討事項
等
-




参考とした事例 -
事業系廃棄物全般(特に紙資源、プラスチック類)
町田市内の事業所
廃棄物の適正処理や減量・リサイクルについて、事業者が気軽に相談できる窓口
を設置する。
窓 口 では、ホームページや排 出 ルールブック等 に掲 載 している情 報 の提 供 のほ
か、各事業者・事業所にあった減量・リサイクルの取り組み方法のアドバイスやリサ
イクル業者・処分業者の紹介等を行う。
問 い合 わせ窓 口 の連 絡 先 等 は、ホームページや排 出 ルールブック等 に記 載 す
る。
業種別、廃棄物品目別のリサイクル手法等の情報収集
市内の事業所で実施されている取り組みの情報収集(多量排出事業所のほか中
量排出事業所での取り組みについても情報収集する。)
リサイクル業者、収集運搬許可業者・処分許可業者の情報収集
紹介するリサイクル業者、処分許可業者の施設の事前確認(必要に応じて)
38
1.9.2 ステップ 2 指 導
施策区分 仕組み
(1)搬入物検査の強化
町田市清掃工場での搬入物検査を強化して、資源物や不適正物の混入の抑制を図る。
<施策の概要>
対象とする

廃棄物
対象者


事業系一般廃棄物に混入する資源物及び不適正物(産業廃棄物、町田市清掃
工場で受け入れていない一般廃棄物)
町田市内の事業所(少量排出事業所除く)
町田市清掃工場における搬入物検査を継続実施し、その結果に基づく、収集運
搬許可 業者・排出事 業者 への注意・指導を強化する。特に、事業 所の戸別 訪 問
方法等
による排出実態の確認、注意・指導を強化する。

町田市清掃工場での搬入物監視員の常駐を継続実施する。

組成調査結果から推計した事業系一般廃棄物中のペットボトル、発泡スチロール
を除くその他プラスチック類の混入量は 5,133t/年(2013 年度実績ベース)であ
る。このうち、①20%、②40%、③60%、④80%が分 別 排 出 されると設 定 し、見 込
み削減量を推計した。

組成調査結果から推計した事業系一般廃棄物中の上記のその他プラスチック類
以外の不適正物の混入量は 992t/年(2013 年度実績ベース)である。このうち①
30%、②50%、③70%、④90%が分別排出されると設定し、見込み削減量を推計
見込み削減量
した。
《見込み削減量》
① 1,324t/年(削減率 5.8%)=5,133t/年×0.2+992t/年×0.3
② 2,549t/年(削減率 11.1%)=5,133t/年×0.4+992t/年×0.5
③ 3,774t/年(削減率 16.4%)=5,133t/年×0.6+992t/年×0.7
④ 4,999t/年(削減率 21.7%)=5,133t/年×0.8+992t/年×0.9
注)削減率は、事業系一般廃棄物搬入量の総量(2013 年度 23,020t/年)に対する割合。
概算経費
※人件費
(戸別訪問指導等の必要人員数:2 人/組×1 組×25~50 日(100 件訪問を想定。訪問
件数により必要組数・日数は異なる。))
事前検討事項

搬入物検査基準、不適正排出事業者の判定基準、指導基準等の適宜見直し
等
参考とした事例 八王子市、相模原市、横浜市、千葉市ほか
39
(2)戸別訪問による排出実態の確認、注意・指導の強化
施策区分 仕組み
大規模事業所については、現行の戸別訪問による排出実態の確認や注意・指導を強化し、
1 事業所につき最低でも 2~3 年に 1 回は実施する。
その他 の事 業 所 に対 しても、搬 入 物 検 査 の結 果 や業 種 ・業 態 等 を基 に訪 問 先 を選 定 し、
戸別訪問による排出実態の確認や注意・指導を強化する。
<施策の概要>
対象とする

廃棄物
対象者


事業系一般廃棄物全般
町田市内の事業所(少量排出事業所除く)
大規模事業所については、現行の戸別訪問確認等を強化し、1 事業所につき最
低でも 2~3 年に 1 回は実施する(年間約 90 件)。

搬入物検査 で特に不適正とした排出事業所に対しては、必ず戸別訪問し、排出
方法等
実態の確認や注意・指導を実施する。また、その後の取り組み状況や改善状況の
確認のため、一定期間を経た後再訪する。

そのほか、業種・業態等によって対象事業所を選定し、訪問指導等を実施する。
見込み削減量 ※「1.9.2 (1) 搬入物検査の強化」参照
※人件費
概算経費
(戸別訪問の必要人員数:大規模事業所 2 人/組×1 組×23~45 日、その他 2 人/組
×1 組×25~50 日(100 件訪問を想定。訪問件数により必要組数・日数は異なる。)

訪問時の確認事項、指導方針・内容等の確認
事前検討事項 
減量再利用計画書、一般廃棄物管理票のデータの精度向上
等

収集運搬許可業者の収集先リストの適正化(精度向上)

搬入物検査基準、不適正排出事業者の判定基準、指導基準等の適宜見直し
参考とした事例 
八王子市、相模原市、横浜市
(3)悪質排出事業者に対する罰則強化(過料等)
施策区分 仕組み
繰り返し指導しても改善しない悪質な排出事業者については、過料や市のホームページで
の公表などの罰則強化を図る。
<施策の概要>
対象とする

廃棄物
対象者



方法等

事業系一般廃棄物に混入する資源物及び不適正物(産業廃棄物、町田市清掃
工場で受け入れていない一般廃棄物)
町田市内の事業所(少量排出事業所除く)
過 料 や市 のホームページでの公 表 等 の罰 則 強 化 の内 容 を検 討 し、排 出 事 業 者
等へ周知する。
搬 入 物 検 査 の結 果 に基 づき、収 集 運 搬 許 可 業 者 ・排 出 事 業 者 への注 意 ・指 導
(戸別訪問指導を含む)を実施する。
繰り返し指導しても改善されない場合、勧告、命令を実施し、それでも改善されな
い場 合 は廃 棄 物 の受 け入 れ拒 否 、過 料 や市 のホームページでの公 表 等 の措 置
を講ずる。
見込み削減量 ※「1.9.2 (1) 搬入物検査の強化」参照

罰則強化内 容の周知費 用:約 95 万 円(リーフレット作成費(A4 版両面カラー1
概算経費
枚、3,000 部)、送付代として。特注画像素材費等は含まない。)

過料の可否の検討、その他の罰則内容の検討

過料等の罰則の対象範囲、罰則を科す基準、過料の金額等の検討(過料を科す
場合)、ホームページでの公表内容等の検討(公表する場合)
事前検討事項

搬入物検査基準、不適正排出事業者の判定基準、指導基準等の適宜見直し
等

商工会議所やその他事業系各種団体との事前協議(意見交換会)

条例の改正(必要に応じて)

罰則強化内容の周知方法の検討
参考とした事例 
横浜市(市民・事業者を対象。過料は 2,000 円)
40
施策区分 仕組み
(4)優良排出事業者に対する優遇策
「1.9.2 (3) 悪質排出事業者に対する罰則強化(過料等)」で悪質排出事業者の罰則強
化を進める一方で、排出事業者のインセンティブが働くよう、適正排出や減量・リサイクルに積
極的に取り組んでいる優良排出事業者については市のホームページでの企業紹介・PR 等の
優遇策も合わせて実施する。
なお、優遇策を実施するためには、定期的な搬入物検査や訪問検査、一般廃棄物管理票
や減量再利用計画書(あるいはそれに代わるもの)の提出義務付け、また、そのデータの精査
等が必要である。
<施策の概要>
対象とする

廃棄物

対象者
事業系一般廃棄物全般
ごみの適 正 排 出 、減 量 ・リサイクルに取 り組 んでいる町 田 市 内 の事 業 所 (少 量 排
出事業所除く)

申告制とする。

ごみの重量計量、一般廃棄物管理票や減量再利用計画書(あるいはそれに代わ
るもの)の提 出を義務づけるとともに、2~3 年間の取り組みや排 出量実 績等 、搬
入物検査や訪問検査等により評価する。
方法等
※中規 模事 業所の減 量 再利 用 計画 書の内容は、大規 模 事業 所の計画 書 よりも簡
易なものとする。

優 良 排 出 事 業 所 と認 定 した場 合 、社 名 ・事 業 所 名 や減 量 ・リサイクルの取 り組 み
等を市のホームページ等で紹介・PR する。

多量排出事業所の事業系一般廃棄物排出量は 5,068t/年(2013 年度実績ベー
ス)である。このうち 17%(アンケート調査で優遇策を望む割合)の多量排出事業
所が事業系 一般廃棄 物 排出量の①5%、②10%、③15%減量 に取り組むと設定
し、多量排出事業所の削減見込み量を推計した。

中量排出事業所の事業系一般廃棄物排出量は 17,952t/年(2013 年度実績ベ
ース)である。このうち 17%(アンケート調査で優遇策を望む割合)の中量排出事
業所が事業系一般廃棄物排出量の①10%、②15%、③20%減量に取り組むと設
定し、中量排出事業所の削減見込み量を推計した。
《見込み削減量》
◆多量排出事業所
見込み削減量
① 43t/年(削減率 0.2%)=5,068t/年×0.17×0.05
② 86t/年(削減率 0.4%)=5,068t/年×0.17×0.10
③ 129t/年(削減率 0.6%)=5,068t/年×0.17×0.15
◆中量排出事業所
① 305t/年(削減率 1.3%)=17,952t/年×0.17×0.10
② 458t/年(削減率 2.0%)=17,952t/年×0.17×0.15
③ 610t/年(削減率 2.7%)=17,952t/年×0.17×0.20
注)削減率は、事業系一般廃棄物搬入量の総量(2013 年度 23,020t/年)に対する割合。
※各データ入力・維持管理等の人件費
(データ管理システムを構築する場合は、別途システム構築費用(100 万円~)やシス
テム維持管理費が別途発生する。)
概算経費

対象者への条例改正の周知費用:約 55 万円(リーフレット作成費(A4 版両面カラ
ー1 枚、3,000 部。特注画像素材費等は含まない。)。送付は「③ 搬入物検査の
強化と悪質排出者に対する罰則強化(過料等)」のリーフレットと同梱)

減量再利用計画書の様式の見直し

一般廃棄物管理票と減量再利用計画書のデータの精査方法、管理方法の検討
事前検討事項 
事業所別の搬入物検査方法の検討
等

優遇策の内容検討(ホームページ等での紹介内容、その他の優遇策の検討)

申告方法の検討

評価方法、評価基準の検討・設定
参考とした事例 -
41
1.9.3 ステップ 3 品目別施策
施策区分 仕組み
(1)事業系紙資源の回収拠点の設置
紙資源の排出量が少なく、単独でのリサイクルが難しい事業所を対象に、紙資源を無料ま
たは低料金で持ち込みできる拠点(常設または非常設)を設置し、リサイクルを推進する。
なお、回収拠点の設置が困難な地域については、ステーション回収や戸別回収などの方法
による紙資源共同回収システムを構築する。
<施策の概要>

対象とする
廃棄物
対象者
方法等
事業系の紙資源(一般廃棄物に限る)
 新聞、雑誌、ダンボール、OA 用紙(機密書類除く)、雑紙
※禁忌品やシュレッダー紙も可能であれば、対象とする。

町田市内の少量・中量排出事業所のうち、紙資源の排出量が少なく、単独でのリ
サイクルが難しい事業所
【常設の場合】

事前登録制とする。

排出事業者自らが拠点に搬入する。

拠 点 に搬 入 された紙 資 源 は、古 紙 回 収 業 者 が回 収 する。古 紙 回 収 業 者 等 の参
画により、回収システムを構築する。

搬入料金は無料または低料金とする。料金を徴収する場合は、焼却処理手数料
よりも安く、排出事業者自らが搬入するとしても安いと感じられるような金額とする。

回収拠点の設置数は、5 ヵ所以上(1 地区 1 拠点以上)。排出事業所から遠すぎ
ると自 己 搬 入 する負 担 が大 きくなり、利 用 率 が下 がる可 能 性 があるので、費 用 対
効果も考慮しつつ、適度な配置を検討し、設置する。

地 理 的 状 況 等 により回 収 拠 点 の設 置 が困 難 な地 域 については、ステーション回
収や戸別回収などの方法を検討し、別途紙資源共同回収システムを構築する。
【非常設の場合】

事前登録なし

排出事業者自らが拠点に搬入する。

拠点に搬入された紙資源は、古紙回収業者が回収する。

搬入料金は無料または低料金とする。料金を徴収する場合は、焼却処理手数料
よりも安く、排出事業者自らが搬入するとしても安いと感じられるような金額とする。

回収拠点の設置数は、10 ヵ所以上(1 地区 2 ヵ所以上)。常設の場合と異なり、常
時搬入ができないため、設置数を増やし、利用しやすいシステムとする。

設置場所は、1 年間固定とする。固定できない場合は、年度当初に年間スケジュ
ールを作成し、周知する。

開設回数は月 1 回以上とする。

組 成 調 査 結 果 から推 計 した中 量 排 出 事 業 所 の紙 資 源 (禁 忌 品 、シュレッダー紙
除く)の混入量は、5,744t/年(2013 年度実績ベース)である。アンケート調査結果
から、紙類の共同リサイクルシステムを望む割合を 27%と設定し、このうち実際に
利用する割合を①10%、②30%、③60%、④90%と設定し、見込み削減量を推計
した。
《見込み削減量》
見込み削減量
①
155t/年(削減率 0.7%)=5,744t/年×0.27×0.1
②
465t/年(削減率 2.0%)=5,744t/年×0.27×0.3
③
931t/年(削減率 4.0%)=5,744t/年×0.27×0.6
④ 1,396t/年(削減率 6.1%)=5,744t/年×0.27×0.9
注)削減率は、事業系一般廃棄物搬入量の総量(2013 年度 23,020t/年)に対する割合。
42
【常設の場合】

設置費用:約 50 万円/ヵ所(土地の賃貸料は含まない。)
※回収拠点に専任の管理者を置く場合は、別途人件費等が発生する。

対象者への周知費用:約 95 万円(リーフレット(A4 版両面カラー1 枚、3,000 部)
作成費、送付代として。特注画像素材費等は含まない。)
【非常設の場合】

対象者への周知費用:約 95 万円(リーフレット(A4 版両面カラー1 枚、3,000 部)
作成費、送付代として。特注画像素材費等は含まない。)
※設置場所が固定できない場合は、毎年設置場所の周知が必要となるが、毎年
周知用のリーフレットを送付することは難しいため、市のホームページや広報等
を利用して周知する。その際はスタート時に配布する上記の周知用リーフレット
や「1.9.1 (1)」で示した事業系一般廃 棄物排出ルールブック等にホームペー
ジアドレス等を掲載し、誘導する。
※人件費(回収拠点での管理者:各拠点 1 人以上)

古紙回収業者等の参画による最適な回収システムの構築(回収方法、回収事業
者の選定方法、売却益の取り扱い等)
※特に常設の場合は、古紙回収業者等の参画による回収システムの構築が重要
事前検討事項
である。
等

1 回当たりの搬入量の上限等の検討

設置箇所数及び設置場所の検討、選定、設置場所所管者との調整

設置した拠点の管理方法、利用方法の検討(常設の場合)

対象とする事業所への周知方法の検討

八王子市(設置数:9 ヵ所、2014 年度中に 1 ヵ所増設予定)、千葉市(設置数:20
参考とした事例
ヵ所)

事業系資源化可能紙類のステーションまたは戸別回収(有料)
※事前登録制とする。
※拠点回収よりも排出しやすいため、利用率・回収率が高くなると予想される。
※排出事 業 者の処理責 任等が不明 確になる可能 性があるため、有料とする。料
代替案
金は焼却処理手数料よりも低く設定する。
※効率的な回収システム(家庭系資源物との共同回収等)の構築が必要。
※回 収 対 象 の紙 資 源 以 外 のもの(紙 くず、生 ごみ、不 燃 物 等 )混 入 防 止 対 策 が
必要である。
概算経費
43
(2)雑紙やプラスチック類の分別箱等の作製・配布
施策区分
啓発
雑紙のリサイクルやプラスチック類の事業系一般廃棄物への混入防止を図るためには、事
業所内での分別排出を推進することが必要である。その意識づけを推進するため、事業所内
で雑紙やプラスチック類(容器包装プラスチック類含む)を分別排出するための箱や袋等のツ
ールを作製し、事業所へ配布する。
<施策の概要>
対象とする

廃棄物
対象者







方法等


雑紙(リサイクル可能なもの)、プラスチック類(ペットボトル、発泡スチロール以外)
町田市内の中量排出事業所
啓発用に、雑紙やプラスチック類を分別排出するための箱や袋を作製し、配布す
る。
雑紙用の箱・袋の場合は、側面に誰でも分別排出ができるよう、分別基準を記載
する。箱の場合は、中には各事業所で用意した紙袋を入れ、その袋に分別した雑
紙を入れて満杯になったら紙袋ごと排出し、リサイクルする。
箱・袋の側面に分別基準を掲載できない場合は、掲示用の分別基準リーフレット
(A3 版 1 枚)を作成し、分別箱・袋とともに配布する。
雑紙用の紙袋の場合は、紙袋をぶら下げることができるフックのようなものも併せて
配布する(原則初回のみ)。
プラスチック類については、事業所に対して「燃えるごみ」、「燃えないごみ」の分別
だけではなく、「プラスチック類」という分別箱の設置を進めてもらえるよう、ダンボー
ル製またはプラスチック製の箱(既成ごみ箱)と掲示用の分別基準リーフレット(A3
版 1 枚)を作成し、配布する。
すべての事業所に箱や袋を配布することは費用的にも難しいため、雑紙やプラス
チック類の分別基準リーフレット(A3 版 1 枚)を市のホームページからもダウンロー
ドして印 刷 し貼 ることができるようにし、事 業 所 で排 出 される使 用 済 みダンボール
や紙袋を活用できるようにする。
配布先は、町田市清掃工場での搬入検査等でリサイクル可能な雑紙の混入が多
い事 業 所や雑 紙のリサイクルを進 めようとしている事 業 所 、「1.9.3 (3)」の雑 紙 、
プラスチック類分別排出実証事業への参加事業所等とする。
好評の場合は、有料販売も検討する。
雑紙ボックス、使用済み段ボールに貼る分別基準(千葉市の事例)


概算経費
事前検討事項
等





参考とした事例 

代替案
雑紙回収箱:500 円/箱(大きさ、発注数により単価が異なる)
雑紙回収袋:180 円/袋~(大きさ、発注数により単価が異なる)+デザイン費 5,000
~50,000 円+フック 150 円/個~
プラスチック類回収箱:1,800 円/箱~
分別基準リーフレット(A3 版モノクロ)150 円/種類・枚~(部数により単価が異なる)
わかりやすい分別基準の内容検討
分別基準リーフレットの内容については、「(1.9.3 (5)市庁舎での雑紙・プラスチ
ック類 の分 別 ・リサイクル、食 べきりモデル事 業 の実 施 」において試 用 し、表 示 内
容・形式等を検証し、よりわかりやすいものとする。
紙袋は、再生紙とし、そのままリサイクルできるよう持ち手も紙製とする。
千葉市
分別箱・袋の作製が困難な場合は、雑紙とプラスチック類の掲示用の分別基準リ
ーフレットを作成し、配布する。(ホームページからのダウンロードも可能とする。)
44
(3)雑紙、プラスチック類分別排出実証事業の実施
施策区分 仕組み
中量排出事業所を対象に、「1.9.3 (2)」の雑紙やプラスチック類の分別箱等を使用して、
雑紙の分別排出・リサイクル、プラスチック類の分別排出の実証事業を実施する。
<施策の概要>
対象とする

廃棄物
対象者


雑紙(リサイクル可能なもの)、プラスチック類(ペットボトル、発泡スチロール除く)
町田市内の中量排出事業所
参加事業所 は公募とする。応募が少ない場合は、商 工会議所等 と連携して参 加
事業所を選定する。

参加事業所は、「1.9.3 (2)」の雑紙やプラスチック類の分別箱等を活用し、事業
所内で雑紙、プラスチック類の分別排出を実践する。

雑紙は、「1.9.3 (1)」の事業系 紙 資 源 の回収拠 点 等を活 用してリサイクルする。
プラスチック類は産業廃 棄物として適正処理する。可能であれば、プラスチック類
もリサイクルするよう促す。
方法等

一定期間の実践の後、実施前、実施後の雑紙、プラスチック類の混入割合や、事
業系一般廃棄物の廃棄量の減量効果等を検証する。

効果が確認できた場合は、他の中量排出事業所への展開を推進する。

効 果 が確 認 できなかった場 合 は、問 題 点 ・課 題 等 を参 加 事 業 所 から吸 い上 げ、
改善策等の次の施策展開に活用する。

本実証事業に参加し、町田市清掃工場への事業系一般廃棄物搬入量が減少し
た事業 所については、優良事 業所として、「1.9.2 (4)優良排 出 事業 者に対する
優遇策」に示した優遇策の対象とする。

説明会開催費用:約 10 万円/回(会場費、資料代等)
概算経費
※実証事業を委託する場合は、別途委託費用が発生する。

実証事業の内容・方法、データの活用方法等の詳細検討
事前検討事項

参加事業所の募集、説明会開催
等

商工会議所等との事前協議・調整(必要に応じて)
参考とした事例 -
45
施策区分
(4)「食べきり」の推進
啓発
事業系一般廃棄物の生ごみには食べ残し(残飯)も多く含まれており、事業者の取り組みだ
けでは減量が困難な状況である。そのため、事業者に対してはさらなる生ごみの減量や「食べ
きり」活動への協力を求 めていくとともに、市民や町田市 内の宿泊・飲食店の利用客 に対し、
「食べきり」に関する啓発活動を推進する。
① 食べきり協力店
<施策の概要>
対象とする廃

棄物

対象者



方法等



概算経費




事前検討事項
等


参考とした事例 
事業系一般廃棄物の生ごみ(食べ残し)
町田市 内の宿泊施 設・飲食店(大規模 事業所 内に設置されている食堂・飲食 店
も含む)
食べきりサイズメニューの設定や持ち帰り対応可能な宿泊施設・飲食店を「食べき
り協力店」として認定し、認定証や認定シール、PR 用幟・ポスター等を交付する。
すでに食べきりサイズメニューの設定や持ち帰り対応している宿泊施設・飲食店を
募集し、認定する。
未実施の宿泊施設・飲食 店については、戸別に訪 問し「食べきり協力店」への参
加を呼び掛ける。
「食べきり協力店」には、利用者への特典の提供等にも協力していただく。
認定した「食べきり協力店」は、市のホームページや「環境情報紙 ECO まちだ」等
で紹介・PR する。また、「食べきり協力店マップ」等を作成し、配布する(町田市の
「マイボトル OK 店(町田市マイボトル等推進協力店)との共同掲載も検討する)。
実 施 後 に、「食 べきり協 力 店 」へのアンケート・ヒアリング調 査 を実 施 し、課 題 等 を
抽出し、その後の推進方法等の検討資料とする。
食べきり協力店の幟作成費:3,000 円/本(幟、ポール、ポールスタンド等込み)~
ポスター作成費(A1 版、屋内用):3,000 円/枚(デザイン、印刷費)~
食べきり協力店マップ作成費(A3 版、折り):75 円/枚(デザイン、印刷費)~
関係機関(宿泊施設・飲食店の関連団体、商店街、商工会議所等)との調整・事
前協議
「食べきり協力店」の認定基準等の検討
「食べきり協力店」への参加募集・周知方法等の検討
横浜市、富士市
② 市民・利用客への「食べきり」啓発
<施策の概要>
対象とする廃

棄物
対象者


事業系一般廃棄物の生ごみ(食べ残し)
町田市民及び町田市内の宿泊施設・飲食店、事業所内の食堂等の利用客
市 民 の「食 べきり」を推 進 する。子 供 たちに対 する食 育 の中 にも「食 べきる」ことの
教育を盛り込む。

学校やその他事業所等へ直接出向き、「食べきり」に関する啓発を行う。

市 のホームページや、「食 べきり協 力 店 マップ」等 を提 供 し、食 べきり協 力 店 を紹
介する。また、食べきり協力店を利用することで利用客にもメリットのあるシステムを
方法等
構築する。

「食べきり」に関する幟やポスター等を作成し、常に「食べきり」が目に入るよう、食
べきり協力店 以外の大規模商業施設 等の飲食店街や飲食店 の多い商店 街、大
規模事業所内の食堂、宿泊施設、学校等にも掲示する。

飲食店が多く出店するイベント等においても、幟やポスター等を掲示し PR する。
概算経費
※上記「① 食べきり協力店」の概算経費参照

食 べきり協 力 店 、関 係 機 関 (教 育 委 員 会 、宿 泊 施 設 ・飲 食 店 の関 連 団 体 、商 店
事前検討事項
街、商工会議所等)との調整
等

利用者特典の検討
参考とした事例 
横浜市、富士市
46
(5)市庁舎での雑紙・プラスチック類の分別・リサイクル、食べきりモデル事業の実施
大規模事業所かつ中量排出事業所である市庁舎において、ステップ 1~3 に示した各施策
についてモデル事業を実施し、紙類や生ごみ、プラスチック類のさらなる減量を図るとともに、
その施策の効果や課題・問題点を確認し、今後の分別排出、減量・リサイクル施策の効果的
な推進方法等の検討資料とする。
<施策の概要>
対象とする

廃棄物
対象者


方法等

-


要検討事項等


参考とした事例 -
事 業 系 の紙 資 源 (一 般 廃 棄 物に限 る)、生ごみ、プラスチック類(ペットボトル、発
泡スチロール除く)
市庁舎
市 庁 舎 において、雑 紙 やプラスチック類 の分 別 ・リサイクルの取 り組 みや「食 べき
り」を実施し、紙類や生ごみ、プラスチック類のさらなる減量を図るとともに、その施
策の効果や課題・問題点を確認する。
市 役 所 が率 先 してごみ減 量に努 めていることをアピールし、市 内 事 業 者 ・市 民に
協力をいただくための資料として活用する。
概算経費
モデル事業の内容・方法等の詳細検討
市役所内の関係部署との調整
市役所職員全員への周知・徹底
職員へのアンケートの実施(モデル事業実施前、実施後)
47
施策区分 その他
1.9.4 ステップ 4 将来に向けて
(1)紙おむつ排出量、リサイクル手法等の動向把握
紙おむつについては、衛生面や技術面等から、現状ではリサイクルが難しい状況である。し
かし、福祉施設の増加 や高齢者人 口の増加に伴い、紙おむつの排出 量も増加すると予想さ
れることから、将 来に向 けて、その排 出 量 やリサイクル手 法(サーマルリサイクル含む)等 の動
向を把握していく。
<施策の概要>
対象とする

廃棄物


対象者




方法等


概算経費
-


要検討事項等


参考とした事例 -
事業系一般廃棄物の紙おむつ
家庭系ごみの紙おむつ
町田市内の事業所(主に、大規模事業所の福祉施設)
市民
大規模事業所の福祉施設から提出される減量再利用計画書のデータから、紙お
むつの排出量を把握する。
紙 おむつの排 出 量 を記 載 できるよう、減 量 再 利 用 計 画 書 の様 式 を見 直 すととも
に、大規模 事 業所の福祉 施設に対しては、紙おむつの排出量を重量で把握 し、
必ず計画書に記載するよう指導する。
中 量 排 出 事 業 所 の福 祉 施 設 については、モニタリング事 業 所 を複 数 設 定 し、紙
おむつの排出量を重量で把握して定期的に報告してもらい、そのデータを基にそ
の他 の福 祉 施 設 の紙 おむつ排 出 量 を推 計 する。(あるいは、搬 入 物 検 査 を定 期
的 に実 施 し、そのデータを基 にその他 の福 祉 施 設 の紙 おむつ排 出 量 を推 計 す
る。)
家庭系ごみの紙おむつについては、おむつ専用袋の配布枚数と 1 袋当たりの重
量原単位から、排出量を推計する。
紙 おむつのリサイクル手 法 等に関 する情 報 は、定 期 的 にネット検 索 等 により収 集
するとともに、国や東京都との情報交換等を実施する。
減量再利用計画書の様式の見直しと大規模事業所への指導
中 量 排 出 事 業 所 の福 祉 施 設 のモニタリング事 業 所 の選 定 、事 業 者 への協 力 要
請
関係機関等との事前協議・調整等
おむつ専用袋 1 袋当たりの重量原単位調査
1.9.5 その他
(1)事業系一般廃棄物に関する基礎資料の精度向上(ステップ 0)
一 般 廃 棄 物 管 理 票 や減 量 再 生 利 用 計 画 書 のデータ、収 集 運 搬 許 可 業 者 の収 集 先 リスト
等の事 業系 一般 廃棄 物 に関する基 礎資 料の精 度向 上を図 り、今後の施 策に活 用できるよう
整備する。
(2)市民に対する家庭系ごみ(粗大ごみ含む)の不法投棄に関する啓発等の強化
多量排出事業所のヒアリング調査結果から、事業所敷地内に家庭系ごみ(粗大ごみ含む)
が不法投棄されている事業所が多いことが判明した。そのため、市民に対し家庭系ごみ(粗大
ごみ含む)の不法投棄防止に関する啓発や不法投棄パトロール等を強化する。
また、啓発活動の一環として、市民、事業者と協力して不法投棄廃棄物の撤去キャンペー
ンを実施する。
48
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