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doubles2『間(のめ)』開催のご案内

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doubles2『間(のめ)』開催のご案内
PRESS RELEASE 2016.7.19.
doubles2『間(のめ)』開催のご案内
展覧会名:doubles(ダブルス)2『間(のめ)』
キュレーター x アーティスト:居原田遥 x 手塚太加丸 大下裕司 x 結城幸司
会 期:2016年9月10日(土)∼10月9日(日)
・会期中は、月曜 17∼23時・木・金・土 12∼19時・日 12∼18時のオープンとなります。
・本展のオープニングレセプションを、初日の9月10日(土)18∼21時に開催します。作家も在廊いたします。
・なお、初日も通常通り13時からオープンいたします。
会 場:WAITINGROOM(東京都渋谷区恵比寿西2-8-11 渋谷百貨ビル4B)
WAITINGROOMでは、2016年9月10日(土)から10月9日(日)まで、今後の活躍が期待される若手キュレーターを紹介するシリーズ「doubles(ダブ
ルス)」の第2回目を開催します。第1回目キュレーターの趙純恵と長谷川新からバトンを受け取り、沖縄出身の居原田遥と、横浜出身の大下裕司が共
同キュレーション「間(のめ)」を企画しました。本展は、2人展・グループ展という形式ではなく、キュレーターとアーティストの4名が対話するこ
とによって、1つの展覧会を完成させる試みです。今回、居原田は手塚太加丸(1990年屋久島出身)を、大下は結城幸司(1964年釧路出身)をそれぞれ
選出しました。
手塚太加丸《土を掘って土地を見て場になる》2016年、「私戦と風景」展(丸木美術館)
結城幸司《熊色の夜に想うこと》2012年、紙、インク
南と北、都市と地方、中央と周縁、伝統と革新。
こうした現代社会における二項対立は、私たちに立場の選択を強いることがあります。例えば、書類の提出時に署名を求められるとき、はたまた
与野党議員選挙の投票。特定の立場を選ぶことを余儀なくされるが故に、双方のあいだで言葉を失い、途方に暮れることも少なくありません。
あらゆる問いを前に「何者であるのか」という答えを求められたとき、自身の生い立ちや文脈から考えようとすると、両端のいずれかにむりやり
追いやられる。それは、近代という歴史が、さまざまな問題を抱えたまま、置き去りにしてきたことの代償のように思えます。
しかし、「あいだ」に立ち、そこにまなざしを置くことができるとしたら、両端にある距離すらも、距離のまま「見る」ことが出来るとしたら。
私たちはそうした「端」を超え、異なる視座を手にすることが出来るのかもしれません
展覧会タイトルとした「間(のめ)」(英題:in between gaze)は、「あいだのめ」と読みます。アーティストたちの対話により生まれたこのタイ
トルは、「間」という字の「日」を「目」に置き換えて書かれた創作文字です。それは、彼らの制作に深く結びついた意味を持っています。対抗の
あいだに視座を置き、それをそのまま見るという展示を、ご覧頂ければ幸いです。
↓<次頁> 作家紹介
PRESS RELEASE 2016.7.19.
今日における「アーティスト」とは、世界をどのように見て、社会と環境を読み解き、そのなかで自身の生活を築きながら、モノを作り、芸術活
動とするのでしょうか。
手塚太加丸は屋久島で生まれ育ちました。大学を卒業した後、手塚は沖縄県にて、施工と内装を仕事としながら、仲間たちと共同生活を営んでい
ます。また年に一度、自然豊かな故郷の屋久島・白川山に「かえり」、生活を捉え直しながら、「いえ」という生活空間を作るプロジェクト、「し
らこがえり」を続けています。また時折、日本各地を移動しつつ、あらゆる空間の内装を手がけています。これがアーティスト、手塚の生活であ
り、営みです。沖縄や屋久島、様々な場所を行き来しながら、そこに居る人々にあわせ、土地に向き合い、作り続けています。
結城幸司は釧路出身、札幌在住の版画家、アーティストでアイヌ民族の出身です。日本の先住民族であるアイヌの世界観を、独特の「語り」を持っ
て版画という形で表現します。結城は民族解放運動の旗手であった父に反発し、かつてはアイヌ民族ということを避けて暮らしていましたが、ア
イヌの伝統的な丸木舟の復元に立ち会うことが転機となり、活動を開始します。彼は、自分の関わったその「舟」が博物館の展示品として制作さ
れたために、ただの一度も海に出ることなく収蔵された事にショックを受け、自身のエスニック・アイデンティティと向き合うことになったと言
います。
アイヌの「伝統」には本来、版画も、ヴィジュアルアートとしての絵画もありません。故に彼の活動は伝統もしくは正当性を強く志向する他のアイ
ヌからも批判されてきました。では一体、彼の活動とは何か。「しまわれる舟」とは別の在り方で、結城自身の作家としてのアイデンティティと、
アイヌとしてのそれが、版木に刻まれています。
本展では手塚太加丸、結城幸司ともに新作を発表いたします。また、キュレーターの居原田遥と大下裕司による本展についてのテキストもあわせ
て会場でお読み頂ける予定です。今回のdoubles 2でしか見ることのできない4人の組み合わせの展覧会を、この機会に是非ご高覧下さい。
手塚太加丸《しらこがえり》2013年夏、屋久島
映画「七五郎沢の狐」2014年、13分、(c)tane project / Koji Yuki
↓<次頁> キュレーター&アーティスト 経歴
PRESS RELEASE 2016.7.19.
キュレーター&アーティスト経歴
キュレーター ¦ 居原田遥(いはらだ・はるか)
1991年沖縄県生まれ。東京藝術大学音楽文化学修了。アジアのアート・アクティビズムやコレクティビズム、戦後沖縄美術を関心軸におき、展
覧会やプロジェクトのコーディネート、美術分野に留まらず、幅広いジャンルのイベント企画を行う。また2016年よりオルタナティブ・スペース
「特火点 ‒ tochka」を運営。これまでの主な活動に、「寄り道キャラバンプロジェクト」企画(アジア7都市、 2015年)、川田淳個展「終わらな
い過去」企画 (東京、2015年)、Cultural Typhoon 2016事務局長。
アーティスト ¦ 手塚太加丸 (てづか・たかまる)
1990年屋久島生まれ。現在は、屋久島と沖縄の2つの場所を行き来しながら活動を展開している。主な活動として、故郷である屋久島の白川山
にかえり続けるプロジェクト「しらこがえり」を2013年より展開。毎年「しらこがえり」し、会期中には関連した展覧会や上映会などを行う。
また2014年には沖縄で共同制作空間「 BARRACK」を立ち上げ、企画・運営を行っている。
キュレーター ¦ 大下裕司(おおした・ゆうじ)
1987年横浜生まれ。慶應義塾大学文学部美学美術史学専攻卒業、同大学院政策・メディア研究科中退。これまでに札幌国際芸術祭2014コーディ
ネーター、東京アートミーティングVI(東京都現代美術館)学芸アシスタントなどを経験。主な企画に「川村元紀|最高速でぶれる崖」(札幌、
CAI02、2014)、「交感と交換/ここはどこか、あるいは何か」(札幌、越山計画ほか、2013)など。
アーティスト ¦ 結城幸司(ゆうき・こうじ)
1964年釧路出身、札幌在住。版画家。2000年にアイヌ・アート・プロジェクトを結成。2008年、洞爺湖サミットに際し実施された「先住民族
サミット・アイヌモシリ2008」にて同実行委員会事務局長。2010年よりギャラリーモーツアルト(東京)にて毎年個展を開催している。2011
年にはノーベル文学賞受賞者であるフランスの小説家ジャン=マリ・ギュスターヴ・ル・クレジオの招待により、ルーブル美術館で行われたイベ
ント「ルーブルの噂/世界の噂」にてストーリーテリングを披露した。
手塚太加丸《人の巣》2013年、岡山県
結城幸司《ホロケウカムイ》2006年、紙、インク
※本展に関するお問い合わせは、下記連絡先までお願いいたします。
WAITINGROOM(代表:芦川朋子)
住所:〒150-0021 東京都渋谷区恵比寿西2-8-11 渋谷百貨ビル 4B
営業時間:月 17-23時・木金土 12-19時・日 12-18時
Tel&Fax:03-3476-1010 Eメール:[email protected]
Web:http://waitingroom.jp
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